JPH08179780A - 軋み音防止機能を有する自動車用内装表皮材 - Google Patents

軋み音防止機能を有する自動車用内装表皮材

Info

Publication number
JPH08179780A
JPH08179780A JP6325648A JP32564894A JPH08179780A JP H08179780 A JPH08179780 A JP H08179780A JP 6325648 A JP6325648 A JP 6325648A JP 32564894 A JP32564894 A JP 32564894A JP H08179780 A JPH08179780 A JP H08179780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
vinyl chloride
acrylic
particles
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6325648A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Ichikawa
聡 市川
Kuniko Matsutani
久仁子 松谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP6325648A priority Critical patent/JPH08179780A/ja
Publication of JPH08179780A publication Critical patent/JPH08179780A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の走行時の振動により内装部品が擦れ
合って発生する軋み音を防止するための軋み音防止表面
処理剤を提供すること。 【構成】 自動車用内装表皮材の表面に、アクリル−塩
化ビニル系塗料用樹脂に平均粒径が5〜50μmの範囲
にある球状のウレタン粒子及び/又はゴム系微粒子を1
〜70重量%の範囲で含有した第1層を設け、該第1層
上に前記アクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂に艶出し剤
として平均粒径が1〜8μmの範囲にあるシリカ粒子を
1〜30重量%の範囲で含有した第2層を設けてなるこ
とを特徴とする軋み音防止機能を有する自動車用内装表
皮材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インストルメントパネ
ル、ドアトリム及びサンバイザー等の自動車の内装部品
に用いられる表面処理を施された自動車用内装表皮材に
関し、特に自動車の走行時の振動により内装部品が擦れ
合って発生する軋み音を防止するための軋み音防止表面
処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の内装部品であるインスト
ルメントパネル、ピラーガーニッシュ、ドアトリム及び
サンバイザー等の表面は塩化ビニル(PVC)シートで
覆われ、更にその表層には耐候性を付与したり、低光沢
化等の目的でアクリル−塩化ビニル系塗料又はウレタン
系塗料を厚さ10〜30μmの範囲で塗布されるという
表面処理が施されている。
【0003】これらを含む自動車内装品が相互に接触す
る部分では、自動車走行時の振動により内装品同士が擦
れ合い軋み音が発生する。従来の軋み音対策としては、
接触部にその形状に合わせた不織布を貼る手段が取られ
ている。不織布を接触する2部品間に介在させることに
より、音の発生が抑制される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
内装部品表面の接触部に不織布を貼る対策では、細かい
作業のため機械化が困難であり、人手に頼るため作業工
数が多大となり、コスト高となるという欠点があった。
また、ドアトリム端部とインストサイド又はシートサイ
ドとの接触部分では、ドアが閉じた状態では人目につか
ないため、外観品質上問題とならないが、ドアを開けた
状態では人目につくため、不織布を貼ると外観品質が劣
るという欠点があった。
【0005】一方、特開平3−143745号公報、特
開平3−143746号公報及び特開平3−21742
5号公報には音の発生する部分に不織布の代替として弾
性塗膜や異音防止塗料を塗布する軋み音防止剤が開示さ
れている。しかしながら、これらの方法は音が発生する
部分に部品を成形した後、後処理として内装部品表面の
接触部分に防止剤を塗布する方法であるため、自動化は
可能であるが、新たに塗布工程が必要となるという欠点
があった。また、これらの方法は軋み音のみを防止する
ことを目的としているので、外観品質を低下させ、人目
につく部分には、外観品質上、適用することができない
という欠点があった。
