JP3580943B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば家庭用電気製品、建材部品、バンパー等の自動車部品等のポリレフィン系樹脂成形体、例えばポリプロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等によるポリレフィン系樹脂成形体に対する塗膜形成用に適した熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリレフィン系樹脂成形体は、該ポリレフィン系樹脂成形体を構成するポリレフィン系樹脂が無極性で且つ結晶性であるために、塗料の塗着適性が十分でない。
このため、ポリレフィン系樹脂成形体に対して保護又は美粧等を目的とする塗膜を形成する際には、ポリレフィン系樹脂成形体の表面を予めコロナ放電処理や真空プラズマ処理に付すことにより、塗料の塗着適性を高めている。しかるに、上記のコロナ放電処理や真空プラズマ処理は、このための設備が必要であり、設備費及び人件費の高騰を来す。
【0003】
又、ポリレフィン系樹脂成形体の表面を予め塩素化ポリプロピレンプライマーで処理し、塗料の塗着適性を高める方法があるが、この方法によると、プライマーの塗装と保護又は美粧等を目的とする上塗り塗装との2回の塗装工程を必要とするため、手間が煩雑になる。
かかる事情に対応するものとして、未処理のポリレフィン系樹脂成形体に対して直接塗装し得る熱硬化性樹脂組成物が開発され、ポリアクリルポリオール樹脂とメラミン樹脂との混合樹脂による塗料用組成物が提案されている。
【0004】
しかしながら、ポリアクリルポリオール樹脂とメラミン樹脂とによる混合樹脂を利用する塗料によっても、未処理のポリレフィン系樹脂成形体に対する塗着適性は十分ではなく、しかもこの塗料は自己縮合性を有するメラミン樹脂を使用しているために架橋性が低く、硬化塗膜中に自己縮合したメラミン樹脂成分が存在する。このため、硬化塗膜の耐候性が悪く、例えば酸性雨に対する耐性が不十分であり、雨シミが発生し易い等の欠点がある。
【0005】
したがって本発明の目的は、未処理のポリレフィン系樹脂成形体に対し直接塗装によって密着強度の高い塗膜を形成し得る塗着適性を有し、しかも耐候性、耐ガソリン性、外観等を初めとする各種の物性に優れた硬化塗膜が得られる熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下の構成による本発明の熱硬化性樹脂組成物によって達成される。すなわち本発明は、塩素化ポリオレフィンを、少なくとも下記の一般式(1)で示されるアクリル系化合物及び/又は一般式(2)で示されるビニルエーテル化合物を含む変性用化合物で変性してなる水酸基価30〜150mgKOH/g、酸価10mgKOH/g未満、ガラス転移温度20〜50℃の塩素化ポリオレフィン変性樹脂100重量部、ポリアクリルポリオール及び/又はポリエステルポリオールをこれらの合計で20〜50重量部、及び脂環族ジイソシアネートの多量体によるポリイソシアネートのイソシアネート基をジケテンから誘導される活性水素含有化合物でブロックしたブロック化ポリイソシアネートからなる熱硬化性樹脂組成物である。
【0007】
【化3】
Figure 0003580943
【0008】
【化4】
Figure 0003580943
【0009】
【発明の実施の形態】
上記の構成による熱硬化性樹脂組成物において、少なくとも一般式(1)で示されるアクリル系化合物及び/又は一般式(2)で示されるビニルエーテル化合物を含む変性用化合物で変性してなる塩素化ポリオレフィン変性樹脂の水酸基価は、30〜150mgKOH/gであることが好ましく、特には30〜80mgKOH/gである。30mgKOH/g未満になると、得られる硬化塗膜の耐溶剤性、耐薬品性等が低くなり、また150mgKOH/gを超えると、得られる硬化塗膜の可撓性が低下し、使用する硬化剤の量が増加してコストアップになるばかりでなく、硬化性樹脂組成物の溶解性パラメーターが大きくなり、基材との密着性が得られにくくなる。
【0010】
またこの塩素化ポリオレフィン変性樹脂の酸価は、10mgKOH/g未満であることが好ましい。10mgKOH/g以上になると、得られる塗膜の耐熱性、耐水性た著しく劣化する。さらにこの塩素化ポリオレフィン変性樹脂のガラス転移温度は、20〜50℃であることが好ましく、特には20〜45℃である。20℃未満になると、軟化点の高い塗膜が得られなくなり、50℃を超えると、得られる硬化塗膜の密着性、耐溶剤性が劣化し、かつ該塗膜の可撓性も低下する。
【0011】
