JP2005119964A - 窒素ドープした低欠陥シリコン単結晶ウエーハおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 制御幅が広く、制御し易い製造条件の下で、V−リッチ領域およびI−リッチ領域のいずれも存在しない、結晶全面に亙って極低欠陥密度であるN−領域からなるCZ法によるシリコン単結晶ウエーハを、高歩留り、高生産性を維持しながら製造する方法を提供する。
【解決手段】 CZ法によってシリコン単結晶を育成する際に、窒素をドープしながら結晶全面がN−領域となる条件で引上げるシリコン単結晶ウエーハの製造方法である。具体的には、引上げ速度をF[mm/min]とし、シリコンの融点から1400℃の間の引上げ軸方向の結晶内温度勾配の平均値をG[℃/mm]で表した時、結晶中心から結晶周辺までの距離D[mm]を横軸とし、F/G[mm2 /℃・min]の値を縦軸として欠陥分布を示した欠陥分布図のN−領域内で結晶を引上げる場合において、窒素をドープしながら結晶を引上げる。
【選択図】 なし
【解決手段】 CZ法によってシリコン単結晶を育成する際に、窒素をドープしながら結晶全面がN−領域となる条件で引上げるシリコン単結晶ウエーハの製造方法である。具体的には、引上げ速度をF[mm/min]とし、シリコンの融点から1400℃の間の引上げ軸方向の結晶内温度勾配の平均値をG[℃/mm]で表した時、結晶中心から結晶周辺までの距離D[mm]を横軸とし、F/G[mm2 /℃・min]の値を縦軸として欠陥分布を示した欠陥分布図のN−領域内で結晶を引上げる場合において、窒素をドープしながら結晶を引上げる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、窒素をドープした結晶欠陥が少ないシリコン単結晶ウエーハおよびその製造方法に関するものである。
近年、DRAM等の半導体回路の高集積化に伴う素子の微細化に伴い、その基板となるチョクラルスキー法(以下、CZ法と略記することがある)で作製されたシリコン単結晶に対する品質要求が高まってきている。特に、FPD、LSTD、COP等のグローンイン(Grown−in)欠陥と呼ばれる酸化膜耐圧特性やデバイスの特性を悪化させる、単結晶成長起因の欠陥が存在しその密度とサイズの低減が重要視されている。
これらの欠陥を説明するに当たって、先ず、シリコン単結晶に取り込まれるベイカンシイ(Vacancy、以下Vと略記することがある)と呼ばれる空孔型の点欠陥と、インタースティシアル−シリコン(Interstitial−Si、以下Iと略記することがある)と呼ばれる格子間型シリコン点欠陥のそれぞれの取り込まれる濃度を決定する因子について、一般的に知られていることを説明する。
シリコン単結晶において、V−領域とは、Vacancy、つまりシリコン原子の不足から発生する凹部、穴のようなものが多い領域であり、I−領域とは、シリコン原子が余分に存在することにより発生する転位や余分なシリコン原子の塊が多い領域のことであり、そしてV−領域とI−領域の間には、原子の不足や余分が無い(少ない)ニュートラル領域(Neutral領域、以下N−領域と略記することがある)が存在していることになる。そして、前記グローンイン欠陥(FPD、LSTD、COP等)というのは、あくまでもVやIが過飽和な状態の時に発生するものであり、多少の原子の偏りがあっても、飽和以下であれば、欠陥としては存在しないことが判ってきた。
この両点欠陥の濃度は、CZ法における結晶の引上げ速度(成長速度)と結晶中の固液界面近傍の温度勾配Gとの関係から決まることが知られている。また、V−領域とI−領域との間のN−領域には、OSF(酸化誘起積層欠陥、Oxidation Indused Stacking Fault)と呼ばれるリング状の欠陥の存在が確認されている。
これら結晶成長起因の欠陥を分類すると、例えば成長速度が0.6mm/min前後以上と比較的高速の場合には、空孔タイプの点欠陥が集合したボイド起因とされているFPD、LSTD、COP等のグローンイン欠陥が結晶径方向全域に高密度に存在し、これら欠陥が存在する領域はV−リッチ領域と呼ばれている。また、成長速度が0.6mm/min以下の場合は、成長速度の低下に伴い、上記したOSFリングが結晶の周辺から発生し、このリングの外側に転位ループ起因と考えられているL/D(Large Dislocation:格子間転位ループの略号、LSEPD、LFPD等)の欠陥が低密度に存在し、これら欠陥が存在する領域はI−リッチ領域と呼ばれている。さらに、成長速度を0.4mm/min前後以下に低速にすると、OSFリングがウエーハの中心に凝集して消滅し、全面がI−リッチ領域となる。
また、最近V−リッチ領域とI−リッチ領域の中間でOSFリングの外側に、空孔起因のFPD、LSTD、COPも、転位ループ起因のLSEPD、LFPDも、さらにはOSFも存在しないN−領域の存在が発見されている。この領域はOSFリングの外側にあり、そして、酸素析出熱処理を施し、X−ray観察等で析出のコントラストを確認した場合に、酸素析出がほとんどなく、かつ、LSEPD、LFPDが形成されるほどリッチではないI−リッチ領域側である。
さらに、OSFリングの内側にも、空孔起因の欠陥も、転位ループ起因の欠陥も存在せず、OSFも存在しないN−領域の存在が確認されている。
さらに、OSFリングの内側にも、空孔起因の欠陥も、転位ループ起因の欠陥も存在せず、OSFも存在しないN−領域の存在が確認されている。
これらのN−領域は、通常の方法では、成長速度を下げた時に成長軸方向に対して斜めに存在するため、ウエーハ面内では一部分にしか存在しなかった。
このN−領域について、ボロンコフ理論(非特許文献1)では、引上げ速度(F)と結晶固液界面軸方向温度勾配(G)の比であるF/Gというパラメータが点欠陥のトータルな濃度を決定すると唱えている。このことから考えると、面内で引上げ速度は一定のはずであるから、面内でGが分布を持つために、例えば、ある引上げ速度では中心がV−リッチ領域でN−領域を挟んで周辺でI−リッチ領域となるような結晶しか得られなかった。
このN−領域について、ボロンコフ理論(非特許文献1)では、引上げ速度(F)と結晶固液界面軸方向温度勾配(G)の比であるF/Gというパラメータが点欠陥のトータルな濃度を決定すると唱えている。このことから考えると、面内で引上げ速度は一定のはずであるから、面内でGが分布を持つために、例えば、ある引上げ速度では中心がV−リッチ領域でN−領域を挟んで周辺でI−リッチ領域となるような結晶しか得られなかった。
そこで最近、面内のGの分布を改良して、この斜めでしか存在しなかったN−領域を、例えば、引上げ速度Fを徐々に下げながら引上げた時に、ある引上げ速度でN−領域が横全面に広がった結晶が製造できるようになった。また、この全面N−領域の結晶を長さ方向へ拡大するには、このN−領域が横に広がった時の引上げ速度を維持して引上げればある程度達成できる。また、結晶が成長するに従ってGが変化することを考慮し、それを補正して、あくまでもF/Gが一定になるように、引上げ速度を調節すれば、それなりに成長方向にも、全面N−領域となる結晶が拡大できるようになった。
一方、従来から、窒素をドープしたシリコン単結晶が、FZシリコン中の欠陥を減らすことが知られており、この方法は、その特異な酸素析出特性等を利用しながらCZ法にも応用されている。
