JP3583101B2 - 電池用極板の製造方法および塗布装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池用極板の製造方法および塗布装置に関するもので、特に塗布厚みの均一なリチウムイオン二次電池用の極板を得る製造方法および塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、携帯情報端末等の携帯電子機器の性能は、搭載される半導体素子、電子回路だけでなく、充放電可能な二次電池の性能に大きく依存しており、搭載される二次電池の容量アップと共に、軽量・コンパクト化をも同時に実現することが望まれている。これらの要望に答える二次電池として、ニッケルカドミウム蓄電池の約2倍のエネルギー密度を有するニッケル水素蓄電池が開発され、次いで、これを上回るリチウムイオン二次電池が開発され、脚光を浴びてきている。
【0003】
このリチウムイオン二次電池は、非水系電解液中に、正極及び負極を配置し、各々の極板には、集電体表面に正極活物質が結着され、或いは集電体表面に負極活物質が結着された構成となっている。この電池に用いられる電池用極板は、一般的に活物質(正極活物質または負極活物質)、導電材、結着材(バインダー)等を、集電体に塗布、乾燥した後に、圧延したものを、所定の形状にスリットすることにより作製されている。
【0004】
より具体的な極板を作製する手法としては、図5に示されるように、活物質と結着材とを有機溶剤または水に混練分散したペーストを図6に示すスリット状ノズル100から、帯状(フープ状)の集電体2の片面もしくは両面に塗布し、乾燥炉3を通すことにより乾燥させた後、所定の厚みになるまで圧延ローラ4にて圧延し、所定の寸法に切断することにより、極板を製造する方法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、集電体にペーストを塗布する場合、その幅方向において塗布厚みのバラツキが生じ、特に幅方向両端部の塗布厚みは塗布時のダレにより、塗布厚みが薄くなり所定の活物質量が確保できない為、歩留りの低下要因になっていた。
【0006】
また、連続的に走行(長手)方向にペーストを塗布した場合、リード部を形成するための剥離工程が必要となり、また、そのときに生じた活物質の剥離残滓が極板上に付着し、充放電の繰り返しに伴って放電容量が減少するなどの課題が生じる。そこで集電体に、ペーストを、集電体の走行方向に一定間隔で未塗布部が現れるように塗布する方法、すなわち間欠塗布方法(特許第2842347号など)が提案されているが、この場合、塗布の開始および停止時、圧力の微妙な制御を行わなければならないため、塗布幅だけでなく走行方向の塗布厚みの管理も必要となる。
【0007】
特に、極板が負極板である場合、塗布厚さの少ない部分が生じると、セパレータを介して正極板と対面したとき、充電時に正極板から移動するリチウムイオンを受け取る当該部分の活物質量が相対的に少なくなるために、その部分の表面にリチウムイオンが析出し、これがセパレータを突き破り、正極板に接触し、内部短絡を引き起こす可能性がある。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するものであり、集電体の幅方向や走行方向の塗布層の厚さを均一なものにし、歩留りが良好な電池用極板の製造方法および塗布装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、集電体上に少なくとも活物質と結着剤とを含有するペーストを塗布し、乾燥させた後、圧延する電池用極板の製造方法において、前記ペーストを塗布した塗布層の幅方向両端部に、塗布厚みが他の部分より厚くなるように塗布した盛り上がり部を設け、この盛り上がり部のみを予備圧延した後、塗布幅全体にわたって本圧延し、電池用極板を製造することを特徴とする電池用極板の製造方法であり、前記両端部の端縁から3〜17mm、好ましくは5〜15mm内側に他の部分の集電体と塗布層とを合計した極板厚みの平均より1.5%〜5.0%、好ましくは2.0%〜4.0%厚くなる盛り上がり部を設けることが好ましい。
【0010】
