JP3580066B2 - 光学的情報再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学的情報再生装置に関するものであり、より詳しくは媒体上に集光される光ビームをトラック中心に沿って走行させるためのトラッキング制御手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量の映像情報やデータ情報を保存する手段として、ディジタルビデオディスク(以下「DVD」と称する)など光学的に情報を記録・再生する光ディスクが注目されている。この光ディスクには同心円状もしくはスパイラル状に1um前後のピッチでトラックが形成されており、そのトラック上に情報が局所的光学定数もしくは物理的形状の変化を利用して記録されている。
【0003】
このような記録形態の光ディスクから情報を高品質で再生するため、光ディスク装置は情報を読みとるための光スポットの集光位置を高精度に制御し、この光スポットが常にトラック上をトレースするようにしている。この光スポットの位置決め制御は2次元で行われており、光軸方向の制御はフォーカス制御手段、半径方向の制御はトラッキング制御手段が受け持つように構成されている。このような制御には、一般的に、光スポットの目標位置と現在位置との差つまり誤差量を求め、この誤差量が0になるようにフィードバック制御する方法が採用されている。
【0004】
この誤差量の検出は、通常光学的手段を利用して行われている。トラッキング制御に必要なトラッキングエラー信号の検出方式には、情報を再生するためのメインビームを利用する1スポット方式と補助ビームを利用する3スポット方式がある。1スポット方式では、プシュプル法、位相差法が実際の装置に採用されている。
【0005】
1スポット方式と3スポット方式を比較した場合、1スポット方式の方が光学系の簡素化が計れ、また、光の利用効率の面においても有利である。1スポット方式を用いてトラック上に情報が凸凹のピット(以下、「情報ピット」と称する。)の形態で記録された媒体からトラッキングエラーおよび情報を再生するということは、情報ピットの影響で生ずる光の回折の度合いを信号として検出することである。
【0006】
この回折の度合いは、情報ピットのピット深さに依存して変化することが知られている。ただし、トラッキングエラー信号が最大となるピット深さの条件と情報ピットからの再生信号が最大となるピット深さの条件が異なる。プシュプル法の場合を例に取ると、情報からの再生信号が最大となるピット深さ(λ/4,λ:光の波長)では、原理的にトラッキングエラーが検出できなくなる。
【0007】
また、光スポット径が一定の場合、媒体上の記録密度が高くなればなるほど、通常、隣り合うピットからの再生波形が干渉することにより生ずる波形干渉や隣接トラックからのクロストークの影響で再生信号品質が劣化する。このような媒体を再生する装置に関しては、信号検出性能の観点から、信号レベルとノイズレベルの比であるSNRを確保する必要がある。
【0008】
SNRが大きいと云うことは検出信号のジッタが小さく、検出エラーレートが低いと云うことを意味する。SNRを大きくするには、装置ノイズや媒体ノイズを一定と仮定すると、できるだけ再生信号レベルが大きくなるように各部のパラメータを設定することに他ならない。
【0009】
そのため、1スポット方式でトラッキングエラーを検出する方式として、情報ピットから再生される信号振幅が原理的に最大となるλ/4のピット深さの媒体に対してもトラッキングエラーの検出が可能な位相差法を採用している装置もある。この方式の原理については、特公昭56−30610号公報に開示されている。つぎに、位相差法によるトラッキングエラーの検出原理を概念的に説明する。
【0010】
図13は、位相差法によるトラッキングエラーの検出原理を説明するための図である。図において、(1)は情報ピットと光スポットの位置関係を示した図であり、光スポットがt0からt4の方向に移動する様子を示している。図中、光スポットの走行位置N点は再生対象トラックの中心を示す。また、L点は再生対象トラックと左側隣接トラックとの中間位置を示す。さらに、R点は再生対象トラックと右側隣接トラックとの中間位置を示す。
【0011】
図13(2)は、媒体からの反射光を検知して電気信号に変換するための光検知器を示す。この光検知器はトラック接線方向の分割線とこれに垂直の半径方向の分割線により4分割(A,B,C,D)されており、媒体からの反射光のファーフィールドパターンの中心がこの光検知器の中心に形成されるように光学系が設計されている。この4分割された光検知器の対角成分を加算することで得られる2つの検出信号(A+C)と(B+D)の間には、トラッキングエラー量に比例して位相差が生ずる。その様子を図13の(3)、(4)、(5)に示す。
【0012】
図13(3)は、光スポットの走査位置に応じて前記2つの検出信号間の位相関係が変化する様子を示す模式図である。左側の波形は、図13(1)中のL点を光スポットが走行したときの検出信号波形で、検出信号(A+C)が検出信号(B+D)に比べ位相が進んでいる様子を示す。また、真中の波形は、N点、つまり、トラック中心を光スポットが走行したときの検出信号波形で、検出信号
(A+C)と検出信号(B+D)が同位相である様子を示す。さらに、右側の波形は、R点を光スポットが走行したときの検出信号波形で、検出信号(A+C)が検出信号(B+D)に比べ位相が遅れている様子を示す。
【0013】
図13(4)は、光スポットの走査位置に応じて検出信号(A+C)と検出信号(B+D)の位相差を示している。図中、位相差はパルスの幅で示している。また、+側のパルスは検出信号(A+C)が検出信号(B+D)より進んでいる場合を示し、−側のパルスは逆に検出信号(A+C)が検出信号(B+D)より遅れている場合を示す。そして、検出信号(A+C)と検出信号(B+D)が同位相のときは、+側および−側共にパルスが出力されない状態になる。
【0014】
光スポットの走行位置に対する前記パルスの幅、つまり位相差量を図示したものが図13(5)であり、トラッキングエラー量に比例して変化する様子が理解できる。この位相差法を用いてトラッキングエラーを検出する従来の光学的情報再生装置については、特公平5−80054号公報に開示されている。
【0015】
つぎに、従来の光学的情報再生装置の構成について図14をもとに説明する。同図において、1は光ディスク、2はスピンドルモータ、3は光ヘッド、4は光ヘッドから出力される信号よりトラッキングエラー情報を検出するトラッキングエラー検出手段、5はトラッキングエラー検出手段4で検出されるトラッキングエラーをキャンセルするように光ヘッドから媒体に照射される光ビームの半径方向位置を制御するトラッキング制御手段、を示す。さらに、トラッキングエラー検出手段4は、第1の波形整形手段41、第2の波形整形手段42、第1の位相比較手段43、有効性判別手段44、位相差−電圧変換手段45で構成される。
【0016】
以上のように構成された従来例の光学的情報再生装置の動作を図14に従って説明する。光ヘッド3は光ディスク1に記録されている情報を検出し、検出信号(a)および(b)を出力する。これら2つの検出信号は、図13で説明した検出信号(A+C)と検出信号(B+D)に相当する。先にも説明したように、光ヘッド3は、光ビームの照射位置が情報トラック中心に対してズレを有するとき、前述の2つの検出信号間に位相差が生ずるように光学系が設計されている。
