JP3580182B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープを回転ヘッドシリンダに所定角範囲で巻き付けて記録又は再生を行う磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁気記録再生装置は特開平1−171153号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
例えばテープカセットを使用する回転ヘッド型の磁気記録再生装置にあっては、記録または再生時には、テープカセット内に収納された磁気テープをテープガイドによって引き出して、回転ヘッドシリンダーに所定角範囲をもってヘリカルに巻き付けることが必要である。
【0004】
図2は従来の磁気記録再生装置のアンローディング完了位置を、図3は同磁気記録再生装置のローディング途中の位置を、図4は同磁気記録再生装置のローディング完了位置を、図5は同磁気記録再生装置のローディング速度とテープ引き出し量の関係を示した図である。
【0005】
同図において1aはアンローディング完了位置、2aはローディング完了位置、3aはローディング動作途中でテープ引き出し量が急激に減少する位置(以下、変曲位置と呼ぶ)、4aは変曲位置3aにおけるテープ引き出し量の変化、5aは前半のローディング速度、6aは後半のローディング速度、7はカセット、8は供給側リール、9は巻き取り側リールである。10はガイドポストであり、ガイドポスト11とガイドポスト12と共にローディングボート(図示せず)に植設され、ローディング動作に従って共に移動する。13はガイドポストであり、傾斜ポスト14と共にローディングアーム(図示せず)に植設され、ローディング動作に従って移動する。15はテンションポストであり、テンションアーム(図示せず)に植設されローディング動作に従って移動する。16はガイドポストであり、ピンチローラー17と共にT側ローディングボート(図示せず)に植設され、共にローディング動作に従って移動する。18は回転ヘッドシリンダー、19はFEヘッドであり、シャーシ(図示せず)に固定されている。20、21、22、23はガイドポストであり、シャーシ(図示せず)に植設されている。24はACヘッド、25はキャプスタンであり、シャーシに固定されている。26はガイドポストであり、シャーシに植設されている。28はテープであり供給側リール8及び巻き取り側リール9に巻装されている。
【0006】
上記のように構成された磁気記録再生装置について以下その動作について説明する。磁気記録再生装置に図2の如くカセットが装着された後、テンションアーム(図示せず)、ローディングボート(図示せず)及びT側ローディングボート(図示せず)が移動することにより、ガイドポスト13、傾斜ポスト14及びガイドポスト10、11、12及びガイドポスト16、ピンチローラー17が図3に示す位置まで移動する。この段階において、テンションアーム及びT側ローディングボートは移動を完了するため、ガイドポスト13,傾斜ポスト14、テンションアーム15及びガイドポスト16、ピンチローラー17は図3に示される位置にて固定される。但し、ローディングボートは引き続き移動を継続し、ガイドポスト10,11、12は最終的に図4に示される位置まで移動をして動作を完了しその位置に固定される。以上の動作により巻き取り側リール9側がブレーキ(図示せず)によって固定されたテープ28はガイドポスト10及びガイドポスト16を先頭にして供給側リールから引き出され、図4に示す如くに走行系に係架され、テープローディング動作が完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成の磁気記録再生装置においては、図3に示す位置以前はガイドポスト10及びガイドポスト16の両方によりテープ引き出しが行われていたのに対し、図3にに示す位置以降はガイドポスト10のみによりテープ引き出しが行われるため、一定速度のローディング動作を継続していた場合、図3に示される位置においてテープ引き出し量が急激に減少する(以降この位置を変曲位置3aと呼ぶ)。この引き出し量の急減少により、供給側リール8の慣性によってローディング中のテープにはたるみが発生するため、その緩和策としてローディング速度の変更が必要となる。その方法について以下、図5を参照しながら説明する。まず、ローディング動作前半は通常のローディング速度5aにてテープを引き出すことができる。つぎに変曲位置3aにおけるテープ引き出し量の変化4aによって発生するテープのたるみを緩和するためローディング速度は変曲位置3aに到達する以前の位置をローディング位置検出手段(図示せず)によって検知し、その位置にてあらかじめローディング速度5aより大幅に低い後半ローディング速度6aにまで減速をしておき、そのローディング速度6aにて変曲位置を通過させる必要があった。これにより後半はローディング速度が落ちるため結果としてアンローディング完了位置1aからローディン完了位置2aまでにかかるトータルのローディング時間が長くなってしまうという問題点を有していた。