しかしながら、このような極低欠陥領域であるN−領域を結晶全体に広げて製造しようとする時に、N−領域となる引上げ速度の制御範囲が狭く、結晶成長装置の炉内構造(ホットゾーン:HZ)にも限界があるために、結晶の軸方向にN−領域を拡大することは困難であった。
従って、このような全面N−領域である結晶の製造の歩留りは低く、結晶の品質を保証することは困難であった。
従って、このような全面N−領域である結晶の製造の歩留りは低く、結晶の品質を保証することは困難であった。
一方、窒素をドープした通常のCZ結晶(V−リッチ領域が大半)は、一見グローンイン欠陥が殆ど観察されないため、良好な品質であると思われた。ところが詳細に評価を行うと、窒素ドープにより欠陥の凝集を抑える効果があるだけで、小さい欠陥が大量に存在することが確認された。さらにこの結晶の酸化膜耐圧を測定したところあまり良くなかった。また、欠陥を消滅させるレベルの高濃度に窒素をドープした場合、デバイス工程中の熱処理等で、窒素による酸素析出起因のOSF等の欠陥が存在していた。
V.V.Voronkov;Journal of Crystal Growth,59(1982)625〜643
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、制御幅が広く、制御し易い安定した製造条件の下で、V−リッチ領域およびI−リッチ領域のいずれも存在しない、結晶全面に亙って極低欠陥密度であるN−領域からなるCZ法によるシリコン単結晶ウエーハを、高生産性を維持しながら得ることを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために為されたもので、本発明は、CZ法によって育成されたシリコン単結晶ウエーハにおいて、窒素がドープされ、かつ、全面N−領域であることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハである。
そして、本発明は、CZ法によって育成されたシリコン単結晶ウエーハにおいて、窒素がドープされ、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥が発生せず、かつウエーハ全面から転位クラスターが排除されていることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハである。
この場合、前記ドープされた窒素濃度を5×1014atoms/cm3 以下5×1011atoms/cm3 以上とするのが好ましい。
5×1014atoms/cm3 を越えると、例えば、ウエーハに熱処理を施した時に異常酸素析出のような窒素の弊害が発生する場合があるからである。また、5×1011atoms/cm3 以上とすれば、窒素をドープした効果はより大きなものとなるからである。
5×1014atoms/cm3 を越えると、例えば、ウエーハに熱処理を施した時に異常酸素析出のような窒素の弊害が発生する場合があるからである。また、5×1011atoms/cm3 以上とすれば、窒素をドープした効果はより大きなものとなるからである。
そして、本発明は、CZ法によって育成されたシリコン単結晶ウエーハにおいて、窒素がドープされ、TZDB(Time Zero Dielectric Breakdown)とTDDB(Time Dependent Dielectric breakdown)の良品率が共に90%以上であり、かつウエーハ全面から転位クラスターが排除されていることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハである。
ここで、TZDBとTDDBの良品率が90%以上とは、TZDBのCモード収率あるいはTDDBのγモード収率が90%以上であることを示す。
ここで、TZDBとTDDBの良品率が90%以上とは、TZDBのCモード収率あるいはTDDBのγモード収率が90%以上であることを示す。
そして、本発明は、前記に記載したシリコン単結晶ウエーハであって、酸素濃度が13〜16ppma(−JEIDA(20.8〜25.6ppma−oldASTM))であり、ゲッタリング熱処理後またはデバイス製造熱処理後の内部欠陥密度が、少なくとも5×108ケ/cm3以上であることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハである。
すなわち、よく使用される酸素濃度のウエーハであっても、高いゲッタリング効果を有するウエーハとすることができる。
なお、ここでゲッタリング熱処理とは、育成されたシリコン単結晶棒をウエーハに加工した後からデバイス工程に入る前までに施される熱処理を総称し、デバイス熱処理とは、ゲッタリング熱処理その他の処理の有無にかかわらず、デバイス製造工程で施される熱処理またはこれを簡略化したシミュレーション熱処理を総称するものである。
なお、ここでゲッタリング熱処理とは、育成されたシリコン単結晶棒をウエーハに加工した後からデバイス工程に入る前までに施される熱処理を総称し、デバイス熱処理とは、ゲッタリング熱処理その他の処理の有無にかかわらず、デバイス製造工程で施される熱処理またはこれを簡略化したシミュレーション熱処理を総称するものである。
さらに、本発明は、前記に記載したシリコン単結晶ウエーハであって、ウエーハ表面の窒素を熱処理により外方拡散させたものである。
そして、このようなシリコン単結晶ウエーハの製造方法としては、チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を育成する際に、窒素をドープしながら結晶全面がN−領域となる条件で引上げることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法とすることができる。
このように窒素をドープしながら結晶を引上げれば、N−領域の範囲が大幅に拡大される。従って、窒素をドープしながらN−領域結晶製造条件で引上げれば、制御幅が広く、制御も容易でありシリコン単結晶ウエーハを高歩留りで製造することができる。
さらに具体的には、CZ法によってシリコン単結晶を育成する際に、引上げ速度をF[mm/min]とし、シリコンの融点から1400℃の間の引上げ軸方向の結晶内温度勾配の平均値をG[℃/mm]で表した時、結晶中心から結晶周辺までの距離D[mm]を横軸とし、F/G[mm2 /℃・min]の値を縦軸として欠陥分布を示した欠陥分布図のN−領域内で結晶を引上げる場合において、窒素をドープしながら結晶を引上げることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法である。
このように、実験・調査の結果を解析して求めた図1の欠陥分布図を元に、窒素をドープしながら、V−リッチ領域とN−領域の境界線ならびにN−領域とI−リッチ領域の境界線で囲繞されたN−領域内に収まるように、結晶の引上げ速度Fとシリコンの融点から1400℃の間の引上げ軸方向の結晶内温度勾配の平均値Gを制御して結晶を引上げれば、N−領域の範囲が大幅に拡大する。従って、窒素をドープしながらN−領域結晶製造条件で引上げれば、制御幅が広く、制御も容易でありシリコン単結晶ウエーハを高歩留りで製造することができる。
すなわち、前記に記載した、窒素がドープされ、かつ、全面N−領域であるシリコン単結晶ウエーハ、あるいは窒素がドープされ、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥が発生せず、かつウエーハ全面から転位クラスターが排除されているシリコン単結晶ウエーハを容易に作製することができる。
