JP3276257B2 - 軋み音防止表面処理剤 - Google Patents

軋み音防止表面処理剤

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久仁子 松谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インストルメントパネ
ル、ドアトリム及びサンバイザー等の自動車の内装部品
に用いられる軋み音防止表面処理剤に関し、特に自動車
の走行時の振動により内装部品が擦れ合って発生する軋
み音を防止するための軋み音防止表面処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の内装品であるインストル
メントパネル、ピラーガーニッシュ、ドアトリム及びサ
ンバイザー等の表面は、塩化ビニル(PVC)シートで
覆われ、更にその表層には耐候性を付与したり、低光沢
化等をする目的で厚さ10〜30μmの範囲にあるアク
リル−塩化ビニル系塗料又はウレタン系塗料によって表
面処理が施されている。
【0003】この表面処理層はインストでは一般にシー
トの変色をカバーするため、カラーコートとクリアコー
トの2層構造になっているが、近年、工程簡略化のた
め、この2層コートがカラーコートの1層コート化に移
りつつある。
【0004】これらを含む自動車内装品が相互に接触す
る部分では、自動車走行時の振動により内装品同士が擦
れ合い軋み音が発生する。従来の軋み音対策としては、
接触部にその形状に合わせた不織布を貼る手段が取られ
ている。この不織布を接触する2部品間に介在させるこ
とにより、音の発生が抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
内装部品表面の接触部に不織布を貼る対策では、細かい
作業のため機械化が困難であり、人手に頼る方法となる
ので、作業工数が多大となり、コスト高になるという欠
点があった。また、ドアトリム端部とインストサイド又
はシートサイドとの接触部分では、ドアが閉じた状態で
は人目につかないため、外観品質上問題とならないが、
ドアを開けた状態では人目につくため、不織布を貼ると
外観品質が劣るという欠点があった。
【0006】一方、特開平3−143745号公報、特
開平3−143746号公報及び特開平3−21742
5号公報には、自動車の内装部品表面の接触部におい
て、音の発生する部分に不織布の代替として弾性塗膜や
異音防止塗料等の軋み音防止剤を塗布する技術が開示さ
れている。
【0007】しかしながら、これらの方法は音が発生す
る部分に部品を成形した後、後処理として内装部品表面
の接触部分に防止剤を塗布する方法であるため、自動化
は可能であるが、新たに塗布工程が必要となるという欠
点があった。また、これらの方法は軋み音のみを防止す
ることを目的としているので、外観品質を低下させ、人
目につく部分には適用することができないという欠点が
あった。
【0008】また、インストでは、近年の1層コート化
により、着色塗料の摩擦や摩耗による色落ちや色移りが
問題となってきている。この問題は、一般に塗膜を硬く
し耐摩耗性を向上させることで解決しているが、軋み音
防止特性としては悪化する方向であるため、軋み音防止
特性と色落ち改善とはトレードオフ関係にあった。
【0009】特開平5−156206号公報には、ウレ
タン樹脂中にウレタンの微粒子を含有したコーティング
剤が開示されている。しかしながら、このコーティング
剤はアクリル系塗料に比べコストが高く、更に接触して
いる部品が滑り出す時に発生する単発音に対しては、ア
クリル系塗料に比べて劣るという欠点があった。また、
1層コートにした場合の色落ち性を考慮するとウレタン
系塗料では、アクリル系塗料に比べて劣るという欠点が
あった。
【0010】従って本発明は、このような従来の問題点
に着目してなされたもので、自動車の内装部品表面の接
触部に発生する軋み音を防止すると共に、従来から行な
われている内装部品表面の接触部に不織布を貼る方法に
対して、工程の簡略化(不織布貼り付け工程の省略)を
可能とし、更に摩擦色落ち性に優れた軋み音防止表面処
理剤を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、アクリル−塩化ビ
ニル系塗料用樹脂に、所定のウレタン粒子を所定量含有
させた場合には、自動車の走行時の振動により内装部品
が擦れ合って発生する軋み音を有効に防止することがで
きると共に、摩擦色落ち性については、塗膜のアクリル
樹脂の含有量を所定量に規定し、更に所定のポリエチレ
