JP3582850B2 - 可逆型電解水生成装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水または食塩水等の被処理水をその内部に形成した陰極室と陽極室にて電気分解(電解)して酸性水及びアルカリ性水を生成する電解槽を備えた電解水生成装置において、特に電解槽の両電極室にて生成される電解水のpHを交互に変換しながら被処理水の電気分解を持続する可逆型電解水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電解水生成装置として、両電極に印加される直流電圧の極性を切り換えないで長時間使用した場合には電極室と電解水流出用の導管内に沈澱物が堆積するので、これを除去するため両電極に印加する直流電圧の極性を適宜に切り換えて電極室内を洗浄しつつ電気分解を行う可逆型電解水生成装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,上記の可逆型電解水生成装置においては、例えばチタン板に白金−イリジウム酸化物を被覆した電極を両極に用いることが多い。このような白金−イリジウム酸化物を被覆した電極は、陽電極としてのみ用いられている場合には耐久性が高くて好適である。しかしながら、可逆型電解水生成装置においては電極への印加電圧の極性が適宜に切り換えられるため、白金−イリジウム酸化物を被覆した電極を陰電極として用いた場合には、酸化イリジウムが金属イリジウムに還元され、次に印加電圧の極性が切り換えられて同陰電極が陽電極として機能するとき、金属イリジウムがイオンになって溶出して同電極の腐食が生じることになるという問題がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記の問題を解消するため、電極への印加電圧の極性を変えないで長時間に亘って電気分解を行った場合にも、電解槽内と電解水流出用の導管内に堆積した沈澱物が溶解するようにして、電極の耐久性を高めて長期間安定した電解水生成能力を持続することのできる可逆型電解水生成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、イオン透過性の隔膜によってその内部を第1電極室と第2電極室に分割形成した電解槽と、前記第1電極室と第2電極室に被処理水を供給する被処理水供給手段とを備えて、前記第1電極室と第2電極室内にて被処理水をそれぞれ電気分解するようにした電解水生成装置であって、互いに電気的に非接触状態に配設した白金‐イリジウム酸化物をその表面に被覆した陽電極と白金をその表面に被覆した陰電極を前記第1電極室と第2電極室内にそれぞれ設けると共に、前記第1電極室内の陽電極と前記第2電極室内の陰電極の間に直流電圧を印加する第1給電状態と前記第1電極室内の陰電極と前記第2電極室内の陽電極の間に直流電圧を印加する第2給電状態に所定時間毎に切換え制御する給電制御手段を設けたことを特徴とする可逆型電解水生成装置を提供するものである。
【0006】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した本発明の可逆型電解水生成装置においては、給電制御手段の制御下にて第1電極室内の陽電極と第2電極室内の陰電極との間に直流電圧が印加される第1給電状態にては、第1電極室内にて酸性水が生成され、第2電極室内にてアルカリ性水が生成される。そして、給電制御手段制御下にて所定時間が経過した時点で第1電極室内の陰電極と第2電極室内の陽電極との間に直流電圧が印加される第2給電状態に切り換えられると、第1電極室内にてアルカリ性水が生成され、第2電極室内にて酸性水が生成される。
【0007】
これにより、第1給電状態にて第1電解室内にての酸性水の生成により同電解室内に堆積した沈澱物は、第2給電状態にて同電解室内で生成されるアルカリ性水によって溶解除去される。 同様に、第2給電状態にて第2電解室内にての酸性水の生成により同電解室内に堆積した沈澱物は、第1給電状態にて同電解室内にて生成されるアルカリ性水によって溶解除去される。
【0008】
かくして、給電制御手段により所定時間毎に第1電解室と第2電解室への給電状態が第1給電状態と第2給電状態に選択的に切り換えられることによって、第1電解室内と第2電解室内にては酸性水とアルカリ性水の生成が交互に繰り返えされるため、各電解室内に堆積した沈澱物は常に逆性の電解水によって溶解除去され、電解室内の洗浄作業を行う必要がなく、電解水生成装置の保守のための手間がかからない。
【0009】
また、上記のように第1電極室と第2電極室に付与される印加電圧の極性を交互に切り換えた場合、陽電極として機能する電極は常に白金−イリジウム酸化物を表面に被覆した電極であり、一方陰電極として機能する電極は常に白金を表面に被覆した電極であるため、従来の可逆型電解水生成装置において生じていたような、白金−イリジウム酸化物が陰電極として用いられることに起因する電極の腐食を防ぐことができる。従って、電極の耐久性を高めて長期間安定した電解水生成能力を持続することが可能である。
【0010】
【実施例】
