JP3255114B2 - 窒素ドープした低欠陥シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

窒素ドープした低欠陥シリコン単結晶の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶欠陥が少ない
シリコン単結晶ウエーハおよびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、DRAM等の半導体回路の高集積
化に伴う素子の微細化に伴い、その基板となるチョクラ
ルスキー法(以下、CZ法と略記する)で作製されたシ
リコン単結晶に対する品質要求が高まってきている。特
に、FPD、LSTD、COP等のグローンイン(Gr
own−in)欠陥と呼ばれる酸化膜耐圧特性やデバイ
スの特性を悪化させる、単結晶成長起因の欠陥が存在し
その密度とサイズの低減が重要視されている。
【0003】これらの欠陥を説明するに当たって、先
ず、シリコン単結晶に取り込まれるベイカンシイ(Va
cancy、以下Vと略記することがある)と呼ばれる
空孔型の点欠陥と、インタースティシアル−シリコン
(Interstitial−Si、以下Iと略記する
ことがある)と呼ばれる格子間型シリコン点欠陥のそれ
ぞれの取り込まれる濃度を決定する因子について、一般
的に知られていることを説明する。
【0004】シリコン単結晶において、V領域とは、V
acancy、つまりシリコン原子の不足から発生する
凹部、穴のようなものが多い領域であり、I領域とは、
シリコン原子が余分に存在することにより発生する転位
や余分なシリコン原子の塊が多い領域のことであり、そ
してV領域とI領域の間には、原子の不足や余分が無い
(少ない)ニュートラル(Neutral、以下Nと略
記することがある)領域が存在していることになる。そ
して、前記グローンイン欠陥(FPD、LSTD、CO
P等)というのは、あくまでもVやIが過飽和な状態の
時に発生するものであり、多少の原子の偏りがあって
も、飽和以下であれば、欠陥としては存在しないことが
判ってきた。
【0005】この両点欠陥の濃度は、CZ法における結
晶の引上げ速度(成長速度)Vと結晶中の固液界面近傍
の温度勾配Gとの関係から決まり、V領域とI領域との
境界近辺にはOSF(酸化誘起積層欠陥、Oxidat
ion Indused Stacking Faul
t)と呼ばれるリング状に分布する欠陥の存在が確認さ
れている。
【0006】これら結晶成長起因の欠陥を分類すると、
例えば成長速度が0.6mm/min前後以上と比較的
高速の場合には、空孔タイプの点欠陥が集合したボイド
起因とされているFPD、LSTD、COP等のグロー
ンイン欠陥が結晶径方向全域に高密度に存在し、これら
欠陥が存在する領域はV−リッチ領域と呼ばれている。
また、成長速度が0.6mm/min以下の場合は、成
長速度の低下に伴い、上記したOSFリングが結晶の周
辺から発生し、このリングの外側に転位ループ起因と考
えられているL/D(Large Dislocati
on:格子間転位ループの略号、LSEPD、LFPD
等:これらは転位クラスターとも呼ばれる)の欠陥が低
密度に存在し、これら欠陥が存在する領域はI−リッチ
領域と呼ばれている。さらに、成長速度を0.4mm/
min前後以下に低速にすると、OSFリングがウエー
ハの中心に凝集して消滅し、全面がI−リッチ領域とな
る。
【0007】また、最近V−リッチ領域とI−リッチ領
域の中間でOSFリングの外側に、N領域と呼ばれる、
空孔起因のFPD、LSTD、COPも、転位ループ起
因のLSEPD、LFPDも存在しない領域の存在が発
見されている。この領域はOSFリングの外側にあり、
そして、酸素析出熱処理を施し、X−ray観察等で析
出のコントラストを確認した場合に、酸素析出がほとん
どなく、かつ、LSEPD、LFPD等の転位クラスタ
ーが形成されるほどリッチではないI−リッチ領域側で
ある。
【0008】このN−領域は、通常の方法では、成長速
度を下げた時に成長軸方向に対して斜めに存在するた
め、ウエーハ面内では一部分にしか存在しなかった。こ
の欠陥に関して、ボロンコフ理論(V.V.Voron
kov;Journal of Crystal Gr
owth,59(1982)625〜643)では、引
上げ速度(V)と結晶固液界面軸方向温度勾配(G)の
比であるV/Gというパラメータが点欠陥のタイプとト
ータルな濃度を決定すると唱えている。このことから考
