JP3580081B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ装置に係り、より詳しくは、ネットワークを介して接続されたコンピュータとの間でデータ転送及びコマンドの送受信を行うと共に、コンピュータから転送されたデータをメモリに蓄積し該蓄積されたデータを他のファクシミリ装置へファクシミリ送信する機能、或いは他のファクシミリ装置から受信したデータ又は操作部からの指示で読み取ったデータをメモリに蓄積し該蓄積されたデータをコンピュータへ転送する機能を有するファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ホストコンピュータ等とLAN(ローカルエリアネットワーク)等を介して接続され、ホストコンピュータから転送されたデータを遠隔地のファクシミリ装置等に送信するファクシミリ装置が、特開平4−290058号公報に開示されている。また、同様にホストコンピュータ等と接続され、内部のメモリに蓄積されたデータをホストコンピュータへ転送しホストコンピュータによるデータの取り込みを可能にするファクシミリ装置が、特開平2−19062号公報に開示されている。
【0003】
ところが、特開平4−290058号公報や特開平2−19062号公報には、ホストコンピュータとのデータ転送中及び遠隔地のファクシミリ装置へのファクシミリ送信中における停止処理については言及されていない。
【0004】
このため、ホストコンピュータのオペレータが誤って送信要求を出した場合、一旦開始したデータ転送やファクシミリ送信を円滑に停止することができずに、結果的に無駄な通信コストがかかるおそれがあった。
【0005】
また、ファクシミリ装置からのデータをホストコンピュータで取り込んでいる途中でファクシミリ装置からのデータ転送が停止され、重要なデータ(例えば、重要度の高い文書など)が消えてしまう、といった不都合が発生するおそれがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解消するために成されたものであり、ネットワーク接続されたホストコンピュータとの間のデータ転送中又はファクシミリ送信中における停止処理を円滑に行うことができるファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のファクシミリ装置は、ネットワークを介して接続されたコンピュータとの間でデータ転送及びコマンドの送受信を行うと共に、前記コンピュータから転送されたデータをメモリに蓄積し、蓄積されたデータを他のファクシミリ装置へファクシミリ送信するファクシミリ装置であって、前記コンピュータからのデータ転送又はファクシミリ送信を停止指示するための停止指示手段と、前記コンピュータからのデータ転送中又はファクシミリ送信中に、前記コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止させ、前記コンピュータからのデータ転送中又はファクシミリ送信中に、前記停止指示手段により停止指示された場合、停止指示されたことを一旦前記コンピュータへ通知し、前記コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止させる停止制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載のファクシミリ装置は、ネットワークを介して接続されたコンピュータとの間でデータ転送及びコマンドの送受信を行うと共に、他のファクシミリ装置から受信したデータ又は操作部からの指示で読み取ったデータをメモリに蓄積し、蓄積されたデータを前記コンピュータへ転送するファクシミリ装置であって、前記コンピュータへのデータ転送を停止指示するための停止指示手段と、前記コンピュータへのデータ転送中に、前記コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送を停止させ、前記コンピュータへのデータ転送中に、前記停止指示手段により停止指示された場合、停止指示されたことを一旦前記コンピュータへ通知し、前記コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送を停止させる停止制御手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3記載のファクシミリ装置は、請求項2に記載のファクシミリ装置において、前記停止制御手段によりデータ転送を停止させるときに、転送中のデータをメモリに保存するデータ保存手段をさらに有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項記載のファクシミリ装置は、請求項1乃至請求項の何れか一項に記載のファクシミリ装置において、実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止させるときに、停止指示があった旨のエラーコード及び前記コンピュータからの停止要求コマンドにより停止された旨のエラーコードの何れかである停止の要因を示すエラーコードをコンピュータへ通知する通知手段をさらに有することを特徴とする。