【0006】また、特開平5−156206号公報に
は、ウレタン樹脂中にウレタンの微粒子を含有したコー
ティング剤が開示されている。しかしながら、このコー
ティング剤はアクリル系塗料に比べてコストが高く、更
に接触している部品が滑り出す時に発生する単発音に対
しては、アクリル系塗料に比べ劣るという欠点があっ
た。
【0007】このため本発明者らは、アクリル−塩化ビ
ニル系塗料用樹脂に所定の粒径を有する球状のNBR等
のゴム系微粒子を所定量含有させることにより、動摩擦
係数(μd)の幅を小さくすることができることによる
軋み音を防止する効果が高い軋み音防止表面処理剤を提
案した(特願平6−162102号)。
【0008】しかしながら、上記出願に係る表面処理剤
では、軋み音を防止する効果は高いが、球状粒子だけで
は艶消し効果が低いため、軋み音には逆効果となるシリ
カを混ぜることが必要となる。一方、艶消し効果の高い
粒径の大きなシリカ粒子では少量の添加でも軋み音防止
効果が低下する。また、軋み音に影響を与えないように
粒径の小さいシリカ粒子とすると、塗膜中に沈降し艶消
しに寄与しないシリカが増加し、シリカの分量を増加さ
せても艶が十分に消えないためにシリカ量が増加し、せ
っかく軋み音防止効果に悪影響を与えにくい粒径の小さ
い粒子を用いているにもかかわらず、ついには軋み音防
止効果が低下するという欠点があった。
【0009】従って本発明は、このような従来の問題点
に着目してなされたもので、表面処理の施されている自
動車用内装表皮材の表面処理剤に、外観品質を低下させ
ることなく、軋み音を低減させる特性を持たせることに
よる軋み音防止効果を有する自動車用内装表皮材におい
て、その表面処理剤に混ぜるシリカ量を低減し、コスト
の低減を図ると共に、艶消し効果を向上させることので
きる軋み音防止機能を有する自動車用内装表皮材を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、第1層としてアクリル
−塩化ビニル系塗料用樹脂に所定のウレタン粒子及び/
又はゴム系微粒子を所定量含有させ、更に前記第1層上
に第2層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂に所
定のシリカを所定量含有させた2層構造とした場合に
は、自動車の走行時の振動による内装部品が擦れ合って
発生する軋み音を有効に防止することができると共に、
艶消し効果をも向上させることができることを見出し、
本発明に到達した。
【0011】本発明の上記の目的は、自動車用内装表皮
材の表面に、アクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂に平均
粒径が5〜50μmの範囲にある球状のウレタン粒子及
び/又はゴム系微粒子を1〜70重量%の範囲で含有し
た第1層を設け、該第1層上に前記アクリル−塩化ビニ
ル系塗料用樹脂に艶消し剤として平均粒径が1〜8μm
の範囲にあるシリカ粒子を1〜30重量%の範囲で含有
した第2層を設けてなることを特徴とする軋み音防止機
能を有する自動車用内装表皮材により達成された。
【0012】まず、本発明における軋み音を低減させる
ための考え方を以下に説明する。自動車車室内において
発生する音は2種類に大別することができる。1つは部
品が滑り出す時に発生する単発音であり、もう1つは自
動車走行時の定常的な振動によって発生する連続音であ
る。前者の単発音は発進時や段差を乗り越えたときなど
に、内装部品が衝撃を受けて発生するものであり、後者
の連続音は路面の状況によって車両が走行中に連続的に
頻繁に起こり得るものである。
【0013】本発明は、発生頻度及び乗員の感じる不快
度等を考慮し、後者の定常的な振動によって生じる連続
音を低減させることを目的としてなされたものである。
また、部品が滑り出す時に生ずる単発音については、ベ
ース塗料をアクリル−塩化ビニル系塗料とすることで改
善することができる。図1に試験例で用いた往復運動に
よる摩擦試験の概要を示す。図1に示すように、被試験
体1上で被試験体2を滑らせる試験を行った場合に、2
つの物体間の摩擦係数は時間の経過と共に、一般的に図
2に示すように時間に対して摩擦係数の変化したデータ
が得られる。
【0014】単発音に対しては静摩擦係数と動摩擦係数
との差を小さくすることが有効となるが、連続的な微振
動によって発生する音を防止するためには、動摩擦係数
(μd)の変動幅を小さくするほうが効果的である。
【0015】一方、従来から自動車の内装部品に低光沢
化等をする目的で塗布されているアクリル−塩化ビニル
系塗料について、軋み音の観点から検討した結果、塗料
の艶消し剤として一般的に添加されているシリカ粒子が
摩擦特性を悪化させていることが明らかとなった。
【0016】そのメカニズムとしては明らかではない
が、以下のように考えることができる。 通常、艶消し
