JP3580283B2 - 車両用燃料電池システムの制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用燃料電池システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化剤として、空気中の酸素を使用する燃料電池においては、これを高地などの低気圧環境下で用いると、大気圧の変化に起因したさまざまな影響がある。この対策として、例えば、モータを用いたコンプレッサまたはブロア等で空気を酸化剤ガスとして燃料電池へ供給する供給するものにおいて、大気圧に関わらず必要酸素量を供給できるように、大気圧変動を考慮してモータの回転数を補正する技術が特開2000−18838号公報、特開平6−243886号公報で開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術では、大気圧補正以外に用途の無い大気圧センサを追加することによるコストアップがあった。
【0004】
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池システムに大気圧センサを設けることなく、大気圧変化の影響を排除して空気供給ができる車両用燃料電池システムを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて大気圧を推定することを要旨とする。
【0006】
上記目的を達成するため請求項2記載の発明は、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて前記目標回転数を補正することを要旨とする。
【0007】
上記目的を達成するため請求項3記載の発明は、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、燃料極通路を大気開放可能なパージ弁と、該パージ弁を所定条件成立時に所定時間開放するパージ弁制御手段と、を備え、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより前記所定時間を補正することを要旨とする。
【0008】
上記目的を達成するため請求項4記載の発明は、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより燃料電池の発電電力を制限することを要旨とする。
【0009】
上記目的を達成するため請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは、前記コンプレッサの負荷であることを要旨とする。
【0010】
上記目的を達成するため請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記コンプレッサの実回転数を検出する回転数検出手段と、前記目標回転数と前記実回転数とに応じてコンプレッサが前記目標回転数を維持するために必要なモータのトルクである目標トルクを演算する回転数制御手段と、前記目標トルクにしたがい前記モータの電流を制御するトルク制御手段と、を備え、前記目標トルクの値を前記運転パラメータとして用いることを要旨とする。
【0011】
上記目的を達成するため請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは、前記圧力制御弁の開度であることを要旨とする。
【0012】
上記目的を達成するため請求項8記載の発明は、請求項7記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記圧力制御弁の開度の変化の少ない運転領域で、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行うことを要旨とする。
【0013】
上記目的を達成するため請求項9記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、暖機運転中は前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行なわないことを要旨とする。
【0014】
上記目的を達成するため請求項10記載の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは所定時間で平均したものを用いることを要旨とする。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて大気圧を推定するようにしたので、所定の大気圧、例えば平地での大気圧における運転パラメータとの比較により大気圧を推定することができるようになり、燃料電池システムに大気圧センサを設けることなく、大気圧変化の影響を排除して空気供給ができる車両用燃料電池システムを提供することができるという効果がある。
【0016】
この際、大気圧センサを用いることなく、通常の酸化剤ガス流量制御または圧力制御に用いる機器を用いて大気圧を推定することができるので、大気圧センサをコストアップを抑制できる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて前記目標回転数を補正するようにしたので、大気圧の変動に関わらず必要量の酸素を燃料電池に供給することができるという効果がある。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、燃料極通路を大気開放可能なパージ弁と、該パージ弁を所定条件成立時に所定時間開放するパージ弁制御手段と、を備え、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより前記所定時間を補正するようにしたので、大気圧の低下に伴い、同じ時間パージ弁を開けてもガス管内と大気圧との圧力差が増大して排出される燃料ガス量が必要以上に多くなってしてしまうことを回避し、大気圧の変動に関わらず排出される燃料ガス量を必要最小限とすることができるパージ効果が得られる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより燃料電池の発電電力を制限するようにしたので、大気圧の低下に伴い、コンプレッサを最大能力で使っても供給できる酸素量は減るので発電可能な最大電力が低下してしまう場合でも、これに応じて発電電力を制限することで燃料電池が劣化することが防止できるという効果がある。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは、前記コンプレッサの負荷であることとしたので、請求項1ないし請求項4記載の発明の効果に加えて、目標回転数又は目標圧力を保つために必要なコンプレッサの負荷が大気圧が低くなるほど大きくなることを利用して、所定の大気圧、例えば平地での大気圧におけるコンプレッサの負荷との比較により、請求項1ないし請求項4の推定又は補正又は制限をする制御を行うことができるという効果がある。