なお、本発明の製造方法における圧延は、前記塗布層の幅方向両端部の塗布厚みが、他の部分より厚くなるように塗布した盛り上がり部を設け、この盛り上がり部のみを予備圧延した後、塗布幅全体にわたって本圧延し、均一な厚みの電池用極板を製造するものであり、この予備圧延は従来から使用されている塗布層全幅を圧延するものとは異なる。この予備圧延により、塗布した上記盛り上がり部の活物質を、この盛り上がり部より端部に移動させることにより、塗布時にダレによって塗布厚みが薄くなった端部の塗布厚みを増加させ、塗布層全幅を均一な塗布厚みにした後、本圧延することにより活物質量が均一な極板を得ることができる。
【0011】
また本発明の塗布装置は、集電体の幅方向の両端部において、他の部分より塗布厚さが厚くなるようにペーストを塗布するために、吐出部のノズル先端部のスリット幅が、先端に向かって徐々に狭くなっているテーパー状スリットノズルを備えたことを特徴とするものであり、前記ノズル先端部のスリット幅が前記電池用極板の塗布幅より6〜34mm、好ましくは10〜30mm狭いことが好ましい。
【0012】
このテーパー状スリットノズルを備えた塗布装置を用いることにより、塗布幅の幅方向両端部の塗布厚みを、他の部分より厚くなるように塗布して盛り上がり部を設けることが容易にできる。
【0013】
また集電体の走行方向に間欠塗布を行った場合、塗布の開始および停止時に圧力の微妙な制御を行っても塗布の開始時に上記と同様の盛り上がり部が生じる場合には上記と同様に、この盛り上がり部のみを予備圧延した後、塗布幅全体を本圧延することにより、均一な厚みの極板を製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1はリチウムイオン二次電池用極板の製造方法を示す概略図である。
【0016】
極板が正極の場合は、アルミニウム製の箔やラス加工やエッチング処理された厚み10μm〜60μmの箔からなる集電体の片側または両面に正極活物質と結着剤、必要に応じて導電剤、増粘剤を溶剤に混練分散させたペーストを塗布する。
【0017】
正極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、リチウムイオンをゲストとして受け入れ得るリチウム含有遷移金属化合物が使用される。例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄およびバナジウムから選ばれる少なくとも一種類の金属とリチウムとの複合金属酸化物、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiCoxNi(1−x)O2(0<x<1)、LiCrO2、αLiFeO2、LiVO2等が好ましい。
【0018】
結着剤としては、溶剤に混練分散できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系結着材やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、アクリル系重合体、ビニル系重合体等を単独、或いは二種類以上の混合物または共重合体として用いることができる。フッ素系結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンと六フッ化プロピレンの共重合体やポリテトラフルオロエチレン樹脂のディスパージョンが好ましい。
【0019】
必要に応じて導電剤、増粘剤を加えることができ、導電剤としてはアセチレンブラック、グラファイト、炭素繊維等を単独、或いは二種類以上の混合物が好ましく、増粘剤としてはエチレン−ビニルアルコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどが好ましい。
【0020】
溶剤としては、結着剤が溶解可能な溶剤が適切で、有機系結着剤の場合は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、テトラメチル尿素、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を単独またはこれらを混合した混合溶剤が好ましく、水系結着剤の場合は水または温水が好ましい。
【0021】
極板が負極の場合は、銅製の箔やラス加工やエッチング処理された厚み10μm〜50μmの箔からなる集電体の片側または両面に負極活物質と結着剤、必要に応じて増粘剤を溶剤に混練分散させたペーストを塗布する。