ン粒子を所定量含有させることにより改善することがで
きることを見出し、本発明に到達した。
【0012】本発明の上記の目的は、アクリルを40〜
60重量%の範囲で含有するアクリル−塩化ビニル系着
色塗料用樹脂に、該塗料用樹脂100重量%に対し、平
均粒径が1〜50μmの範囲にある球状のウレタン粒子
を固形分として2〜70重量%と、平均分子量4000
〜20000の範囲にある球状のポリエチレンワックス
を固形分として2〜6重量%とを含有させたことを特徴
とする軋み音防止表面処理剤により達成された。
【0013】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。まず、本発明における軋み音を低減させるための考
え方を以下に説明する。自動車車室内において発生する
音は2種類に大別することができる。1つは部品が滑り
出す時に発生する単発音であり、もう1つは自動車走行
時の定常的な振動によって発生する連続音である。前者
の単発音は発振時や段差を乗り越えたときなどに、内装
部品が衝撃を受けたときに発生するものであり、後者の
連続音は路面の状況によって車両が走行中に連続的に頻
繁に起こり得るものである。
【0014】本発明は、発生頻度及び乗員の感じる不快
度等を考慮し、後者の定常的な振動によって生じる連続
音を低減させることを目的としてなされたものである。
また、前述したように、部品が滑り出す時に生じる単発
音については、ベース塗料をアクリル−塩化ビニル系塗
料とすることで改善することができる。
【0015】図1に試験例で用いた往復運動による摩擦
試験の概要を示す。図1に示すように、被試験体1上で
被試験体2を滑らせる試験を行った場合に、2つの物体
間の摩擦係数は時間の経過と共に、一般的に図2に示す
ように時間に対する摩擦係数の変化したデータが得られ
る。
【0016】単発音に対しては静摩擦係数と動摩擦係数
との差を小さくすることが有効となるが、連続的な微振
動によって発生する音を防止するためには、動摩擦係数
(μd)の変動幅を小さくするほうが効果的である。
【0017】一方、従来から自動車の内装部品表面に低
光沢化等をする目的で塗布されているアクリル−塩化ビ
ニル系塗料について、軋み音の観点から検討した結果、
塗料中に艶消し剤として添加されているシリカ粒子が動
摩擦特性を悪化させていることが明らかになった。
【0018】このため、本発明者らはアクリル−塩化ビ
ニル系塗料中にシリカ以外の種々の微粒子を添加し、動
摩擦係数の幅を測定した結果、平均粒径が1〜50μm
の範囲にある球状のウレタン微粒子を固形分として2〜
70重量%の範囲で含有させ、更に高分子量の球状ポリ
エチレンワックスを2〜6重量%の範囲で含有させるこ
とにより、動摩擦係数の幅を小さくすることが可能とな
り、その結果軋み音を防止する効果を見出した。
【0019】本発明において、ウレタン粒子の平均粒径
は1〜50μmの範囲、特に5〜30μmの範囲である
ことが好ましい。平均粒径が1μm未満になると、ウレ
タン粒子が塗膜中に沈降し表面に凹凸が形成されなくな
り、艶消し効果がなくなったり、摩擦特性が低下する。
逆に、50μmを超えると、表面処理剤の厚さが30μ
m程度あるので、耐磨耗性が低下する。
【0020】ウレタン粒子の形状は、本発明の効果をだ
すため、球状であることが必要であり、特に真球状であ
ることが好ましい。ウレタン粒子の含有量は固形分とし
て2〜70重量%の範囲、特に10〜70重量%の範囲
であることが好ましい。含有量が2重量%未満になる
と、異音防止効果が不十分となり、艶消し効果も消失す
る。逆に、70重量%を超えると、塗膜形成が不可能に
なったり、塗膜の耐磨耗性が低下すると共にコスト高と
なる。本発明においては、この範囲内である限り、軋み
音防止効果が認められるため、艶調整の目的で含有量を
調整することができる。
【0021】本発明においては、表面の色むらや艶等の
調整が必要な場合には、粒径の異なるウレタン粒子を組
み合わせることが好ましく、またシリカ粒子(平均粒径
1〜8μm)を1〜15重量%の範囲で添加しても良
い。2種類のウレタン粒子を組み合わせる場合には、平
均粒径が1〜8μmの球状のウレタン粒子を固形分とし
て1〜50重量%と、平均粒径が5〜50μmの球状の
ウレタン粒子を固形分として1〜40重量%とを組み合
わせ、かつ両ウレタン粒子の平均粒径の差が4μm以上
となるように、合計で2〜70重量%の範囲で含有させ
ることにより、本発明の効果が得られる。
【0022】また、主成分であるアクリル−塩化ビニル
系着色塗料樹脂は、アクリルの含有量が40〜60重量