剤として用いられているシリカの表面は微細な凹凸を有
しており、塗膜表面にその粒子表面の一部を露出するこ
とにより光を乱反射し、艶消し効果を発現させている。
そのため、塗膜厚みに比べ小さい粒径のシリカでは塗膜
中に沈降してしまい、艶消し効果が得られず、塗膜厚み
と同等の粒径を持つシリカ粒子を分散させることが必要
であった。
【0017】このように塗膜厚みに匹敵する粒径を持つ
シリカ粒子が表面にその一部を露出させている表皮材
が、相手材として同様な表面処理を施された樹脂部品及
び塗装されたパネルと擦れるときに発生する軋み音の原
因としては、まず、表面処理された樹脂部品同志がしゅ
う動する場合には、表面処理剤の表面に露出したシリカ
同志が引っ掛かりそれが開放されるときに発生する力が
起振力となり軋み音が発生する。また、表面処理された
樹脂部品と塗装されたパネルとがしゅう動するときに
は、表面処理剤の表面に露出したシリカがパネル表面を
ひっかく様に擦ることにより軋み音が発生すると考える
ことができる。
【0018】以上のように考えると、軋み音防止の観点
からは、相手材が押し付けられた時にシリカが塗膜中に
沈み込むことが可能な塗膜構成、つまり塗膜厚みより小
さい粒径のシリカ粒子が塗膜表面に露出している構成に
なっていることが有効であると考えられる。
【0019】本発明において、第1層を形成する表面処
理剤に添加するウレタン粒子の平均粒径は5〜50μm
の範囲である。平均粒径が5μm未満になると、ウレタ
ン粒子が塗膜中に沈降し表面に凹凸が形成されなくな
り、艶消し効果がなくなったり、摩擦特性が低下する。
逆に、50μmを超えると、通常の表面処理剤の厚みが
30μm程度であるので、本発明の内装材の表面に塗布
される表面処理剤全体の厚みも30μm程度であり、こ
れより半径の大きい粒径のものでは耐摩耗性が低下す
る。この点では、ゴム系微粒子も同様である。
【0020】ウレタン粒子、ゴム系微粒子の形状は、共
に本発明の効果を出すため、球状であることが必要であ
り、特に真球状であることが好ましい。ウレタン粒子の
含有量は固形分として1〜70重量%の範囲、特に10
〜60重量%の範囲であることが好ましい。含有量が1
重量%未満になると、異音防止効果が不十分であり、艶
消し効果も消失する。逆に、70重量%を超えると、塗
膜形成が不可能であったり、塗膜の耐磨耗性が低下する
と共にコスト高となる。この点では、ゴム系微粒子も同
様である。
【0021】第2層を形成する表面処理剤に添加するシ
リカ粒子の粒径は、シリカ粒子の艶消し発現機構を考え
ると平均粒径が1〜8μmの範囲、特に第2層を形成す
る表面処理剤の厚み程度(5〜8μm)であることが好
ましい。また、シリカの含有量は1〜30重量%の範
囲、特に5〜30重量%の範囲であることが好ましい。
シリカの含有量が1重量%未満になると、艶消し効果が
消失し、逆に30重量%を超えると、軋み音を低減させ
る効果が低下すると共にコスト高となる。
【0022】塗膜全体の艶としては、第1層及び第2層
の複合効果として決まる。但し、ウレタン粒子及びシリ
カ粒子とも上記範囲内であれば軋み音防止効果は変わら
ないので、艶調整という目的で自由に選ぶことが可能で
ある。また、主成分であるアクリル−塩化ビニル系塗料
用樹脂としては、現在、車両内装用に使用されている塗
料樹脂を使用することができ、公知の技術で作製するこ
とができる。
【0023】本発明の軋み音防止表面処理剤は、アクリ
ル−塩化ビニル系塗料用樹脂にウレタン粒子を1〜70
重量%と各種添加剤(安定剤等)を添加し、撹拌した
後、3本ロール、ボールミル、ポットミル、スチールミ
ル、ペブルミル、サンドミル及びロールミル等の分散機
に投入し、均一に混合分散させることによって調製する
ことができる。この際、分散性を高めるため界面活性剤
を添加することが好ましい。次いで、塗布方法に応じて
混合分散させた材料を希釈する。
【0024】このようにして得られる本発明の軋み音防
止処理剤は、表皮材に対しては現状の表面処理剤と同様
の形態で使用することができる。現状の使用形態とは、
内装品の表皮であるPVCシートが製造される工程にお
いて、シート表面にエアスプレー又はエアレススプレー
或いはグラビアロールにより塗布される。他の部品及び
部位には塗布部の形状や表面状態等により、スプレー塗
布、はけ塗り、ローラー塗り及び浸漬塗装することもで
きる。
【0025】本発明の軋み音防止表面処理剤の塗布対象
物としては、インストルメントパネル、ドアトリム、ピ
ラーガーニッシュ、サンバイザー、シートレザー等の表
皮の他、メータクラスタ、コンソールボックス等の組み
付け部品が挙げられる。その材質は、表皮としては特に
PVC表皮、他の部品、部位では各種プラスチック、ゴ
ム、金属及びガラス等が挙げられる。
【0026】
【作用】以下、本発明の作用について説明する。自動車
用内装材に現状使用されている表面処理剤を、第1層と
