JP3580011B2 - エンジンの防音処理方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の輸送機械のエンジンから発生する振動を効果的に防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の輸送機械は、その多くが現在ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関を採用している。これらのエンジンは多くの利点の反面、騒音が大きいという欠点を有しており、電気自動車等の開発もなされているが、従来のガソリンエンジン等に置き替わるには未だに多くの困難を擁しているのが現状である。そこで内燃機関の騒音を低減しようとする試みがなされてきた。
【0003】
一つには、エンジンを格納している区画を、遮音効果の有る材料で覆ってしまい、エンジンから発生する騒音を、その区画に閉じ込めてしまおうとする方法である。この方法は、例えば自動車のエンジンフードの内側に付けられるフードインシュレータ、エンジンの下部に設置されるエンジンアンダーカバー、エンジンと車室内を区画するダッシュパネルのエンジン側に付けられるダッシュアウターインシュレータ等の部品により実施されている。この方法は車室内への騒音の低減には顕著な効果が認められるが、エンジン区画の前部はラジエターグリル等の防音材を設置できない構造であるケースがあり、車外へ出る騒音の抑制には充分とは言えない。
【0004】
このため、エンジンの本体を、防音性能の有る材料で覆ってしまうという方法が考えられている。エンジン本体を覆う形状に成形された樹脂成形品や、鋼板によるカバーを装着し、カバーとエンジンとの空間に、吸音効果のあるガラスウール等の材料を充填することにより、発生する騒音はエンジン周囲で吸音されるという効果を奏する。これは効果的な方法ではあるが、エンジンの部位によってはカバーを付けられない箇所もあるために、完全な方法とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、エンジンから発生する騒音を、できる限り低減する新しい方法を開発することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決せんとして、本発明者らは鋭意研究の結果、エンジン騒音はエンジン本体が振動する事によって発生している点に着目し、その振動の大きい箇所に、必要な量だけ制振効果を有する塗料を塗布することにより、ことごとく課題を解決できることを見出したものであり、しかして本発明の要旨は、以下に存する。
【0007】
ガラス転移点が50℃以上である、アクリル系樹脂エマルジョン、スチレン−ブタジエン系樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、フェノール樹脂エマルジョンから選ばれる1種類以上の樹脂エマルジョン15〜40wt%、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクから選ばれる1種類以上の体質顔料10〜20wt%、マイカ、グラファイトから選ばれる1種類以上のリン片状充填材10〜30wt%を含むことを特徴とするエンジンの防音処理塗料。
自動車エンジンの振動が大きい部位にガラス転移点が50℃以上であるエマルジョン塗料を塗布し、加熱乾燥により1〜4mmの塗膜厚さの塗膜を形成することを特徴とするエンジンの防音処理方法。
【0008】
本発明にて使用できるエマルジョン塗料としては、塗装後の塗膜が制振効果を有することが必要であるが、その他、耐水性、耐油性、耐候性などが一定の水準以上であることが求められる。使用できるエマルジョンとしては、オールアクリルエマルジョン、スチレン等を導入した変性アクリルエマルジョン等のアクリル系エマルジョン、スチレン−ブタジエン系エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、フェノール樹脂エマルジョン等が例示できる。特にアクリル系エマルジョンが推奨できる。これらの樹脂エマルジョンは、ガラス転移点が50℃以上の物性を有することが必須である。ガラス転移点が50℃以上であれば、その塗料が塗布された被塗物の制振性のピーク温度が、約70℃以上となるため、エンジンが動作中の温度と、最も効果的な制振性能温度を一致させることにより、防音効果を最大限に発揮させるためである。ガラス転移点が50℃以上であれば、任意のガラス転移点を有する樹脂エマルジョンを選択することにより、最大の制振性を発揮する温度を自由に設定することが可能である。
【0009】
本発明にて使用できる塗料の、他の配合物としては、体質顔料類、着色顔料、リン片状充填材、エマルジョンの造膜助剤、添加剤、水等が挙げられる。
体質顔料類としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクが例示できる。着色顔料としては、カーボンブラック、チタンホワイト(二酸化チタン)、シアニンブルー等が例示できる。リン片状充填材としては、マイカ、グラファイト等が例示できる。造膜助剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等の高沸点溶剤が例示できる。添加剤としては、分散剤、消泡剤、タレ防止剤、ワキ防止剤、老化防止剤等が例示できる。その他必要に応じて各種の充填材を添加することは妨げない。
