JP3578393B2 - カレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物とそれより得られるフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物とそれより得られるフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル樹脂は、これに配合する可塑剤の量を調節することによって、カレンダー成形によって、硬質から軟質まで、種々の特性を有するフィルムに成形することができ、それらフィルムは、合板や鋼板の化粧材、ステッカーやマーキング資材、印刷ベース、粘着テープや絆創膏の基材フィルム等、種々の分野において広く用いられている。
【0003】
しかしながら、近年、「脱塩素」なる環境保護の観点から、塩化ビニル樹脂製品について、非塩素材料への代替が求められるに至っており、特に、経済性や安全性を考慮して、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂が代替材料として有力視されている。ポリオレフィン樹脂もまた、従来、種々の用途において種々の成形品として広く用いられてきている材料であるが、しかし、その成形方法としては、射出成形、押出成形、ブロー成形等が一般的であり、カレンダー成形によるフィルム製造は、殆ど、考慮されていなかった。
【0004】
ポリオレフィン樹脂をフィルムに成形するには、従来、Tダイを用いるキャスト法やインフレーション法等、押出成形が用いられている。この押出成形は、大量連続生産に適した成形方法であり、一つの品種を連続して製造する場合には、品質が安定し、コストパフォーマンスの点でもすぐれている。また、最近では、多層成形による高機能性フィルムの製造も可能になってきている。しかし、その一方において、押出成形は、定常状態に達するまでに長時間を要するので、その間の材料と時間のロスが非常に大きく、従って、例えば、頻繁に段替えを行なわなければならない多品種を少量生産する製品の分野や、例えば、化粧材のように、色調の再現性の要求が厳しく、仕上がりをみながら、運転条件を調節するような製品の分野においては、非経済的で資源浪費性の製造方法である。
【0005】
これに対して、カレンダー成形は、押出成形と比較して、段替えや運転条件の変更が比較的容易であり、それ故に、塩化ビニル樹脂からなる化粧材等をはじめとするカラーバリエーションの必要な分野や、多品種少量生産が前提となる製品の分野において、従来、広く採用されている。
【0006】
このような背景から、塩化ビニル樹脂の代替が求められている動きのなかでも、一つの主要な方向として、カレンダー成形可能なポリオレフィン樹脂材料が求められており、更には、現在、用いられているカレンダー設備がそのまま、用いられることが望まれている。ここに、一般に、塩化ビニル樹脂は、高温では熱分解による品質低下が著しいので、カレンダー加工温度は、通常、200℃以下であり、従って、カレンダー設備の能力としても、200℃が上限である場合が多い。
【0007】
特に、近年においては、絆創膏やプラスター等の医療用フィルム、表示用、結束用、防食用、絶縁用、保護用、マスキング用等の工業用テープの基材の分野において、軟質塩化ビニル樹脂フィルムの代替として、ポリオレフィン樹脂のカレンダー加工による製品が望まれるに至っている。このような用途においては、通常、フィルムは、0.05〜0.50mm、好ましくは、0.05〜0.35mmの範囲の厚みを有することが必要であり、更に、適度の可撓性、延び、弾性、強度のほか、印刷や粘着、接着に対する適性も必要である。
【0008】
このような用途に用いることができる軟質のポリオレフィン樹脂として、種々の樹脂のうち、融点が100℃以上である所謂オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)が注目されている。このTPOの一つにポリプロピレンと(場合によっては、ポリブテンと)エチレン−プロピレン共重合体成分とを有するブロック又はグラフト共重合体、所謂リアクターTPOが知られており、このリアクターTPOとして、例えば、モンテル社の「キャタロイ」、(株)トクヤマの「PER」、チッソ(株)の「ニューコン」等が知られている。
【0009】
このようなリアクターTPOのフィルムの製造は、一般には、押出成形によって行なわれているが、一方、カレンダー成形も可能であるといわれている。例えば、特開平7−173343号公報には、リアクターTPOを温度200〜300℃、好ましくは、220〜270℃にて押出成形のほか、カレンダー成形によっても、厚み5〜250μmのフィルムを得ることができるとされている。
【0010】