本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図1には本発明による可逆型電解水生成装置の一実施例の装置が示されており、この可逆型電解水生成装置は、電解槽本体11の内部がイオン透過性の隔膜12によって第1電極室13と第2電極室14とに仕切られていて、この第1電極室13に陽電極15と陰電極16が、第2電極室14に陽電極17と陰電極18がそれぞれ電気的に接触しない状態で配設された電解槽10を備えている。これらの電極15,16,17,18はラスメタルやパンチングメタルからなる溶液透過性であって、陽電極15,17には、チタン基体に白金−イリジウム酸化物(Pt−IrO2)が焼成被覆された電極が用いられ、一方陰電極16,18は、チタン基体に白金が電気メッキ法によって被覆された電極が用いられている。
【0011】
上記の電解槽本体11においては、第1電極室13内の陽電極15と第2電極室14内の陰電極18がスイッチ SW1 と SW 3を介して直流電源20に接続され、第1電極室13内の陰電極16と第2電極室14内の陽電極17がスイッチ SW4 と SW2 を介して直流電源20に接続されていて、両電極室13,14に供給された被処理水が陽電極15(あるいは17)と陰電極18(あるいは16)との間で電気分解されて、陽電極15,17にて酸性水が、陰電極18,16にてアルカリ性水が生成されるように構成されている。
【0012】
電解槽10内に形成した第1電極室13と第2電極室14には、電気分解を行うための被処理水(塩濃度0.05〜0.14%の希塩水)を被処理水供給源(図示しない。)からポンプPを用いて導入する被処理水導入管25が導入管25aと導入管25bに分岐して接続されている。また、第1電極室13と第2電極室14には電気分解によって生成した酸性水あるいはアルカリ性水を導出する電解水導出管26,27が接続されている。
【0013】
なお、スイッチSW1,SW2,SW3,SW4、ポンプP及びタイマー21は、マイクロコンピュータにより構成される電気制御装置22に接続され、タイマー21による計時に基づいて電気制御装置22がスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を連動して制御するようになっている。
【0014】
次に図1に示した構成の可逆型電解水生成装置における電解水の生成状態を説明する。
この可逆型電解イオン水生成装置の作動を開始すると、まず電気制御装置22はポンプPを駆動させて被処理水を両電極室13,14に供給し、両電極室13,14を被処理水で満たす。これと同時にタイマー21の計時を開始し、SW1とSW3をオンにするとともにSW2とSW4をオフにして、陽電極15と陰電極18とを直流電源20に接続し、両電極15,18の間に直流電圧を印加させる(本発明の第1給電状態に相当する。)。これによって陽電極15にて酸性水が生成されて第1電極室13が酸性水で満たされ、電解水導出管26から酸性水が導出される。 一方、陰電極18にてアルカリ性水が生成されて第2電極室14がアルカリ性水で満たされ、電解水導出管27からアルカリ性水が導出される。
【0015】
タイマー21が所定時間を計測すると、電気制御装置22がSW1とSW3をオフにするとともにSW2とSW4をオンにして、陽電極17と陰電極16とを直流電源20に接続し、両電極17,16の間に直流電圧を印加させる(本発明の第2給電状態に相当する。)。これによって陽電極17にて酸性水が生成されて、今度は第2電極室14が酸性水で満たされ、電解水導出管27から酸性水が導出される。一方、陰電極16にてアルカリ性水が生成されて第1電極室13がアルカリ性水で満たされ、電解水導出管26からアルカリ性水が導出される。
【0016】
これにより、第1給電状態にて第1電解室13内で酸性水が生成されていたとき電解室13内と電解水導出管26内に堆積した沈澱物は、第2給電状態にて同電解室13内で生成されるアルカリ性水によって溶解除去される。同様に、第1給電状態にて第2電解室14内でアルカリ性水が生成されていたときに堆積した沈澱物も、第2給電状態にて同電解室14内にて生成される酸性水によって溶解除去される。
【0017】
このようにして、タイマー21が所定時間を計時する毎に制御装置22が4個のスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を連動して切り換えて、第1給電状態と第2給電状態を選択的に切り換えることによって、第1電解室13内と第2電解室14内にて酸性水とアルカリ性水の生成が順次繰り返されるため、電解室13,14内と電解水導出管26,27内に堆積した沈澱物は常に逆性の電解水によって溶解除去され、電解室13,14内などの洗浄作業を行う必要がなく、電解水生成装置の保守のための手間がかからない。
【0018】
上記のように印加電圧を交互に切り換えることによって両電解室13,14内で生成される電解水のpHを変換する可逆型電解水生成装置においては、陽電極15,17は常にチタン基体に白金−イリジウム酸化物(Pt−IrO2)が焼成被覆された電極であり、一方陰電極16,18は常にチタン基体に白金が電気メッキ法によって被覆された電極であるため、従来の可逆型電解水生成装置において起こっていたような、白金−イリジウム酸化物が陰電極として用いられることに起因する電極の腐食を防ぐことができる。従って、電極の耐久性を高めて長期間安定した電解水生成能力を持続することが可能である。