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記コンプレッサの実回転数を検出する回転数検出手段と、前記目標回転数と前記実回転数とに応じてコンプレッサが前記目標回転数を維持するために必要なモータのトルクである目標トルクを演算する回転数制御手段と、前記目標トルクにしたがい前記モータの電流を制御するトルク制御手段と、を備え、前記目標トルクの値を前記運転パラメータとして用いるようにしたので、通常の回転数フィードバック制御における算出過程で出てくる値をそのまま用いることができるようになり、請求項1ないし請求項4記載の発明の効果に加えて、簡単な構成で実現できるという効果がある。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは、前記圧力制御弁の開度であるようにしたので、目標回転数又は目標圧力を保つために必要な圧力制御弁の開度が大気圧が低くなるほど小さくなることを利用して、所定の大気圧、例えば平地での大気圧における圧力制御弁の開度との比較により請求項1ないし請求項4の推定又は補正又は制限をする制御を行うことができるという効果がある。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記圧力制御弁の開度の変化の少ない運転領域で、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行うようにしたので、大気圧の推定誤りを抑制し、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を誤りなく行うことができるという効果がある。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、暖機運転中は前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行なわないようにしたので、大気圧の推定誤りを抑制し、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を誤りなく行うことができるという効果がある。
【0025】
請求項10記載の発明によれば、請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは所定時間で平均したものを用いるようにしたので、大気圧の推定誤りを抑制し、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を誤りなく行うことができるという効果がある。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸素ガスとを、電解質を介して電気化学的に反応させ、電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。したがって、燃料電池の発電電力量が大きくなるにしたがい、多くのガスの供給量が必要になる。逆に、燃料電池の発電電力量が小さい場合、ガスの供給量は少なくても良いことになる。ここで、ガスの供給量とは、圧力および流量を表わす。
【0027】
特に車両用燃料電池システムでは、据え置き型燃料電池システムと異なって、低負荷のアイドリング状態から高負荷の高速時の加速状態まで大きく負荷が変動すること、更に車両に何らかの手段で燃料を搭載しなければならいという制約がある。このような本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置に好適なガス供給量を可変とした燃料電池システムの構成図を図1に示す。
【0028】
図1において、燃料電池システムは、空気極111および水素極112からなる燃料電池110へ加湿器120により加湿された空気、水素を供給するものである。空気は、大気からコンプレッサ130で加圧され、空気加湿器121で図示しない純水で加湿された後、燃料電池110の空気極111へ供給され、燃料電池110で未使用の空気は、空気調圧弁170から大気へ排出される。
【0029】
燃料電池110の空気極111へ供給される空気の流量と圧力は、コンプレッサ130の回転数および空気調圧弁170の開度により制御される。コンプレッサ130はモータ131により駆動され、燃料電池システム制御装置210はモータ回転センサ330を参照して、モータ131が目標の回転数となるようにモータ131を制御する。また、燃料電池システム制御装置210は空気圧力センサ310を参照し、燃料電池110の空気極111へ供給される空気の圧力が目標の圧力となるように空気調圧弁170を制御する。
【0030】
一方燃料ガスである水素は、高圧水素ボンベ140から水素調圧弁150、エゼクタ160を経由して、水素加湿器122で図示しない純水で加湿された後、燃料電池110の水素極112へ供給され、燃料電池110で未使用の水素は、エゼクタ150によって燃料電池110の水素極112へ循環される。
【0031】
燃料電池110の水素極112へ供給される水素の圧力は、水素調圧弁150の開度で制御される。燃料電池システム制御装置210は、水素圧力センサ320を参照し、燃料電池110の水素極112へ供給される水素の圧力が目標の圧力となるように水素調圧弁150を制御する。
【0032】
コンプレッサ130の目標回転数は、コンプレッサの特性から求めることができる。図3にコンプレッサの特性図を示す。圧力比とは、コンプレッサ入口圧力に対するコンプレッサ出口圧力の比であり、空気圧力センサ310の値/大気圧である。したがって、燃料電池システム制御装置210では、この特性のマップデータを持つことによって、車両周囲の大気圧を演算することができる。
【0033】
水素パージ弁180は、燃料電池110の状態に応じて開閉することにより、燃料電池110内部の水つまりや、空気極111から水素極112への空気のリークによる出力低下および効率低下を防止するために使用するものである。
【0034】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第1実施形態について、図2のフローチャートを参照して説明する。尚、第1実施形態は、請求項1,2,5,6,10に対応するものである。
【0035】
本実施形態は、図1における燃料電池システム制御装置210の空気極のガス供に関する制御フローを示したフローチャートである。
【0036】
