JP3577335B2 - 散乱吸収体計測方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本願の発明は、複数の所定波長の光のパルス光や方形波光あるいは連続光を生体などの散乱吸収体に入射し、散乱吸収体の内部を拡散伝搬した所定波長の光を検出して、散乱吸収体の内部情報を非侵襲に計測するもので、散乱吸収体内部の特定吸収成分の吸収係数や濃度の比、さらには特定吸収成分の成分比、ヘモグロビンの酸素飽和度、およびそれらの時間変化や空間分布などを計測すること、あるいはこれらの計測の精度を高めることができる散乱吸収体の内部計測方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
生体のような散乱吸収体内部の吸収成分の測定、あるいはその測定精度の向上に対する要請は従来から非常に強く、従来いくつかの報告や試みがある。その中の主なものを、この節の最後に参考文献1−5)として一括して示す(なお、以降では、X)によって参考文献の番号を示すものとする)。
【0003】
一般に、光は散乱吸収体の内部でランダムに散乱、吸収されるため、直進しない。吸収が零である散乱体では、光の総量が減ることはないが、光は散乱成分によってランダムに散乱されるため、折れ曲がりながら進む。この場合、光が散乱の影響を受けずに進める距離は、平均自由行程あるいは平均拡散長と呼ばれ、輸送散乱係数μ′の逆数となる。生体試料などの場合、この平均自由行程は2mm程度である。また、散乱吸収体では散乱成分のほかに吸収成分も含まれているので、光が散乱して進む距離に応じて吸収が生じ、その距離に対して光量が指数関数的に減衰する。
【0004】
散乱吸収体内部の吸収係数や輸送散乱係数の精密測定の分野の従来技術としては、連続光やパルス光入射に対する透過光あるいは反射光の光量(時間積分値)を計測するものと、パルス光入射に対する透過光あるいは反射光を時間分解計測し、その波形を解析するものがある。これらのうち、前者はよく知られているランバート・ベール(Lambert−Beer)則を基本原理とする吸光度測定を利用するもので、これと併せてさらに2波長分光測定の原理を応用するものもある。ここで、ランバート・ベール則は、試料の吸光度(absorbance, またはoptical density )が試料のモル吸光係数、モル濃度、および試料の厚さとの積に比例する、あるいは厚さを一定としたとき吸光度差が試料の濃度差に比例するというものである。
【0005】
ところが、散乱吸収体で吸光度を測定する場合、散乱吸収体の光入射位置と光検出位置との間を拡散伝搬する光の平均光路長(optical pathlength)が、散乱吸収体の吸収係数μに依存して変化する。したがって、従来の光路長を一定と仮定する散乱吸収体に対する吸光度測定では、この平均光路長の吸収係数依存性が大きな問題となり、吸収係数あるいは吸収成分の濃度などを正確に計測することができない、あるいはそれらしい計測ができても測定誤差が大きくなるため実用できない。例えば、特願昭62−248590、特願昭62−336197、特願平2−231378などは、光路長が一定であると仮定する吸光度を測定することを基本原理としているから、上記光路長変化に起因する計測誤差を避けることができない。
【0006】
また、吸光度測定の際に、あらかじめ別の方法で測定した平均光路長を使用する方法もあるが、上記のように平均光路長が吸収係数に依存して変化するので、これを一定値として近似することに起因する誤差を避けることはできない。その他、パルス光などを使用して吸光度差を測定する方法2)、これらに2波長分光の原理を応用する方法、3種類以上の波長の光を使用して吸光度を測定する方法もあるが、いずれの場合にも散乱吸収体に対して光路長が一定であると仮定した吸光度測定法を適用しているため、光路長変化に起因する大きな誤差が発生し、十分な計測精度が得られない。
【0007】