【0010】
配合割合としては、ガラス転移点が50℃以上である樹脂エマルジョン15〜40wt%、体質顔料10〜20wt%、リン片状充填材10〜30wt%、着色顔料、造膜助剤、水及び各種添加剤適量部が望ましい。エマルジョン樹脂が15wt%未満であると必要な塗膜が形成されず、充分な制振効果が発揮されない虞れがある。40wt%を超えて配合しても、同様な制振効果は得られるが、塗料としての性状を損なう虞れがある。体質顔料及びリン片状充填材は、制振効果を最大限に発揮するための適正割合である。
【0011】
本発明になるエマルジョン塗料を製造するためには、従来公知の方法及び混合分散機器が使用できる。即ち、ディゾルバー、ボールミル、グレンミル、ロールミル、オープンニーダー、プラネタリミキサー等が必要に応じて使用される。
【0012】
本発明にて塗料を塗布するエンジンの部位としては、エンジン騒音が大きくなる要因として振動が大きい部位が第一に考えられる。シリンダーヘッドカバー部、オイルパン部等が例示でき、特にオイルパン部への塗装が効果的である。
【0013】
本発明になるエンジン防音処理塗料を被塗装部へ塗装するには、従来公知の塗装方法が使用できる。即ち、刷毛塗り、ローラー塗装、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレー等のスプレー塗装、カーテンフローコーター、ディッピング等の各種塗装方法を、被塗装部の形状、大きさ、数量に応じて任意に選択ができる。塗膜厚さは、要求される制振性能や重量、コストによって変えることができるが、1mm〜4mm程度が推奨される。
【0014】
塗布したエマルジョン塗料を造膜、乾燥させるには、常温であれば放置することによって塗膜となるが、効率的に防音処理方法を進めるためには、強制的に加熱乾燥することも推奨できる。例えば、50℃〜100℃の温度により5分〜15分程度の予備乾燥後、110℃〜160℃の温度により15分〜30分の加熱乾燥を行うことが例示される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の理解に供するため、以下に実施例を記載する。いうまでもなく、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0016】
【実施例1】
ガラス転移点が55℃の変性アクリルエマルジョン30重量%、炭酸カルシウム10重量%、マイカ20重量%、カーボンブラック0.5重量%、エチレングリコール3重量%、分散剤0.5重量%、タレ防止剤5重量%、水31重量%をプラネタリーミキサーにて混合分散し、脱泡、濾過過程を経て防音処理塗料1を得た。該塗料1をオイルパンの外側部分に静電塗装を行い、50℃で5分間の予備乾燥の後、150℃で15分の加熱乾燥により、平均膜厚3mmの防音塗膜を得た。
【0017】
【実施例2】
ガラス転移点が50℃のアクリルエマルジョン30重量%、炭酸カルシウム10重量%、マイカ20重量%、カーボンブラック0.5重量%、エチレングリコール3重量%、分散剤0.5重量%、タレ防止剤5重量%、水31重量%をプラネタリーミキサーにて混合分散し、脱泡、濾過過程を経て防音処理塗料2を得た。該塗料2をオイルパンの外側部分に静電塗装を行い、50℃で5分間の予備乾燥の後、150℃で15分の加熱乾燥により、平均膜厚3mmの防音塗膜を得た。
【0018】
【実施例3】
ガラス転移点が57℃のスチレンーブタジエンエマルジョン32重量%、炭酸カルシウム10重量%、マイカ18重量%、カーボンブラック0.5重量%、エチレングリコール3重量%、分散剤0.5重量%、タレ防止剤5重量%、水31重量%をプラネタリーミキサーにて混合分散し、脱泡、濾過過程を経て防音処理塗料3を得た。該塗料3をオイルパンの外側部分に静電塗装を行い、50℃で5分間の予備乾燥の後、150℃で15分の加熱乾燥により、平均膜厚3mmの防音塗膜を得た。
【0019】
【実施例4】
ガラス転移点が59℃のフェノール樹脂エマルジョン34重量%、炭酸カルシウム10重量%、マイカ16重量%、カーボンブラック0.5重量%、エチレングリコール3重量%、分散剤0.5重量%、タレ防止剤5重量%、水31重量%をプラネタリーミキサーにて混合分散し、脱泡、濾過過程を経て防音処理塗料4を得た。該塗料4をオイルパンの外側部分に静電塗装を行い、50℃で5分間の予備乾燥の後、150℃で15分の加熱乾燥により、平均膜厚3mmの防音塗膜を得た。
【0020】
【試験方法】
防音処理塗料1〜4を塗布したオイルパンにエンジンオイル2リットルを入れ、これを70℃に加熱して、オイルパンの端部に付けた加振機により振動を発生させた。発生した音を、オイルパンの下面から150mm及び側面から150mmの2カ所にてマイクロホンで測定し、この音を1/3オクターブの周波数分析を行い、防音処理を行っていないオイルパンの同じ測定値から差し引く事により、得られる数値(dB)により防音評価を行った。
【0021】
【結果1】
【0022】
【結果2】
【0023】
【発明の効果】
本発明の塗料になる、防音処理方法は以下の効果が認められる。
まず、使用するエマルジョン樹脂のガラス転移点を適切に選択することによりエンジンが動作中の温度に制振性能が最大限に発揮される様に調整することが可能である。次に、塗料であるため、必要な部位に必要な厚さだけ塗膜を付けることが容易であり、無駄のない防音処理ができる。