ステップS101では、目標発電量演算を行う。ここでは、燃料電池110に接続された図示しない電気負荷の負荷変化に応じて、燃料電池110が発電すべき電力を演算する。たとえば、電気負荷が車両の駆動モータである場合、ドライバのアクセル操作量、シフトレンジ位置、車速等の情報から駆動モータが必要とする電力を演算し、その値を目標発電量とすれば良い。
【0037】
ステップS102では、目標流量・圧力演算を行う。ここでは、目標発電量を燃料電池110が発電するのに必要な空気の供給状態を演算する。通常、発電電力が大きいほど、供給するべき空気の流量および圧力は大きくなる。効率を考えれば、燃料電池110の特性から、目標発電量を安定して発電可能な最低限の流量・圧力を求めれば良い。
【0038】
ステップS103では、空気の実圧力読み込みを行う。ここでは、空気圧力センサ310の出力値を読み込む。
【0039】
ステップS104では、圧力制御弁制御を行う。ここでは、目標圧力および実圧力の関係にしたがって、PID制御等を用い、空気調圧弁170の操作量を演算し、実圧力が目標圧力と等しくなるように空気調圧弁170を駆動することにより、空気調圧弁170の開度を制御する。
【0040】
ステップS113では、モータ目標回転数演算を行う。ここでは、ステップS102で演算された目標流量、ステップS114の説明で後述する大気圧推定値およびステップS103で読み込まれた空気圧力から、モータ目標回転数を演算する。モータ目標回転数は、まず、大気圧推定値と空気圧力とから圧力比を演算し、この圧力比と目標流量とから、図3に示すコンプレッサ特性を参照して演算される。
【0041】
ステップS107では、モータ回転数読み込みを行う。ここでは、モータ回転数センサ330の出力値を読み込む。
【0042】
ステップS108では、モータ目標トルク演算を行う。ここでは、ステップS106で演算された補正後のモータ目標回転数およびS107で読み込まれたモータ回転数の関係にしたがって、PID制御等を用い、両者が等しくなるようなモータ目標トルクを演算する。モータ目標トルクは、回転をモータ目標回転数に維持するために必要なトルク、つまりモータの負荷である。
【0043】
ステップS109では、モータトルク制御を行う。ここでは、ステップS108で演算された目標トルクを実現するべく、コンプレッサモータ131の電流を制御する。
【0044】
ステップS111では、モータトルク平均値演算を行う。ここでは、所定期間のモータ目標トルクの平均値を演算する。コンプレッサ130には脈動が伴うため、したがって、モータ負荷にも変動が生じる。そのため、平均値処理を行うことにより、その脈動の影響を排除したモータ負荷を得ることができる。
【0045】
ステップS114では、大気圧推定演算を行う。ここでは、ステップS107で読み込まれたモータ回転数すなわちコンプレッサ回転数、ステップS111で演算されたモータトルク平均値およびステップS103で読み込まれた空気圧力から、大気圧推定値を演算する。大気圧推定値は、まず、負荷トルク平均値とコンプレッサ回転数から図5に示す特性をもとに圧力比推定値を演算し、この圧力比推定値と空気圧力から演算される。
【0046】
これにより、コンプレッサ130の脈動を排除したモータ目標回転数補正が可能となる。
【0047】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第2実施形態について、図4を参照して説明する。尚、第2実施形態は、請求項2,5,6,10に対応するものである。
【0048】
本実施形態は、図1における燃料電池システム制御装置210の空気極のガス供給に関する制御フローを示したフローチャートである。
【0049】
ステップS101〜104は第1実施形態と同一であるので説明を省略する。
【0050】
ステップS105では、モータ目標回転数演算を行う。ここでは、ステップS102で演算した目標流量およびステップS103で読み込んだコンプレッサ出口圧力から、コンプレッサすなわちコンプレッサモータの目標回転数を演算する。すなわち図3に示したコンプレッサの特性から、大気圧≒101.3kPaと仮定した場合のコンプレッサ回転数を求める。
【0051】
ステップS106では、モータ目標回転数補正演算を行う。ここでは、ステップS110の説明で後述するモータ目標回転数補正値をステップS105で演算したモータ目標回転数に加算する。
【0052】
ステップS107〜111は第1実施形態と同一であるので説明を省略する。ステップS112では、モータ目標回転数補正値演算を行う。ここでは、ステップS111で演算されたモータトルク平均値を用いて、モータ目標回転数を補正するための値を演算する。
【0053】
大気圧が101.3kPaのときのモータ負荷と、例えば高地で気圧が低下した場合のモータ負荷とを比べると、コンプレッサ130の出口圧力が等しいとき、高地の方が負荷が高くなる。コンプレッサ130の圧力比が高くなるからである。圧力比が高いと、供給空気流量が低下するはずなので、それを補正するためにモータ目標回転数を増加させる必要がある。従って、大気圧≒101.3kPa相当のモータ負荷データとモータ目標トルクとの差によって、モータ目標回転数補正値を演算すれば良い。これにより、コンプレッサ130の脈動を排除したモータ目標回転数補正が可能となる。
【0054】
なお、ステップS112でのモータ目標回転数補正値演算は、モータ目標回転数補正値がゼロの状態で演算する。補正された状態で、さらに補正をかけることを避けるためである。この実施例では大気圧そのものの値は求めていないが、実質的に大気圧変動による影響を補正している。
【0055】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第3実施形態について説明する。尚、第3実施形態は、請求項3に対応するものである。
【0056】
本実施形態は、大気圧推定値を用いた水素パージ弁180制御についての実施形態である。第1実施形態で上述した通り、大気圧センサを追加すること無く大気圧が推定できる。水素パージ弁180は、通常遮断されており、燃料電池110の水素極112から排出される未使用の水素ガスはエゼクタ160により再び燃料電池110の水素極112へ循環される。
【0057】
しかし、燃料電池110内部の水つまりや空気極111からの空気のリークにより、燃料電池110の出力低下や効率低下が発生した場合に、水素パージ弁180を開放することにより、燃料電池110に供給される水素流量を増加させ、水や空気を燃料電池110の外部へ排出し、出力および効率を復活させる。
【0058】
この出力低下や効率低下は、図1に図示しない燃料電池110の個々のセル電圧を監視することにより検出可能である。このような水素パージ動作においては、燃料である水素ガスをも大気へ排出するため、車両の燃費悪化の原因となる。そのため、パージ時間は極力小さくしたい。前述した通り、燃料電池110に供給される水素流量を増加させるために水素パージ弁180を開放する。したがって、大気圧が低くなれば、同じパージ弁180の開放においても水素流量が増加するので、水素パージ弁180の開放時間を短縮しても、水や空気の排出が十分行われることになる。
