JP3578890B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に関し、特に二成分現像剤を用いる現像装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置では、作像動作が開始されると、まず像担持体である感光体の表面が帯電装置で帯電された後、露光装置による原稿像の露光、あるいはレーザ走査光学系等からなる光書き込み装置による光照射により、感光体上に静電潜像が形成される。そしてこの静電潜像は現像装置の現像剤により可視像化され、該可視像が、感光体と転写装置との対向部である転写部に所定のタイミングで給紙部から搬送されてきた転写紙に転写される。転写後の転写紙は定着装置に搬送され、加熱、加圧等により転写紙上に画像が定着される。一方、転写後の感光体は、クリーニング装置によりクリーニングされ、さらに除電装置により除電される。
【0003】
このような作像動作を行う画像形成装置に用いられる現像装置として、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を用いた現像装置が知られているが、二成分現像剤を用いた現像装置では、画像形成によりトナーのみが消費され、現像剤中のトナー濃度が徐々に低下していくため、現像剤中のトナー濃度を検出し、一定の濃度範囲に収まるようにトナー補給制御を行うことで現像剤のトナー濃度を制御している。そして現像剤の濃度制御を安定して行うための技術として、特開昭61−57972号公報には、現像剤の濃度を検出するためのセンサを現像後の現像ローラのスリーブに対向して配置すると共に、センサに流れる現像剤の量を規制する規制板を設けることにより、センサ部を流れる現像剤の量を常に一定に保つことができ、トナー濃度検出出力の安定化を図ることができる現像剤の濃度制御装置が開示されている。また、特開昭62−293267号公報には、トナー濃度センサを現像器の底の現像ローラとパドルローラとの間に配置し、センサ面に現像剤が常に一様に流れるようにして、トナー濃度変化を正確に検知して現像剤のトナー濃度を一定に保ことができる現像装置が開示されている。また、特開昭63−291072号公報には、固定磁石の磁極のうち相隣る特定の2つの磁極を、同一極性とし、これらの磁極の間に対応する部位にトナー濃度センサを設けることにより、磁界に影響されることなく正確なトナー濃度検知を可能にした現像装置が開示されている。さらにまた、特開平3−65971号公報には、現像剤の流れがトナー濃度センサに直接当たることを防止する障害部材を設けることにより、長時間の使用にもトナー濃度が正確に測定できるようにした電子写真装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を用いた現像装置では、現像剤のトナー濃度を透磁率の変化として検出する磁気センサからなるトナー濃度センサを用い、このトナー濃度センサの出力によりトナー補給制御を行うことで現像剤のトナー濃度を制御している。具体的には、現像剤の新規投入時や交換時等の、新しい現像剤を現像装置にセットした際の初期剤設定時等、規定のトナー濃度の時のトナー濃度センサ出力を制御部のメモリ等に記憶しておき、使用時のトナー濃度センサ出力とを比較してトナー補給制御を行い、現像剤のトナー濃度を制御している。
【0005】
従来の現像装置では、スリーブ内に磁石を内蔵した現像ローラにより磁力で汲み上げられた現像剤の一部はドクターブレードを通過して現像部へ送られ、残りはトナー補給部を循環して汲み上げ部に戻るが、この循環経路(現像ローラとパドルローラの間等)にトナー濃度センサを設けトナー補給制御を行っている。しかし、特開昭61−57972号公報、特開昭62−293267号公報、特開昭63−291072号公報、特開平3−65971号公報記載の装置では、トナー補給部での現像剤の撹拌を1つの撹拌ローラやパドルローラ等で行っているだけであり、撹拌不足による撹拌ムラや帯電ムラが生じやすい。また、撹拌のためのスペースが必要であり現像装置の小型化が図りにくい。
【0006】