【0017】
第1の波形整形手段41は、前述の検出信号(a)から低周波成分を除去したのち2値化してディジタル検出信号(c)を出力する。同様に、第2の波形整形手段42は、前述の検出信号(b)から低周波成分を除去したのち2値化してディジタル検出信号(d)を出力する。
【0018】
有効性判別手段44は、2つのディジタル検出信号(c)および(d)が”Low”または”High”の同一状態から一方のディジタル検出信号だけが2回続けて状態反転して再び同一の状態になった場合、無効信号(e)を出力する。このように、一方のディジタル検出信号が変化しないにもかかわらず他方のディジタル検出信号が続けて状態反転するケースは、傷などに起因する大きな雑音が検出信号に混入した場合に起こり得る。第1の位相比較手段43は、前述の無効信号(e)が出力されない状態で2つのディジタル検出信号(c)および(d)間の位相を比較し、位相差信号(f)を出力する。
【0019】
位相差−電圧変換手段45は、時間情報として検出された前述の位相差信号
(f)を電圧信号に変換することで、トラッキングエラー信号を生成する。トラッキング制御手段5は、前述のトラッキングエラー信号で示されるトラッキングエラーをキャンセルするように光ヘッド3から光ディスク1に照射される光ビームの半径方向位置を制御し、光ビームが常にトラック中心を走行するようにする。
【0020】
図15は図14の各部の信号波形を示すものであり、波形(a)〜(f)は図14中の(a)〜(f)に対応する。以下、図15に基づいて従来例の光学的情報再生装置の動作をさらに詳しく説明する。
【0021】
光ヘッド3から出力される2つの検出信号(a)および(b)は、第1の波形整形手段41および第2の波形整形手段42により2値化され、ディジタル検出信号(c)および(d)に変換される。ディジタル検出信号(c)の状態反転部分をc1,c2およびc5とする。また、ディジタル検出信号(d)の状態反転部分をd1,d2,d3,d4およびd5とする。
【0022】
このとき、状態反転c1,c2およびc5は状態反転d1,d2およびd5と対になっている。これらの状態反転部分ではディジタル検出信号(c)がディジタル検出信号(d)に比べ位相が進んでいる。そのため、位相差信号(f)は、その位相差に相当する時間幅を有するパルスとしてプラス側に出力される。
【0023】
一方、ディジタル検出信号(d)の状態反転d3では、ディジタル検出信号(c)および(d)が共に”Low”の状態からディジタル検出信号(d)が先に状態を反転するので、第1の位相比較手段43はディジタル検出信号(d)がディジタル検出信号(c)より位相が進んでいると判断してマイナス側に位相差信号を出力しようとする。しかし、状態反転d3に対応するディジタル検出信号(c)の状態反転はなくディジタル検出信号(d)の状態反転d4が続いて現れるので、有効性判別手段44は状態反転d3、d4を無効と判断し無効信号(e)を立てる。この無効信号により、第1の位相比較手段43は状態反転d3、d4に基づく部分fを出力しないように処理する。
【0024】
以上のように、従来の光学的情報再生装置においては、2つのディジタル検出信号(c)および(d)が同一状態から一方のディジタル検出信号だけが2回続けて状態反転して再び同一の状態となるとき、傷などの欠陥に起因する異常状態が発生したと判断して位相差信号の出力を停止することで、大きな検出誤差が位相差信号に混入するのを低減し、トラッキング制御を安定化している。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の光学的情報再生装置では2つのディジタル検出信号が互いに等価な状態からどちらか一方のディジタル検出信号に状態反転が現れても、その有効性の判定は次の状態反転がどちらのディジタル検出信号に現れるかをみるまでわからない。そのため、有効性判別完了までの時間は媒体上に記録されているマーク長や欠陥等に起因する異常状態の長さに依存して変化することになる。このため、状態反転の有効性の判別が完了するまで位相差信号を蓄積しておくか、または遅延手段によって位相比較の動作を遅延させる必要があった。
【0026】
状態反転の有効性が判別できるまで位相差信号をコンデンサ等を使って電気的に蓄積しておく方法では、有効性の判別が終了するまでの時間が長くなればなるほど、コンデンサ等に蓄積された値が回路のリーク電流等により変動し、その変動分が誤差になるという問題があった。
【0027】
また、遅延手段によって位相比較の動作を遅延させる方法では、遅延時間の設定如何によっては、設定時間内に次の状態反転が現れない場合があり、この場合、位相比較器は位相差信号の出力を停止できなくなり、異常状態においてトラッキングエラー信号に大きな検出誤差が混入することになり、装置の信頼性を著しく低下させることになるという問題もあった。
【0028】
次に従来の光学的再生装置における他の問題点について述べる。図16は光学シミュレーションにより記録マークの長さと前記2つの検出信号間に発生する位相差との関係を表したものである。ただし、記録ピット深さがレーザ波長λの1/5、トラックオフセットがトラックピッチの1/2の条件による。図中、横軸は記録マークの長さを記録ピット長Tchで規格化したものである。この記録ピット長Tchは、ディスク上に記録されるデータの1ビット長に相当する。また、縦軸は前記2つの検出信号間に生ずる位相差を前記記録ピット長Tchで規格化したものである。この光学シミュレーションにおいては、山田 尚志著,”特集 DVD技術の現状を探る−DVD技術”,O plus E No.199(1996),pp.70−79 記載のパラメータを使用した。パラメータは、レーザ波長650nm,NA0.6,記録ピット長Tch0.133um,トラックピッチTp0.74umである。また、図の横軸である記録マークの長さとして、CD(Compact Disk)やDVDで使われる変調規則に基ずく値を用いる。この変調規則については、K.A.S.Immink著,”論文 DVDの記録容量を高める記録符号方式EFMPlus”,日経エレクトロニクス No.675(1996),pp.161−165 にその詳細が記載されている。この変調規則は、ランレングス(同一シンボル”1”または”0”の連続数をいう。)を2から10の範囲内に制限する特徴がある。そのため、記録マークの長さが最短で3Tch、最長で11Tchとなる。この光学シミュレーションの結果より、記録マークの長さが3Tchのように短い場合には前記2つの検出信号間に位相差が発生しないことがわかる。
また、実際の装置では、媒体の欠陥等により変調規則上発生し得ない再生マーク長(記録マークの長さが3Tch未満または12Tch以上)が検出される可能性もある。
【0029】
しかし、従来の光学的再生装置ではこのようなパターンを異常と判断して除去する機能はなく、そのため、このようなパターンが連続するケースではトラックズレが生じていたとしてもトラッキングエラー信号が得られない、または、欠陥に起因する外乱が混入するという問題も有していた。