吸光度測定に基づかない従来技術で、パルス光や変調光を使用して、透過光あるいは反射光を時間分解計測して波形解析する方法は、時間分解計測をするから、光量つまり光信号の時間積分値を計測する本願の発明の計測方法や装置に比較して、計測方法や装置がきわめて複雑になり、かつ装置が高価になるという難点がある。実際に、パルス光を散乱吸収体に入射したときの反射光あるいは透過光を時間分解計測し、その波形から内部の吸収情報を計測する試みがいくつか3−5)ある。このとき測定される光信号は、散乱と吸収の影響によって、だらだらと減衰する長い裾をひく信号となる。Patterson らは、均一な散乱吸収体のモデルを考えて、パルス光入射に対する出力信号を解析的に求めた3)。Patterson らが求めた式が与える光信号の強度の時間波形は、均一な散乱吸収体を用いた実験で得られる波形とよく一致する。彼らおよび本願の発明者らの実験結果によれば、散乱吸収体を構成する吸収成分の吸収係数は、上記の光信号が十分に減衰したとき、つまり十分時間が経過したときの波形の傾斜(微分値)で与えられる。しかし、吸収係数を求める部分の光信号が十分に減衰している必要があるということは、信号が微弱であるということと等価であるから、被計測信号の信号対雑音比(SN比)が悪くなり、必然的に測定誤差が増大するとともに、計測時間も長くなるので、実用化することが困難である。以上の他にも種々の試みがあるが、いずれも、計測精度が不十分である。
【0008】
上記のように、現在までに開発あるいは報告されている上記分野の計測法や計測装置では、いずれの場合にも十分な計測精度が得られていない。このような状況を鑑み、本願の発明者は、上記分野の計測の基本となる散乱吸収体内部の光の振る舞いについて、理論的かつ実験的に詳細に解析、検討して、従来の解析方法は散乱吸収体内部の複雑な光の振る舞いを記述するのに十分でない、あるいは従来の計測法や計測装置の計測原理を導く過程で導入している多くの近似が、実際の計測対象や計測現場で成立しないため、その結果として大きな誤差が測定値に含まれることなどを明らかにした。本願の発明は、これらの解析、検討、実験などに基づいて、上記の誤差を小さくして計測精度を高める新しい計測方法と計測装置とを提供することを目的とする。
【0009】
(参考文献)
1) B. C. Wilson and S. L. Jacques: Optical Reflectance and Transmittance of Tissues: Principle and Application, IEEE J. Quatum Electron., Vol.26, No.12, pp.2186−2199 (1990)
2) I. Oda, Y. Ito, H. Eda, T. Tamura, M. Takada, R. Abumi, K. Nagai, H. Nakagawa, and M. Tamura: Non−invasive hemoglobin oxygenation monitor and computed tomography by NIR spectrophotometry, Proc. SPIE, Vol.1431, pp.284−293 (1991)
3) M. S. Patterson, B. Chance, and B. C. Wilson: Time resolved reflectance and transmittance for the non−invasive measurement of tissue optical properties, Applied Optics, Vol.28, No.12, pp.2331−2336 (1989)
4) M. S. Patterson, J. D. Moulton, B. C. Wilson, and B. Chance: Application of time−resolved light scattering measurements to photodynamic theraphy dosimetry, Proc. SPIE, Vol.1203, pp.62−75 (1990)
5) E. M. Sevick, N. G. Wang, and B. Chance: Time−dependent photon imaging, Proc. SPIE, Vol.1599,pp.273−283 (1991)
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の発明の散乱吸収体計測方法及び装置は、光路長変化を十分に考慮した新しい知見、つまり所定波長の光が散乱吸収体の内部を拡散伝搬して所定の検出位置に到達するときの光検出信号(計測値)と複数の既知のパラメータとの間の複数の連立関係を利用して、散乱吸収体の吸収係数、さらには特定の吸収成分に関する情報を計測するものである。