【0013】
上記請求項1記載のファクシミリ装置は、ネットワークを介してコンピュータに接続されており、このコンピュータとの間でデータ転送及びコマンドの送受信を行う。また、コンピュータから転送されたデータをメモリに蓄積し、蓄積されたデータを他のファクシミリ装置へファクシミリ送信する。
【0014】
このような請求項1記載のファクシミリ装置において、コンピュータから自端末へデータを転送中に、コンピュータから停止要求コマンドを受信すると、停止制御手段は、実行中のデータ転送を停止させる。また、停止制御手段は、オペレータが停止指示手段によってコンピュータからのデータ転送を停止指示した場合、停止指示されたことを一旦コンピュータへ通知し、コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送を停止させる。
【0015】
また、請求項1記載のファクシミリ装置において、前記蓄積されたデータを他のファクシミリ装置へファクシミリ送信中に、コンピュータから停止要求コマンドを受信すると、停止制御手段は、実行中のファクシミリ送信を停止させる。また、停止制御手段は、オペレータが停止指示手段によってファクシミリ送信を停止指示した場合、停止指示されたことを一旦コンピュータへ通知し、コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のファクシミリ送信を停止させる。
【0016】
このように停止指示手段による停止指示又はコンピュータからの停止要求コマンドによって、実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止制御手段により円滑に停止させることができる。また、停止指示手段によって停止指示された場合、停止指示があったことを一旦コンピュータに通知し、全ての場合においてコンピュータからの停止要求コマンドによりデータ転送やファクシミリ送信のプロセスを停止するよう制御するので、コンピュータ側にて停止処理を一元管理できる。
【0017】
また、コンピュータのオペレータが誤ってデータ送信要求を出した場合、すぐに停止要求コマンドをコンピュータから請求項1記載のファクシミリ装置へ転送することにより、実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止させ、無駄なデータ転送やファクシミリ送信が続行されることを回避し、無駄な通信コストを省くことができる。
【0020】
次に、請求項記載のファクシミリ装置は、ネットワークを介してコンピュータに接続されており、このコンピュータとの間でデータ転送及びコマンドの送受信を行う。また、他のファクシミリ装置から受信したデータ又は操作部からの指示で読み取ったデータをメモリに蓄積し、蓄積されたデータを前記コンピュータへ転送する。
【0021】
このような請求項2記載のファクシミリ装置において、自端末からコンピュータへデータを転送中に、コンピュータから停止要求コマンドを受信すると、停止制御手段は、実行中のデータ転送を停止させる。また、停止制御手段は、オペレータが停止指示手段によってコンピュータへのデータ転送を停止指示した場合、停止指示されたことを一旦コンピュータへ通知し、コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送を停止させる。
【0022】
このように停止指示手段による停止指示又はコンピュータからの停止要求コマンドによって、実行中のデータ転送を停止制御手段により円滑に停止させることができる。また、停止指示手段によって停止指示された場合、停止指示があったことを一旦コンピュータに通知し、全てコンピュータからの停止要求コマンドによりデータ転送のプロセスを停止させることにより、コンピュータ側にて停止処理を一元管理できる。
【0023】
また、請求項2記載のファクシミリ装置のオペレータが、誤って必要でないデータをコンピュータへ転送指示した場合、停止指示手段によって該データ転送を停止指示することにより、実行中のデータ転送を停止させ、無駄なデータ転送が続行されることを回避できる。
【0026】
なお、請求項3記載のファクシミリ装置のようにデータ保存手段をさらに備えることにより、上記請求項2記載の停止制御手段によって、自端末からコンピュータへのデータ転送を停止させるときに、転送中のデータをデータ保存手段によりメモリに保存することができる。これにより、転送中のデータが消失してしまうことを未然に防止することができる。
【0027】
また、請求項記載のファクシミリ装置のように通知手段をさらに備えることにより、実行中のデータ転送又は(請求項1記載のファクシミリ装置において)実行中のファクシミリ送信を停止させるときに、停止指示があった旨のエラーコード及びコンピュータからの停止要求コマンドにより停止された旨のエラーコードの何れかである停止の要因を示すエラーコードをコンピュータへ通知することができる。これにより、コンピュータ側のオペレータは、通知されたエラーコードにより停止の要因を把握することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、上記請求項1、に記載の発明に対応する第1実施形態を詳細に説明する。