【0019】
なお、両電極室13,14における電極15,16,17,18の配設は、図2(a)〜(c)に示したように、陽電極15と陰電極16とを非接触状態の平板上に、また陽電極17と陰電極18とを非接触状態の平板上に配設してもよい。
【0020】
また、上記実施例において用いた陰電極16,18は、白金を電気メッキによってチタン基体に被覆することによって得られた電極であるが、陰電極として白金をチタン基体に焼成被覆することによって得られた電極を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆型電解水生成装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】(a)は、図1に示した可逆型電解水生成装置に用いられる陽電極15,17及び陰電極16,18の配設の一実施例を示す概略図であり、また(b)及び(c)は、同可逆型電解水生成装置に用いられる陽電極15,17及び陰電極16,18の配設の他の実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
10…電解槽、12…隔膜、13…第1電極室、14…第2電極室、15,17…陽電極、16,18…陰電極、20…直流電源、21…タイマー、22…電気制御装置、25…被処理水導入管、26,27…電解水導出管。
【産業上の利用分野】
本発明は、水または食塩水等の被処理水をその内部に形成した陰極室と陽極室にて電気分解(電解)して酸性水及びアルカリ性水を生成する電解槽を備えた電解水生成装置において、特に電解槽の両電極室にて生成される電解水のpHを交互に変換しながら被処理水の電気分解を持続する可逆型電解水生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電解水生成装置として、両電極に印加される直流電圧の極性を切り換えないで長時間使用した場合には電極室と電解水流出用の導管内に沈澱物が堆積するので、これを除去するため両電極に印加する直流電圧の極性を適宜に切り換えて電極室内を洗浄しつつ電気分解を行う可逆型電解水生成装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,上記の可逆型電解水生成装置においては、例えばチタン板に白金−イリジウム酸化物を被覆した電極を両極に用いることが多い。このような白金−イリジウム酸化物を被覆した電極は、陽電極としてのみ用いられている場合には耐久性が高くて好適である。しかしながら、可逆型電解水生成装置においては電極への印加電圧の極性が適宜に切り換えられるため、白金−イリジウム酸化物を被覆した電極を陰電極として用いた場合には、酸化イリジウムが金属イリジウムに還元され、次に印加電圧の極性が切り換えられて同陰電極が陽電極として機能するとき、金属イリジウムがイオンになって溶出して同電極の腐食が生じることになるという問題がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記の問題を解消するため、電極への印加電圧の極性を変えないで長時間に亘って電気分解を行った場合にも、電解槽内と電解水流出用の導管内に堆積した沈澱物が溶解するようにして、電極の耐久性を高めて長期間安定した電解水生成能力を持続することのできる可逆型電解水生成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、イオン透過性の隔膜によってその内部を第1電極室と第2電極室に分割形成した電解槽と、前記第1電極室と第2電極室に被処理水を供給する被処理水供給手段とを備えて、前記第1電極室と第2電極室内にて被処理水をそれぞれ電気分解するようにした電解水生成装置であって、互いに電気的に非接触状態に配設した白金‐イリジウム酸化物をその表面に被覆した陽電極と白金をその表面に被覆した陰電極を前記第1電極室と第2電極室内にそれぞれ設けると共に、前記第1電極室内の陽電極と前記第2電極室内の陰電極の間に直流電圧を印加する第1給電状態と前記第1電極室内の陰電極と前記第2電極室内の陽電極の間に直流電圧を印加する第2給電状態に所定時間毎に切換え制御する給電制御手段を設けたことを特徴とする可逆型電解水生成装置を提供するものである。
【0006】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した本発明の可逆型電解水生成装置においては、給電制御手段の制御下にて第1電極室内の陽電極と第2電極室内の陰電極との間に直流電圧が印加される第1給電状態にては、第1電極室内にて酸性水が生成され、第2電極室内にてアルカリ性水が生成される。そして、給電制御手段制御下にて所定時間が経過した時点で第1電極室内の陰電極と第2電極室内の陽電極との間に直流電圧が印加される第2給電状態に切り換えられると、第1電極室内にてアルカリ性水が生成され、第2電極室内にて酸性水が生成される。