これらの効果によりエンジンの振動箇所の振動が、極めて顕著に低減されるため、エンジン騒音の発生の低減に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防音処理方法を施した、自動車エンジンのオイルパンの略図
【図2】本発明の防音処理方法前の、自動車エンジンのオイルパンの略図
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の輸送機械のエンジンから発生する振動を効果的に防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の輸送機械は、その多くが現在ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関を採用している。これらのエンジンは多くの利点の反面、騒音が大きいという欠点を有しており、電気自動車等の開発もなされているが、従来のガソリンエンジン等に置き替わるには未だに多くの困難を擁しているのが現状である。そこで内燃機関の騒音を低減しようとする試みがなされてきた。
【0003】
一つには、エンジンを格納している区画を、遮音効果の有る材料で覆ってしまい、エンジンから発生する騒音を、その区画に閉じ込めてしまおうとする方法である。この方法は、例えば自動車のエンジンフードの内側に付けられるフードインシュレータ、エンジンの下部に設置されるエンジンアンダーカバー、エンジンと車室内を区画するダッシュパネルのエンジン側に付けられるダッシュアウターインシュレータ等の部品により実施されている。この方法は車室内への騒音の低減には顕著な効果が認められるが、エンジン区画の前部はラジエターグリル等の防音材を設置できない構造であるケースがあり、車外へ出る騒音の抑制には充分とは言えない。
【0004】
このため、エンジンの本体を、防音性能の有る材料で覆ってしまうという方法が考えられている。エンジン本体を覆う形状に成形された樹脂成形品や、鋼板によるカバーを装着し、カバーとエンジンとの空間に、吸音効果のあるガラスウール等の材料を充填することにより、発生する騒音はエンジン周囲で吸音されるという効果を奏する。これは効果的な方法ではあるが、エンジンの部位によってはカバーを付けられない箇所もあるために、完全な方法とは言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、エンジンから発生する騒音を、できる限り低減する新しい方法を開発することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決せんとして、本発明者らは鋭意研究の結果、エンジン騒音はエンジン本体が振動する事によって発生している点に着目し、その振動の大きい箇所に、必要な量だけ制振効果を有する塗料を塗布することにより、ことごとく課題を解決できることを見出したものであり、しかして本発明の要旨は、以下に存する。
【0007】
ガラス転移点が50℃以上である、アクリル系樹脂エマルジョン、スチレン−ブタジエン系樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、フェノール樹脂エマルジョンから選ばれる1種類以上の樹脂エマルジョン15〜40wt%、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクから選ばれる1種類以上の体質顔料10〜20wt%、マイカ、グラファイトから選ばれる1種類以上のリン片状充填材10〜30wt%を含むことを特徴とするエンジンの防音処理塗料。
自動車エンジンの振動が大きい部位にガラス転移点が50℃以上であるエマルジョン塗料を塗布し、加熱乾燥により1〜4mmの塗膜厚さの塗膜を形成することを特徴とするエンジンの防音処理方法。
【0008】
本発明にて使用できるエマルジョン塗料としては、塗装後の塗膜が制振効果を有することが必要であるが、その他、耐水性、耐油性、耐候性などが一定の水準以上であることが求められる。使用できるエマルジョンとしては、オールアクリルエマルジョン、スチレン等を導入した変性アクリルエマルジョン等のアクリル系エマルジョン、スチレン−ブタジエン系エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、フェノール樹脂エマルジョン等が例示できる。特にアクリル系エマルジョンが推奨できる。これらの樹脂エマルジョンは、ガラス転移点が50℃以上の物性を有することが必須である。ガラス転移点が50℃以上であれば、その塗料が塗布された被塗物の制振性のピーク温度が、約70℃以上となるため、エンジンが動作中の温度と、最も効果的な制振性能温度を一致させることにより、防音効果を最大限に発揮させるためである。ガラス転移点が50℃以上であれば、任意のガラス転移点を有する樹脂エマルジョンを選択することにより、最大の制振性を発揮する温度を自由に設定することが可能である。
【0009】
本発明にて使用できる塗料の、他の配合物としては、体質顔料類、着色顔料、リン片状充填材、エマルジョンの造膜助剤、添加剤、水等が挙げられる。
