JP3581967B2 - 巻取材料の加工工程管理装置およびこれに用いる端末装置 - Google Patents
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は巻取材料の加工工程管理装置およびこれに用いる端末装置、特に、コンピュータを利用した巻取材料の加工工程管理を行うための管理装置および端末装置に関する。
〔従来の技術〕
巻取材料を加工して製品を生産する方法は、製品の大量生産に適しているため、現在では種々の分野で取り入れられている。たとえば、食料品の包装袋を製造する工程でも、巻取材料の加工工程が取り入れられている。すなわち、印刷原反と呼ばれる無地の巻取材料に印刷工程を施し、これに別な巻取材料を貼り合わせるラミネート加工を行い、切断工程、製袋工程を経て、包装袋が製造される。このように、通常は、巻取材料に対して複数の加工工程が順次施されてゆく。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般に、巻取材料に種々の加工を施した場合、すべての部分について良好な加工が行われるとは限らない。通常は、部分的に加工不良が発生する。たとえば、印刷工程であれば、印刷不良の箇所が発生し、ラミネート加工工程では、シートに皺がよるという不良箇所が発生する。種々の加工を経た巻取材料は、最終的に一製品分ごとに切り離されるが、このとき、不良の発生している製品は除外する必要がある。このため、各工程ごとに、どの部分にどのような加工不良が発生しているかをチェックする作業が行われている。すなわち、従来は、各工程ごとに監視者をおき、加工済の材料に加工不良が発生していないかを監視させ、加工不良が発生していた場合には、品質管理カードにその旨を記入しその巻取材料に加工不良発生を示すテープを挿入するという作業を行っている。この品質管理カードは、加工済の巻取材料とともに次の加工工程へと送られる。こうして、各工程ごとに、どの部分にどのような加工不良が発生しているかを品質管理カードに記入してゆく。この品質管理カードに記入された加工不良に関する情報に基づいて、最終的に不良製品を除外することができる。
しかしながら、上述のような品質管理カードへの記入作業には、誤りが発生しやすいという問題がある。このような誤りがあると、最終的に不良製品を除去することができず、不良製品がそのまま出荷されてしまうという事態に発展する。また、品質管理カードへの記入作業は、監視者の手作業に負うものであり、作業負担が大きいという問題もある。
そこで本発明は、誤りが発生することがなく、作業者の負担を軽減することのできる巻取材料の加工工程管理装置およびこれに用いる端末装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
(1) 本願第1の発明は、巻取材料に対して、印刷工 程および切断工程を含む複数の加工工程を順番に施すた めに、与えられた巻取材料を給紙側から送り出し、所定 の加工作業を実施し、排紙側へと巻き取る機能をもった 生産機械を複数台用意し、1台の生産機械における加工 工程で、給紙側にセットした巻取材料を排紙側へと送り 出しながら加工作業を施すことにより先端部と後端部と が入れ替わるような巻き換え作業を行い、得られた排紙 側の巻取材料を次の工程の生産機械の給紙側にセットす るようにして、同一の巻取材料を前記複数台の生産機械 に順番にかけ、最終的に一製品分ごとに切り離された製 品を量産する工程を管理する装置であって、
加工工程を行う生産機械による現時点における巻取材 料の先端部からの加工位置を示す位置情報を生産機械か ら入力する位置情報入力部と、加工中の巻取材料を監視 しながら操作することが可能な位置に設置され、現時点 の加工位置に加工不良が存在することを示す不良情報を オペレータから入力する不良情報入力部と、を有し、不 良情報が入力されたタイミングにおいて入力されていた 位置情報に基づいて加工不良の発生位置を特定する加工 不良データを作成する機能をもった端末装置を、各生産 機械ごとに複数台設置し、
これら複数の端末装置をホストコンピュータに接続し、このホストコンピュータにより各端末装置で作成された加工不良データを一元管理し、1つの端末装置で作成された加工不良データを、別な端末装置においても利用しうるようにしたものである。
(2) 本願第2の発明は、上述の第1の発明に係る加 工工程管理装置に用いる端末装置において、
加工中の巻取材料の長手方向に対応する軸を表示するディスプレイと、
加工中の巻取材料について、現在の加工位置と加工済みの先端部との隔たりを示す信号を生産機械から入力し、この信号に基づいて、ディスプレイ上の軸に沿って、現在の加工位置を示す指標を表示させる手段と、
加工中の巻取材料を監視しながら操作することが可能 な位置に設置され、オペレータから加工不良の発見を示 す指示を入力する指示入力手段と、
指示入力手段により指示入力がなされた時点における 指標の位置を示すマークを、ディスプレイ上に表示させ る手段と、
ディスプレイ上に表示されたマークを目安として、不良発生位置を特定するデータを入力する手段と、
を設けたものである。
(3) 本願第3の発明は、上述の第1または第2の発明に係る装置において、
第1の生産機械による第1の加工が終了した後、継続して第2の生産機械による第2の加工が行われる場合に、第1の生産機械についての第1の端末装置で作成された加工不良データを、第2の生産機械についての第2の端末装置で利用できるようにするために、加工不良データ内の巻取材料の第1の端部からの距離を示すデータを、巻取材料の第2の端部からの距離を示すデータに変換する処理を、行い得るようにしたものである。
(4) 本願第4の発明は、上述の第1〜第3の発明に係る装置において、
後の加工工程について設置された端末装置が、前の加工工程について設置された端末装置で作成された加工不良データに基づいて、加工不良部を除去するために必要な動作指令を生産機械に対して与えることができるようにしたものである。
〔作 用〕
(1) 本願第1の発明による管理装置では、加工工程を行う各生産機械ごとに端末装置が用意される。各工程を監視するオペレータは、この端末装置に対して加工不良に関する情報を入力できる。しかも、加工不良の発生位置は、生産機械から与えられる加工位置を示す情報に基づいて自動的に認識可能であり、オペレータの作業負担は大幅に軽減される。また、各端末装置は、ホストコンピュータによって統括制御されるため、加工不良に関する情報を一元的に管理することができるとともに、すべての端末装置からこれを利用することが可能になる。
(2) 本願第2の発明による装置では、端末装置に設けられたディスプレイ装置上に示される指標により、加工作業の進行状況が確認できる。また、加工作業の監視中に加工不良が発見された場合、その旨の指示入力を行うことによりその位置をディスプレイ装置上にマークすることができ、あとでこのマークを目安として不良発生位置を特定するデータの入力が可能になる。したがって、不良発生位置を示すデータの入力を誤りなく確実に入力することができる。
(3) 本願第3の発明による装置では、直前の工程で作成された加工不良データをある工程で利用する場合、加工不良データ内の距離を示すデータが変換される。たとえば、直前の工程において、「巻取材料(全長400m)の先端から100mの位置に加工不良箇所がある」旨の加工不良データが作成されていた場合、このデータは、「巻取材料の先端から300mの位置に加工不良箇所がある」旨のデータに変換される。巻取材料の性質上、ある工程における巻取材料の先端部は、次の工程における巻取材料の後端部となるため、このような変換を行えば、直前の工程において作成された加工不良データをそのまま利用することが可能になる。
(4) 本願第4の発明による装置では、前の加工工程で作成された加工不良データに基づいて、生産機械に動作指令を与えることができる。たとえば、生産機械を停止させたり減速させたりする動作指令を与えるようにすれば、オペレータが加工不良部を除去する作業を容易に行うことができるようになる。また、オペレータへの注意を喚起するために、ブザーやパトライトを動作させる動作指令を与えるようにすれば、加工不良部を確実に除去させることができるようになる。