【0059】
図6に示すように大気圧推定値により、水素パージ弁180の開放時間を変化させることにより、無駄な水素排出を極力小さくした水素パージ制御が可能となる。
【0060】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第4実施形態について、図7のフローチャートを参照して説明する。尚、第4実施形態は、請求項2,7に対応するものである。
【0061】
本実施形態は、図1における燃料電池システム制御装置210の空気極のガス供給に関する制御フローを示したフローチャートである。
【0062】
図7において、まずS401では、目標発電量を読み込む。S402では、空気調圧弁170の開度を読み込む。S403では、目標発電量より基準となる空気調圧弁開度(平地における開度)を求める。S404では基準空気調圧弁開度と空気調圧弁開度との差が所定値以上かどうかを判断して、所定値以上であればS405へ進み、そうでなければ終了する。S405では、供給空気の流量が低下していると判断する。S406では、コンプレッサの目標回転数を増加補正する。
【0063】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第5実施形態について、図8のフローチャートを参照して説明する。尚、第5実施形態は、請求項4,7に対応するものである。
【0064】
本実施形態は、図1における燃料電池システム制御装置210の空気極のガス供給に関する制御フローを示したフローチャートである。
【0065】
まず、S501では、目標発電量を読み込む。S502では、空気調圧弁開度を読み込む。S503では、目標発電量より基準となる空気調圧弁開度を求める。S504では基準空気調圧弁開度と空気調圧弁開度との差が所定値以上かどうかを判断して、所定値以上であればS505へ進み、そうでなければ終了する。S505では、供給空気の流量が低下していると判断する。S506では、目標発電量に制限を加える。
【0066】
図9に、第4、第5実施形態の目標発電力に対する(a)目標空気圧力、(b)目標空気流量、その目標空気圧力と空気流量の時の(c)基準空気調圧弁開度の関係を示す。目標発電力が領域Aでは、目標発電量の変化に対して空気調圧弁170の基準開度の変化の少ないので、この領域内に有る時に第4、第5実施形態のコンプレッサ目標回転数補正、発電量制限を行えば、精度良く判断を行なうことが出来る(請求項8)。
【0067】
また、燃料電池の運転開始直後などの暖気中には、空気量、空気圧制御も不安定なため誤判定を抑制するためには第4、第5実施形態のコンプレッサ目標回転数補正、発電量制限を行わない方が良い(請求項9)。
【0068】
図10は、コンプレッサを通常圧力(101.3kPa)のときと同じ回転数にした際の発電量に対する(a)空気圧力、(b)空気流量、(c)空気圧調圧弁開度をそれぞれ示すものである。このように、外気圧低下時には、目標となる空気圧力を実現するには通常気圧における空気圧制御弁開度よりも空気圧制御弁を閉じなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置に好適なガス供給量を可変とした燃料電池システムの構成図である。
【図2】第1実施形態の車両用燃料電池システムの制御装置における制御を説明するフローチャートである。
【図3】コンプレッサ回転数に対する空気流量の特性例を示す図である。
【図4】第2実施形態の車両用燃料電池システムの制御装置における制御を説明するフローチャートである。
【図5】コンプレッサ回転数と負荷トルクとコンプレッサ入出力の圧力比との関係を説明するグラフである。
【図6】大気圧とパージ時間との関係を示すグラフである。
【図7】第4実施形態の車両用燃料電池システムの制御装置における制御を説明するフローチャートである。
【図8】第5実施形態の車両用燃料電池システムの制御装置における制御を説明するフローチャートである。
【図9】第4、第5実施形態の目標発電力に対する(a)目標空気圧力、(b)目標空気流量、その目標空気圧力と空気流量の時の(c)基準空気調圧弁開度の関係をそれぞれ示すグラフである。
【図10】コンプレッサを通常圧力(101.3kPa)のときと同じ回転数にした際の発電量に対する(a)空気圧力、(b)空気流量、(c)空気圧調圧弁開度をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
110…燃料電池
111…空気極
112…水素極
120…加湿器
121…空気加湿器
122…水素加湿器
130…コンプレッサ
131…コンプレッサモータ
140…高圧水素ボンベ
150…水素調圧弁
160…エゼクタ
170…空気調圧弁
180…水素パージ弁
210…燃料電池システム制御装置
310…空気圧力センサ
320…水素圧力センサ
330…モータ回転数センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用燃料電池システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化剤として、空気中の酸素を使用する燃料電池においては、これを高地などの低気圧環境下で用いると、大気圧の変化に起因したさまざまな影響がある。この対策として、例えば、モータを用いたコンプレッサまたはブロア等で空気を酸化剤ガスとして燃料電池へ供給する供給するものにおいて、大気圧に関わらず必要酸素量を供給できるように、大気圧変動を考慮してモータの回転数を補正する技術が特開2000−18838号公報、特開平6−243886号公報で開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術では、大気圧補正以外に用途の無い大気圧センサを追加することによるコストアップがあった。
【0004】
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池システムに大気圧センサを設けることなく、大気圧変化の影響を排除して空気供給ができる車両用燃料電池システムを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて大気圧を推定することを要旨とする。
【0006】
上記目的を達成するため請求項2記載の発明は、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて前記目標回転数を補正することを要旨とする。
【0007】
