JP3578368B2 - 中間転写方式を用いた画像形成装置及び中間転写体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に中間転写ベルト等の中間転写体を介在させて一次、二次転写工程を伴なう中間転写方式を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フルカラー画像形成装置の転写方式は、(a)転写ドラム方式(転写ドラム上に固定された転写材に順次転写する。)、及び、(b)中間転写体ダブル転写方式(中間転写体例えば転写ベルト上に順次転写されたトナー像を一括して転写材に転写する。)、に大別されるが、ペーパーフリー性や全面コピーが可能等の点で(b)の方式が有利である。転写ドラム、及びベルト状中間転写体を用いた(b)の方式に関しては、異常画像、いわゆる”虫喰い版画”(以下、虫喰い)という厄介な問題がある。虫喰いとは、本来転写されるべきトナーがピンポイントで転写されずに残ってしまい、トナーが一部抜けた状態として画像上に見られるものである。
【0003】
一般に、中間転写体材料としてはフッ素系樹脂などトナーとの離型性に優れたものが用いられるが、必ずしも虫喰いはなくならない。虫喰いを改善する代表的な従来技術としては、▲1▼特開昭58−187968号公報に記載されるように、有機フッ素系化合物を中間転写体表面に供給するもの、▲2▼特開平2−198476号公報に記載されるように、中間転写体材料に濡れ性制御剤を添加するもの、▲3▼特開平2−213881号公報に記載されるように、中間転写体表面にステアリン酸亜鉛等の潤滑性を有する保護膜を形成するもの、▲4▼特開平3−242667号公報に記載されるように、中間転写材料としてシリコーンゴムを用い、その表面粗さを制御するもの、▲5▼特開平4−305666号公報に記載されるように、中間転写体の当接部材に周速差を設け、中間転写体表面を研磨するもの、▲6▼特開平5−307344号公報に記載されるように、中間転写体表面にトナーフィルミングが発生した時点で表面を研磨するもの、▲7▼特開平5−313526号公報に記載されるように、中間転写体表面粗さを検知後研磨するもの、▲8▼特開平5−323802号公報に記載されるように、一定コピー枚数毎に中間転写体を研磨する、等を挙げることができる。
【0004】
しかしながら、これら従来技術では、長期にわたって常に安定した画質のものを維持することが困難である。また、ステアリン酸亜鉛等を塗布したり、表面を研磨する場合、その塗布装置や研磨装置、さらにはそのタイミング制御装置などの装置が必要であり、装置が複雑化、コスト高となる。そこで、この中間転写体材料に表面離型性の良いフッ素系樹脂を用いる提案がなされている。(特開平7−92825号公報)
【0005】
しかしながら、上記フッ素系樹脂は離型性に優れるものの負帯電極性が強いためトナーの帯電量に大きな影響を与える。具体的には、トナーが負帯電性の場合、中間転写体上にトナー像が形成され、紙上に転写される工程中においてトナーの帯電極性が負から正へ逆極性化される。この逆極性トナーは紙へ転写できず、これが原因となり虫喰いとなってしまうという問題が発生している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の従来技術を改善することにあり、詳しくは、転写ドラム、及び転写ベルトのような中間転写方式を用いる画像形成装置において、中間転写体のクリーニング性、かつ中間転写体から転写材への転写効率に優れ、特に虫喰いを発生しない装置を提供することにある。
さらに本発明の目的は、製作の際に成形性が良好で、トナーに対する摩擦帯電性が適正であり、2次転写の際、トナーとの離型性に優れ、転写時に適用する転写バイアスに対して良好な適合性を有し、異常帯電トナーによる虫喰いが発生しない中間転写体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
我々は、この点について鋭意検討を進めた結果、中間転写体の少なくとも表面をつぎのような構成とすることにより従来技術における問題点を改善し前記本発明の目的を達成できることを見いだした。