近年、画像形成装置の小型化、低コスト化が進んでおり、現像装置に対しても小型化、低コスト化する必要性がある。そこで本出願人は先に、撹拌機構をあまり複雑にすることなく、補給されたトナーと現像剤とを現像ローラに達するまでに十分に撹拌して撹拌ムラや帯電ムラを無くし、必要な帯電量を確保できる現像装置として、特開平8−286480号公報に示される現像装置を提案した。この先願に係る現像装置では、像担持体表面に現像剤を付与する現像ローラと、当該現像ローラの軸線方向での一端側から他端側へ現像剤を搬送しつつ撹拌するための羽根部を有する撹拌搬送部材とを有しており、さらに撹拌搬送部材の軸線方向に沿って帯磁体を並行配設するように構成しているので、撹拌搬送部材で現像剤を現像ローラの軸線方向に沿って撹拌しながら搬送することにより、補給されたトナーと現像剤とを現像ローラに達するまでに十分に撹拌することができ、必要な帯電量を確保できる。
【0007】
しかし、この現像装置では、小型化、低コスト化という面では達成できたが、図2(本体撹拌時間とトナー濃度センサ出力Vtの関係)に示されるように、現像剤の撹拌時間と共にセンサ出力Vtが高くなることが発見された。本発明者らがこの現象を調べたところ、磁性キャリアが現像用磁石(現像ローラ内の磁石)の磁界の影響を受けた場合(図2のB点)と受けない場合(図2のA点)で、センサ出力が異なることが判明した。また、図3(磁石接触後の放置時間とトナー濃度センサ出力Vtの関係)に示すように、一度磁界の影響を受けた磁性キャリアも長時間放置すると徐々に磁界の影響を受けない状態に戻ることが分かった。一方、前述の従来の現像装置では、現像ローラにより汲み上げられた現像剤の循環経路(現像ローラとパドルローラの間等)にトナー濃度センサを配置できるので、このような問題はなかった。
【0008】
ここで、図4にトナー濃度(TC)とトナー濃度センサ出力(Vt)の関係を、図5にトナー濃度(TC)と画像品質ランク(1(悪い)〜5(良好)の間を5段階のランクで評価)の関係及びそれに伴う不具合を示す。トナー濃度(TC)が異常に高くなった場合は、帯電不良のトナーが発生し、トナーとキャリアとのクーロン力が弱くトナー飛散や地汚れを起こす。また、トナー濃度(TC)が異常に低下した場合では、画像濃度(ID)が低下すると共に現像剤としての抵抗も下がり、キャリアがトナーと共に現像され、感光体へのキャリア付着等の不具合を起こす。
【0009】
つまり、特開平8−286480号公報に示される現像装置では、初期剤設定時(新しい現像剤のセット時等、既定のトナー濃度で制御すべきトナー濃度センサ出力値(制御基準値)を決定する工程時)にトナー濃度センサ出力が低い状態(現像剤が十分に磁界の影響を受けていない状態)の値を制御基準値としてしまった場合では、通常の使用時(現像剤が十分磁界の影響を受けた状態)に比べ出力値で1.2(V)、つまりトナー濃度で1.2(wt%)高く制御することになり、トナー濃度過多によるトナー飛散や地汚れ等の不具合が発生する(高温高湿環境ではトナー濃度センサ出力は更に高くなり(トナーの帯電量(Q/M)が下がることによる)、より高いトナー濃度に制御してしまう)。一方、初期剤設定時に十分トナー濃度センサ出力が飽和した値を制御基準値にした場合では、使用間隔が空いた時などトナー濃度センサ出力は常に低い値を示し(低温低湿環境ではトナー濃度センサ出力は更に低くなり(トナーの帯電量(Q/M)が上がることによる)、より低いトナー濃度に制御してしまう)、トナー補給が行われずトナー濃度が異常に低下することになり、画像濃度の低下や、キャリア付着等の不具合を起こしてしまう。尚、図6に示すようにトナーの帯電量(Q/M)と現像剤の嵩密度の関係は負の相関があり、図7に示すようにトナー濃度センサ出力(Vt)と現像剤の嵩密度の関係は正の相関がある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、上記先願に係る現像装置のトナー濃度制御による不具合の解決方法を提供することにある。より具体的には、本発明は、トナー補給制御により発生するトナー濃度過多によるトナー飛散や地汚れを防止することができ、また、トナー濃度不足によるキャリア付着や画像濃度不足を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持し回転する現像スリーブとその内部に配設された複数の磁極を有する磁石ローラとからなり像担持体に形成された静電潜像を現像する現像ローラと、該現像ローラの軸線方向での一端側から他端側へ現像剤を搬送しつつ撹拌するための羽根部を有する第1の撹拌搬送部材と、該第1の攪拌搬送部材と平行に配置され第1の攪拌搬送部材とは逆方向に現像剤を搬送しつつ撹拌するための羽根部を有する第2の撹拌搬送部材とを有し、