えると、面内で引上げ速度は一定のはずであるから、面
内でGが分布を持つために、例えば、ある引上げ速度で
は中心がV−リッチ領域でN−領域を挟んで周辺でI−
リッチ領域となるような結晶しか得られなかった。
【0009】そこで最近、面内のGの分布を改良して、
この斜めでしか存在しなかったN−領域を、例えば、引
上げ速度Vを徐々に下げながら引上げた時に、ある引上
げ速度でN−領域が横全面に広がった結晶が製造できる
ようになった。また、この全面N−領域の結晶を長さ方
向へ拡大するには、このN−領域が横に広がった時の引
上げ速度を維持して引上げればある程度達成できる。ま
た、結晶が成長するに従ってGが変化することを考慮
し、それを補正して、あくまでもV/Gが一定になるよ
うに、引上げ速度を調節すれば、それなりに成長方向に
も、全面N−領域となる結晶が拡大できるようになっ
た。この全面N−領域結晶にはグローンイン欠陥が全く
存在せず、酸化膜耐圧特性も良好である。
【0010】以上の他、現状で行われている欠陥低減法
としては、徐冷法がある。これは、比較的速い引上げ速
度で、結晶を全面V−リッチ領域と呼ばれる、空孔が過
剰に存在するような領域で結晶を引上げておいて、結晶
引上げ中に、1150〜1080℃の温度帯域の通過時
間を長くすることにより、欠陥の密度を低減する方法
で、これにより酸化膜耐圧特性が改善されている。
【0011】また、引上げ速度を遅くして、I−リッチ
領域と呼ばれる格子間シリコンが過剰に存在するような
領域で、結晶を引上げる方法があり、この方法によれば
COP等は殆ど存在せず、酸化膜耐圧特性も良い。さら
に従来から、V−リッチの結晶に窒素をドープする方法
が行われており、FPDやCOPが極めて少ないものが
作られている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、全面N
−領域のような極低欠陥領域を結晶全体に広げて製造し
ようとする時に、引上げ速度Vを高速化しようとする場
合に、ボロンコフの理論からすれば、結晶の固液界面軸
方向温度勾配Gを大きくすればよいが、Gを結晶の横方
向で均一にする必要があり、結晶成長装置の炉内構造
(ホットゾーン:HZ)に限界があるために、成長速度
を高速化するのには限界があった。また、N−領域とな
る引上げ速度の制御範囲が狭く、結晶の軸方向にN−領
域を拡大することは困難であり、量産化には不向きであ
った。
【0013】また、前記V−リッチ領域での徐冷法は、
欠陥の密度を下げても、欠陥のサイズを大きくしている
ことが確認されており、根本的な解決にはなっていな
い。さらに、I−リッチ結晶には巨大転位ループ(転位
クラスター)が存在することが判っており、デバイスに
おいてこの転位を通じて電流がリークし、P−Nジャン
クションとしての機能を果たさなくなることが知られて
いる。また、同じ酸素濃度で比較すると、V−リッチ結
晶よりも酸素析出が起こりにくくゲッタリング能力が不
足している。
【0014】そして、窒素をドープした通常のCZ法の
結晶(V−リッチ結晶が大半)は、一見グローンイン欠
陥が観察されないが、詳細に評価を行うと、窒素は欠陥
の凝集を抑えるだけの効果しかなく、小さい欠陥(以
下、小ピットということがある)が大量に高密度に存在
することが確認された。さらにこの結晶の酸化膜耐圧測
定を行ったところあまり良くなかった。
【0015】本発明は、このような問題点に鑑みなされ
たもので、高速下に制御幅が広く、制御し易い製造条件
の下で、結晶の全面において極低欠陥密度で、特に小ピ
ットを排除し、酸化膜耐圧特性に優れたCZ法によるシ
リコン単結晶ウエーハを、高生産性を維持しながら得る
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために為されたもので、本発明の請求項1に記載
した発明は、チョクラルスキー法によってシリコン単結
晶を育成する際に、窒素ドープなしで引上げ速度を徐々
に下げながら引上げた時、引上げ速度V1[mm/mi
n]でOSFリングが結晶の中央で消滅した場合に、用
いた装置のシリコンの融点から1400℃の間の結晶の
成長軸方向の平均温度勾配G[K/mm]を使用して、
V1〜V1+0.062×Gの範囲内の引上げ速度で、
窒素をドープしながら結晶を引上げることを特徴とする
シリコン単結晶の製造方法である。
【0017】このように、実験・調査の結果を解析して
求めた図1の窒素ドープ無しの欠陥分布図から、OSF