すなわち、本発明の前記目的は、(1)「トナーにより像担持体上に順次形成される複数の可視の色現像画像を無端状に走行する中間転写体上に順次に重ね合わせて一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を転写材に一括して二次転写する中間転写方式を用いる画像形成装置において、該中間転写体の少なくとも可視の色現像画像が形成される表面が、フッ素系樹脂(F)と、それに相溶可能な樹脂(A)との混合物組成物Bからなり、該フッ素系樹脂(F)とそれに可溶な樹脂(A)との混合比(F / A)が7 / 3〜5 / 5であり、表面摩擦係数が0.4以下である中間転写体を用いる画像形成装置」、(2)「中間転写体の少なくとも可視の色現像画像が形成される表面が、フッ素系樹脂(F)と、それに相溶可能な樹脂(A)との混合物組成物(B)からなり、該フッ素系樹脂(F)とそれに可溶な樹脂(A)との混合比(F / A)が7 / 3〜5 / 5であり、表面摩擦係数が0.4以下である中間転写体」、(3)「該フッ素系樹脂(F)が、ポリビニリデンフロライド及び/又はビニリデンフロライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンのうちの少なくとも2つ以上の組成からなるフッ素系共重合体もしくは3元共重合体である前記(2)に記載の中間転写体」、(4)「該中間転写体の体積抵抗が、108〜1013Ω・cmである前記(2)に記載の中間転写体」、(5)「該中間転写体が2層以上の積層構造であり、その表面抵抗が109〜1014Ω/□である前記(2)に記載の中間転写体」、(6)「樹脂(A)がアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂である前記(2)に記載の中間転写体」、(7)「樹脂Aの体積固有抵抗が、10 8 〜10 12 Ω・cmである前記(2)に記載の中間転写体」により達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ中間転写方式を用いた本発明の画像形成装置の1例を具体的に説明する。図1は、中間転写方式を用いた本発明の1例としてのフルカラー電子写真装置の概略を示している。図1において、感光体(13)上に形成された潜像は、先ず第1色目の現像部(4)にて顕像化され、次に中間転写体(6)との当接部にて中間転写体へ転写される。ここでの転写は「一次転写」である。フルカラーの場合、この工程を3色あるいは4色繰り返し中間転写体にフルカラー画像を形成する。中間転写体に形成された像は、次に領域(11)において転写材(紙)上に一括転写される。ここでの転写を「二次転写」と言う。転写材は、その後定着工程(図示せず)を経てフルカラー画像として出力される。
【0009】
上記プロセスにおける二次転写工程においては、形成された像は中間転写体から転写材へ転写される訳であるが、十分な画像濃度を得るためにもここでの転写効率は一般的に90%以上が必要である。また、たとえ90%以上転写したとしてもトナーがピンポイントで転写されずに中間転写体上に残る場合がある。これが虫喰い版画と呼ばれる異常画像図となる。
【0010】
これを防止するために、前述の▲3▼の特開平2−213881号公報にて示されるように従来技術のうちの或るものは中間転写体表面にステアリン酸亜鉛等を塗布する機構(スウィーパーブラシ8)を設けている。しかし、前述のとおり、この方法は十分な解決策ではない。我々は、この点について鋭意検討を進めた結果、中間転写体の少なくとも表面をつぎのような構成とすることにより従来技術における問題点を改善し前記目的を達成できることを見いだし、本発明に到達したものである。
【0011】
上記発明の実施の形態としての1例においてはベルト状中間転写体を具備する画像形成装置について説明したが、むろん本発明はこれに限らず、転写ドラムにも適用することができる。本発明において使用される該フッ素系樹脂としては、ポリビニリデンフロライド(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフロライド共重合体(THV)等が挙げられる。
【0012】
これらのうち、成形性等の点からPVdF、THVは特に好ましい。また、中間転写体を用いた本発明の画像形成プロセスが満足裡に遂行されるためには、摩擦係数が0.4以下であることが好ましい。摩擦係数が0.4を超えると離型性が低下し虫喰いが発生しやすくなる。また、クリーニングブレードとの摩擦負荷が大きくなりクリーニング不良を発生してしまう。摩擦係数をこの範囲とするために、本発明においてはそのような特性を有する材料を用いる、あるいは添加剤等で調整する等の手段が用いられる。
【0013】
