JP3578196B2 - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents
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Description
【発明が属する技術の分野】
本発明は、複数のノズル開口列を形成した同一の流路形成基板に、印刷信号に対応してインクを加圧する圧力発生ユニットを複数個、固定して構成されたインクジェット式記録ヘッドを、インクカートリッジを収容するカートリッジホルダに固定してユニットになしたインクジェット式記録ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平6−40035号公報に示されたように圧力発生室を構成している弾性板の一部領域に圧電振動子を設け、圧電振動子のたわみ変位により圧力室の容積を変化させてインク滴を発生させるインクジェット式記録ヘッドは、圧力発生室の広い面積を変位させることが可能なため、インク滴を安定して発生させることができるという特徴を備えている。
【0003】
このような記録ヘッドにおいても印刷速度の向上を図るため、1つの記録ヘッドに多数のノズル開口を配設することが検討されているが、多数のノズルを単一の記録ヘッドとして構成した場合には、歩留まりが極めて低下するため、比較的製造歩留まりが高いリザ−バ、インク供給口、及びノズル開口を形成する流路ユニットだけは共通部材として構成する一方、比較的歩留まりが低い圧力発生ユニットを複数個、流路ユニットに固定して多数ノズルの記録ヘッドを構成することが行われている。
【0004】
このような記録ヘッドは、通常インクカートリッジを収容するカートリッジホルダに固定して記録ユニットに纏められて、記録装置本体への組み込み作業を簡素化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような単一の記録ユニットにより、テキストデータを高速印刷可能ならしめ、またカラー印刷を滲みを抑えて印刷可能ならしめるためには、相互に矛盾する問題を解決する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、2列の圧力発生室を備えた圧力発生ユニットを3つ用いてテキストデータの高速印刷と、インクの滲みを可及的に抑えて高い精度でカラー印刷とを両立させることができるインクジェット式記録ヘッドを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解消するために本発明においては、インクを加圧する複数の圧力発生室を2列配列された圧力発生ユニットと、前記圧力発生室に連通するノズル開口からなるノズル開口列を備えた流路形成ユニットとからなり、前記圧力発生ユニットを前記流路形成ユニットに複数、固定して構成されたインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記ノズル開口列は、ノズル開口の配列ピッチが印字ピッチの3n倍(nは1以上の整数)のピッチで、かつ2列を1組とし、ノズル開口列間で前記ノズル開口列を構成するノズル開口の並び方向に配列ピッチが1/3分ずれて6列形成され、前記6列のノズル開口列のうちの3列のノズル開口列がブラックのインクを、また残りのノズル開口列がシアン、マゼンタ、イエロのインクを吐出するとともに、前記シアン及びイエロのインクを吐出する前記ノズル開口列の前記ノズル開口が同一線上に、マゼンタのインクを吐出する前記ノズル開口列の前記ノズル開口が前記ブラックのインクを吐出する前記ノズル開口列の1列のノズル開口と同一線上に、さらに前記ブラックのインクを吐出する3列のノズル開口列を構成するノズル開口が相互に1/3分ずれて隣接するように配列されている。
【0007】
【作用】
3列のノズル開口列により1行分のデータを1パスで印刷して高速化を図り、また比較的光学的濃度が高いマゼンタ、及びブラックによると比較的光学的濃度が低いシアン、及びイエロとのドットの形成に時間差を持たせて混色を防止してカラー印刷する。
【0008】
【発明の実施の形態】
そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明のインクジェット式記録ユニットで、図2に示すように1つの容器をブラックのインク室B’、シアンのインク室C’、マゼンタのインク室M’、及びイエロのインク室Y’の4つの部屋に分割されたインカートリッジ1を収容するホルダ2の下部にインクジェット式記録ヘッド3を取付け、インクカートリッジと記録ヘッドとを一体に図示しない記録装置のキャリッジに着脱可能に構成されている。なお、図中符号4は、カートリッジレバーを示す。