体質顔料類としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクが例示できる。着色顔料としては、カーボンブラック、チタンホワイト(二酸化チタン)、シアニンブルー等が例示できる。リン片状充填材としては、マイカ、グラファイト等が例示できる。造膜助剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等の高沸点溶剤が例示できる。添加剤としては、分散剤、消泡剤、タレ防止剤、ワキ防止剤、老化防止剤等が例示できる。その他必要に応じて各種の充填材を添加することは妨げない。
【0010】
配合割合としては、ガラス転移点が50℃以上である樹脂エマルジョン15〜40wt%、体質顔料10〜20wt%、リン片状充填材10〜30wt%、着色顔料、造膜助剤、水及び各種添加剤適量部が望ましい。エマルジョン樹脂が15wt%未満であると必要な塗膜が形成されず、充分な制振効果が発揮されない虞れがある。40wt%を超えて配合しても、同様な制振効果は得られるが、塗料としての性状を損なう虞れがある。体質顔料及びリン片状充填材は、制振効果を最大限に発揮するための適正割合である。
【0011】
本発明になるエマルジョン塗料を製造するためには、従来公知の方法及び混合分散機器が使用できる。即ち、ディゾルバー、ボールミル、グレンミル、ロールミル、オープンニーダー、プラネタリミキサー等が必要に応じて使用される。
【0012】
本発明にて塗料を塗布するエンジンの部位としては、エンジン騒音が大きくなる要因として振動が大きい部位が第一に考えられる。シリンダーヘッドカバー部、オイルパン部等が例示でき、特にオイルパン部への塗装が効果的である。
【0013】
本発明になるエンジン防音処理塗料を被塗装部へ塗装するには、従来公知の塗装方法が使用できる。即ち、刷毛塗り、ローラー塗装、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレー等のスプレー塗装、カーテンフローコーター、ディッピング等の各種塗装方法を、被塗装部の形状、大きさ、数量に応じて任意に選択ができる。塗膜厚さは、要求される制振性能や重量、コストによって変えることができるが、1mm〜4mm程度が推奨される。
【0014】
塗布したエマルジョン塗料を造膜、乾燥させるには、常温であれば放置することによって塗膜となるが、効率的に防音処理方法を進めるためには、強制的に加熱乾燥することも推奨できる。例えば、50℃〜100℃の温度により5分〜15分程度の予備乾燥後、110℃〜160℃の温度により15分〜30分の加熱乾燥を行うことが例示される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の理解に供するため、以下に実施例を記載する。いうまでもなく、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0016】
【実施例1】
ガラス転移点が55℃の変性アクリルエマルジョン30重量%、炭酸カルシウム10重量%、マイカ20重量%、カーボンブラック0.5重量%、エチレングリコール3重量%、分散剤0.5重量%、タレ防止剤5重量%、水31重量%をプラネタリーミキサーにて混合分散し、脱泡、濾過過程を経て防音処理塗料1を得た。該塗料1をオイルパンの外側部分に静電塗装を行い、50℃で5分間の予備乾燥の後、150℃で15分の加熱乾燥により、平均膜厚3mmの防音塗膜を得た。
【0017】
【実施例2】
ガラス転移点が50℃のアクリルエマルジョン30重量%、炭酸カルシウム10重量%、マイカ20重量%、カーボンブラック0.5重量%、エチレングリコール3重量%、分散剤0.5重量%、タレ防止剤5重量%、水31重量%をプラネタリーミキサーにて混合分散し、脱泡、濾過過程を経て防音処理塗料2を得た。該塗料2をオイルパンの外側部分に静電塗装を行い、50℃で5分間の予備乾燥の後、150℃で15分の加熱乾燥により、平均膜厚3mmの防音塗膜を得た。
【0018】
【実施例3】
ガラス転移点が57℃のスチレンーブタジエンエマルジョン32重量%、炭酸カルシウム10重量%、マイカ18重量%、カーボンブラック0.5重量%、エチレングリコール3重量%、分散剤0.5重量%、タレ防止剤5重量%、水31重量%をプラネタリーミキサーにて混合分散し、脱泡、濾過過程を経て防音処理塗料3を得た。該塗料3をオイルパンの外側部分に静電塗装を行い、50℃で5分間の予備乾燥の後、150℃で15分の加熱乾燥により、平均膜厚3mmの防音塗膜を得た。
【0019】
【実施例4】
ガラス転移点が59℃のフェノール樹脂エマルジョン34重量%、炭酸カルシウム10重量%、マイカ16重量%、カーボンブラック0.5重量%、エチレングリコール3重量%、分散剤0.5重量%、タレ防止剤5重量%、水31重量%をプラネタリーミキサーにて混合分散し、脱泡、濾過過程を経て防音処理塗料4を得た。該塗料4をオイルパンの外側部分に静電塗装を行い、50℃で5分間の予備乾燥の後、150℃で15分の加熱乾燥により、平均膜厚3mmの防音塗膜を得た。
【0020】
【試験方法】
防音処理塗料1〜4を塗布したオイルパンにエンジンオイル2リットルを入れ、これを70℃に加熱して、オイルパンの端部に付けた加振機により振動を発生させた。発生した音を、オイルパンの下面から150mm及び側面から150mmの2カ所にてマイクロホンで測定し、この音を1/3オクターブの周波数分析を行い、防音処理を行っていないオイルパンの同じ測定値から差し引く事により、得られる数値(dB)により防音評価を行った。
【0021】
【結果1】
【0022】
【結果2】