この場合、CZ法によって結晶を育成するに際し、磁場を印加してもよい。このようにいわゆるMCZ法によれば、窒素ドープの効果と相乗して、N−領域の範囲が一層拡大するようになる。従って、磁場を印加し、かつ窒素をドープしながらN−領域結晶製造条件で引上げれば、制御幅が一層広く、制御も極めて容易でありかつ高生産性を維持して極低欠陥のシリコン単結晶ウエーハを容易に製造することができる。
また、本発明では、ドープする窒素濃度を5×1014atoms/cm3 以下5×1011atoms/cm3 以上とするのが望ましい。
5×1014atoms/cm3 を超えると、例えば、ウエーハに熱処理を施した時に、窒素の弊害である異常酸素析出等が起こり易くなることがあるからである。また、5×1011atoms/cm3 以上とすれば、窒素をドープした効果はより大きなものとなるからである。
5×1014atoms/cm3 を超えると、例えば、ウエーハに熱処理を施した時に、窒素の弊害である異常酸素析出等が起こり易くなることがあるからである。また、5×1011atoms/cm3 以上とすれば、窒素をドープした効果はより大きなものとなるからである。
そして、本発明は、前記に記載した方法で得られたシリコン単結晶ウエーハに熱処理を加えてウエーハ表面の窒素を外方拡散させるシリコン単結晶ウエーハの製造方法である。
このようにすれば、表面近傍は窒素がないので先に述べた窒素の弊害に対してより安全になる。また、ウエーハ表面においては極めて結晶欠陥が少なく、かつウエーハのバルク部は窒素が含有されているため、酸素の析出が促進され、十分にIG効果(イントリンシックゲッタリング効果)を有するウエーハを製造することができる。
このようにすれば、表面近傍は窒素がないので先に述べた窒素の弊害に対してより安全になる。また、ウエーハ表面においては極めて結晶欠陥が少なく、かつウエーハのバルク部は窒素が含有されているため、酸素の析出が促進され、十分にIG効果(イントリンシックゲッタリング効果)を有するウエーハを製造することができる。
この場合、前記熱処理を急速加熱・急速冷却装置[以下、RTA(Rapid Thermal Anneler )装置ということがある]により行うことが望ましい。この装置は、枚葉式の自動連続熱処理装置であって、熱処理前後の加熱、冷却を数秒〜数百秒で行うので、弊害の多い長時間の熱履歴をウエーハに与えることなく、数秒〜数百秒の短時間の効果的な熱処理を施すことができる。
以上説明したように、本発明によれば、窒素ドープを行って全面N−領域となる条件で結晶を引上げることによって、N−領域の引上げ速度の限界を拡大させることができ、極低欠陥結晶を安定して高歩留り高生産性で作製することができる。さらにこの結晶に熱処理を施すことにより、表面近傍では窒素が消滅し極低欠陥とし、バルク中では窒素によるゲッタリングに十分な酸素析出が起こったシリコン単結晶ウエーハを簡単に製造することができる。
以下、本発明につき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。説明に先立ち各用語につき予め解説しておく。
1)FPD(Flow Pattern Defect)とは、成長後のシリコン単結晶棒からウェーハを切り出し、表面の歪み層を弗酸と硝酸の混合液でエッチングして取り除いた後、K2 Cr2 O7 と弗酸と水の混合液で表面を無攪拌でエッチング(Seccoエッチング)することによりピットおよびさざ波模様が生じる。このさざ波模様をFPDと称し、ウェーハ面内のFPD密度が高いほど酸化膜耐圧の不良が増える(特開平4−192345号公報参照)。
1)FPD(Flow Pattern Defect)とは、成長後のシリコン単結晶棒からウェーハを切り出し、表面の歪み層を弗酸と硝酸の混合液でエッチングして取り除いた後、K2 Cr2 O7 と弗酸と水の混合液で表面を無攪拌でエッチング(Seccoエッチング)することによりピットおよびさざ波模様が生じる。このさざ波模様をFPDと称し、ウェーハ面内のFPD密度が高いほど酸化膜耐圧の不良が増える(特開平4−192345号公報参照)。
2)SEPD(Secco Etch Pit Defect)とは、FPDと同一のSeccoエッチングを施した時に、流れ模様(flow pattern)を伴うものをFPDと呼び、流れ模様を伴わないものをSEPDと呼ぶ。この中で10μm以上の大きいSEPD(LSEPD)は転位クラスターに起因すると考えられ、デバイスに転位クラスターが存在する場合、この転位を通じて電流がリークし、P−Nジャンクションとしての機能を果たさなくなる。
3)LSTD(Laser Scattering Tomography Defect)とは、成長後のシリコン単結晶棒からウエーハを切り出し、表面の歪み層を弗酸と硝酸の混合液でエッチングして取り除いた後、ウエーハを劈開する。この劈開面より赤外光を入射し、ウエーハ表面から出た光を検出することでウエーハ内に存在する欠陥による散乱光を検出することができる。ここで観察される散乱体については学会等ですでに報告があり、酸素析出物とみなされている(J.J.A.P. Vol.32,P3679,1993参照)。また、最近の研究では、八面体のボイド(穴)であるという結果も報告されている。
4)COP(Crystal Originated Particle)とは、ウエーハの中心部の酸化膜耐圧を劣化させる原因となる欠陥で、Secco エッチではFPDになる欠陥が、SC−1洗浄(NH4 OH:H2 O2 :H2 O=1:1:10の混合液による洗浄)では選択エッチング液として働き、COPになる。このピットの直径は1μm以下で光散乱法で調べる。
5)L/D(Large Dislocation:格子間転位ループの略号)には、LSEPD、LFPD等があり、転位ループ起因と考えられている欠陥である。LSEPDは、上記したようにSEPDの中でも10μm以上の大きいものをいう。また、LFPDは、上記したFPDの中でも先端ピットの大きさが10μm以上の大きいものをいい、こちらも転位ループ起因と考えられている。
本発明者らは、先に特願平9−199415号で提案したように、CZ法によるシリコン単結晶成長に関し、V−領域とI−領域の境界近辺について、詳細に調査したところ、この境界近辺の極く狭い領域にFPD、LSTD、COPの数が著しく少なく、LSEPDも存在しないニュートラルな領域(N−領域)があることを発見した。
そこで、このN−領域をウエーハ全面に広げることができれば、点欠陥を大幅に減らせると発想し、成長(引上げ)速度と温度勾配の関係の中で、結晶のウエーハ面内では、引上げ速度はほぼ一定であるから、面内の点欠陥の濃度分布を決定する主な因子は温度勾配である。つまり、ウエーハ面内で、軸方向の温度勾配に差があることが問題で、この差を減らすことが出来れば、ウエーハ面内の点欠陥の濃度差も減らせることを見出し、結晶中心部の温度勾配Gcと結晶周辺部分の温度勾配Geとの差を△G=(Ge−Gc)≦5℃/cmとなるように炉内温度を制御して引上げ速度を調節すれば、ウエーハ全面がN領域からなる欠陥のないウエーハが得られるようになった。しかしながら、この方法では、N−領域となる引上げ速度の制御範囲が狭く、HZの構造にも限界があるために、結晶の軸方向にN−領域を拡大することは困難であるとともに、成長速度も低下させざるを得なかった。