して平均粒系が5〜50μmの範囲にある球状のウレタ
ン粒子及び/又はNBR等のゴム系微粒子を固形分とし
て1〜70重量%の範囲で含有し、第2層として平均粒
系が1〜8μmの範囲にあるシリカ粒子を固形分として
1〜30重量%の範囲で含有した2層構造とすることに
より、車両走行時の定常的な振動により発生する軋み音
を防止することができる。
【0027】球状の軟質粒子を添加させることにより、
塗膜表面になだらかな凹凸を形成する第1層と、第1層
の上面にシリカの艶消し剤を添加しその塗膜厚みを薄く
した第2層を形成することにより、最小限のシリカの量
でウレタン又はゴム系微粒子では不十分な艶消し効果を
補助している。このような二層構造にすることにより、
相手材と接触する部分を凹凸の凸部のみとし接触面積を
へらすことにより、相手材表面との引っ掛かりが発生す
るシリカの量をへらす効果と、この凸部表面に存在する
シリカが軟質ビーズに喰い込むことにより接触面での応
力集中を起きにくくしている効果があることによると考
えられる。
【0028】この塗膜層は現在行なわれているシートの
表面処理工程において形成されるため、新規工程の導入
が不要であり、従来の不織布貼り付け工程を省略するこ
とができる。更に、現状使用されている表面処理剤に軋
み音防止機能を付与したことにより外観品質を損なわな
いので、人の目に触れる部分にも適用することができ
る。また、シート全体に塗膜層が形成されることからイ
ンストルメントパネル、ドアトリム、ピラーガーニッシ
ュ、サンバイザー及びシートレザー等とそれらに組み付
けられている部品、及びそれらと干渉する部品との軋み
音も低減することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0030】実施例1 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にウレ
タン粒子(平均粒径15μm、真球状)を50重量%添
加したものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系
塗料用樹脂にシリカ粒子(平均粒径5μm、不定形)を
10重量%添加したものを塩化ビニル系表皮材の表面に
スプレー塗布し、乾燥させて実施例1の試料を得た。各
層の厚みは第1層が20μmで、第2層が10μmであ
る。図3に得られたアクリル−塩化ビニル系表面処理の
断面を示す。図3において3はPVCシート、4はウレ
タン粒子、5はシリカ粒子、6は第1層、7は第2層で
ある。
【0031】実施例2 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にウレ
タン粒子(平均粒径15μm、真球状)を10重量%添
加したものとし、第2層として着色表面処理剤(アクリ
ル−塩化ビニル系塗料用樹脂+顔料)にシリカ粒子(平
均粒径5μm、不定形)を13重量%添加したものを実
施例1と全く同様の方法で調整を行ない、実施例2の試
料を得た。また、各層の厚みも、実施例1と同様に第1
層が20μm、第2層が10μmである。
【0032】実施例3 第1層として着色表面処理剤(アクリル−塩化ビニル系
塗料用樹脂+顔料)にウレタン粒子(平均粒径15μ
m、真球状)を40重量%添加したものとし、第2層と
してアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にシリカ粒子
(平均粒径3μm、不定形)を11重量%添加したもの
を実施例1と全く同様の方法で調整を行ない、実施例3
の試料を得た。また、各層の厚みも、実施例1と同様
で、第1層が20μm、第2層が10μmである。
【0033】実施例4 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にNB
R粒子(平均粒径25μm、真球状)を30重量%添加
したものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系塗
料用樹脂にシリカ粒子(平均粒径5μm、不定形)を1
5重量%添加したものを実施例1と全く同様の方法で調
整を行ない、実施例4の試料を得た。また、各層の厚み
も、実施例1と同様で、第1層が20μm、第2層が1
0μmである。
【0034】比較例1 アクリル−塩化ビニル系塗料のみを塩化ビニル系表皮材
の表面にスプレー塗布し、乾燥させ比較例1の試料を得
た。厚さは30μmである。
【0035】比較例2 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にウレ
タン粒子(平均粒径15μm、真球状)を4重量%添加
したものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系塗
料用樹脂のみを実施例1と全く同様の方法で調整を行な
い、比較例2の試料を得た。また、各層の厚みも、実施