リングが結晶の中央で消滅した場合の引上げ速度V1を
求めておく。別に窒素ドープありの欠陥分布図を基に、
小ピットが形成されなくなる引上げ速度V2を求め、そ
の範囲内(V1〜V2)の引上げ速度で窒素をドープし
ながら引上げれば、結晶の全面に小ピットが排除された
シリコン単結晶を、制御幅が広く、制御も容易でありか
つ比較的高速で引上げることができるので、高生産性を
維持してシリコン単結晶を製造することができる。この
場合、(V1〜V2)の範囲内である△V=0.062
×Gの係数0.062mm2 /K・minは、用いた装
置の炉内構造できまる点欠陥の濃度を決定すると言われ
ているパラメータV1/GとV2/Gの値の差であるの
で、これらの値とGから引上げ速度の範囲を求めると、
どのような炉内構造(G)にも当てはまるものとなる。
【0018】この場合請求項2に記載したように、前記
ドープする窒素濃度を1×1014atoms/cm3
上とすることが望ましい。これは、結晶面内の小ピット
の形成を有効に抑制し、消滅させるには、1×1014
toms/cm3 以上にするのが好ましいからである。
【0019】次に、本発明の請求項3に記載した発明
は、請求項1または請求項2に記載の方法で製造された
シリコン単結晶から得られるウエーハに、熱処理を加え
てウエーハ表面の窒素を外方拡散させるようにしたシリ
コン単結晶ウエーハの製造方法である。このようにすれ
ば、ウエーハ表面において窒素がなく、窒素が含有され
ていることによる表面での異常酸素析出を防ぐことがで
きる。また、ウエーハのバルク部は、窒素が含有されて
いるため、酸素の析出が促進され、十分にイントリンシ
ックゲッタリング効果(IG効果)を有するウエーハを
製造することができる。
【0020】この場合、請求項4に記載したように、前
記熱処理を急速加熱・急速冷却装置[以下、RTA(Ra
pid Thermal Anneler )装置ということがある]により
行うことが望ましい。この装置は、枚葉式の自動連続熱
処理装置であって、熱処理前後の加熱、冷却を数秒〜数
百秒で行うので、弊害の多い長時間の熱履歴をウエーハ
に与えることなく、数秒〜数百秒の短時間の熱処理で効
果的に表面の窒素を外方拡散することができる。
【0021】そして、本発明のシリコン単結晶ウエーハ
は、前記請求項1または請求項2に記載した方法で製造
されたシリコン単結晶から得られたシリコン単結晶ウエ
ーハである。このような本発明にかかるシリコンウエー
ハは、所望量の窒素がドープされ、本来V−リッチ領域
のウエーハの筈であるが、結晶全面の領域で小ピットが
排除されている極低欠陥のシリコン単結晶ウエーハであ
る。
【0022】以下、本発明につき詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。説明に先立ち
各用語につき予め解説しておく。 1)FPD(Flow Pattern Defec
t)とは、成長後のシリコン単結晶棒からウェーハを切
り出し、表面の歪み層を弗酸と硝酸の混合液でエッチン
グして取り除いた後、K2 Cr27 と弗酸と水の混合
液で表面をエッチング(Seccoエッチング)するこ
とによりピットおよびさざ波模様が生じる。このさざ波
模様をFPDと称し、ウェーハ面内のFPD密度が高い
ほど酸化膜耐圧の不良が増える(特開平4−19234
5号公報参照)。
【0023】2)SEPD(Secco Etch P
it Defect)とは、FPDと同一のSecco
エッチングを施した時に、流れ模様(flow pat
tern)を伴うものをFPDと呼び、流れ模様を伴わ
ないものをSEPDと呼ぶ。この中で10μm以上の大
きいSEPD(LSEPD)は転位クラスターに起因す
ると考えられ、デバイスに転位クラスターが存在する場
合、この転位を通じて電流がリークし、P−Nジャンク
ションとしての機能を果たさなくなる。
【0024】3)LSTD(Laser Scatte
ring Tomography Defect)と
は、成長後のシリコン単結晶棒からウエーハを切り出
し、表面の歪み層を弗酸と硝酸の混合液でエッチングし
て取り除いた後、ウエーハを劈開する。この劈開面より
赤外光を入射し、ウエーハ表面から出た光を検出するこ
とでウエーハ内に存在する欠陥による散乱光を検出する
ことができる。ここで観察される散乱体については学会
等ですでに報告があり、酸素析出物とみなされている
(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.32,P
