JP3580100B2 - 組立型中空カムシャフトの製造方法 - Google Patents

組立型中空カムシャフトの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る組立型中空カムシャフトの製造方法は、自動車用エンジン等の往復ピストン型エンジンに組み込む組立型中空カムシャフトの製造方法の改良に関し、高精度で優れた静粛性及び耐久性を得られる組立型中空カムシャフトを実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
往復ピストン型エンジンには、吸気弁及び排気弁の開閉駆動を行なわせる為のカムシャフトを組み込む。この様なカムシャフトを組み込んだ往復ピストン型エンジンの小型・軽量化並びに耐久性向上を図る為に組立型中空カムシャフト1を使用する事が、特開平8−109809号公報、同8−158817号公報、同9−100703号公報等に記載されている様に、従来から知られている。図4は、この様な組立型中空カムシャフト1の1例を示している。
【0003】
この組立型中空カムシャフト1は、炭素鋼等の金属材により円管状に形成した中空軸2と、この中空軸2の端部に外嵌固定されたギヤ3(回転伝達部材)と、この中空軸2の中間部外周面に外嵌固定された複数個のカムロブ4、4とを備える。この様な組立型中空カムシャフト1は、上記中空軸2を使用する事による軽量化の他、構成各部に最適な材料を使用する事により、上記ギヤ3及びカムロブ4、4の耐摩耗性向上を図れる。又、上記ギヤ3は、隣接して互いに平行に配置した2本の組立型中空カムシャフト1同士の回転を同期させる事を、チェン或はタイミングベルトによらずに行なわせる事により、上記2本の組立型中空カムシャフト1を組み込んだエンジン(DOHC型エンジン)の小型・軽量化を図る。
【0004】
上述の様な組立型中空カムシャフト1を造る場合には、上記ギヤ3及びカムロブ4、4を上記中空軸2の所定位置に外嵌した状態で、この中空軸2を拡径する作業を行なわなければならない。即ち、上記中空軸2はエンジンのクランクシャフトとの間に掛け渡したチェン或はタイミングベルトにより回転駆動されるのに対して、上記ギヤ3は相手ギヤとの噛合に基づき、上記各カムロブ4、4は吸気弁或は排気弁との係合に基づき、回転に対する制動力を加えられる。従って、上記エンジンの運転時に上記中空軸2の外周面と上記ギヤ3及びカムロブ4、4の内周面との嵌合部には、回転方向に亙る大きな力(トルク)が作用する。そこで、この様な力に拘らず上記ギヤ3及びカムロブ4、4が上記中空軸2に対して回転するのを防止する為に、次の様にして、これらギヤ3及びカムロブ4、4を中空軸2の外周面に外嵌固定している。
【0005】
上記中空軸2に上記ギヤ3及びカムロブ4、4を外嵌固定する作業は、図5に示す様な組立装置5を使用して、図6(A)(B)に示す様な拡管用パンチ6を図7に示す様に上記中空軸2内に押し込み、この中空軸2を図8に示す様に拡管する。上記組立装置5は、それぞれが支柱7、7により支えられたギヤ支持テーブル8とカムロブ支持テーブル9、9とを有する。拡管すべき中空軸2は、これら各テーブル8、9の上面中央部に、それぞれが円周方向に亙る位相並びに軸方向に亙る位置を規制した状態で載置された上記ギヤ3及びカムロブ4、4を貫通して鉛直方向に配置し、下端面を受台10の上面に突き当てている。又、上記ギヤ3及びカムロブ4、4の内周面の円周方向複数個所には凹溝11、11を、図8に示す様に、それぞれ軸方向に亙って形成している。又、上記拡管用パンチ6の外周面には複数の突部12、12を、上記各凹溝11、11の位相と一致させて、それぞれ軸方向に亙って形成している。
【0006】
