JPH08281210A - 被覆樹脂微粒子及びそれを使用した軋み音防止表面処理剤 - Google Patents

被覆樹脂微粒子及びそれを使用した軋み音防止表面処理剤

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JPH08281210A
JPH08281210A JP7087868A JP8786895A JPH08281210A JP H08281210 A JPH08281210 A JP H08281210A JP 7087868 A JP7087868 A JP 7087868A JP 8786895 A JP8786895 A JP 8786895A JP H08281210 A JPH08281210 A JP H08281210A
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Kuniko Matsutani
久仁子 松谷
Satoshi Ichikawa
聡 市川
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車の走行時の振動により内装部品が擦れ
合って発生する軋み音を防止するための軋み音防止表面
処理剤及びその表面処理剤に軋み音防止効果及び耐久性
を付与するために添加される被覆樹脂微粒子を提供する
こと。 【構成】 球状樹脂微粒子の表面をポリエチレンワック
スで被覆したことを特徴とする被覆樹脂微粒子、及びそ
の被覆樹脂微粒子を合成樹脂を主成分する塗料用樹脂成
分100重量部に対し、固形分として10〜60重量部
の範囲で含有させたことを特徴とする軋み音防止表面処
理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インストルメントパネ
ル、ドアトリム及びサンバイザー等の自動車の内装部品
に用いられる被覆樹脂微粒子及びそれを使用した軋み音
防止表面処理剤に関し、更に詳細には、自動車の走行時
の振動により内装部品が擦れ合って発生する軋み音を防
止するための軋み音防止表面処理剤及びその表面処理剤
に軋み音防止効果及び耐久性を付与するために添加され
る被覆樹脂微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の内装部品であるインスト
ルメントパネル、ピラーガーニッシュ、ドアトリム及び
サンバイザー等の表面は、塩化ビニル(PVC)シート
で覆われており、更にその表層は耐候性を付与したり、
低光沢化等をする目的で厚さ10〜30μm程度のアク
リル一塩化ビニル系塗料又はウレタン系の塗料により表
面処理が施されている。
【0003】この表面処理層はインストでは一般にシー
トの変色をカバーするため、カラーコートとクリアコー
トとの二層構造になっているが、近年、工程簡略化のた
め、この二層コートがカラーコートの一層コート化に移
りつつある。
【0004】これらを含む自動車の内装部品が相互に接
触する部分では、自動車走行時の振動により擦れ合って
軋み音が発生する。従来、この軋み音対策としては、接
触部に不織布を貼る方法が一般的に用いられており、こ
の不織布を両部品間に介在させることにより、音の発生
を抑制させるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不織布
を貼る対策では、細かい作業のため機械化が困難であ
り、人手に頼る方法となるので、作業工数が多大となる
という欠点があった。また、ドアトリム端部とインスト
ルメントパネル又はシートサイドとの接触部分では、ド
アが閉じた状態では見えないため、外観品質上問題にな
らないが、ドアを開けた状態では人目につくため、不織
布を貼ると外観品質が劣るという欠点があった。
【0006】一方、特開平3−143745号公報、特
開平3−143746号公報及び特開平3−21742
5号公報には、自動車の内装部品表面の接触部におい
て、音の発生する部分に弾性塗膜や異音防止塗料等の軋
み音防止剤を塗布する技術が開示されている。
【0007】しかしながら、これらの方法は部品を成形