【0022】
負極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、有機高分子化合物(フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を焼成することにより得られる炭素材料、コークスやピッチを焼成することにより得られる炭素材料、或いは人造グラファイト、天然グラファイト等を、その形状としては、球状、鱗片状、塊状のものを用いることができる。
【0023】
結着剤、必要に応じて添加する増粘剤としては、正極板と同様の結着剤を用いることができる。
【0024】
ところで、本発明における活物質、結着剤、必要に応じて加える増粘剤、導電剤を溶剤に混練分散させてペースト状合剤を作製する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ピンミキサー、ニーダー、ホモジナイザー等を用いることができる。これらを単独、或いは組み合わせて使用することも可能である。
【0025】
また、上記ペースト状合剤の混練分散時に、各種分散剤、界面活性剤、安定剤等を必要に応じて添加することも可能である。
【0026】
このようして混錬分散させたペーストを、図1、図2に示すような塗布装置を用いて一定速度で走行するフープ状の集電体2上に塗布する。
【0027】
スリット状ノズル1の吐出部6における先端部のスリット幅が、図2(b)のようにノズル内部からノズル先端7に向かって左右対称に、徐々に狭くなっているテーパー状スリットノズルを備えた塗布装置を用いて塗布することにより、塗布幅の両端部が他の部分よりも厚くなる図3(a)に示すような盛り上がり部を設けた。
【0028】
このスリット状ノズル1は、図2(a)〜(c)に示すように、ノズル上板1aとノズル下板1bとの間にマニホールド1cおよび吐出部6を形成すると共に、吐出部6の両側部において、ノズル上板1aとノズル下板1bとの間にサイドテープ1d、1dを配し、その形状を図2(b)、(c)に示すように形成して構成されている。このサイドテープ1dの形状の選択により、前記両端部の盛り上がり部の盛り上がり値を調整することができる。
【0029】
乾燥は、自然乾燥に近い乾燥が好ましいが、生産性を考慮すると乾燥炉3を用いて、50℃から150℃の範囲で順次温度を高くして、2分〜20分間乾燥させるのが好ましい。
【0030】
圧延は、前記塗布幅の他の部分より厚くなるように塗布した幅方向両端部の盛り上がり部のみを予備圧延ローラ5により予備圧延した後、塗布幅全体にわたって本圧延ローラ5により本圧延し、均一な厚みの極板を製造するものであり、この予備圧延により、塗布した上記盛り上がり部の活物質を、塗布時にダレによって塗布厚みが薄くなった端部に移動させることにより、塗布層全幅を均一な塗布厚みにした後、本圧延することにより活物質量が均一な極板を得ることができる。
【0031】
予備圧延する時の圧力は0.05MPa〜0.5MPaの範囲が好ましい。0.05MPa未満の場合には、上記盛り上がり部の活物質を圧延することができず、塗布時にダレによって塗布厚みが薄くなった端部に移動させることが困難であり、0.5MPaを越えると上記盛り上がり部の活物質を圧延することはできるが、塗布時にダレによって塗布厚みが薄くなった端部に移動させることが困難であり好ましくない。
【0032】
そして、本圧延する時の圧力は5MPa〜25MPaの範囲が好ましい。5MPa未満の場合には、目的とする極板の厚みを確保することが困難で、25MPaを越えても厚みは変わらない上、圧延設備が大きなものになり好ましくない。
【0033】
【実施例】
本発明を実施例および比較例を用いて、詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0034】
(実施例1)
まず、負極活物質として球状黒鉛粉末100重量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1重量部を水100重量部に溶解した水溶液126重量部と、結着剤としてポリエチレン樹脂の水性ディスパージョン11重量部を配合し、混錬分散させてペーストを作製した。
【0035】