【0007】
これにより、第1給電状態にて第1電解室内にての酸性水の生成により同電解室内に堆積した沈澱物は、第2給電状態にて同電解室内で生成されるアルカリ性水によって溶解除去される。 同様に、第2給電状態にて第2電解室内にての酸性水の生成により同電解室内に堆積した沈澱物は、第1給電状態にて同電解室内にて生成されるアルカリ性水によって溶解除去される。
【0008】
かくして、給電制御手段により所定時間毎に第1電解室と第2電解室への給電状態が第1給電状態と第2給電状態に選択的に切り換えられることによって、第1電解室内と第2電解室内にては酸性水とアルカリ性水の生成が交互に繰り返えされるため、各電解室内に堆積した沈澱物は常に逆性の電解水によって溶解除去され、電解室内の洗浄作業を行う必要がなく、電解水生成装置の保守のための手間がかからない。
【0009】
また、上記のように第1電極室と第2電極室に付与される印加電圧の極性を交互に切り換えた場合、陽電極として機能する電極は常に白金−イリジウム酸化物を表面に被覆した電極であり、一方陰電極として機能する電極は常に白金を表面に被覆した電極であるため、従来の可逆型電解水生成装置において生じていたような、白金−イリジウム酸化物が陰電極として用いられることに起因する電極の腐食を防ぐことができる。従って、電極の耐久性を高めて長期間安定した電解水生成能力を持続することが可能である。
【0010】
【実施例】
本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図1には本発明による可逆型電解水生成装置の一実施例の装置が示されており、この可逆型電解水生成装置は、電解槽本体11の内部がイオン透過性の隔膜12によって第1電極室13と第2電極室14とに仕切られていて、この第1電極室13に陽電極15と陰電極16が、第2電極室14に陽電極17と陰電極18がそれぞれ電気的に接触しない状態で配設された電解槽10を備えている。これらの電極15,16,17,18はラスメタルやパンチングメタルからなる溶液透過性であって、陽電極15,17には、チタン基体に白金−イリジウム酸化物(Pt−IrO2)が焼成被覆された電極が用いられ、一方陰電極16,18は、チタン基体に白金が電気メッキ法によって被覆された電極が用いられている。
【0011】
上記の電解槽本体11においては、第1電極室13内の陽電極15と第2電極室14内の陰電極18がスイッチ SW1 と SW 3を介して直流電源20に接続され、第1電極室13内の陰電極16と第2電極室14内の陽電極17がスイッチ SW4 と SW2 を介して直流電源20に接続されていて、両電極室13,14に供給された被処理水が陽電極15(あるいは17)と陰電極18(あるいは16)との間で電気分解されて、陽電極15,17にて酸性水が、陰電極18,16にてアルカリ性水が生成されるように構成されている。
【0012】
電解槽10内に形成した第1電極室13と第2電極室14には、電気分解を行うための被処理水(塩濃度0.05〜0.14%の希塩水)を被処理水供給源(図示しない。)からポンプPを用いて導入する被処理水導入管25が導入管25aと導入管25bに分岐して接続されている。また、第1電極室13と第2電極室14には電気分解によって生成した酸性水あるいはアルカリ性水を導出する電解水導出管26,27が接続されている。
【0013】
なお、スイッチSW1,SW2,SW3,SW4、ポンプP及びタイマー21は、マイクロコンピュータにより構成される電気制御装置22に接続され、タイマー21による計時に基づいて電気制御装置22がスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を連動して制御するようになっている。
【0014】
次に図1に示した構成の可逆型電解水生成装置における電解水の生成状態を説明する。
この可逆型電解イオン水生成装置の作動を開始すると、まず電気制御装置22はポンプPを駆動させて被処理水を両電極室13,14に供給し、両電極室13,14を被処理水で満たす。これと同時にタイマー21の計時を開始し、SW1とSW3をオンにするとともにSW2とSW4をオフにして、陽電極15と陰電極18とを直流電源20に接続し、両電極15,18の間に直流電圧を印加させる(本発明の第1給電状態に相当する。)。これによって陽電極15にて酸性水が生成されて第1電極室13が酸性水で満たされ、電解水導出管26から酸性水が導出される。 一方、陰電極18にてアルカリ性水が生成されて第2電極室14がアルカリ性水で満たされ、電解水導出管27からアルカリ性水が導出される。
【0015】
タイマー21が所定時間を計測すると、電気制御装置22がSW1とSW3をオフにするとともにSW2とSW4をオンにして、陽電極17と陰電極16とを直流電源20に接続し、両電極17,16の間に直流電圧を印加させる(本発明の第2給電状態に相当する。)。これによって陽電極17にて酸性水が生成されて、今度は第2電極室14が酸性水で満たされ、電解水導出管27から酸性水が導出される。一方、陰電極16にてアルカリ性水が生成されて第1電極室13がアルカリ性水で満たされ、電解水導出管26からアルカリ性水が導出される。