【0009】
図3、図4は、前述の記録ヘッド3の一実施例を示すものであって、圧力発生ユニット5、6、7は、それぞれ同一の構造を備えた圧力発生ユニットとして構成され、2列の圧力発生室11、12を形成する流路基板13と、一方の面を封止する弾性板14と、他方の面を封止するとともに、後述する流路ユニット8のリザ−バ50〜55、及びノズル開口70〜75と接続する連通孔15、16、17、18を備えた蓋体19とを積層してユニット化されている。また、弾性板14の表面には圧力発生室11、12を膨張、収縮させる圧電振動子36、37が設けられている。
【0010】
8は、前述の流路ユニットで、外部のインクタンクからのインクをリザ−バ50〜55に供給するインク誘導口20〜25、ノズル連通孔30〜35、及びインク供給口40〜45を備えた流路形成基板26と、それぞれ独立するように形成されたリザ−バ50〜55、及びノズル連通孔60〜65を備えたリザ−バ形成基板27と、上記ノズル連通孔15、16、30〜35、60〜65を介して各圧力発生ユニット5〜7の圧力発生室11、12に連通するノズル開口70〜75が穿設されたノズルプレート28とを積層して構成されている。
【0011】
ノズルプレート28の各ノズル開口70〜75は、図5に示したように印刷ピッチPの3倍のピッチ(3P)で、かつノズル開口列B3とB2が、ノズル開口列B1とCが、ノズル開口列MとYがそれぞれ同一の組みをなし、かつ同一組み内では1印刷ピッチPだけノズル開口の配列方向にずれて配列されており、同一の圧力発生ユニット5、6、7で加圧されたインクの供給を受けている。
【0012】
またノズル開口列B1、B2、B3は、ブラックのインクを吐出するノズル開口70〜72が各ノズル開口列B3〜B1の間で、同一ピッチPとなるように配列され、この実施例では1パスで180dpiでの印刷が可能に配列され、また比較的光学濃度が高いマゼンタのノズル開口列Mのノズル開口74は、ブラックのノズル開口列B1のノズル開口72と同一のラインに位置するように、さらに比較的光学的濃度が低いイエロ及びシアンのノズル開口列C、Yのノズル開口73、75が、1ピッチP分ずらせたラインに並ぶように形成されている。
すなわち、ノズル開口列B1、B2、B3C、M、Yを構成するノズル開口の配列ピッチは、印字ピッチの3n倍(nは1以上の整数、この実施例ではnは1)のピッチで、かつ各組のノズル開口列間でノズル開口の並び方向に配列ピッチの1/3分ずれるように2列を1組とするように6列形成されている。
【0013】
カートリッジホルダ2の底面2aには、図6に示したようにインクカートリッジ1のインク供給口46〜49に挿通されるインク供給針56〜59が立設され、ブラックのインク室B’に連通するインク供給針46は、1本の流路66により記録ヘッド3のインク供給口形成基板26の近傍まで導かれ、ここで拡開部66aにより3つのインク導入口20〜22に分配され、またシアン、マゼンタ、及びイエロのインク室C’、M’、Y’に連通するインク供給針57〜59はインク供給流路67〜69を介してインク導入口23〜25に直接接続されている。
【0014】
この実施例において、カートリッジレバー4を開けてホルダ2にインクカートリッジ1を装填し、カートリッジレバー4を下げると、図7に示したようにインク供給針58がインクカートリッジ1のインク供給口に挿通される。ブラックのインク室B’のインクは流路66を通って拡開部66aに流れ込み、3つのインク導入口20〜22からリザ−バ50〜52に流れ込み、またシアン、マゼンタ、及びイエロのインク室C’、M’、Y’のインクは、それぞれ独立の流路67〜69を介してそれぞれのインク誘導口23〜25からリザ−バ53〜55に流れ込む。
【0015】
記録ヘッド3へのインクの充填が完了した段階で、テキストデータの印刷信号を供給すると、ノズル開口列B1〜B3に属する圧電振動子36、37に駆動信号が供給されて、3列のノズル開口列B1〜B3により決まる密度、この実施例では180dpiで1行分のデータを1パスで印刷することができる。
【0016】
一方、カラー用印刷データの印刷信号を供給すると、ブラックのノズル開口列B1〜B3の内、カラーインクを吐出するノズル開口列と同じ組となるノズル開口列B1、及びシアン、マゼンタ、イエロのノズル開口列C、M、Yに属する圧電振動子36、37に印刷信号が供給され、シアンとイエロのドットが同一ライン上に、またこれから1ライン分離れたラインにマゼンタとブラックのドットが形成される。
【0017】