このようして混錬分散させたペーストを、図2(a)〜(c)に示すようなノズル上板1aとノズル下板1bとの間にマニホールド1cおよび吐出部6を形成すると共に、ノズル内部の幅が400mmであるが、ノズル先端7から10mm内部の位置からノズル先端7に向かって左右対称に、徐々に狭くし、ノズル先端部の幅が380mmであるスリットノズル1を備えた塗布装置を用いて、一定速度で走行する厚さ14μmの銅箔製のフープ状集電体2上に塗布した。そして、乾燥炉3にて60℃から110℃に順次温度を高くして5分間乾燥を行って得られた極板8の幅方向の極板厚みの分布を図4(a)に示す。ここで縦軸は、幅方向距離が40〜360mmの中間部分の、極板厚み(集電体の厚みと活物質塗布層の厚みの和)の平均を100%としたときの相対的な塗布厚みの分布で、極板厚みの平均値は295μmであり、塗布幅(400mmに設定されている。)の両端部から15mmの位置の極板厚みは中間部分よりも12μm、すなわち4%厚い盛り上がり部8a、8bを得た。
【0036】
次に、この両端部の盛り上がり部8a、8bのみを図3(a)に示すような予備圧延ローラ5を用いて0.5MPaの圧力にて圧延することにより、この盛り上がり部8a、8bの活物質を、塗布時にダレによって塗布厚みが薄くなった端部に移動させることにより、図4(b)に示すような塗布幅の幅方向両端部から5mmの位置の極板厚みが中間部分の極板厚みより6μm、すなわち2.0%厚いのみであった。
【0037】
そして、極板8全体を本圧延ローラ4を用いて8MPaの圧力にて圧延することにより、塗布幅両端部の極板厚みを中間部の極板厚み196μmに対して、3μm以下、すなわち1.6%以下にすることができ、塗布全幅において厚み均一性の良好な極板を得ることができた。
【0038】
(実施例2)
まず、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電剤としてアセチレンブラックを3重量部、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂を固形分で4重量部とカルボキシメチルセルロースを0.8重量部を加え、水を溶剤として混練分散させてペーストを作製した。
【0039】
このようして混錬分散させたペーストを、図2(a)〜(c)に示すようなノズル上板1aとノズル下板1bとの間にマニホールド1cおよび吐出部6を形成すると共に、ノズル内部の幅が400mmであるが、ノズル先端7から5mm内部の位置からノズル先端7に向かって左右対称に、徐々に狭くし、ノズル先端部の幅が390mmであるテーパー状スリットノズル1を備えた塗布装置を用いて、一定速度で走行する厚さ20μmのアルミニウム箔製のフープ状集電体2上に450mm毎に10mmの未塗布部ができるように間欠塗布した。
【0040】
そして、乾燥炉3にて80℃から130℃に順次温度を高くして10分間乾燥を行って得られた極板8の幅方向の極板厚さの分布は図4(a)と同様の傾向が見られた。また、走行方向の極板厚さの分布は図4(c)に示すようになった。
【0041】
実施例2において、幅方向距離が40〜360mmの中間部分の、極板厚み(集電体の厚みと活物質塗布層の厚みの和)の平均値は310μmであり、塗布幅の両端部から5mmの位置の極板厚みは中間部分よりも6μm、すなわち2%厚い盛り上がり部を得た。
【0042】
図4(c)における縦軸は、間欠塗布開始位置からの走行方向距離が40〜410mmの中間部分の、極板厚み(集電体の厚みと活物質塗布層の厚みの和)の平均を100%としたときの相対的な極板厚みの分布で、極板厚みの平均値は305μmであり、走行方向の塗布開始端から5mmの位置の盛り上がり部8cの極板厚みは中間部分よりも9μm、すなわち3%厚かったが、塗布終了端部には盛り上がり部は生じなかった。
【0043】
次に、盛り上がり部8a、8bのみを図3(a)に示すような予備圧延ローラ5を用いて0.1MPaの圧力にて圧延することにより、この盛り上がり部8a、8bの活物質を、塗布時にダレによって塗布厚みが薄くなった端部に移動させることにより、図4(b)に示すような塗布幅の両端部から3mmの位置の極板厚みが中間部分の極板厚みより4μm、すなわち1.3%厚いのみであった。
【0044】