【0011】
すなわち、本願発明の散乱吸収体計測方法は、(a)散乱吸収体に対して散乱係数が等しいと見做せる2つの所定波長の光を入射し、(b)2つの光入射位置−光検出位置間の距離に対応する検出位置で、散乱吸収体の内部を拡散伝搬した所定波長の光を検出して3種類以上の検出信号を取得し、(c)散乱吸収体の表面における所定波長の光の入射位置に対して、散乱吸収体での境界条件を満たす所定位置に導入された負極性の仮想点光源を用いて、所定波長の光がそれぞれ拡散伝搬して検出位置に到達するときの散乱吸収体内の拡散伝搬経路における散乱特性および吸収特性と、検出信号との方程式を求め、3種類以上の検出信号に対する3種類以上の方程式の連立関係を利用して、検出信号を演算処理して散乱吸収体の内部情報を導出する、ことを特徴とする(医療行為を除く)。
【0012】
ここで、所定波長の光は、散乱吸収体内部の特定吸収成分に対して吸収係数が異なる2つの波長の光であり、演算処理は、散乱係数を同一と見做して得られる散乱吸収体の第1次内部情報の導出処理と、第1次内部情報を利用した散乱吸収体の特定成分に関する情報である第2次内部情報の導出処理とである、ことを特徴としても良い。
【0013】
また、本願発明の散乱吸収体計測装置は、(a)散乱吸収体に対して散乱係数が等しいと見做せる2つの所定波長の光を発生する光発生手段と、(b)所定波長の光を散乱吸収体に入射させる光入射手段と、(c)2つの光入射位置−光検出位置間の距離に対応する検出位置で、散乱吸収体の内部を拡散伝搬した所定波長の光を検出して3種類以上の検出信号を取得する光検出手段と、(d)散乱吸収体の表面における所定波長の光の入射位置に対して、散乱吸収体での境界条件を満たす所定位置に導入された負極性の仮想点光源を用いて、所定波長の光がそれぞれ拡散伝搬して検出位置に到達するときの散乱吸収体内の拡散伝搬経路における散乱特性および吸収特性と、検出信号との方程式を求め、3種類以上の検出信号に対する3種類以上の方程式の連立関係を利用して、検出信号を演算処理して散乱吸収体の内部情報を導出する演算処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
ここで、所定波長の光は、散乱吸収体内部の特定吸収成分に対して吸収係数が異なる2つの波長の光であり、演算処理手段は、散乱係数を同一と見做して得られる散乱吸収体の第1次内部情報の導出処理と、第1次内部情報を利用した散乱吸収体の特定成分に関する情報である第2次内部情報の導出処理と、を実行する、ことを特徴としても良い。
【0015】
【作用】
本願の発明の散乱吸収体計測方法及び装置は、散乱と吸収の影響を受けながら散乱吸収体の内部を拡散伝搬した光を散乱吸収体の外部で測定して、この測定値を演算処理して、散乱吸収体の内部情報を計測する。このとき、散乱吸収体内部を拡散伝搬する光の振る舞いおよびその結果である信号つまり光検出信号が、散乱吸収体内部の散乱成分や吸収成分などの性質や濃度に依存することを利用して、複数の異なる所定波長の光に対して複数の異なる光入射位置−検出位置間距離で検出した3種類以上の検出信号(計測値)を演算処理して、散乱吸収体の吸収係数、特定吸収成分の濃度などに関する内部情報を計測する。この場合、計測対象の多箇所で上記の計測を行えば前記情報の空間分布、また、異なる時間に上記の計測を行えば前記情報の時間変化を計測することができる。
【0016】
より具体的に述べると、本願の発明の方法および装置では、複数の異なる所定波長は、散乱吸収体を構成する散乱成分に対して輸送散乱係数が等しいか、差があっても無視できる程度に小さいと見做なすことができ、かつ特定吸収成分に対して吸収係数が異なるように選ばれる。そして、前記所定波長の光を散乱吸収体に入射し、複数の異なる光入射位置−検出位置間距離に対応する散乱吸収体の内部を拡散伝搬した光を検出して、3種類以上の検出信号(計測値)を得る。つぎに、前記所定波長の光が前記検出位置に拡散伝搬して到達するときの散乱および吸収と、前記検出信号(計測値)との間の3つ以上の連立関係に基づいて、前記3種類以上の検出信号と既知のパラメータとを演算処理して、前記散乱吸収体の内部情報を定量計測する。このとき、本願の発明で初めて開示される検出信号 (計測値)と各種パラメータおよび散乱吸収体の内部情報との関係が利用される。