上記中空軸2に上記ギヤ3及びカムロブ4、4を外嵌固定するには、これら中空軸2とギヤ3及びカムロブ4、4とを図5に示す様に組立装置5にセットした状態で、上記中空軸2の上端開口から、芯金13の下端部に結合固定した上記拡管用パンチ6を押し込む。この押し込み作業の結果、上記中空軸2が拡径されて、この中空軸2の外周面と上記ギヤ3及びカムロブ4、4の内周面とが強く当接する。この拡管作業に伴い、上記中空軸2の外周面で上記拡管用パンチ6の突部12、12に整合する部分の外径が特に大きくなって、当該部分と上記ギヤ3及びカムロブ4、4の内周面に形成した凹溝11、11とが噛合する。この結果、これらギヤ3及びカムロブ4、4が上記中空軸2の端部及び中間部にしっかりと固定され、これらギヤ3及びカムロブ4、4が中空軸2に対して相対回転する事もなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様にして中空軸2にギヤ3及びカムロブ4、4を外嵌固定する際、ギヤ3の中心軸と中空軸2の中心軸とが、僅かとは言えずれる可能性がある。この理由は、次の通りである。図5に示した状態から芯金13を下降させ、この芯金13の下端部に結合固定した拡管用パンチ6を上記中空軸2の上端部に押し込むと、この中空軸2は次の様な挙動をする。先ず、上記拡管用パンチ6(の最大径部分)が、上記中空軸2の上端部で上記ギヤ3の上面よりも上方に突出した部分の内側に存在する間は、上記中空軸2は単に直径が大きくなる方向に塑性変形し、この中空軸2の軸方向寸法は、僅かとは言え縮む傾向になる。
【0008】
これに対して、上記拡管用パンチ6が、上記中空軸2の上端寄り部分で上記ギヤ3の内側部分に存在する状態では、上記中空軸2の外周面がこのギヤ3の内周面に抑え付けられるので、この中空軸2の直径が上記ギヤ3の内径を越えて大きくなる事はない。この為、この状態で上記中空軸2の上端寄り部分は、上記拡管用パンチ6の外周面と上記ギヤ3の内周面との間で、直径方向両側から強く押圧されて、当該部分の肉厚が小さくなる状態に塑性変形する。この結果、上記中空軸2の軸方向寸法が、僅かとは言え伸長する傾向になる。一方、上記中空軸2の下端面は受台10の上面に突き当てられているので、この中空軸2が下方に変位する事はない。従って、上記中空軸2の上端寄り部分で上記ギヤ3を外嵌固定した部分が、僅かとは言え上方に変位し、このギヤ3の下面とギヤ支持テーブル8の上面とが離隔する。この結果、このギヤ3の中心軸と上記中空軸2の中心軸とが不一致になる可能性が生じる。
【0009】
この様な原因で、上記ギヤ3の中心軸と上記中空軸2の中心軸とが不一致になった状態のまま、このギヤ3を中空軸2の端部に固定すると、このギヤ3と相手ギヤとの噛合状態が不正規になる。そして、これら両ギヤ同士の噛合部で有害な振動や耳障りな騒音が発生したり、或はこれら各ギヤの歯面に早期剥離等の損傷が発生し易くなる。
本発明は、この様な不都合を防止すべく、上記中空軸2の中心軸とギヤ3の中心軸とを厳密に一致させた状態のまま、このギヤ3等の回転伝達部材及び前記カムロブ4、4を、この中空軸2の外周面に固定できる、組立型中空カムシャフトの製造方法を実現するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の組立型中空カムシャフトの製造方法は、前述の図4に示す様な、円管状の中空軸2と、この中空軸2の軸方向に関する一端部に外嵌固定されたギヤ3若しくはスプロケット、段付プーリ(図示せず)等の回転伝達部材と、この中空軸2の軸方向に関する中間部外周面に外嵌固定された複数個のカムロブ3、3とを備えた組立型中空カムシャフトを製造する為に利用する。
この様な本発明の組立型中空カムシャフトの製造方法は、先ず、上記中空軸の軸方向に関する一端部に上記回転伝達部材を外嵌し、この中空軸の軸方向に関する両端面のうちでこの回転伝達部材を外嵌した側と反対側の端面である他端面を抑え付けると共に、この回転伝達部材の軸方向に関する両側面のうちで上記中空軸の他端面と反対側の側面である一端側側面を第一の基準面に、この中空軸の一端面を第二の基準面に、それぞれ当接させた状態で、この中空軸の軸方向に関する両端開口のうちで上記回転伝達部材を外嵌した側の開口である一端開口から上記中空軸内に拡管用パンチを、この回転伝達部材の内側部分にまで押し込む。そして、この中空軸の軸方向に関する一端部外周面と上記回転伝達部材の内周面とを強く当接させると共に上記回転伝達部材の一端側側面を上記第一の基準面に、上記中空軸の一端面を上記第二の基準面に、それぞれ押し付けて、この回転伝達部材を中空軸の軸方向に関する一端部の外周面に正規の位置関係で固定する。