【0029】
[ファクシミリ装置の全体構成]
図1には、本発明に係るファクシミリ装置10の全体構成図を示す。このファクシミリ装置10には、オペレータがデータ転送やファクシミリ送信の停止指示及び画情報の読み取り指示を行うための操作ボタン等で構成された操作部12と、停止指示を受信した時の動作を含むファクシミリ装置における一連の動作を制御する制御部14と、操作部12からの読み取り指示により原稿から画情報を読み取る読み取り部16と、画情報を符号化して圧縮データに変換する処理及び圧縮データを伸長して元の画情報に復号する処理を行う画像処理部18と、読み取り部16により読み取られた画情報、遠隔地のファクシミリ装置から受信した画情報およびホストコンピュータ(以下、ホストと称する)30から転送された画情報を記憶する記憶域としてのメモリ部20と、通信手順における回線の接続及び切断を行う回線制御部22と、外部の通信回線32の制御を行う網制御部24と、「通信中」を示すLEDとディスプレイとを備え、前記LEDを点灯させると共に転送及び送信の動作の状態をディスプレイに表示してオペレータに通知する表示部26と、ホスト30とのデータ転送や各種コマンドのやりとりを行うホストコンピュータインタフェース部28とが、設けられている。
【0030】
上記制御部14には、操作部12、表示部26、ホストコンピュータインタフェース部28、画像処理部18及び回線制御部22の各々が接続されており、さらに画像処理部18には、読み取り部16、メモリ部20及び回線制御部22の各々が接続されている。
【0031】
読み取り部16で読み取られた画情報は、画像処理部18により符号化と圧縮が行われて圧縮データとなりメモリ部20に記憶される。また、ホスト30から転送された画情報は、ホストコンピュータインタフェース部28、制御部14を介して画像処理部18に入力され、画像処理部18により符号化と圧縮が行われて圧縮データとなりメモリ部20に記憶される。
【0032】
また、ファクシミリ送信時には、メモリ部20に記憶された圧縮データが画像処理部18により伸長されて元の画情報に復号される。復号された画情報は制御部14による制御の下で、回線制御部22、網制御部24、通信回線32を介して相手先のファクシミリ装置へ送信される。
【0033】
なお、上記メモリ部20には、ホスト30宛てに送信されてきた親展文書或いは操作部12からの指示で読み取られた親展文書等のデータを記憶するためのメールボックス領域が設けられており、ファクシミリ装置10は、ホスト30からデータ取り出し要求コマンドを受信した場合、メモリ部20内のメールボックス領域からホスト30宛てのデータを読み出してホスト30へ転送する機能を有する。
【0034】
また、ファクシミリ装置10は、ホスト30から画情報と該画情報の送信要求コマンドとが転送された場合、画情報をメモリ部20に一旦蓄積した後、送信要求コマンドに基づく送信先へ前記蓄積した画情報をファクシミリ送信する機能を有する。
【0035】
[第1実施形態における作用]
以下、本第1実施形態の作用として、ホスト30からファクシミリ装置10へのデータ転送中あるいは転送されたデータを遠隔地のファクシミリ装置へ送信中に、ファクシミリ装置10の操作部12からの停止指示又はホスト30からの停止要求コマンドにより、実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止する停止制御処理を、図2を用いて説明する。
【0036】
まず、図2のステップ102でホスト30からの送信要求コマンドを受信し、次のステップ104でファクシミリ装置10側で起動条件をチェックする。ここで、起動条件を満たしていれば、ステップ108へ進み、ホスト30からファクシミリ装置10へのデータ転送を開始する。もし、起動条件を満たしていなければ、ステップ106へ進み、起動失敗のエラーコードをホスト30に通知する。
【0037】
この停止制御処理では、データ転送中又は遠隔地のファクシミリ装置へのデータ送信中の停止方法として、操作部12からの停止指示による停止と、ホスト30からの停止要求コマンドによる停止の2種類の停止方法が実行可能である。
【0038】
まず、操作部12からの停止指示による停止について説明する。データ転送中にオペレータが操作部12によって停止指示すると、ステップ112で肯定判定され、ステップ128へ進み、当該時点でデータをファクシミリ送信中であるか否かを判断する。
【0039】
このときファクシミリ送信中でなくファクシミリ送信開始前であれば、ステップ132でデータ転送処理(以下、転送プロセスと称する)のみを終了し、ステップ134でファクシミリ装置10の操作部12から停止指示があった旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このとき転送中のデータにおける転送完了ページおよび転送中ページは削除され、ファクシミリ送信処理(以下、送信プロセスと称する)は実行されない。
