JP3577479B2 - ペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明はペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法に関し、さらに詳しくは、チタン酸バリウム(BaTiO3) のようなペロブスカイト型構造の単結晶を種子単結晶として、チタン酸バリウムのようなペロブスカイト型構造を有する酸化物の多結晶体に接合して熱処理し、多結晶体の接合部で起こる異常粒成長現象により多結晶体内で種子単結晶と同一の構造を成長し続けることにより、種子単結晶が接合された本来の多結晶体と同一の組成を有しながらも種子単結晶と同一のペロブスカイト型結晶構造を有するペロブスカイト型構造の酸化物単結晶を製造する方法に関する。また、このような方式で製造された多結晶体組成の単結晶を再び種子単結晶として用いて、多結晶体と接合してペロブスカイト型構造の酸化物単結晶を経済的な方法で大量生産する方法に関する。
【0002】
【背景技術】
ペロブスカイト型構造の酸化物は化学式では“ABO3” で表示し、代表的にはチタン酸バリウム(BaTiO3) があげられる。Pb系ペロブスカイト型構造の酸化物は上記“ABO3 ”の式で、“A”位置にPbが一部、または全部置換された場合で、例えば、“(PbXA1−X)BO3”(0≦x≦1) のような簡単な形態となることもできるし、“(PbXA1−X)(ByC1−y)O3”(0≦x≦1;0≦y≦1)等のようなAまたはBに置換される原子の数が増加する形態となることも出来る。Pb系ペロブスカイト型構造の酸化物として、代表的には(PbTiO3(PT)、(Pb、Ba)TiO3、Pb(ZrXTi1−X)O3(P ZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN)、(1−x)PMN−xPT、 (1−x−y)PMN−xPT−yPZ、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3(PZN)、(1−x)PZN−xPT、(1−x−y)PZN−xPT−yPZ等があげられる。
【0003】
ペロブスカイト型構造の酸化物の単結晶は光学、圧電、電子及び機械分野で応用されており、これから産業が高度化すればするほど、その応用分野はさらに広がるであろう。純粋なチタン酸バリウムやその固溶体単結晶は圧電素子や光バルブ及び光遮断機そして位相整合鏡などのような光学装置用素材として広く利用されており、各種薄膜素子の基板材料としてもその応用が望まれている。Pb系ペロブスカイト中には特に、Pb(ZrXTi1−X)O3(PZT)、(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−xPbTiO3、(1−x)Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−xPbTiO3(PZN)等とその固溶体単結晶は高い電気機械結合係数のような優秀な圧電及び強誘電特性を示すので、次世代の電子部品素材としてその応用が望まれている。
【0004】
しかし、従来方法によるチタン酸バリウム、チタン酸バリウム固溶体、Pb系ペロブスカイト及びPb系ペロブスカイト固溶体の単結晶成長には、高価な設備を必要とし、また生産工程が難しいし、且つ高い値段のためその応用が限定されている。特に、ペロブスカイト型構造の酸化物の場合には単結晶成長時、揮発性の強い酸化鉛(PbO)の揮発による問題点が深刻である。さらに、従来の方法によるPb系ペロブスカイト及びPb系ペロブスカイト固溶体の単結晶成長では溶融工程を必ず経らなければならないので、溶融工程中の酸化鉛(PbO)の揮発が全体組成を変化させ、且つペロブスカイト相を不安定にするので、望む大きさと特性を有する単結晶を製造し難いため、単結晶製造に高価な設備を必要とし、なお生産工程が非常にややこしいため大量生産が困難であるという問題がある。
【0005】
(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−xPbTiO3(PMN−PT)の単結晶成長法として、融剤法(Fulx Method)が初めて開発されてから、最近はブリッジマン法等のような単結晶成長法が開発された。溶融工程を利用する融剤法やブリッジマン法等の一般的な単結晶成長法として、PMN−PT単結晶を製造する場合は、溶融工程中に揮発性の強い酸化鉛(PbO)の揮発により成長する単結晶の組成を均一に維持しにくいため、複雑な設備と熟練した機能などを必要とするため、安価な単結晶を大量生産することは難しい。
【0006】
Pb(ZrXTi1−X)O3(PZT)は、 前記PMN−PTのような溶融工程中に揮発性の強いPbOの揮発を抑制し難いし、また溶融中に液相とZrO2 に分離される不適切な溶融挙動を示すため、一般的な液相単結晶成長法として実際に応用できる大きさの単結晶を作製するということが不可能であると知られている。一番圧電特性の優れた材料中の一つであるPZT単結晶を経済的な方法で大量生産することができると、多様な応用分野で既存の圧電多結晶体及び単結晶材料にとって代わることができる。
【0007】
多結晶体の焼結中に粒子成長が起こるが、ある場合には大半の正常粒子に比べて小数の粒子のみが速い粒成長を起こす異常粒成長現象があらわれる。このような異常粒子の生成と成長を調節し、極めて限定された個数の異常粒子のみを多結晶体で成長させ続けると、溶融工程を利用せずにも容易に単結晶を得ることができる。溶融工程を利用して単結晶を製造する一般的な単結晶の成長法を液相単結晶成長法(LSCG)といい、溶融工程を利用せずに多結晶体の熱処理中に起こる粒成長を利用して単結晶を製造することを固相単結晶成長法(SSCG)という。固相単結晶成長法の可能性は予め1950年代から提示されてきて、少数の金属系材料では単結晶製造に成功したが、酸化物材料では粒成長を利用して単結晶を製造する際、単結晶の成長が遅く、さらに一つの単結晶のみを成長させ続けることが難しいため、実際に応用できる大きさの酸化物単結晶を製造することは困難であると知られている。
【0008】
チタン酸バリウムの単結晶の成長法として融剤法が初めて開発されてから、ゾ−ンメルティング(Zone Melting)法とトップシード溶液成長(以下「TSSG」と略称する)法などのようなチタン酸バリウム単結晶の成長法が開発された。融剤法で成長したチタン酸バリウム単結晶は、1mm以下の厚さと数mmの大きさを持っているだけであるため、実際に応用するのに制約が多い。また、TSSG法は、融剤法とチョクラルスキー法との長所のみを取り入れた方法であって、大きさが割と大きくて残留応力変形のほとんどないチタン酸バリウム単結晶の成長に利用できると知られているが、このようなTSSG法においても複雑な設備と熟練した機能などを必要とするため、安価な単結晶を大量生産することは難しい。
【0009】
一方、フェライト、チタン酸バリウム及び酸化アルミニウム及びPMN−PT等に対して多結晶体を熱処理して固相単結晶成長法で単結晶を得ようとした試みがあった。これは、粉末に種子(seed)単結晶を入れて焼結するか、多結晶体と種子単結晶との接合界面を形成させた後に、これを熱処理して種子単結晶を成長させる方法である。しかし、この方法は、チタン酸バリウムの場合を除いては融点付近で行われる既存の液相単結晶の成長法に比べ、単結晶成長が遅く、一つの単結晶のみを成長させ続けることは難しかったので、実際応用に必要な数mm以上の単結晶を製造し難いという短所がある。多結晶体で起こる異常粒成長現象を利用する場合にも、成長する種子単結晶と付近の異常粒子に会うことになると、多結晶体の異常粒子は種子単結晶の成長を妨害するので種子単結晶を成長させ続けるということが難しかった。このように、従来の固相単結晶成長法は多結晶体内で起こる異常粒成長を制御できなかったので単結晶製造の再現性がよくなく、実際応用に必要な大きさが大きい単結晶を製造し難いという短所のため、従来の液相単結晶成長法に比べて長所が少なかった。特に、PMN−PTの場合には多結晶体で異常粒成長を制御が難しくて数mm以上の大きさを有する単結晶を製造し難かった。