【0030】
さらに、有効性判別のための時間設定が固定のため、データレートの変化する可変速再生には対応困難であるという問題もあった。
【0031】
この発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、位相差法によるトラッキングエラー信号を用いてトラッキングサーボ系を構築する光学的情報再生装置に関し、傷などに起因する異常状態が発生した場合においても、また、データレートが変化する場合においても良好なトラッキングエラー信号を生成しうるトラッキングエラー検出手段を得ることを目的とする。
【0032】
第1の目的は、記録マーク長や異常状態の長さに依存することなく有効性を判定することで、位相差法によるトラッキングエラーの検出精度を向上させる手段を得ることである。
【0033】
第2の目的は、2つのディジタル検出信号間の位相差情報が意味を持たない記録マーク周期の短いパターンまたは変調規則違反のパターンからの情報によるトラッキングエラー信号への外乱を除去することにより、位相差法によるトラッキングエラーの検出精度を向上させる手段を得ることである。
【0034】
第3の目的は、データレートの変化に対応可能なトラッキングエラー検出手段を得ることである。
【0035】
【課題を解決するための手段】
の発明に係る光学的情報再生装置のトラッキングエラー検出手段においては、光スポットのトラック中心からの変位量に応じて位相関係が変化する2つの検出信号を2値化した2つのディジタル検出信号の正および負のパルス幅がそれぞれ所定の範囲内にあり、かつ、前記2つのディジタル検出信号のうち一方のディジタル検出信号が状態反転したのち所定時間内に他方のディジタル検出信号が同一方向に状態反転した場合に、前記2つのディジタル検出信号間の位相差を検出してトラッキングエラー信号を得るようにしたものである。
上記構成によれば、媒体欠陥等に起因して発生する外乱がトラッキングエラー信号に混入するのを抑圧できるのに加えて、正常再生状態においても生じる不要情報の混入をも抑圧できるので、トラッキングエラーの検出能力が更に向上する。
【0036】
また、前記2つのディジタル検出信号間の状態反転を検出するための前記所定時間を最短マークの再生時間以下に設定するようにしたものである。
上記構成によれば、CDやDVDでは、変調規則上取りうる複数の記録マーク長に対して前記2つの検出信号はオーバーラップするので、前記所定時間を最短記録マークから再生されるパルス幅以下に設定することで、トラッキングエラー信号への外乱の混入を抑圧できる。
【0037】
また、前記所定時間をデータレートに応じた長さに設定するようにしたものである。
上記構成によれば、前記最短記録マークから再生されるパルス幅がデータレートに応じて変化しても、前記所定時間をデータレートに応じて変えることで、ディスクモータの回転数が整定する前に媒体から情報を再生する可変速再生や倍速以上の高速再生においても、トラッキングエラーの検出精度を維持できる。
【0038】
さらに、前記ディジタル検出信号のパルス幅の判定条件を、チャンネルビット周期の5倍以上で、かつ最長マーク長さ以下に設定するようにしたものである。
上記構成によれば、前記2つのディジタル検出信号間に位相差が発生しない短周期の記録マークからの情報、および変調規則上発生し得ない長さの記録マークからの情報がトラッキングエラー信号に外乱として混入するのを防止でき、トラッキングエラーの高精度検出が可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。ただし、実施例において従来例と同一番号を付したブロックについては図14に示した従来例の光学的情報再生装置と基本的に同じものであり、詳細説明は省略する。
【0040】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である光学的情報再生装置を示す図である。図中、1は光ディスク、2はスピンドルモータ、3は光ヘッド、4は光ヘッドから出力される信号よりトラッキングエラー情報を検出するトラッキングエラー検出手段、5はトラッキングエラー検出手段4で検出されるトラッキングエラーをキャンセルするように光ヘッドから媒体に照射される光ビームの半径方向位置を制御するトラッキング制御手段、を示す。さらに、トラッキングエラー検出手段4は、第1の波形整形手段41、第2の波形整形手段42、位相差判定手段46、第2の位相比較手段47、位相差−電圧変換手段45で構成される。さらにまた、位相差−電圧変換手段45は、チャージポンプ手段451、ローパスフィルタ(以下「LPF」と称する)452で構成される。
【0041】
以上のように構成された実施例の光学的情報再生装置の動作を図1に従って説明する。光ヘッド3は光ディスク1に記録されている情報を検出し、検出信号(a)および(b)を出力する。これら2つの検出信号は、図13で説明した検出信号(A+C)と検出信号(B+D)に相当する。この光ヘッド3は、光ビームの照射位置が情報トラック中心に対してズレを有するとき、前述の2つの検出信号間に位相差が生ずるように光学系が設計されている。
【0042】
第1の波形整形手段41は、前述の検出信号(a)から低周波成分を除去したのち2値化してディジタル検出信号(c)を出力する。同様に、第2の波形整形手段42は、前述の検出信号(b)から低周波成分を除去したのち2値化してディジタル検出信号(d)を出力する。
【0043】
位相差判定手段46は、2つのディジタル検出信号(c)および(d)のうちどちらか一方のディジタル検出信号が状態反転したのち所定時間内に他方のディジタル検出信号が同一方向に状態反転する場合、前記2つのディジタル検出信号を有効と判定し、当該エッジ情報(h)および(i)を出力する。
【0044】
第2の位相比較手段47は、前記2つのエッジ情報(h)および(i)からエッジ間の位相差を検出し、次段のチャージポンプ手段451を駆動する2つの駆動信号(PU)および(PN)を出力する。ここで、駆動信号(PU)は、エッジ情報(h)がエッジ情報(i)に比べ進んでいることを示す信号であり、そのパルス幅は進み時間に相当する。また、駆動信号(PN)は、エッジ情報(h)がエッジ情報(i)に比べ遅れていることを示す信号であり、そのパルス幅は遅れ時間に相当する。
【0045】
チャージポンプ手段451は、駆動信号(PU)のパルス幅の時間だけソース用の電流源を駆動することでLPF452を構成するコンデンサに電荷を蓄積(充電)し、また、駆動信号(PN)のパルス幅の時間だけシンク用の電流源を駆動し前記コンデンサから電荷を引き抜く(放電)ことで、時間情報である位相差を電気信号である電圧に変換する。
【0046】
また、LPF452は、チャージポンプ手段451のパルス出力を平滑化することでトラッキングサーボ手段にとって不要な高域の周波数成分を取り除き、トラッキングエラー信号(TES)を生成する。
【0047】
トラッキング制御手段5は、前述のトラッキングエラー信号(TES)で示されるトラッキングエラーをキャンセルするように光ヘッド3から光ディスク1に照射される光ビームの半径方向位置を制御し、光ビームが常にトラック中心を走行するようにする。
【0048】