上記目的を達成するため請求項3記載の発明は、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、燃料極通路を大気開放可能なパージ弁と、該パージ弁を所定条件成立時に所定時間開放するパージ弁制御手段と、を備え、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより前記所定時間を補正することを要旨とする。
【0008】
上記目的を達成するため請求項4記載の発明は、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより燃料電池の発電電力を制限することを要旨とする。
【0009】
上記目的を達成するため請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは、前記コンプレッサの負荷であることを要旨とする。
【0010】
上記目的を達成するため請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記コンプレッサの実回転数を検出する回転数検出手段と、前記目標回転数と前記実回転数とに応じてコンプレッサが前記目標回転数を維持するために必要なモータのトルクである目標トルクを演算する回転数制御手段と、前記目標トルクにしたがい前記モータの電流を制御するトルク制御手段と、を備え、前記目標トルクの値を前記運転パラメータとして用いることを要旨とする。
【0011】
上記目的を達成するため請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは、前記圧力制御弁の開度であることを要旨とする。
【0012】
上記目的を達成するため請求項8記載の発明は、請求項7記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記圧力制御弁の開度の変化の少ない運転領域で、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行うことを要旨とする。
【0013】
上記目的を達成するため請求項9記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、暖機運転中は前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行なわないことを要旨とする。
【0014】
上記目的を達成するため請求項10記載の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは所定時間で平均したものを用いることを要旨とする。
【0015】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて大気圧を推定するようにしたので、所定の大気圧、例えば平地での大気圧における運転パラメータとの比較により大気圧を推定することができるようになり、燃料電池システムに大気圧センサを設けることなく、大気圧変化の影響を排除して空気供給ができる車両用燃料電池システムを提供することができるという効果がある。
【0016】
この際、大気圧センサを用いることなく、通常の酸化剤ガス流量制御または圧力制御に用いる機器を用いて大気圧を推定することができるので、大気圧センサをコストアップを抑制できる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて前記目標回転数を補正するようにしたので、大気圧の変動に関わらず必要量の酸素を燃料電池に供給することができるという効果がある。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、燃料極通路を大気開放可能なパージ弁と、該パージ弁を所定条件成立時に所定時間開放するパージ弁制御手段と、を備え、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより前記所定時間を補正するようにしたので、大気圧の低下に伴い、同じ時間パージ弁を開けてもガス管内と大気圧との圧力差が増大して排出される燃料ガス量が必要以上に多くなってしてしまうことを回避し、大気圧の変動に関わらず排出される燃料ガス量を必要最小限とすることができるパージ効果が得られる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより燃料電池の発電電力を制限するようにしたので、大気圧の低下に伴い、コンプレッサを最大能力で使っても供給できる酸素量は減るので発電可能な最大電力が低下してしまう場合でも、これに応じて発電電力を制限することで燃料電池が劣化することが防止できるという効果がある。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは、前記コンプレッサの負荷であることとしたので、請求項1ないし請求項4記載の発明の効果に加えて、目標回転数又は目標圧力を保つために必要なコンプレッサの負荷が大気圧が低くなるほど大きくなることを利用して、所定の大気圧、例えば平地での大気圧におけるコンプレッサの負荷との比較により、請求項1ないし請求項4の推定又は補正又は制限をする制御を行うことができるという効果がある。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記コンプレッサの実回転数を検出する回転数検出手段と、前記目標回転数と前記実回転数とに応じてコンプレッサが前記目標回転数を維持するために必要なモータのトルクである目標トルクを演算する回転数制御手段と、前記目標トルクにしたがい前記モータの電流を制御するトルク制御手段と、を備え、前記目標トルクの値を前記運転パラメータとして用いるようにしたので、通常の回転数フィードバック制御における算出過程で出てくる値をそのまま用いることができるようになり、請求項1ないし請求項4記載の発明の効果に加えて、簡単な構成で実現できるという効果がある。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは、前記圧力制御弁の開度であるようにしたので、目標回転数又は目標圧力を保つために必要な圧力制御弁の開度が大気圧が低くなるほど小さくなることを利用して、所定の大気圧、例えば平地での大気圧における圧力制御弁の開度との比較により請求項1ないし請求項4の推定又は補正又は制限をする制御を行うことができるという効果がある。