しかし、カレンダー成形においては、溶融した樹脂をカレンダーロールで圧延した後、ロールから引き剥がしてフィルムを得るので、上述したような200℃以上の温度でカレンダー加工を行なうとすれば、リアクターTPOの熱劣化を防止するために、大量の熱安定剤を樹脂に配合せざるを得ず、かくして、得られたフィルムからその熱安定剤が容易に表面に移行するブルーム又はブリードといわれる不具合を避けることができない。このように、樹脂に配合した熱安定剤がフィルムの表面にブリードすれば、フィルムの印刷適性や粘着、接着性が低下し、上述した軟質塩化ビニル樹脂フィルムの代替品として用いることができない。加えて、上述したように、大量に配合された熱安定剤は、カレンダー成形中にもカレンダーロールに移行し、ロール表面を汚染するので、得られる製品フィルムの外観を劣化させる。
【0011】
そこで、リアクターTPOに配合する熱安定剤を低減すれば、上記加工温度においては、樹脂は忽ちにして劣化し、カレンダーロールに粘着するので、フィルム製造は不可能である。かくして、リアクターTPOのカレンダー成形によるフィルム製造においては、加工温度を精々、170〜200℃の範囲とすることが望ましく、そして、このような加工温度を採用することができるとすれば、現在の塩化ビニル樹脂用カレンダー装置をそのまま、用いることができる利点もある。
【0012】
しかしながら、従来、リアクターTPOのカレンダー成形によるフィルム製造において、加工温度を170〜200℃の範囲とするとき、樹脂の溶融粘度が高すぎて、カレンダーロール上で十分な混練を行なうことができないので、均質なフィルムを得ることができず、その結果、得られるフィルムは、表面が柚子肌状を呈して、表面の平滑性に劣り、透明性や光沢において不十分であるのみならず、印刷性の点でも、満足し得るものではなかった。
【0013】
以上のように、従来、リアクターTPOのカレンダー加工によって、カレンダーロールからの離型性(引き剥がしの容易性)がよく、更に、カレンダーロールからの引取り性(引取りの際にドローダウンしたり、裂けたりしない性質)にもすぐれ、表面が柚子肌でなく、平滑、美麗なフィルムを得る方法は、実際問題としては、知られていなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、リアクターTPOのカレンダー成形によるフィルムの製造における上述した問題を解決するためになされたものであって、リアクターTPOを含み、カレンダー成形によって、ロールからの離型性と引取り性よく、表面が平滑、美麗なフィルムを与えるカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物と、これより得られるフィルム、特に、柔軟で伸縮性と応力緩和性にすぐれ、皮膚に貼着した場合に違和感がなく、風合にすぐれるので、絆創膏の基材フィルムとして好適に用いることができる軟質フィルムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によるカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物の第1は、ポリプロピレン成分とエチレン−プロピレン共重合体成分とを有するブロック又はグラフト共重合体からなり、ツインキャピラリーレオメーターにて温度180℃において剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度が2012〜7465Pa・sの範囲にあり、ダイスウェル比が1.0〜2.2の範囲にあり、キャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取り速度を5m/分以上としたときの溶融張力が1gf以上であることを特徴とする。
【0016】
本発明によるカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物の第2は、(A)ポリプロピレン成分とエチレン−プロピレン共重合体成分とを有するブロック又はグラフト共重合体と、(B)エチレンブチレンランダム共重合体とからなり、ツインキャピラリーレオメーターにて温度180℃において剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度が2012〜7465Pa・sの範囲にあり、ダイスウェル比が1.0〜2.2の範囲にあり、キャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取り速度を5m/分以上としたときの溶融張力が1gf以上であることを特徴とする。
【0017】
