JP3581728B2 - アンチパニック式電気錠 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばホテルの客室の扉に取付けられるアンチパニック式電気錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホテルの客室の扉に取付けられる電気錠の一例が、実公平4ー19180号公報に記載されている。
【0003】
この実施例は、基本的には室内側の把手と室外側の把手とにそれぞれ連結される内外の駆動カムを錠ケースに回動自在に設け、これら内外の駆動カムは、それぞれ独立して回動し得る。また錠ケースには複数個の部材の組み合わせから成り、かつ、外側の回動部材の回動のみを規制する施解錠手段を設け、さらに、錠ケースには制御装置と電気的に接続し、かつ、前記施解錠手段を駆動するソレノイドが内装されている。
【0004】
しかして、この実施例は、扉を閉じると、直ちに制御装置からの施錠信号に基づきソレノイドが作動し、これにより室外側の把手に対して施錠状態が保持される。しかし、室内側の回動部材は機構的に常に解錠状態になっているので、室内側の把手を回転すると、出没部材は錠ケースのフロント内に没入する。したがって、室内側から見て、アンチパニック(ソレノイドの作動で室外側から出没部材が施錠状態となっても、室内側から内側把手を回転し、出没部材を自由に解錠状態にすることができる。)である。
【0005】
しかしながら、この種の実施例に於いては次のような問題点があった。
▲1▼ソレノイドとシリンダー錠が取付けられる回動体(キー操作によって回転する部材)とが互いに連動していないため、室外側から何らかの理由で通常のキーで施解錠しようとしてもできない。
▲2▼扉を閉じると直ちにソレノイドが作動し、出没部材が施錠状態となる。したがって、何らかの理由で所望する間室内側からのみではなく、室外側からも出没部材を解錠状態に保持して欲しいと言う要求を満足させることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、上記▲1▼の欠点を解消し、また上記▲2▼の要求を十分に満たすことができ、さらに、室内側から電気錠が施錠状態になっているか否かを判別でき、加えて、構成する部品点数を極力少なくしても合理的手段により出没部材を内外から自由に施解錠することができるアンチパニック式電気錠を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のアンチパニック式電気錠は、錠ケース1に内側把手用内駆動カム65と外側把手用外駆動カム66とを互いに独立回動できるように支承するアンチパニック式電気錠に於いて、前記錠ケース1にキー91操作によって回転する回動体15を設け、この回動体15に電気式アクチュエーター16の作動杆18に固定されたスライド押当片20を連結し、一方、外側把手97を操作すると、外駆動カム66の駆動力が外従動係合板56と係脱可能な外側係止片47を介して出没部材3と係合する作動レバー36に伝達するように錠本体1にこれらの各部材56、47を適宜に組み合わせ、前記外側係止片47とスライド押当片20との間に、前記回動体15の駆動力又は電気式アクチュエーター16の作動杆18の伸縮動により回転して外側係止片47を外従動係合板56に対して係脱させる規制片30を軸支したことを特徴とする。
【0008】
【作用】
まず回動体が施錠の位置にあると、室内側から施錠を示す施解錠用識別部がキャップの識別窓から見える。この場合外側係止片は外開きバネのバネ力により外従動係合板から離れている。したがって、外側把手を回転操作しても、外駆動カムは多少回転するものの、作動レバーは外側係止片を介して回転せず、出没部材を解錠できない。
【0009】