図2は図1の同一記号を付した各部の信号波形を示すものである。また、記号(ア)〜(セ)は、位相差判定手段46の内部信号を示す。以下、図2に基づいて実施の形態1の光学的情報再生装置の動作をさらに詳しく説明する。
【0049】
光ヘッド3から出力される2つの検出信号(a)および(b)は、第1の波形整形手段41および第2の波形整形手段42により2値化され、ディジタル検出信号(c)および(d)に変換される。ディジタル検出信号(c)の状態反転部分をc1,c2,c5,c6,c7およびc8とする。また、ディジタル検出信号(d)の状態反転部分をd1,d2,d3,d4,d5,d6,d7およびd8とする。
【0050】
このとき、状態反転c1,c2,c5,c6,c7およびc8は、状態反転d1,d2,d5,d6,d7およびd8と対になっている。ここで、ディジタル検出信号(c)の状態反転c1,c2およびc5は、ディジタル検出信号(d)の状態反転d1,d2およびd5に比べ位相が進んでいる状態を示している。また、ディジタル検出信号(c)の状態反転c6,c7およびc8は、ディジタル検出信号(d)の状態反転d6,d7およびd8に比べ位相が遅れている状態を示している。
【0051】
次に、位相差判定手段46に上述のディジタル検出信号が入力された場合の動作を説明する。ディジタル検出信号に状態反転(エッジ)が生ずると、位相差判定手段46は立上りおよび立下り個々のエッジを起点として所定時間Tのゲートを生成する。ディジタル検出信号(c)の立上りエッジを起点としたゲート信号を図2(ア)に示す。また、ディジタル検出信号(c)の立下りエッジを起点としたゲート信号を図2(ツ)に示す。ディジタル検出信号(d)の立上りエッジを起点としたゲート信号を図2(エ)に示す。また、ディジタル検出信号(d)の立下りエッジを起点としたゲート信号を図2(テ)に示す。
【0052】
ディジタル検出信号(c)の立上りエッジがディジタル検出信号(d)の立上りエッジに比べ進んでいる状態(c1とd1、c5とd5の部分)について位相判定手段46の動作を説明する。 図2(ア)に示すゲート信号のイネーブル期間(パルス幅Tの”High”期間)中にディジタル検出信号(d)の立上りエッジが生ずる場合、つまりディジタル検出信号(c)が状態反転したのち所定時間T内にディジタル検出信号(d)が同一方向に状態反転する場合、図2(エ)のゲート信号の立上りエッジで”High”(または”1”)をセットし、図2(ア)のゲート信号の立下りエッジで”Low”(または”0”)にリセットし、図2(ケ)に示す信号を生成する。これは、ディジタル検出信号(c)が”Low”から”High”に状態反転したのち所定時間T内にディジタル検出信号(d)が同一方向に状態反転するとき、図2(ケ)の立下りエッジにディジタル検出信号(c)の立上りエッジの位置情報が投影されることを意味する。
また、ディジタル検出信号(c)の立上りエッジがディジタル検出信号(d)の立上りエッジに比べ遅れている状態(c7とd7の部分)について位相判定手段46の動作を説明する。図2(エ)に示すゲート信号の”High”期間中にディジタル検出信号(c)の立上りエッジが生ずる場合、つまりディジタル検出信号(d)が状態反転したのち所定時間T内にディジタル検出信号(c)が同一方向に状態反転する場合、図2(エ)のゲート信号の立下りエッジで”High”(または”1”)をセットし、図2(ア)のゲート信号の立下りエッジで”Low”(または”0”)にリセットし、図2(ケ)に示す信号を生成する。
【0053】
同様の方法で、ディジタル検出信号(c)の立上りエッジと対の関係になるディジタル検出信号(d)の立上りエッジを処理した結果を図2(シ)に示す。この信号は、ディジタル検出信号(c)の立上りエッジがディジタル検出信号(d)の立上りエッジに比べ進んでいる状態(c1とd1、c5とd5の部分)では、図2(ア)に示すゲート信号が”High”の期間にディジタル検出信号(d)の立上りエッジが生ずる場合、図2(ア)の立下りエッジのタイミングで”High”にセットされ、図2(エ)の立下りエッジのタイミングで”Low”にリセットされる。
また、図2(シ)の信号は、ディジタル検出信号(c)の立上りエッジがディジタル検出信号(d)の立上りエッジに比べ遅れている状態(c7とd7の部分)では、図2(エ)に示すゲート信号の”High”期間中にディジタル検出信号(c)の立上りエッジが生ずる場合、図2(ア)の立上りエッジのタイミングで”High”にセットされ、図2(エ)の立下りエッジのタイミングで”Low”にリセットされる。
【0054】
また、ディジタル検出信号(c)の立下りエッジを処理した結果を図2(ス)に示す。さらに、ディジタル検出信号(c)の立下りエッジと対の関係になるディジタル検出信号(d)の立下りエッジを処理した結果を図2(セ)に示す。
【0055】
2つのディジタル検出信号が所定時間T内に同一方向に状態反転する場合のディジタル検出信号(c)の立上りエッジおよび立下りエッジの位置情報は、図2(ケ)および(ス)に示す信号の論理和を取ることによりに図2(h)に示す信号の立下りエッジに投影される。
【0056】
また、2つのディジタル検出信号が所定時間T内に同一方向に状態反転する場合のディジタル検出信号(d)の立上りエッジおよび立下りエッジの位置情報は、図2(シ)および(セ)に示す信号の論理和を取ることによりに図2(i)に示す信号の立下りエッジに投影される。
【0057】
上記の処理により媒体欠陥などで一方のディジタル検出信号にしか出力が現れないケース、また、所定時間T内に2つのディジタル検出信号が同一方向に状態反転しないケースでは、位相差判定手段46は異常状態が生じたとして信号(h)と(i)の出力を停止し、次段の第2の位相比較手段47が位相差を誤検出するのを防止する。
【0058】
異常状態での動作の一例として、図2(d)中の状態反転d3とd4間のパルス部分を用いて説明する。この状態はディジタル検出信号(d)だけに検出パルスがあり、それに対応すべき検出パルスがディジタル検出信号(c)に検出されないケースである。この場合、状態反転d3およびd4に対するディジタル検出信号(c)の状態反転が一定時間T内に生じ得ないので、位相差判定手段46は信号(h)と(i)にパルスを出力しない。
【0059】
第2の位相比較手段47は、位相差判定手段46の出力(h)および(i)の立下りエッジ間の位相差を検出し、次段のチャージポンプ手段451を駆動する2つの駆動信号(PU)および(PN)を出力する。ここで、駆動信号(PU)は信号(h)の立下りエッジが信号(i)の立下りエッジに比べ進んでいることを示す信号であり、そのパルス幅は進み時間に相当する。また、駆動信号(PN)は、信号(h)の立下りエッジが信号(i)の立下りエッジに比べ遅れていることを示す信号であり、そのパルス幅は遅れ時間に相当する。
【0060】
チャージポンプ手段451は、駆動信号(PU)のパルス幅の時間だけソース用の電流源を駆動することでLPF452を構成するコンデンサに電荷を蓄積(充電)し、また、駆動信号(PN)のパルス幅の時間だけシンク用の電流源を駆動し前記コンデンサから電荷を引き抜く(放電)ことで、時間情報である位相差を電気信号である電圧に変換する。
【0061】