添加剤としては例えば、シリコンオイルやフッ素系界面活性剤などに代表されるようなシリコン系・フッ素系の低分子量添加剤やシリコン系・フッ素系の樹脂粒子や、雲母・グラファイト・二硫化モリブデンなどのような無機系固体潤滑剤、モンタンワックス・カルナウバワックス・硬化ひまし油等の天然ワックス、脂肪酸・脂肪酸エステル・脂肪酸トリグリセライド・脂肪アルコール・脂肪酸モノアミド・脂肪酸ビスアミドなどの合成ワックス、ポリエチレンワックス・ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィン系ワックスなどの一般的なワックス類等が挙げられる。
【0014】
さらに、本発明における中間転写体は、108〜1013Ωcmの体積抵抗値を有していることが好ましい。抵抗値がこれ以下では、感光体等の中間転写体との接触部材間で転写バイアスの放電が起こり画像に乱れを発生してしまう。また、これ以上であると転写バイアスを異常に高電圧としないと転写できない。また、中間転写体内に電荷が残留、蓄積されるため、残像画像が発生してまう。而して、中間転写体をなす樹脂材料を無機または有機の導電性材料により所望の抵抗値に調節することが必要である。
【0015】
この無機導電性材料としては、従来公知のものが使用可能であり、例えばカーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、金属粉末、金属酸化物粉末、導電性ウイスカー等が挙げられる。また、有機導電性材料としては、ポリエチレンオキサイド、ポリピロール、第4級アンモニウム塩等に代表されるものを用いることができる。これらは前記の抵抗値になるようにその添加量を調整する。また、これらは一種類だけでなく二種類以上を併用しても良い。
【0016】
さらに、該中間転写体の構造は単層のみでなく必要に応じて多層構成をとっても良い。この場合、その最表面層の表面抵抗値は、109〜1014Ω/□であることが好ましい。表面抵抗値がこれ以下であると体積抵抗値の場合と同様、画像の乱れが発生し、これ以上でも同様に残像が発生し好ましくない。
【0017】
本発明における中間転写体の少なくとも表面はポリビニリデンフロライド及び/又はフッ素系共重合体により構成される。該フッ素系共重合体とは、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンの少なくとも2種以上からなるがその組成比は、成形条件等により適切なものとする。本発明においてフッ素系共重合体に樹脂Aを混合するのは次のような事由による。すなわち、フッ素系共重合体のみでは負極性が強いため、例えば負帯電トナーを用いた場合、トナーが逆極性に帯電してしまい虫喰いが発生してしまう。このため樹脂Aを混合することにより混合組成物Bの摩擦帯電性を調整する。
【0018】
この混合組成物Bは、使用するトナーの摩擦帯電量の絶対値が0〜40μc/gとなるように材料・混合量を選択・調整する。中間転写体とトナーとの上記帯電量はつぎの要領で測定した値である。
【0019】
図2には本特性値の測定装置が示されている。同図2において、表面を中間転写体材料(21)で覆った、線速、回転方向の異なる2本の金属性ローラ(22)、(23)を隣接させ、その当接領域に所定量のトナーを加え該ローラ(22)、(23)を回転させることによりトナーを吸引冶具を用いて吸引し、エレクトロメータによりトナーの帯電量を測定する。また、このときの吸引トナーの重量を測定し、単位重量あたりの帯電量を算出する。
装置の諸仕様は以下のとおりである。
【0020】
混合する上記樹脂Aとしては、上記摩擦帯電性を考慮し、例えばアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂としては、アクリル酸エステル重合体、メタアクリル酸エステル重合体及びその共重合体樹脂で、ポリメタクリル酸メチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどやこれらの共重合体やこれらを用いた変性樹脂、アクリルゴムなどが挙げられる。また、ポリエーテル系樹脂としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド、塩素化ポリエーテル、ポリアセタール、エピクロルヒドリンゴム、ポリエーテルウレタンゴム等が挙げられる。
【0021】
そして、この樹脂Aとフッ素系樹脂Fとの混合比は、F/A=8/2〜5/5であることが好ましい。混合比がこの範囲をはずれた場合、まずAが少ない場合には摩擦帯電性が改良されず異常帯電トナーによる虫喰いが発生する。次に、Aが多すぎる場合は摩擦係数が過大となったり、離型性が悪化し虫喰いが発生するため好ましくない。