例1と同様で、第1層が20μm、第2層が10μmで
ある。
【0036】比較例3 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂のみと
し、第2層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂に
シリカ粒子(平均粒径5μm、不定形)を25重量%添
加したものを実施例1と全く同様の方法で調整を行な
い、比較例3の試料を得た。また、各層の厚みも、実施
例1と同様で、第1層が20μm、第2層が10μmで
ある。
【0037】比較例4 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にウレ
タン粒子(平均粒径15μm、真球状)を4重量%添加
したものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系塗
料用樹脂にシリカ粒子(平均粒径5μm、不定形)を3
5重量%添加したものを実施例1と全く同様の方法で調
整を行ない、比較例4の試料を得た。また、各層の厚み
も、実施例1と同様で、第1層が20μm、第2層が1
0μmである。
【0038】比較例5 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にウレ
タン粒子(平均粒径15μm、真球状)を30重量%添
加したものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系
塗料用樹脂にシリカ粒子(平均粒径5μm、不定形)を
35重量%添加したものを実施例1と全く同様の方法で
調整を行なった。また、各層の厚みも、実施例1と同様
で、第1層が20μm、第2層が10μmである。
【0039】比較例6 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にウレ
タン粒子(平均粒径15μm、真球状)を25重量%添
加したものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系
塗料用樹脂にシリカ粒子(平均粒径13μm、不定形)
を20重量%添加したものを実施例1と全く同様の方法
で調整を行ない、比較例6の試料を得た。また、各層の
厚みも、実施例1と同様で、第1層が20μm、第2層
が10μmである。
【0040】比較例7 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にウレ
タン粒子(平均粒径15μm、真球状)を4重量%添加
したものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系塗
料用樹脂にシリカ粒子(平均粒径5μm、不定形)を3
5重量%添加したものを実施例1と全く同様の方法で調
整を行ない、比較例7の試料を得た。また、各層の厚み
も、実施例1と同様で、第1層が20μm、第2層が1
0μmである。このシートについては、試験用シートに
て、摩擦試験を行なったところ、試験中に粉落ちがし、
実用に耐えるものではなかった。
【0041】比較例8 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にウレ
タン粒子(平均粒径3μm、真球状)を60重量%添加
したものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系塗
料用樹脂にシリカ粒子(平均粒径10μm、不定形)を
10重量%添加したものを実施例1と全く同様の方法で
調整を行ない、比較例8の試料を得た。また、各層の厚
みも、実施例1と同様で、第1層が20μm、第2層が
10μmである。
【0042】比較例9 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にアク
リル粒子(平均粒径4μm、真球状)を60重量%添加
したものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系塗
料用樹脂にシリカ粒子(平均粒径5μm、不定形)を5
重量%添加したものを実施例1と全く同様の方法で調整
を行ない、比較例9の試料を得た。また、各層の厚み
も、実施例1と同様で、第1層が20μm、第2層が1
0μmである。
【0043】比較例10 第1層としてアクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂にフッ
素粒子(平均粒径10μm、塊状)を60重量%添加し
たものとし、第2層としてアクリル−塩化ビニル系塗料
用樹脂にシリカ粒子(平均粒径5μm、不定形)を5重
量%添加したものを実施例1と全く同様の方法で調整を
行ない、比較例10の試料を得た。また、各層の厚み
も、実施例1と同様で、第1層が20μm、第2層が1
0μmである。