前記第1、第2の攪拌搬送部材で現像剤を攪拌・搬送させながら循環する構成の現像装置を備え、前記現像装置の第2の攪拌搬送部材側にトナー濃度センサを有し、前記現像剤のトナー濃度をトナー濃度センサを用いてコントロールするものであり、その時々の現像剤に対するトナー濃度センサ出力値と初期剤設定時に決めた基準トナー濃度センサ出力値(以下、制御基準値と言う)との差でトナー濃度制御を行う画像形成装置において、前記初期剤設定時には、トナー濃度センサの出力を検知する前に、初期現像剤を現像装置内で第1、第2の攪拌搬送部材で攪拌・搬送させながら、少なくとも1回は前記現像ローラの現像スリーブ上を通過させ、現像スリーブ内の磁石ローラにより現像剤が十分磁界の影響を受けた状態にし、磁気的に飽和した現像剤が前記トナー濃度センサに達した後、トナー濃度センサの出力値を検知し、その値を制御基準値とする構成とした。
【0012】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の画像形成装置において、装置の放置後には、トナー濃度センサの出力を検知する前に、現像剤を第1、第2の攪拌搬送部材で攪拌・搬送させながら、少なくとも1回は前記現像ローラの現像スリーブ上を通過させ、現像スリーブ内の磁石ローラにより現像剤が十分磁界の影響を受けた状態にし、磁気的に飽和した現像剤がトナー濃度センサに達した後、トナー濃度センサ出力を検知し、その値を出力値とする構成とした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示の実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の現像装置の要部構成を示す概略構成図であり、(a)は現像装置の平面図、(b)は像担持体及び現像装置の要部断面図である。
この現像装置は、扁平に、即ち直方体状に形成されたハウジング8内に、二成分現像剤を担持し回転する現像スリーブ3aとその内部に配設された複数の磁極を有する磁石ローラ3bとからなる現像ローラ2と、撹拌搬送部材たる第1撹拌搬送スクリュー4及び第2撹拌搬送スクリュー5を備えている。現像スリーブ3aはハウジング8の前面開口(図1(b)で見て左側)から画像形成装置の像担持体である感光体ドラム1に臨むように配置され、不図示の駆動手段により図1(b)で見て反時計方向に回転駆動される。また現像スリーブ22には現像剤の穂高規制部材であるドクターブレード6の先端が当接している。尚、図示していないが感光体ドラム1の周囲もしくは近傍には、上記現像装置の他、周知の電子写真プロセスにより作像動作を行うための帯電装置、露光装置(あるいはレーザ等による光書き込み装置)、転写装置、定着装置、クリーニング装置、除電装置、転写紙の給紙・搬送機構等が配設されている。
【0015】
上記現像装置において、第1撹拌搬送スクリュー4は感光体ドラム1と反対側の現像スリーブ3a背後に、第2撹拌搬送スクリュー5はこの第1撹拌搬送スクリュー4の背後にそれぞれ配置されており、これら現像スリーブ3a、第1,第2撹拌搬送スクリュー4,5の回転軸線は互いに平行となっている。第1,第2撹拌搬送スクリュー4,5も現像スリーブ3aと同じくそれぞれ不図示の駆動手段により回転駆動されるようになっている。図1(a)でわかるように、第1,第2撹拌搬送スクリュー4,5は螺旋状の羽根部を備えたものであるが、それぞれの螺旋状羽根部の向きは、それぞれ駆動手段によって回転される方向に依存し、結果的に双方のスクリューによる現像剤の搬送方向が互い違いになるように設定される。例えば、各スクリューが図1(b)で見てそれぞれ反時計方向に回転する場合、第1撹拌搬送スクリュー4では現像剤を図1(a)で見て左方向に搬送するように、第2撹拌搬送スクリュー5では現像剤を右方向に搬送するように設定されている。
【0016】
第1撹拌搬送スクリュー4と第2撹拌搬送スクリュー5は仕切板11で殆ど仕切られているが、第1撹拌搬送スクリュー4の両端では、例えば数ミリだけ現像剤受け渡しのために仕切られない構成となっている。これにより現像剤は第1撹拌搬送スクリュー4の長さにわたって第1,第2撹拌搬送スクリュー4,5の間で循環することとなり、補給されたトナーと現像剤とを現像ローラ2に達するまでに十分に撹拌することができる。
【0017】