〔実施例〕
以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。ここでは、食料品の包装袋の製造工程に本発明を適用した実施例を示すことにする。第1図は、現在行われている一般的な食料品の包装袋の製造工程を示す図である。まず、印刷原反と呼ばれる巻取材料1が用意され、印刷工程を経てこれに印刷が施される。印刷工程が完了した巻取材料2は、合成工程において、図示されていない他の巻取材料と貼り合わされ、ラミネート加工が施される。更に、このラミネート加工済の巻取材料3は、切断工程において2つの巻取材料4a,4bに切断される(通常は、より多くの巻取材料に切断されるが、ここでは説明の便宜上、2つに切断される場合を示す)。この切断後の巻取材料4a,4bに対して検査工程が行われ、更に製袋工程を経て包装袋5が製造される。
上述の各工程においては、巻取材料を一方の給紙側にセットし、材料の先端部を他方の排紙側へと導出し、給紙側から排紙側へと巻取材料を送っていきながら所定の加工作業が行われる。たとえば、印刷工程であれば、印刷機のローラが給紙側と排紙側との中間に置かれる。給紙側から引き出された巻取材料は、印刷が行われた後、排紙側へと巻き取られてゆく。なお、第1図に示す工程順は、単純なモデルとしての一例を示すものであり、実際には、各工程の順番が入れ替わったり、前工程へ戻ったり、というように、より複雑な手順を採ることが多い。ここでは、単純なモデルとして、印刷工程では3台の印刷機を、合成工程では2台の合成装置を、切断工程では2台の切断装置を、検査工程では2台の検査装置を、製袋工程では3台の製袋機を、それぞれ用いた例について以下説明を続けることにする。
第2図は上述の単純なモデルに本発明を適用した巻取材料の加工工程管理装置の構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ100は、この加工工程を統括管理する機能を有し、印刷工程部コンピュータ10、合成工程部コンピュータ20、切断工程部コンピュータ30、製袋工程部コンピュータ40、検査工程部コンピュータ50、がネットワーク101によりホストコンピュータ100に接続されている。また、印刷工程部コンピュータ10には、3台の印刷機15〜17のそれぞれに対応して3台の端末装置11〜13が、合成工程部コンピュータ20には、2台の合成装置25、26のそれぞれに対応して2台の端末装置21、22が、切断工程部コンピュータ30には、2台の切断装置35、36のそれぞれに対応して2台の端末装置31、32が、製袋工程部コンピュータ40には、3台の製袋機45〜47のそれぞれに対応して3台の端末装置41〜43が、検査工程部コンピュータ50には、2台の合成装置55、56のそれぞれに対応して2台の端末装置51、52が、それぞれ設けられている。この実施例では、各工程部コンピュータ10〜50をパーソナルコンピュータで構成し、これらを直接ホストコンピュータ100に接続しているが、複数のパーソナルコンピュータをカスケード接続して階層構造をもたせるようにしてもかまわないし、同一工程部内に、複数のコンピュータを並列に設けるようにしてもかまわない。また、各工程部コンピュータ10〜50とホストコンピュータ100との間に、ワークステーションなどを設けるようにしてもよい。
この管理装置の特徴は、各生産機械ごとに、あるいは複数台の生産機械ごとに端末装置が設けられている点である。たとえば、印刷工程では、3台の印刷機15〜17のそれぞれに対応させて3台の端末装置11〜13が設けられている。第3図に、工程部コンピュータおよび端末装置のより詳細な構成を示す。ここでは、印刷工程部コンピュータ10およびこれに接続された端末装置11の構成を示す。ネットワーク101に接続された印刷工程部コンピュータ10は、本体10a、ディスプレイ装置10b、プリンタ10cから構成されており、本実施例の場合、これには一般的なパーソナルコンピュータのシステムが用いられている。コンピュータ10には、マルチポイントモデム11dを介して端末装置が接続されている。端末装置11は、ディスプレイ装置を内蔵した本体11a、プリンタ11b、操作部11cから構成されている。
操作部11cと印刷機15との詳細を第4図に示す。操作部11cには、この実施例の装置では、3つの操作ボタンが設けられている。すなわち、専用ボタンAと汎用ボタンB,Cである。専用ボタンAは、ある特定の加工不良の存在を知らしめるための専用ボタンであり、この実施例の装置では、「つなぎ」という特定の加工不良(たとえば、500mの巻取材料を2本用意し、これらを接続して1000mの巻取材料を作った場合、繋ぎ目に発生する加工不良)の存在を知らしめるために割り当てられた操作ボタンである。また、汎用ボタンB,Cは、種々の加工不良を発見した時点(ボタンB)と、その加工不良が終了した時点(ボタンC)とを知らしめるためのボタンである。一方、印刷機15では、前述したように、給紙側から排紙側へ巻取材料が送られる。印刷用のローラ等は給紙側と排紙側の間に配置される。第5図に、この印刷機15における印刷作業の概念を示す。巻取材料1は、給紙側にセットされ、先端部から引き出されて排紙側で巻き取られる。印刷は、この途中において、図の矢印Pで示す位置で行われる。第4図に示すリレー15aは、給紙側に新たな巻取材料をセットしたことを検知する機能を有する。したがって、このリレー15aからの信号に基づいて、現在セットされている巻取材料が何本目のものであるかを認識することが可能である。また、カウンタ15bは、給紙側から送り出された(あるいは排紙側に巻き取られた)巻取材料の長さに相当する信号を出力する。具体的には、給紙側の送り出しロール(または排紙側の巻き取りロール)にロータリエンコーダなどを取り付け、このローラリエンコーダの出力するパルスをカウントするような構成にすればよい。このカウンタ15bの出力信号は、結局、ある時点において、印刷機15が印刷を行っている巻取材料の位置を示す信号となり、具体的には第5図に示すように、巻取材料の先端部からの距離Lを示すことになる。
こうして端末装置11には、現時点における巻取材料の加工位置を示す情報(第5図の距離L)が逐次与えられることになる。また、リレー15aからの信号や各ボタンA,B,Cの操作状態を示す信号も与えられる。前述のように、端末装置の本体11aにはディスプレイ装置が内蔵されている。第6図にこのディスプレイ装置の表示画面60を示す。この表示画面60の左側部分には、距離表示欄61,61´、指標表示欄62,62´、不良位置記録欄63,63´、テキスト欄64,64´が設けられている。これらの各欄における図の上下方向は、加工中の巻取材料の長手方向に対応する。ここに示す実施例は、全長400mの巻取材料に対応した表示となっており、距離表示欄61,61´に示されている数字0,50,100,…,400は、それぞれ巻取材料の先端部からの距離をm単位で示したものである。指標表示欄62,62´には、現在の加工位置を示す指標が表示される。不良位置記入欄63,63´には、オペレータが不良箇所を発見した場合にその位置が記入され、その不良内容はテキスト欄64,64´に文字列として記入される。また、巻取識別コード欄65には、現在処理中の巻取材料を特定する識別コードが表示される。その下の不良内容指定キー66には、種々の加工不良の内容を示す名称が表示されている。更にその下に表示されているコマンドキー67a〜67fは、加工不良に関する情報を入力するために用いられる。不良内容指定キー66および各コマンドキー67a〜67fに対しては、オペレータがこれらの各キーを指示する入力を行うことができるようになっている。たとえば、ディスプレイ装置の画面上をタッチパネルで構成しておけば、オペレータは画面上の各キーの表示位置を手で触れることにより、これらの各キーを指示する入力を行うことが可能である。