【0044】比較例11 現行軋み音対策に用いている不織布を比較例11とし
た。
【0045】
【試験結果】実施例1〜4及び比較例1〜11の各表面
処理剤を塗布したシートの軋み音防止効果を比較するた
め、相手材として、一般的な自動車内装用PVCシート
を用い、往復動による摩擦試験を行い、摩擦特性の評価
及び軋み音発生の有無の確認を行った。また、塗布後の
60度表面光沢度をグロスメーターにより測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示されるように、実施例で得られた
塗料は音の発生が無く、また動摩擦係数の幅も現在軋み
音対策に用いている不織布並みに小さくなっており、軋
み音防止効果があることが判る。また、艶消し効果も確
認された。比較例1、2の塗料では軋み音に対しては有
効であるが、艶消し効果が無いため商品性に劣る。比較
例3〜6及び8〜9においては、艶消し効果は付与され
ているが動摩擦係数の幅が大きくなり軋み音が発生して
いる。比較例10は艶消し度合いが小さい。
【0048】
【発明の効果】本発明の軋み音防止機能を有する自動車
用内装表皮材は、第1層として平均粒径が5〜50μm
の範囲にある球状のウレタン粒子又はNBRなどのゴム
系微粒子を1〜70重量%の範囲で添加したアクリル−
塩化ビニル系塗料用樹脂をコーティングし、次いで第1
層の表面に第2層として平均粒径が1〜8μmの範囲に
あるシリカ粒子を1〜30重量%の範囲で添加したアク
リル−塩化ビニル系塗料用樹脂をコーティングした表皮
材とすることにより得られ、これにより部品どうしの接
触による軋み音が防止することができるという効果が得
られる。
【0049】この表面処理剤の塗布工程は、現在行なわ
れている表面処理工程において原反シート全面に塗布す
ることができるので、新規工程の導入及び不織布貼り付
けが不要となり、作業工程を簡略化することができる。
また、ドアトリムとインスト端部或いはシートサイドと
いった人目につく部品にも適用することができるという
効果が得られる。更に、この表面処理剤を塗布した自動
車内装用表皮材の基材としては、実施例に示した塩化ビ
ニル系の表皮シートに限らず、例えば増量材を混入した
ポリプロピレン(PP)の型もの、合成皮革、金属及び
ガラスなどにも適用することができる。
【0050】本発明では、単発音に対してもアクリル−
塩化ビニル系塗料用樹脂がウレタン樹脂より優れるとい
う特性はこのようなウレタンビーズを添加しても保持し
たままであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例で用いた往復運動による摩擦試験の概要
を示す図である。
【図2】図1に示した摩擦試験により得られた時間に対
する摩擦係数の変化を示す図である。
【図3】実施例1で得られたアクリル−塩化ビニル系表
面処理の断面を示す図である。
【符号の説明】
1 被試験体(相手材) 2 被試験体(本発明品) 3 PVCシート 4 ウレタン粒子 5 シリカ粒子 6 第1層 7 第2層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/36 PGB C09D 109/00 PGU 127/06 PFE PFF 133/00 PGB PGF PGG 175/04 PHM C09K 3/00 P

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車用内装表皮材の表面に、アクリル
    −塩化ビニル系塗料用樹脂に平均粒径が5〜50μmの
    範囲にある球状のウレタン粒子及び/又はゴム系微粒子
    を1〜70重量%の範囲で含有した第1層を設け、該第
    1層上に前記アクリル−塩化ビニル系塗料用樹脂に艶消
    し剤として平均粒径が1〜8μmの範囲にあるシリカ粒
    子を1〜30重量%の範囲で含有した第2層を設けてな
    ることを特徴とする軋み音防止機能を有する自動車用内
    装表皮材。
  2. 【請求項2】 自動車用内装表皮材の表面に設けられた
    第1層、又は第1層及び第2層に予め表面処理を施した
    顔料を分散させたことを特徴とする請求項1記載の軋み
    音防止機能を有する自動車用内装表皮材。
  3. 【請求項3】 ゴム系微粒子がNBRゴム微粒子である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の軋み音防止機能
    を有する自動車用内装表皮材。