これらの理由により、少なくとも一般式(1)で示されるアクリル系化合物及び/又は一般式(2)で示されるビニルエーテル化合物を含む変性用化合物で変性してなる塩素化ポリオレフィン変性樹脂として、水酸基価30〜150mgKOH/g、酸価10mgKOH/g未満、ガラス転移温度20〜50℃のものを使用する。
【0012】
塩素化ポリオレフィン樹脂は、例えば結晶性ポリプロピレン、非結晶性ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、あるいはこれらのオフレフィン類にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸等のα,β−不飽和カルボン酸やその酸無水物を導入した変性ポリオフレフィンに対して、触媒の存在下あるいは紫外線の照射下、加圧あるいは常圧下、50〜120℃の加熱下で、塩素ガスを導入することにより得られる。
【0013】
なお、塩素化ポリオレフィンとして、上記のα,β−不飽和カルボン酸やその酸無水物を導入した変性ポリオフレフィンを塩素化したものを使用することにより、顔料分散性が良好な塩素化ポリオレフィン変性樹脂になる。
また塩素化ポリオレフィン樹脂の塩素含有率が低過ぎると、得られる塗膜の外観が悪くなり、また塩素含有率が高過ぎるとポリレフィン系樹脂成形体への塗着性が悪くなる。このため、塩素含有率が5〜50重量%の塩素化ポリオレフィン樹脂を使用するのがよい。
【0014】
塩素化ポリオレフィンを、少なくとも一般式(1)で示されるアクリル系化合物及び/又は一般式(2)で示されるビニルエーテル化合物を含む変性用化合物で変性する工程、すなわち塩素化ポリオレフィンと変性用化合物との共重合は、溶液重合が利用される。この溶液重合の際の溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤が好適であり、この外にエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、塩素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、脂環族炭化水素系溶剤等を併用してもよい。このときの重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド等のパーオキシド類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル類を使用できる。また、重合停止剤としてハイドロキノンのようなキノン類を使用してもよい。
【0015】
塩素化ポリオレフィンを変性させる変性用化合物として利用する一般式(1)で示されるアクリル系化合物のRが表す炭化水素残基としてはメチル基が好ましく、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、あるいはこれらをε−カプロラクトンで変性した化合物等が挙げられる。また、一般式(2)で示されるビニルエーテル化合物としては、例えば4−ヒドロキシブチルビニルエーテルが挙げられる。
【0016】
これらの変性用化合物以外の変性用化合物としては、一般式(1)で示されるアクリル系化合物や一般式(2)で示されるビニルエーテル化合物に対する共重合成分として、例えば一般式(3)で表示されるビニル系化合物、一般式(4)で表示されるアクリル系化合物、一般式(5)で表示されるフマル酸又はマレイン酸系化合物等がある。
【0017】
【化5】
Figure 0003580943
【0018】
【化6】
Figure 0003580943
【0019】
【化7】
Figure 0003580943
【0020】
一般式(3)で表示されるビニル系化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ターシャリーブチルスチレン等がある
また一般式(4)で表示されるアクリル系化合物としては、例えばメチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート等がある。
【0021】
さらに一般式(5)で表示されるフマル酸系又はマレイン酸系化合物としては、マレイン酸、フマル酸、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、ジ−n−ブチルマレエート、ジ−n−ブチルフマレート、ジイソブチルフマレート、ジ−2−エチルヘキシルフマレート等があり、これらの酸無水物でもよい。
さらに上記の一般式(3)で表示されるビニル系化合物、一般式(4)で表示されるアクリル系化合物、及び一般式(5)で表示されるフマル酸系又はマレイン酸系化合物以外の共重合成分としては、メタクリル酸、アクリル酸、又はイタコン酸等のカルボキシ含有エチレン系炭化水素、グリシジルメタクリレート等のオキシラン環含有エチレン系炭化水素、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル、桂皮酸等を挙げることができる。