トナー濃度の制御については、第2撹拌搬送スクリュー5側のハウジング8に設けられたトナー濃度センサ10で濃度検知し、トナー濃度が所定値よりも低いと判断したときには、図1(a)に示す第2撹拌搬送スクリュー5の端部近傍に設けられたトナー補給口9から不図示のトナー補給装置によりトナーが補給される。
【0018】
ところで、上述の構成の画像形成装置では、初期剤設定をし、その時のトナー濃度センサ出力をトナー濃度の制御基準値とする。そして、通常時(狙いの画像濃度、画像品質で作像動作が行われているとき)は、作像動作開始時のトナー濃度センサ出力値と上記制御基準値の比較によりトナー補給時間を決め、トナー濃度を制御している。
【0019】
しかし、初期剤設定時にトナー濃度センサ出力が低い状態(現像剤が十分に磁界の影響を受けていない状態)の値を制御基準値としてしまった場合では、通常の使用時(現像剤が十分磁界の影響を受けた状態)に比べトナー濃度を高く制御することになり、トナー濃度過多によるトナー飛散や地汚れ等の不具合が発生する。一方、初期剤設定時に十分トナー濃度センサ出力が飽和した値を制御基準値にした場合では、使用間隔が空いた時などトナー濃度センサ出力は常に低い値を示し、トナー補給が行われずトナー濃度が異常に低下することになり、画像濃度の低下や、キャリア付着等の不具合を起こしてしまう。
【0020】
そこで本発明では上記不具合を解消するため、初期剤設定時に、磁気的に飽和した現像剤がトナー濃度センサ10に達した後、トナー濃度センサ出力を検知し、その値を制御基準値とする。
実施例としては、初期剤設定時において、トナー濃度センサ10でセンサ出力値を検知する前に、初期現像剤を現像装置内で第1、第2撹拌搬送スクリュー4,5で撹拌・搬送させながら、少なくとも1回、現像ローラ2の現像スリーブ3a上を通過させる(すなわち、現像スリーブ3a内の磁石ローラ3bにより、現像剤が十分磁界の影響を受けた状態にする)。その後、トナー濃度センサ10へ達した現像剤にてトナー濃度センサ10の出力値を検知し、その値を制御基準値とする。より具体的には、本画像形成装置では、第1、第2撹拌搬送スクリュー4,5により約30秒の撹拌・搬送を行い、現像剤が磁気的に飽和した状態にし、その後、トナー濃度センサ10へ達した現像剤にてトナー濃度センサ出力値を検知している。
【0021】
このように、磁気的に飽和した現像剤で初期剤設定を行うことで、トナー濃度センサ出力が安定した時点(図2においてのB点付近の状態)でのトナー濃度センサ出力値を制御基準値としてトナー補給制御を行うことができ、前述したような不具合がでることが無くなる。
【0022】
また、本発明では、画像形成装置の放置後には、磁気的に飽和した現像剤がトナー濃度センサ10に達した後、トナー濃度センサ出力を検知し、その値を出力値とする。
実施例としては、画像形成装置を放置後、装置の可動時には、第1、第2撹拌搬送スクリュー4,5で撹拌・搬送させながら、少なくとも1回、現像ローラ2の現像スリーブ3a上を通過させる(すなわち、現像スリーブ3a内の磁石ローラ3bにより、現像剤が十分磁界の影響を受けた状態にする)。その後、トナー濃度センサ10へ達した現像剤にてトナー濃度センサ10の出力値を検知する。そして、このトナー濃度センサ出力値と上記初期剤設定時の制御基準値との比較により、トナー補給制御を行う。
【0023】
このように、画像形成装置の放置後には、磁気的に飽和した現像剤がトナー濃度センサに達した後にトナー濃度センサ出力を検知し、その値を出力値とすることにより、現像剤が磁界の影響を受けた状態に戻り、トナー濃度センサ出力が安定した時点(図2においてのB点付近の状態)のトナー濃度センサ出力値でトナー補給制御を行うことができ、前述したような不具合がでることが無くなる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、初期剤設定時には、トナー濃度センサの出力を検知する前に、初期現像剤を現像装置内で第1、第2の攪拌搬送部材で攪拌・搬送させながら、少なくとも1回は現像ローラの現像スリーブ上を通過させ、現像スリーブ内の磁石ローラにより現像剤が十分磁界の影響を受けた状態にし、磁気的に飽和した現像剤で初期剤設定を行うことで、トナー濃度センサ出力が安定した時点(図2においてのB点付近の状態)でのトナー濃度センサ出力値を制御基準値として、トナー補給制御を行うことができるので、機構を複雑、高価にすることなく、トナー補給制御により発生するトナー濃度過多によるトナー飛散や地汚れを防止することができ、また、トナー濃度不足によるキャリア付着や画像濃度不足を防止することができる。