【0008】
また、アンローディングの場合はローディングの場合とは逆に変曲位置3aの通過前より通過後の方がテープの供給側リール8のテープ巻き込み量が大幅に増加するため、一定のアンローディング速度で変曲位置を通過した場合、供給側リール8の過渡特性におけるオーバーシュートによりテープテンションの過テンションが発生する。その緩和策としてローディング時と同じく低いアンローディング速度で変曲位置3aを通過せねばならず、トータルのアンローディング時間が長くなってしまうという問題点を有していた。
【0009】
本発明は上記問題を解決するもので、変曲位置通過時にローディングまたはアンローディング速度を一定の低速度にせずともテープたるみや過テンションを発生させない磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、ローディング時には変曲位置通過時にローディング速度を減速させながら通過するように構成し、またアンローディング時にはアンローディング速度を増加させながら通過するように構成したものである。
【0011】
これにより、ローディング時には変曲位置通過時にもテープたるみの発生が無く、またアンローディング時には変曲位置通過時にも過テンションの発生の無い磁気記録再生装置が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、テープカセット内にテープが収納された状態であるアンローディング完了位置からアーム及びローディングリングに設けられた第一のガイドポスト及び第2のガイドポストによって記録、再生が行えるローディング完了位置までテープを所定量引き出し回転ヘッドシリンダーに所定角範囲巻き付けるローディング動作を行い、また、上記ローディング完了位置から上記第一のガイドポスト及び上記第2のガイドポストによって上記アンローディング完了位置まで戻し、上記テープをカセット内に収納させアンローディング動作を行うようになされ、ローディング中の第1の位置以前は上記第1のガイドポスト及び上記第2のガイドポストによりテープ引き出しが行われ、上記第1の位置以降は上記第1のガイドポストのみによりテープ引き出しが行われる磁気記録再生装置であって、上記第1のガイドポスト及び上記第2のガイドポストのローディング中の位置の検出手段と、上記検出手段によりローディング動作中の上記第1の位置と上記第1の位置以前に位置する第2の位置と上記第1の位置以降に位置する第3の位置とを検知し、上記第2の位置をローディング動作が通過する時にローディング速度を減少させ始め、上記第3の位置をローディング動作が通過する時にローディング速度の減少を完了することにより、上記第1の位置をローディング動作が通過する時にローディング速度を減少させながら通過する様にローディング速度を制御する制御手段とを有する磁気記録再生装置としたものであり、ローディング動作中にローディング速度を一定の低速度に落として変曲位置を通過せずともテープたるみを発生させないという作用を有する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、テープカセット内にテープが収納された状態であるアンローディング完了位置からアーム及びローディングリングに設けられた第一のガイドポスト及び第2のガイドポストによって記録、再生が行えるローディング完了位置までテープを所定量引き出し回転ヘッドシリンダーに所定角範囲巻き付けるローディング動作を行い、また、上記ローディング完了位置から上記第一のガイドポスト及び上記第2のガイドポストによって上記アンローディング完了位置まで戻し、上記テープをカセット内に収納させアンローディング動作を行うようになされ、ローディング中の第1の位置以前は上記第1のガイドポスト及び上記第2のガイドポストによりテープ引き出しが行われ、上記第1の位置以降は上記第1のガイドポストのみによりテープ引き出しが行われる磁気記録再生装置であって、上記第1のガイドポスト及び上記第2のガイドポストのアンローディング中の位置の検出手段と、上記検出手段によりアンローディング動作中の上記第1の位置と上記第1の位置以前に位置する第3の位置と上記第1の位置以降に位置する第2の位置とを検知し、上記第3の位置をアンローディング動作が通過する時にアンローディング速度を増加させ始め、上記第2の位置をアンローディング動作が通過する時にアンローディング速度の増加を完了することにより、上記第1の位置をアンローディング動作が通過する時にアンローディング速度を増加させながら通過する様にアンローディング速度を制御する制御手段を有することを特徴とする磁気記録再生装置としたものであり、アンローディング動作中にアンローディング速度を一定の低速度に落として変曲位置を通過せずとも過テンションを発生させないという作用を有する。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図1を用いて説明する。