端末装置11の動作原理は次のとおりである。いま、第5図に示すように、巻取材料1についての印刷が矢印Pの位置で行われているものとする。巻取材料1は給紙側から排紙側へと送られて巻き取られてゆく。オペレータは、この矢印Pの位置を見ながら、印刷不良が発生していないかを監視する。そして、もし印刷不良を発見したら、操作部11cの各ボタンA,B,Cを押すことによりこれを本体11aに知らせる。このとき、現時点における印刷位置(距離L)は、カウンタ15bからの信号によって認識することができるので、印刷不良の発生位置は自動的に特定できることになる。したがって、オペレータは、不良の発生位置に関して何ら情報を入力する必要はない。ただ、オペレータはこの後、不良内容特定キー66および各コマンドキー67a〜67fを用いて、発生した不良内容に関する情報を入力する。こうして端末装置11は、発生した加工不良の内容および発生位置を特定する加工不良データを作成することができる。たとえば、第5図において、オペレータが列2に網点不良を発見したとする。この場合、オペレータはまず操作部11cのボタンを押して、発見位置を端末本体11aに報告する。この例の場合、「距離Lの位置」が不良発生位置として認識される。続いて、オペレータは、不良内容特定キー66および各コマンドキー67a〜67fを用いて、発生した不良内容、すなわち、「列2の網点不良が発生した」旨を入力する。こうして、「距離Lの位置の列2の網点不良が発生した」ことを示す加工不良データが作成され、このデータは印刷工程部コンピュータ10を介してホストコンピュータ100へ送られる。また、オペレータは、プリンタ10c,11bなどを用いて、この加工不良データを紙面上に打ち出すことができる。このような加工不良データは、ホストコンピュータ100によって一元管理されるので、別な端末装置においても利用可能となる。たとえば、第2図に示すシステムのおいて、端末装置11で作成された加工不良データは、ホストコンピュータ100内で管理されるので、端末装置21から呼び出してこれを利用することが可能である。印刷機15で印刷が完了した巻取材料を合成装置25でラミネート加工する場合、このように、端末装置11で作成された加工不良データを端末装置21で利用できれば便利である。端末装置21では、印刷工程における加工不良に、合成工程における加工不良を付加した加工不良データを作成することができる。更に、端末装置31で、これに切断工程における加工不良を付加した加工不良データを作成することもできる。この加工不良データを、端末装置51で呼び出して利用すれば、検査装置55において、不良のある部分を容易に取り除くことが可能である。
続いて、本装置の動作を、より具体的な実施例に基づいて説明する。いま、印刷機15において巻取材料1に対する印刷を開始したとすると、端末装置11におけるディスプレイ装置の表示画面は第7図に示すようになる。指標表示欄62には、現在の印刷位置を示す指標71が表示されている(この例では、巻取材料の先端部からの距離L=20mあたりを示している)。この巻取材料1は全長400mであり、印刷工程が進行するにしたがって、指標71は指標表示欄62,62´を図の下方に移動してゆき、0m〜400mまで移動することになる。オペレータは、この指標71を見ることにより、現在の作業の進行状況を把握することができる。なお、巻取識別コード欄65には、加工対象となる巻取材料の識別コード(この例ではA8823)が表示される。この識別コードはオペレータが入力するようにしてもよいが、ホストコンピュータ100により、各生産機械の稼働予定を与えるようにしておけば、ホストコンピュータ100側から自動的にこの識別コードを与えることもできる。前述したように、印刷機15には、リレー15aが取り付けられており、現在何本目の巻取材料に対する印刷を行っているかが認識できるため、ホストコンピュータ100が保持する印刷予定を照会することにより、これから処理する巻取材料の識別コードを自動的に認識することが可能である。もちろん、このように自動的に与えられた識別コードに対して、オペレータが修正を加えることも自由にできる。
さて、オペレータは、この印刷作業中、印刷の不良が発生しないかを監視することになるが、いま、「つなぎ」なる不良を発見したものとする。この場合、オペレータは第4図に示す操作部11cの専用ボタンAを押す。前述のように、この専用ボタンAは、「つなぎ」なる不良についての専用のボタンである。端末装置本体11aは、専用ボタンAが押されたのを検知すると。第8図に示すように、不良位置記録欄63内の、その時点における指標71と同じ位置に、不良位置表示72を表示するとともに、テキスト欄64に「つなぎ」なる文字73を表示する。指標71は、印刷作業の進行とともに図の下方へ移動してゆくが、不良位置表示72および「つばぎ」なる文字73は、第8図に示す位置に表示されたままの状態となる。すなわち、この位置に「つなぎ」なる不良が加工不良データとして登録されたことになる。このように、専用ボタンAは、これを押すだけですべての登録が完了となる。頻繁に発生する加工不良に対しては、このような専用ボタンを設けておくと便利である。
続いて、オペレータは巻取材料1の列2において、「網点不良」なる不良が連続的に生じているのを発見したものとする。このように、ある区間にわたって同じ不良が継続することはしばしば見られる。このような場合、オペレータは第4図に示す操作部11cの汎用ボタンBを押す。そして、しばらく監視を続け、この不良がなくなったときに、汎用ボタンCを押す。すまわち、「網点不良」の発生を発見した時点でボタンBを、「網点不良」が終了した時点でボタンCを、それぞれ押すことになる。このような操作を行った直後の状態を第9図に示す。不良位置記録欄63には、ボタンBを押した時点で開始マーク74が、ボタンCを押した時点で終了マーク75が、それぞれ表示される。この開始マーク74および終了マーク75は、加工不良データとしての正式の登録ではなく、単なる参照マークである。したがって、オペレータは後に、この参照マークを目安として正式の登録を行う。この正式の登録は、次のような操作により行われる。まず、第10図に示すように、カーソル移動コマンドキー67a,67bを用いて、不良位置記録欄63内にカーソル76を表示させ、これをまず、開始マーク74の位置まで移動させる。そして、開始コマンドキー67cを入力し、開始位置をセットする。続いて、カーソル移動コマンドキー67a,67bを用いて、不良位置記録欄63内のカーソル76を終了マーク75の位置まで移動させる。そして、発生した不良内容を示す不良内容指定キー66(この場合、「網点不良」のキー)を入力する。更に、画面切替コマンドキー67fを入力すると、画面にテンキーが表示されるようになるので、ここで、不良が生じた列番号(この場合は列2)の入力を行う。列番号とともに網点不良が生じた色を特定する入力も可能である。これにより、正式の登録が完了し、画面表示は第11図に示すようになる。不良位置記録欄63には不良位置表示77が、テキスト欄64には「列2/網点不良」なる文字78が表示されることになる。このように、とりあえず開始マーク74および終了マーク75を操作部11cのボタン入力によって表示させ、後にこれを目安として正式な登録を行うようにすると、非常に操作性がよくなる。こうして、不良位置表示77が示す位置に「列2/網点不良」なる不良が加工不良データとして登録されたことになる。なお、除去コマンドキー67dや解除コマンドキー67eを入力することにより、登録を取り消す作業も可能である。