した後に、後処理として内装部品表面の接触部分に防止
剤を塗布する方法であるため、自動化は可能であるが、
新たに塗布工程が必要となり、また、これらの方法は軋
み音のみを防止することを目的としているので、不織布
の貼り付けと同様に、外観品質を低下させ、人目につく
部分には適用することができないという欠点があった。
【0008】また、特開平5−156206号公報、特
開昭63−317514号公報及び特開昭61−138
637号公報には、微粒子を添加した表面処理剤が開示
されている。しかしながら、不定形の微粒子を添加する
と、摩擦時に相手表面との引っ掛かりが発生し、摩擦特
性が悪化するので、軋み音防止効果は得られず、粒子の
脱落も起こりやすい。また、微粒子が硬い場合には、脱
落した粒子が研磨剤として働き、表面塗膜の摩耗を促進
させる可能性がある。
【0009】一方、球状の微粒子を添加すると、不定形
粒子の添加に見られるような引っ掛かりの問題は解決さ
れるが、微粒子の添加による塗布表面の艶消し効果が小
さくなり、色むら等も発生しやすくなる。また、微粒子
の表面粗さが小さく、表面処理剤樹脂と密着性が低い場
合には、粒子の脱落が起こりやすい。このような現象を
防止するために樹脂微粒子の表面に官能基−COOH
基、−OH基、−NH2基等を持たせ、密着性を向上さ
せた微粒子も開発されているが、樹脂微粒子の脱落防止
のための十分な効果は無い。
【0010】また、インストでは、近年の一層コート化
により、着色塗料の摩擦摩耗による色落ちや色移りが問
題となってきている。この問題は、一般に塗膜を硬くし
耐磨耗性を向上させることで解決しているが、軋み音防
止特性としては悪化する方向であるため、軋み音防止特
性と色落ち改善とはトレードオフ関係にあった。
【0011】従って本発明は、このような従来の問題点
に着目してなされたもので、軋み音防止、摩擦色落ち性
及び塗膜の耐久性を表面処理剤に付与するために添加す
る微粒子と、その微粒子を添加した軋み音防止表面処理
剤とを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、表面処理剤に添
加する粒子の表面をポリエチレンワックスで被覆するこ
とによって、軋み音防止、摩擦色落ち性及び塗膜の耐久
性を向上させると共に、艶消し度合いの不足や色むらは
同時に艶消し剤を添加粒子の回りにポリエチレンワック
スで被覆し、固定することによって解決することができ
ることを見い出し、本発明に到達した。
【0013】本発明の上記の目的は、球状樹脂微粒子の
表面をポリエチレンワックスで被覆したことを特徴とす
る被覆樹脂微粒子、及び被覆樹脂微粒子を合成樹脂を主
成分する塗料用樹脂成分100重量部に対し、固形分と
して10〜60重量部の範囲で含有させたことを特徴と
する軋み音防止表面処理剤により達成された。
【0014】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。まず、本発明における軋み音を低減させるための考
え方を以下に説明する。自動車車室内において発生する
音は二種類に大別することができる。一つは部品が滑り
出す時に発生する単発音であり、もう一つは自動車走行
時の定常的な振動によって発生する連続音である。前者
の音は発振時や段差を乗り越えたときなどに内装部品が
衝撃を受けたときに発生するものであり、後者の音は路
面の状況によって車両が走行中に連続的に頻繁に起こり
得るものである。
【0015】本発明は、発生頻度及び乗員の感じる不快
度等を考慮し、後者の連続音を低減させることを目的と
してなされたものである。図1に試験例で用いた往復運
動による摩擦試験の概要を示す。図1に示すように、被
試験体2を被試験体1上で滑らせる試験を行った場合
に、二つの物体間の摩擦係数は時間の経過と共に、一般
的に図2に示すように時間に対する摩擦係数の変化した
データが得られる。
【0016】単発音に対しては静摩擦係数と動摩擦係数
との差を小さくすることが有効となるが、連続的な微振
動によって発生する音を防止するためには、動摩擦係数