【0015】
(実施の形態1)
以下本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明におけるローディング速度とテープ引き出し量を示し、図1において1はアンローディング完了位置、2はローディング完了位置、3は変曲位置、4bは5b地点から変曲位置3までの間のテープ引き出し量の変化であり、4cは変曲位置3から6b地点までのテープ引き出し量の変化、5は前半のローディング速度であり図5に示すローディング速度5aより高い値である。5bはローディング速度5の減少開始点、6は後半のローディング速度、6bはローディング速度5の減少完了点を示す。
【0017】
以上の様に構成された本実施の形態の磁気記録再生装置の作用を図1を用いて説明する。 ここでは図1において時間軸は左から右へ進むとする。アンローディング完了位置1からスタートしたローディング動作は、まずローディング速度が図に示すローディング速度5の速さまで上昇する。次に変曲位置3より手前の5b地点より減速を開始し、減速しながら変曲位置3を通過し、6b地点にて減速を終了する。この場合、変曲位置3を通過した時のテープ引出量の変化は図5の4aに示すような急激な変化にはならず、図1の4cの傾斜に示される如く緩やかな変化となる。この作用により、供給側リール8より慣性により引き出されるテープのたるみは大幅に緩和される。また、ローディング速度5が5aより高いこと及び5b地点から6b地点まで減速しながらもローディング動作は進んでいることにより、アンローディング完了位置1からローディング完了位置2までに要するトータル時間は図5に示すトータル時間よりも短くなる。
【0018】
(実施の形態2)
以下本発明の第2の実施の形態について図1を参照しながら説明する。
【0019】
ここでは図1において時間軸は右から左へと進むものとする。図1はアンローディング時におけるアンローディング速度とテープ巻き取り量の変化を示す。まず、ローディング完了位置2からアンローディング動作を開始し、前半のアンローディング速度6にてアンローディング動作を進める。次に6b地点からアンローディング速度の増加を開始し、増加させながら変曲位置3を通過し、5b地点にて増加を完了させる。続いて後半のアンローディング速度5にてアンローディング動作を進め、アンローディング完了位置1にて動作を完了する。この場合、変曲位置3を通過した時のテープ巻き込み量の変化は図5の4aに示すような急激な変化にはならず、図1の4cの傾斜に示される如く緩やかな変化となる。この作用により、供給側リール8により巻き取られる際の過渡応答におけるオーバーシュートにより発生する過テンションは大幅に緩和される。また、アンローディング速度5が5aより高いこと及び5b地点から6b地点まで増速しながらアンローディング動作は進んでいることにより、ローディング完了位置2からアンローディング完了位置1までに要するトータル時間は図5に示すトータル時間よりも短くなる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ローディング動作中にローディング速度を一定の低速度に落として変曲位置を通過せずともテープたるみを発生させない、また、アンローディング動作中にアンローディング速度を一定の低速度に落として変曲位置を通過せずとも過テンションを発生させないという作用を有し、結果としてトータルのローディング時間又はアンローディング時間を短くできるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるローディング(アンローディング)速度とテープ引き出し量(テープ巻き取り量)を示す概念図
【図2】従来の磁気記録再生装置のアンローディング完了位置を示す走行系の平面図
【図3】従来の磁気記録再生装置のローディング途中の位置を示す走行系の平面図
【図4】従来の磁気記録再生装置のローディング完了位置を示す走行系の平面図
【図5】従来の磁気記録再生装置のローディング速度とテープ引き出し量を示す概念図
【符号の説明】
1 アンローディング完了位置
2 ローディング完了位置
3 変曲位置
5 前半のローディング速度(ローディング時)
後半のアンローディング速度(アンローディング時)
5b 減速開始点(ローディング時)
増速終了点(アンローディング時)
6 後半のローディング速度(ローディング時)
前半のアンローディング速度(アンローディング時)