【0023】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記圧力制御弁の開度の変化の少ない運転領域で、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行うようにしたので、大気圧の推定誤りを抑制し、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を誤りなく行うことができるという効果がある。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、暖機運転中は前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行なわないようにしたので、大気圧の推定誤りを抑制し、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を誤りなく行うことができるという効果がある。
【0025】
請求項10記載の発明によれば、請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置において、前記運転パラメータは所定時間で平均したものを用いるようにしたので、大気圧の推定誤りを抑制し、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を誤りなく行うことができるという効果がある。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸素ガスとを、電解質を介して電気化学的に反応させ、電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。したがって、燃料電池の発電電力量が大きくなるにしたがい、多くのガスの供給量が必要になる。逆に、燃料電池の発電電力量が小さい場合、ガスの供給量は少なくても良いことになる。ここで、ガスの供給量とは、圧力および流量を表わす。
【0027】
特に車両用燃料電池システムでは、据え置き型燃料電池システムと異なって、低負荷のアイドリング状態から高負荷の高速時の加速状態まで大きく負荷が変動すること、更に車両に何らかの手段で燃料を搭載しなければならいという制約がある。このような本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置に好適なガス供給量を可変とした燃料電池システムの構成図を図1に示す。
【0028】
図1において、燃料電池システムは、空気極111および水素極112からなる燃料電池110へ加湿器120により加湿された空気、水素を供給するものである。空気は、大気からコンプレッサ130で加圧され、空気加湿器121で図示しない純水で加湿された後、燃料電池110の空気極111へ供給され、燃料電池110で未使用の空気は、空気調圧弁170から大気へ排出される。
【0029】
燃料電池110の空気極111へ供給される空気の流量と圧力は、コンプレッサ130の回転数および空気調圧弁170の開度により制御される。コンプレッサ130はモータ131により駆動され、燃料電池システム制御装置210はモータ回転センサ330を参照して、モータ131が目標の回転数となるようにモータ131を制御する。また、燃料電池システム制御装置210は空気圧力センサ310を参照し、燃料電池110の空気極111へ供給される空気の圧力が目標の圧力となるように空気調圧弁170を制御する。
【0030】
一方燃料ガスである水素は、高圧水素ボンベ140から水素調圧弁150、エゼクタ160を経由して、水素加湿器122で図示しない純水で加湿された後、燃料電池110の水素極112へ供給され、燃料電池110で未使用の水素は、エゼクタ150によって燃料電池110の水素極112へ循環される。
【0031】
燃料電池110の水素極112へ供給される水素の圧力は、水素調圧弁150の開度で制御される。燃料電池システム制御装置210は、水素圧力センサ320を参照し、燃料電池110の水素極112へ供給される水素の圧力が目標の圧力となるように水素調圧弁150を制御する。
【0032】
コンプレッサ130の目標回転数は、コンプレッサの特性から求めることができる。図3にコンプレッサの特性図を示す。圧力比とは、コンプレッサ入口圧力に対するコンプレッサ出口圧力の比であり、空気圧力センサ310の値/大気圧である。したがって、燃料電池システム制御装置210では、この特性のマップデータを持つことによって、車両周囲の大気圧を演算することができる。
【0033】
水素パージ弁180は、燃料電池110の状態に応じて開閉することにより、燃料電池110内部の水つまりや、空気極111から水素極112への空気のリークによる出力低下および効率低下を防止するために使用するものである。
【0034】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第1実施形態について、図2のフローチャートを参照して説明する。尚、第1実施形態は、請求項1,2,5,6,10に対応するものである。
【0035】
本実施形態は、図1における燃料電池システム制御装置210の空気極のガス供に関する制御フローを示したフローチャートである。
【0036】
ステップS101では、目標発電量演算を行う。ここでは、燃料電池110に接続された図示しない電気負荷の負荷変化に応じて、燃料電池110が発電すべき電力を演算する。たとえば、電気負荷が車両の駆動モータである場合、ドライバのアクセル操作量、シフトレンジ位置、車速等の情報から駆動モータが必要とする電力を演算し、その値を目標発電量とすれば良い。
【0037】
ステップS102では、目標流量・圧力演算を行う。ここでは、目標発電量を燃料電池110が発電するのに必要な空気の供給状態を演算する。通常、発電電力が大きいほど、供給するべき空気の流量および圧力は大きくなる。効率を考えれば、燃料電池110の特性から、目標発電量を安定して発電可能な最低限の流量・圧力を求めれば良い。
【0038】
ステップS103では、空気の実圧力読み込みを行う。ここでは、空気圧力センサ310の出力値を読み込む。
【0039】
ステップS104では、圧力制御弁制御を行う。ここでは、目標圧力および実圧力の関係にしたがって、PID制御等を用い、空気調圧弁170の操作量を演算し、実圧力が目標圧力と等しくなるように空気調圧弁170を駆動することにより、空気調圧弁170の開度を制御する。
【0040】
ステップS113では、モータ目標回転数演算を行う。ここでは、ステップS102で演算された目標流量、ステップS114の説明で後述する大気圧推定値およびステップS103で読み込まれた空気圧力から、モータ目標回転数を演算する。モータ目標回転数は、まず、大気圧推定値と空気圧力とから圧力比を演算し、この圧力比と目標流量とから、図3に示すコンプレッサ特性を参照して演算される。
【0041】
ステップS107では、モータ回転数読み込みを行う。ここでは、モータ回転数センサ330の出力値を読み込む。
【0042】