(μd)の変動幅を小さくするほうが効果的である。
【0017】従来、自動車の内装部品表面に塗布されて
いる塗料について、軋み音の観点から検討した結果、塗
料中に艶消し剤として添加されているシリカ粒子が動摩
擦特性を悪化させていることが明らかになった。しか
し、シリカ粒子は表面の艶消しに有効である。また、摩
擦摩耗に対する塗膜の耐久性には、ワックスが有効であ
ることがわかっている。
【0018】このため、本発明者らは、ポリエチレンワ
ックスで被覆した球状樹脂微粒子を表面処理剤に添加す
ることにより、動摩擦係数の幅を小さくすることが可能
となり、その結果軋み音を防止する効果を見い出すと共
に、艶消し度合いの不足や色むらについは、ポリエチレ
ンワックス被覆時に添加粒子の周囲に同時に艶消し剤微
粒子を被覆して固定することにより、摩擦特性を維持し
つつ、艶消し効果をも持たせることが可能になることを
見い出した。
【0019】ポリエチレンワックスを被覆剤として用い
たのは、滑性剤としてポリプロピレンワックスより有効
であり、高荷重下ではシリコンオイルよりも優れ、被覆
剤としての加工が低温(100℃以下)で可能であり、
造膜性も有していることにより選択された。このポリエ
チレンワックスは造膜性や滑性を有していることによ
り、被膜を薄くできるため球状樹脂本来の透明性を損な
うことがないという利点もある。本発明においては、平
均分子量が1500〜5000の範囲にあるポリエチレ
ンワックスを含有させることにより、摩擦や磨耗による
色落ちを防止することができる。
【0020】添加する球状樹脂微粒子としては、特に制
限されないが、軋み音防止の観点から、弾性を有するも
のが好ましく、特にウレタン樹脂粒子を使用することが
好ましい。これらの粒子は公知の方法の中から適宜選択
して合成することができるが、特に強制水中懸濁法によ
って合成することが好ましい。この方法は、イソシアネ
ートプレポリマー及びポリオールの混合品を強制的に水
中で懸濁させて、微粒子を製造する方法である。
【0021】この球状樹脂微粒子の平均粒径は1〜50
μmの範囲、特に5〜30μmの範囲であることが好ま
しい。平均粒径が1μm未満になると、粒子が塗膜中に
沈降し、表面に凹凸が形成されなくなり、艶消し効果が
なくなったり、摩擦特性が低下する。一方、表面処理剤
の厚さが30μm程度であるので、平均粒径が50μm
を超えると耐摩耗性が低下する。球状樹脂微粒子の形状
は、本発明の効果をだすため、球状であることが必要で
あり、特に真球状であることが好ましい。
【0022】シリカ微粒子は、分散させた状態(二次粒
子)で平均粒径が1〜4μmの範囲となるものを用いる
ことが好ましい。これは一次粒子の平均粒径が1μm以
下のシリカ微粒子である。このシリカ微粒子は、球状樹
脂微粒子の添加量が多い場合や艶消し効果が不足する場
合に用いる。球状樹脂微粒子を多量に添加した場合に
は、球状という形状の屈折率によって、表面光沢が独特
のもの(きらきら感、ぎらぎら感)となり、表面処理剤
の商品性としては好ましくない。このような場合や表面
光沢が過度な場合に、シリカ粒子を球状樹脂微粒子の表
面にフラックスによって固定させ、表面形状を変えるこ
とにより、表面光沢を調製することができる。
【0023】シリカ微粒子を球状樹脂微粒子の表面に固
定せず、単独で添加することによっても、上記の問題を
解決することができるが、単独で添加されたシリカ微粒
子は摩擦や摩耗によって脱落し易く、脱落した後、研磨
剤として働き、表面の摩耗を促進させる。
【0024】各成分の配合量は軋み音防止表面処理剤へ
の配合比によって決定される。添加する球状樹脂微粒子
の含有量は固形分として10〜60重量部の範囲である
ことが好ましく、特に20〜50重量部の範囲であるこ
とが好ましい。球状樹脂微粒子の含有量が固形分として
10重量部未満になると、異音防止効果が不十分とな
り、艶消し効果も消失する。逆に、60重量%を超えて
含ませると、塗膜形成が不可能であったり、塗膜の耐摩
耗性が不十分となる。本発明においては、この範囲内で
ある限り、軋み音防止効果が認められるため、艶調製の