【0022】
上記の塩素化ポリオレフィン変性樹脂に混合するポリアクリルポリオールは、一般式(1)で示されるアクリル系化合物を重合成分又は共重合成分とする水酸基含有アクリル系樹脂であり、例えばベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオクトエート、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート等の公知のラジカル重合開始剤を利用する常法のラジカル重合反応、すなわち60〜150℃にて、トルエン、キシレン、酢酸ブチル等の有機溶媒を使用するラジカル重合反応によって得られる。
【0023】
このポリアクリルポリオールを得る際の共重合成分としては、塩素化ポリオレフィン樹脂を変性させる変性用化合物として説明した上記の一般式(3)で表示されるビニル系化合物、一般式(4)で表示されるアクリル系化合物、一般式(5)で表示されるフマル酸又はマレイン酸系化合物、さらにはメタクリル酸、アクリル酸、又はイタコン酸等のカルボキシ含有エチレン系炭化水素、グリシジルメタクリレート等のオキシラン環含有エチレン系炭化水素、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル、桂皮酸等を挙げることができる。
【0024】
また上記の塩素化ポリオレフィン変性樹脂に混合するポリエステルポリオールは、芳香族二塩基酸と多価アルコールとのエステル化縮重合物であって、芳香族二塩基酸としては、無水フタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を、またこれらの芳香族二塩基酸との間でエステル化縮重合反応させる多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチルヘキサンジオール、2,4,4−トリメチルヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の1種又は混合物を使用し得る。
【0025】
塩素化ポリオレフィン変性樹脂に混合するポリアクリルポリオールやポリエステルポリオールは、該塩素化ポリオレフィン変性樹脂に含有される水酸基価を補い、かつ得られる硬化塗膜に可撓性を付与する作用を果たすものであり、水酸基価30〜100mgKOH/g(対樹脂)、酸価0.1〜7mgKOH/g(対樹脂)程度のものを利用するのが好ましい。
【0026】
塩素化ポリオレフィン変性樹脂100重量部に対するポリアクリルポリオールとポリエステルポリオールとの合計量は、20〜50重量部であることが好ましく、特には25〜50重量部である。20重量部未満では、ポリアクリルポリオール及び/又はポリエステルポリオールの混合の効果がなく、また50重量部を超えると、ポリオレフィン樹脂成形体への付密性が低下する。このため、塩素化ポリオレフィン変性樹脂100重量部に対して、ポリアクリルポリオール及び/又はポリエステルポリオール、とりわけ前記好ましい性状範囲にあるこれらを合計で20〜50重量部の範囲で混合する。
【0027】
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、塩素化ポリオレフィン変性樹脂とポリアクリルポリオール及び/又はポリエステルポリオールとの混合物に対して添加するブロック化ポリイソシアネートは、脂環族ジイソシアネートの多量体によるポリイソシアネートのイソシアネート基をジケテンから誘導される活性水素含有化合物でブロックしたものであり、比較的低温雰囲気中、例えば110〜120℃でブロッキング剤の解離が始まることを特徴とする。
【0028】
脂環族ジイソシアネートの多量体からなるポリイソシアネートは、構造が剛直であるため、これを架橋剤とすることにより硬化塗膜の耐熱性及び耐候性の向上が図れる。
この脂環族ジイソシアネートの多量体からなるポリイソシアネートとしては、例えば4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアナネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアナネート、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアナネート)等の1種以上を使用したイソシアヌレート結合、ウレトジオン結合、ビューレット結合、アロハネート結合を有するポリイソシアネート、さらにはこれらのポリイソシアネートと多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等とのアダクト体等を利用することができる。