次に回動体がキー操作により解錠方向へ回転すると、外側係止片が外従動係合板に係合する。この場合外側把手で外駆動カムを回転させると、外駆動カムの駆動力は各部材に伝達し、出没部材は錠ケース内に没入する。なお、電気式アクチュエータは制御装置から解錠信号が送られてきた場合にはその作動杆が伸長し、外側係止片が外従動係合板に係合する。
【0010】
この様にキーによる機械的解錠操作により、又は電気的解錠作動により回動体が解錠方向へ回転した場合、規制片はスライド押圧片により押されて回転し、外側係止片は外従動係合板に係合する。
【0011】
しかして、この解錠状態は、仮に扉を閉じても、キーによる施錠操作/又は制御装置から電気式アクチュエータへ施錠信号が送られない限り保持される。したがって、解錠状態が保持されている限り、外側把手により外駆動カムを矢印E方向(時計方向)に回転させると、作動レバーは外従動係合板並びに外側係止片を介して回転し、ストッパーをその係合頭部で押上げながら出没部材を錠ケース1内に没入させることができる。それ故に、この限りに於いて、電気錠は室内外いずれの側からもアンチパニックと言うことができる。
【0012】
【実施例】
以下、図面に示す実施例により本発明を詳細に説明する。
【0013】
図1ないし図12において、1は長箱錠の錠ケースである。この錠ケース1は、例えば研究所の研究室、ホテルの客室などの扉に設けられる電気錠の一部を構成する。錠ケース1はフロント2を有し、このフロント2の適宜箇所には、出没部材3用の開口4が形成されている。錠ケース1内には出没部材を始めとし、錠機構を構成する色々な部材が組み込まれている。
【0014】
そこで、まず出没部材3について説明する。出没部材3は本実施例ではデッドロッキングラッチ(デッドラッチと称する。)が使用され、扉の開閉時そのラッチ頭部3aをデッドの位置又はラッチの位置に設定することができる。すなわち、出没部材3のラッチ頭部3aは扉を閉じた時には開口4から完全に突出してデッドの位置となり、一方、扉を開いた場合、開口4から完全に突出せず、いわゆるラッチの位置となる。
【0015】
したがって、そのために錠ケース1の下部には出没部材用の進退動片5aを有するデッドラッチ機構5が組み込まれている。
【0016】
なお、デッドラッチ機構5は本発明の主要部でないので詳細な説明を省略する。
【0017】
ところで、出没部材3としてのデッドラッチは、錠ケース1内に位置する空洞状の胴部3bを有し、この胴部3bには下方方向に脚部3cが延伸している。そして、ラッチ頭部3aと脚部3cとの間にはラッチ突起部3dが設けられ、このラッチ突起部3dはフロント2の開口4附近に位置するストッパーピン6に当接している。出没部材3は錠ケース1内に適宜に設けられたコイルスプリング、板バネなどのラッチバネ7により常時一方向に付勢されている。なお、8は錠ケース1の一側壁1aに設けられ、前記ラッチバネ7の後端部を支持するラッチバネ受けである。
【0018】
次に10は錠ケース1の上部に位置する軸受部材である。この軸受部材10は錠ケース1の一側壁1aに固定される取付けベース部10aと、この取付けベース部10aに突出形成され、かつ、中央部に環状の軸孔を有する環状部10bとから成る。そして、前記取付けベース部10aの一端部側には、上下方向に2個のピン11、12が固定的に設けられている。
【0019】
13は後端部が枢軸としての前記下方ピン12に枢支された出没部材用のストッパーで、このストッパー13の先端部13aはフロント2の開口4内に臨んでいる。ストッパー13は下方ピン12に装着されたストッパー用バネ14により常時出没部材3の胴部3b方向に付勢されている。
【0020】
なお、ストッパー用バネ14の一例としては、左右方向に両端部が開く、いわば開きバネが使用され、その一端部はストッパー13の枢支部の切欠部に位置し、一方、他端部は前記上方ピン11に圧接している。
【0021】
15は軸受部材10の環状部10bに回動可能に嵌着するキー側の回動体である。この回動体15の円筒状部15aには任意形状の係合孔が形成されている。図示しないシリンダー錠はこの係合孔と係合する連結バーを介して回動体15に連結される。したがって、扉の外側からキーを操作すると、回動体15は左右いずれかの方向に回転する。