【0040】
一方、例えば、転送中にメモリ残量がしきい値以下に低下した等の要因で、ファクシミリ送信が既に開始されていた場合は、ステップ128で肯定判定されてステップ130へ進み、送信プロセスを終了し、そしてステップ132で転送プロセスも終了する。さらに、ステップ134で操作部12から停止指示があった旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このとき転送中のデータにおける転送完了ページおよび転送中ページは削除される。
【0041】
ところで、データ転送中に停止指示されなかった場合は、ステップ114でデータ転送が正常に終了した後、次のステップ116で遠隔地のファクシミリ装置へのファクシミリ送信を開始する(但し、上記のようにデータ転送中にファクシミリ送信が先行して開始された場合は除く)。
【0042】
そして、このファクシミリ送信中にオペレータが操作部12によって停止指示すると、ステップ120で肯定判定され、ステップ124で送信プロセスを終了し、次のステップ126でファクシミリ装置10の操作部12から停止指示があった旨のエラーコードをホスト30に通知する。このとき転送完了ページのうち送信が終了していないページのみ削除される。
【0043】
次に、ホスト30からの停止要求コマンドによる停止について説明する。データ転送中にホスト30から停止要求コマンドを受信すると、ステップ110で肯定判定され、ステップ128へ進み、当該時点でファクシミリ送信中であるか否かを判断する。
【0044】
このときファクシミリ送信中でなくファクシミリ送信開始前であれば、ステップ132で転送プロセスのみを終了し、ステップ134で停止要求コマンドにより停止された旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このとき転送中のデータにおける転送完了ページおよび転送中ページは削除され、送信プロセスは実行されない。
【0045】
一方、例えば、転送中にメモリがしきい値以下に低下した等の要因で、送信が既に開始されていた場合は、ステップ128で肯定判定されてステップ130へ進み、送信プロセスを終了し、そしてステップ132で転送プロセスも終了する。さらに、ステップ134で停止要求コマンドにより停止された旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このとき転送中のデータの転送完了ページおよび転送中ページは削除される。
【0046】
ところで、データ転送中に停止要求コマンドを受信しなかった場合は、ステップ114でデータ転送が正常に終了した後、次のステップ116で遠隔地のファクシミリ装置へのファクシミリ送信を開始する(但し、上記のようにデータ転送中にファクシミリ送信が先行して開始された場合は除く)。
【0047】
そして、このファクシミリ送信中に停止要求コマンドを受信すると、ステップ118で肯定判定され、ステップ124で送信プロセスを終了し、次のステップ126で停止要求コマンドにより停止された旨のエラーコードをホスト30に通知する。このとき転送完了ページのうち送信が終了していないページのみ削除される。
【0048】
このように実行中のデータ転送又はファクシミリ送信を停止する手段を設けることにより、ホスト30から誤って送信要求を出してしまった場合でも、そのあとホスト30から停止要求を出すことにより、データ転送やファクシミリ送信を途中で中止し無駄なデータ転送やファクシミリ送信による通信コストを省くことができる。
【0049】
また、データ転送またはファクシミリ送信が停止された場合、その停止要因を示すエラーコードがホスト30へ通知されるので、ホスト30のオペレータは停止要因を把握することができる。
【0050】
なお、ファクシミリ装置10の操作部12から停止指示された場合、操作部12から停止指示があったことを一旦ホスト30に通知して、ホスト30から停止要求コマンドを出すように制御しても良い。このように全ての場合にホスト30からの停止要求コマンドにより、データ転送やファクシミリ送信のプロセスを停止するよう制御することにより、ホスト30側にて停止処理を一元管理できる、という利点がある。
【0051】
また、時刻指定で送信要求され停止時点で送信待ち状態であったデータを削除したい場合、操作部12からの停止指示による停止を行うことで、上記送信待ち状態のデータを削除することができる。
【0052】
[第2実施形態]
以下、図面を参照して、2実施形態を詳細に説明する。なお、ファクシミリ装置10の構成は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0053】
以下、本第2実施形態の作用として、ホスト30からファクシミリ装置10へのデータ転送中に転送エラーが発生し、実行中のデータ転送を停止する停止制御処理を、図3を用いて説明する。
【0054】