%の範囲である。アクリルの含有量が40重量%未満に
なると塗膜が軟化し、摩擦時の色落ちが著しくなり、逆
に60重量%を超えると塗膜が割れやすくなる。このア
クリル−塩化ビニル系着色塗料樹脂としては、現在、車
両内装用に使用されている塗料樹脂(例えばクリアコー
ト、カラーコート)を使用することができ、公知の技術
で作製することができる。
【0023】更に、本発明においては、平均分子量40
00〜20000の球状のポリエチレンワックスを2〜
6重量%の範囲で含有させることにより、摩擦や磨耗に
よる色落ちを防止することができる。この色落ち防止に
ついては、着色塗料樹脂に様々な添加物を加え、日本工
業規格(JIS L0801 染色堅ろう度試験方法通
則)に基づき、退色度合いを評価した結果、平均分子量
4000〜20000の高分子量の球状PEワツクス
(粒径15μm )が色落ち防止に効果があることを見出
した。従って平均分子量4000以下の低分子量のPE
ワックスでは上記効果が認められない。
【0024】本発明の軋み音防止表面処理剤は、顔料5
〜60重量%を分散させたアクリル40〜60重量%の
範囲で含有するアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂塗料
100重量%と、ウレタン粒子2〜70重量%と、ポリ
エチレンワックス2〜6重量%と、各種添加剤(安定剤
等)とを添加し、攪拌した後、3本ロール、ボールミ
ル、ポットミル、スチールミル、ペブルミル、サンドミ
ル及びロールミル等の分散機に投入し、均一に混合分散
させることによって調整することができる。この際、分
散性を高めるため界面活性剤を添加することが好まし
い。次いで、塗布方法に応じて混合分散させた材料を希
釈する。
【0025】このようにして得られる本発明の軋み音防
止処理剤は、表皮材に対しては現状の表面処理剤と同様
の形態で使用することができる。現状の使用形態とは、
内装品の表皮であるPVCシートが製造される工程にお
いて、シート表面にエアスプレー又はエアレススプレー
或いはグラビアロールにより塗布される。他の部品及び
部位には塗布部の形状や表面状態等により、スプレー塗
布、はけ塗り、ローラー塗り及び浸漬塗装をすることも
できる。
【0026】本発明の軋み音防止表面処理剤の塗布対象
物としては、インストルメントパネル、ドアトリム、ピ
ラーガーニッシュ、サンバイザー及びシートレザー等の
表皮の他、メータクラスタやコンソールボックス等の組
付け部品が挙げられる。この塗布対象物の材質として
は、表皮としては特にPVC表皮、他の部品、部位では
各種プラスチック、ゴム、金属及びガラス等が挙げられ
る。
【0027】
【作用】次に、本発明の作用を説明する。アクリル−塩
ビ系着色表面処理剤(アクリルが40〜60重量%)に
平均粒径が1〜50μmの範囲にある球状のウレタン粒
子を固形分として1〜70重量%添加することにより、
車両走行時の定常的な振動により発生する軋み音を防止
することができる。
【0028】このことは、球状の軟質粒子を添加するこ
とにより、塗膜表面になだらかな凹凸を形成するため、
接触面での局部的な応力集中が起きにくく、相手材表面
との引っ掛かりが発生しにくくなることによると考えら
れている。また、マクロ的にみると、添加したウレタン
粒子によって塗膜を軟化させ、軋み音が発生した場合で
あっても減衰しやすくなっている。
【0029】同時に、粒径が15μmである球状ポリエ
チレンワックスを固形分として2〜6重量%の範囲で添
加させることにより、摩擦や摩耗による色落ちを防止す
ることができる。
【0030】この塗膜層は現在行なわれているシートの
表面処理工程において形状され、カラーコート1層のみ
なので、新規工程の導入が不要であり、従来の不織布貼
り付け工程及びクリアコートの塗布工程を省略すること
ができる。更に、現状使用されている表面処理剤に軋み
音防止機能を付与したことにより、外観品質を損なわな
いので、人目に触れる部分にも適用することができる。
また、シート全体に塗膜層が形成されることからインス
トルメントパネル、ドアトリム、ピラーガーニッシュ、
サンバイザー及びシートレザー等とそれらに組み付けら
れている部品、及びそれらと干渉する部品との軋み音も
低減することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0032】実施例1 アクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂100重量%(アク
リル:53、塩化ビニル:47)に対し、ウレタン粒子
(平均粒径15μm、真球状)を固形分として40重量