本発明によるポリオレフィン樹脂組成物フィルムは、上記樹脂組成物を150〜200℃の範囲の温度にてカレンダー成形することによって得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明による第1のカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物は、ポリプロピレン成分とエチレン−プロピレン共重合体成分(ゴム成分)とを有するブロック又はグラフト共重合体(以下、単に、共重合体ということがある。)からなり、ツインキャピラリーレオメーターにて温度180℃において剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度が2012〜7465Pa・sの範囲にあり、ダイスウェル比が1.0〜2.2の範囲にあり、キャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取り速度を5m/分以上としたときの溶融張力が1gf以上であるものである。
【0019】
上記ポリプロピレン成分とエチレン−プロピレン共重合体成分は、上記ポリプロピレン成分が一つのブロックであり、エチレン−プロピレン共重合体成分が他のブロックであるブロック共重合体であるか、又は上記ポリプロピレン成分が幹であり、エチレン−プロピレン共重合体成分が枝であるグラフト共重合体であり、上記ポリプロピレン成分は、エチレン成分を0〜6重量%の範囲で含んでいてもよい。また、上記共重合体は、135〜165℃の範囲の融点を有する。
【0020】
本発明による樹脂組成物は、伸長粘度、ダイスウェル比及び溶融張力が上記範囲の単一の値を有する単一の共重合体からなるものであってもよく、また、伸長粘度、ダイスウェル比及び溶融張力が相違する2種以上の共重合体からなるものであってもよい。
【0021】
本発明において用いる上記共重合体は、リアクターTPOとして知られているものであり、その具体例として、例えば、モンテル社のキャタロイKS−353P、KS−357P、KS−359P等や、また、(株)トクヤマのPER−T310J、T310E、R410E、R210E等を挙げることができる。これらは、伸長粘度、ダイスウェル比及び溶融張力が上記範囲にあるように、単独で、又は2種以上の混合物として用いられる。
【0022】
本発明による第2のカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物は、(A)上記共重合体と、(B)エチレンブチレンランダム共重合体とからなり、ツインキャピラリーレオメーターにて温度180℃において剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度が2012〜7465Pa・sの範囲にあり、ダイスウェル比が1.0〜2.2の範囲にあり、キャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取り速度を5m/分以上としたときの溶融張力が1gf以上であるものである。この(B)成分としては、例えば、JSR(株)のEBM2041Pを挙げることができる。本発明において用いるエチレンブチレンランダム共重合体におけるブチレン含有量は、好ましくは、5〜40重量%の範囲である。
【0023】
本発明において、ポリオレフィン樹脂組成物の伸長粘度とダイスウェル比は、好適には、ロザンド プレシジョン社(Rosand Precision Ltd.) 製のツインキャピラリーレオメーター(例えば、RH7−2型)を用いて測定することができる。伸長粘度もダイスウェル比も、溶融樹脂組成物が、例えば、フィルム成形用のダイを出た以降の自由表面下での変形のしやすさを示す一指標であり、要すれば、伸長粘度は、一定の歪み速度で一定の温度下での粘度であり、ダイスウェル比は、溶融樹脂組成物をダイから押し出したときの押出物の径とノズル口径との比である。
【0024】
ツインキャピラリーレオメーターは、図1に示すように、一対のバレル1を有し、一方のバレルには適当な長さのロングダイ2が取付けられており、他方のバレルには殆ど長さのないショートダイ3が取付けられている。両方のバレルに測定対象の樹脂組成物を仕込み、予め定めた温度に加熱して溶融させ、それぞれのピストン4を同時に作動させて、ダイ入口に取付けた圧力センサ5にてそれぞれのバレル中の溶融樹脂組成物のダイの長さの差に基づく圧力損失の差を求め、これとピストンの速度から得られる剪断速度とから、目的とする伸長粘度を求めることができる。
【0025】
即ち、仮想的な長さ0のダイ(即ち、オリフィス)で生じる圧力損失P0 (MPa)を次式から求める。
【0026】
【数1】
【0027】
ここに、PL はロングダイで測定した圧力損失(MPa)、PS はショートダイで測定した圧力損失(MPa)、LL はロングダイの長さ(mm)、LS はショートダイの長さ(mm)である。
【0028】
ツインキャピラリーレオメーターによる測定によって、剪断粘度
【0029】
【数2】
【0030】
剪断速度η及び剪断応力τを求めることができ、これらに基づいて伸長粘度λを次式から求めることができる。
【0031】
【数3】
【0032】
ここに、nはべき法則指数(power law index) であって、kを定数として、