ホスト30からの送信要求コマンドを受信し(図3のステップ102)、ファクシミリ装置10側で起動条件をチェックする(ステップ104)。ここで、条件を満たしていれば、ホスト30からのデータ転送を開始する(ステップ108)。もし起動条件を満たしていなければ、起動失敗のエラーコードをホスト30へ通知する(ステップ106)。
【0055】
この停止制御処理では、転送エラー時の動作停止方法として、ファクシミリ装置10内部の転送プロセスがエラーを検出した場合の停止と、ホスト30側が転送エラーを検出した場合の停止の2種類の停止方法が実行可能である。
【0056】
まず、内部の転送プロセスがエラーを検出した場合の停止について説明する。ファクシミリ装置10内部の転送プロセスがエラーを検出すると、ステップ144で肯定判定され、このとき送信が開始されていなければステップ152で転送プロセスのみを終了し、次のステップ154でファクシミリ内部で転送エラーがあった旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このとき転送中のデータにおける転送中ページは削除され、次のステップ156で転送完了ページのみファクシミリ送信する。そして、このファクシミリ送信の終了後、ステップ160で送信完了したページ数をホスト30へ通知する。
【0057】
なお、データ転送中にメモリ残量がしきい値以下に低下した等の要因で、転送エラー検出時に既にファクシミリ送信が開始されていた場合も、上記同様に転送プロセスのみを終了し(ステップ152)、転送エラーがあった旨のエラーコードをホスト30へ通知する(ステップ154)。送信プロセスは転送完了ページのみ送信する(ステップ156)。
【0058】
次に、ホスト30側が転送エラーを検出した場合の停止について説明する。データ転送中にホスト30側で転送エラーが検出されると、ステップ140で肯定判定され、ステップ142でホスト30から転送停止要求コマンドを受信し、このとき送信が開始されていなければステップ152で転送プロセスのみを終了し、次のステップ154で停止要求コマンドにより転送が停止された旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このとき転送中のデータにおける転送中ページは削除され、次のステップ156で転送完了ページのみファクシミリ送信する。そして、このファクシミリ送信の終了後、ステップ160で送信完了したページ数をホスト30へ通知する。
【0059】
なお、データ転送中にメモリがしきい値以下に低下した等の要因で、転送エラー検出時に、既にファクシミリ送信が開始されていた場合も、上記同様に転送プロセスのみを終了し(ステップ152)、転送エラーがあった旨のエラーコードをホスト30へ通知する(ステップ154)。送信プロセスは転送完了ページのみ送信する(ステップ156)。
【0060】
このように転送エラー発生を検出し、その検出時にデータ転送を停止する手段を設けたことで、転送エラー発生時にデータ転送を円滑に終了させることができる。例えば、転送を完了したページは確実に保存され、ファクシミリ送信されることから、データが全て消えてしまうような危険性は無い。
【0061】
また、ファクシミリ送信終了後に送信完了したページ数をホスト30へ通知することにより、ホスト30側で送信されなかったページのみを送信要求することができる。これにより、同じページのデータを重複して転送しファクシミリ送信してしまうことを回避でき、処理の効率化や転送時間、ファクシミリ送信時間の短縮を図ることができる。
【0062】
また、転送エラーの要因を示すエラーコードがホスト30へ通知されるので、ホスト30のオペレータは停止要因を把握することができる。
【0063】
[第3実施形態]
以下、図面を参照して、上記請求項2、3、4に記載の発明に対応する第3実施形態を詳細に説明する。なお、ファクシミリ装置10の構成は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0064】
以下、本第3実施形態の作用として、ホスト30からファクシミリ装置10へデータ取り出し要求した後、メモリ部20内のメールボックスに蓄積されているデータをホスト30へ転送中に、ファクシミリ装置10の操作部12からの停止指示又はホスト30側からの停止要求コマンドにより、実行中のデータ転送を停止する停止制御処理を、図4を用いて説明する。
【0065】
図4のステップ202でホスト30からデータ取り出し要求コマンドを受信し、次のステップ204でファクシミリ装置10で起動条件をチェックする。ここで、条件を満たしていれば、ステップ208でホスト30へのデータ転送を開始する。もし起動条件を満たしていなければ、ステップ206で起動失敗のエラーコードをホスト30へ通知する。
【0066】
この停止制御処理では、データ転送中の停止方法として、ファクシミリ装置10の操作部12からの停止指示による停止と、ホスト30側からの停止要求コマンドによる停止の2種類の停止方法が実行可能である。
【0067】