3679,1993参照)。また、最近の研究では、八
面体のボイド(穴)であるという結果も報告されてい
る。
【0025】4)COP(Crystal Origi
nated Particle)とは、ウエーハの中心
部の酸化膜耐圧を劣化させる原因となる欠陥で、Sec
coエッチではFPDになる欠陥が、SC−1洗浄(N
4 OH:H22 :H2 O=1:1:10の混合液に
よる洗浄)では選択エッチング液として働き、COPに
なる。このピットの直径は1μm以下で光散乱法で調べ
る。
【0026】5)L/D(Large Disloca
tion:格子間転位ループの略号)には、LSEP
D、LFPD等があり、転位ループ起因と考えられてい
る欠陥で、転位クラスターあるいは巨大転位ループとも
いわれている。LSEPDは、上記したようにSEPD
の中でも10μm以上の大きいものをいう。また、LF
PDは、上記したFPDの中でも先端ピットの大きさが
10μm以上の大きいものをいい、こちらも転位ループ
起因の転位クラスターと考えられている。
【0027】本発明で小ピットと呼んでいるのは、上記
Seccoエッチング後に、ウエーハを観察した場合に
検出されるFPD、LSTD、COP等のグローンイン
欠陥を指し示している。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明者ら
は、先に特願平9−199415号で提案したように、
CZ法によるシリコン単結晶成長に関し、V領域とI領
域の境界近辺について、詳細に調査したところ、この境
界近辺の極く狭い領域にFPD、LSTD、COPの数
が著しく少なく、LSEPDも存在しないニュートラル
な領域(N−領域)があることを発見した。
【0029】そこで、このN−領域をウエーハ全面に広
げることができれば、点欠陥を大幅に減らせると発想
し、成長(引上げ)速度と温度勾配の関係の中で、結晶
のウエーハ面内では、引上げ速度はほぼ一定であるか
ら、面内の点欠陥の濃度分布を決定する主な因子は温度
勾配である。つまり、ウエーハ面内で、軸方向の温度勾
配に差があることが問題で、この差を減らすことが出来
れば、ウエーハ面内の点欠陥の濃度差も減らせることを
見出し、結晶中心部の温度勾配Gcと結晶周辺部分の温
度勾配Geとの差△G=(Ge−Gc)≦5℃/cmと
なるように炉内温度を制御して引上げ速度を調節すれ
ば、ウエーハ全面がN領域からなる欠陥のないウエーハ
が得られるようになった。しかしながら、この方法では
HZの構造に限界があるため、成長速度を高速化するの
には限界がある上に、著しく制御範囲が狭いものとなっ
た。
【0030】一方、窒素等の軽元素不純物をドープした
場合、グローンイン欠陥分布に対する不純物の影響につ
いては、従来からボロンをドープした場合に、OSFリ
ングが縮小する成長速度がやや速くなることや転位ルー
プが発生しにくくなることが報告されている。また、窒
素をシリコン単結晶中にドープすると、シリコン中の原
子空孔の凝集が抑制され、結晶欠陥密度が低下すること
が指摘されている(T.Abe and H.Takeno,Mat.Res.Soc.S
ymp.Proc.Vol.262,3,1992 )。
【0031】そこで、窒素ドープについて、結晶中の固
液界面近傍の△Gが大きい通常の炉内構造を備えた結晶
引上げ装置を使用して、引上げ速度を変えて結晶面内を
調査した結果、新たに次のような知見を得、諸条件を確
立して本発明を完成させた。
【0032】すなわち、窒素をドープすることによっ
て、欠陥分布に関する引上げ速度が高速側にシフトする
と共に、ある特定の引上げ速度の範囲内で結晶を引上げ
れば、通常の窒素ドープをしない結晶の場合には結晶中
に高密度に潜在している小ピットが形成されないことが
判った。これは、窒素をドープしながら引上げ速度を変
化させて結晶を成長させ、得られた単結晶棒からウエー
ハを切り出し、グローンイン欠陥を測定し、また、熱酸
化処理を施してOSFリング発生の有無を確認した結果
判明したものである。
【0033】先ず、窒素ドープ無しの通常の直径6イン
チのシリコン単結晶を引上げ速度を下げながら引上げ
た。その結果を元に作成したのが図1の欠陥分布図であ
り、結晶の径方向位置を横軸とし、引上げ速度を縦軸と
して表している。用いた装置は、図2に示した引上げ装
置30で、20インチ石英ルツボに原料多結晶シリコン
を60Kgチャージし、直径6インチ、方位<100>
のシリコン単結晶棒を平均引上げ速度を1.20〜0.