【0033】
【数4】
【0034】
にて定まる値である。
【0035】
また、本発明において、溶融張力は、(株)東洋精機製作所製の単一のバレルを備えたキャピラリーレオメーターであるキャピログラフ(例えば、1C型)を用いて好適に測定することができる。溶融張力の測定装置を図2に示すように、キャピラリーレオメーター21から一定の速度で溶融樹脂をストランド22に押し出し、このストランドを張力検出器23に取付けた張力検出プーリ24を経て、巻取ロール25にて所定の速度で巻取りながら、この際にストランドに加わる張力を張力検出器23で測定する。
【0036】
本発明によるカレンダー成形用のポリオレフィン樹脂組成物は、ツインキャピラリーレオメーターを用いて、後述する測定条件下において、温度180℃において剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度が2012〜7465Pa・sの範囲にあり、ダイスウェル比が1.0〜2.2の範囲にある。
【0037】
本発明によれば、ポリオレフィン樹脂組成物のカレンダー加工によって表面が平滑なフィルムを得るには、カレンダーロール間のギャップで薄く広げた樹脂組成物がその弾性によって厚く復元しないことが必要であることから、ダイスウェル比が0.1〜2.2の範囲にあり、更に、高い剪断力が加わるカレンダーロール間で溶融樹脂が流れやすいように、伸長粘度が小さく、2012〜7465Pa・sの範囲にあることが必要である。
【0038】
ダイスウェル比が2.2よりも大きく、又は伸長粘度が7465Pa・sよりも大きいときは、得られるフィルムが表面の平滑性に劣り、所謂荒れた表面を有する。他方、ダイスウェル比が1.0よりも小さく、又は伸長粘度が2012Pa・sよりも小さいときは、樹脂組成物は、カレンダーロール上でよく流れるので、平滑性にはすぐれるが、他方、カレンダーロールへの樹脂組成物の粘着性、所謂べたつきが高く、糊状となって、ロールとられが起こり、かくして、カレンダーロールからのフィルムの引取りが困難である。
【0039】
また、ポリオレフィン樹脂組成物のカレンダー成形において、カレンダーロールで溶融樹脂組成物を圧延して得られたフィルムをカレンダー装置の最終ロールからテイクオフ(引取)ロールに引き取る際の延伸(通常、幾らか延伸される。)や、又は必要な場合には、カレンダー装置の最終ロールから引き取ったフィルムをテンターに導き、延伸して、薄手フィルムとするが、このように、フィルムをカレンダーロールから引き取る際や、また、必要な場合にテンターによる延伸を行なった際に、フィルムにドローダウンがあってはならなず、また、このテンターによる延伸に際して、延伸性の不足から、延伸フィルムに孔が空いたり、裂けたりしてはならない。
【0040】
そこで、本発明によれば、用いる樹脂組成物は、キャピラリーレオメーターから温度180℃でストランドとして押し出し、これを引取り速度5m/分以上にて巻取ロールで巻取るとき、溶融張力が1gf以上であることが必要である。この溶融張力が1gfよりも小さいときは、ドローダウンが生じて、フィルムをロールから引取ることができない。また、引取り速度5m/分にてストランドが切断するときは、上記延伸工程において、フィルムが十分に延伸されず、破断する。
【0041】
本発明によれば、このようにして、厚み0.05〜0.50mm、好ましくは、0.05〜0.35mm程度のフィルムをカレンダー加工にて容易に得ることができる。
【0042】
本発明によれば、必要に応じて、樹脂組成物に着色剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、改質剤、難燃剤、帯電防止剤、防かび剤、補強剤、粘着付与剤、充填剤、滑剤等を配合してもよい。
【0043】
本発明によるこのようなポリオレフィン樹脂組成物は、カレンダー加工において、ロールからの離型性と引取り性にすぐれており、表面が平滑、美麗なフィルムを与える。必要に応じて、フィルムの粘着適性や印刷性を改善するために、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理等、従来より知られている表面処理を定義施してもよい。
【0044】
本発明によるこのようなフィルムは、柔軟で伸縮性と応力緩和性にすぐれ、皮膚に貼着した場合に違和感がなく、風合にすぐれるので、絆創膏の基材フィルムとして好適に用いることができる。即ち、フィルムの一面に粘着剤層を設け、その表面の中央にガーゼ等の布帛やスポンジパッド等の創傷部を保護するための吸液製パッドを設けることによって、救急絆創膏とすることができる。上記粘着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル系やウレタン系のほか、天然ゴム系の粘着剤が適宜に用いられる。