一方、窒素等の軽元素不純物をドープした場合、グローンイン欠陥分布に対する不純物の影響については、従来からボロンをドープした場合に、OSFリングが縮小する成長速度がやや速くなることや転位ループが発生しにくくなることが報告されている。また、窒素をシリコン単結晶中にドープすると、シリコン中の原子空孔の凝集が抑制され、結晶欠陥密度が低下することが指摘されている(T.Abe and H.Takeno,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.Vol.262,3,1992 )。
そこで、窒素ドープについて、結晶軸方向の温度勾配は大きく、結晶中心部と結晶周辺部の温度勾配の差△Gを出来るだけ小さくするようなHZ構造を備えた結晶引上げ装置を使用し、引上げ速度を変えて結晶面内を調査した結果、新たに次のような知見を得、諸条件を確立して本発明を完成させた。
すなわち、窒素をドープすることによって、FPDやCOPもなく、転位クラスターも存在しない領域の引上げ速度のマージンが拡大していることが判った。そして、OSFの発生挙動が従来のものとはかなり異なることも判った。
これは、窒素をドープし、引上げ速度を変化させながら結晶を成長させ、得られた単結晶棒から輪切りのサンプルやウエーハ、及び縦割りのサンプルを切り出し、グローイン欠陥を測定し、また、熱酸化処理を施してOSFの発生状況を確認した結果、判明したものである。
これは、窒素をドープし、引上げ速度を変化させながら結晶を成長させ、得られた単結晶棒から輪切りのサンプルやウエーハ、及び縦割りのサンプルを切り出し、グローイン欠陥を測定し、また、熱酸化処理を施してOSFの発生状況を確認した結果、判明したものである。
図1に窒素を1×1013atoms/cm3 ドープした場合における結晶のグローイン欠陥の様子、図2に同一のHZを使用して窒素をドープしていない場合における結晶のグローイン欠陥の様子を示す。
図2に示すように、窒素をドープしていない場合、まず引上げ速度が0.56mm/minでFPDが0になり、それより僅かに引上げ速度を低めるとOSFがリング状に発生し、0.54mm/minでOSFが中心に消え、これ以下の引上げ速度ではOSFもFPDも転位クラスターも存在しない領域となり、0.52mm/minで転位クラスターが発生する。
図2に示すように、窒素をドープしていない場合、まず引上げ速度が0.56mm/minでFPDが0になり、それより僅かに引上げ速度を低めるとOSFがリング状に発生し、0.54mm/minでOSFが中心に消え、これ以下の引上げ速度ではOSFもFPDも転位クラスターも存在しない領域となり、0.52mm/minで転位クラスターが発生する。
このような結晶欠陥分布が、窒素を1×1013atoms/cm3 ドープした場合は、図1に示すようにFPDが0になるよりも高い引上げ速度でOSFが径方向全面に発生し、ある部分ではFPDすなわちV−リッチ欠陥でもあり、OSFも発生するような領域が存在する。そして、0.640mm/minの引上げ速度でFPDが0になり、OSFのみの領域となり、0.577mm/minでは中心ではOSFが消去しているが、周辺ではOSFが少し残るような領域となる。さらに0.570mm/minで周辺部分のOSFが消去し、OSFもFPDも転位クラスターも存在しない領域となる。そして、0.500mm/minで転位クラスターが発生した。
すなわち、欠陥のない領域が大きく拡大し、またOSFの発生消滅挙動がノンドープの場合とは、かなり異なることが判った。
すなわち、欠陥のない領域が大きく拡大し、またOSFの発生消滅挙動がノンドープの場合とは、かなり異なることが判った。
これを、従来報告されているようなF/Gに直すと、ノンドープの場合は、0.146〜0.157mm2 /℃・minの範囲でFPD、及び転位クラスターがないN−領域となり、OSFもない領域となると0.146〜0.152mm2 /℃・minと大変に狭い領域でしかない。しかし、窒素をドープした場合は、0.141〜0.180mm2 /℃・minもの大変広い範囲でN−領域となり、OSFが無い領域であっても、0.141〜0.161mm2 /℃・minと拡大していることが判る。
これは、従来のボロンコフらによって報告されていた、「欠陥の分布はF/Gによって決まり、OSFの発生する部分や、FPDの境界や転位クラスター発生の境界は、ある一定のF/G値によって決まる。」という法則が、窒素ドープの場合には破綻することを示すものであり、かつ、「OSFリングは引上げ速度の低下に伴い中央に収縮し、あるF/Gの時に中央で消滅する。」といった、従来報告されているOSFの挙動とは、窒素ドープの場合にはかなり異なることを示す。
この例では、ノンドープで0.04mm/min(OSFが無い領域とする場合は0.02mm/min)しかなかった引上げ速度のマージンが、窒素をドープした場合には0.14mm/min(OSFが無い領域とする場合は0.07mm/min)ものマージンが存在し、例えば0.50〜0.57mm/minの範囲で結晶を成長させることにより、ウエーハ全面からOSFもFPDも転位クラスターも排除されている、極低欠陥のウエーハを容易に製造することができる。しかも、従来より高速で全面N領域のウエーハを得ることも可能であり、結晶の生産性を向上させることも可能である。
本発明において、CZ法によって窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成するには、例えば特開昭60−251190号に記載されているような公知の方法によれば良い。
すなわち、CZ法は、石英ルツボ中に収容された多結晶シリコン原料の融液に種結晶を接触させ、これを回転させながらゆっくりと引き上げて所望直径のシリコン単結晶棒を育成する方法であるが、あらかじめ石英ルツボ内に窒化物を入れておくか、シリコン融液中に窒化物を投入するか、雰囲気ガスを窒素を含む雰囲気等とすることによって、引き上げ結晶中に窒素をドープすることができる。この際、窒化物の量あるいは窒素ガスの濃度あるいは導入時間等を調整することによって、結晶中のドープ量を制御することが出来る。
このように、CZ法によって単結晶棒を育成する際に、窒素をドープすることによって、結晶成長中に導入される結晶欠陥の発生を抑制することが出来る。
すなわち、CZ法は、石英ルツボ中に収容された多結晶シリコン原料の融液に種結晶を接触させ、これを回転させながらゆっくりと引き上げて所望直径のシリコン単結晶棒を育成する方法であるが、あらかじめ石英ルツボ内に窒化物を入れておくか、シリコン融液中に窒化物を投入するか、雰囲気ガスを窒素を含む雰囲気等とすることによって、引き上げ結晶中に窒素をドープすることができる。この際、窒化物の量あるいは窒素ガスの濃度あるいは導入時間等を調整することによって、結晶中のドープ量を制御することが出来る。
このように、CZ法によって単結晶棒を育成する際に、窒素をドープすることによって、結晶成長中に導入される結晶欠陥の発生を抑制することが出来る。
この時に、ノンドープ時にも言われているように、結晶が成長するにしたがって、結晶の温度勾配は変化するので、実際は結晶の頭の方と尾部の直前では、上記のような欠陥が無いN−領域となる引上げ速度が徐々に変化する。つまり、上記データは結晶中心付近のデータであるので、結晶の頭ではこれよりも速めに引上げ速度を設定し、後半では遅めに引上げ速度を決めれば良い。その結果、結晶全域にわたって、極低欠陥となる結晶が容易に作製でき、歩留りの向上と、簡便な品質管理を実現できる。