1パス分の印刷が終了した段階で、微小紙送りを行なって、次のラインを印刷するという操作を3回繰返すことにより1行分を印刷することができる。これにより、比較的光学的濃度が高いマゼンタ、及びブラックによると比較的光学的濃度が低いシアン、及びイエロとのドットの形成に時間差を持たせて混色を防止してカラー印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ユニットの一実施例を示す図である。
【図2】同上記録ユニットに使用するインクカートリッジの一実施例を示す図である。
【図3】同上記録ユニットに使用するインクジェット式記録ヘッドの一実施例の背面を示す斜視図である。
【図4】同上記録ユニットに使用するインクジェット式記録ヘッドの組立斜視図である。
【図5】同上記録ヘッドのノズル開口列の配列を示す正面図である。
【図6】図(イ)(ロ)は、それぞれ同上記録ユニットのインク供給針から記録ヘッドまでのインク供給路の一実施例を示す断面図と、正面図である。
【図7】記録ユニットにインクカートリッジを装着した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 インカートリッジ
2 ホルダ
3 インクジェット式記録ヘッド
5、6、7 圧力発生ユニット
8 流路形成ユニット
25〜25 インク誘導口
36、37 圧電振動子
46〜49 インク供給口
56〜59 インク
67〜69 インク供給流路
B’、C’、M’、Y’ インク室
B1〜B3、C、M、Y ノズル開口列
Claims (2)
- インクを加圧する複数の圧力発生室を2列配列された圧力発生ユニットと、前記圧力発生室に連通するノズル開口からなるノズル開口列を備えた流路形成ユニットとからなり、前記圧力発生ユニットを前記流路形成ユニットに複数、固定して構成されたインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記ノズル開口列は、ノズル開口の配列ピッチが印字ピッチの3n倍(nは1以上の整数)のピッチで、かつ2列を1組とし、ノズル開口列間で前記ノズル開口列を構成するノズル開口の並び方向に配列ピッチが1/3分ずれて6列形成され、前記6列のノズル開口列のうちの3列のノズル開口列がブラックのインクを、また残りのノズル開口列がシアン、マゼンタ、イエロのインクを吐出するとともに、前記シアン及びイエロのインクを吐出する前記ノズル開口列の前記ノズル開口が同一線上に、マゼンタのインクを吐出する前記ノズル開口列の前記ノズル開口が前記ブラックのインクを吐出する前記ノズル開口列の1列のノズル開口と同一線上に、さらに前記ブラックのインクを吐出する3列のノズル開口列を構成するノズル開口が相互に1/3分ずれて隣接するように配列されているインクジェット式記録ヘッド。 - 前記ブラックのインクが流入する3つのインク導入口の近傍に3つのインク導入口と連通する拡開部を形成してなる請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
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JP13764497A JP3578196B2 (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | インクジェット式記録ヘッド |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13764497A JP3578196B2 (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | インクジェット式記録ヘッド |
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JPH10309815A JPH10309815A (ja) | 1998-11-24 |
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Family
ID=15203465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13764497A Expired - Lifetime JP3578196B2 (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | インクジェット式記録ヘッド |
Country Status (1)
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1997
- 1997-05-13 JP JP13764497A patent/JP3578196B2/ja not_active Expired - Lifetime
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