JP3578937B2 - 分光分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回折格子を有する分光分析装置に係わり、詳しくは、回折格子を回転させる部分の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、分光分析装置では、高周波誘導結合プラズマのような発光部に試料を導入して発光させ、この発光部からの試料の光を集光レンズや入射スリット等の光学系を介して分光器内の回折格子に導く。そしてこの回折格子で光を各波長のスペクトル光に分光し、そのうち特定の波長のスペクトル光を、回折格子を回転させることによって光検出器に導いて検出し、これによって、試料に含まれる元素の定性・定量分析を行う。
【0003】
回折格子の回転機構はサインバーを用いたものが一般的で、その機構は図4に示すよう に、回折格子1の回転軸2に取り付けられたサインバー3の他に、パルスモーター7、このパルスモーター7と連結されたベルト6により回転駆動するネジ軸5、ネジ軸5に固定されネジ軸5の回転によりネジ軸5の軸方向に移動するナイフエッジ9を備えている。この機構では 、ネジ軸5の回転によりナイフエッジ9が11のように移動することでサインバー3が押され てスライドし、これにより回折格子1が12のように回転し、その角度が変わる。
【0004】
サインバー3が接触しているナイフエッジ9の辺10は、一般にナイフエッジ9の移動方向 に対して直角に取り付けてあり、このことによってネジ軸5の軸方向に関して、ナイフエ ッジ9の移動量とサインバー3のナイフエッジ9側の端の移動量は同じになる。
したがって回折格子1の回転軸2からネジ軸 5へ下ろした垂線を基準にして、回折格子1の回転角度θは、サインバー3の長さをL、ナイフエッジ9の移動量をSとすると、
sinθ=S/L………………(1)
となる。ここで、サインバー3の長さは装置固定の値であるのでLは定数となり、回折格子1の回転角度閧ヘナイフエッジ9の移動量Sで制御できることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
分光分析装置において正確かつ再現性の良い測定結果を得るためには、回折格子1の回 転を正確に、かつ精度良く制御することが不可欠である。したがって、サインバー3とナ イフエッジ9の辺10との接触位置で、滑らかな正逆応答を実施する必要がある。しかしな がら、上記従来技術においては、接触部分で生じる摩擦が大きいためにサインバー3のス ライドが滑らかにならない場合があった。
【0006】
特に測定する波長範囲が広いときには、回折格子1の回転範囲が広くなり、ナイフエッ ジ9の辺10とサインバー3の角度が大きくなった場合には、ナイフエッジ9とサインバー3の接点において、ナイフエッジ9の辺10に垂直に働く力、すなわち摩擦力が大きくなり、ナ イフエッジ9の辺10に平行に働く力、すなわちサインバー3移動方向に加わる力が小さくなるため、サインバー3が滑らかにスライドしない問題が顕著に起きていた。
【0007】
本発明は、上記問題を解決し、サインバーとナイフエッジの接触部分の摩擦力を小さくし、サインバーの滑らかなスライドを可能とする分光分析装置用分光器を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明が採用した分光分析装置用分光器は、サインバーが接触しながらスライドするナイフエッジの辺が、回折格子の回転軸からネジ軸へ下ろした垂線に対して傾き角を持つことを特徴とする。
【0009】
【作用】
サインバーと接触するナイフエッジの辺とサインバーとの角度を小さくしたため、サインバー移動方向へ加わる力がより大きく、かつサインバーとナイフエッジの接触部分の摩擦力がより小さくなり、サインバーが滑らかに移動する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願発明を図1に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる分光分析装置が備える回折格子駆動系の概略構成を説明する図である。なお、図1において、図4に書かれている部品で、ほぼ同一の機能を有するものは、ここでは説明を省略することもある。
【0011】
1は回折格子で、回折格子1は回転軸2を中心に回転運動するように回転軸2に取り付けられている。
回転軸2にはサインバー3の片端が取り付けられており、サインバー3のもう一端は回転 軸2を中心として円を描くように可動するようになっている。
一方、パルスモーター7とネジ軸5はベルト6で連結されており、パルスモーター7の回転により、連動してネジ軸5が回転駆動するようになっている。ネジ軸5にはナット(図示せず)を介してナイフエッジ4が取り付けられている。ナットはネジ軸5の回転方向に回転しないように固定されており、そのためネジ軸5の回転はナットをネジ軸5の軸方向に移動させる。
【0012】
回転軸2に取り付けられているサインバー3の他端はナイフエッジ4の辺8から離れないように磁力等で接触している。そしてナイフエッジ4が移動することでサインバー3が押されてスライドし、これにより回折格子1が回転し、その角度が変わる。
ここで本願発明に基づいてナイフエッジ4の辺8に傾き角を与えたときのサインバー3の スライドは、図2のようになる。
【0013】
図5に示す従来技術の場合と、サインバー3の回転角と押す力を同条件にした場合を考えると、サインバー3とナイフエッジ4の辺8の接触点に働く力はサインバー3方向に関しては同じ大きさである。この力をFとすると、力Fはナイフエッジ4の辺8を垂直に働く力Faと辺8に平行に働く力Fbに分割して考えることができる。
ここで、Fa、Fbはそれぞれ(2)、(3)式のように表わすことができる。
【0014】
Fa=F*sinφ………………(2)