また、盛り上がり部8cのみを図3(b)に示すような予備圧延ローラ5を用いて0.1MPaの圧力にて圧延することにより、この盛り上がり部8cの活物質を、塗布開始端部に移動させることにより、塗布開始端部から4mmの位置の極板厚みが中間部分の極板厚みより6μm、すなわち2.0%厚いのみであった。
【0045】
さらに、極板8全体を本圧延ローラ4を用いて20MPaの圧力にて圧延することにより、塗布幅両端部の極板厚みを中間部の極板厚み190μmに対して、2μm以下、すなわち1.1%以下にすることができ、塗布全幅において厚み均一性の良好な極板を得ることができ、走行方向の塗布開始端部の極板厚みを中間部の極板厚み191μmに対して、3μm以下、すなわち1.6%以下にすることができ、走行方向の塗布厚みについても良好な極板を得ることができた。
【0046】
(比較例)
実施例1と同様にして、混錬分散させた負極ペーストを、図6(a)〜(b)に示すように、吐出部はノズル内部からノズル先端部7まで平行でその幅が400mmであるスリットノズル100を備えた塗布装置を用いて、実施例1と同様にして塗布し、乾燥を行って得られた極板8の幅方向の極板厚みの分布を図7に示す。
【0047】
ここで縦軸は、実施例1と同様に、幅方向距離が40〜360mmの中間部分の極板厚みの平均を100%としたときの相対的な極板厚みの分布で、極板厚みの平均値は295μmであったが、塗布幅の両端部から30mmの位置からそれぞれ外側に向かって減少しており、両端部では21μm、7%も極板厚みが少なかった。
【0048】
そして、極板8全体を実施例1と同様にして本圧延することにより、塗布幅中間部の厚みは196μmであったが、塗布幅の両端部から30mmの位置からそれぞれ外側に向かって減少し、両端部では本圧延前と同様に13μm、6.7%も塗布厚みが少なく、両端部の負極板は設計範囲外のものになり、歩留りが低下した。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、集電体の幅方向の塗布層の厚さを均一なものにし、歩留りが良好な電池用極板の製造方法および塗布装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池用極板の製造方法を示す概略図。
【図2】(a)本発明のテーパー状スリット状ノズルの縦断面図。
(b)(a)のa−a断面図。
(c)要部の分解斜視図。
【図3】(a)、(b)は共に予備圧延ローラによる盛り上がり部の圧延を示す図。
【図4】(a)本発明によるテーパー状スリット状ノズルを使用した場合の、集電体幅方向の極板厚みの分布図。
(b)本発明による予備圧延後の集電体幅方向の極板厚みの分布図。
【図5】
従来の電池用極板の製造方法を示す概略図。
【図6】(a)従来のスリット状ノズルの縦断面図。
(b)(a)のb−b断面図。
【図7】従来のスリット状ノズルを使用した場合の、集電体幅方向の極板厚みの分布図。
【符号の説明】
1 スリット状ノズル
1a ノズル上板
1b ノズル下板
1c マニホールド
2 集電体
3 乾燥炉
4 本圧延ローラ
5 予備圧延ローラ
6 吐出端部
7 ノズル先端
8 極板
8a,8b 盛り上がり部
Claims (4)
- 集電体上に少なくとも活物質と結着剤とを含有するペーストを塗布し、乾燥させた後、圧延する電池用極板の製造方法において、
前記ペーストを塗布した塗布層の幅方向両端部に、塗布厚みが他の部分より厚くなるように塗布した盛り上がり部を設け、この盛り上がり部のみを予備圧延した後、塗布幅全体にわたって本圧延し、電池用極板を製造することを特徴とする電池用極板の製造方法。 - 前記両端部の端縁から3〜17mm内側に他の部分の集電体と塗布層とを合計した極板厚みの平均より1.5%〜5.0%厚くなる盛り上がり部を設けることを特徴とする請求項1に記載の電池用極板の製造方法。
- 請求項1または2記載の電池用極板の製造方法に用いる塗布装置であって、吐出部のノズル先端部のスリット幅が先端に向かって徐々に狭くなっているテーパー状スリットノズルを備えたことを特徴とする塗布装置。
- 前記ノズル先端部のスリット幅が前記電池用極板の塗布幅より6〜34mm狭いことを特徴とする請求項3に記載の塗布装置。
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