目的で含有量を調製することができる。
【0025】本発明で特に重要なポリエチレンワックス
の使用重量部数は、球状樹脂微粒子を単独で使用する場
合には、球状樹脂微粒子80重量部に対し、20重量部
が適当である。シリカ粒子を同時に被覆する場合には、
球状樹脂微粒子80重量部に対し、シリカ粒子10重量
部及びポリエチレンワックス10重量部が適当である。
これはシリカ粒子の表面積が大きく、被覆固定化がし易
くなるためである。また、シリカ粒子を増加させる場合
には、ポリエチレンワックスの使用量も増加させること
が必要である。
【0026】シリカ粒子の使用量は、前述したように表
面光沢によって決められる。軋み音防止表面処理剤とし
ては、球状樹脂微粒子100重量部に対して、シリカ粒
子0〜40重量部の範囲であることが有効である。シリ
カ粒子が40重量部を超えると、球状樹脂微粒子表面へ
の固定が困難であり、また固定したとしても、摩擦特性
を悪化させることとなる。
【0027】主成分塗料樹脂としては、一般に使用され
ているものである限り、特に限定されないが、部品が滑
り出す時に生ずる単発音を低減させるため、特にアクリ
ル−塩化ビニル系塗料が好ましい。被覆粒子は、溶剤中
にポリエチレンワックス及び樹脂微粒子を投入し、回転
させながら、昇温し、ポリエチレンワックスが溶解した
ことを確認したら、攪拌しながら、冷却して作製する。
シリカを固定させる場合には、溶剤中でシリカを分散さ
せた後、球状微粒子及びポリエチレンワックスを添加す
る。
【0028】本発明の軋み音防止表面処理剤は、塗料用
樹脂100重量部に対し、顔料5〜60重量%、球状樹
脂微粒子を10〜60重量%及び各種添加剤(安定剤
等)を添加し、全体の固形分を任意の割合に希釈し、攪
拌した後、三本ロール、ボールミル、ポットミル、スチ
ールミル、ペブルミル、サンドミル及びロールミル等を
分散機に投入し、均一に混合分散させることによって調
製することができる。次いで、塗布方法に応じて混合分
散させた材料を希釈する。
【0029】このようにして得られる本発明の軋み音防
止処理剤は、表皮材に対しては現状の表面処理剤と同様
の形態で使用することができる。現状の使用形態とは、
内装部品の表皮であるPVCシートが製造される工程に
おいて、シート表面にエアスプレー又はエアレススプレ
ー或いはグラビアロールにより塗布することができるこ
とを意味する。他の部品及び部位には塗布部の形状や表
面の状態等により、スプレー塗装、はけ塗り、ローラー
塗り及び浸漬塗装をすることもできる。
【0030】本発明の軋み音防止表面処理剤の塗布対象
部品としては、インストルメントパネル、ドアトリム、
ピラーガーニッシュ、サンバイザー及びシートレザー等
の表皮の他、メータクラスタやコンソールボックス等の
組み付け部品が挙げられる。この塗布対象部品の材質
は、表皮としては特にPVC表皮が挙げられ、その他の
部品や部位としては各種樹脂、ゴム、金属及びガラス等
が挙げられる。
【0031】
【作用】次に、本発明の作用を説明する。ポリエチレン
ワックスで被覆された粒径が1〜50μmの範囲にある
球状樹脂微粒子を固形分として10〜60重量%の範囲
で含有する軋み音防止表面処理剤を、部品の表面処理塗
布剤として塗布することにより、車両走行時の定常的な
振動により発生する軋み音を防止することができると共
に、摩擦摩耗による色落ち防止や塗膜の耐久性を向上さ
せることができる。
【0032】このことは、ポリエチレンワックスで被覆
された樹脂微粒子を塗料表面に露出させることにより、
被覆物であるポリエチレンワックスが表面に滑性を持た
せると共に、塗膜の傷つき性や耐摩耗性をも向上させる
ことを意味する。また、被覆された球状樹脂微粒子が塗
膜から脱落しても表面がポリエチレンワックスで覆われ
ているため接触部の摩耗性や塗膜表面へ悪影響を及ぼさ
ない。
【0033】この塗膜層は現在行なわれているシートの
表面処理工程において形成され、新規工程の導入が不要
である。更に、現状使用されている表面処理剤に軋み音
防止機能を付与したことにより、外観品質を損なわない
ため、人目に触れる部品にも適用することができる。ま