【0023】
【発明の効果】
本発明の塗料になる、防音処理方法は以下の効果が認められる。
まず、使用するエマルジョン樹脂のガラス転移点を適切に選択することによりエンジンが動作中の温度に制振性能が最大限に発揮される様に調整することが可能である。次に、塗料であるため、必要な部位に必要な厚さだけ塗膜を付けることが容易であり、無駄のない防音処理ができる。
これらの効果によりエンジンの振動箇所の振動が、極めて顕著に低減されるため、エンジン騒音の発生の低減に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防音処理方法を施した、自動車エンジンのオイルパンの略図
【図2】本発明の防音処理方法前の、自動車エンジンのオイルパンの略図
Claims (1)
- ガラス転移点が50℃以上である、アクリル系樹脂エマルジョン15〜40wt%、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクから選ばれる体質顔料10〜20wt%、マイカ、グラファイトから選ばれるリン片状充填材10〜30wt%を含む塗料を自動車エンジンのシリンダーヘッドカバー部、またはオイルパン部に塗布し、予備乾燥後、加熱乾燥することにより1〜4mmの塗膜厚さの塗膜を形成することを特徴とするエンジンの防音処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06166396A JP3580011B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | エンジンの防音処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06166396A JP3580011B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | エンジンの防音処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09227795A JPH09227795A (ja) | 1997-09-02 |
JP3580011B2 true JP3580011B2 (ja) | 2004-10-20 |
Family
ID=13177701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06166396A Expired - Fee Related JP3580011B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | エンジンの防音処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3580011B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102013221693B4 (de) | 2013-03-21 | 2021-09-23 | Hyundai Motor Company | Schallabsorbierendes Material für ein Fahrzeug, Verfahren zur Herstellung desselben und Laminat umfassend das schallabsorbierende Material |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002150843A (ja) * | 2000-11-08 | 2002-05-24 | Mikuni Color Ltd | キャリアテープ用導電性プラスチックシート |
JP5765869B2 (ja) | 2006-12-20 | 2015-08-19 | ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company | 液状適用音響減衰材 |
US7893151B2 (en) | 2007-11-08 | 2011-02-22 | Rohm And Haas Company | Liquid-applied sound damping |
-
1996
- 1996-02-26 JP JP06166396A patent/JP3580011B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102013221693B4 (de) | 2013-03-21 | 2021-09-23 | Hyundai Motor Company | Schallabsorbierendes Material für ein Fahrzeug, Verfahren zur Herstellung desselben und Laminat umfassend das schallabsorbierende Material |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH09227795A (ja) | 1997-09-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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