また、LPF452は、チャージポンプ手段451のパルス出力を平滑化することでトラッキングサーボ手段にとって不要な高域の周波数成分を取り除き、トラッキングエラー信号(TES)を生成する。
【0062】
トラッキング制御手段5は、前述のトラッキングエラー信号(TES)で示されるトラッキングエラーをキャンセルするように光ヘッド3から光ディスク1に照射される光ビームの半径方向位置を制御し、光ビームが常にトラック中心を走行するようにする。
【0063】
以上のように、実施の形態1の光学的情報再生装置においては、傷などの欠陥に起因する異常状態が発生した場合、位相差を検出するための信号を第2の位相比較手段47に入力しないので、位相差の誤検出を防止できる。これにより、トラッキングエラー信号への外乱の混入を抑圧でき、トラッキング制御が安定化できる。
【0064】
つぎに、図3に位相差判定手段46の具体的な回路例を示す。図中、461は立上りエッジ位相差判定手段、462は立下りエッジ位相差判定手段、463は第1のインバータ、464は第2のインバータ、465は第1のOR手段、466は第2のOR手段、を示す。
【0065】
ここで、立上りエッジ位相差判定手段461は、100は第1のフリップフロップ(FF)、101は第1の遅延手段、102は第2のFF、103は第2の遅延手段、104は第3のFF、105は第4のFF、106は第3のOR手段、107は第5のFF、108は第6のFF、109は第4のOR手段、で構成されている。また、立下りエッジ位相差判定手段462は、立上りエッジ位相差判定手段461と同一回路である。
【0066】
図4は、図3の各部の信号波形を示す図である。図4中に付した各記号の信号波形は、図3中の同一記号を付した部分の信号波形を示す。以下に、位相差判定手段46の動作を図4に基づいて説明する。
【0067】
光ヘッド3から出力される2つの検出信号(a)および(b)は、第1の波形整形手段41および第2の波形整形手段42により2値化され、ディジタル検出信号(c)および(d)に変換される。ディジタル検出信号(c)の状態反転部分をc1,c2,c5,c6,c7およびc8とする。また、ディジタル検出信号(d)の状態反転部分をd1,d2,d3,d4,d5,d6,d7およびd8とする。
【0068】
このとき、状態反転c1,c2,c5,c6,c7およびc8は、状態反転d1,d2,d5,d6,d7およびd8と対になっている。ここで、ディジタル検出信号(c)の状態反転c1,c2およびc5は、ディジタル検出信号(d)の状態反転d1,d2およびd5に比べ位相が進んでいる状態を示している。また、ディジタル検出信号(c)の状態反転c6,c7およびc8は、ディジタル検出信号(d)の状態反転d6,d7およびd8に比べ位相が遅れている状態を示している。
【0069】
また、ディジタル検出信号(d)の状態反転d3およびd4の部分は、それに対応するディジタル検出信号(c)の状態反転がない異常状態を示している。
【0070】
まず、立上りエッジ位相差判定手段461の動作について説明する。第1のFF100のQ出力(ア)は、クロック入力端子に入力される第1の波形整形手段41の出力パルス(c)の立上りエッジのタイミングで”High”(または”1”)に変化する。また、/Q出力(イ)は同一のタイミングで”Low”(または”0”)に変化する。第1の遅延手段101は、/Q出力(イ)を所定時間T遅延させ、波形(ウ)を出力する。第1のFF100は、波形(ウ)の立下りエッジのタイミングでQ出力(ア)を”High”から”Low”に変化させる。これにより、第1のFF100の出力にはディジタル検出信号(c)の立上りエッジを起点としたパルス幅Tのゲート信号が出力される。
【0071】
また、第2のFF102も第1のFF100と同一動作を行い、その出力(エ)および(オ)にはディジタル検出信号(d)の立上りエッジを起点としたパルス幅Tのゲート信号が出力される。第2の遅延手段103は、/Q出力(オ)を一定時間T遅延させ、波形(カ)を出力する。
【0072】
第3のFF104のQ出力(キ)は、第1のFF100のQ出力(ア)が”High”の期間つまりディジタル検出信号(c)の立上りエッジから一定時間T以内に第2のFF102のQ出力(エ)の立上りエッジが生じた場合、このエッジのタイミングで”High”に変化する。その後、第3のFF104のQ出力(キ)は第1の遅延手段101の出力(ウ)の立下りエッジのタイミングで”Low”に変化する。
【0073】
第3のFF104のQ出力(キ)信号の意味するところは、ディジタル検出信号(c)が”Low”から”High”に変化したのち所定時間T以内にディジタル検出信号(d)が”Low”から”High”に変化する場合を2つのディジタル検出信号の状態反転が正常だと判断し、ディジタル検出信号(c)の立上りエッジの情報を所定時間T遅延させて出力することを示している。
【0074】
同様の動作が第4のFF105、第5のFF107、および第6のFF108でも実行されている。各FFの出力信号が示す意味はつぎのようになる。第4のFF105のQ出力(ク)には、ディジタル検出信号(d)が”Low”から”High”に変化したのち所定時間T以内にディジタル検出信号(c)が”Low”から”High”に変化するとき、ディジタル検出信号(c)の立上りエッジの情報が所定時間T遅延したものが出力される。
【0075】
また、第5のFF107のQ出力(コ)には、ディジタル検出信号(d)が”Low”から”High”に変化したのち一定時間T以内にディジタル検出信号(c)が”Low”から”High”に変化するとき、ディジタル検出信号(d)の立上りエッジの情報が所定時間T遅延したものが出力される。
【0076】
さらに、第6のFF108のQ出力(サ)には、ディジタル検出信号(c)が”Low”から”High”に変化したのち一定時間T以内にディジタル検出信号(d)が”Low”から”High”に変化するとき、ディジタル検出信号(d)の立上りエッジの情報が一定時間T遅延したものが出力される。
【0077】
第3のOR手段106は、第3のFF104のQ出力(キ)と第4のFF105のQ出力(ク)の論理和を取ることにより、2つのディジタル検出信号の立上りエッジが一定時間T以内にあるときのディジタル検出信号(c)の立上りエッジ情報(ケ)を出力する。
【0078】
また、第4のOR手段109は、第5のFF107のQ出力(コ)と第6のFF108のQ出力(サ)の論理和を取ることにより、2つのディジタル検出信号の立上りエッジが所定時間T以内にあるときのディジタル検出信号(d)の立上りエッジ情報(シ)を出力する。
【0079】
つぎに、立下りエッジ位相差判定手段462の動作について説明する。立下りエッジ位相差判定手段462には、2つのディジタル検出信号(c)および(d)が第1のインバータ463および第2のインバータ464で反転され入力される。立下りエッジ位相差判定手段462の回路構成は前述の立上りエッジ位相差判定手段461と同一であるため、その出力端には前記2つのディジタル検出信号の立下りエッジが一定時間T以内にあるときのディジタル検出信号(c)の立下りエッジ情報(ス)およびディジタル検出信号(d)の立下りエッジ情報(セ)が出力される。
【0080】