【0010】
また、チタン酸バリウムの場合には、多結晶体に(111) 二重双晶板を有する粒子を入れるか、(111) 二重双晶板を形成する種子形成剤を添加することにより、温度変化を利用して二次異常粒子の生成を制御して単結晶を成長させる方法も報告された。しかし、この方法でも(111) 二重双晶板を含まない単結晶を製造し難く、また二次異常粒子の生成を制御し難いため、一つの単結晶のみを多結晶体内で生成させて成長させ続けることが難しいため、実際の応用に必要とする大きさが大きい単結晶を経済的な方法で大量生産することができないので実際の応用には制限があった。
【0011】
【発明の開示】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために、一般的な単結晶成長法である液相単結晶成長法とは異なり、溶融工程を利用せずに、特別な装置のない一般的な熱処理工程を通して、多結晶体で起こる異常粒成長を効果的に制御して純粋なチタン酸バリウム単結晶、固溶体組成のチタン酸バリウム単結晶、Pb系ペロブスカイト(PbTiO3(PT)、Pb(ZrXTi1−X)O3(PZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN)、(1−x)PMN−xPT、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3(PZN)、(1−x)PZN−xPT等 と固溶体組成のPb系ペロブスカイト固溶体単結晶等を始めとする、各種ペロブスカイト型構造の酸化物単結晶を固相単結晶成長方法で製造できるようにし、単結晶製造費用を減らし、高い再現性と経済的な方法で単結晶を大量に生産することのできるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法を提供する。
【0012】
前記のような目的を達成するために、本発明によるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法は、熱処理により異常粒成長現象が発生するペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法において、ペロブスカイト型構造の種子単結晶をペロブスカイト型構造の酸化物の多結晶体に接合させる段階(a); 及び前記種子単結晶及び多結晶体の接合体を熱処理して、多結晶体内で種子単結晶と同一の構造を成長させ続ける段階として、前記熱処理は、多結晶体と種子単結晶との接合部では異常粒成長を誘導させ、多結晶体内では異常粒成長を抑制する条件下で行われることを特徴とする段階(b)を含めることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施をするための最良の形態】
以下では添付された図面を参照しながら本発明によるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法を詳しく説明する。
【0014】
本発明によるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法においては、チタン酸バリウム単結晶のようなペロブスカイト型構造の単結晶とペロブスカイト型構造の酸化物の多結晶体とを接合して熱処理し、多結晶体の接合部で起こる異常粒成長現象により、多結晶体内で種子単結晶と同一の構造を成長させ続けることにより、結果的に種子単結晶が接合された本来の多結晶体と同一の組成を有しながらも種子単結晶と同一の構造を有するペロブスカイト型構造の酸化物の単結晶を得る。従って、本発明による方法で得られる単結晶は、多結晶体の組成を有し、種子単結晶の構造を有する単結晶となる。本明細書ではこれを「多結晶体組成の単結晶」という。
【0015】
本発明による方法により得られた各種組成の単結晶を再び種子単結晶として利用して多結晶体と接合させ、多結晶体内で種子単結晶と同一の構造を成長させ続けることにより、多結晶体組成の単結晶を製造することができる。即ち、本発明により製造された多数の単結晶を種子単結晶として反復的に活用することにより、種子単結晶のコストを減らすことができる。
【0016】
図1は、本発明の方法において、ペロブスカイト型構造の種子単結晶 (一次種子単結晶はチタン酸バリウム単結晶)をペロブスカイト型構造の酸化物の多結晶体に接合させる構造を示す模式図である。
【0017】
図1に示すように、多結晶体の外部に種子単結晶を接合させるためには、粉末成形体や多結晶体上に種子単結晶を置くか、粉末内に種子単結晶を入れて成形するか、多結晶体と種子単結晶とを接合後にその接合体を粉末に入れて成形させる。
【0018】
また、本発明による方法は板相型や“┐”型の単結晶を利用することにより、多結晶体と種子単結晶の接合面の数を増加させ、種子単結晶の成長を促進することを特徴とする。
【0019】
Pb系ペロブスカイト型構造の酸化物を含むペロブスカイト型構造の酸化物は熱処理時に、粉末の組成変化、温度勾配形成、または添加剤の局部添加等により異常成長が起こる。且つ粉末の組成変化、温度勾配形成、または添加剤の局部添加等により、その異常粒成長のスタート温度、異常粒子の大きさ及び個数などが変わる。本発明による方法では、粉末の組成変化、温度勾配形成、または添加剤の局部添加等の方法を用いて多結晶体で異常粒成長を制御し、多結晶体内では異常粒成長が抑制されるが、種子単結晶と多結晶体との接合部では異常粒成長が起こり、単結晶と同一の構造が多結晶体内部へ成長するよう熱処理する。特に、多結晶体の構成成分の比を調節するか、多結晶体の特定構成成分を過剰量添加することにより多結晶体内では異常粒成長を制御する。これにより多結晶体内では異常粒成長が制御されるが、種子単結晶と多結晶体との接合部では異常粒成長が起こり、種子単結晶が多結晶体内部へ成長させ続けるよう熱処理する。
【0020】
また温度勾配を利用して種子単結晶と多結晶体との接合部を多結晶体内部の温度より高くし、種子単結晶と多結晶体との接合部で種子単結晶と同一の構造の成長を促進させ、さらに多結晶体内部では異常粒成長が抑制できる温度条件で熱処理し続けることにより異常粒成長を制御する。
【0021】
なお、種子単結晶と多結晶体との間に異常粒成長を促進させる添加物を入れて熱処理し、種子単結晶と同一の構造が速く成長できる条件で熱処理して、種子単結晶と同一の構造で成長し続けることにより、実際に応用できる大きさの大きい単結晶を製造する。異常粒成長スタ−ト温度を低くすることにより前記の異常粒成長を促進する物質は、Al2O3、B2O3、CuO、GeO2、 Li2O3、P2 O5、PbO、SiO2、V2O5から成る添加物群から選ばれた、いずれか一成分以上であることが望ましい。
【0022】
即ち、本発明によるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法は、種子単結晶と多結晶体との接合部で起こる異常粒成長を利用し、数cm以上の大きいペロブスカイト型構造の単結晶を生産し、さらにこのように製造された大きいペロブスカイト型構造単結晶を再び種子単結晶として用い、ペロブスカイト型構造酸化物の多結晶体と接合して熱処理して、チタン酸バリウム単結晶と同一の構造を多結晶体内へ成長させ続けることにより、多結晶体組成のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶を製造する。