ステップS108では、モータ目標トルク演算を行う。ここでは、ステップS106で演算された補正後のモータ目標回転数およびS107で読み込まれたモータ回転数の関係にしたがって、PID制御等を用い、両者が等しくなるようなモータ目標トルクを演算する。モータ目標トルクは、回転をモータ目標回転数に維持するために必要なトルク、つまりモータの負荷である。
【0043】
ステップS109では、モータトルク制御を行う。ここでは、ステップS108で演算された目標トルクを実現するべく、コンプレッサモータ131の電流を制御する。
【0044】
ステップS111では、モータトルク平均値演算を行う。ここでは、所定期間のモータ目標トルクの平均値を演算する。コンプレッサ130には脈動が伴うため、したがって、モータ負荷にも変動が生じる。そのため、平均値処理を行うことにより、その脈動の影響を排除したモータ負荷を得ることができる。
【0045】
ステップS114では、大気圧推定演算を行う。ここでは、ステップS107で読み込まれたモータ回転数すなわちコンプレッサ回転数、ステップS111で演算されたモータトルク平均値およびステップS103で読み込まれた空気圧力から、大気圧推定値を演算する。大気圧推定値は、まず、負荷トルク平均値とコンプレッサ回転数から図5に示す特性をもとに圧力比推定値を演算し、この圧力比推定値と空気圧力から演算される。
【0046】
これにより、コンプレッサ130の脈動を排除したモータ目標回転数補正が可能となる。
【0047】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第2実施形態について、図4を参照して説明する。尚、第2実施形態は、請求項2,5,6,10に対応するものである。
【0048】
本実施形態は、図1における燃料電池システム制御装置210の空気極のガス供給に関する制御フローを示したフローチャートである。
【0049】
ステップS101〜104は第1実施形態と同一であるので説明を省略する。
【0050】
ステップS105では、モータ目標回転数演算を行う。ここでは、ステップS102で演算した目標流量およびステップS103で読み込んだコンプレッサ出口圧力から、コンプレッサすなわちコンプレッサモータの目標回転数を演算する。すなわち図3に示したコンプレッサの特性から、大気圧≒101.3kPaと仮定した場合のコンプレッサ回転数を求める。
【0051】
ステップS106では、モータ目標回転数補正演算を行う。ここでは、ステップS110の説明で後述するモータ目標回転数補正値をステップS105で演算したモータ目標回転数に加算する。
【0052】
ステップS107〜111は第1実施形態と同一であるので説明を省略する。ステップS112では、モータ目標回転数補正値演算を行う。ここでは、ステップS111で演算されたモータトルク平均値を用いて、モータ目標回転数を補正するための値を演算する。
【0053】
大気圧が101.3kPaのときのモータ負荷と、例えば高地で気圧が低下した場合のモータ負荷とを比べると、コンプレッサ130の出口圧力が等しいとき、高地の方が負荷が高くなる。コンプレッサ130の圧力比が高くなるからである。圧力比が高いと、供給空気流量が低下するはずなので、それを補正するためにモータ目標回転数を増加させる必要がある。従って、大気圧≒101.3kPa相当のモータ負荷データとモータ目標トルクとの差によって、モータ目標回転数補正値を演算すれば良い。これにより、コンプレッサ130の脈動を排除したモータ目標回転数補正が可能となる。
【0054】
なお、ステップS112でのモータ目標回転数補正値演算は、モータ目標回転数補正値がゼロの状態で演算する。補正された状態で、さらに補正をかけることを避けるためである。この実施例では大気圧そのものの値は求めていないが、実質的に大気圧変動による影響を補正している。
【0055】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第3実施形態について説明する。尚、第3実施形態は、請求項3に対応するものである。
【0056】
本実施形態は、大気圧推定値を用いた水素パージ弁180制御についての実施形態である。第1実施形態で上述した通り、大気圧センサを追加すること無く大気圧が推定できる。水素パージ弁180は、通常遮断されており、燃料電池110の水素極112から排出される未使用の水素ガスはエゼクタ160により再び燃料電池110の水素極112へ循環される。
【0057】
しかし、燃料電池110内部の水つまりや空気極111からの空気のリークにより、燃料電池110の出力低下や効率低下が発生した場合に、水素パージ弁180を開放することにより、燃料電池110に供給される水素流量を増加させ、水や空気を燃料電池110の外部へ排出し、出力および効率を復活させる。
【0058】
この出力低下や効率低下は、図1に図示しない燃料電池110の個々のセル電圧を監視することにより検出可能である。このような水素パージ動作においては、燃料である水素ガスをも大気へ排出するため、車両の燃費悪化の原因となる。そのため、パージ時間は極力小さくしたい。前述した通り、燃料電池110に供給される水素流量を増加させるために水素パージ弁180を開放する。したがって、大気圧が低くなれば、同じパージ弁180の開放においても水素流量が増加するので、水素パージ弁180の開放時間を短縮しても、水や空気の排出が十分行われることになる。
【0059】
図6に示すように大気圧推定値により、水素パージ弁180の開放時間を変化させることにより、無駄な水素排出を極力小さくした水素パージ制御が可能となる。
【0060】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第4実施形態について、図7のフローチャートを参照して説明する。尚、第4実施形態は、請求項2,7に対応するものである。
【0061】
本実施形態は、図1における燃料電池システム制御装置210の空気極のガス供給に関する制御フローを示したフローチャートである。
【0062】
図7において、まずS401では、目標発電量を読み込む。S402では、空気調圧弁170の開度を読み込む。S403では、目標発電量より基準となる空気調圧弁開度(平地における開度)を求める。S404では基準空気調圧弁開度と空気調圧弁開度との差が所定値以上かどうかを判断して、所定値以上であればS405へ進み、そうでなければ終了する。S405では、供給空気の流量が低下していると判断する。S406では、コンプレッサの目標回転数を増加補正する。
【0063】
次に、本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置の第5実施形態について、図8のフローチャートを参照して説明する。尚、第5実施形態は、請求項4,7に対応するものである。
【0064】