第1のOR手段465は、ディジタル検出信号(c)の立上りエッジ情報(ケ)と立下りエッジ情報(ス)の論理和をとることで、2つのディジタル検出信号のうち一方のディジタル検出信号が状態反転したのち所定時間T内に他方のディジタル検出信号が同一方向に状態反転する場合、ディジタル検出信号(c)のエッジ情報(h)を出力する。
【0081】
また、第2のOR手段466は、ディジタル検出信号(d)の立上りエッジ情報(シ)と立下りエッジ情報(セ)の論理和をとることで、2つのディジタル検出信号のうち一方のディジタル検出信号が状態反転したのち一定時間T内に他方のディジタル検出信号が同一方向に状態反転する場合、ディジタル検出信号(d)のエッジ情報(i)を出力する。
【0082】
上記の処理により、媒体欠陥などで一方のディジタル検出信号にしか出力が現れないケース、また、一定時間T内に2つのディジタル検出信号が同一方向に状態反転しないケースでは、位相差判定手段46は異常状態が生じたとして信号(h)と(i)の出力を停止し、次段の第2の位相比較手段47が位相差を誤検出するのを防止する。
【0083】
異常状態での動作の一例として、図4(d)中の状態反転d3とd4間のパルス部分を用いて説明する。この状態はディジタル検出信号(d)だけに検出パルスがあり、それに対応すべき検出パルスがディジタル検出信号(c)に検出されないケースである。この場合、状態反転d3およびd4に対するディジタル検出信号(c)の状態反転が一定時間T内に生じ得ないので、位相差判定手段46は信号(h)と(i)にパルスを出力しない。
【0084】
つぎに、図5に位相差判定手段46と第2の位相比較手段47を一体化した回路の具体例を示す。図中、200は立上りエッジ位相差判定−比較手段、201は立下りエッジ位相差判定−比較手段、463は第1のインバータ、464は第2のインバータ、202は第5のOR手段、203は第6のOR手段、を示す。
【0085】
ここで、立上りエッジ位相差判定−比較手段200は、100は第1のフリップフロップ(FF)、101は第1の遅延手段、102は第2のFF、103は第2の遅延手段、114は第7のOR手段、115は第8のOR手段、116は第7のFF、117は第8のFF手段、118はNAND手段、119は第3の遅延手段、120は第4の遅延手段、で構成されている。また、立下りエッジ位相差判定−比較手段201は、立上りエッジ位相差判定−比較手段200と同一回路である。
【0086】
図6は、図5の各部の信号波形を示す図である。図6中に付した各記号の信号波形は、図5中の同一記号を付した部分の信号波形を示す。以下に、立上りエッジ位相差判定−比較手段200の動作を図6に基づいて説明する。
【0087】
第1のFF100のQ出力(ア)は、クロック入力端子に入力される第1の波形整形手段41の出力パルス(c)の立上りエッジのタイミングで”High”に変化する。また、/Q出力は同一のタイミングで”Low”に変化する。第1の遅延手段101は/Q出力を一定時間T遅延させる。第1のFF100は、第1の遅延手段101出力の立下りエッジのタイミングでQ出力(ア)を”High”から”Low”に変化させる。これにより、第1のFF100のQ出力(ア)および/Q出力にはディジタル検出信号(c)の立上りエッジを起点としたパルス幅Tのゲート信号が出力される。
【0088】
また、第2のFF102も第1のFF100と同一動作を行い、そのQ出力
(エ)および/Q出力にはディジタル検出信号(d)の立上りエッジを起点としたパルス幅Tのゲート信号が出力される。
【0089】
第1のFF100のQ出力(ア)は第8のOR手段115の一方の入力端子に入力される。OR手段115の他方の入力端子には第7のFF116のQ出力(ソ)が入力される。また、第2のFF102のQ出力(エ)は第7のOR手段114の一方の入力端子に入力される。第7のOR手段114の他方の入力端子には第8のFF117のQ出力(タ)が入力される。
【0090】
第7のFF116のD入力端子には第7のOR手段114の出力が入力され、クロック入力端子には第1のFF100の/Q出力が第3の遅延手段119を経て入力され、リセット入力端子にはNAND手段118の出力が入力される。また、第8のFF117のD入力端子には第8のOR手段115の出力が入力され、クロック入力端子には第2のFF102の/Q出力が第4の遅延手段120を経て入力され、リセット入力端子にはNAND手段118の出力が入力される。ここで、第3の遅延手段119は、第7のFF116のD入力端子とクロック入力端子に入力される信号のタイミングを調節するためのものである。また、第4の遅延手段120も同様の目的で配している。
【0091】
第7のFF116のQ出力(ソ)は第5のOR手段202の一方の入力端子、NAND手段118の一方の入力端子、および前述のように第8のOR手段115の一方の入力端子に入力される。また、第8のFF117のQ出力(タ)は第6のOR手段203の一方の入力端子、NAND手段118の他方の入力端子、および前述のように第7のOR手段114の一方の入力端子に入力される。
【0092】
以上の構成を取ることにより、2つのディジタル検出信号(c)と(d)の立上りエッジ間の位相差を検出する。ディジタル検出信号(c)がディジタル検出信号(d)に比べて進んでいる場合は、第7のFF116のQ出力信号(ソ)のパルス幅が第8のFF117のQ出力信号(タ)のパルス幅より広くなり、これら2つのパルス幅の差が位相差を示すことになる。また、逆にディジタル検出信号(d)がディジタル検出信号(c)に比べて進んでいる場合は、第8のFF117のQ出力(タ)のパルス幅が第7のFF116のQ出力信号(ソ)のパルス幅より広くなり、これら2つのパルス幅の差が位相差を示すことになる。
【0093】
この回路の特長は、回路内の遅延が原因で生ずる不感帯(位相差比較の課程で2つの信号間に位相差があっても検出信号の出力されない領域)を低減する構成にしたことである。つまり、NAND手段118により第7のFF116および第8のFF117のリセット信号を遅延させることで、位相差が0の場合でも必ず第7のFF116のQ出力(ソ)および第8のFF117のQ出力(タ)に該遅延させる時間幅の最小パルスを出力するようにしている。
【0094】
立下りエッジ位相差判定−比較手段201は上述の立上りエッジ位相差判定−比較手段200と同一構成の回路であり、動作も同じである。ただし、入力信号が異なり、2つのディジタル検出信号(c)および(d)が第1のインバータ463および第2のインバータ464でそれぞれ反転されて入力される。つまり、立下りエッジ位相差判定−比較手段201は、2つのディジタル検出信号(c)および(d)の立下りエッジ間の位相差を検出することになり、出力信号(ト)および(ナ)を出力する。
【0095】
立上りエッジ位相差判定−比較手段200の出力信号(ソ)および(タ)と立下りエッジ位相差判定−比較手段201の出力信号(ト)および(ナ)は、第5のOR手段202と第6のOR手段203により、出力信号(ソ)と(ト)および出力信号(タ)と(ナ)がそれぞれ論理加算され、次段のチャージポンプ手段451を駆動するための2つの駆動信号(PU)および(PN)に変換される。
【0096】