【0023】
また、本発明による方法で、前記段階(b)の熱処理温度は、チタン酸バリウム単結晶及びチタン酸バリウム多結晶の接合体を二次異常粒成長スタ−ト温度よりやや低い温度で熱処理することを特徴とする。これは種子単結晶以外の異なる二次異常粒成長を抑制しながら種子単結晶のみを成長させるためである。
【0024】
本発明による方法で前記ペロブスカイト型構造酸化物の多結晶体は、ペロブスカイト型構造と固溶体を形成するBaO、Bi2O3、CaO、CdO、CeO2 、CoO、Cr2O3、Fe2O3、HfO2、K2O、La2O3、MgO、MnO2、Na2O、Nb2O5、Nd2O3、NiO、PbO、Sc2O3、SmO2、SnO2、SrO、Ta2O5、TiO2、UO2、Y2O3、ZnO、ZrO2 からなる添加物群から選ばれた、いずれか一成分以上を添加したペロブスカイト型構造の多結晶体であることを特徴とする。
【0025】
また、本発明によるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法においては、多結晶体内で成長する単結晶は種子単結晶と同じ結晶方向を有することを利用し、種子単結晶の決定方向を先に決めて望む特定結晶面と結晶方向とに研磨して多結晶体と接合し、種子単結晶から多結晶体内で成長する単結晶の結晶方向を容易に決定することができる。
【0026】
また、本発明によるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法においては、種子単結晶から多結晶体で成長する単結晶が完全に育成されると、成長した単結晶は種子単結晶に接合された多結晶体の外形と同じ形状となることを利用し、多結晶体の粉末を望む形状に成形するか、多結晶体を複雑な形状に加工する段階を経た後、種子単結晶と接合することにより、難しく高価な単結晶加工工程を経ず、望む複雑な形状の単結晶を手軽に安価に製造することができる
なお、本発明によるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法においては、前記種子単結晶と多結晶体との接合部でのみ異常粒成長を起こし、多結晶体では異常粒成長を抑制するため、多結晶体の組成、温度、温度勾配、雰囲気などを調節する。そして熱処理温度、熱処理雰囲気(空気、酸素、真空など)、熱処理圧力(加圧焼結)、液相量、添加物などを調節する方法により、多結晶体の気孔率と気孔形状を調節することができ、多数の気孔率と気孔形状とを有する多結晶体を製造すると、多様な気孔組織を有する単結晶を製造することができ、さらに完全に緻密化された多結晶体で単結晶を成長させると、気孔のない完全に緻密化された単結晶を経済的な方法で大量生産することができる。
【0027】
本発明により製造された20×20mm以上の大きいチタン酸バリウムの種子単結晶を用い、チタン酸バリウム固溶体、Pb系ペロブスカイト(PbTiO3( PT)、Pb(ZrXTi1−X)O3(PZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN)、(1−x)PMN−xPT、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3(PZN)、 (1−x)PZN−xPT等と固溶体組成のPb系ペロブスカイト固溶体単結晶等のようにチタン酸バリウムと組成が異なるが、同じペロブスカイト型構造を有する酸化物単結晶を経済的な方法で大量に生産することができる。
【0028】
以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳しく説明する。
【0029】
下記の実施例1乃至実施例8は、Pb系ペロブスカイト型構造の酸化物単結晶中で特に圧電特性の優れた(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(x)PbTiO3 系の酸化物を多結晶体とし、その構成成分の比を調節するか、その特定成分を過剰量添加した後、熱処理してから異常粒成長を観察した。まず実験で使用される(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(x)PbTiO3 粉末をコロンバイト前駆体法(Columbite precursor法) で作製した。その製造工程は次の通りである。マグネシウム・カーボネ−ト・ハイドロオキサイド(4MgCO3・Mg(OH)2・4H2O)及び酸化ニオブ(Nb2O5) 粉末をエタノ−ル中でボ−ルミリングし、1100℃で4時間加熱し、揮発成分をなくしてニオビウム酸マグネシウム(MgNb2)O6を合成した。高温で加熱し、揮発成分がなくなったニオビウム酸マグネシウムは酸化鉛(PbO)と二酸化チタン(TiO2) 粉末と混合し、再びボ−ルミリングし、850℃で4時間加熱し、揮発成分をなくして最終的に(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(x)PbTiO3 粉末を合成した。ここでニオビウム酸マグネシウムと二酸化チタンの比を調節して、(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(x)PbTiO3 でx値の異なる粉末を製造した。一軸加圧成形で粉末成形体(直径10mm、高さ3mm)を製造し、再び200MPaの圧力で冷間静水圧成形した。粉末成形体は二重の白金坩堝内で白金板の上に置いて焼結し、試験片付近に雰囲気粉末としてはジルコン酸鉛(PbZrO3[PZ] )及び酸化鉛粉末を置いて焼結して酸化鉛の輝発を抑制した。
<実施例1>
(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(x)PbTiO3 組成の粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真が図2に示されている。図2(a)はx=0.32、図2(b)はx=0.5の場合を示し、PMN−PTの構成成分比の変化、即ち、PMNとPTの含量変化により、粒子成長の挙動が変わることを立証している。図2(a)のx=0.32(PMN/PT=68/32)である場合は、 粒子分布が均一の正常粒成長の挙動を示した。しかし、図2(b)のx=0.5(PMN/PT=5/5)である場合は、異常粒成長が起こったことが観察された。これは、(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(x)PbTiO3 で、x値、即ち、PbTiO3 の比が一定値以上であると、異常粒成長が起こるということが観察された。
<実施例2>
(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(x)PbTiO3 系で、正方晶相と菱面晶相の境界であるMPB(Morphotropic phase boundary)は(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3 組成付近にあるが、このようなMPB組成は優れた圧電特性を示すと知られている。従って、本実施例ではMPB組成の(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3 粉末を前記実施例1のように、コロンバイト前駆体法で製造した。しかし、実施例1とは異なり、粉末製造中に過剰量のMg、Pb、NbおよびTiをそれぞれ添加し熱処理した。その結果は図3乃至図4に示されている。
【0030】