【0016】
これにより、第1給電状態にて第1電解室13内で酸性水が生成されていたとき電解室13内と電解水導出管26内に堆積した沈澱物は、第2給電状態にて同電解室13内で生成されるアルカリ性水によって溶解除去される。同様に、第1給電状態にて第2電解室14内でアルカリ性水が生成されていたときに堆積した沈澱物も、第2給電状態にて同電解室14内にて生成される酸性水によって溶解除去される。
【0017】
このようにして、タイマー21が所定時間を計時する毎に制御装置22が4個のスイッチSW1,SW2,SW3,SW4を連動して切り換えて、第1給電状態と第2給電状態を選択的に切り換えることによって、第1電解室13内と第2電解室14内にて酸性水とアルカリ性水の生成が順次繰り返されるため、電解室13,14内と電解水導出管26,27内に堆積した沈澱物は常に逆性の電解水によって溶解除去され、電解室13,14内などの洗浄作業を行う必要がなく、電解水生成装置の保守のための手間がかからない。
【0018】
上記のように印加電圧を交互に切り換えることによって両電解室13,14内で生成される電解水のpHを変換する可逆型電解水生成装置においては、陽電極15,17は常にチタン基体に白金−イリジウム酸化物(Pt−IrO2)が焼成被覆された電極であり、一方陰電極16,18は常にチタン基体に白金が電気メッキ法によって被覆された電極であるため、従来の可逆型電解水生成装置において起こっていたような、白金−イリジウム酸化物が陰電極として用いられることに起因する電極の腐食を防ぐことができる。従って、電極の耐久性を高めて長期間安定した電解水生成能力を持続することが可能である。
【0019】
なお、両電極室13,14における電極15,16,17,18の配設は、図2(a)〜(c)に示したように、陽電極15と陰電極16とを非接触状態の平板上に、また陽電極17と陰電極18とを非接触状態の平板上に配設してもよい。
【0020】
また、上記実施例において用いた陰電極16,18は、白金を電気メッキによってチタン基体に被覆することによって得られた電極であるが、陰電極として白金をチタン基体に焼成被覆することによって得られた電極を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆型電解水生成装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】(a)は、図1に示した可逆型電解水生成装置に用いられる陽電極15,17及び陰電極16,18の配設の一実施例を示す概略図であり、また(b)及び(c)は、同可逆型電解水生成装置に用いられる陽電極15,17及び陰電極16,18の配設の他の実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
10…電解槽、12…隔膜、13…第1電極室、14…第2電極室、15,17…陽電極、16,18…陰電極、20…直流電源、21…タイマー、22…電気制御装置、25…被処理水導入管、26,27…電解水導出管。
Claims (1)
- イオン透過性の隔膜によってその内部を第1電極室と第2電極室に分割形成した電解槽と、前記第1電極室と第2電極室に被処理水を供給する被処理水供給手段とを備えて、前記第1電極室と第2電極室内にて被処理水をそれぞれ電気分解するようにした電解水生成装置であって、
互いに電気的に非接触状態に配設した白金‐イリジウム酸化物をその表面に被覆した陽電極と白金をその表面に被覆した陰電極を前記第1電極室と第2電極室内にそれぞれ設けると共に、前記第1電極室内の陽電極と前記第2電極室内の陰電極の間に直流電圧を印加する第1給電状態と前記第1電極室内の陰電極と前記第2電極室内の陽電極の間に直流電圧を印加する第2給電状態に所定時間毎に切換え制御する給電制御手段を設けたことを特徴とする可逆型電解水生成装置。
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JP13337794A JP3582850B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | 可逆型電解水生成装置 |
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JP13337794A JP3582850B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | 可逆型電解水生成装置 |
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JPH07328632A JPH07328632A (ja) | 1995-12-19 |
JP3582850B2 true JP3582850B2 (ja) | 2004-10-27 |
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ID=15103320
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