ここで説明した回路構成により、2つのディジタル検出信号のうち一方のディジタル検出信号が状態反転したのち所定時間T内に他方のディジタル検出信号が同一方向に状態反転する場合、ディジタル検出信号(c)と(d)の位相差を検出することが可能となる。さらに、位相差比較時に生ずる不感帯の低減も併せて実現できる。
【0097】
つぎに、位相差判定手段46を構成する第1の遅延手段101、第2の遅延手段103の具体例を示す。以下の説明では便宜上第1の遅延手段101の動作について説明する。第1の遅延手段101は、301はトランジスタ(TR)、302は第1の電流源、303は第2のコンデンサ、304はコンパレータ、で構成されている。また、100は前記第1のFFを示す。この回路の動作を図7中の各部の波形を示す図8に従って説明する。
【0098】
第1のFF100は、第1の波形整形手段41の出力信号(c)の立上りエッジのタイミングでQ出力を”High”にし、/Q出力を”Low”にする(図8(ア)、(イ))。この/Q出力は、トランジスタ301のベースに入力される。トランジスタ301のエミッタ電位は、前記/Q出力が”Low”になると、第1の電流源302の電流と第2のコンデンサ303の容量で決まる時定数で漸減する。この様子を図8(ニ)に示す。
【0099】
コンパレータ304はトランジスタ301のエミッタ電位を比較電圧Vthと比較し、前記エミッタ電位が比較電圧Vth以下の領域で信号”Low”となる。この様子を図8(ウ)に示す。このコンパレータ304の出力(ウ)は第1のFF100のリセット端子に接続されており、コンパレータ304の出力(ウ)が”Low”のとき第1のFF100のQ出力は”Low”に、/Q出力は”High”になる(図8(ア)、(イ))。
【0100】
この第1のFF100のQ出力および/Q出力のパルス幅が第1の遅延手段101で生じた遅延量を示す。この遅延量は、第1の電流源302の電流量または第2のコンデンサ303の容量により、任意に設定できる。
【0101】
ここで、図9に示すように、第1の電流源302を外部からのコントロール信号で電流量が制御できる電流可変型にすることにより、遅延手段の遅延量は任意に設定可能となる。この機能を利用することで、再生速度に応じて遅延量を最適化でき、可変速再生が可能となる。
【0102】
第1の電流源302の電流量の制御はD/Aコンバータ(DAC)を使えば簡単に実現できる。また、コントロール信号は、マイクロプロセッサやディジタルシグナルプロセッサ等コントローラでデータ再生クロック周波数を情報として処理することで容易に生成できる。つまり、コントローラは、データ再生クロック周波数より再生速度を求め、その再生速度に対して最適な電流量を設定するためのコントロール信号を計算やテーブルを参照することにより導出すればよい。また、トラックアドレスやセクタアドレスを表すヘッダ情報がユーザ情報と分離して記録されている媒体を再生する場合、コントローラがコントロール信号を求めるための情報源としてヘッダ部の周期を利用してもよい。
【0103】
つぎに、位相差−電圧変換手段45のより詳しい具体例を図10に示す。ここでは、上述の可変速再生に対応するための機能やトラッキングエラー信号のバランスを調整する機能を付加したものについて説明する。図中、451はチャージポンプ手段、452はLPF、453はバランス判定手段、454はコントローラ、455は基準電流生成手段、を示す。また、チャージポンプ手段451は、第2の電流源400、第1のスイッチ手段401、第2のスイッチ手段402、第3の電流源403、で構成されている。
【0104】
以上のように構成された位相差−電圧変換手段45の動作を説明する。チャージポンプ手段451は第2の位相比較手段47の出力信号PUとPNにより第1のスイッチ手段401および第2のスイッチ手段403を駆動することで、LPF452を構成するコンデンサを充放電する。つまり、第1のスイッチ手段401は駆動信号(PU)のパルス幅の時間だけスイッチをショートし、第2の電流源400から電流を前記コンデンサに流し込み充電する。また、第2のスイッチ手段402は駆動信号(PN)のパルス幅の時間だけスイッチをショートし、第3の電流源403で前記コンデンサから電流を吸い取り放電する。
【0105】
さらに、LPF452は、チャージポンプ手段451の出力パルスを平滑化し、トラッキングエラー信号(TES)として前述のトラッキング制御手段5に出力する。ここで、トラッキングエラー信号(TES)の理想状態は、図11(a)に示すように、基準レベル(図中鎖線で示す)に対して上下対称の波形となることである。しかし、前記光ヘッド1を構成する光学系のバランスズレ、第2の電流源400と第3の電流源403間の電流量のバランスズレ等により、図11(b)および(c)に示すように、トラッキングエラー信号(TES)は上下非対称になる。このようにトラッキングエラー信号(TES)が非対称波形になると、振幅レベルの小さい側の制御マージンが低下し、トラッキング性能が劣化する。
【0106】
バランス判定手段453はトラッキングエラー信号(TES)のバランスズレを検出し、その情報をコントローラ454に出力する。コントローラ454はバランス判定手段453からのバランスズレ情報を処理し、バランスズレを補正するための信号を基準電流生成手段455に出力する。基準電流生成手段455はコントローラ454からの信号に応じて第2の電流源400と第3の電流源403の電流バランスを可変することでトラッキングエラー信号(TES)のバランスズレを補正する。このとき、第2の電流源400の電流量と第3の電流源403の電流量の和は一定である。
【0107】
また、基準電流生成手段455はコントローラ454からの制御信号により、第2の電流源400の電流量と第3の電流源403の電流量の和を制御できるようにもなっている。この電流量の和は前述の遅延手段の遅延量同様、再生速度に応じて最適化する必要がある。その理由は、トラックズレ量と前記2つの検出信号間に発生する位相差量の関係が同じトラックズレ量の場合でも再生速度に応じて変化するからである。
【0108】
たとえば、前記2つの電流源の電流量の和が一定、またトラックズレ量が一定の場合を想定して説明すると、再生速度が早くなれば2つの検出信号間に発生する位相差量が小さくなり、結果としてトラッキングエラー信号(TES)の信号レベルが小さくなる。逆に、再生速度が遅くなれば2つの検出信号間に発生する位相差量が大きくなり、結果としてトラッキングエラー信号(TES)の信号レベルが大きくなる。
【0109】
しかしながら、トラッキングエラー信号(TES)は再生速度に依存せず、トラックズレ量と信号レベルの関係を一定に保つ必要がある。そのため、コントローラ454は外部からの情報(以下「INFO」と称する。)を用いて再生速度を求め、基準電流生成手段455を制御し前記2つの電流源の電流量の和を再生速度に比例するようコントロールする。INFOとしては、前述のように再生クロック周波数やヘッダ部の周期等を利用すればよい。
【0110】
位相差−電圧変換手段45を上記の構成にすることで、光学系や電流源のバランスズレに起因するトラッキングエラー信号波形の非対称性を補正でき、また再生速度の変化に関係なくトラックズレ量とトラッキングエラー信号(TES)振幅を一定にでき、トラッキング性能の安定化および可変速再生を可能にする。
【0111】
実施の形態2.