【0045】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下において、用いたポリオレフィン樹脂組成物の流れ特性とそれより得られたフィルムの物性は次のようにして評価した。
【0046】
伸長粘度
ロザンド プレシジョン社製のツインキャピラリーレオメーターRH7−2型(ロングダイ長さ10mm、ロングダイ直径1.0mm、ショートダイ長さ0.25mm、ショートダイ直径1.0mm、ダイ入口角度180°)を用いて、温度180℃にて剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度を求めた。
【0047】
ダイスウェル比
ロザンド プレシジョン社製のツインキャピラリーレオメーターRH7−2型(ロングダイ長さ10mm、ロングダイ直径1.0mm、ショートダイ長さ0.25mm、ショートダイ直径1.0mm、ダイ入口角度180°)を用いて、温度180℃にて剪断速度を10000(1/秒)としたときのダイスウェル比を測定した。
【0048】
溶融張力
(株)東洋精機製作所製のキャピログラフ1C型(ダイ長さ10mm、ダイ直径1.0mm、ピストン速度30mm/分、ダイ入口角度180°)を用いて、温度180℃で溶融樹脂をストランドに押し出し、このストランドを張力検出器に取付けた張力検出プーリを経て、巻取ロールにて5m/分又はそれ以上の速度で巻取りながら、この際にストランドに加わる張力を張力検出器で測定した。
【0049】
ロールへの溶融樹脂のべたつき(ロールとられ)
カレンダー加工中に樹脂がロールにとられるときを「あり」とし、ロールとられの起こらないときを「なし」とした。
【0050】
フィルムの引取り性
上記溶融張力の測定に際して、ストランドの巻取り速度を5m/フィルムとしたときにストランドが切断することなく、巻取ることができるときを「良い」とし、ストランドが切断するときを「悪い」とした。
【0051】
フィルムの表面性状
得られたフィルムの表面が平滑であるかどうかを目視にて判定し、平滑であるときを「良い」とし、フィルムの表面に筋や微細な凹凸が存在するときを「悪い」とした。
【0052】
薄手フィルム化性
ロール間隔を150μmに調整した試験用の小型2本ロールを用いて、樹脂組成物の混練物を圧延し、引き取ることによって、厚み80μmのフィルムを得ることができるときを「良い」とし、得ることが困難又は不可能であるときを「悪い」とした。
【0053】
延伸性
カレンダー加工によって樹脂をフィルムに圧延した後、冷却するまでの間に、長手方向に150〜300%の延伸を行ない、50〜80m/分の速度で巻取って、ネッキングなしに延伸でき、かくして、得られるフィルムが全体に均一であるときを「良い」とし、得られるフィルムの厚みが不均一であったり、ネッキング又はドローダウンが起こったりするときを「悪い」とした。
【0054】
実施例1
キャタロイKS−353P70重量部、キャタロイKS−359P30重量部、亜リン酸エステル系安定剤(旭電化工業(株)製アデカスタブ2112)0.3重量部及びヒンダードフェノール系安定剤(日本油脂(株)製アンチオクス)0.2重量部をバンバリーミキサーにて混練した後、カレンダー装置を用いて、混練物をカレンダー加工中、温度が150〜200℃の範囲にあるように、ロール温度を調節しながら、厚み0.08mmのフィルムを得た。
【0055】
用いたポリオレフィン樹脂組成物のダイスウェル比、伸長粘度、溶融張力、その測定時の引取り速度、カレンダー加工時の溶融樹脂組成物のロールへのべたつき(ロールとられ)、フィルムのロールからの引取り性、薄手フィルム化性、延伸性及び得られたフィルムの表面性状を表1に示す。
【0056】
実施例2
キャタロイKS−353P50重量部とKS−359P50重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工にてフィルムを得た。用いた樹脂組成物とそれより得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、物性を調べた。結果を表1に示す。
【0057】
実施例3
キャタロイKS−353P30重量部とKS−359P70重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工にてフィルムを得た。用いた樹脂組成物とそれより得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、物性を調べた。結果を表1に示す。
【0058】
実施例4
PER−T310J70重量部とEBM2041を30重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工にてフィルムを得た。用いた樹脂組成物とそれより得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、物性を調べた。結果を表1に示す。