なお、ある区間にわたって継続する不良ではなく、ある1か所だけに存在した不良を発見した場合には、開始マーク79のみの入力を行えばよい。たとえば、ある1か所に「裏うつり」なる不良を発見した場合、ボタンBを押して、第12図に示すように、開始マーク79のみを表示させておけばよい。この場合の正式な登録は、次のような操作により行われる。すなわち、カーソル移動コマンドキー67a,67bを用いて、不良位置記録欄63´内にカーソル76を表示させ、それを開始マーク79の位置まで移動させる。そして、開始コマンドキー67cを入力し、そのまま続けて、発生した不良内容を示す不良内容指定キー66(この場合、「裏うつり」のキー)を入力する。これにより、正式の登録が完了し、画面表示は第13図に示すようになる。不良位置記録欄63´には不良位置表示80が、テキスト欄64´には「裏うつり」なる文字81が表示されることになる。
こうして、印刷工程が完了したとすると、第13図に示すように、「つなぎ」、「列2/網点不良」、「裏うつり」なる3種類の印刷不良が、各位置において、加工不良データとして登録されたことになる。この加工不良データはホストコンピュータ100へ転送される。ここで、この印刷機15によって印刷が完了した巻取材料に対して、合成装置25によってラミネート加工を行うものとする。この場合、端末装置11で作成された前述の加工不良データは、端末装置21に呼び出される。すなわち、第13図と等価な画面が、端末装置21のディスプレイ装置上に呼び出されることになる。ただし、ここで注意すべき点は、印刷工程前の巻取材料と、印刷工程後の巻取材料とでは、巻取状態が逆になっている点である。すなわち、印刷工程前の巻取材料の先端部は、印刷工程後の巻取材料では後端部となってしまっている。これを具体的で示すと、たとえば、第13図に示すように、印刷工程前の巻取材料では、「つなぎ」なる不良が発生している位置は、先端部から40mのあたりであるが、印刷工程後の巻取材料では、逆に後端部から40mのあたりとなり、別言すれば、先端部から360mのあたりとなる。したがって、端末装置11で作成された加工不良データを端末装置21で呼び出した場合、先端部と後端部とを入れ替えるような距離の変換を行う必要がある。具体的には、第13図に示すような端末装置11で作成された加工不良データを、端末装置21で呼び出すと、第14図に示すようになる。
合成装置25におけるラミネート加工を開始すると、第14図に示すように、指標91が移動を始める。オペレータは、このラミネータ加工を監視し、加工不良が発生したら、これを登録する。この登録作業は前述の印刷工程における作業と全く同様である。たとえば、第15図に示す例では、不良位置表示92で示す区間に、「列1/しわ」なる文字93が表示されている。このように、前工程における加工不良に重ねるようにして、新たな加工不良の情報が付加されてゆく。なお、ディスプレイ装置の表示画面上では、前工程における加工不良と現工程における加工不良とを区別しうるようにするため、両者の表示態様を変えるのが好ましい。たとえば、色を変えて表示するとか、前工程における加工不良のみ反転表示するとか、種々の表示態様を採ることができる。
こうして作成された加工不良データ基づいて、オペレータは加工不良部の除去作業を容易に行うことができる。たとえば、製袋工程中に加工不良部の除去を行うのであれば製袋工程部の端末装置に加工不良データを表示させ、これを参照しながら行えばよい。この場合、加工不良データに基づいて、製袋機に動作指令を与えることができる。たとえば、製袋機を停止させたり減速させたりする動作指令を与えるようにすれば、オペレータが加工不良部を除去する作業を容易に行うことができるようになる。また、オペレータへの注意を喚起するために、ブザーやパトライトを動作させる動作指令を与えるようにすれば、加工不良部を確実に除去させることができるようになる。
以上、本発明を図示する実施例に基づいて説明したが、本発明はこの実施例のみに限定させるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえば、前述の実施例では、生産機械の動作をオペレータが監視し、加工不良を発見したときに操作部11cの各ボタンを押しているが、加工不良を自動的に発見できるような検査装置を用い、この検査装置からの加工不良発見を示す入力信号に基づいて、加工不良データを自動的に作成するようなことも可能である。また、端末装置11のディスプレイには、加工不良に関する情報表示だけでなく、生産機械の稼働状態(運転中、停止中、準備中など)の表示、停止時における停止理由の表示、稼働予定の表示、稼働実績の表示、などを合わせて行うことも可能である。更に本願装置を特願昭63−312698号明細書などに開示された生産機械の稼働予定立案装置などと組み合せれば、巻取材料1本ごとの加工工程の進捗状況の管理も可能になる。
〔発明の効果〕
以上のとおり本発明による巻取材料の加工工程管理装置によれば、各生産機械ごとに端末装置を設け、この端末装置で作成した加工不良データをホストコンピュータで一元管理するようにしたため、加工不良情報の取扱いに誤りが発生することがなく、作業者の負担を軽減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は現在行われている一般的な食料品の包装袋の製造工程を示す図、第2図は第1図に示す単純なモデルに本発明を適用した巻取材料の加工工程管理装置の構成を示すブロック図、第3図は第2図に示す装置における工程部コンピュータおよび端末装置のより詳細な構成を示す図、第4図は第3図に示す操作部11cと印刷機15との詳細を示す図、第5図は第2図に示す印刷機における印刷作業の概念図、第6図〜第15図は第3図に示す端末装置11に内蔵されたディスプレイ装置の表面画面を示す図である。
1〜5……巻取材料、10a……コンピュータ本体、10b……ディスプレイ装置、10c……プリンタ、11a……端末装置本体、11b……プリンタ、11c……操作部、11d……マルチポイントモデム、61,61´……距離表示欄、62,62´……指標表示欄、63,63´……不良位置記録欄、64,64´……テキスト欄、65……巻取識別コード欄、66……不良内容指定キー、67a〜67d……コマンドキー、71……指標、72……不良位置表示、73……「つなぎ」なる文字、74……開始マーク、75……終了マーク、76……カーソル、77……不良位置表示、78……「列2/網点不良」なる文字、79……開始マーク、80……不良位置表示、81……「裏うつり」なる文字、91……指標、92……不良位置表示、93……「列1/しわ」なる文字、100……ホストコンピュータ、101……ネットワーク。
本発明は巻取材料の加工工程管理装置およびこれに用いる端末装置、特に、コンピュータを利用した巻取材料の加工工程管理を行うための管理装置および端末装置に関する。
〔従来の技術〕
巻取材料を加工して製品を生産する方法は、製品の大量生産に適しているため、現在では種々の分野で取り入れられている。たとえば、食料品の包装袋を製造する工程でも、巻取材料の加工工程が取り入れられている。すなわち、印刷原反と呼ばれる無地の巻取材料に印刷工程を施し、これに別な巻取材料を貼り合わせるラミネート加工を行い、切断工程、製袋工程を経て、包装袋が製造される。このように、通常は、巻取材料に対して複数の加工工程が順次施されてゆく。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般に、巻取材料に種々の加工を施した場合、すべての部分について良好な加工が行われるとは限らない。通常は、部分的に加工不良が発生する。たとえば、印刷工程であれば、印刷不良の箇所が発生し、ラミネート加工工程では、シートに皺がよるという不良箇所が発生する。種々の加工を経た巻取材料は、最終的に一製品分ごとに切り離されるが、このとき、不良の発生している製品は除外する必要がある。このため、各工程ごとに、どの部分にどのような加工不良が発生しているかをチェックする作業が行われている。すなわち、従来は、各工程ごとに監視者をおき、加工済の材料に加工不良が発生していないかを監視させ、加工不良が発生していた場合には、品質管理カードにその旨を記入しその巻取材料に加工不良発生を示すテープを挿入するという作業を行っている。この品質管理カードは、加工済の巻取材料とともに次の加工工程へと送られる。こうして、各工程ごとに、どの部分にどのような加工不良が発生しているかを品質管理カードに記入してゆく。この品質管理カードに記入された加工不良に関する情報に基づいて、最終的に不良製品を除外することができる。