【0017】
以上の場合、複数の異なる所定波長の光に対して1つの光入射位置と2つの光検出位置を用いる方法、あるいは逆に2つの光入射位置と1つの光検出位置を用いる方法などがある。また、実際の生体試料などでは、散乱係数が同一または差があっても無視できる程度に小さくなるように、複数の異なる所定波長を選択することができる。
【0018】
したがって、前述した従来の吸光度測定に共通する光路長変化にともなう測定誤差の問題が解決される。また、本願の発明は、時間分解計測しないで、光量つまり光信号の時間積分値を測定する方法であるから、装置構成が極めて簡単になる。本願の発明によって、手術中や運動中の人の脳内の酸素濃度などのモニタリングや計測なども可能になる。
【0019】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
(1)散乱吸収体の内部情報計測方法
(1.1)散乱吸収体の内部情報計測の原理
生体のような散乱吸収体内部で、光は散乱、吸収されながら拡散伝搬し、その一部は表面に出てくる。つまり、光は散乱吸収体の内部で散乱、吸収されるが、これを透過することができる。例えば図1は、散乱吸収体の1点に光を入射し、他の点で拡散光(反射光)を検出する様子を示す。散乱吸収体に入射された光は、ランダムに散乱されてほぼ全域に広がるが、この図では、光検出器で検出される光子の飛跡のみが模式的に示されている。つまり図1は、計測に利用される光子の飛跡を示している。
【0021】
このような散乱吸収体内部の光の振る舞いは、光拡散理論(Photon Diffusion Theory )によって、かなり厳密に記述、解析できることが知られている。この光拡散理論によれば、散乱吸収体に入射された光パルスは、散乱吸収体内部で散乱、吸収されながら拡散伝搬する際に、パルス幅が広がっていくことなどが示される。図2は散乱吸収体内部における光検出量を求めるための仮想光源の設定を示す図である。この図に示すように、散乱吸収体の表面の1点(ρ=0,z=0)に光を入射したとき、点P(ρ,z)で検出される光つまり光信号は、光拡散方程式から導出することができる。この場合、散乱吸収体の表面と外部では光拡散が存在しないから、この条件を満たすように境界条件を設定する必要がある。Patterson らは、負極性の点光源を仮定してこの境界条件を満たす方法を開発し、これから得られる理論値と実際の実験値とがよく一致することを報告している。図2では、この負極性の点光源が○印点(ρ=0,z=−z)に導入してある。
【0022】
他方、散乱吸収体の内部を拡散伝搬する光子1個1個の振る舞いは、コンピュータを利用したモンテカルロシミュレーション(Monte Carlo Calculation )によって解析、実験、検討することができる。また、実際に散乱吸収体の物理模型や生体試料などを用いて実験することもできる。最近得られている知見では、光拡散理論から導かれる結果、モンテカルロシミュレーションの結果、およびサンプルによる実験結果の間には、良い一致が見られている。したがって、散乱吸収体の内部の光の振る舞いは光拡散方程式でよく記述されると考えてよい。さらに、本願の発明者による上記のような種々の解析、実験、検討、および最近のさらに詳しい散乱吸収体内部の光の振る舞いの解析、実験などでも、散乱吸収体の内部の光の振る舞いが光拡散方程式でよく記述されることが示されている。
【0023】
さて、以上のような散乱吸収体の内部の光の振る舞いを記述する光拡散方程式は、例えば、光子流動率(fluence rate)φを用いて次のように記述される。
【0024】
【数1】
Figure 0003577335
【0025】
ここで、
φ(r,t):位置r、時刻tにおける光子流動率(fluence rate )
〔光子/mm・sec 〕(但し、rはベクトルである)
D:光拡散係数(diffusion coefficient )〔mm〕
μ:吸収係数(absorption coefficient)〔mm−1
c:散乱吸収体内部の光速度〔mm/sec〕(屈折率によって定まる)
S(r,t):光源〔光子/mm・sec 〕