た、部品成形前のシート全体に塗膜層が形成されること
から、インストルメントパネル、ドアトリム、ピラーガ
ーニッシュ、サンバイザー及びシートレザー等とそれら
に組み付けられている部品、及びそれらと干渉する部品
との軋み音も低減することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0035】実施例1 被覆ウレタン微粒子の製造−1 HV−Mホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)の上
蓋に温度計及び冷却器を付け、1Lの導長フラスコをセ
ットした。このフラスコにトルエン148.0g及びシ
リカ(二次粒子径3.5μm)5.2gを投入し、高速
(1500rpm)で攪拌して、30分間分散した。
【0036】次に、分散液にポリエチレンワックス(平
均分子量2700、酸価0、軟化点107℃)5.2g
及びウレタン微粒子41.6gを投入し、低速回転(5
00rpm)させながら、昇温し、80℃でポリエチレ
ンワックスが溶解したことを確認したら、30分間攪拌
した後、高速攪拌(約1500rpm)しながら、冷却
した(冷却速度5℃/minで行なった。)。室温(2
5℃)まで冷却した後、得られた被覆ウレタン微粒子を
取り出して、サンプル1とした。
【0037】実施例2 被覆ウレタン微粒子の製造−2 配合比 トルエン 144.0g シリカ 無添加 ポリエチレンワックス 44.8g(実施例1と同じもの) ウレタン微粒子 11.2g(実施例1と同じもの) とした他は、実施例1と全く同様にして被覆ウレタン微
粒子を製造し、サンプル2とした。
【0038】実施例3 樹脂固形分20重量%を含有するアクリル−塩化ビニル
系塗料用樹脂100重量部(アクリル:53、塩化ビニ
ル:47)に対し、サンプル1を固形分として40重量
部を添加し、全体の固形分が16重量%となるように溶
剤で希釈し、攪拌した後、サンドグラインドミルにて混
合分散した。次に、得られた分散液を固形分6重量%と
なるように溶剤で希釈して表面処理剤を得た。
【0039】実施例4 実施例3と同様な塗料用樹脂100重量部に対し、サン
プル2を40重量部添加した他は、実施例3と全く同様
な方法で調製して表面処理剤を得た。
【0040】比較例1 実施例3と同様な塗料用樹脂100重量部に対し、未加
工の球状ウレタン微粒子(平均粒径15μm)を固形分
として40重量部、シリカ微粒子を10重量部及びポリ
エチレンワックス(平均分子量3300、酸価0、軟化
点107℃、粒径10μm )を固形分として10重量部
を添加した他は、実施例3と全く同様な方法で調製して
表面処理剤を得た。
【0041】比較例2 実施例3と同様な塗料用樹脂100重量部に対し、未加
工の球状ウレタン微粒子(平均粒径15μm)を固形分
として40重量部及びシリカ微粒子10重量部を添加し
た他は、実施例3と全く同様な方法で調製して表面処理
剤を得た。
【0042】比較例3 実施例3と同様な塗料用樹脂100重量部に対し、未加
工の球状ウレタン微粒子(平均粒径15μm)を固形分
として40重量部を添加した他は、実施例3と全く同様
な方法で調製して表面処理剤を得た。
【0043】試験例 実施例3〜4及び比較例1〜3で得られた表面処理剤を
現行の表面未処理PVCシートに、エアレススプレーに
て塗布し、塗膜を硬化させて試験用シートを作製した。
【0044】実施例3〜4及び比較例1〜3で得られた
表面処理剤について、日本工業規格JISL0801
(染色堅ろう度試験方法通則)に基づき、染色的抵抗性
(色落ち度合い)を評価した。
【0045】また、実施例3〜4及び比較例1〜3で得
られた表面処理剤を塗布したシートについては、相手材
として、一般的な自動車内装用PVCシートを用い、往
復動による摩擦試験を行い、摩擦特性の評価及び軋み音
発生有無の確認を行った。これらの結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示すように、実施例3〜4で得られ
た表面処理剤は全て変退色4級であり、色落ち性には実