【0022】
さらに、この樹脂Aには体積固有抵抗が108〜1012Ω・cmである材料を用いるのがより好ましい。このような材料を用いると抵抗を調整するための他材料の添加が必要なくなるかあるいは少量の添加量で良好な結果が得られる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的かつ詳細に説明する。
【0023】
【実施例】
(実施例1)
ビニリデンフロライド−テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合樹脂
(THV500;住友スリーエム) 100重量部
導電性ウイスカー(デントールWK200B;大塚化学) 65重量部
アクリル樹脂(PMMA;和光純薬) 43重量部
上記混合物を押し出し成形にて、シームレスベルト状の中間転写体を得た。
(実施例2)
実施例1のビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂の代わりに、ポリビニリデンフロライド(KF850;クレハ)とした他は実施例1と同じ様にし、シームレスベルト状の中間転写体を得た。
(実施例3)
実施例1のビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂の代わりに、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(ネオフロンFEP;ダイキン工業)とした他は実施例1と同じ様にし、シームレスベルト状の中間転写体を得た。
(参考例1)
実施例1のアクリル樹脂の代わりにアクリルゴム(PA401;NOK)30重量部ととした他は実施例1と同じ様にし、シームレスベルト状の中間転写体を得た。
(実施例4〜7)
実施例1における導電性ウイスカーの添加量を、50、60、70、80重量部とする他は同じとした。
(参考例2)
ビニリデンフロライド−テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合樹脂
(THV500;住友スリーエム) 100重量部
導電性ウイスカー(デントールWK200B;大塚化学) 65重量部
上記混合物を押し出し成形にて、シームレスベルト状の中間転写体の基体を得た。上記基体に下記の表面層形成材料をスプレー塗布し、150℃/10分乾燥し中間転写体とした。
{表面層形成成分}
ビニリデンフロライド−テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合樹脂/アクリル樹脂混合塗料
(ノバフッソPF250;大日本色材工業) 100重量部(固形分)
導電性ウイスカー(デントールWK200B) 25重量部
(実施例8)
参考例2における表面層形成成分に、以下の潤剤を追加した他は参考例2と同様にしてシームレスベルト状の中間転写体を得た。
L−ウラロイル−N−リジン(フェイメックスL−12;味の素)5重量部
(実施例9〜11)
実施例8における表面層形成成分の導電性ウイスカーを、10、20、30重量部とした他は実施例8と同様にしてシームレスベルト状の中間転写体を得た。
(参考例4〜7)
実施例1のフッ素樹脂Fとアクリル樹脂Aの比が、F/A=9/1、8/2、5/5、4/6とした他は実施例1と同様な工程により、シームレスベルト状の中間転写体を得た。
(参考例3)
ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂
(THV500;住友スリーエム) 100重量部
導電性ウイスカー(デントールWK200B;大塚化学) 30重量部
ポリエーテルエステルアミド(ペバックス6333;東レ) 30重量部
上記混合物を押し出し成形にて、シームレスベルト状の中間転写体を得た。
(参考例8)
参考例2の表面層形成成分に下記のものを追加した他は参考例2と同様な工程でシームレスベルト状の中間転写体を得た。
アミノシラン(KBM603;信越化学工業) 8重量部
(参考例9)
参考例8のアミノシラン量を12重量部とした他は参考例8と同様にしてシームレスベルト状の中間転写体を得た。
(比較例1)
実施例1でアクリル樹脂を用いなかった他は実施例1と同様にしてシームレスベルト状の比較例の中間転写体を得た。
(比較例2)
実施例2でアクリル樹脂を用いなかった他は実施例2と同様にしてシームレスベルト状の比較例の中間転写体を得た。
【0024】