【0025】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の構成に加え、装置の放置後には、トナー濃度センサの出力を検知する前に、現像剤を第1、第2の攪拌搬送部材で攪拌・搬送させながら、少なくとも1回は前記現像ローラの現像スリーブ上を通過させ、現像スリーブ内の磁石ローラにより現像剤が十分磁界の影響を受けた状態にし、磁気的に飽和した現像剤がトナー濃度センサに達した後にトナー濃度センサ出力を検知し、その値を出力値とするので、現像剤が磁界の影響を受けた状態に戻り、トナー濃度センサ出力が安定した時点(図2においてのB点付近の状態)のトナー濃度センサ出力値でトナー補給制御を行うことができるので、機構を複雑、高価にすることなく、トナー補給制御により発生するトナー濃度過多によるトナー飛散や地汚れを防止することができ、また、トナー濃度不足によるキャリア付着や画像濃度不足を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の現像装置の要部構成を示す概略構成図であり、(a)は現像装置の平面図、(b)は像担持体及び現像装置の断面図である。
【図2】本発明の先願に係る現像装置における、本体撹拌時間とトナー濃度センサ出力(Vt)の関係を示す図である。
【図3】本発明の先願に係る現像装置における、磁石接触後の放置時間とトナー濃度センサ出力(Vt)の関係を示す図である。
【図4】本発明の先願に係る現像装置における、トナー濃度(TC)とトナー濃度センサ出力(Vt)の関係を示す図である。
【図5】本発明の先願に係る現像装置における、トナー濃度(TC)と画像品質ランクの関係及びそれに伴う不具合を示す図である。
【図6】本発明の先願に係る現像装置における、嵩密度とトナーの帯電量(Q/M)の関係を示す図である。
【図7】本発明の先願に係る現像装置における、嵩密度とトナー濃度センサ出力(Vt)の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 現像ローラ
3a 現像スリーブ
3b 磁石ローラ
4 第1撹拌搬送スクリュー(撹拌搬送部材)
5 第2撹拌搬送スクリュー(撹拌搬送部材)
6 ドクターブレード
8 ハウジング
9 トナー補給口
10 トナー濃度センサ
11 仕切板
Claims (2)
- トナーとキャリアからなる二成分現像剤を担持し回転する現像スリーブとその内部に配設された複数の磁極を有する磁石ローラとからなり像担持体に形成された静電潜像を現像する現像ローラと、該現像ローラの軸線方向での一端側から他端側へ現像剤を搬送しつつ撹拌するための羽根部を有する第1の撹拌搬送部材と、該第1の攪拌搬送部材と平行に配置され第1の攪拌搬送部材とは逆方向に現像剤を搬送しつつ撹拌するための羽根部を有する第2の撹拌搬送部材とを有し、前記第1、第2の攪拌搬送部材で現像剤を攪拌・搬送させながら循環する構成の現像装置を備え、前記現像装置の第2の攪拌搬送部材側にトナー濃度センサを有し、前記現像剤のトナー濃度をトナー濃度センサを用いてコントロールするものであり、その時々の現像剤に対するトナー濃度センサ出力値と初期剤設定時に決めた基準トナー濃度センサ出力値(以下、制御基準値と言う)との差でトナー濃度制御を行う画像形成装置において、
前記初期剤設定時には、トナー濃度センサの出力を検知する前に、初期現像剤を現像装置内で第1、第2の攪拌搬送部材で攪拌・搬送させながら、少なくとも1回は前記現像ローラの現像スリーブ上を通過させ、現像スリーブ内の磁石ローラにより現像剤が十分磁界の影響を受けた状態にし、磁気的に飽和した現像剤が前記トナー濃度センサに達した後、トナー濃度センサの出力値を検知し、その値を制御基準値とすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、装置の放置後には、トナー濃度センサの出力を検知する前に、現像剤を第1、第2の攪拌搬送部材で攪拌・搬送させながら、少なくとも1回は前記現像ローラの現像スリーブ上を通過させ、現像スリーブ内の磁石ローラにより現像剤が十分磁界の影響を受けた状態にし、磁気的に飽和した現像剤がトナー濃度センサに達した後、トナー濃度センサ出力を検知し、その値を出力値とすることを特徴とする画像形成装置。
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