【0059】
実施例5
PER−T310J50重量部とEBM2041を50重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工にてフィルムを得た。用いた樹脂組成物とそれより得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、物性を調べた。結果を表1に示す。
【0060】
比較例1
ポリオレフィン樹脂として、キャタロイKS−353Pのみを用いた以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工にてフィルムを得た。用いた樹脂とそれより得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、物性を調べた。結果を表1に示す。
【0061】
比較例2
ポリオレフィン樹脂として、キャタロイKS−359Pのみを用いた以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工にてフィルムを得た。用いた樹脂とそれより得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、物性を調べた。結果を表1に示す。
【0062】
比較例3
ポリオレフィン樹脂として、PER−T310Jのみを用いた以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工にてフィルムを得た。用いた樹脂とそれより得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、物性を調べた。結果を表1に示す。
【0063】
比較例4
ポリオレフィン樹脂として、EBM2041のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工にてフィルムを得た。用いた樹脂とそれより得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、物性を調べた。結果を表1に示す。
【0064】
比較例5
PER−T310J30重量部とEBM2041を70重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、カレンダー加工にてフィルムを得た。用いた樹脂組成物とそれより得られたフィルムについて、実施例1と同様にして、物性を調べた。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
結果を表1に示すように、キャタロイKS−353PとPER−T310Jは、それぞれ比較例1と3とから明らかなように、ダイスウェル比、伸長粘度、溶融張力のすべてが本発明で規定する範囲を越えており、かくして、カレンダー加工において、フィルムの延伸性に劣るのみならず、得られるフィルムには柚子肌が顕著である。他方、キャタロイKS−359PとEBM−2041は、それぞれ比較例2と4とから明らかなように、ダイスウェル比、伸長粘度、溶融張力のすべてが本発明で規定する範囲よりも小さく、かくして、得られるフィルムの表面性状はよいものの、カレンダー加工において、ロールとられが発生し、また、フィルムの延伸性にも劣る。
【0067】
ダイスウェル比、伸長粘度、溶融張力のすべてが本発明で規定する範囲を越えているPER−T310Jとダイスウェル比、伸長粘度、溶融張力のすべてが本発明で規定する範囲よりも小さいEBM2041とからなる樹脂組成物であっても、その樹脂組成物のダイスウェル比、伸長粘度、溶融張力が本発明で規定する範囲にないときは、カレンダー加工性は十分ではない。
【0068】
これに対して、本発明によれば、離型性と引取り性のいずれもよく、得られたフィルムには柚子肌は殆どみられなかった。
【0069】
【発明の効果】
伸長粘度、ダイスウェル比及び溶融張力が所定の値を有するポリオレフィン樹脂組成物を用いることによって、カレンダー加工に際して、所謂ロールとられやドローダウンなしにフィルムをロールから引き取ることができ、また、必要な場合には、延伸工程において、フィルムの破断なしに、表面が平滑なフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明において、溶融ポリオレフィン樹脂組成物の伸長粘度とダイスウェル比を測定するために用いるツインキャピラリーレオメーターの断面図である。
【図2】は、本発明において、溶融張力を測定するための装置構成図である。
【符号の説明】
2…ロングダイ、3…ショートダイ、4…ピストン、5…圧力センサ、21…キャピラリーレオメーター、22…ストランド、23…張力検出器、25…巻取ロール
Claims (10)