【0022】
ところで、回動体15はその円筒状部15aから半径方向に延伸する駆動アーム15bを有する。また回動体15には一定の角度範囲で回転するように図示しないストッパー用小突起と当接する突起部15cが形成されている。
【0023】
次に16は錠ケース1の略中央部の右側(図1を基準)に設けられた電気式アクチュエータで、この電気式アクチュエータ16は本実施例では支持フレーム17を介して横設されている。電気式アクチュエータ16は、回動体15と後述する内・外の駆動カムとの間に配設されている。
【0024】
しかして、電気式アクチュエータ16は通電により極性が変化するいくつかの磁性体を内蔵し、その作動杆18は磁性体の極性に対応して伸長または収縮する。作動杆18は、例えば通電時に伸長し(図2で示す状態)、一方、非通電時には収縮する(図1で示す状態)。なお、電気式アクチュエータ16は図示しない制御装置と電気的に接続している。
【0025】
次に20は上端部側が連結片21を介して回動体15の駆動アーム15bに連結され、一方、下端部側が電気式アクチュエータ16の作動杆18に固定されたスライド押圧片である。このスライド押圧片20は、図8を基準にすると、電気式アクチュエータ16よりも上方に位置する幅広のガイド板部20aと、このガイド板部20aの下部の左側に延設された水平中央部20bと、この水平中央部20bの先端部と垂直方向に連設する押圧部20cとから成り、前記押圧部20cの下端部は直角方向に多少折曲している。
【0026】
しかして、前記ガイド板部20aの上部には水平ガイド長孔22が形成され、このガイド長孔22を錠ケース1の一側壁1aに固定的に設けられた第1固定軸23が貫通している。したがって、スライド押圧片20は第1固定軸23に案内・支持される格好と成る。またガイド板部20aの中央部には前記水平ガイド長孔22よりも幅狭の垂直ガイド長孔24が形成され、この垂直ガイド長孔24には全体として逆「く」の字形に折曲形成された連結片21の可動係合ピン25が係合している。前記連結片21が第1固定軸23に枢支されているので、可動係合ピン25は連結片21が第1固定軸23を支点に円周方向へ回転する際、スライド押圧片20を左右にスライドさせる駆動ピンの役割を果たしている。さらに、ガイド板部20aの下部には錠ケース1の一側壁1aに設けられた固定ガイドピン26と係合する案内部としての切欠27が形成されている。
【0027】
次に30は錠ケース1の略中央部に第2固定軸31を介して回動可能に枢支された係止片用の規制片である。しかして、この規制片30は、図3及び図8で示すように錠ケース1の一側壁1aと対面する垂直ベース部30aに第2固定軸31用の軸孔32を有し、垂直ベース部30aの上部にはスライド押圧片20の押圧部20cと当接する当接ピン33が植設されている。また垂直ベース部30aの上部は、スライド押圧片20の水平中央部20b側にアーム状に伸び、かつ、該アーム状部の先端部には前記水平中央部20bの裏面と当接する揺れ防止部30bが折曲形成されている。一方、垂直ベース部30aの下部には該垂直ベース部と交差方向にコ字型の規制部30cが連設している。なお、前記規制部30cに形成された切欠部34は次に説明する作動レバー用の逃がし部の機能を有している。
【0028】
次に36は錠ケース1に植設された第3固定軸37に揺動可能に枢支された出没部材用作動レバーである。この作動レバー36の形状は、図4で示すように人間の姿態に例えると、「跳び上がって脚を後ろに折り曲げかつ手を背面側に延ばした格好」をしている。そこで、作動レバー36の形状を具体的に説明すると、38は出没部材3の胴部3b内に入り込む係合頭部で、この係合頭部38は前記胴部3bから多少突出し、ストッパー13の下方テーパー面と当接している。39は第3固定軸37が貫通する軸孔40を有する枢支脚部で、この枢支脚部39と係合頭部38の間が、いわば首部に連設する胴部41である。したがって、係合頭部38ないし枢支脚部39の全体的な形状は「く」の字状である。もちろん、設計如何によっては係合頭部38ないし枢支脚部39の全体的な形状は「L型」、「V型」などに形成することができる。42は胴部41の背面側に多少伸びる仕切りアーム部である。なお、作動レバー36の首部43は錠ケースに固定的に設けられたストッパーピン44と当接する。
