JP3579688B2 - 「屋根葺じまい端部と外壁材下端部との取合せ部雨じまい工法並びに副資材」 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋根と外壁下端との取り合せ部の雨じまいに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
主に二階建以上の建物の、一階屋根とこれに接する外壁下端との、取り合わせ部雨じまいの従来工法は以下のように行なわれていた。
屋根材は外壁際まで葺き、その上に取り付けた押板を覆う非腐食性の雨押さえ水切板の上片端を外壁材下端部の裏側に立ち上げ位置させて外壁材下地に取り付け、下方を押板に覆せて下端を押板下端の小口に釘等で取り付けていた。
尚、屋根の流れ方向に接続する外壁下端との取合部には、上記の前に非腐食性金属板の捨板を配していた。
屋根材としては瓦・シングル材・金属板などがあり、いずれも上記のようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
外壁材は、その表面を流下した雨水が、その下の排水板の上に落ち、更に、その下の屋根に排水されるように取り付けられてある。
屋根材は、二階の屋根よりも一階の屋根がより早く傷むものである。
これは、そこが、より多く雨水を受け、又、そこは素人でも登り易く、屋根瓦の上を心得なく歩いて瓦を破損し、破損した原因さえ漏水するまで気が付かないでいるのが現状であ。 従って下屋根は補修改修がより多い。
一般に屋根からの漏水の多くは、屋根材の部分的な破損や屋根材のずれ等で雨を漏らす隙間ができたり、下葺材、即ちアスファルトルーヒングやアスファルトフエルト等の老退化や破断等による。
従って、一見屋根材は正常な状態でも下葺材の交換の必要があり、それは屋根材の吹き替えである。
この方法によれば屋根材、特に瓦などは半永久的に屋根材の性能を維持できるものであり、しかも経費も安価ですむ。
屋根瓦の解体は、葺上げの逆の手順となり、当然に最上部、即ち、外壁際からであり、まず、雨押え水切板を解体し押板を解体しなければ屋根材を解体できない。
しかし従来の雨押さえ水切板は、外壁材下端の裏側に水受け排水状に立ち上げてしかも外壁材で押さえ付けた状態になっていて外壁材を解体しなければ取り外せない。 故に、少なくともこの部分の外壁材の解体が必須である。
外壁材も下から上に施工してあり、解体は上からの作業となり、本来は不必要な作業であるのにせざるをえず、労力・資財・経費・時間等不必要な無駄が発生してしていた。
外壁材は、釘やビスなどで取り付ける張物材や、モルタル塗やその上に塗装する塗装材、陶器タイルその他があったがいずれも上記の問題を含んでいた。
外壁材の多くは、解体した場合、歪んだり破損することが極めて多く、従って再使用は殆ど不可能であり、新しい材料を使用することになり、本来は不必要であるのに余分な経費や時間がかかっていた。
故に雨押さえ水切板の解体が、外壁を解体する事無く可能となる工法や資材が必要であり要望されていた。
本発明は、以上の従来の欠点に着目しこれを改善するためのものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
屋根とその上方の外壁下端との取合部の雨じまい工法を、取り付け施工された状態において下記のように構成し、図面を示し説明する。
本明細書では屋根材を瓦1を例とし、葺瓦の上端とその上部に位置する外壁材6との取合部の雨じまいの例について述べる。
瓦1を外壁際まで葺き、それを押さえた押板2を覆って外壁材下地5に添って立ち上げた非腐食性金属の雨押さえ水切板3をもうけ、その下端部を押板2の下端小口に釘4等で止める。雨押さえ水切板3の上端は従来同様に折り返しておく。
一方、上記雨押さえ水切板3の上端直上の外壁材下地5に、概クランク状の外壁材下端水切材7の取付端部7aを釘やビスなどで取りつけた外側に外壁材6をとりつける。 雨押さえ水切板3の上端辺は外壁材下地5に止めないでおく。
次に、図2に示すような、概樋状の長手方向の一側辺を外壁材下端水切材7の下端辺に接面できる取付端辺8aとした下端から斜め上方に延長して弾性をもたせて押さえ端辺8bとして、取付端辺8aと押さえ端辺8b先端間の水平距離を、外壁材下端水切材7の奥行方向の外径以上としてなる水切板押さえ8の押さえ端辺8bを雨押さえ水切板3の上端辺に当てて外壁材下地5側に押しつけ、多端辺の取付端辺8aを外壁材下端水切材7の下端辺にビス9等で着脱自在に取り付ける。
上記により、雨押さえ水切板3の上端部は外壁材下地5に強く押しつけられて着脱自在に取り付けられる。