本実施形態は、図1における燃料電池システム制御装置210の空気極のガス供給に関する制御フローを示したフローチャートである。
【0065】
まず、S501では、目標発電量を読み込む。S502では、空気調圧弁開度を読み込む。S503では、目標発電量より基準となる空気調圧弁開度を求める。S504では基準空気調圧弁開度と空気調圧弁開度との差が所定値以上かどうかを判断して、所定値以上であればS505へ進み、そうでなければ終了する。S505では、供給空気の流量が低下していると判断する。S506では、目標発電量に制限を加える。
【0066】
図9に、第4、第5実施形態の目標発電力に対する(a)目標空気圧力、(b)目標空気流量、その目標空気圧力と空気流量の時の(c)基準空気調圧弁開度の関係を示す。目標発電力が領域Aでは、目標発電量の変化に対して空気調圧弁170の基準開度の変化の少ないので、この領域内に有る時に第4、第5実施形態のコンプレッサ目標回転数補正、発電量制限を行えば、精度良く判断を行なうことが出来る(請求項8)。
【0067】
また、燃料電池の運転開始直後などの暖気中には、空気量、空気圧制御も不安定なため誤判定を抑制するためには第4、第5実施形態のコンプレッサ目標回転数補正、発電量制限を行わない方が良い(請求項9)。
【0068】
図10は、コンプレッサを通常圧力(101.3kPa)のときと同じ回転数にした際の発電量に対する(a)空気圧力、(b)空気流量、(c)空気圧調圧弁開度をそれぞれ示すものである。このように、外気圧低下時には、目標となる空気圧力を実現するには通常気圧における空気圧制御弁開度よりも空気圧制御弁を閉じなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用燃料電池システムの制御装置に好適なガス供給量を可変とした燃料電池システムの構成図である。
【図2】第1実施形態の車両用燃料電池システムの制御装置における制御を説明するフローチャートである。
【図3】コンプレッサ回転数に対する空気流量の特性例を示す図である。
【図4】第2実施形態の車両用燃料電池システムの制御装置における制御を説明するフローチャートである。
【図5】コンプレッサ回転数と負荷トルクとコンプレッサ入出力の圧力比との関係を説明するグラフである。
【図6】大気圧とパージ時間との関係を示すグラフである。
【図7】第4実施形態の車両用燃料電池システムの制御装置における制御を説明するフローチャートである。
【図8】第5実施形態の車両用燃料電池システムの制御装置における制御を説明するフローチャートである。
【図9】第4、第5実施形態の目標発電力に対する(a)目標空気圧力、(b)目標空気流量、その目標空気圧力と空気流量の時の(c)基準空気調圧弁開度の関係をそれぞれ示すグラフである。
【図10】コンプレッサを通常圧力(101.3kPa)のときと同じ回転数にした際の発電量に対する(a)空気圧力、(b)空気流量、(c)空気圧調圧弁開度をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
110…燃料電池
111…空気極
112…水素極
120…加湿器
121…空気加湿器
122…水素加湿器
130…コンプレッサ
131…コンプレッサモータ
140…高圧水素ボンベ
150…水素調圧弁
160…エゼクタ
170…空気調圧弁
180…水素パージ弁
210…燃料電池システム制御装置
310…空気圧力センサ
320…水素圧力センサ
330…モータ回転数センサ
Claims (10)
- 空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、
前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて大気圧を推定することを特徴とする車両用燃料電池システムの制御装置。 - 空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、
前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータに基づいて前記目標回転数を補正することを特徴とする車両用燃料電池システムの制御装置。 - 空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、
燃料極通路を大気開放可能なパージ弁と、該パージ弁を所定条件成立時に所定時間開放するパージ弁制御手段と、を備え、
前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより前記所定時間を補正することを特徴とする車両用燃料電池システムの制御装置。 - 空気極に供給する空気を圧縮するコンプレッサを目標回転数で運転し、圧力制御弁を操作することにより前記空気極における空気圧力を目標圧力に制御する車両用燃料電池システムの制御装置において、
前記目標回転数又は前記目標圧力を保つために必要な前記コンプレッサの運転パラメータにより燃料電池の発電電力を制限することを特徴とする車両用燃料電池システムの制御装置。 - 前記運転パラメータは、前記コンプレッサの負荷であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置。
- 前記コンプレッサの実回転数を検出する回転数検出手段と、
前記目標回転数と前記実回転数とに応じてコンプレッサが前記目標回転数を維持するために必要なモータのトルクである目標トルクを演算する回転数制御手段と、
前記目標トルクにしたがい前記モータの電流を制御するトルク制御手段と、
を備え、
前記目標トルクの値を前記運転パラメータとして用いることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置。 - 前記運転パラメータは、前記圧力制御弁の開度であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置。
- 前記圧力制御弁の開度の変化の少ない運転領域で、前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行うことを特徴とする請求項7記載の車両用燃料電池システムの制御装置。
- 暖機運転中は前記大気圧の推定又は前記目標回転数の補正又は前記所定時間の補正又は前記発電電力の制限を行なわないことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置。
- 前記運転パラメータは所定時間で平均したものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載の車両用燃料電池システムの制御装置。
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