用上問題の無いレベルであることが判る。また、この表
面処理剤について摩擦試験を行ったところ、軋み音防止
性能も問題が無いことが確認された。更に、この表面処
理剤はシリカの添加量が少ないにも関わらず艶が消えて
いることから軋み音性能に悪影響を及ぼすシリカを増や
さずに艶を消す方法としても有効である。これに対し、
比較例1〜3で得られた表面処理剤では、軋み音防止効
果は認められるが、色落ち性が著しく実用上適切ではな
い。
【0048】
【発明の効果】本発明の軋み音防止表面処理剤は、ポリ
エチレンワックスで被覆した球状樹脂微粒子を塗料用樹
脂に添加することにより、部品同士の接触による軋み音
を防止することができると共に、表面の艶消しが可能で
あり、更に摩擦や摩耗による色落ちや色移りを防止する
こともできる。
【0049】また、本発明の軋み音防止表面処理剤は、
内装部品のシート製造時に現在行なわれている表面処理
工程において原反シート全面に着色塗料一層で塗布する
ことができるので、新規工程の導入及び不織布の貼り付
けが不要となり、作業工程の簡略化を図ることができ、
更にシート全面に塗布することができるので、組み付け
られる部品との当たりに対しても効果が得られると共
に、ドアトリムとインスト端部又はシートサイドといっ
た人目につく部分にも適用することができるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例で用いた往復運動による摩擦試験の概要
を示す図である。
【図2】図1に示した摩擦試験で得られる時間に対する
摩擦係数の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 被試験体 2 被試験体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状樹脂微粒子の表面をポリエチレンワ
    ックスで被覆したことを特徴とする被覆樹脂微粒子。
  2. 【請求項2】 球状樹脂微粒子が平均粒径1〜50μm
    の範囲にある球状のウレタン粒子であることを特徴とす
    る請求項1記載の被覆樹脂微粒子。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンワックスの平均分子量が1
    500〜5000の範囲にあり、酸価が0であることを
    特徴とする請求項1記載の被覆樹脂微粒子。
  4. 【請求項4】 球状樹脂微粒子の表面に艶消し剤微粒子
    をポリエチレンワックスで被覆して固定したことを特徴
    とする被覆樹脂微粒子。
  5. 【請求項5】 艶消し剤微粒子が平均粒径1〜4μmの
    範囲にあるシリカ微粒子であることを特徴とする請求項
    4記載の被覆樹脂微粒子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の被覆樹脂微粒子を合
    成樹脂を主成分とする塗料用樹脂成分100重量部に対
    し、固形分として10〜60重量部の範囲で含有させた
    ことを特徴とする軋み音防止表面処理剤。
  7. 【請求項7】 塗料用樹脂成分がアクリル−塩化ビニル
    系塗料用樹脂であることを特徴とする請求項6記載の軋
    み音防止表面処理剤。
JP7087868A 1995-04-13 1995-04-13 被覆樹脂微粒子及びそれを使用した軋み音防止表面処理剤 Pending JPH08281210A (ja)

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Cited By (3)

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JP2009068931A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Nippon Seiki Co Ltd 計器装置
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