JP6325648A 1994-12-27 1994-12-27 軋み音防止機能を有する自動車用内装表皮材 Pending JPH08179780A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6325648A JPH08179780A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 軋み音防止機能を有する自動車用内装表皮材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6325648A JPH08179780A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 軋み音防止機能を有する自動車用内装表皮材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08179780A true JPH08179780A (ja) 1996-07-12

Family

ID=18179176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6325648A Pending JPH08179780A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 軋み音防止機能を有する自動車用内装表皮材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08179780A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0839855A1 (de) * 1996-10-30 1998-05-06 Bayer Ag Oberflächenvergütung von Platten aus thermoplastischen Kunststoffen
JPWO2014168078A1 (ja) * 2013-04-08 2017-02-16 テクノポリマー株式会社 接触用部品、および該接触用部品を含む構造体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0839855A1 (de) * 1996-10-30 1998-05-06 Bayer Ag Oberflächenvergütung von Platten aus thermoplastischen Kunststoffen
US5868983A (en) * 1996-10-30 1999-02-09 Bayer Aktiengesellschaft Surface finishing of sheets made from thermoplastics
JPWO2014168078A1 (ja) * 2013-04-08 2017-02-16 テクノポリマー株式会社 接触用部品、および該接触用部品を含む構造体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3329946B2 (ja) 艶消し塗膜
JP3125633U (ja) ゴルフクラブヘッドのコーティング層
CN107011788A (zh) 人造革处理剂、聚氯乙烯人造革、其制备方法及用途
JP2013040259A (ja) ウレタンビーズトップコート
US20130030106A1 (en) Hybrid clear matte paint composition for a vehicle
JP3276257B2 (ja) 軋み音防止表面処理剤
US10272469B2 (en) Process for metallising a polymeric surface
JPH0827409A (ja) 軋み音防止表面処理剤
JPH08179780A (ja) 軋み音防止機能を有する自動車用内装表皮材
JP4958033B2 (ja) 自動車内装用植毛品を製造する方法
JP6920509B1 (ja) 金属調塗膜、それを有する成型体及び金属調塗膜の形成方法
JP2908695B2 (ja) 光輝性塗膜の補修用塗料および補修方法
JPH08281210A (ja) 被覆樹脂微粒子及びそれを使用した軋み音防止表面処理剤
JPH08234764A (ja) 軋み音防止表面処理剤
JP6431351B2 (ja) 車両の内装用樹脂成形品
US5770647A (en) Friction sound-preventing surface-treating agent
JP2002205007A (ja) ホワイト系複層塗膜の補修方法
JP2006028444A (ja) 軋み音防止表面処理剤
JP3861677B2 (ja) ウエザーストリップ
JPH0987573A (ja) 軋み音防止表面処理剤の製造方法
JPH01118576A (ja) 上塗り塗装構造
JPS62124161A (ja) 艶消し塗装ラッカー補修方法及び艶消し塗装用ラッカー補修塗料
JP2001039233A (ja) 表面処理が施されたウェザーストリップ
JPS60141748A (ja) 非オレフイン系樹脂材体の擦れ音低減剤
JPS62124160A (ja) 艶消し塗装の焼付補修方法及び補修用塗料並びにぼかし液