以上により、外壁材下端水切材7から水切板押さえ8を取り外せば、雨押さえ水切板3は、その上片端が浮き、下端の釘4を抜けば容易に解体取り外すことができ、その下の瓦1他の屋根葺き材を解体でき、したがって補習や改修が容易にでき、即ち、本発明の目的がかなう。
水切板押さえ8は上記の役割上、取付け端片8aと曲線状に延長した先端した間の寸法を、取り付けた状態で雨押さえ水切板3の上端を強く押さえ付け得る間隔をもたせる必要があり、また、曲線状部分は弾力をもたせると、より効果が大きく望ましい。
水切板押さえ8は長尺物が通常であるが、これを短尺ものとして取付けて使用することも本発明の要旨を変えるものではなく任意である。
次に屋根の流れ方向の側端と外壁材の取合部の工法であるが、基本的には上記に述べた工法と同じてあるが、この場合は、従来より行なわれていた、屋根材、即ち、瓦等の下に非腐食性の捨板10を設ける。 図3にその詳細を示す。
押板2や雨押え水切板3の設置等も全て本工法に準ずる。
以上によりり、雨押え水切板3は外壁材6に関係なく解体し、再取付けが可能となり、既設の屋根材の葺き替えが外壁材を解体する事無く可能である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明工法並びに副資財は屋根葺材の種類にかかわらず基本的に同様で応用できる。
本発明工法用の副資材、即ち水切板押さえ8は非腐食性の金属がよいが材質を限定するものではなく、形状や寸法も本発明の要旨を変えない限り任意である。
上述したように、外壁材下端水切板7の基本形は、従来よりあり、使用されてもいるが、それは外壁材下端の水切板としてのみ使用されていたもので、本発明工法の如く、その下方にある器具材料を取付ける手段としたものは無く、この発想は本出願人独特のものである。
近年、外壁材の内側に断熱材等を多用するようになっているが、この場合の断熱材を本工法に先立って施工したり、本工法に使用する材料に断熱材をもうけて、断熱材つき材としても本発明の要旨の範囲内である。
又、外壁材下端水切材7の取り付け部、即ち、縦材部を長くしてその中間部から排水・水切り材部を設けるようにしたり、それ自体に断熱材を設けた外壁材下端水切材7とすることもよい。
【0006】
【発明の効果】
本発明の水切板押さえ8が着脱自在なので、雨押さえ水切板3を取り外せ、更に、その下の押板2が取り外せるので、下屋根の瓦等の補修や改修が、その屋根に接している外壁材6を解体するとなくでき、無駄に廃材をつくらず既設材を再使用できることになり経費も大幅に少なくできるので、社会公共に大きく利益をもたらし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明工法を示す一部切り欠き縦断面図。
【図2】水切板押さえ8の一部切り欠き斜面図。
【図3】本発明における屋根材側端と外壁材下端との取合部の工法を示す一部切り欠き縦断面図。
【符号の説明】
1:瓦。
2:押板。
3:雨押さえ水切板。
4:釘。
5:外壁材下地。
6:外壁材。
7:外壁材下端水切材。 7a:外壁材下端水切材の縦材部。
7b:水切板押さえ受け端。
8:水切板押さえ。 8a:取付け端片。 8b:押さえ端辺。
9:タッピングビス。
10:捨板。

Claims (2)

  1. 屋根葺じまい端部と外壁材下端部との取合せ部雨じまいを、取り付け施工された状態において、屋根材葺じまい端部の雨押さえ水切板3の上端辺を、その下地である外壁材下地5に直に取り付けずに、概樋状材の一辺を外壁材下端水切材5の下端辺に接面できる取付端辺8aの下端から内側の斜上方へ延長して弾性をもたせて押さえ端辺8bとしてなる水切板押さえ8の押さえ端辺8bを、雨押さえ水切板3の上端辺に当てて外壁材下地5側に押し当て、他端の取付端辺8aを外壁材下端水切材7の下端辺に着脱自在に取り付けて、外壁材6の破壊作業や解体作業をすることなく、雨押さえ水切板3その他の屋根葺きじまい材を取り外して、屋根葺材の葺替えを容易とした、屋根葺じまい端部と外壁材下端との取合せ部雨じまい工法。
  2. 概樋状材の長手方向の一側辺を外壁材下端水切材7の下端辺に接面できる取付端辺8aとした下端から内側斜め上方に延長して弾性をもたせて押さえ端辺8bとした、取付端辺8aと押さえ端辺8b先端間の水平距離を、外壁材下端水切材7の奥行の外経以上としてなる、特許請求範囲第1項記載に係る水切板押さえ。
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