40mm/minに下げながら引上げを行った(単結晶
棒の直胴長さ約60cm)。
【0034】この装置の炉内構造(HZ)は通常のもの
で、用いた装置の炉内構造によって決まるシリコンの融
点から1400℃の間の結晶の成長軸方向の平均温度勾
配G[K/mm]が3.551K/mmのものを使用し
た。図1から引上げ速度V1が0.54mm/minで
OSFリングが結晶の中央部で消滅していることが判
る。
【0035】次に上記と同様の炉内構造(G=3.55
1K/mm)を持つ引上げ装置を用いて、窒素をドープ
した以外は上記と同じ条件で引上げ速度を下げながら引
上げた。窒素濃度は結晶の肩部分で1×1014atom
s/cm3 となるようにした。この窒素をドープした結
晶では、通常の窒素ドープをしないで引上げた場合、V
−リッチ領域となり、高密度で潜在している筈の小ピッ
トが、結晶中心位置で引上げ速度V2が0.75mm/
min以下の範囲で全く確認されなかった(図1参
照)。そこで、窒素をドープしてV1〜V2の引上げ速
度の範囲で引上げた。そして、この結晶を鏡面ウエーハ
に加工して酸化膜耐圧特性を調査したところ、極めて良
好であり、C−モード良品率で100%であった。
【0036】以上のような実験・調査の結果、窒素ドー
プなしの場合、OSFリングが消滅する引上げ速度V1
(0.54mm/min)が、窒素ドープありの場合、
引上げ速度V2(0.75mm/min)まで高速側に
シフトしていることが判った。しかもV2(V1+0.
21mm/min)以下でV1以上の領域は、本来なら
ばV−リッチ領域となる筈であるが、本発明では小ピッ
トが存在しない極低欠陥領域であり、この結晶の鏡面ウ
エーハの酸化膜耐圧特性は、極めて良好で、C−モード
良品率で100%となった。
【0037】以上述べた0.54〜0.75mm/mi
nという引上げ速度の範囲は、ある特定の炉内構造、例
えば、結晶の成長軸方向の平均温度勾配G[K/mm]
が3.551K/mmの場合に限って適用されるもの
で、Gについて汎用性が無い。そこで、点欠陥の濃度を
決定することができると言われているV/Gというパラ
メータを使用して欠陥が消滅する引上げ速度の範囲を求
めることにした。
【0038】そこで、上記した実験・調査の結果をV/
Gを用いて引上げ速度の範囲を限定すると、このHZは
Gが3.551K/mmであるから、通常の窒素ドープ
無しの場合のOSFリングの消滅がV1/G=0.54
/3.551=0.152mm2 /K・minという値
をとり、窒素ドープありの場合の小ピット無しの上限が
V2/G=0.75/3.551=0.214mm2
K・minという値をとっている。このV/Gの差は
0.062mm2 /K・minであり、これにGを掛け
合せれば引上げ速度の差(0.062×3.551=
0.21mm/min)になる。従って、V1〜V1+
0.062×Gという範囲をとれば、どのような温度勾
配Gを持つ炉内構造(HZ)の場合にも適用可能であ
る。
【0039】このように窒素をドープしないでN−領域
のみで引上げる場合のように△Gを小さくする必要はな
いので、本発明では結晶を急冷出来るだけ急冷しGが大
きいHZを使用することによって、より一層高速化を図
ることができる。従って、窒素をドープしながらV1〜
V1+0.062×Gの引上げ速度の範囲内で引上げれ
ば、ウエーハ全面の領域で、極低欠陥、特に小ピットの
存在しないウエーハを、高速かつ容易に製造することが
でき、歩留りと生産性の向上ならびにコストダウンを図
ることができる。
【0040】本発明において、CZ法によって窒素をド
ープしたシリコン単結晶棒を育成するには、例えば特開
昭60−251190号に記載されているような公知の
方法によれば良い。すなわち、CZ法は、石英ルツボ中
に収容された多結晶シリコン原料の融液に種結晶を接触
させ、これを回転させながらゆっくりと引き上げて所望
直径のシリコン単結晶棒を育成する方法であるが、あら
かじめ石英ルツボ内に窒化物を入れておくか、シリコン
融液中に窒化物を投入するか、雰囲気ガスを窒素を含む
雰囲気等とすることによって、引き上げ結晶中に窒素を
ドープすることができる。この際、窒化物の量あるいは
窒素ガスの濃度あるいは導入時間等を調整することによ
って、結晶中のドープ量を制御することが出来る。この
ように、CZ法によって単結晶棒を育成する際に、窒素
をドープすることによって、結晶成長中に導入される結
晶欠陥の発生を抑制することが出来る。
【0041】本発明における窒素のドープ量は、1×1
14atoms/cm3 以上とするのが好ましい。この
場合、窒素を少しドープすれば欠陥分布は、高速側にシ
フトし、窒素ドープの効果は非常に大きく、ドープ量に
対してリニアに効いていることが判ったが、本発明にお