6b 減速終了点(ローディング時)
増速開始点(アンローディング時)
Claims (2)
- テープカセット内にテープが収納された状態であるアンローディング完了位置からアーム及びローディングリングに設けられた第一のガイドポスト及び第2のガイドポストによって記録、再生が行えるローディング完了位置までテープを所定量引き出し回転ヘッドシリンダーに所定角範囲巻き付けるローディング動作を行い、また、上記ローディング完了位置から上記第一のガイドポスト及び上記第2のガイドポストによって上記アンローディング完了位置まで戻し、上記テープをカセット内に収納させアンローディング動作を行うようになされ、
ローディング中の第1の位置以前は上記第1のガイドポスト及び上記第2のガイドポストによりテープ引き出しが行われ、上記第1の位置以降は上記第1のガイドポストのみによりテープ引き出しが行われる磁気記録再生装置であって、
上記第1のガイドポスト及び上記第2のガイドポストのローディング中の位置の検出手段と、
上記検出手段によりローディング動作中の上記第1の位置と上記第1の位置以前に位置する第2の位置と上記第1の位置以降に位置する第3の位置とを検知し、上記第2の位置をローディング動作が通過する時にローディング速度を減少させ始め、上記第3の位置をローディング動作が通過する時にローディング速度の減少を完了することにより、上記第1の位置をローディング動作が通過する時にローディング速度を減少させながら通過する様にローディング速度を制御する制御手段とを有する磁気記録再生装置。 - テープカセット内にテープが収納された状態であるアンローディング完了位置からアーム及びローディングリングに設けられた第一のガイドポスト及び第2のガイドポストによって記録、再生が行えるローディング完了位置までテープを所定量引き出し回転ヘッドシリンダーに所定角範囲巻き付けるローディング動作を行い、また、上記ローディング完了位置から上記第一のガイドポスト及び上記第2のガイドポストによって上記アンローディング完了位置まで戻し、上記テープをカセット内に収納させアンローディング動作を行うようになされ、
ローディング中の第1の位置以前は上記第1のガイドポスト及び上記第2のガイドポストによりテープ引き出しが行われ、上記第1の位置以降は上記第1のガイドポストのみによりテープ引き出しが行われる磁気記録再生装置であって、
上記第1のガイドポスト及び上記第2のガイドポストのアンローディング中の位置の検出手段と、
上記検出手段によりアンローディング動作中の上記第1の位置と上記第1の位置以前に位置する第3の位置と上記第1の位置以降に位置する第2の位置とを検知し、上記第3の位置をアンローディング動作が通過する時にアンローディング速度を増加させ始め、上記第2の位置をアンローディング動作が通過する時にアンローディング速度の増加を完了することにより、上記第1の位置をアンローディング動作が通過する時にアンローディング速度を増加させながら通過する様にアンローディング速度を制御する制御手段を有することを特徴とする磁気記録再生装置。
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JP17048999A JP3580182B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 磁気記録再生装置 |
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JP17048999A JP3580182B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 磁気記録再生装置 |
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JP2001006242A JP2001006242A (ja) | 2001-01-12 |
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ID=15905918
Family Applications (1)
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JP17048999A Expired - Fee Related JP3580182B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 磁気記録再生装置 |
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JP (1) | JP3580182B2 (ja) |
-
1999
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