図3は、(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3の組成式に含まれるMgの量に比べ、8モル%のMgOを過剰量添加した後、1200℃で10時間焼結することにより得られた試験片の微細組織写真である。MgOが過剰量添加されなかったか、または少量のみ添加された場合には正常粒成長の挙動を示したが、図3のように一定量以上の過剰量MgOが添加された場合は異常粒成長が起こった。これは異常粒子が基質(matrix)粒子より平均3倍以上大きいし、全体粒子の大きさ分布が二重分布を示すため、これに基づいて、異常粒成長が起こったということが観察された。
【0031】
図4は、(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3 粉末に8モル%のPbOを過剰量添加した後、1200℃で10時間熱処理することにより形成された試験片の微細組織写真である。前記図2(a)の場合のように、PbOが過剰量添加されなかったか、少量添加された場合は、正常粒成長挙動を示した。しかし、一定量以上の過剰量PbOを添加する場合(図4)には異常粒成長が起こったことが観察された。過剰量のPbOが添加された場合でも、PbO量が増加すればするほど異常粒子の単位面積当たり個数は減る反面、異常粒子の平均大きさは増加するということが観察された。
【0032】
図面には示されてないが、(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3 粉末に過剰量のNb及びTiを添加し熱処理した場合は、異常粒成長が起こらなかった。これにより多結晶体の構成成分中、特定成分だけが過剰量添加される際、異常粒成長を起こすということが観察された。
<実施例3>
前記実施例1及び実施例2では、(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(x)PbTiO3 系でxが一定値以上である場合、即ち、多結晶体の構成成分の組成比が変更された場合やMgOまたはPbO等のような多結晶体の特定構成成分が添加された場合、異常粒成長が起こるということを示した。本実施例では過剰量のPbOの添加された(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3粉末にMgを過剰量添加するか、足りなく入れる場合の粒子成長挙動を観察した。前記実施例1及び実施例2のような方法で製造された粉末(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3 の化学当量組成に含まれるMgの量に対して15%足りない組成から15%過剰量添加された組成を製造した。
【0033】
図5は、(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08) PbO組成の粉末に含まれている全体Mgの量に関して、図5(a)は2%のMgが足りない粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真、図5(b)は1%のMgが足りない粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真、図5(c)はMgが過不足なく存在する粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真、図5(d)は1%のMgが過剰である粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。前記のような条件下で接合体を熱処理した結果、図5(b)及び(c)の場合のみ異常粒成長が著しく観察された。即ち、1%のMgの足りない組成及びMg量が組成式と一致する組成の場合、異常粒成長が観察された。しかし、図5(a)のようにMgが2%足りない組成では異常粒成長が起こらなかったし、基質粒子の成長は大きく抑制された。このように、Mgが一定量以上不足の場合、即ち、Nbが一定量以上過剰の場合には、基質粒子の成長と異常粒成長すべてが抑制された。しかし、図5(d)のように一定量以上のMgが過剰量添加された場合は、異常粒子の個数が増加することにより、異常粒子の大きさが減少されたが、基質粒子の成長は促進され、均一な粒子の大きさの分布を表した。
【0034】
前記図5の粉末にBaTiO3 種子単結晶を入れて1200℃で10時間熱処理して種子単結晶の成長を観察した(図6)。図6(a)のように1%以上のMgの足りない組成では異常粒成長が起こらなかったし、種子単結晶も成長しなかった。異常粒子と基質粒子の大きさの差が大きいので異常粒成長が著しく起こった試験片では種子単結晶が成長した。しかし、この場合は、種子単結晶と異常粒子が会うことになると異常粒子が単結晶の成長を阻害するので種子単結晶が一定の大きさ以上に成長できなかったし、また異常粒子が成長する単結晶内へ捕獲され単結晶の品質を低下させた。しかし、図6(b)のように1%のMgの過剰量である組成では種子単結晶が早く成長したし、全体的に粒子の大きさの分布が均一で異常粒子の大きさが小さいので種子単結晶の成長を阻害しなかったし、また異常粒子が成長する単結晶内へ捕獲もされなかった。従って、MPB組成のPMN−PT単結晶を効果的に成長させるためには、一定量以上のMgO及びPbOを同時に添加することが必須である。
<実施例4>
多結晶体内での種子単結晶の成長速度は種子単結晶の結晶方向により大きく変わる。本実施例では、前記実施例3のように1%のMgが過剰量添加された(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08)PbO粉末を製造したし、結晶方向の異なる板相型のBaTiO3 種子単結晶を前記粉末に入れて熱処理した。
【0035】
図7は、(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08) PbO組成の粉末に含まれている全体Mgの量において1%のMgが過剰である粉末に対して、図7(a)は(100)面の板相型BaTiO3種子単結晶を埋設し、1200℃で10時間熱処理した試験片で成長したPMN−PT単結晶を表す試験片の断面写真、図7(b)は(110)面の板相型BaTiO3種子単結晶を埋設し、1200℃で10時間熱処理した試験片で成長したPMN−PT単結晶を表す試験片の断面写真、図7(c)は(111)面の板相型BaTiO3種子単結晶を埋設し、1200℃で10時間熱処理した試験片で成長したPMN−PT単結晶を表す試験片の断面写真である。チタン酸バリウムの種子単結晶と成長したPMN−PT単結晶の境界面を示す断面写真からチタン酸バリウム種子単結晶はPbO液相内で化学的に安定し、また、PMN−PTと格子定数も類似し、PMN−PT多結晶体内へ連続的に成長することができるので、チタン酸バリウム単結晶がPMN−PTと組成が異なるとしても、これを種子単結晶として利用してPMN−PT単結晶を成長させることのできることが観察された。図7(a)のように(100)面の板相型BaTiO3 種子単結晶を使用した場合は、成長面が(100)面を維持したが、成長速度は大略20μm/hr で著しく遅かった。一方、図7 (b)および(c)のように、(110)面及び(111)面のチタン酸バリウム種子単結晶を利用した場合は、成長速度は大略100〜300μm/hrであり、 (100)面に比べ非常に早かった。しかし、(111)面の種子単結晶の場合は、成長面が(111)面で維持されなくて三角形形状の単結晶が成長して広い面のPMN−PT単結晶を製造し難かったが、 (110)面の種子単結晶を利用すると単結晶成長速度も早いし、広い面積のPMN−PT単結晶を製造することができた。
【0036】