ける小ピットの無い領域に対しては、1×1014ato
ms/cm3 以上とすることで結晶欠陥の形成を排除す
る効果が大きく、小ピットを消滅させることができた。
【0042】このようにして、窒素がドープされ、かつ
結晶全面の領域で小ピットが排除されているシリコン単
結晶ウエーハを安定して高生産性で製造することができ
る。
【0043】この場合、結晶中に過剰に存在する窒素
は、窒素ドープして得られたシリコン単結晶から得られ
たウエーハに熱処理を加えてウエーハ表面の窒素を外方
拡散させればよい。このようにすれば、ウエーハ表面に
おいて極めて結晶欠陥の少ないウエーハを得ることがで
きる。また、ウエーハのバルク部は、窒素が含有されて
いるため、酸素の析出が促進され、十分にIG効果(イ
ントリンシックゲッタリング効果)を有するウエーハを
製造することができる。
【0044】ウエーハ表面の窒素を外方拡散させる具体
的な熱処理の条件としては、900℃〜シリコンの融点
以下の温度で行なうのが好ましい。このような温度範囲
で熱処理をすることによって、十分にウエーハ表面層の
窒素を外方拡散できるとともに、同時に酸素をも外方拡
散させることができるので、表面層における酸素析出物
に起因する欠陥の発生をほぼ完全に防止することが出来
るからである。
【0045】一方、バルク部においては、上記熱処理に
よって酸素析出物を成長させることができるので、IG
効果を有するウエーハとすることができる。特に、本発
明では、バルク部においては、窒素の存在により酸素析
出が促進されるので、IG効果の高いものとなり、たと
え低酸素濃度のシリコンウエーハであっても十分にIG
効果を発揮することが出来るものとなる。
【0046】この場合、熱処理を急速加熱・急速冷却装
置により行うことが望ましい。この装置は、いわゆるR
TA装置と呼ばれるもので、枚葉式の自動連続熱処理装
置であって、熱処理前後の加熱、冷却を数秒〜数百秒で
行うので、弊害の多い長時間の熱履歴をウエーハに与え
ることなく、数秒〜数百秒の短時間の効果的な熱処理を
施すことができる。
【0047】また、ウエーハ表面の窒素を外方拡散させ
るための熱処理雰囲気を、酸素、水素、アルゴンあるい
はこれらの混合雰囲気下で行なうのが好ましい。このよ
うなガス雰囲気で熱処理をすることによって、シリコン
ウエーハに有害となる表面被膜を形成させることなく、
効率的に窒素を外方拡散させることができる。特に、水
素、アルゴンあるいはこれらの混合雰囲気のような、還
元性の雰囲気で高温熱処理を行なうと、ウエーハ表面の
結晶欠陥が消滅し易いのでより好ましい。
【0048】このようにして、窒素をドープして極低欠
陥であるCZ法によるシリコン単結晶ウエーハであっ
て、該シリコン単結晶ウエーハ表面の窒素が、熱処理に
より外方拡散されているシリコン単結晶ウエーハを得る
ことが出来る。
【0049】以下、本発明で使用する単結晶引上げ装置
とRTA装置について説明する。まず、CZ法による単
結晶引上げ装置の構成例を図2により説明する。図2に
示すように、この単結晶引上げ装置30は、引上げ室3
1と、引上げ室31中に設けられたルツボ32と、ルツ
ボ32の周囲に配置されたヒータ34と、ルツボ32を
回転させるルツボ保持軸33及びその回転機構(図示せ
ず)と、シリコンの種結晶5を保持するシードチャック
6と、シードチャック6を引上げるワイヤ7と、ワイヤ
7を回転又は巻き取る巻取機構(図示せず)を備えて構
成されている。ルツボ32は、その内側のシリコン融液
(湯)2を収容する側には石英ルツボが設けられ、その
外側には黒鉛ルツボが設けられている。また、ヒータ3
4の外側周囲には断熱材35が配置されている。
【0050】また、冷却ガスを吹き付けたり、輻射熱を
遮って単結晶を冷却する不図示の筒状の冷却装置を設け
てもよい。別に、最近では引上げ室31の水平方向の外
側に、図示しない磁石を設置し、シリコン融液2に水平
方向あるいは垂直方向等の磁場を印加することによっ
て、融液の対流を抑制し、単結晶の安定成長をはかる、
いわゆるMCZ法が用いられることも多い。
【0051】次に、上記の単結晶引上げ装置30による
単結晶育成方法について説明する。まず、ルツボ32内
でシリコンの高純度多結晶原料を融点(約1420℃)
以上に加熱して融解する。この時、窒素をドープするた
めに、例えば窒化膜付きシリコンウエーハを投入してお
く。次に、ワイヤ7を巻き出すことにより融液2の表面
略中心部に種結晶5の先端を接触又は浸漬させる。その
後、ルツボ保持軸33を適宜の方向に回転させるととも
に、ワイヤ7を回転させながら巻き取り種結晶5を引上
げることにより、単結晶育成が開始される。以後、引上
げ速度と温度を適切に調節することにより略円柱形状の
窒素をドープした単結晶棒1を得ることができる。