この場合、CZ法によって結晶を育成するに際し、磁場を印加してもよい。このようにいわゆるMCZ法によれば、窒素ドープの効果と相乗して、引上げ速度が高速側にシフトすると共に、N−領域の範囲も大幅に拡大するようになる。
シリコン融液に印加する磁場は、水平磁場、縦磁場またはカスプ磁場等が使用される。印加する磁場の強度は、2000G以上、好ましくは3000G以上が良い。2000G未満では磁場印加効果が少ないからである。
従って、磁場を印加し、かつ窒素をドープしながらN−領域結晶製造条件で引上げれば、一層制御幅が広く、制御も容易でありかつ高生産性を維持して極低欠陥のシリコン単結晶ウエーハを極めて容易に製造することができる。
シリコン融液に印加する磁場は、水平磁場、縦磁場またはカスプ磁場等が使用される。印加する磁場の強度は、2000G以上、好ましくは3000G以上が良い。2000G未満では磁場印加効果が少ないからである。
従って、磁場を印加し、かつ窒素をドープしながらN−領域結晶製造条件で引上げれば、一層制御幅が広く、制御も容易でありかつ高生産性を維持して極低欠陥のシリコン単結晶ウエーハを極めて容易に製造することができる。
本発明における窒素のドープ量は、5×1011atoms/cm3 以上ドープした場合に特に効果が大きく、N−領域の範囲が大幅に拡大することが判った。例えば1×1014atoms/cm3 ドープした場合には、先の効果は促進されており、窒素濃度が増加すればするほど、N−領域が拡大する効果は大きい。しかし、窒素濃度が5×1014atoms/cm3 を越えてしまうと、ウエーハに熱処理を施した時に異常酸素析出が発生する等の弊害が発生する場合があるので、窒素濃度は5×1014atoms/cm3 以下5×1011atoms/cm3 以上であることが好ましい。
すなわち、前述のF/Gの定量値は、あくまでも1×1013atoms/cm3の窒素がドープされた時の値である。つまり、F/Gは窒素ドープ量に対して変化するので、実験で確認すればよい。
すなわち、前述のF/Gの定量値は、あくまでも1×1013atoms/cm3の窒素がドープされた時の値である。つまり、F/Gは窒素ドープ量に対して変化するので、実験で確認すればよい。
このようにして、窒素がドープされ、かつ、全面N−領域であるシリコン単結晶ウエーハ、あるいは窒素がドープされ、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥が発生せず、かつウエーハ全面から転位クラスターが排除されているという本発明のシリコン単結晶ウエーハを作製することができる。
この場合、結晶中に過剰に存在する窒素は、窒素ドープして得られたシリコン単結晶ウエーハに熱処理を加えてウエーハ表面の窒素を外方拡散させればよい。このようにすれば、ウエーハ表面において極めて結晶欠陥の少ないウエーハを得ることができる。また、ウエーハのバルク部は、窒素が含有されているため、酸素の析出が促進され、十分にIG効果(イントリンシックゲッタリング効果)を有するウエーハを製造することができる。
通常、シリコン単結晶のN領域には、どちらかといえばベイカンシイが優勢なN(V)領域と、どちらかといえばインタースティシアル−シリコンが優勢なN(I)領域が存在しており、従来の窒素をドープしていないシリコン単結晶においては、よく使用される酸素濃度(13〜16ppma−JEIDA(20.8〜25.6ppma−oldASTM))では、一枚のウエーハでゲッタリング効果がある部分であるN(V)領域の部分と無い部分であるN(I)領域の部分が混在するような場合があった。ちなみに、窒素をドープしない場合のN(I)領域では、例えば、800℃×4時間+1000℃×16時間の熱処理後における内部欠陥密度は1×107〜1×108ケ/cm3に留まっており、ウエーハ全体でのゲッタリング効果は低かった。
しかし、窒素をドープした場合は、N(I)領域の部分においても、上記、800℃×4時間+1000℃×16時間の熱処理を行った後に、1×109ケ/cm3を超える内部欠陥(BMD:Bulk Micro Defect)が確認されており、全N領域で高いゲッタリング能力を持たせることが可能となった。そのためウエーハ全体のゲッタリング効果を大幅に向上させることができるようになった。
なお、このウエーハのゲッタリング効果は、バルク部に含有されている窒素の働きにより、低酸素濃度のウエーハであってもゲッタリング効果は高いものとなるが、特に酸素濃度が13ppma(−JEIDA,(20.8ppma−ASTM‘79))以上であれば、さらにゲッタリング効果は高いものとなる。
ウエーハ表面の窒素を外方拡散させる具体的な熱処理の条件としては、900℃〜シリコンの融点以下の温度で行なうのが好ましい。
このような温度範囲で熱処理をすることによって、十分にウエーハ表面層の窒素を外方拡散できるとともに、同時に酸素をも外方拡散させることができるので、表面層における酸素析出物に起因する欠陥の発生をほぼ完全に防止することが出来るからである。
一方、バルク部においては、上記熱処理によって酸素析出物を成長させることができるので、IG効果を有するウエーハとすることができる。特に、本発明では、バルク部においては、窒素の存在により酸素析出が促進されるので、IG効果の高いものとなり、たとえ低酸素濃度のシリコンウエーハであっても十分にIG効果を発揮することが出来るものとなる。
このような温度範囲で熱処理をすることによって、十分にウエーハ表面層の窒素を外方拡散できるとともに、同時に酸素をも外方拡散させることができるので、表面層における酸素析出物に起因する欠陥の発生をほぼ完全に防止することが出来るからである。
一方、バルク部においては、上記熱処理によって酸素析出物を成長させることができるので、IG効果を有するウエーハとすることができる。特に、本発明では、バルク部においては、窒素の存在により酸素析出が促進されるので、IG効果の高いものとなり、たとえ低酸素濃度のシリコンウエーハであっても十分にIG効果を発揮することが出来るものとなる。
この場合、熱処理を急速加熱・急速冷却装置により行うことが望ましい。この装置は、いわゆるRTA装置と呼ばれるもので、枚葉式の自動連続熱処理装置であって、熱処理前後の加熱、冷却を数秒〜数百秒で行うので、弊害の多い長時間の熱履歴をウエーハに与えることなく、数秒〜数百秒の短時間内に効果的な熱処理を施すことができる。
また、ウエーハ表面の窒素を外方拡散させるための熱処理雰囲気を、酸素、水素、アルゴンあるいはこれらの混合雰囲気下で行なうのが好ましい。
このようなガス雰囲気で熱処理をすることによって、シリコンウエーハに有害となる表面被膜を形成させることなく、効率的に窒素を外方拡散させることができる。特に、水素、アルゴンあるいはこれらの混合雰囲気のような、還元性の雰囲気で高温熱処理を行なうと、ウエーハ表面の結晶欠陥が消滅し易いのでより好ましい。
このようなガス雰囲気で熱処理をすることによって、シリコンウエーハに有害となる表面被膜を形成させることなく、効率的に窒素を外方拡散させることができる。特に、水素、アルゴンあるいはこれらの混合雰囲気のような、還元性の雰囲気で高温熱処理を行なうと、ウエーハ表面の結晶欠陥が消滅し易いのでより好ましい。
こうして、窒素をドープしたCZ法による極低欠陥シリコン単結晶ウエーハであって、該シリコン単結晶ウエーハ表面の窒素が、熱処理により外方拡散されているという本発明のシリコン単結晶ウエーハを得ることが出来る。
本発明のシリコンウエーハは、ウエーハ表面が極低欠陥なため、酸化膜耐圧特性等の電気的特性に優れたものとなり、デバイス製造の歩留りを向上させることができる。