図8は、(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08) PbO組成の粉末に含まれている全体Mgの量において1%のMgが過剰である粉末にBaTiO3 種子単結晶を埋設し、1200℃で20時間熱処理した試験片で成長したPMN−PT(直径1.5cm以上) を表す試験片の外形写真である。この写真では、試験片表面の中央で直径1.5cm 以上の大きさのPMN−PT単結晶が観察された。即ち、20時間の短時間熱処理で直径1.5cm 以上の大きさを有するPMN−PT単結晶が製造されたことを示すものである。また、板相型チタン酸バリウム種子単結晶を1%のMgの過剰量が添加された(0.92)[(0.68) Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08)PbO 粉末成形体上に置いて、1200℃で20時間熱処理した場合にも、種子単結晶からPMN−PT単結晶が成長することを確認した。従って、チタン酸バリウム種子単結晶を粉末成形体内へ入れるか、粉末成形体上に置くすべての場合において、種子単結晶は多結晶体内へ早く成長した。また、板相型の種子単結晶より“┐”型等のような種子単結晶を利用した際、種子単結晶と多結晶体との接合面が増加し、結果的に成長面の数が増加してより早く単結晶を製造することができた。
【0037】
前記実施例1乃至実施例4で、(1−x)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(x)PbTiO3 系でx値が一定値以上である場合、即ち、多結晶体の構成成分の組成比が変わる場合や過剰量のPbO、MgOが添加された場合、即ち、多結晶体の特定構成成分が過剰量添加された場合、異常粒成長が起こるということが観察された。つまり、異常粒成長はPb、Mg、Nb及びTiの比率と添加物により促進または抑制されながらその様相が変わることが観察された。従って、PMN−PT単結晶成長を最適化するため、PMN−PTの各構成成分の組成成分の組成比を変更し、特定構成成分を過剰量添加することができるということが立証された。従って、このような方式で製造されたPMN−PT単結晶を再び種子単結晶として利用し、組成は同じであるがPMNとPT比が異なる(1−x)PMN−xPT単結晶を経済的に製造できるということが観察された。
<実施例5>
Pb系ペロブスカイト型構造の酸化物焼結体の緻密化に影響を与える粉末組成(構成成分の比、添加物の種類と含量)、焼結温度、焼結雰囲気 (空気、酸素、真空など)、焼結圧力、液相量、雰囲気粉末と坩堝の密封状態等を調節すると、小結晶体の気孔率と気孔形状等を変化させることができる。多結晶体内の気孔は単結晶の成長中に単結晶内に捕獲されるので、多結晶体の気孔率と気孔形状は成長した単結晶の気孔率にも直接的な影響を与える。従って、多結晶体の微細組織を制御すると気孔を含まない単結晶、気孔を含む単結晶と、それぞれ異なる気孔の大きさや形状を有する単結晶等、多様な組織を有する単結晶を製造することができる。
【0038】
下記の表1は、MPB組成の(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3 粉末にそれぞれに示す過剰量のPbO及びMgOを添加して製造した粉末を1200℃で1時間焼結した焼結体の相対密度値を示す。
【0039】
【表1】
【0040】
前記表1に示されたように、(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3 組成の粉末に前記と同じ過剰量のMgO及びPbOを添加し熱処理した結果、焼結体の密度及び粒子の大きさ等の微細組織が連続的に変わった。過剰量のMgO及びPbOが全然添加されなかった場合において相対密度は約98%であったが、8モル%のPbOが過剰量添加された組成の場合には約93%に減少した。添加されるPbO量が増加すればするほど製造された焼結体の密度は連続的に減少し、気孔の大きさをも増加された。しかし、MgOの場合はPbOとは異なり、添加量が増加すればするほど焼結体の密度が少しずつ増加し、気孔の大きさも減少した。過剰量のMgOが添加されなかったか、または少なく添加された場合は、過剰量のPbOが多く添加された組成でのみ種子単結晶からPMN−PT単結晶が成長することができ、この場合多結晶体の密度が低いため、これにより成長した単結晶の密度は約94%と低かった。しかし、一定量以上の過剰量のMgOが添加された試験片では、PbOを少量のみ添加しても種子単結晶からPMN−PT単結晶が成長したので、この場合、密度の高い多結晶体内で単結晶を成長させたものであるため、密度が97%以上であるPMN−PT単結晶が得ることができた。
【0041】
前記表1の組成の粉末を真空雰囲気で50MPaの圧力で加圧焼結して緻密化させる場合、99%以上の高い相対密度を有する多結晶体を製造することができた。過剰量のPbOが少量添加された組成は、多量添加された場合に比べて容易に緻密化させることができたが、この場合、種子単結晶の成長が起こらなかったか、または成長速度が50μm/hr以下で遅すぎた。しかし、過剰量のPbO及びMgOが十分に添加された場合は、99%以上の高い相対密度を有する単結晶を製造することができた。また、一次焼結過程で加圧焼結工程で高い密度の焼結体を作製し、二次熱処理過程で完全に緻密化された多結晶体とチタン酸バリウム種子単結晶を接合して熱処理すると、非常に緻密化したPMN−PT単結晶を製造することができる。本発明による方法により、多結晶体の密度を調節し、数%の気孔を含めるか、完全に緻密化されたPMN−PT単結晶を製造することができるので、希望する多様な気孔率を有するPMN−PT単結晶を安価で大量生産することができる。
<実施例6>
本実施例では、Pb系ペロブスカイト型構造の酸化物中で圧電材料として一番広く用いられるPb(ZrXTi1−X)O3(PZT)で、 構成成分の比を変化させるか、特定構成成分または添加剤を過剰量添加することにより、異常粒成長を誘導してPZT単結晶を作製した。PZT粉末はPbO、ZrO2及びTiO2粉末をエタノ−ル中でボ−ルミリングし、800℃で4時間加熱して揮発成分をなくして合成した。また、ZrO2及びTiO2の比を調節し、Pb(ZrXTi1−X)O3 でx値の異なる粉末を製造した。一軸加圧成形で粉末成形体(直径10mm、高さ3mm)を製造し、再び200MPaの圧力で冷間静水圧成形した。粉末成形体は二重の白金坩堝内で白金板の上に置いて焼結し、試験片付近に雰囲気粉末としてジルコン酸鉛(PbZrO3)[PZ]及びPbO粉末を置いて焼結してPbOの揮発を抑制した。
【0042】
図9は、(0.9)[Pb(ZrXTi1−X)O3]−(0.1)PbO組成の粉末において、図9(a)はx値が0.6 である粉末成形体を1200℃で3時間焼結した試験片の微細組織写真、図9(b)はx値が0.25である粉末成形体を1200℃で3時間焼結した試験片の微細組織写真である。図9(a)のように、x=0.6 である場合は、粒子の大きさの分布が均一な正常粒成長挙動を示した。しかし、PT含量が一定量以上である場合、即ち、x=0.25である図9(b)の場合には、過剰量のPbOが添加されると異常粒成長が起こるということが分かった。これは、Pb(ZrXTi1−X)O3で、x値、即ち、PbTiO3の比が一定値の組成で過剰量のPbOが添加されると、異常粒成長が起こるということが観察された。
【0043】
図10は、(0.9)[Pb(ZrxTi1−X)O3]−(0.1)PbO組成において、x=0.25である粉末成形体内にBaTiO3 種子単結晶を入れて1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。PbZrO3 の比率、即ち、x値の比が一定値以上である場合は、異常粒成長と種子単結晶の成長が起こらなかったが、x=0.25である異常粒成長が起こった図10の試験片では種子単結晶が成長した。
【0044】