その後、上記中空軸の軸方向に関する中間部外周面に上記複数個のカムロブを外嵌した状態でこの中空軸の軸方向に関する他端側の開口からこの中空軸内に拡管用パンチを上記回転伝達部材の内側部分にまで押し込み、この中空軸の軸方向に関する中間部の外周面と上記各カムロブの内周面とを強く当接させて、これら各カムロブを中空軸の軸方向に関する中間部外周面に固定する。
【0011】
【作用】
上述の様に構成する本発明の組立型中空カムシャフトの製造方法によれば、中空軸の軸方向に関する一端部に回転伝達部材を外嵌固定する際に、この回転伝達部材の軸方向に関する一端側側面を第一の基準面に、上記中空軸の一端面を第二の基準面に、それぞれ押し付けた状態のままにできる。従って、この回転伝達部材を上記中空軸の一端部に外嵌固定する際に、これら回転伝達部材と中空軸との中心軸同士を厳密に一致させる事を確実に行なえる。又、複数個のカムロブを上記中空軸の軸方向に関する中間部外周面に固定すべく、この中空軸を拡管する際には、上記回転伝達部材に大きな力が作用しない様にできるので、上記各カムロブを上記中空軸の中間部外周面に固定する作業に伴って、この中空軸に対する上記回転伝達部材の固定位置がずれる事を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜4は、本発明の実施の形態の1例を示している。本発明の組立型中空カムシャフトの製造方法は、先ず、図1の左半部及び図2に示す様な前組立装置14により、中空軸2の軸方向に関する一端部(図1〜の下端部、図4の右端部)にギヤ3を外嵌固定した後、図1の右半部及び図3に示す様な後組立装置15により、上記中空軸2の軸方向に関する中間部に複数個のカムロブ4、4を外嵌固定する。ギヤ3及びカムロブ4、4の内周面に複数本の凹溝11、11(図8)を形成している事、上記中空軸2の外周面をこれら各凹溝11、11と噛合させる事により、この中空軸2に対する上記ギヤ3及びカムロブ4、4の相対回転を防止する事は、前述した従来方法の場合と同様である。
【0013】
上記前組立装置14は、フレーム16の下部に昇降台17を設け、この昇降台17にギヤ3を、正規の位置関係で載置自在としている。この昇降台17には、ばね18、18により上昇方向に弾力を付与しており、下方に向いた強い力が加わった場合にのみ、初期位置よりも少しだけ下降自在としている。この様な昇降台17の上面には、位相出しフランジ19とガイドリング20とを固設している。上記中空軸2の軸方向に関する一端部に外嵌固定すべき上記ギヤ3は、このうちのガイドリング20に内嵌しつつ上記位相出しフランジ19に載置する事により、円周方向に亙る位相を規制した状態で、上記昇降台17の上面に載置自在としている。又、上記位相出しフランジ19の上面は水平面とし、この位相出しフランジ19の上面に載置した上記ギヤ3の中心軸と、鉛直方向に支持した上記中空軸2の中心軸とが厳密に(実用上問題が生じない程度の誤差範囲内で)一致する様にしている。
【0014】
又、上記昇降台17の下方には、油圧シリンダ、送りねじ機構等、大きなスラスト力を生じさせる事ができ、且つ、変位量を正確に規制する事が可能な第一のアクチュエータ21を設けている。そして、この第一のアクチュエータ21により、第一の芯金22を鉛直方向に亙って昇降自在としている。この第一の芯金22の中心軸は上記中空軸2の中心軸と一致しており、この第一の芯金22の上端部には、第一の拡管用パンチ23を結合固定している。そして、上記第一のアクチュエータ21により上記第一の芯金22を介して上記第一の拡管用パンチ23を上昇させる事で、この第一の拡管用パンチ23を、上記中空軸2の軸方向に関する一端部である、下端部に圧入自在としている。
【0015】