%と、高分子量のポリエチレンワックス(平均分子量1
0000、平均粒径15μm、球状)を固形分として3
重量%と、ダイナミルにより分散させた顔料(酸化チタ
ン、酸化鉄等)を30重量%とを添加し、攪拌した。次
いで、サンドグラインドミルにて混合分散させた後、希
釈剤(トルエン、キシレン、MEK)にて、100:2
00に希釈し、塩化ビニル系表皮剤の表面にスプレー塗
布乾燥させて実施例1の試料を得た。
【0033】実施例2 実施例1の塗料用樹脂100重量%に対し、ウレタン粒
子(平均粒径15μm、真球状)を25重量%と、高分
子量のポリエチレンワックス(平均分子量10000、
平均粒径15μm、球状)を固形分として3重量%と、
顔料を固形分として30重量%と、ダイナミルにより分
散させたシリカ粒子(平均粒径3μm、不定形)を固形
分として11重量%とを添加したものを実施例1と全く
同様の方法で調整を行い、実施例2の試料を得た。
【0034】実施例3 実施例1の塗料用樹脂100重量%に対し、ウレタン粒
子A(平均粒径15μm、真球状)を固形分として30
重量%と、ウレタン粒子B(平均粒径5μm、球状)を
30重量%と、高分子量のポリエチレンワックス(平均
分子量10000、平均粒径15μm、球状)を固形分
として4重量%と、顔料を固形分として30重量%とを
添加したものを実施例1と全く同様の方法で調整を行
い、実施例3の試料を得た。
【0035】実施例4 実施例1の塗料用樹脂100重量%に対し、ウレタン粒
子A(平均粒径15μm、真球状)を固形分として30
重量%と、ウレタン粒子B(平均粒径5μm、球状)を
30重量%と、高分子量のポリエチレンワックス(平均
分子量10000、平均粒径15μm、球状)を固形分
とて3重量%と、顔料を固形分として30重量%と、分
散させたシリカ粒子(平均粒径3μm、不定形)を固形
分として7重量%とを添加したもの実施例1と全く同様
の方法で調整を行ない、実施例4の試料を得た。
【0036】比較例1 ポリエチレンワックスに代えてポリエチレンワックスA
(平均粒径5〜10μm、不定形、平均分子量200
0)を用いた他は、実施例1と全く同様にして比較例1
の試料を得た。
【0037】比較例2 ポリエチレンワックスに代えてポリエチレンワックスB
(平均粒径14μm、球状、平均分子量2000)を用
いた他は、実施例1と全く同様にして比較例2の試料を
得た。
【0038】比較例3 ポリエチレンワックスに代えてポリプロピレンワックス
粒子(平均粒径6μm、球状)を用いた他は、実施例1
と全く同様にして比較例3の試料を得た。
【0039】比較例4 ポリエチレンワックスに代えてナイロン粒子(Max3
4μm、不定形)を用いた他は、実施例1と全く同様に
して比較例4の試料を得た。
【0040】比較例5 ポリエチレンワックスに代えてナイロン粒子(Max4
4μm、球状)を用いた他は、実施例1と全く同様にし
て比較例5の試料を得た。
【0041】比較例6 ポリエチレンワックスを添加しなかった(色落ち防止添
加剤を未添加)他は、実施例1と全く同様にして比較例
6の試料を得た。
【0042】比較例7 塗料をアクリル−塩化ビニル系塗料(アクリル:20、
塩化ビニル:80)に代えて、比較例1と同様のポリエ
チレンワックスを添加した他は、実施例1と全く同様に
して比較例7の試料を得た。
【0043】比較例8 塗料をアクリル−塩化ビニル系塗料(アクリル:75、
塩化ビニル:25)に代えて、比較例1と同様のポリエ
チレンワックスを添加した他は、実施例1と全く同様に
して比較例8の試料を得た。
【0044】試験例 実施例1〜4及び比較例1〜6で得られた表面処理剤を
現行の表面未処理PVCシートに、エアレススプレーに
て塗布し、塗膜を硬化させて試験用シートを作製した。
比較例8は、塗布した時点で塗膜がひび割れ、実用に耐
えうるものではなかった。
【0045】実施例1及び比較例1〜7について、日本
工業規格JIS L0801(染色堅ろう度試験方法通
則)に基づき、染色的抵抗性(色落ち度合い)を評価し
た。更に、実施例1〜4を塗布したシートについては、
相手材として、一般的な自動車内装用PVCシートを用
い、往復動による摩擦試験を行い、摩擦特性の評価及び
軋み音発生の有無の確認を行った。これらの結果を表1
に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示すように、実施例で得られた塗料
は全て変退色4級であり、色落ち性には実用上問題の無
いレベルである。また、摩擦試験を行ったところ、軋み
音防止性能も、問題が無いことが確認された。これに対