図11は、(0.9)[Pb(Zr0.6Ti0.4)O3]−(0.1)[(0.95)PbO−(0.05) Cr2O3]組成である粉末成形体内にBaTiO3 種子単結晶を入れて1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。PZT構成元素であるPbO、ZrO2及びTiO2以外に添加されたCr2O3は、x=0.6 の組成で異常粒成長を促進して種子単結晶を成長した。
【0045】
本実施例により、Pb(ZrXTi1−X)O3 (PZT) での異常粒成長は、PZT粉末でのPbTiO3 含量が増加すると起こるし、また過剰量のPbO及びB2 O2、CoO、Cr2O3、Fe2O3、SiO2、MnO、MoO3、Nb2O5、NiO、V2O5、WO3,ZnO 等の添加物が添加されると異常粒成長が促進または抑制されながら、その成長様相が変わるということが立証された。従って、Pb(ZrXTi1−X)O3でx値が大きいため異常粒成長が起こらない場合は、 異常粒成長を誘発する添加物を添加する。また、x値が小さいため異常粒成長が過度に起こる場合は、異常粒成長を制御する添加物を添加すると、異常粒成長を制御することができ、従って、種子単結晶を成長させることができる。
【0046】
本発明により、Pb(ZrXTi1−X)O3 で、Pb、Zr及びTiの比を調節するか、また異常粒成長を促進または抑制する添加物を添加した後、熱処理することにより、PZT単結晶を製造することができた。本発明の方法でPZT単結晶の大きさは種子単結晶の大きさに比例するため、数cm以上のチタン酸バリウム種子単結晶を利用すると、数cm以上のPZT単結晶を安価に大量生産することができる。
<実施例7>
本実施例により、Pb(ZrXTi1−X)O3 で異常粒成長を促進するため、100mmの大きさのPb(Zr0.52Ti0.48)O3粉末を使用し、Pb(Zr0.52Ti0.48)O3粉末にPbZrO3 粉末を混合して粉末成形体を製造した。一軸加圧成形で粉末成形体(直径10mm、高さ3mm)を製造し、再び200MPaの圧力で冷間静水圧成形した。粉末成形体は二重の白金坩堝内で白金板の上に置いて焼結し、試験片付近に雰囲気粉末としてはジルコン酸鉛(PbZrO3)[PZ]粉末を置いて焼結してPbOの揮発抑制した。
【0047】
図12(a)は、Pb(Zr0.52Ti0.48)O3 組成の粉末を1200℃で1時間焼結した試験片の微細組織写真、図12(b)は、(0.7)[Pb(Zr0.52Ti0.48)O3 ]−(0.3)PbZrO3 組成の粉末を1200℃で1時間焼結した試験片の微細組織写真である。Pb(Zr0.52Ti0.48)O3 組成では異常粒成長が起こらなかったが、一定量以上のPbZrO3 が添加されてからPZTで異常粒成長が起こりだし、30モル%以上PbZrO3 が添加されるとPZTで異常粒成長が非常に活発に起こったことが観察された。
【0048】
図13は、(0.8)[Pb(Zr0.52Ti0.48)O3 ] −(0.2)PbZrO3 組成の粉末に(111)面の板相型BaTiO3 種子単結晶を埋設した後、1200℃で10時間熱処理した試験片で成長したPZT単結晶を示す試験片の断面写真である。図12(a)のように、PbZrO3 が添加されなかった組成では異常粒成長が起こらなかったし、チタン酸バリウム種子単結晶が成長しなかった。しかし、図13のように、一定量以上のPbZrO3 が添加されて異常粒成長が起こる組成ではチタン酸バリウム単結晶と同一の構造がPZT多結晶体内へ連続的に成長してPZT単結晶を製造することができた。
【0049】
Pb(ZrXTi1−X)O3(PZT)で、 ナノ粒径の粉末を利用して粒子成長の駆動力を増加させた場合は、PbZrO3 の添加時、異常粒成長が起こったし、種子単結晶も成長した。本発明で利用した粉末または粒子の大きさをナノ粒径程度に小さくすると、異常粒成長も起こるし、x値の大きいPZTをも製造することができる。
<実施例8>
図14は、大きさ40×40×7mmのチタン酸バリウム粉末成形体(25g)を製造し、200MPaの静水圧で加圧した後、そのチタン酸バリウム成形体のエッジ部上にチタン酸バリウム小種子単結晶(直径3mm ;厚さ1.5mm) を置き、種子単結晶側の温度を1350℃になるようにし、反対側は温度の低い形態の温度勾配のある条件で300時間空気中で熱処理した試験片で成長した単結晶を示す写真である。温度勾配のため熱処理中の多結晶部分は二次異常粒成長のスタート温度以下にあったため、多結晶体では二次異常粒子が生成されなかったが、二次異常粒成長のスタート温度以下で成長しはじめた種子単結晶と同一の構造が、多結晶体内へ成長し続け、大きさ横25mm×縦25mm×厚さ5mmの単結晶が製造された。温度勾配を利用し、多結晶体内で二次異常粒成長を効果的に抑制し、種子単結晶と同一な構造が二次異常粒子の妨害無しに成長し続けることができるので、大きさ横25mm×縦25mm×厚さ5mm以上の単結晶を製造することができた。
【0050】
本実施例により、種子単結晶と多結晶体の接合体では単結晶側は温度が高く、多結晶体側は温度が低いような温度勾配を形成することにより単結晶が成長することができるということが観察された。
<実施例9>
図15は、チタン酸バリウム粉末成形体(直径15mm、高さ7mm)上に、(111) 二重双晶を含むチタン酸バリウム単結晶を置き、1350℃で15時間熱処理した試験片の外形写真である。図15のように、(111) 二重双晶の欠陥を含むチタン酸バリウム単結晶を種子単結晶として使用した場合は、多結晶内で成長した単結晶内部でも(111) 二重双晶が観察され、欠陥を含まない単結晶を使用した場合より多結晶体内で単結晶の成長速度が速いため、(111) 二重双晶の欠陥が多結晶体内への成長を促進した。(111) 二重双晶を含む小さいチタン酸バリウム単結晶をチタン酸バリウム多結晶体と接合し、(111) 二重双晶を含む大きいチタン酸バリウム単結晶を製造し、製造された(111) 二重双晶を含む大きいチタン酸バリウム単結晶を再び種子単結晶として使用することにより、より大きいチタン酸バリウム単結晶を速く製造することができた。
<実施例10>
図16は、三つの組成のそれぞれ異なる粉末(99.9)BaTiO3−(0.1)MnO2(モル%)、(99.9)BaTiO3−(0.1)NbO2.5(モル%)、(99.9)BaTiO3−(0.1)CeO2(モル%)を順次積層して三層(各々は1.5mmの厚みで、直径15mm)とした後、その組成勾配を有する粉末成形体を200MPaで冷間静水圧成形をし、その上にチタン酸バリウム単結晶を置き、1350℃で50時間熱処理した試験片において、図16(a)はその表面写真、図16(b)はその断面写真である。チタン酸バリウム種子単結晶は、まずMnO2 を含む部分で成長しはじめ、続いてNbO2.5とCeO2が含まれた部分で成長し、純粋なチタン酸バリウム−Mn固溶体−Nb固溶体−Ce固溶体の4部分からなる連続的な組成勾配のあるチタン酸バリウム固溶体単結晶を製造した。一般的な液相単結晶成長法で製造するには単結晶内部で組成勾配のある単結晶を製造することは難しいので、組成勾配のある単結晶を容易に製造することができるというのは、固相単結晶成長法の重要な長所となる。