まず、ファクシミリ装置10の操作部12からの停止指示による停止について説明する。データ転送中にファクシミリ装置10の操作部12から停止指示されると、ステップ212で肯定判定され、ステップ216へ進み、転送プロセスを終了する。そして、次のステップ218で操作部12から停止指示があった旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このときメモリ部20内のメールボックスに蓄積されているデータは全て保存される。
【0068】
次に、ホスト30側からの停止要求コマンドによる停止について説明する。データ転送中にホスト30から停止要求コマンドを受信すると、ステップ210で肯定判定され、ステップ216へ進み、転送プロセスを終了する。そして、次のステップ218で停止要求コマンドにより停止された旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このときメモリ部20内のメールボックスに蓄積されているデータは全て保存される。
【0069】
このようにファクシミリ装置からホストへのデータ転送を停止する手段を設けることにより、必要でないデータや、データ量が非常に多くて転送時間がかかるデータの取り出しを中断することができ、無駄な転送を回避できる。
【0070】
また、データ転送を中断されてもデータはメモリに保存されるので、誤って停止指示した場合でもメールボックス内の機密性の高い重要文書の消失を防ぐことができる。
【0071】
また、データ転送の停止要因を示すエラーコードがホスト30へ通知されるので、ホスト30のオペレータは停止要因を把握することができる。
【0072】
また、ファクシミリ装置10の操作部12から停止指示された場合、操作部12から停止指示があったことを一旦ホスト30に通知して、ホスト30から停止要求コマンドを出すように制御しても良い。このように全てホスト30からの停止要求コマンドによりデータ転送のプロセスを停止させることにより、ホスト30側にて停止処理を一元管理できる、という利点がある。
【0073】
[第4実施形態]
以下、図面を参照して、4実施形態を詳細に説明する。なお、ファクシミリ装置10の構成は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
以下、本第4実施形態の作用として、ホスト30からファクシミリ装置10へデータ取り出し要求した後、メモリ部20内のメールボックスに蓄積されているデータをホスト30へ転送中に転送エラーが発生し、実行中のデータ転送を停止する停止制御処理を、図5を用いて説明する。
【0075】
ホスト30からデータ取り出し要求コマンドを受信し(図5のステップ202)、ファクシミリ装置10で起動条件をチェックする(ステップ204)。ここで、条件を満たしていれば、ホスト30へのデータ転送を開始する(ステップ208)。もし起動条件を満たしていなければ、起動失敗のエラーコードをホスト30へ通知する(ステップ206)。
【0076】
この停止制御処理では、転送エラー時の動作停止方法として、ファクシミリ装置内部の転送プロセスがエラーを検出した場合の停止と、ホスト30側が転送エラーを検出した場合の停止の2種類の停止方法が実行可能である。
【0077】
まず、内部の転送プロセスがエラーを検出した場合の停止について説明する。ホスト30へのデータ転送中にファクシミリ装置10内部の転送プロセスがエラーを検出すると、ステップ213で肯定判定され、ステップ216で転送プロセスのみを終了し、次のステップ218でファクシミリ内部で転送エラーがあった旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このときメモリ部20内のメールボックスに蓄積されているデータは全て保存される。
【0078】
次に、ホスト30側が転送エラーを検出した場合の停止について説明する。ホスト30へのデータ転送中にホスト30側が転送エラーを検出すると、ステップ209で肯定判定され、ステップ211へ進み、ホスト30から転送停止要求コマンドを受信する。そして、ステップ216で転送プロセスのみを終了し、次のステップ218で停止要求コマンドにより転送が停止された旨のエラーコードをホスト30へ通知する。このときメモリ部20内のメールボックスに蓄積されているデータは全て保存される。
【0079】
このように転送エラー発生を検出し、その検出時にデータ転送を停止する手段を設けたことで、転送エラー発生時にデータ転送を円滑に終了させることができる。
【0080】
また、転送を中断されても転送中のデータはメモリに保存されるので、転送エラーが発生してもメールボックス内の機密性の高い重要文書の損失を防ぐことができる。
【0081】
また、転送エラーの要因を示すエラーコードがホスト30へ通知されるので、ホスト30のオペレータは停止要因を把握することができる。
【0082】
なお、上記第1〜第4実施形態では、本発明に係るファクシミリ装置10との間でデータやコマンドのやりとりを行うコンピュータとして、ホストコンピュータの例を挙げたが、上記コンピュータとしてはパーソナルコンピュータや中規模のコンピュータも適用可能である。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、ネットワーク接続されたコンピュータとの間のデータ転送中又はファクシミリ送信中における停止処理を円滑に行うことができる。