しかしながら、上述のような品質管理カードへの記入作業には、誤りが発生しやすいという問題がある。このような誤りがあると、最終的に不良製品を除去することができず、不良製品がそのまま出荷されてしまうという事態に発展する。また、品質管理カードへの記入作業は、監視者の手作業に負うものであり、作業負担が大きいという問題もある。
そこで本発明は、誤りが発生することがなく、作業者の負担を軽減することのできる巻取材料の加工工程管理装置およびこれに用いる端末装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
(1) 本願第1の発明は、巻取材料に対して、印刷工 程および切断工程を含む複数の加工工程を順番に施すた めに、与えられた巻取材料を給紙側から送り出し、所定 の加工作業を実施し、排紙側へと巻き取る機能をもった 生産機械を複数台用意し、1台の生産機械における加工 工程で、給紙側にセットした巻取材料を排紙側へと送り 出しながら加工作業を施すことにより先端部と後端部と が入れ替わるような巻き換え作業を行い、得られた排紙 側の巻取材料を次の工程の生産機械の給紙側にセットす るようにして、同一の巻取材料を前記複数台の生産機械 に順番にかけ、最終的に一製品分ごとに切り離された製 品を量産する工程を管理する装置であって、
加工工程を行う生産機械による現時点における巻取材 料の先端部からの加工位置を示す位置情報を生産機械か ら入力する位置情報入力部と、加工中の巻取材料を監視 しながら操作することが可能な位置に設置され、現時点 の加工位置に加工不良が存在することを示す不良情報を オペレータから入力する不良情報入力部と、を有し、不 良情報が入力されたタイミングにおいて入力されていた 位置情報に基づいて加工不良の発生位置を特定する加工 不良データを作成する機能をもった端末装置を、各生産 機械ごとに複数台設置し、
これら複数の端末装置をホストコンピュータに接続し、このホストコンピュータにより各端末装置で作成された加工不良データを一元管理し、1つの端末装置で作成された加工不良データを、別な端末装置においても利用しうるようにしたものである。
(2) 本願第2の発明は、上述の第1の発明に係る加 工工程管理装置に用いる端末装置において、
加工中の巻取材料の長手方向に対応する軸を表示するディスプレイと、
加工中の巻取材料について、現在の加工位置と加工済みの先端部との隔たりを示す信号を生産機械から入力し、この信号に基づいて、ディスプレイ上の軸に沿って、現在の加工位置を示す指標を表示させる手段と、
加工中の巻取材料を監視しながら操作することが可能 な位置に設置され、オペレータから加工不良の発見を示 す指示を入力する指示入力手段と、
指示入力手段により指示入力がなされた時点における 指標の位置を示すマークを、ディスプレイ上に表示させ る手段と、
ディスプレイ上に表示されたマークを目安として、不良発生位置を特定するデータを入力する手段と、
を設けたものである。
(3) 本願第3の発明は、上述の第1または第2の発明に係る装置において、
第1の生産機械による第1の加工が終了した後、継続して第2の生産機械による第2の加工が行われる場合に、第1の生産機械についての第1の端末装置で作成された加工不良データを、第2の生産機械についての第2の端末装置で利用できるようにするために、加工不良データ内の巻取材料の第1の端部からの距離を示すデータを、巻取材料の第2の端部からの距離を示すデータに変換する処理を、行い得るようにしたものである。
(4) 本願第4の発明は、上述の第1〜第3の発明に係る装置において、
後の加工工程について設置された端末装置が、前の加工工程について設置された端末装置で作成された加工不良データに基づいて、加工不良部を除去するために必要な動作指令を生産機械に対して与えることができるようにしたものである。
〔作 用〕
(1) 本願第1の発明による管理装置では、加工工程を行う各生産機械ごとに端末装置が用意される。各工程を監視するオペレータは、この端末装置に対して加工不良に関する情報を入力できる。しかも、加工不良の発生位置は、生産機械から与えられる加工位置を示す情報に基づいて自動的に認識可能であり、オペレータの作業負担は大幅に軽減される。また、各端末装置は、ホストコンピュータによって統括制御されるため、加工不良に関する情報を一元的に管理することができるとともに、すべての端末装置からこれを利用することが可能になる。
(2) 本願第2の発明による装置では、端末装置に設けられたディスプレイ装置上に示される指標により、加工作業の進行状況が確認できる。また、加工作業の監視中に加工不良が発見された場合、その旨の指示入力を行うことによりその位置をディスプレイ装置上にマークすることができ、あとでこのマークを目安として不良発生位置を特定するデータの入力が可能になる。したがって、不良発生位置を示すデータの入力を誤りなく確実に入力することができる。
(3) 本願第3の発明による装置では、直前の工程で作成された加工不良データをある工程で利用する場合、加工不良データ内の距離を示すデータが変換される。たとえば、直前の工程において、「巻取材料(全長400m)の先端から100mの位置に加工不良箇所がある」旨の加工不良データが作成されていた場合、このデータは、「巻取材料の先端から300mの位置に加工不良箇所がある」旨のデータに変換される。巻取材料の性質上、ある工程における巻取材料の先端部は、次の工程における巻取材料の後端部となるため、このような変換を行えば、直前の工程において作成された加工不良データをそのまま利用することが可能になる。
(4) 本願第4の発明による装置では、前の加工工程で作成された加工不良データに基づいて、生産機械に動作指令を与えることができる。たとえば、生産機械を停止させたり減速させたりする動作指令を与えるようにすれば、オペレータが加工不良部を除去する作業を容易に行うことができるようになる。また、オペレータへの注意を喚起するために、ブザーやパトライトを動作させる動作指令を与えるようにすれば、加工不良部を確実に除去させることができるようになる。
〔実施例〕
以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。ここでは、食料品の包装袋の製造工程に本発明を適用した実施例を示すことにする。第1図は、現在行われている一般的な食料品の包装袋の製造工程を示す図である。まず、印刷原反と呼ばれる巻取材料1が用意され、印刷工程を経てこれに印刷が施される。印刷工程が完了した巻取材料2は、合成工程において、図示されていない他の巻取材料と貼り合わされ、ラミネート加工が施される。更に、このラミネート加工済の巻取材料3は、切断工程において2つの巻取材料4a,4bに切断される(通常は、より多くの巻取材料に切断されるが、ここでは説明の便宜上、2つに切断される場合を示す)。この切断後の巻取材料4a,4bに対して検査工程が行われ、更に製袋工程を経て包装袋5が製造される。
上述の各工程においては、巻取材料を一方の給紙側にセットし、材料の先端部を他方の排紙側へと導出し、給紙側から排紙側へと巻取材料を送っていきながら所定の加工作業が行われる。たとえば、印刷工程であれば、印刷機のローラが給紙側と排紙側との中間に置かれる。給紙側から引き出された巻取材料は、印刷が行われた後、排紙側へと巻き取られてゆく。なお、第1図に示す工程順は、単純なモデルとしての一例を示すものであり、実際には、各工程の順番が入れ替わったり、前工程へ戻ったり、というように、より複雑な手順を採ることが多い。ここでは、単純なモデルとして、印刷工程では3台の印刷機を、合成工程では2台の合成装置を、切断工程では2台の切断装置を、検査工程では2台の検査装置を、製袋工程では3台の製袋機を、それぞれ用いた例について以下説明を続けることにする。