【0051】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明によるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法は、特別な装置を必要としない、一般的な熱処理工程を通して、純粋なチタン酸バリウム単結晶、固溶体組成のチタン酸バリウム単結晶、Pb系ペロブスカイト単結晶、固溶体組成のPb系ペロブスカイト単結晶のようなペロブスカイト型構造の単結晶を製造することができるので、経済的な方法で数cmの大きさ以上のペロブスカイト型構造の単結晶を大量に生産することができるという長所がある。また、本発明によるペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法は、単結晶の大きさに関係なく単結晶を成長させることができ、単結晶製造の再現性が高く、単結晶内に組成勾配のある単結晶を製造することができ、単結晶内部の気孔率、気孔の大きさ及び気孔形状を調節することができ、且つ種子単結晶と接する多結晶体を望む形態に造り、熱処理すると、複雑な形態の単結晶を、難しい単結晶加工工程を経ず製造することができ、さらに製造された単結晶を再び反復的に種子単結晶として用いることができるので、多様な種子単結晶を安価に製造することができ、チタン酸バリウム (BaTiO3) 及びPb系ペロブスカイト型構造の酸化物だけでなく、異常粒成長が起こる全てのペロブスカイト型構造の酸化物にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法においてペロブスカイト型構造の種子単結晶をペロブスカイト型構造の酸化物の多結晶体に接合させる構造を示す模式図である。
【図2】図2(a)は、(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3組成の粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真、図2(b)は、(0.5)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.5)PbTiO3組成の粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。
【図3】図3は、(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08) MgO組成の粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。
【図4】図4は、(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08) PbO組成の粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。
【図5】図5は、(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08) PbO組成の粉末に含まれている全体Mgの量に関して、図5(a)は2%のMgが足りない粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真、図5(b)は1%のMgが足りない粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真、図5(c)はMgが過不足なく存在する粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真、図5(d)は、1%のMgが過剰である粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。
【図6】図6は、(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08) PbO組成の粉末に含まれている全体Mgの量に関して、図6(a)は2%のMgが足りない粉末にBaTiO3 種子単結晶を入れて粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真、図6(b)は1%のMgが過剰である粉末にBaTiO3 種子単結晶を入れて粉末成形体を1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。
【図7】図7は、(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08) PbO組成の粉末に含まれている全体Mgの量において1%のMgが過剰である粉末に対して、図7(a)は(100)面の板相型BaTiO3種子単結晶を埋設し、1200℃で10時間熱処理した試験片で成長したPMN−PT単結晶を表す試験片の断面写真、図7(b)は(110)面の板相型BaTiO3種子単結晶を埋設し、1200℃で10時間熱処理した試験片で成長したPMN−PT単結晶を表す試験片の断面写真、図7(c)は(111)面の板相型BaTiO3種子単結晶を埋設し、1200℃で10時間熱処理した試験片で成長したPMN−PT単結晶を表す試験片の断面写真である。
【図8】図8は、(0.92)[(0.68)Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−(0.32)PbTiO3]−(0.08) PbO組成の粉末に含まれている全体Mgの量において1%のMgが過剰である粉末にBaTiO3 種子単結晶を埋設し、1200℃で20時間熱処理した試験片で成長したPMN−PT(直径1.5cm)を表す試験片の外形写真である。
【図9】図9は、(0.9)[Pb(ZrXTi1−X)O3]−(0.1)PbO組成の粉末において、図9(a)はx値が0.6 である粉末成形体を1200℃で3時間焼結した試験片の微細組織写真、図9(b)はx値が0.25である粉末成形体を1200℃で3時間焼結した試験片の微細組織写真である。
【図10】図10は、(0.9)[Pb(Zr0.25Ti0.75)O3]−(0.1)PbO組成である粉末成形体内にBaTiO3 種子単結晶を入れて1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。
【図11】図11は、(0.9)[Pb(Zr0.6Ti0.4)O3]−(0.1)[(0.95)PbO−(0.05) Cr2O3]組成である粉末成形体内にBaTiO3 種子単結晶を入れて1200℃で10時間焼結した試験片の微細組織写真である。
【図12】図12(a)は、Pb(Zr0.52Ti0.48)O3 組成の粉末を1200℃で1時間焼結した試験片の微細組織写真、図12(b)は、(0.7)[Pb(Zr0.52Ti0.48)O3 ]−(0.3)PbZrO組成の粉末を1200℃で1時間焼結した試験片の微細組織写真である。
【図13】図13は、(0.8)[Pb(Zr0.52Ti0.48)O3 ] −(0.2)PbZrO3 組成の粉末に(111)面の板相型BaTiO3 種子単結晶を埋設した後、1200℃で10時間熱処理した試験片で成長したPZT単結晶を示す試験片の断面写真である。
【図14】図14は、チタン酸バリウム多結晶体のエッジ部上に小種子単結晶(直径3mm ;厚さ1.5mm) を置き、種子単結晶側の温度を1350℃になるようにし、反対側は温度の低い形態の温度勾配のある条件で300時間空気中で熱処理した試験片で成長した単結晶を示す写真である。
【図15】図15は、チタン酸バリウム多結晶体上に(111)二重双晶を含むチタン酸バリウム単結晶を置き、1350℃で15時間熱処理した試験片の外形写真である。
【図16】図16は、三つの組成のそれぞれ異なる粉末(99.9)BaTiO3−(0.1)MnO2(モル%)、(99.9)BaTiO3−(0.1)NbO2.5(モル%)、(99.9)BaTiO3−(0.1)CeO2(モル%)を順次積層して三層(各々は1.5mmの厚みで、直径15mm)とした後、その上にチタン酸バリウム単結晶を置き、1350℃で50時間熱処理した試験片において、図16(a)はその表面写真、図16(b)はその断面写真である。
Claims (23)