又、上記フレーム16の内側で上下方向中間部には、上記中空2を鉛直方向に支持する為の支持装置24を設けている。この支持装置24の構造は、上記中空2を鉛直方向に亙り正確に支持できるものであれば、特に問わない。例えば、それぞれがV字形の切り欠きを有し、上記中空2を直径方向反対側から挟持する1対の抑え板を、鉛直方向に亙って複数組設けた、所謂V受けと称せられる構造が、上記支持装置24として使用可能である。
【0016】
更に、上記支持装置24の上方には、前記ギヤ3を上記中空軸2の下端部に固定すべく、この中空軸2の下端部を拡径する際に、この中空軸2の軸方向に関する他端面である上端面を抑え付ける為の軸抑え25を、昇降自在に設けている。この軸抑え25は、ガイド26に案内された状態で、第二のアクチュエータ27により、鉛直方向に昇降駆動される。この第二のアクチュエータ27も、油圧シリンダ、送りねじ機構等、大きなスラスト力を生じさせる事ができる構造のものを使用する。
【0017】
一方、前記後組立装置15は、前述の図5に示した従来の組立装置5と同様に、それぞれが前記フレーム16の内側に設けられた支柱7a、7aにより支えられた、複数のカムロブ支持テーブル9、9を有する。これら各カムロブ支持テーブル9、9は、最上段に示す様に、直径方向に亙り二つ割れ構造としたもので、上記中空軸2の中間部に外嵌した上記カムロブ4、4の下面を支持する事により、これら各カムロブ4、4を、上記中空軸2の中間部に、所定の位置関係で支持できる様にしている。又、最下段のカムロブ支持テーブル9の下方には、支持板28を介してガイドリング20aを設けている。このガイドリング20aには、上記中空軸2の下端部外周面に外嵌固定した上記ギヤ3をがたつきなく内嵌し、このギヤ3及び上記中空軸2の、円周方向に亙る位相を規制する。
【0018】
尚、上記各カムロブ支持テーブル9、9の上面にも、上記中空軸2に外嵌した状態でこの上面に載置した、カムロブ4、4の位相を規制する為の凹凸部を設けている。又、上記中空軸2を上記後組立装置15に組み付けた状態で、この中空軸2は、上記支柱7a、7aの内側に鉛直方向に亙って支持されるが、この状態で上記中空軸2の下端面は、上記支持板28の一部、或は図示しないアンカの上面に突き当てて、下方への移動を阻止する。但し、この状態でも上記中空軸2の下端部に外嵌固定したギヤ3の下面は、上記支持板28の上面からは離隔する様に、各部の寸法を規制している。
【0019】
更に、上記後組立装置15の上部には、油圧シリンダ、送りねじ機構等、大きなスラスト力を生じさせる事ができ、且つ、変位量を正確に規制する事が可能な第三のアクチュエータ29を設けている。そして、この第三のアクチュエータ29によって、第二の芯金30を鉛直方向に亙って昇降自在としている。この第二の芯金30の中心軸は上記中空軸2の中心軸と一致しており、この第二の芯金30の下端部には、第二の拡管用パンチ31を結合固定している。そして、上記第三のアクチュエータ29で上記第二の芯金30を介して上記第二の拡管用パンチ31を下降させる事により、この第二の拡管用パンチ31を、上記中空軸2内に圧入自在としている。
【0020】
上述の様に構成する前組立装置14と後組立装置15とを使用して本発明を実施する場合には、先ず、上記中空軸2の上下両端部のうちで軸方向一端部である下端部(上下方向は組み立てる状態で言う。使用状態での上下方向とは関係しない。)に上記ギヤ3を外嵌した状態で、これら中空軸2及びギヤ3を、前組立装置14にセットする。この様に各部材2、3を前組立装置14にセットした状態で、中空軸2の下端面は、第二の基準面である前記位相出しフランジ19の上面内径寄り部分に突き当て、同じく上端面は前記軸抑え25により抑え付けて、軸方向(鉛直方向)に亙る位置決めをする。又、上記ギヤ3の上下両側面のうちで軸方向一端側側面である下側面を、第一の基準面である上記位相出しフランジ19の上面外径寄り部分に当接させる。
【0021】