Fb=F*cosφ………………(3)
そして、静止摩擦係数をμとすると摩擦力はμ*Faとなり、
Fb>μ*Fa………………(4)
となるときに、サインバー3はナイフエッジ4の辺8をスライドすることができる。
【0015】
ここでφが0〜90°に限定するとφが小さくなるに従い、sinφは小さくcosφは大きく なる。このことを言い換えると、摩擦力μ*Faは小さくなり、サインバー3移動方向に加わる力Fbは大きくなる。
したがって、サインバー3が滑らかにスライドすることになり、正確かつ再現性の良い 結果を得るための測定が可能になる。
【0016】
しかし、サインバーが接触しながらスライドするナイフエッジの辺が、回折格子の回転軸からネジ軸 5へ下ろした垂線に対して傾き角を持つ場合には、ネジ軸5の軸方向に関して、ナイフエッジ4の移動量とサインバー3のナイフエッジ4側の端の移動量は等しくなくなるので、前述の(1)式では、回折格子1の回転角度θを制御できなくなる。
【0017】
代わりに、回折格子の回転軸からネジ軸 5へ下ろした垂線に対するナイフエッジの辺の傾き角をA、回折格子が角度θだけ回転したときの、ネジ軸5の軸方向に関するサインバー3のナイフエッジ4側の端の移動量をTとすると、ナイフエッジ4の移動量Sは(5)式のように表わすことができる。
ここで、ナイフエッジの傾き角は装置固定の値であるのでtanAは定数となり、(1)式の場合と同様に、回折格子1の回転角度閧ヘナイフエッジ4の移動量Sで制御できることに なり、本発明を効果的に実施できる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、分光分析装置用分光器において、サインバーが接触しながらスライドするナイフエッジの辺が、回折格子の回転軸からネジ軸へ下ろした垂線に対して傾き角を持つ構造としたので、下記の効果を有する。
(1)サインバーと接触するナイフエッジの辺とサインバーとの角度が小さいため、サインバー移動方向へ加わる力がより大きく、かつサインバーとナイフエッジの接触部分の摩擦力がより小さくなり、サインバーが滑らかに移動する。
(2)サインバーが滑らかにスライドすることになり、正確かつ再現性の良い結果を得る ための測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した実施例の分光分析装置が備える回折格子駆動系の概略構成を説明する図である。
【図2】図1の実施形態におけるナイフエッジ部分を説明する図である。
【図3】図1の実施形態におけるナイフエッジ部分を説明する図である。
【図4】従来例の分光分析装置が備える回折格子駆動系の概略構成を説明する図である。
【図5】従来例の分光分析装置におけるナイフエッジ部分を説明する図である。
【符号の説明】
1 回折格子
2 回転軸
3 サインバー
4 ナイフエッジ
5 ネジ軸
6 ベルト
7 パルスモーター
8 辺
9 ナイフエッジ
10 辺
11 ナイフエッジの移動方向
12 回折格子の回転
Claims (1)
- 回転駆動するネジ軸と、前記ネジ軸に固定され前記ネジ軸の回転により前記ネジ軸の軸方向に移動するナイフエッジと、片端が回折格子の回転軸に取り付けられ他端が前記ナイフエッジに接触しながらスライドするサインバーを用いた回転機構によって回転する前記回折格子により分光を行う分光分析装置において、前記サインバーが接触しながらスライドする前記ナイフエッジの辺は、前記ネジ軸と前記回折格子の回転軸から前記ネジ軸へ下ろした垂線との交点側にある辺であり、かつ前記回折格子の回転軸から前記ネジ軸へ下ろした垂線に対して、前記サインバーとの接触部分での摩擦力を、該辺が前記ネジ軸に垂直な場合よりも小さくする傾き角を持つ辺であることを特徴とする分光分析装置。
Priority Applications (1)
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JP11846699A JP3578937B2 (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 分光分析装置 |
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Family Applications (1)
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JP11846699A Expired - Lifetime JP3578937B2 (ja) | 1999-04-26 | 1999-04-26 | 分光分析装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105136289A (zh) * | 2015-09-08 | 2015-12-09 | 北京理工大学 | 一种用于探测多路复用涡旋光束的复合光栅及测量方法 |
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CN110966367B (zh) * | 2019-12-06 | 2021-01-15 | 中国科学院深圳先进技术研究院 | 可调幅正弦机构 |
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1999
- 1999-04-26 JP JP11846699A patent/JP3578937B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN105136289A (zh) * | 2015-09-08 | 2015-12-09 | 北京理工大学 | 一种用于探测多路复用涡旋光束的复合光栅及测量方法 |
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