本発明のシリコンウエーハは、ウエーハ表面が極低欠陥なため、酸化膜耐圧特性等の電気的特性に優れたものとなり、デバイス製造の歩留りを向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明で使用するCZ法による単結晶引上げ装置の構成例を図3により説明する。図3に示すように、この単結晶引上げ装置30は、引上げ室31と、引上げ室31中に設けられたルツボ32と、ルツボ32の周囲に配置されたヒータ34と、ルツボ32を回転させるルツボ保持軸33及びその回転機構(図示せず)と、シリコンの種結晶5を保持するシードチャック6と、シードチャック6を引上げるワイヤ7と、ワイヤ7を回転又は巻き取る巻取機構(図示せず)を備えて構成されている。ルツボ32は、その内側のシリコン融液(湯)2を収容する側には石英ルツボが設けられ、その外側には黒鉛ルツボが設けられている。また、ヒータ34の外側周囲には断熱材35が配置されている。
まず、本発明で使用するCZ法による単結晶引上げ装置の構成例を図3により説明する。図3に示すように、この単結晶引上げ装置30は、引上げ室31と、引上げ室31中に設けられたルツボ32と、ルツボ32の周囲に配置されたヒータ34と、ルツボ32を回転させるルツボ保持軸33及びその回転機構(図示せず)と、シリコンの種結晶5を保持するシードチャック6と、シードチャック6を引上げるワイヤ7と、ワイヤ7を回転又は巻き取る巻取機構(図示せず)を備えて構成されている。ルツボ32は、その内側のシリコン融液(湯)2を収容する側には石英ルツボが設けられ、その外側には黒鉛ルツボが設けられている。また、ヒータ34の外側周囲には断熱材35が配置されている。
また、本発明の製造方法に関わる製造条件を設定するために、結晶の固液界面の外周に環状の固液界面断熱材8を設け、その上に上部囲繞断熱材9が配置されている。この固液界面断熱材8は、その下端とシリコン融液2の湯面との間に3〜5cmの隙間10を設けて設置されている。上部囲繞断熱材9は条件によっては使用しないこともある。さらに、冷却ガスを吹き付けたり、輻射熱を遮って単結晶を冷却する不図示の筒状の冷却装置を設けてもよい。
別に、最近では引上げ室31の水平方向の外側に、図示しない磁石を設置し、シリコン融液2に水平方向あるいは垂直方向等の磁場を印加することによって、融液の対流を抑制し、単結晶の安定成長をはかる、いわゆるMCZ法が用いられることも多い。
別に、最近では引上げ室31の水平方向の外側に、図示しない磁石を設置し、シリコン融液2に水平方向あるいは垂直方向等の磁場を印加することによって、融液の対流を抑制し、単結晶の安定成長をはかる、いわゆるMCZ法が用いられることも多い。
次に、上記の単結晶引上げ装置30による単結晶育成方法について説明する。 まず、ルツボ32内でシリコンの高純度多結晶原料を融点(約1420°C)以上に加熱して融解する。この時、窒素をドープするために、例えば窒化膜付きシリコンウエーハを投入しておく。次に、ワイヤ7を巻き出すことにより融液2の表面略中心部に種結晶5の先端を接触又は浸漬させる。その後、ルツボ保持軸33を適宜の方向に回転させるとともに、ワイヤ7を回転させながら巻き取り種結晶5を引上げることにより、単結晶育成が開始される。以後、引上げ速度と温度を適切に調節することにより略円柱形状の窒素をドープした単結晶棒1を得ることができる。
この場合、本発明では、本発明の目的を達成するために、図3に示したように、引上げ室31の湯面上の単結晶棒1中の液状部分の外周空間において、湯面近傍の結晶の温度が例えば1420℃から1400℃までの温度域に環状の固液界面断熱材8を設けたことと、その上に上部囲繞断熱材9を配置したことである。さらに、必要に応じてこの断熱材の上部に結晶を冷却する装置を設けて、これに上部より冷却ガスを吹きつけて結晶を冷却できるものとし、筒下部に輻射熱反射板を取り付けた構造としてもよい。
このように液面の直上の位置に所定の隙間を設けて断熱材を配置し、さらにこの断熱材の上部に結晶を冷却する装置を設けた構造とすることによって、結晶成長界面近傍では輻射熱により保温効果が得られ、結晶の上部ではヒータ等からの輻射熱をカットできるので、本発明の製造条件を満足させることができる。
次に、得られた窒素含有シリコン単結晶棒をスライスして所定のウエーハ加工して得られるウエーハに熱処理を加えてウエーハ表面の窒素を外方拡散させることになるが、本発明ではこの熱処理に急速加熱・急速冷却できる装置を使用することにした。このRTA装置としては、熱放射によるランプ加熱器のような装置を挙げることができる。また、その他市販されているものとして、例えばAST社製、SHS−2800のような装置を挙げることができ、これらは特別複雑で高価なものではない。
ここで、本発明で使用するRTA装置の一例を図4に示す。
図4の熱処理装置20は、例えば炭化珪素あるいは石英からなるベルジャ21を有し、このベルジャ21内でウエーハを熱処理するようになっている。加熱は、ベルジャ21を囲繞するように配置される加熱ヒータ22,22’によって行う。この加熱ヒータは上下方向で分割されており、それぞれ独立に供給される電力を制御できるようになっている。もちろん加熱方式は、これに限定されるものではなく、いわゆる輻射加熱、高周波加熱方式としてもよい。加熱ヒータ22,22’の外側には、熱を遮蔽するためのハウジング23が配置されている。
図4の熱処理装置20は、例えば炭化珪素あるいは石英からなるベルジャ21を有し、このベルジャ21内でウエーハを熱処理するようになっている。加熱は、ベルジャ21を囲繞するように配置される加熱ヒータ22,22’によって行う。この加熱ヒータは上下方向で分割されており、それぞれ独立に供給される電力を制御できるようになっている。もちろん加熱方式は、これに限定されるものではなく、いわゆる輻射加熱、高周波加熱方式としてもよい。加熱ヒータ22,22’の外側には、熱を遮蔽するためのハウジング23が配置されている。
炉の下方には、水冷チャンバ24とベースプレート25が配置され、ベルジャ21内と、外気とを封鎖している。そしてシリコンウエーハ28はステージ27上に保持されるようになっており、ステージ27はモータ29によって上下動自在な支持軸26の上端に取りつけられている。水冷チャンバ24には横方向からウエーハを炉内に出し入れできるように、ゲートバルブによって開閉可能に構成される不図示のウエーハ挿入口が設けられている。また、ベースプレート25には、ガス流入口と排気口が設けられており、炉内ガス雰囲気を調整できるようになっている。
以上のような熱処理装置20によって、窒素含有シリコンウエーハの急速加熱・急速冷却する熱処理は次のように行われる。
まず、加熱ヒータ22,22’によってベルジャ21内を、例えば900℃〜シリコンの融点以下の所望温度に加熱し、その温度に保持する。分割された加熱ヒータそれぞれを独立して供給電力を制御すれば、ベルジャ21内を高さ方向に沿って温度分布をつけることができる。したがって、ウエーハの処理温度は、ステージ27の位置、すなわち支持軸26の炉内への挿入量によって決定することができる。熱処理雰囲気は、酸素、水素、アルゴンあるいはこれらの混合ガスが使用される。
まず、加熱ヒータ22,22’によってベルジャ21内を、例えば900℃〜シリコンの融点以下の所望温度に加熱し、その温度に保持する。分割された加熱ヒータそれぞれを独立して供給電力を制御すれば、ベルジャ21内を高さ方向に沿って温度分布をつけることができる。したがって、ウエーハの処理温度は、ステージ27の位置、すなわち支持軸26の炉内への挿入量によって決定することができる。熱処理雰囲気は、酸素、水素、アルゴンあるいはこれらの混合ガスが使用される。