この様に上記中空軸2及びギヤ3を所定位置に支持した状態で、前記第一のアクチュエータ21により前記第一の芯金22を介して前記第一の拡管用パンチ23を上昇させる。そして、この第一の拡管用パンチ23を、上記中空軸2の軸方向に関する両端開口のうちで上記ギヤ3を外嵌した一端側の開口である下端開口からこの中空軸2内に押し込む、この押し込み作業は、上記第一の拡管用パンチ23が上記ギヤ3の内側部分の軸方向中間部で、軸方向中央位置かこの中央位置よりも少し上側に達するまで行なう。この押し込み作業に基づき、上記中空軸2の下端部の直径が広がり、この中空軸2の下端部外周面と上記ギヤ3の内周面とが強く当接すると共に、このギヤ3の内周面に形成した複数の凹溝11、11(図8)と上記中空軸2の外周面とが凹凸係合する。
【0022】
即ち、上記第一の拡管用パンチ23が、上記中空軸2の下端寄り部分で上記ギヤ3の内側部分に押し込まれた状態では、上記中空軸2の外周面がこのギヤ3の内周面に抑え付けられ、上記中空軸2の下端寄り部分は、上記第一の拡管用パンチ23の外周面と上記ギヤ3の内周面との間で、直径方向両側から強く押圧されて、当該部分の肉厚が小さくなる状態に塑性変形する。この結果、上記中空軸2の軸方向寸法が、僅かとは言え伸長する傾向になる。この結果、上記第一の拡管用パンチ23の押し込みに伴って上記中空軸2の下端部に固定されたギヤ3が下方に変位し、このギヤ3の下面が前記位相出しフランジ19の上面に押し付けられる。この状態で前記昇降台17は、前記ばね18、18の弾力に抗して下降するが、上記ギヤ3の下及び中空軸2の下端面と上記位相出しフランジ19の上面(第一、第二各基準面)とは、これら各ばね18、18の反力に応じた力で当接したままとなる。この結果、上記ギヤ3の中心軸と上記中空軸2の中心軸とがずれる事がなくなり、このギヤ3が、この中空軸2の下端部外周面の正規位置に固定される。
【0023】
この様にして、上記中空軸2の下端部にギヤ3を固定したならば、上記前組立装置14からこの中空軸2及びギヤ3を取り外して、前記後組立装置15にセットする。そして、上記中空軸2の中間部外周面に前記複数個のカムロブ4、4を外嵌し、前記カムロブ支持テーブル9、9によりこれら各カムロブ4、4を所定位置に位置決めした状態で、前記第三のアクチュエータ29により、前記第二の拡管用パンチ31を下降させて、この第二の拡管用パンチ31を上記中空軸2の上端開口からこの中空軸2内に押し込む。この押し込み作業は、上記第二の拡管用パンチ31が、上記ギヤ3の内側部分の軸方向中間部で軸方向中央位置かこの中央位置よりも少し下側に達するまで行なう。そして、前記第一の拡管用パンチ23による拡管部分と上記第二の拡管用パンチ31による拡管部分とを連続させる。この様にして、上記第一の拡管用パンチ23によっては拡管されていなかった、上記中空軸2の残り部分を拡管する事により、この中空軸2の中間部周面と上記各カムロブ4、4の内周面とを強く当接させて、これら各カムロブ4、4を上記中空軸2の中間部外周面に固定する。
【0024】
上述の様に構成する本発明の組立型中空カムシャフトの製造方法によれば、上記中空軸2の下端部にギヤ3を外嵌固定する際に、このギヤ3の下側面及び中空軸2の下端面(第一、第二各)基準面である前記位相出しフランジ19の上面に押し付けた状態のままにできる。従って、このギヤ3を上記中空軸2の下端部に外嵌固定する際に、これらギヤ3と中空軸2との中心軸同士を厳密に一致させる事を確実に行なえる。又、複数個のカムロブ4、4を上記中空軸2の中間部外周面に固定すべく、この中空軸2を拡管する際には、上記ギヤ3の上下両側面とも相手面に当接する事がなく、このギヤ3に大きな力が作用しない様にできる。従って、上記各カムロブ4、4を上記中空軸2の中間部外周面に固定する作業に伴って、この中空軸2に対する上記ギヤ3の固定位置がずれる事を防止できる。この為、本発明の方法により造った組立型中空カムシャフトをエンジンに組み込んだ状態で、上記ギヤ3と相手ギヤとの噛合状態を適正にして、これら両ギヤの噛合部で発生する振動や騒音を低くすると共に、これら各ギヤの歯面に早期剥離等の損傷が発生する事を防止できる。
【0025】