- 熱処理により異常粒成長現象が発生するペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法において、
ペロブスカイト型構造の種子単結晶をペロブスカイト型構造の酸化物の多結晶体に接合させる段階(a);及び
前記種子単結晶及び多結晶体の接合体を熱処理し、多結晶体内で種子単結晶と同一の構造を成長させ続ける段階として、前記熱処理は、多結晶体の組成を調節することにより多結晶体と種子単結晶との接合部では異常粒成長を誘導させ、多結晶体内部では異常粒成長を抑制する条件下で行われることを特徴とする段階(b)を含めることを特徴とするペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。 - 前記段階(b)の熱処理は、前記ペロブスカイト型構造の多結晶体の構成成分の比を調節する条件下で行われることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(b)の熱処理は、前記ペロブスカイト型構造の多結晶体の特定構成成分を本組成より過剰量添加する条件下で行われることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(b)の熱処理は、種子単結晶と多結晶体との接合体で、単結晶側には温度が高く、多結晶体側には温度の低いような温度勾配が形成されような条件下で行われることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(b)の熱処理は、種子単結晶と多結晶体の間とに異常粒成長を促進する添加物を局部的に添加する条件下で行われることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記多結晶体は、各構成成分の比が変わるか、特定構成成分が過剰量添加される際、異常粒成長が起こるPb系ペロブスカイト型構造の多結晶体であることを特徴とする請求項2または3記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(a)は、ペロブスカイト型構造の酸化物の粉末成形体や多結晶体上に種子単結晶を置くか、粉末内に種子単結晶を入れて成形するか、多結晶体と種子単結晶とを接合した後にその接合体を粉末に入れて成形することにより行われることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記方法により製造されたペロブスカイト型構造の単結晶を前記段階(a)での種子単結晶として用いることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記種子単結晶はチタン酸バリウムまたはチタン酸バリウムと同一の結晶構造を有するペロブスカイト型構造の単結晶であることを特徴とする請求項6記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(a)以前に、種子単結晶の結晶方向をまず決定し、特定の結晶面と結晶方向に研磨して多結晶体と接合し、種子単結晶から多結晶体の内部で成長する単結晶の結晶方向を決定する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(a)以前に、多結晶体の粉末を望む形状に成形するか、多結晶体を複雑な形状に加工する段階を経た後、種子単結晶と接合することにより、単結晶加工工程を経ずにも、望む形状を有する単結晶を製造する方法をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(a)以前に多結晶体に添加物を添加するか、液相量を変化させるか、多結晶体の焼結温度、焼結雰囲気、焼結圧力などを変化させ、気孔率、気孔の大きさ、気孔の形状の異なる多結晶体を製造する段階をさらに含めて種子単結晶と接合させて熱処理し、多結晶体で成長する単結晶内部の気孔率、気孔の大きさ、気孔形状を制御し、気孔を含まない、完全に緻密化された、多様な気孔率を有する単結晶を製造する段階を含むことを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(a)でペロブスカイト型構造の酸化物多結晶体は、ペロブスカイト型構造に固溶する溶質元素群から選ばれた、いずれか一成分以上を添加したペロブスカイト型構造の酸化物多結晶体を用いて、それぞれ組成が不連続的に又は連続的に変わる組成勾配のある多結晶体であることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(a)で(111) 二重双晶を含むチタン酸バリウム単結晶を種子単結晶として利用し、(111) 二重双晶を多結晶体と接合させることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(b)の熱処理は、前記単結晶及び前記多結晶体の接合体を二次異常粒成長スタ−ト温度よりやや低い温度で熱処理することを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記ペロブスカイト型構造酸化物の多結晶体は、ペロブスカイト型構造と固溶体を形成するBaO、Bi2O3、CaO、CdO、CeO2 、CoO、Cr2O3、Fe2O3、HfO2、K2O、La2O3、MgO、MnO2、Na2O、Nb2O5、Nd2O3、NiO、PbO、Sc2O3、SmO2、SnO2、SrO、Ta2O5、TiO2、UO2、Y2O3、ZnO、ZrO2 からなる添加物群から選ばれた、いずれか一成分以上が添加されたペロブスカイト型構造の多結晶体であることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記段階(a)の種子単結晶は、板相型または“┐”型の形状を有することを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記添加物は、Al2O3、B2O3、CuO、GeO2、Li2O3、P2O5、PbO、SiO2、V2O5からなる添加物群から選ばれた、 いずれか一成分以上であることを特徴とする請求項5記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記Pb系ペロブスカイト型構造の酸化物多結晶体は、(1−x)[Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]−x[PbTiO3](0≦x≦1) (PMN−PT)多結晶体であることを特徴とする請求項6記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記熱処理は、前記多結晶体の構成成分であるPbO及びMgO中で少なくとも一つが組成式より過剰量添加される条件下で行われることを特徴とする請求項19記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記Pb系ペロブスカイト型構造の酸化物多結晶体は、Pb(ZrXTi1-X)O3(0≦x≦1) (PZT)多結晶体であることを特徴とする請求項6記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記熱処理は、前記多結晶体の構成成分であるPbOが組成式より過剰量添加される条件下で行われることを特徴とする請求項21記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
- 前記熱処理は、ナノ粒径の小さいPb(ZrXTi1-X)O3 粉末粒子を用いて行われることを特徴とする請求項21記載のペロブスカイト型構造酸化物の単結晶の成長方法。
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