【0029】
次に45は作動レバー36の胴部41に固定的に設けられた枢軸で、この枢軸45は図7で示すように左右(左側が扉の内側に、一方、右側が扉の外側に相当する。)にそれぞれ突出している。しかして、枢軸45の左側には内側係止片46が、一方、枢軸45の右側には外側係止片47がそれぞれ回動可能に装着されている。内側係止片46と外側係止片47は、互いに対称的に形成され、図4で示すように軸筒部46a、47aと、軸筒部46a、47aから一方向に弧状に伸びる弧状当接部46b、47bと、弧状当接部46b、47bの自由端部に鉤状に形成された係止部46c、47cとから成る。これら内外の係止片46、47は、枢軸45の左右の突出部にそれぞれ装着された係止片46、47用の内外の開きバネ48、49により一方向に常時付勢されている。
【0030】
なお、作動レバー36の胴部41と枢支脚部39との折曲部には内外にバネ受け用突起部50が設けられ、内外の開きバネ48、49の一端部はこの突起部50に、一方、それらの他端部は係止片46、47の弧状当接部46b、47bの内面にそれぞれ圧接している。
【0031】
次に51は前記第3固定軸37に装着され、かつ、作動レバー36を常時一方向に付勢する板バネ、開きバネなどの第1バネ部材である。この第1バネ部材51の一端部は作動レバー36の前記突起部40に圧接し、一方、他端部は錠ケース1の下部に固定的に設けられたバネ装着用部材52の環状溝52aに圧接係合している。前記バネ装着部材52は、図5で示すように中央部の環状溝52aを基準にして、左側に内円筒部53を、一方、右側に外円筒部54を有する。
【0032】
次に55は作動レバー36の一側壁(左側又は内側)に位置するように前記第3固定軸37の内端部側に回動可能に装着された内従動係合板である。一方、56は作動レバー36の他側壁(右側又は外側)に位置するように前記第3固定軸37の外端部側に回動可能に装着された外従動係合板である。これら内外の従動係合板55、56は、図5で示すように相互に対称的な形態をし、内側及び外側係止片46、47の下方に位置している。
【0033】
そこで、便宜上同一符号を付して外従動係合板56について説明すると、57は第3固定軸37と嵌合する軸筒部である。58は外側係止片47の弧状当接部47bと略同じ曲率を有する弧状係合部である。この弧状係合部58は出没部材3を錠ケース1内に没入(解錠)させる時には外側係止片47の係止部47cと係合する。
【0034】
59は後述する外駆動カムと摺接するローラ状のカム摺接部である。このカム摺接部59は外従動係合板56をやや傾斜状に切欠して形成された中途部の湾状部60に臨むように設けられている。61はバネ受け突起で、このバネ受け突起61は外従動係合板56の幅狭の右端部に設けられている。
【0035】
62、63はバネ装着部材52の内外の円筒部53、54に装着され、かつ、それぞれ対応する内外の従動係合板55、56を一方向(駆動カムと当接する方向)に付勢する内・外のバネである。そこでまた便宜上外バネ63について説明すると、その一端部は、錠ケース1の底壁の内面に、一方、他端部は外従動係合板56のバネ受け突起61にそれぞれ圧接している。
【0036】
次に、65、66は前述した内外の従動係合板55、56と電気式アクチュエータ16との間に位置し、かつ、相互に同形に形成された内外駆動カムである。これらの駆動カム65、66は当然のことながら、内駆動カム65は内従動係合板55のカム摺接部59と、一方、外駆動カム66は外従動係合板56のカム摺接部59とそれぞれ摺接する。