第2図は上述の単純なモデルに本発明を適用した巻取材料の加工工程管理装置の構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ100は、この加工工程を統括管理する機能を有し、印刷工程部コンピュータ10、合成工程部コンピュータ20、切断工程部コンピュータ30、製袋工程部コンピュータ40、検査工程部コンピュータ50、がネットワーク101によりホストコンピュータ100に接続されている。また、印刷工程部コンピュータ10には、3台の印刷機15〜17のそれぞれに対応して3台の端末装置11〜13が、合成工程部コンピュータ20には、2台の合成装置25、26のそれぞれに対応して2台の端末装置21、22が、切断工程部コンピュータ30には、2台の切断装置35、36のそれぞれに対応して2台の端末装置31、32が、製袋工程部コンピュータ40には、3台の製袋機45〜47のそれぞれに対応して3台の端末装置41〜43が、検査工程部コンピュータ50には、2台の合成装置55、56のそれぞれに対応して2台の端末装置51、52が、それぞれ設けられている。この実施例では、各工程部コンピュータ10〜50をパーソナルコンピュータで構成し、これらを直接ホストコンピュータ100に接続しているが、複数のパーソナルコンピュータをカスケード接続して階層構造をもたせるようにしてもかまわないし、同一工程部内に、複数のコンピュータを並列に設けるようにしてもかまわない。また、各工程部コンピュータ10〜50とホストコンピュータ100との間に、ワークステーションなどを設けるようにしてもよい。
この管理装置の特徴は、各生産機械ごとに、あるいは複数台の生産機械ごとに端末装置が設けられている点である。たとえば、印刷工程では、3台の印刷機15〜17のそれぞれに対応させて3台の端末装置11〜13が設けられている。第3図に、工程部コンピュータおよび端末装置のより詳細な構成を示す。ここでは、印刷工程部コンピュータ10およびこれに接続された端末装置11の構成を示す。ネットワーク101に接続された印刷工程部コンピュータ10は、本体10a、ディスプレイ装置10b、プリンタ10cから構成されており、本実施例の場合、これには一般的なパーソナルコンピュータのシステムが用いられている。コンピュータ10には、マルチポイントモデム11dを介して端末装置が接続されている。端末装置11は、ディスプレイ装置を内蔵した本体11a、プリンタ11b、操作部11cから構成されている。
操作部11cと印刷機15との詳細を第4図に示す。操作部11cには、この実施例の装置では、3つの操作ボタンが設けられている。すなわち、専用ボタンAと汎用ボタンB,Cである。専用ボタンAは、ある特定の加工不良の存在を知らしめるための専用ボタンであり、この実施例の装置では、「つなぎ」という特定の加工不良(たとえば、500mの巻取材料を2本用意し、これらを接続して1000mの巻取材料を作った場合、繋ぎ目に発生する加工不良)の存在を知らしめるために割り当てられた操作ボタンである。また、汎用ボタンB,Cは、種々の加工不良を発見した時点(ボタンB)と、その加工不良が終了した時点(ボタンC)とを知らしめるためのボタンである。一方、印刷機15では、前述したように、給紙側から排紙側へ巻取材料が送られる。印刷用のローラ等は給紙側と排紙側の間に配置される。第5図に、この印刷機15における印刷作業の概念を示す。巻取材料1は、給紙側にセットされ、先端部から引き出されて排紙側で巻き取られる。印刷は、この途中において、図の矢印Pで示す位置で行われる。第4図に示すリレー15aは、給紙側に新たな巻取材料をセットしたことを検知する機能を有する。したがって、このリレー15aからの信号に基づいて、現在セットされている巻取材料が何本目のものであるかを認識することが可能である。また、カウンタ15bは、給紙側から送り出された(あるいは排紙側に巻き取られた)巻取材料の長さに相当する信号を出力する。具体的には、給紙側の送り出しロール(または排紙側の巻き取りロール)にロータリエンコーダなどを取り付け、このローラリエンコーダの出力するパルスをカウントするような構成にすればよい。このカウンタ15bの出力信号は、結局、ある時点において、印刷機15が印刷を行っている巻取材料の位置を示す信号となり、具体的には第5図に示すように、巻取材料の先端部からの距離Lを示すことになる。
こうして端末装置11には、現時点における巻取材料の加工位置を示す情報(第5図の距離L)が逐次与えられることになる。また、リレー15aからの信号や各ボタンA,B,Cの操作状態を示す信号も与えられる。前述のように、端末装置の本体11aにはディスプレイ装置が内蔵されている。第6図にこのディスプレイ装置の表示画面60を示す。この表示画面60の左側部分には、距離表示欄61,61´、指標表示欄62,62´、不良位置記録欄63,63´、テキスト欄64,64´が設けられている。これらの各欄における図の上下方向は、加工中の巻取材料の長手方向に対応する。ここに示す実施例は、全長400mの巻取材料に対応した表示となっており、距離表示欄61,61´に示されている数字0,50,100,…,400は、それぞれ巻取材料の先端部からの距離をm単位で示したものである。指標表示欄62,62´には、現在の加工位置を示す指標が表示される。不良位置記入欄63,63´には、オペレータが不良箇所を発見した場合にその位置が記入され、その不良内容はテキスト欄64,64´に文字列として記入される。また、巻取識別コード欄65には、現在処理中の巻取材料を特定する識別コードが表示される。その下の不良内容指定キー66には、種々の加工不良の内容を示す名称が表示されている。更にその下に表示されているコマンドキー67a〜67fは、加工不良に関する情報を入力するために用いられる。不良内容指定キー66および各コマンドキー67a〜67fに対しては、オペレータがこれらの各キーを指示する入力を行うことができるようになっている。たとえば、ディスプレイ装置の画面上をタッチパネルで構成しておけば、オペレータは画面上の各キーの表示位置を手で触れることにより、これらの各キーを指示する入力を行うことが可能である。
端末装置11の動作原理は次のとおりである。いま、第5図に示すように、巻取材料1についての印刷が矢印Pの位置で行われているものとする。巻取材料1は給紙側から排紙側へと送られて巻き取られてゆく。オペレータは、この矢印Pの位置を見ながら、印刷不良が発生していないかを監視する。そして、もし印刷不良を発見したら、操作部11cの各ボタンA,B,Cを押すことによりこれを本体11aに知らせる。このとき、現時点における印刷位置(距離L)は、カウンタ15bからの信号によって認識することができるので、印刷不良の発生位置は自動的に特定できることになる。したがって、オペレータは、不良の発生位置に関して何ら情報を入力する必要はない。ただ、オペレータはこの後、不良内容特定キー66および各コマンドキー67a〜67fを用いて、発生した不良内容に関する情報を入力する。こうして端末装置11は、発生した加工不良の内容および発生位置を特定する加工不良データを作成することができる。たとえば、第5図において、オペレータが列2に網点不良を発見したとする。この場合、オペレータはまず操作部11cのボタンを押して、発見位置を端末本体11aに報告する。この例の場合、「距離Lの位置」が不良発生位置として認識される。続いて、オペレータは、不良内容特定キー66および各コマンドキー67a〜67fを用いて、発生した不良内容、すなわち、「列2の網点不良が発生した」旨を入力する。こうして、「距離Lの位置の列2の網点不良が発生した」ことを示す加工不良データが作成され、このデータは印刷工程部コンピュータ10を介してホストコンピュータ100へ送られる。また、オペレータは、プリンタ10c,11bなどを用いて、この加工不良データを紙面上に打ち出すことができる。このような加工不良データは、ホストコンピュータ100によって一元管理されるので、別な端末装置においても利用可能となる。たとえば、第2図に示すシステムのおいて、端末装置11で作成された加工不良データは、ホストコンピュータ100内で管理されるので、端末装置21から呼び出してこれを利用することが可能である。印刷機15で印刷が完了した巻取材料を合成装置25でラミネート加工する場合、このように、端末装置11で作成された加工不良データを端末装置21で利用できれば便利である。端末装置21では、印刷工程における加工不良に、合成工程における加工不良を付加した加工不良データを作成することができる。更に、端末装置31で、これに切断工程における加工不良を付加した加工不良データを作成することもできる。この加工不良データを、端末装置51で呼び出して利用すれば、検査装置55において、不良のある部分を容易に取り除くことが可能である。