である。
【0026】
インパルス光源はデルタ関数で表されるから、原点(r=0)にt=0のとき入射する光インパルスは、次のように表される。
【0027】
S(r,t)=δ(r,t)=δ(0,0)=δ(0)・δ(0)…(1.2)
したがって、インパルス光入射に対する光拡散方程式は次のようになる。
【0028】
【数2】
Figure 0003577335
【0029】
ここで、δ(0,0)は、原点(r=0)にt=0のとき入射する光インパルスである。
【0030】
また、散乱吸収体に関する種々の光学定数は、
μ:散乱係数(scattering coefficient)〔mm−1
μ′:輸送散乱係数(transport scattering coefficient)〔mm−1
μtr:輸送減衰係数(transport attenuation coefficient )〔mm−1
μeff :有効減衰係数(effective attenuation coefficient )〔mm−1
g:散乱角θに対するcosθの平均値(mean cosine of the scattering angle )としたとき、
Figure 0003577335
なる関係にある。
【0031】
半空間を占める散乱吸収体にスポット状の光パルスを入射する場合の境界条件は、前述したPatterson らが示したように、図2に示すような負極性の点光源を位置(ρ=0,z=−z)に置くことで実現される。通常はz〜1/μ′となるが、厳密には光の入射方法や散乱吸収体の散乱成分の性質などによって変化する。またこのことは、本願の発明者らのモンテカルロシミュレーションでも確認されている。ただし、本願の発明の計測方法及び装置では、後述するようにzを未知数として取り扱うことができるので、zの不確定性、あるいは既知値であるか未知値であるかの議論をする必要がない。また、本願の発明のようにzを未知数として取り扱う方法は、z=1/μ′と近似する方法に比べて計測精度が優れていることは明らかである。
【0032】
上記の境界条件で光拡散方程式(1.3)を解いて、散乱吸収体の表面の任意の位置(ρ,0)における光信号R(ρ,0,t)〔光子/mm・sec 〕を求めると、
Figure 0003577335
となる。
【0033】
検出光量I[ρ]は、上記のR(ρ,0,t)を時間積分したものであるから、
【0034】
【数3】
Figure 0003577335
【0035】
と表され、この式は積分公式を使って下記のように解くことができる。
【0036】
【数4】
Figure 0003577335
【0037】
ここで、I[ρ]の自然対数をとると、
【0038】
【数5】
Figure 0003577335
【0039】
となる。したがって、散乱吸収体のμeff は、計測値I[ρ]、既知の値ρおよびzを用いて、(1.7)または(1.8)式から計算することができる。図3はこれらの関係を示すもので、μ′=0.45、z=1/0.45とし、μをパラメータとして示してある。ただし実際には、前述したように、厳密なzの値を知ることが困難である。本願の発明では、上記の基本的な知見をさらに展開して、次のように応用する。
【0040】
図4は、本願の発明の散乱吸収体計測方法を説明する図である。つまり、均一な散乱吸収体に対して、図4に示したような異なる2つの位置で、異なる2つの波長の光を使用して前記I[ρ]を計測する。以下では、光入射点と光検出点の距離(以下、単に検出距離と呼ぶ)をρ,ρ、また2つの波長をλとλとして、4種類の計測値をそれぞれ、
I〔ρ,λ〕:検出距離ρ、波長λでの計測値
I〔ρ,λ〕:検出距離ρ、波長λでの計算値
I〔ρ,λ〕:検出距離ρ、波長λでの計測値
I〔ρ,λ〕:検出距離ρ、波長λでの計測値
のように表すことにする。また、異なる2種の波長λとλに対して輸送散乱係数μ′およびzは等しいか、または差があっても極めて小さいと仮定し、波長λとλに対する吸収係数を、それぞれμa1,μa2と表す。すると、波長λとλに対するそれぞれの有効減衰係数μeff1とμeff2は、
μeff1=〔3μa1(μa1+μ′)〕1/2 …(1.9a)
μeff2=〔3μa2(μa2+μ′)〕1/2 …(1.9b)
また、μa1,μa2《μ′のときは、