ベルジャ21内が所望温度で維持されたなら、熱処理装置20に隣接して配置される、不図示のウエーハハンドリング装置によってウエーハを水冷チャンバ24の挿入口から入れ、最下端位置で待機させたステージ27上に例えばSiCボートを介してウエーハを乗せる。この時、水冷チャンバ24およびベースプレート25は水冷されているので、ウエーハはこの位置では高温化しない。
そして、ウエーハのステージ27上への載置が完了したなら、すぐにモータ29によって支持軸26を炉内に挿入することによって、ステージ27を900℃〜シリコンの融点以下の所望温度位置まで上昇させ、ステージ上のシリコンウエーハに高温熱処理を加える。この場合、水冷チャンバ24内のステージ下端位置から、所望温度位置までの移動には、例えば20秒程度しかかからないので、ウエーハは急速に加熱されることになる。
そして、ステージ27を所望温度位置で、所定時間停止(数秒〜数百秒)させることによって、ウエーハに停止時間分の高温熱処理を加えることができる。所定時間が経過し高温熱処理が終了したなら、すぐにモータ29によって支持軸26を炉内から引き抜くことによって、ステージ27を下降させ水冷チャンバ24内の下端位置とする。この下降動作も、例えば20秒程度で行うことができる。ステージ27上のウエーハは、水冷チャンバ24およびベースプレート25が水冷されているので、急速に冷却される。最後に、ウエーハハンドリング装置によって、ウエーハを取り出すことによって、熱処理を完了する。さらに熱処理するウエーハがある場合には、熱処理装置20の温度を降温させていないので、次々にウエーハを投入し連続的に熱処理をすることができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示した引上げ装置30で、18インチ石英ルツボに原料多結晶シリコンをチャージし、直径6インチ、方位<100>、導電型P型のシリコン単結晶棒を引上げた。ルツボの回転速度は4rpmとし、結晶回転速度を15rpmとした。磁場強度を3000Gとして、引上げ速度を0.57〜0.50mm/minの範囲で変化させて結晶を育成した。
(実施例1)
図3に示した引上げ装置30で、18インチ石英ルツボに原料多結晶シリコンをチャージし、直径6インチ、方位<100>、導電型P型のシリコン単結晶棒を引上げた。ルツボの回転速度は4rpmとし、結晶回転速度を15rpmとした。磁場強度を3000Gとして、引上げ速度を0.57〜0.50mm/minの範囲で変化させて結晶を育成した。
シリコン融液の湯温は約1420℃、湯面から環状の固液界面断熱材の下端までは、4cmの空間とし、その上に10cm高さの環状固液界面断熱材を配置し、湯面から引上げ室天井までの高さをルツボ保持軸を調整して30cmに設定し、上部囲繞断熱材を配備した。
窒素ドープ量は1×1013atoms/cm3 とした。酸素濃度は、7〜10ppma(JEIDA)とした。そして、結晶中心部でのF/G値を0.161〜0.141mm2 /℃・minに変化させて引上げた。
窒素ドープ量は1×1013atoms/cm3 とした。酸素濃度は、7〜10ppma(JEIDA)とした。そして、結晶中心部でのF/G値を0.161〜0.141mm2 /℃・minに変化させて引上げた。
ここで得られた単結晶棒から、ウエーハを切り出し、鏡面加工を施してシリコン単結晶の鏡面ウエーハを作製し、グローンイン欠陥(FPD、LEP(LSEP、LFPD))の測定を行った。また、熱酸化処理を施してOSFリング発生の有無を確認した。
その結果、結晶全長でグローイン欠陥もOSFリングも観察されなかった。
その結果、結晶全長でグローイン欠陥もOSFリングも観察されなかった。
次に、このウエーハの酸化膜耐圧特性について評価した。まず、TZDBのCモード収率を求めた。ウエーハの表面にリンドープポリシリコン電極(酸化膜厚25nm、電極面積8mm2)を作成し、判定電流値1mA/cm2で評価した絶縁破壊電界8MV/cm以上の良品率で評価した。
また、TDDBのγモード収率についても測定を行った。これは上記リンドープポリシリコン電極にストレス電流0.01nA/cm2を継続的に流し、電荷量25C/cm2以上で絶縁破壊が発生するものを良品として、その良品率で評価した。
また、TDDBのγモード収率についても測定を行った。これは上記リンドープポリシリコン電極にストレス電流0.01nA/cm2を継続的に流し、電荷量25C/cm2以上で絶縁破壊が発生するものを良品として、その良品率で評価した。
測定の結果、TZDBは平均100%であり、TDDBは平均94%と高い良品率を示した。したがって、本発明のシリコンウエーハは酸化膜耐圧特性に優れており、このウエーハをデバイス作製に用いた場合、デバイス特性の向上と歩留りの向上が期待できる。
(比較例1)
比較例として窒素ドープを行わず、引上げ速度を0.54〜0.52mm/min(F/G:0.152〜0.146mm2 /℃・min)として引上げた以外は実施例と全く同様の条件でシリコン単結晶棒の引上げを行い、シリコンウエーハを作製した。そして、実施例と同様にグローイン欠陥の測定とOSFリングの有無を測定した。
その結果、ウエーハが切り出された単結晶棒の部位によっては、グローイン欠陥やOSFリングが観察された。これは、窒素をドープしない場合は、OSFが無いN−領域は極めて狭い範囲であり、安定して全面N−領域ウエーハを製造することは難しいことを意味している。
比較例として窒素ドープを行わず、引上げ速度を0.54〜0.52mm/min(F/G:0.152〜0.146mm2 /℃・min)として引上げた以外は実施例と全く同様の条件でシリコン単結晶棒の引上げを行い、シリコンウエーハを作製した。そして、実施例と同様にグローイン欠陥の測定とOSFリングの有無を測定した。
その結果、ウエーハが切り出された単結晶棒の部位によっては、グローイン欠陥やOSFリングが観察された。これは、窒素をドープしない場合は、OSFが無いN−領域は極めて狭い範囲であり、安定して全面N−領域ウエーハを製造することは難しいことを意味している。
(実施例2)
酸素濃度を14ppma(JEIDA)とした以外は、実施例と同様にして、窒素がドープされたシリコン単結晶棒を引上げた。次に、得られた単結晶棒からウエーハを切り出し、このウエーハに、800℃×4時間+1000℃×16時間の熱処理を施した。そして、熱処理後のウエーハの内部欠陥密度を測定した。
内部欠陥密度の測定は、OPP(Optical Precipitate Profiler バイオラッド社製)を用いて測定した。
酸素濃度を14ppma(JEIDA)とした以外は、実施例と同様にして、窒素がドープされたシリコン単結晶棒を引上げた。次に、得られた単結晶棒からウエーハを切り出し、このウエーハに、800℃×4時間+1000℃×16時間の熱処理を施した。そして、熱処理後のウエーハの内部欠陥密度を測定した。
内部欠陥密度の測定は、OPP(Optical Precipitate Profiler バイオラッド社製)を用いて測定した。
測定結果は5×109〜7×1010ケ/cm3となり、従来のシリコンウエーハに比べて、内部欠陥密度は高いものであることが判った。このことは、このウエーハのゲッタリング効果の高さを示すものである。
(比較例2)