【0052】次に、得られた窒素含有シリコン単結晶棒
をスライスして、所定のウエーハ加工を施して得られる
ウエーハに熱処理を加えてウエーハ表面の窒素を外方拡
散させることになるが、本発明ではこの熱処理に急速加
熱・急速冷却できる装置を使用することにした。このR
TA装置としては、熱放射によるランプ加熱器のような
装置を挙げることができる。また、その他市販されてい
るものとして、例えばAST社製、SHS−2800の
ような装置を挙げることができ、これらは特別複雑で高
価なものではない。
【0053】ここで、本発明で使用するRTA装置の一
例を図3に示す。図3の熱処理装置20は、例えば炭化
珪素あるいは石英からなるベルジャ21を有し、このベ
ルジャ21内でウエーハを熱処理するようになってい
る。加熱は、ベルジャ21を囲繞するように配置される
加熱ヒータ22,22’によって行う。この加熱ヒータ
は上下方向で分割されており、それぞれ独立に供給され
る電力を制御できるようになっている。もちろん加熱方
式は、これに限定されるものではなく、いわゆる輻射加
熱、高周波加熱方式としてもよい。加熱ヒータ22,2
2’の外側には、熱を遮蔽するためのハウジング23が
配置されている。
【0054】炉の下方には、水冷チャンバ24とベース
プレート25が配置され、ベルジャ21内と、外気とを
封鎖している。そしてシリコンウエーハ28はステージ
27上に保持されるようになっており、ステージ27は
モータ29によって上下動自在な支持軸26の上端に取
りつけられている。水冷チャンバ24には横方向からウ
エーハを炉内に出し入れできるように、ゲートバルブに
よって開閉可能に構成される不図示のウエーハ挿入口が
設けられている。また、ベースプレート25には、ガス
流入口と排気口が設けられており、炉内ガス雰囲気を調
整できるようになっている。
【0055】以上のような熱処理装置20によって、窒
素含有シリコンウエーハの急速加熱・急速冷却する熱処
理は次のように行われる。まず、加熱ヒータ22,2
2’によってベルジャ21内を、例えば900℃〜シリ
コンの融点以下の所望温度に加熱し、その温度に保持す
る。分割された加熱ヒータそれぞれを独立して供給電力
を制御すれば、ベルジャ21内を高さ方向に沿って温度
分布をつけることができる。したがって、ウエーハの処
理温度は、ステージ27の位置、すなわち支持軸26の
炉内への挿入量によって決定することができる。熱処理
雰囲気は、酸素、水素、アルゴンあるいはこれらの混合
ガスが使用される。
【0056】ベルジャ21内が所望温度で維持されたな
ら、熱処理装置20に隣接して配置される、不図示のウ
エーハハンドリング装置によってウエーハを水冷チャン
バ24の挿入口から入れ、最下端位置で待機させたステ
ージ27上に例えばSiCボートを介してウエーハを乗
せる。この時、水冷チャンバ24およびベースプレート
25は水冷されているので、ウエーハはこの位置では高
温化しない。
【0057】そして、ウエーハのステージ27上への載
置が完了したなら、すぐにモータ29によって支持軸2
6を炉内に挿入することによって、ステージ27を90
0℃〜シリコンの融点以下の所望温度位置まで上昇さ
せ、ステージ上のシリコンウエーハに高温熱処理を加え
る。この場合、水冷チャンバ24内のステージ下端位置
から、所望温度位置までの移動には、例えば20秒程度
しかかからないので、ウエーハは急速に加熱されること
になる。
【0058】そして、ステージ27を所望温度位置で、
所定時間停止(数秒〜数百秒)させることによって、ウ
エーハに停止時間分の高温熱処理を加えることができ
る。所定時間が経過し高温熱処理が終了したなら、すぐ
にモータ29によって支持軸26を炉内から引き抜くこ
とによって、ステージ27を下降させ水冷チャンバ24
内の下端位置とする。この下降動作も、例えば20秒程
度で行うことができる。ステージ27上のウエーハは、
水冷チャンバ24およびベースプレート25が水冷され
ているので、急速に冷却される。最後に、ウエーハハン
ドリング装置によって、ウエーハを取り出すことによっ
て、熱処理を完了する。さらに熱処理するウエーハがあ
る場合には、熱処理装置20の温度を降温させていない
ので、次々にウエーハを投入し連続的に熱処理をするこ
とができる。
【0059】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0060】例えば、上記実施形態においては、直径6
インチのシリコン単結晶を育成する場合につき例を挙げ
て説明したが、本発明はこれには限定されず、V1〜V
1+0.062×Gの範囲内の条件で引上げるととも
に、窒素をドープしながら結晶を引上げるようにすれ
ば、直径8〜16インチあるいはそれ以上のシリコン単