- ポリプロピレン成分とエチレン−プロピレン共重合体成分とを有するブロック又はグラフト共重合体であるリアクターオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂成分と亜リン酸エステル系安定剤とヒンーダードフェノール安定剤とからなり、上記樹脂成分がツインキャピラリーレオメーターにて温度180℃において剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度が2012〜7465Pa・sの範囲にあり、ダイスウェル比が1.0〜2.2の範囲にあり、キャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取り速度を5m/分以上としたときの溶融張力が1gf以上であることを特徴とする、150〜200℃の範囲の温度下でのカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物。
- (A)ポリプロピレン成分とエチレン−プロピレン共重合体成分とを有するブロック又はグラフト共重合体であるリアクターオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂成分と、
(B)エチレンブチレンランダム共重合体とからなる樹脂成分と、
(C)亜リン酸エステル系安定剤とヒンーダードフェノール安定剤とからなり、上記樹脂成分がツインキャピラリーレオメーターにて温度180℃において剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度が2012〜7465Pa・sの範囲にあり、ダイスウェル比が1.0〜2.2の範囲にあり、キャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取り速度を5m/分以上としたときの溶融張力が1gf以上であることを特徴とする、150〜200℃の範囲の温度下でのカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物。 - ポリプロピレン成分がエチレン成分を0〜6重量%の範囲で含むものである請求項1又は2に記載のカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物。
- エチレンブチレンランダム共重合体がブチレン成分を5〜40重量%の範囲で有するものである請求項2に記載のカレンダー成形用ポリオレフィン樹脂組成物。
- 請求項1から4のいずれかに記載のポリオレフィン樹脂組成物をカレンダー成形してなる厚さ0.05〜0.50mmのフィルム。
- ポリプロピレン成分とエチレン−プロピレン共重合体成分とを有するブロック又はグラフト共重合体であるリアクターオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂成分と亜リン酸エステル系安定剤とヒンーダードフェノール安定剤とからなり、上記樹脂成分がツインキャピラリーレオメーターにて温度180℃において剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度が2012〜7465Pa・sの範囲にあり、ダイスウェル比が1.0〜2.2の範囲にあり、キャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取り速度を5m/分以上としたときの溶融張力が1gf以上であるポリオレフィン樹脂組成物を150〜200℃の範囲の温度にてカレンダー成形することを特徴とするフィルムの製造方法。
- (A)ポリプロピレン成分とエチレン−プロピレン共重合体成分とを有するブロック又はグラフト共重合体であるリアクターオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂成分と、
(B)エチレンブチレンランダム共重合体とからなる樹脂成分と、
(C)亜リン酸エステル系安定剤とヒンーダードフェノール安定剤とからなり、上記樹脂成分がツインキャピラリーレオメーターにて温度180℃において剪断速度を10000(1/秒)としたときの伸長粘度が2012〜7465Pa・sの範囲にあり、ダイスウェル比が1.0〜2.2の範囲にあり、キャピラリーレオメーターにて温度180℃において引取り速度を5m/分以上としたときの溶融張力が1gf以上であるポリオレフィン樹脂組成物を150〜200℃の範囲の温度にてカレンダー成形することを特徴とするフィルムの製造方法。 - ポリプロピレン成分がエチレン成分を0〜6重量%の範囲で含むものである請求項6又は7に記載のフィルムの製造方法。
- エチレンブチレンランダム共重合体がブチレン成分を5〜40重量%の範囲で有するものである請求項7に記載のフィルムの製造方法。
- 厚さ0.05〜0.50mmのフィルムを得る請求項6から9のいずれかに記載の方法。
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