【0037】
そこで、便宜上同一符号を付して外駆動カム66の機能的な形態について説明すると、67は把手用軸孔68を有するボス部で、このボス部67は錠ケース1の側壁に形成された嵌合孔に支承される。69は前記ボス部67の左側上部に突出形成された衝突部で、この衝突部69は外駆動カム66が把手の操作で勢い良く時計方向に回転した時に受け止め片70に当たる。この受け止め片70は電気式アクチュエータ16と外駆動カム66の間に位置するように錠ケース1に適宜固定されている。
【0038】
一方、71はボス部67の右側に膨出状に突出形成されたカム当接部で、このカム当接部71は当り面71aを有し、把手が所定量以上回転しないようにカムストッパー72と当接している。このカムストッパー72は前記受け止め片70のやや右下に位置し、錠ケース1に適宜に固定されている。また73はボス部67の左側下部に突出形成された突起である。したがって、この突起73と前記カム当接部との間に外従動係合板56の湾状部60が係合する湾状のカム用係合切欠部74が設けられている。
【0039】
なお、75は外内の駆動カム65、66の間に設けられたスペーサリングで、このスペーサリング75は内外の駆動カム65、66が互いのボス部の干渉を避け、スムースに同軸かつ相互に単独回転できるよう設けられている。
【0040】
次に80は外側係止片47の上方に所要空間81を有して錠ケース1に配設された外押し当て片である。一方、82は外側係止片47と対抗するように同じく錠ケース1に配設された内押し当て片である。この内押し当て片82は内側係合片46の弧状当接部46bの外壁面と当接している。この外押し当て片80と内押し当て片82の区別は、錠ケース1を扉に取付ける際、当該扉が左右いずれの側から開放するかによって選択的に決定される。
【0041】
すなわち、内外の押し当て片82、80は錠ケース1に横架された第4固定軸83に同軸状態で枢支され、またそれぞれバネ84、84で一方向に付勢されているが、フロント2側のネジなどの押え具85があると係止片46を押え付け、一方、押え具85が取り外されていると係止片47から離れている。
【0042】
しかして、外押当て片80のように外側係止片47から離れている場合は機構的には出没部材3を施錠状態にすることができ、一方、内押当て片82のように内側係止片46に当たっている場合は、機構的には出没部材3を内側から常に解錠状態(アンチパニック)にすることができる。
【0043】
なお、前記バネ84は第4固定軸83に装着され、その一端部は押し当て片80(82)のツバ部86の内壁面に、一方、他端部は前述したストッパーピン44にそれぞれ圧接している。
【0044】
次に90は図11及び図2で示すように室内側から電気錠が施錠状態になっているか否かを識別できる回転標識板である。この回転標識板90は、キー91の回転操作又は電気式アクチュエーター16の作動力により回転する回動体15に直接又は間接的に設けられている。92は回転標識板90をカバーするように扉93の内側壁に固定的に設けられたキャップである。このキャップ92の適宜箇所には回転標識板90に施された色彩、模様などの施解錠用識別部90a、90b(解錠か施錠かで色彩などが異なる。)が見える円形の識別窓94が形成されている。なお、96はノブ、レバーなどの内側把手で、一方、97は外側把手である。
【0045】
次に上記構成に於いて、本発明の目的に基づく主要部の作動状態について説明する。
【0046】
まず図1では回動体15が施錠の位置にある。この場合図11で示すように室内側から施解錠用識別部90a(施錠を示す色など)がキャップ92の識別窓94から見える。回動体15と連動する電気式アクチュエータ16の作動杆18は収縮している。この場合電気式アクチュエータ16は非通電状態となっており、作動杆18はその内臓された磁性体の極性に対応して収縮している。スライド押圧片20は錠ケース1の右側に位置し、外側係止片47は外開きバネ49のバネ力により外従動係合板56から離れている。外側係止片用の規制片30は外側係止片47の弧状当接部47bによって押し上げられ、傾倒状態となっている。