比較例として窒素ドープを行わず、実施例2と同様に酸素濃度を14ppma(JEIDA)としてシリコン単結晶棒を引上げた。実施例2と同様に、得られた単結晶棒からウエーハを切り出し、このウエーハに、800℃×4時間+1000℃×16時間の熱処理を施した。そして、熱処理後のウエーハの内部欠陥密度を実施例2と同様にOPPを用いて測定した。
比較例として窒素ドープを行わず、実施例2と同様に酸素濃度を14ppma(JEIDA)としてシリコン単結晶棒を引上げた。実施例2と同様に、得られた単結晶棒からウエーハを切り出し、このウエーハに、800℃×4時間+1000℃×16時間の熱処理を施した。そして、熱処理後のウエーハの内部欠陥密度を実施例2と同様にOPPを用いて測定した。
測定結果は、5×107〜2×108ケ/cm3と低い数値に留まった。これは、窒素をドープしていない場合は酸素析出が促進されないためであると考えられる。特にウエーハ中のゲッタリング効果が低いN(I)領域の部分では、結晶欠陥密度が低くなるため、ウエーハ全体での結晶欠陥密度も低くなるためであると考えられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
例えば、上記実施形態においては、直径6インチのシリコン単結晶を育成する場合につき例を挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、窒素をドープしながら結晶全面がN−領域となるように制御すれば、直径8〜16インチあるいはそれ以上のシリコン単結晶にも適用できる。
1…成長単結晶棒、2…シリコン融液、3…湯面、4…固液界面、
5…種結晶、6…シードチャック、7…ワイヤ、8…固液界面断熱材、
9…上部囲繞断熱材、10…湯面と固液界面断熱材下端との隙間、
30…単結晶引上げ装置、31…引上げ室、32…ルツボ、
33…ルツボ保持軸、34…ヒータ、35…断熱材。
20…熱処理装置、21…ベルジャ、 22,22’…加熱ヒータ、
23…ハウジング、24…水冷チャンバ、 25…ベースプレート、
26 …支持軸、27…ステージ、 28…シリコンウエーハ、
29…モータ
5…種結晶、6…シードチャック、7…ワイヤ、8…固液界面断熱材、
9…上部囲繞断熱材、10…湯面と固液界面断熱材下端との隙間、
30…単結晶引上げ装置、31…引上げ室、32…ルツボ、
33…ルツボ保持軸、34…ヒータ、35…断熱材。
20…熱処理装置、21…ベルジャ、 22,22’…加熱ヒータ、
23…ハウジング、24…水冷チャンバ、 25…ベースプレート、
26 …支持軸、27…ステージ、 28…シリコンウエーハ、
29…モータ
Claims (9)
- チョクラルスキー法によって育成されたシリコン単結晶ウエーハにおいて、窒素がドープされ、かつ、全面N−領域であり、ウエーハ表面の窒素を熱処理により外方拡散させたものであることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハ。
- チョクラルスキー法によって育成されたシリコン単結晶ウエーハにおいて、窒素がドープされ、熱酸化処理した際に酸化誘起積層欠陥が発生せず、かつウエーハ全面から転位クラスターが排除されているとともに、ウエーハ表面の窒素を熱処理により外方拡散させたものであることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハ。
- 前記ドープされた窒素濃度が5×1014atoms/cm3 以下5×1011atoms/cm3 以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載したシリコン単結晶ウエーハ。
- チョクラルスキー法によって育成されたシリコン単結晶ウエーハにおいて、窒素がドープされ、TZDBとTDDBの良品率が共に90%以上であり、かつウエーハ全面から転位クラスターが排除されているとともに、ウエーハ表面の窒素を熱処理により外方拡散させたものであることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハ。
- 前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載したシリコン単結晶ウエーハであって、酸素濃度が13〜16ppmaであり、ゲッタリング熱処理後またはデバイス製造熱処理後の内部欠陥密度が、少なくとも5×108ケ/cm3以上であることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハ。
- チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を育成する際に、窒素をドープしながら結晶全面がN−領域となる条件で引上げ、得られたシリコン単結晶ウエーハに熱処理を加えてウエーハ表面の窒素を外方拡散させることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
- チョクラルスキー法によってシリコン単結晶を育成する際に、引上げ速度をF[mm/min]とし、シリコンの融点から1400℃の間の引上げ軸方向の結晶内温度勾配の平均値をG[℃/mm]で表した時、結晶中心から結晶周辺までの距離D[mm]を横軸とし、F/G[mm2 /℃・min]の値を縦軸として欠陥分布を示した欠陥分布図のN−領域内で結晶を引上げる場合において、窒素をドープしながら結晶を引上げ、得られたシリコン単結晶ウエーハに熱処理を加えてウエーハ表面の窒素を外方拡散させることを特徴とするシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
- 前記チョクラルスキー法によって結晶を育成するに際し、磁場を印加することを特徴とする請求項6または請求項7に記載したシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
- 前記ドープする窒素濃度を5×1014atoms/cm3 以下5×1011atoms/cm3 以上とすることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載したシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
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JP2005000155A JP2005119964A (ja) | 1998-06-04 | 2005-01-04 | 窒素ドープした低欠陥シリコン単結晶ウエーハおよびその製造方法 |
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- 2005-01-04 JP JP2005000155A patent/JP2005119964A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
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JP2014189468A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | シリコン単結晶製造装置およびこれを用いたシリコン単結晶製造方法 |
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