続いて、本装置の動作を、より具体的な実施例に基づいて説明する。いま、印刷機15において巻取材料1に対する印刷を開始したとすると、端末装置11におけるディスプレイ装置の表示画面は第7図に示すようになる。指標表示欄62には、現在の印刷位置を示す指標71が表示されている(この例では、巻取材料の先端部からの距離L=20mあたりを示している)。この巻取材料1は全長400mであり、印刷工程が進行するにしたがって、指標71は指標表示欄62,62´を図の下方に移動してゆき、0m〜400mまで移動することになる。オペレータは、この指標71を見ることにより、現在の作業の進行状況を把握することができる。なお、巻取識別コード欄65には、加工対象となる巻取材料の識別コード(この例ではA8823)が表示される。この識別コードはオペレータが入力するようにしてもよいが、ホストコンピュータ100により、各生産機械の稼働予定を与えるようにしておけば、ホストコンピュータ100側から自動的にこの識別コードを与えることもできる。前述したように、印刷機15には、リレー15aが取り付けられており、現在何本目の巻取材料に対する印刷を行っているかが認識できるため、ホストコンピュータ100が保持する印刷予定を照会することにより、これから処理する巻取材料の識別コードを自動的に認識することが可能である。もちろん、このように自動的に与えられた識別コードに対して、オペレータが修正を加えることも自由にできる。
さて、オペレータは、この印刷作業中、印刷の不良が発生しないかを監視することになるが、いま、「つなぎ」なる不良を発見したものとする。この場合、オペレータは第4図に示す操作部11cの専用ボタンAを押す。前述のように、この専用ボタンAは、「つなぎ」なる不良についての専用のボタンである。端末装置本体11aは、専用ボタンAが押されたのを検知すると。第8図に示すように、不良位置記録欄63内の、その時点における指標71と同じ位置に、不良位置表示72を表示するとともに、テキスト欄64に「つなぎ」なる文字73を表示する。指標71は、印刷作業の進行とともに図の下方へ移動してゆくが、不良位置表示72および「つばぎ」なる文字73は、第8図に示す位置に表示されたままの状態となる。すなわち、この位置に「つなぎ」なる不良が加工不良データとして登録されたことになる。このように、専用ボタンAは、これを押すだけですべての登録が完了となる。頻繁に発生する加工不良に対しては、このような専用ボタンを設けておくと便利である。
続いて、オペレータは巻取材料1の列2において、「網点不良」なる不良が連続的に生じているのを発見したものとする。このように、ある区間にわたって同じ不良が継続することはしばしば見られる。このような場合、オペレータは第4図に示す操作部11cの汎用ボタンBを押す。そして、しばらく監視を続け、この不良がなくなったときに、汎用ボタンCを押す。すまわち、「網点不良」の発生を発見した時点でボタンBを、「網点不良」が終了した時点でボタンCを、それぞれ押すことになる。このような操作を行った直後の状態を第9図に示す。不良位置記録欄63には、ボタンBを押した時点で開始マーク74が、ボタンCを押した時点で終了マーク75が、それぞれ表示される。この開始マーク74および終了マーク75は、加工不良データとしての正式の登録ではなく、単なる参照マークである。したがって、オペレータは後に、この参照マークを目安として正式の登録を行う。この正式の登録は、次のような操作により行われる。まず、第10図に示すように、カーソル移動コマンドキー67a,67bを用いて、不良位置記録欄63内にカーソル76を表示させ、これをまず、開始マーク74の位置まで移動させる。そして、開始コマンドキー67cを入力し、開始位置をセットする。続いて、カーソル移動コマンドキー67a,67bを用いて、不良位置記録欄63内のカーソル76を終了マーク75の位置まで移動させる。そして、発生した不良内容を示す不良内容指定キー66(この場合、「網点不良」のキー)を入力する。更に、画面切替コマンドキー67fを入力すると、画面にテンキーが表示されるようになるので、ここで、不良が生じた列番号(この場合は列2)の入力を行う。列番号とともに網点不良が生じた色を特定する入力も可能である。これにより、正式の登録が完了し、画面表示は第11図に示すようになる。不良位置記録欄63には不良位置表示77が、テキスト欄64には「列2/網点不良」なる文字78が表示されることになる。このように、とりあえず開始マーク74および終了マーク75を操作部11cのボタン入力によって表示させ、後にこれを目安として正式な登録を行うようにすると、非常に操作性がよくなる。こうして、不良位置表示77が示す位置に「列2/網点不良」なる不良が加工不良データとして登録されたことになる。なお、除去コマンドキー67dや解除コマンドキー67eを入力することにより、登録を取り消す作業も可能である。
なお、ある区間にわたって継続する不良ではなく、ある1か所だけに存在した不良を発見した場合には、開始マーク79のみの入力を行えばよい。たとえば、ある1か所に「裏うつり」なる不良を発見した場合、ボタンBを押して、第12図に示すように、開始マーク79のみを表示させておけばよい。この場合の正式な登録は、次のような操作により行われる。すなわち、カーソル移動コマンドキー67a,67bを用いて、不良位置記録欄63´内にカーソル76を表示させ、それを開始マーク79の位置まで移動させる。そして、開始コマンドキー67cを入力し、そのまま続けて、発生した不良内容を示す不良内容指定キー66(この場合、「裏うつり」のキー)を入力する。これにより、正式の登録が完了し、画面表示は第13図に示すようになる。不良位置記録欄63´には不良位置表示80が、テキスト欄64´には「裏うつり」なる文字81が表示されることになる。
こうして、印刷工程が完了したとすると、第13図に示すように、「つなぎ」、「列2/網点不良」、「裏うつり」なる3種類の印刷不良が、各位置において、加工不良データとして登録されたことになる。この加工不良データはホストコンピュータ100へ転送される。ここで、この印刷機15によって印刷が完了した巻取材料に対して、合成装置25によってラミネート加工を行うものとする。この場合、端末装置11で作成された前述の加工不良データは、端末装置21に呼び出される。すなわち、第13図と等価な画面が、端末装置21のディスプレイ装置上に呼び出されることになる。ただし、ここで注意すべき点は、印刷工程前の巻取材料と、印刷工程後の巻取材料とでは、巻取状態が逆になっている点である。すなわち、印刷工程前の巻取材料の先端部は、印刷工程後の巻取材料では後端部となってしまっている。これを具体的で示すと、たとえば、第13図に示すように、印刷工程前の巻取材料では、「つなぎ」なる不良が発生している位置は、先端部から40mのあたりであるが、印刷工程後の巻取材料では、逆に後端部から40mのあたりとなり、別言すれば、先端部から360mのあたりとなる。したがって、端末装置11で作成された加工不良データを端末装置21で呼び出した場合、先端部と後端部とを入れ替えるような距離の変換を行う必要がある。具体的には、第13図に示すような端末装置11で作成された加工不良データを、端末装置21で呼び出すと、第14図に示すようになる。