結晶にも適用できる。また本発明は、シリコン融液に水
平磁場、縦磁場、カスプ磁場等を印加するいわゆるMC
Z法にも適用できることは言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
窒素をドープしながら結晶全面でV1〜V1+0.06
2×Gの条件で引上げた場合、本来V−リッチ領域とな
る筈の領域であるが、小ピットの排除された結晶を成長
させることができ、酸化膜耐圧特性に優れた極低欠陥結
晶を安定して高生産性と高歩留りで作製することができ
る。さらにこの結晶から得られるウエーハに熱処理を施
すことにより、表面近傍では窒素が外方拡散し、バルク
中では窒素によるゲッタリングに十分な酸素析出が起こ
り、酸化膜耐圧特性に優れたシリコン単結晶ウエーハを
高生産性でかつ簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の引上げ方法における結晶内の結晶の径方
向位置を横軸とし、引上げ速度を縦軸とした場合の諸欠
陥分布図に対して本発明の引上げ速度範囲を示した説明
図である。
【図2】本発明で使用したCZ法による単結晶引上げ装
置の概略説明図である。
【図3】本発明で使用した急速加熱・急速冷却装置の一
例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1…成長単結晶棒、2…シリコン融液、3…湯面、4…
固液界面、5…種結晶、6…シードチャック、7…ワイ
ヤ、30…単結晶引上げ装置、31…引上げ室、32…
ルツボ、33…ルツボ保持軸、34…ヒータ、35…断
熱材。20…熱処理装置、21…ベルジャ、22,2
2’…加熱ヒータ、23…ハウジング、24…水冷チャ
ンバ、25…ベースプレート、26…支持軸、27…ス
テージ、28…シリコンウエーハ、29…モータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 雅規 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 半導体株式会社 半導体磯部研究所内 (72)発明者 村岡 正三 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 半導体株式会社 半導体磯部研究所内 (56)参考文献 特開 平10−98047(JP,A) 特開 平8−253392(JP,A) 特開 平11−195565(JP,A) 特開2000−7486(JP,A) Wilfried von Ammo n et al.,”The depe ndence of bulk def ects on the axial temperature gradie nt of silicon crys tals during Czochr alski growth”,Jour nal of Crystal Gro wth,Vol.151,1995,p.273 − 277 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 H01L 21/208 H01L 21/322 EPAT(QUESTEL)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法によってシリコン単
    結晶を育成する際に、窒素ドープなしで引上げ速度を徐
    々に引き下げながら引上げた時、引上げ速度V1[mm
    /min]でOSFリングが結晶の中央で消滅した場合
    に、シリコンの融点から1400℃の間の結晶の成長軸
    方向の平均温度勾配G[K/mm]を使用して、V1〜
    V1+0.062×G[mm/min]の範囲内の引上
    げ速度で、窒素をドープしながら結晶を引上げることを
    特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ドープする窒素濃度を1×1014
    toms/cm3 以上とすることを特徴とする請求項1
    に記載したシリコン単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または請求項2に記載した
    方法で製造されたシリコン単結晶から得られるウエーハ
    に熱処理を加えてウエーハ表面の窒素を外方拡散させる
    ことを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱処理を急速加熱・急速冷却装置に
    より行うことを特徴とする請求項3に記載したシリコン
    単結晶ウエーハの製造方法。
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