【0047】
したがって、外側把手97を回転操作しても、作動レバー36は外側係止片47を介して回転せず、出没部材3を解錠できない。
【0048】
ところで、上記の場合外側把手97を回転操作した場合、図10で示すように外駆動カム66は矢印で示す時計方向に回転し、その衝突部69が受け止め片70に衝打する。したがって、外駆動カム66の駆動力がそこで止められ、外従動係合板56に無理な力が作用しない。
【0049】
次に図2は室外側から見て、回動体15がキー91操作により矢印Aで示す解錠方向へ回転し、その結果、外側係止片47が外従動係合板56に係合している状態を示す。この場合外側把手97で外駆動カム66を回転させると、外駆動カム66の駆動力は各部材に伝達し、出没部材3は錠ケース1内に没入する。
【0050】
すなわち、回動体15が矢印A(反時計方向)へ回転すると、連結片21が第1固定軸23を支点に矢印B方向(時計方向)へ回転する。そうすると、スライド押圧片20は垂直ガイド長孔24を移動する可動係合ピン25によって左側に押され、固定ガイドピン26に案内されながら矢印C方向(左側)にスライドする。この時電気式アクチュエータ16の作動杆18は伸長するが、電気式アクチュエータ16自体はそのまま非通電状態である。
【0051】
なお、電気式アクチュエータ16は制御装置から解錠信号が送られてきた場合には通電状態となり、その作動杆18が伸長する。そうすると、上記各部材の作動態様は同じである。
【0052】
この様にキー91による機械的解錠操作により、又は電気的解錠作動により回動体15が解錠方向へ回転した場合、規制片30はスライド押圧片20の押圧部20cにより押され、第2固定軸31を支点に矢印D方向(反時計方向)に回転する。その結果、外側係止片47は外開きバネ49のバネ力に抗して下方(時計方向)に回転し、その係止部47cが外従動係合板56の弧状係合部58に係合する。
【0053】
しかして、この解錠状態は、仮に扉93を閉じても、キー91による施錠操作/又は制御装置から電気式アクチュエータ16へ施錠信号が送られない限り保持される。したがって、外側把手97により外駆動カム66を矢印E方向(時計方向)に回転させると、作動レバー36は外従動係合板56並びに外側係止片47を介し、第3固定軸37を支点に回転し、ストッパー13をその係合頭部38で押上げながら矢印F方向(時計方向)に回転する。その結果、出没部材3は錠ケース1内に没入する。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、キーによる機械的解錠操作により、又は電気的解錠作動により回動体が解錠方向へ回転した場合、規制片はスライド押圧片により押されて回転し、外側係止片は外従動係合板に係合する。この解錠状態は、仮に扉を閉じても、キーによる施錠操作/又は制御装置から電気式アクチュエータへ施錠信号が送られない限り保持される。したがって、解錠状態が保持されている限り、外側把手の回転操作で自由に出没部材を錠ケース1内に没入させることができ、この限りに於いて、電気錠は室内外いずれの側からもアンチパニックとなる。それ故に、従来の技術の欄で記述した▲1▼の欠点を解消し、また従来の▲2▼の要求を十分に満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
図1ないし図12は本発明の一実施例の各説明図。
【図1】室外側から見て、外側係止片が外従動係合板から離れ、かつ、出没部材を解錠できない状態の概略説明図。
【図2】室外側から見て、回動体がキー操作により解錠方向へ回転し、その結果外側係止片が外従動係合板に係合した状態の概略説明図。
【図3】本発明の要部(スライド押し当て片、規制片等)の斜視図。
【図4】本発明の要部(作動レバー、内側係止片、外側係止片等)の斜視図。