図12は、この発明の実施の形態2である光学的情報再生装置を示す図である。図中、1は光ディスク、2はスピンドルモータ、3は光ヘッド、4は光ヘッドから出力される信号よりトラッキングエラー情報を検出するトラッキングエラー検出手段、5はトラッキングエラー検出手段4で検出されるトラッキングエラーをキャンセルするように光ヘッドから媒体に照射される光ビームの半径方向位置を制御するトラッキング制御手段、を示す。さらに、トラッキングエラー検出手段4は、第1の波形整形手段41、第2の波形整形手段42、パルス幅判定手段48、位相差判定手段46、第2の位相比較手段47、位相差−電圧変換手段45で構成される。
【0112】
以上のように構成された実施例の光学的情報再生装置の動作を図12に従って説明する。基本的には図1の説明と同様である。ただ、図1の構成との相違点は、第1の波形整形手段41および第2の波形整形手段42と位相差判定手段46の間にパルス幅判定手段48が挿入されていることである。
【0113】
光ヘッド3は光ディスク1に記録されている情報を検出し、検出信号(a)および(b)を出力する。これら2つの検出信号は、図13で説明した検出信号(A+C)と検出信号(B+D)に相当する。この光ヘッド3は、光ビームの照射位置が情報トラック中心に対してズレを有するとき、前述の2つの検出信号(a)および(b)間に位相差が生ずるように光学系が設計されている。
【0114】
第1の波形整形手段41は、前述の検出信号(a)から低周波成分を除去したのち2値化してディジタル検出信号(c)を出力する。同様に、第2の波形整形手段42は、前述の検出信号(b)から低周波成分を除去したのち2値化してディジタル検出信号(d)を出力する。
【0115】
パルス幅判定手段48は、2つのディジタル検出信号(c)および(d)各々に対して、光学特性により原理的に前記2つのディジタル検出信号間に位相差が発生しない短周期マークからのディジタル検出信号、および変調規則上発生し得ないマークからのディジタル検出信号を除去する処理を施した後、信号(c’)および(d’)として位相差判定手段46に出力する。
【0116】
位相差判定手段46は、前記信号(c’)および(d’)のうちどちらか一方の信号が状態反転したのち一定時間内に他方の信号が同一方向に状態反転する場合、信号(c’)および(d’)を有効と判定し、当該エッジ情報(h)および(i)を出力する。
【0117】
第2の位相比較手段47は、前記2つのエッジ情報(h)および(i)からエッジ間の位相差を検出し、次段の位相差−電圧変換手段45を駆動する2つの駆動信号(PU)および(PN)を出力する。ここで、駆動信号(PU)は、エッジ情報(h)がエッジ情報(i)に比べ進んでいることを示す信号であり、そのパルス幅は進み時間に相当する。また、駆動信号(PN)は、エッジ情報(h)がエッジ情報(i)に比べ遅れていることを示す信号であり、そのパルス幅は遅れ時間に相当する。
【0118】
位相差−電圧変換手段45は、たとえば図1で説明したチャージポンプ手段で構成されている場合、駆動信号(PU)のパルス幅の時間だけソース用の電流源を駆動することでLPFを構成するコンデンサに電荷を蓄積(充電)し、また、駆動信号(PN)のパルス幅の時間だけシンク用の電流源を駆動し前記コンデンサから電荷を引き抜く(放電)ことで、時間情報である位相差を電気信号である電圧に変換する。
【0119】
また、LPFは、チャージポンプ手段のパルス出力を平滑化することでトラッキングサーボ手段にとって不要な高域の周波数成分を取り除き、トラッキングエラー信号(TES)を生成する。
【0120】
トラッキング制御手段5は、前述のトラッキングエラー信号(TES)で示されるトラッキングエラーをキャンセルするように光ヘッド3から光ディスク1に照射される光ビームの半径方向位置を制御し、光ビームが常にトラック中心を走行するようにする。
【0121】
以上の構成により、原理的に前記2つのディジタル検出信号間に位相差が発生しない短周期の記録マークからのディジタル検出信号および変調規則上発生し得ない長さの記録マークからのディジタル検出信号を除去したのち、一定時間内に前記2つのディジタル信号が同一方向に状態反転するエッジ対を有効と判断して抽出し、そのエッジ対の位相差を検出することでトラッキングエラー信号への外乱混入を抑圧し、トラッキングエラーの検出能力を向上させるようにしたものである。
【0122】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0123】
本発明に係る光学的情報再生装置においては、光スポットのトラック中心からの変位量に応じて位相関係が変化する2つの検出信号から生成される2つのディジタル検出信号間の位相差を検出することでトラッキングエラーを生成する。このとき、原理的に前記2つのディジタル検出信号間に位相差の生じない短周期マークから検出されるディジタル検出信号、および変調規則上発生し得ない長さの記録マークからのディジタル検出信号を除去したのち、一定時間内に前記2つのディジタル信号が同一方向に状態反転するエッジ対を抽出し、そのエッジ対の位相差を検出することでトラッキングエラー信号を得るようにしたので、媒体欠陥等に起因して生じる外乱がトラッキングエラー信号に混入するのを抑圧できるのに加えて、正常再生状態においても生じる不要情報の混入も抑圧できるので、トラッキングエラーの検出能力が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である光学的情報再生装置のブロック図である。
【図2】図1の各部の出力波形を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1である光学的情報再生装置を構成する位相差判定手段の具体例を示す図である。
【図4】図3の各部の出力波形を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1である光学的情報再生装置を構成する位相差判定手段と位相比較手段を一体化した具体例を示す図である。
【図6】図5の各部の出力波形を示す図である。
【図7】遅延手段の具体例を示す図である。
【図8】図7の各部の出力波形を示す図である。
【図9】遅延手段の他の具体例を示す図である。
【図10】図9の各部の出力波形を示す図である。
【図11】トラッキングエラー信号を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態にである光学的情報再生装置のブロック図である。
【図13】位相差法によるトラッキングエラーの検出原理を示す図である。
【図14】従来の光学的情報再生装置を示す図である。
【図15】図14の各部の出力波形を示す図である。
【図16】記録マーク周期と発生位相差の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスク、2 スピンドルモータ、3 光ヘッド、4 トラッキングエラー検出手段、5 トラッキング制御手段、41 第1の波形整形手段、42 第2の波形整形手段、43 第1の位相比較手段、44 有効性判別手段、45位相差−電圧変換手段、46 位相差判定手段、47 第2の位相比較手段、48 パルス幅判定手段、100 第1のフリップフロップ(FF)、101 第1の遅延手段、102 第2のFF、103 第2の遅延手段、104 第3のFF、105 第4のFF、106 第3のOR手段、107 第5のFF、108 第6のFF、109 第4のOR手段、114 第7のOR手段、115 第8のOR手段、116 第7のFF、117 第8のFF手段、118 NAND手段、119 第3の遅延手段、120 第4の遅延手段、200 立上りエッジ位相差判定−比較手段、201 立下りエッジ位相差判定−比較手段、202 第5のOR手段、203 第6のOR手段、、301 トランジスタ(TR)、302 第1の電流源、303 第2のコンデンサ、304 コンパレータ、400 第2の電流源、401 第1のスイッチ手段、402 第2スイッチ手段、403 第3の電流源、451 チャージポンプ手段、452 LPF、453 バランス判定手段、454 コントローラ、455 基準電流生成手段、461 立上りエッジ位相差判定手段、462 立下りエッジ位相差判定手段、463 第1のインバータ、464 第2のインバータ、465 第1のOR手段、466 第2のOR手段。

Claims (4)

  1. 媒体上の情報トラックに光ビームを集光して光スポットを形成しその反射光から情報トラック上に記録された情報を再生する装置であって、
    光スポットのトラック中心からの変位量(トラッキングエラー量)に応じて位相関係が変化する少なくとも2つの検出信号を出力する光ヘッドと、
    前記検出信号間の位相差を検出してトラッキングエラー信号を出力するトラッキングエラー検出手段と、
    前記トラッキングエラー信号に応じて前記光スポットがトラック中心を走行するように制御するトラッキング制御手段とを具備し、
    前記トラッキングエラー検出手段は、前記2つの検出信号を2値化したディジタル検出信号の正および負のパルス幅がそれぞれ所定の範囲内にあり、かつ、前記2つのディジタル検出信号のうち一方のディジタル検出信号が状態反転したのち所定時間内に他方のディジタル検出信号が同一方向に状態反転した場合に、前記2つのディジタル検出信号間の位相差を検出してトラッキングエラー信号を得ることを特徴とする光学的情報再生装置。
  2. 前記所定時間は最短マーク長さ以下であることを特徴とする請求項に記載の光学的情報再生装置。
  3. 前記所定時間は、データレートに応じた長さに設定されることを特徴とする請求項に記載の光学的情報再生装置。
  4. 前記ディジタル検出信号の正および負のパルス幅が、チャンネルビット周期の5倍以上で、かつ最長マーク長さ以下であることを特徴とする請求項に記載の光学的情報再生装置。
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