【0029】
なお脂環族ジイソシアネートの多量体からなるポリイソシアネートとして、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートによるものを利用することにより、特に耐候性に優れた硬化塗膜を形成することができ、又イソシアヌレート体を使用することにより、特に耐熱性に優れた硬化塗膜を形成することができる。
【0030】
上記の塩素化ポリオレフィン変性樹脂100重量部、ポリアクリルポリオール及び/又はポリエステルポリオールをこれらの合計で20〜50重量部、及び脂環族ジイソシアネートの多量体によるポリイソシアネートのイソシアネート基をジケテンから誘導される活性水素含有化合物でブロックしたブロック化ポリイソシアネートからなる熱硬化性樹脂組成物においては、塩素化ポリオレフィン変性樹脂とポリアクリルポリオール及び/又はポリエステルポリオールとの合計の−OH基と、ブロック化ポリイソシアネートの−NCO基とが、モル比(−OH/−NCO)で1:0.8〜1:1.2程度になるようにして配合するのがよい。
【0031】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低温で硬化することを特徴とする。ここに低温とは、ポリオレフィン系樹脂成形体が熱変形を生じない上限の温度100〜130℃をいい、従来未処理のポリオレフィン系樹脂成形体に対する塗着適性を示したポリアクリルポリオール樹脂と組み合わせるメラミン樹脂と同等の硬化温度を示し、かつ該ポリオレフィン系樹脂成形体に良好な塗着性能を示すという特徴を有する。このため、メラミン樹脂の欠点である耐酸性、耐候性の弱さ、特に酸性雨に対する耐性が不十分であるため問題になっている建材部品、バンパー等の自動車部品、家庭用電化製品に用いるポリオレフィン系樹脂成形体に予め煩わしし化成処理等を施さずに、耐性の高い塗膜を供することが可能であり、経済的にも有利である等の効果がある。
【0032】
【実施例】
以下本発明の熱硬化性樹脂組成物の具体的な構成を実施例によって説明し、併せて該熱硬化性樹脂組成物を利用した塗膜の物性について言及する。
【0033】
(実施例1〜4、比較例1〜3)
下記の製造例で得られたブロック化ポリイソシアネート、及び下記に説明する塩素化ポリオレフィン変性樹脂、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール等を利用し、表−1に示す配合割合(重量部)の組成物をホモジナイザーあるいはサンドミルにより分散させ、1液型の塗料を得た。なお、表の最下欄に塩素化ポリオレフィン変性樹脂とポリアクリルポリオール及び/またはポリエステルポリオール(両者をポリオールと表示)の樹脂重量のみの比を示した。
【0034】
(製造例:ブロック化ポリイソシアネートの製造)
撹拌翼、温度計、窒素吹込管、冷却管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、ベスタナートT1890/100(ヒュルスAG製イソホロンジイソシアネートイソシアヌレート3量体、NCO%=17〜17.5%)732.6g、エチレングリコールアセテート186.8g、キシレン186.8gを仕込み、60℃に加熱撹拌して内容物を均一にした。次いで、アセト酢酸エチル390gとアセチルアセトン亜鉛1.5gを加えて80℃で12時間反応させたところ、イソシアネート基がほとんど消失したため(ASTM D1638に準じた滴定分析で確認)反応を終了した。得られたブロック化イソシアネート化合物はAPHA110、ガードナー粘度U〜V、固形分66重量%である。
【0035】
(塩素化ポリオレフィン変性樹脂)
(1)スーパークロン224H:日本製紙(株)製のシクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等で変性した塩素化ポリオレフィン系ポリアクリルポリオールで、塩素含有率:12.8重量%(対樹脂)、水酸基価:56.1mgKOH/g(対樹脂)、酸価:10mgKOH/g未満、ガラス転移温度:45℃、不揮発分:40重量%である。
(2)スーパークロン214H:日本製紙(株)製のシクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等で変性した塩素化ポリオレフィン系ポリアクリルポリオールで、塩素含有率:12.8重量%(対樹脂)、水酸基価:56.1mgKOH/g(対樹脂)、酸価:10mgKOH/g未満、ガラス転移温度:68℃、不揮発分:40重量%である。