し、所定のポリエチレンワックス以外を添加した比較例
1〜6、特に比較例3〜6では、色落ち性が著しく、実
用上、適切ではないことが確認された。 また、塗料樹
脂の組成が異なる塗料でも、色落ち防止の効果は現われ
ない。
【0048】
【発明の効果】本発明の軋み音防止表面処理剤は、アク
リルが40〜60重量%の範囲であるアクリル−塩化ビ
ニル系着色塗料用樹脂に、平均粒径が1〜50μmの範
囲にある球状のウレタン粒子を固形分として2〜70重
量%の範囲で添加することにより、まず、部品どうしの
接触による軋み音が防止できるという効果が得られる。
【0049】また、本発明の軋み音防止表面処理剤は、
平均分子量4000〜20000の範囲にある高分子量
で、球状のポリエチレンワックスを2〜6重量%添加す
ることにより、摩擦や摩耗による色落ち色移りを防止す
ることができるという効果が得られる。
【0050】更に、本発明の軋み音防止表面処理剤は、
現在行なわれている表面処理工程において原反シート全
面に着色塗料1層で塗布されるので、新規工程の導入及
び不織布の貼り付けが不要となり、また着色塗料の1層
化により、クリアコート塗布工程も省略することがで
き、大幅な作業工程の簡略化やコストダウンが図られる
と共に、ドアトリムとインスト端部或いはシートサイド
といった人目につく部分にも適用できるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例で用いた往復運動による摩擦試験の概要
を示す図である。
【図2】図1に示した摩擦試験により得られた時間に対
する摩擦係数の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 被試験体 2 被試験体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 3/00 C09K 3/00 P G10K 11/162 C08J 7/04 Z // C08J 7/04 (C09D 127/06 (C09D 127/06 175:04 175:04 123:00) 123:00) (C09D 133/00 (C09D 133/00 175:04 175:04 123:00) 123:00) G10K 11/16 A (72)発明者 松谷 久仁子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 市川 聡 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−217425(JP,A) 特開 平5−156206(JP,A) 特開 平5−179179(JP,A) 特開 平8−27409(JP,A) 特開 平8−179780(JP,A) 特開 平8−234764(JP,A) 特開 平5−186651(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 201/10 C09K 3/00 G10K 11/162 - 11/168

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルを40〜60重量%の範囲で含
    有するアクリル−塩化ビニル系着色塗料用樹脂に、該塗
    料用樹脂100重量%に対し、平均粒径が1〜50μm
    の範囲にある球状のウレタン粒子を固形分として2〜7
    0重量%と、平均分子量4000〜20000の範囲に
    ある球状のポリエチレンワックスを固形分として2〜6
    重量%とを含有させたことを特徴とする軋み音防止表面
    処理剤。
  2. 【請求項2】 艶消し剤として平均粒径が1〜8μmの
    範囲にあるシリカ粒子を1〜15重量%の範囲で含有さ
    せたことを特徴とする請求項1記載の軋み音防止表面処
    理剤。
  3. 【請求項3】 平均粒径が1〜8μmの球状ウレタン粒
    子を固形分として1〜50重量%と、平均粒径が5〜5
    0μmの球状ウレタン粒子を固形分として1〜40重量
    %とを組み合わせ、かつ両ウレタン粒子の平均粒径の差
    が4μm以上となるように、合計で2〜70重量%含有
    させたことを特徴とする請求項1記載の軋み音防止表面
    処理剤。
JP32565094A 1994-12-27 1994-12-27 軋み音防止表面処理剤 Expired - Fee Related JP3276257B2 (ja)

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