合成装置25におけるラミネート加工を開始すると、第14図に示すように、指標91が移動を始める。オペレータは、このラミネータ加工を監視し、加工不良が発生したら、これを登録する。この登録作業は前述の印刷工程における作業と全く同様である。たとえば、第15図に示す例では、不良位置表示92で示す区間に、「列1/しわ」なる文字93が表示されている。このように、前工程における加工不良に重ねるようにして、新たな加工不良の情報が付加されてゆく。なお、ディスプレイ装置の表示画面上では、前工程における加工不良と現工程における加工不良とを区別しうるようにするため、両者の表示態様を変えるのが好ましい。たとえば、色を変えて表示するとか、前工程における加工不良のみ反転表示するとか、種々の表示態様を採ることができる。
こうして作成された加工不良データ基づいて、オペレータは加工不良部の除去作業を容易に行うことができる。たとえば、製袋工程中に加工不良部の除去を行うのであれば製袋工程部の端末装置に加工不良データを表示させ、これを参照しながら行えばよい。この場合、加工不良データに基づいて、製袋機に動作指令を与えることができる。たとえば、製袋機を停止させたり減速させたりする動作指令を与えるようにすれば、オペレータが加工不良部を除去する作業を容易に行うことができるようになる。また、オペレータへの注意を喚起するために、ブザーやパトライトを動作させる動作指令を与えるようにすれば、加工不良部を確実に除去させることができるようになる。
以上、本発明を図示する実施例に基づいて説明したが、本発明はこの実施例のみに限定させるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえば、前述の実施例では、生産機械の動作をオペレータが監視し、加工不良を発見したときに操作部11cの各ボタンを押しているが、加工不良を自動的に発見できるような検査装置を用い、この検査装置からの加工不良発見を示す入力信号に基づいて、加工不良データを自動的に作成するようなことも可能である。また、端末装置11のディスプレイには、加工不良に関する情報表示だけでなく、生産機械の稼働状態(運転中、停止中、準備中など)の表示、停止時における停止理由の表示、稼働予定の表示、稼働実績の表示、などを合わせて行うことも可能である。更に本願装置を特願昭63−312698号明細書などに開示された生産機械の稼働予定立案装置などと組み合せれば、巻取材料1本ごとの加工工程の進捗状況の管理も可能になる。
〔発明の効果〕
以上のとおり本発明による巻取材料の加工工程管理装置によれば、各生産機械ごとに端末装置を設け、この端末装置で作成した加工不良データをホストコンピュータで一元管理するようにしたため、加工不良情報の取扱いに誤りが発生することがなく、作業者の負担を軽減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は現在行われている一般的な食料品の包装袋の製造工程を示す図、第2図は第1図に示す単純なモデルに本発明を適用した巻取材料の加工工程管理装置の構成を示すブロック図、第3図は第2図に示す装置における工程部コンピュータおよび端末装置のより詳細な構成を示す図、第4図は第3図に示す操作部11cと印刷機15との詳細を示す図、第5図は第2図に示す印刷機における印刷作業の概念図、第6図〜第15図は第3図に示す端末装置11に内蔵されたディスプレイ装置の表面画面を示す図である。
1〜5……巻取材料、10a……コンピュータ本体、10b……ディスプレイ装置、10c……プリンタ、11a……端末装置本体、11b……プリンタ、11c……操作部、11d……マルチポイントモデム、61,61´……距離表示欄、62,62´……指標表示欄、63,63´……不良位置記録欄、64,64´……テキスト欄、65……巻取識別コード欄、66……不良内容指定キー、67a〜67d……コマンドキー、71……指標、72……不良位置表示、73……「つなぎ」なる文字、74……開始マーク、75……終了マーク、76……カーソル、77……不良位置表示、78……「列2/網点不良」なる文字、79……開始マーク、80……不良位置表示、81……「裏うつり」なる文字、91……指標、92……不良位置表示、93……「列1/しわ」なる文字、100……ホストコンピュータ、101……ネットワーク。
Claims (4)
- 巻取材料に対して、印刷工程および切断工 程を含む複数の加工工程を順番に施すために、与えられ た巻取材料を給紙側から送り出し、所定の加工作業を実 施し、排紙側へと巻き取る機能をもった生産機械を複数 台用意し、1台の生産機械における加工工程で、給紙側 にセットした巻取材料を排紙側へと送り出しながら加工 作業を施すことにより先端部と後端部とが入れ替わるよ うな巻き換え作業を行い、得られた排紙側の巻取材料を 次の工程の生産機械の給紙側にセットするようにして、 同一の巻取材料を前記複数台の生産機械に順番にかけ、 最終的に一製品分ごとに切り離された製品を量産する工 程を管理する装置であって、
加工工程を行う生産機械による現時点における巻取材料の先端部からの加工位置を示す位置情報を前記生産機械から入力する位置情報入力部と、加工中の巻取材料を監視しながら操作することが可能な位置に設置され、現時点の加工位置に加工不良が存在することを示す不良情報をオペレータから入力する不良情報入力部と、を有し、前記不良情報が入力されたタイミングにおいて入力されていた位置情報に基づいて加工不良の発生位置を特定する加工不良データを作成する機能をもった端末装置を、各生産機械ごとに複数台設置し、
これら複数の端末装置をホストコンピュータに接続し、このホストコンピュータにより各端末装置で作成された加工不良データを一元管理し、1つの端末装置で作成された加工不良データを、別な端末装置においても利用しうるようにしたことを特徴とする巻取材料の加工工程管理装置。 - 請求項1に記載の加工工程管理装置に用い る端末装置であって、
加工中の巻取材料の長手方向に対応する軸を表示するディスプレイと、
加工中の巻取材料について、現在の加工位置と加工済みの先端部との隔たりを示す信号を生産機械から入力し、この信号に基づいて、前記ディスプレイ上の軸に沿って、現在の加工位置を示す指標を表示させる手段と、
加工中の巻取材料を監視しながら操作することが可能な位置に設置され、オペレータから加工不良の発見を示す指示を入力する指示入力手段と、
前記指示入力手段により指示入力がなされた時点における前記指標の位置を示すマークを、前記ディスプレイ上に表示させる手段と、
前記ディスプレイ上に表示されたマークを目安として、不良発生位置を特定するデータを入力する手段と、
を備えることを特徴とする巻取材料の加工工程管理用端末装置。 - 請求項1または2に記載の装置において、
第1の生産機械による第1の加工が終了した後、継続して第2の生産機械による第2の加工が行われる場合に、第1の生産機械についての第1の端末装置で作成された加工不良データを、第2の生産機械についての第2の端末装置で利用できるようにするために、前記加工不良データ内の巻取材料の第1の端部からの距離を示すデータを、巻取材料の第2の端部からの距離を示すデータに変換する処理を、行い得るようにしたことを特徴とする装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の装置において、
後の加工工程について設置された端末装置が、前の加工工程について設置された端末装置で作成された加工不良データに基づいて、加工不良部を除去するために必要な動作指令を生産機械に対して与えることができるようにしたことを特徴とする装置。
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JP30142490A JP3581967B2 (ja) | 1990-11-07 | 1990-11-07 | 巻取材料の加工工程管理装置およびこれに用いる端末装置 |
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