(3)ハードレンB2000:東洋化成工業(株)製のメチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート等で変性した塩素化ポリオレフィン系ポリアクリルポリオールで、塩素含有率:13.7重量%(対樹脂)、水酸基価:33mgKOH/g(対樹脂)、酸価:10mgKOH/g未満、ガラス転移温度:20℃、不揮発分:35.3重量%である。
(4)ハードレンB4041:東洋化成工業(株)製のメチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート等で変性した塩素化ポリオレフィン系ポリアクリルポリオールで、塩素含有率:27重量%(対樹脂)、水酸基価:42mgKOH/g(対樹脂)、酸価:10mgKOH/g未満、ガラス転移温度:44℃、不揮発分:44重量%である。
【0036】
(ポリアクリルポリオール)
(5)デスモフェンA−160:住友バイエルウレタン(株)製で、水酸基価:53.5mgKOH/g(対樹脂)、不揮発分:66重量%(対樹脂)である。
【0037】
(変性ポリカプロラクトントルジオール)
(6)プラクセル220AL:ダイセル化学工業(株)製で、水酸基価:56.1mgKOH/gである。
【0038】
(その他)
(7)ディスバロン# 4200−10:楠本化成(株)製沈降防止剤
(8)ディスバロンKS860:楠本化成(株)製分散剤
(9)タイペークCR−90:石原産業(株)製ルチル型酸化チタン
(10)ユーバン20SE−60:三井東圧化学(株)製ブチル化メラミン樹脂(不揮発分60重量%)
【0039】
【表1】
Figure 0003580943
【0040】
(実験)
実施例1〜4及び比較例1〜3の各塗料を、バーコーター#30を用いて、予め洗浄したポリプロピレン樹脂「三菱油化(株):TX1170」の射出成型平板(70×150×5mm)に塗装し、120℃に設定した熱風強制乾燥器に20分間放置し、表−2の所定欄に示す厚さの塗膜を形成した。
【0041】
得られた各塗膜の物性を表−2に示す。なお、表−2に示す塗膜の物性は以下の通りにして測定したものである。
(1)光沢:JIS K5400 7,6に準じた60度光沢度である。
(2)鉛筆硬度:JIS K5400 8,4,1に準じて、塗膜表面のキズ、基材まで到達するハガレの鉛筆硬度を測定した。
(3)付着性:JIS K5400 8,5,1に準じて測定し、その後にセロハン粘着テープによる剥離を行って測定した。
(4)耐ガソリン性:荷重1Kgf/cmで、ガソリンを含んだガーゼでラビング30回後の塗膜表面を観察し、○:異常なし、△:表面キズつき、×:剥離・溶解、によって表示した。○は○の範囲であるが、△と○の中間に近いものを示す。
(5)耐酸性:40%硫酸水溶液2mlをスポット付けし、これを40℃設定のオーブン中に20分放置後、水洗いして表面を観察し、5:異常無し、4:部分的に跡が残る、3:リング状に跡が残る、2:全体に白化、1:エッチングされる、によって表示した。
【0042】
【表2】
Figure 0003580943
【0043】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂組成物を利用することにより、未処理のポリレフィン系樹脂成形体に対して直接塗装により、密着強度の高い、しかも耐候性、耐ガソリン性、外観等を初めとする各種の物性に優れた硬化塗膜が得られる。

Claims (3)

  1. 塩素化ポリオレフィンを、少なくとも下記の一般式(1)で示されるアクリル系化合物及び/又は一般式(2)で示されるビニルエーテル化合物を含む変性用化合物で変性してなる水酸基価30〜150mgKOH/g、酸価10mgKOH/g未満、ガラス転移温度20〜50℃の塩素化ポリオレフィン変性樹脂100重量部、ポリアクリルポリオール及び/又はポリエステルポリオールをこれらの合計で20〜50重量部、及び脂環族ジイソシアネートの多量体によるポリイソシアネートのイソシアネート基をジケテンから誘導される活性水素含有化合物でブロックしたブロック化ポリイソシアネートからなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 0003580943
    Figure 0003580943
  2. 脂環族ジイソシアネートが3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートである請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. ジケテンから誘導される活性水素を含有する化合物がアセト酢酸エチルである請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
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