【0084】
特に、請求項1記載の発明によれば、コンピュータのオペレータが誤ってデータ送信要求を出した場合、コンピュータから停止要求コマンドを転送して実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止させることができるので、無駄なデータ転送やファクシミリ送信が続行されることを回避し、無駄な通信コストを省くことができる。また、停止指示手段によって停止指示された場合、停止指示があったことを一旦コンピュータに通知し、全ての場合においてコンピュータからの停止要求コマンドによりデータ転送やファクシミリ送信のプロセスを停止するよう制御するので、コンピュータ側にて停止処理を一元管理できる。
【0086】
また、請求項2記載の発明によれば、オペレータが、誤って必要でないデータをコンピュータへ転送指示した場合、該データ転送を停止指示することにより実行中のデータ転送を停止させることができるので、無駄なデータ転送が続行されることを回避できる。また、停止指示手段によって停止指示された場合、停止指示があったことを一旦コンピュータに通知し、全てコンピュータからの停止要求コマンドによりデータ転送のプロセスを停止させるので、コンピュータ側にて停止処理を一元管理できる。
【0087】
また、請求項記載の発明によれば、自端末からコンピュータへのデータ転送を停止させるときに、転送中のデータをメモリに保存するので、転送中のデータが消失してしまうことを未然に防止することができる。
【0088】
また、請求項記載の発明によれば、停止の要因を示すエラーコードをコンピュータへ通知するので、コンピュータ側のオペレータは停止の要因を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施形態におけるファクシミリ装置の全体構成図である。
【図2】第1実施形態における停止制御処理の処理ルーチンを示す流れ図である。
【図3】第2実施形態における停止制御処理の処理ルーチンを示す流れ図である。
【図4】第3実施形態における停止制御処理の処理ルーチンを示す流れ図である。
【図5】第4実施形態における停止制御処理の処理ルーチンを示す流れ図である。
【符号の説明】
10 ファクシミリ装置
12 操作部
14 制御部
18 画像処理部
20 メモリ部
30 ホストコンピュータ
32 通信回線

Claims (4)

  1. ネットワークを介して接続されたコンピュータとの間でデータ転送及びコマンドの送受信を行うと共に、前記コンピュータから転送されたデータをメモリに蓄積し、蓄積されたデータを他のファクシミリ装置へファクシミリ送信するファクシミリ装置であって、
    前記コンピュータからのデータ転送又はファクシミリ送信を停止指示するための停止指示手段と、
    前記コンピュータからのデータ転送中又はファクシミリ送信中に、前記コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止させ、前記コンピュータからのデータ転送中又はファクシミリ送信中に、前記停止指示手段により停止指示された場合、停止指示されたことを一旦前記コンピュータへ通知し、前記コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止させる停止制御手段と、
    を有するファクシミリ装置。
  2. ネットワークを介して接続されたコンピュータとの間でデータ転送及びコマンドの送受信を行うと共に、他のファクシミリ装置から受信したデータ又は操作部からの指示で読み取ったデータをメモリに蓄積し、蓄積されたデータを前記コンピュータへ転送するファクシミリ装置であって、
    前記コンピュータへのデータ転送を停止指示するための停止指示手段と、
    前記コンピュータへのデータ転送中に、前記コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送を停止させ、前記コンピュータへのデータ転送中に、前記停止指示手段により停止指示された場合、停止指示されたことを一旦前記コンピュータへ通知し、前記コンピュータから停止要求コマンドを受信した場合に、実行中のデータ転送を停止させる停止制御手段と、
    を有するファクシミリ装置。
  3. 前記停止制御手段によりデータ転送を停止させるときに、転送中のデータをメモリに保存するデータ保存手段をさらに有する請求項2に記載のファクシミリ装置。
  4. 実行中のデータ転送又は実行中のファクシミリ送信を停止させるときに、停止指示があった旨のエラーコード及び前記コンピュータからの停止要求コマンドにより停止された旨のエラーコードの何れかである停止の要因を示すエラーコードをコンピュータへ通知する通知手段をさらに有する請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のファクシミリ装置。
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