尚、図示の例で、ギヤ3に対向するカムロブ4に添設したワッシャ32は、本発明により造られた組立型中空カムシャフトをエンジンに組み付けた場合に、相手面と対向してスラスト荷重を受ける役目を有する。又、上述の説明では、上記中空軸2の下端部に外嵌固定する回転伝達部材をギヤとしたが、この回転伝達部材は、チェンを掛け渡す為のスプロケット、或はタイミングベルトを掛け渡す為の段付プーリとする事もできる。スプロケットとした場合には、このスプロケットとチェンとの係合状態を適正にして、これらスプロケット及びチェンの耐久性を確保できる。又、段付プーリとした場合には、この段付プーリとタイミングベルトとの係合状態を適正にして、このタイミングベルトの耐久性を確保できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の組立型中空カムシャフトの製造方法は、以上に述べた通り構成され作用するので、中空軸の中心軸と、この中空軸の端部に外嵌固定するギヤ等の回転伝達部材の中心軸とを、厳密に一致させる事を確実に行える。この為、組立型中空カムシャフトを組み込んだエンジンの運転時に於ける振動及び騒音の低減と耐久性の向上とを図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組立型中空カムシャフトの製造方法を実施する為の前組立装置及び後組立装置の全体構成を示す側面図。
【図2】図1のA部拡大図。
【図3】同B部拡大図。
【図4】本発明の方法により造る組立型中空カムシャフトの部分切断側面図。
【図5】従来方法を実施する為の組立装置の側面図。
【図6】拡管用パンチを示しており、(A)は平面図、(B)は(A)の側方から見た図。
【図7】中空軸に拡管用パンチを押し込んだ状態を示す部分断面図。
【図8】図7のX−X断面図。
【符号の説明】
1 組立型中空カムシャフト
2 中空軸
3 ギヤ
4 カムロブ
5 組立装置
6 拡管用パンチ
7、7a 支柱
8 ギヤ支持テーブル
9 カムロブ支持テーブル
10 受台
11 凹溝
12 突部
13 芯金
14 前組立装置
15 後組立装置
16 フレーム
17 昇降台
18 ばね
19 位相出しフランジ
20、20a ガイドリング
21 第一のアクチュエータ
22 第一の芯金
23 第一の拡管用パンチ
24 支持装置
25 軸抑え
26 ガイド
27 第二のアクチュエータ
28 支持板
29 第三のアクチュエータ
30 第二の芯金
31 第二の拡管用パンチ
32 ワッシャ

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  1. 円管状の中空軸と、この中空軸の軸方向に関する一端部に外嵌固定された回転伝達部材と、この中空軸の軸方向に関する中間部外周面に外嵌固定された複数個のカムロブとを備えた組立型中空カムシャフトの製造方法であって、上記中空軸の軸方向に関する一端部に上記回転伝達部材を外嵌し、この中空軸の軸方向に関する両端面のうちでこの回転伝達部材を外嵌した側と反対側の端面である他端面を抑え付けると共に、この回転伝達部材の軸方向に関する両側面のうちで上記中空軸の他端面と反対側の側面である一端側側面を第一の基準面に、この中空軸の一端面を第二の基準面に、それぞれ当接させた状態で、この中空軸の軸方向に関する両端開口のうちで上記回転伝達部材を外嵌した側の開口である一端開口から上記中空軸内に拡管用パンチを、この回転伝達部材の内側部分にまで押し込み、この中空軸の軸方向に関する一端部外周面と上記回転伝達部材の内周面とを強く当接させると共に上記回転伝達部材の一端側側面を上記第一の基準面に、上記中空軸の一端面を上記第二の基準面に、それぞれ押し付けて、この回転伝達部材を中空軸の軸方向に関する一端部の外周面に正規の位置関係で固定した後、上記中空軸の軸方向に関する中間部外周面に上記複数個のカムロブを外嵌した状態でこの中空軸の軸方向に関する他端側の開口からこの中空軸内に拡管用パンチを上記回転伝達部材の内側部分にまで押し込み、この中空軸の軸方向に関する中間部の外周面と上記各カムロブの内周面とを強く当接させて、これら各カムロブを中空軸の軸方向に関する中間部外周面に固定する、組立型中空カムシャフトの製造方法。
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