【図5】本発明の要部(内外の駆動カム、内外の従動係合板等)の斜視図。
【図6】錠ケースを扉に取付けた場合に於けるフロント側から見た概略説明図。
【図7】図6に於いて内部構造の要部を示す概略説明図。
【図8】キー操作により回動体が解錠方向へ回転した場合に於けるスライド押し圧片、規制片、外側係止片等の作動状態を示す説明図。
【図9】図8に於ける外側係止片と外従動係合板との係合関係を示す説明図。
【図10】回動体が施錠状態に位置している場合に於いて、外側把手を回転した場合の外側係止片と外従動係合板との関係を示す説明図。
【図11】回動体が施錠状態の場合に於ける回転標識板の説明図。
【図12】回動体が解錠方向に回転した場合に於ける回転標識板の説明図。
【符号の説明】
1…錠ケース、2…フロント、3…出没部材、10…軸受部材、13…ストッパー、15…回動体、16…電気式アクチュエータ、18…作動杆、20…スライド押圧片、21…連結片、30…規制片、30c…規制部、33…当接ピン、36…作動レバー、38…係合頭部、39…枢支脚部、41…胴部、42…仕切りアーム部、45…枢軸、46…内側係止片、46a,47a…軸受筒部、47…外側係止片、52…バネ装着部材、55…内従動係合板、56…外従動係合板、58…弧状係合部、59…カム摺接部、62…内バネ、63…外バネ、65…内駆動カム、66…外駆動カム、70…受け止め片、80…外押し当て片、81…所要空間、90…回転標識板、90a…識別部、93…扉、94…識別窓、96…内側把手、97…外側把手。
Claims (6)
- 錠ケース1に内側把手用内駆動カム65と外側把手用外駆動カム66とを互いに独立回動できるように支承するアンチパニック式電気錠に於いて、前記錠ケース1にキー91操作によって回転する回動体15を設け、この回動体15に電気式アクチュエーター16の作動杆18に固定されたスライド押当片20を連結し、一方、外側把手97を操作すると、外駆動カム66の駆動力が外従動係合板56と係脱可能な外側係止片47を介して出没部材3と係合する作動レバー36に伝達するように錠本体1にこれらの各部材56、47を適宜に組み合わせ、前記外側係止片47とスライド押当片20との間に、前記回動体15の駆動力又は電気式アクチュエーター16の作動杆18の伸縮動により回転して外側係止片47を外従動係合板56に対して係脱させる規制片30を軸支したことを特徴とするアンチパニック式電気錠。
- 請求項1に於いて、回動体15の解錠方向への回転又は電気式アクチュエーター16の作動杆18の伸長により外側係止片47が一旦外従動係合板56に係合すると、所望する間制御装置と接続する電気式アクチュエーター16の作動杆18はそのまま伸長状態となり、外側把手97側の錠機構もアンチパニック(解錠状態)になることを特徴とするアンチパニック式電気錠。
- 請求項1に於いて、室内側から電気錠が施錠状態になっているか否かを判別できるように回転標識板90を直接または間接的に回動体15に設けたことを特徴とするアンチパニック式電気錠。
- 請求項1に於いて、規制片30は錠ケース1の略中央部に第2固定軸31を介して回動可能に枢支され、錠ケース1の一側壁1aと対面する垂直ベース部30aの上部にはスライド押圧片20の押圧部20cと当接する当接ピン33が植設され、一方、垂直ベース部30aの下部には該垂直ベース部と交差方向に外側係止片用の規制部30cが連設していることを特徴とするアンチパニック式電気錠。
- 請求項1に於いて、錠ケース1には少なくとも外駆動カム66の衝突部69と当たる受け止め片70が固定的に配設されていることを特徴とするアンチパニック式電気錠。
- 請求項1に於いて、内外の従動係合板55、56は、軸筒部57を介して作動レバー36の第3固定軸枢軸37の左右にそれぞれ回動可能に装着されていることを特徴とするアンチパニック式電気錠。
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