以上各実施例、参考例、比較例の中間転写体の体積抵抗、表面抵抗をハイレスター(三菱化学製)にて測定した。また、摩擦係数を摩擦係数測定器(Friction Abrasion Analyzer DF.PM−SS;協和界面化学)にて測定した。また、トナーとの摩擦帯電は図2に示される装置を用い前述した条件にて測定した。
【0025】
さらに、上記中間転写体をリコー製フルカラー複写機(プリテール 550)に装着し、画像を観察し虫喰い画像評価(5段階評価、許容レベルランク3以上)を行った。また、その他の異常画像のチェックも行った。なお、ここではスウィーパーブラシ8は設置しなかった。虫喰いランク評価は、以下に基づいて行った。
ランク5;虫喰い発生せず。
ランク4;肉眼では見えにくい程度の小さい虫喰いがわずかにある。
ランク3;肉眼では見えにくい程度の小さい虫喰いが多く見られる。
ランク2;肉眼ではっきりわかる大きさの虫喰いが見られる。
ランク1;肉眼ではっきりわかる大きさの虫喰いが多数見られる。
なお、キャリアにはシリコン樹脂コートキャリアを用い、トナーは以下の負帯電性シアントナーを用いた。
エポキシ樹脂 100 重量部
銅フタロシアニン 1.5重量部
サリチル酸亜鉛塩誘導体 1.5重量部
上記混合物を溶融混練したものを粉砕・分級し約7μmの粒径とし、この微粒粉体100重量部に対して、疎水性シリカ0.7重量部をミキサー混合し、トナーとした。
結果を、以下の表1、2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】
以上、上記実施の形態、実施例及び上記表1、表2を含む具体的かつ詳細な説明から明らかなように、本発明によれば、製作の際に成形性が良好で、トナーに対する摩擦帯電性が適正であり、2次転写の際、トナーとの離型性に優れ、転写時に適用する転写バイアスに対して良好な適合性を有し、異常帯電トナーによる虫喰いが発生しない中間転写体を提供することが提供され、また、該中間転写体を具備した本発明の画像形成装置はクリーニング性、転写材への転写効率に優れたものであり、かつ、この装置により虫喰いのない良好な画像、例えばフルカラー画像を得ることができる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間転写方式を用いた画像形成装置の1例を説明する図である。
【図2】本発明の中間転写体によるトナー帯電特性値を測定する装置を説明する図である。
【符号の説明】
4 現像部
6 中間転写ベルト
11 領域
13 感光体
21 中間転写体材料
22 SUSローラ
23 SUSローラ
Claims (7)
- トナーにより像担持体上に順次形成される複数の可視の色現像画像を無端状に走行する中間転写体上に順次に重ね合わせて一次転写し、該中間転写体上の一次転写画像を転写材に一括して二次転写する中間転写方式を用いる画像形成装置において、該中間転写体の少なくとも可視の色現像画像が形成される表面が、フッ素系樹脂(F)と、それに相溶可能な樹脂(A)との混合物組成物Bからなり、該フッ素系樹脂(F)とそれに可溶な樹脂(A)との混合比(F / A)が7 / 3〜5 / 5であり、表面摩擦係数が0.4以下である中間転写体を用いる画像形成装置。
- 中間転写体の少なくとも可視の色現像画像が形成される表面が、フッ素系樹脂(F)と、それに相溶可能な樹脂(A)との混合物組成物(B)からなり、該フッ素系樹脂(F)とそれに可溶な樹脂(A)との混合比(F / A)が7 / 3〜5 / 5であり、表面摩擦係数が0.4以下である中間転写体。
- 該フッ素系樹脂(F)が、ポリビニリデンフロライド及び/又はビニリデンフロライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンのうちの少なくとも2つ以上の組成からなるフッ素系共重合体もしくは3元共重合体である請求項2に記載の中間転写体。
- 該中間転写体の体積抵抗が、108〜1013Ω・cmである請求項2に記載の中間転写体。
- 該中間転写体が2層以上の積層構造であり、その表面抵抗が109〜1014Ω/□である請求項2に記載の中間転写体。
- 樹脂(A)がアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂である請求項2に記載の中間転写体。
- 樹脂Aの体積固有抵抗が、10 8 〜10 12 Ω・cmである請求項2に記載の中間転写体。
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