(μeff1/μeff2=μa1/μa2 …(1.9c)
と表すことができる。
【0041】
以上から、2つの検出距離と2つの波長に対する計測値は、次の4個の方程式を満足する。
【0042】
【数6】
Figure 0003577335
【0043】
【数7】
Figure 0003577335
【0044】
【数8】
Figure 0003577335
【0045】
【数9】
Figure 0003577335
【0046】
これらの方程式(1.10a)乃至(1.10d)(以後、総称して(1.10)式とも呼ぶ)のうち、任意の3個の式はそれぞれ独立であり、かつ未知数はμeff1,μeff2およびzの3個である。したがって、3個の計測値と既知の値ρ,ρ,λおよびλを用いて、上記4連の式の中の任意の3連の式から、3つの未知数μeff1,μeff2およびzを求めることができる。なお通常はzを求める必要がない。
【0047】
また、以上のようにしてμeff1,μeff2およびzを求めるには、(1.6
)または(1.7)式から導かれる3連のそれぞれ独立した式であればどんな形の式でもよい。さらに、zが既知数として取り扱える場合には、2連の連立方程式からμeff1とμeff2とを求めることができる。以上のような連立方程式を解く計算は、コンピュータを利用して高速に実行することができる。
【0048】
つぎに、近似解法としてz《ρ,ρのときの例を述べる。最初にも述べたように、通常、zは1/μ′〜2mm程度であるから、ρ,ρが20〜100mm程度となる通常の測定状態では、z《ρ,ρとなる。このとき、(1.10)式は、
【0049】
【数10】
Figure 0003577335
【0050】
【数11】
Figure 0003577335
【0051】
【数12】
Figure 0003577335
【0052】
【数13】
Figure 0003577335
【0053】
となる。ただし、有効減衰係数μeff1とμeff2は(1.9a)式および(1.9b)式で表される関係にある。したがって、上記と同様にしてμeff1とμeff2およびzを求めることができる。
【0054】
また、(1.11)式((1.11a)式乃至(1.11d)式)から、
【0055】
【数14】
Figure 0003577335
【0056】
【数15】
Figure 0003577335
【0057】
が得られる。この(1.12)式((1.12a)式および(1.12b)式)ではzが消去されており、既知のρとρを用いてμeff1とμeff2、さらに、μa1,μa2《μ′のときは、(1.9c)式からμa1/μa2を求めることができる。
【0058】
さらに、ρ・μeff1,ρ・μeff2,ρ・μeff1,ρ・μeff2》1であるとき、(1.12)式は、
【0059】
【数16】
Figure 0003577335
【0060】
【数17】
Figure 0003577335
【0061】
となるから、(1.9c)式を用いると、
【0062】
【数18】
Figure 0003577335
【0063】
となり、簡単にμa1/μa2の値を求めることができる。
【0064】
以上のようなμa1/μa2の値を求める計算は、(1.10),(1.11),(1.12),(1.13)の連立方程式のいずれを用いてもよく、コンピュータを利用して高速に計算することができる。また、μa1/μa2の値を求める式は、(1.6)式から導かれる式であればどんな形の式でもよい。このようなμa1/μa2は、後述するヘモグロビンの酸素飽和度などの計測に利用される。
【0065】
以上のような2波長分光計測では、散乱吸収体に含まれる吸収成分の吸収係数の波長依存性を利用する。例えば、図5に吸収スペクトルを示す酸化・還元ヘモグロビンや酸化・還元ミオグロビンの計測では、酸化・還元に対して吸収係数の差が大きい波長の光、つまり700nmから1.2μmの波長の光がよく使用される。また、異なる2種の波長の光に対する散乱成分の散乱係数は同一または差があっても極めて小さいものと仮定したが、実際の生体試料などでは、その差が無視できる程度に小さくなるように波長を選択することができる。また、以上に説明した結果の信頼性および妥当性は、本願の発明者らのモンテカルロシミュレーションや実験でも確認されている。
【0066】
本願の発明は、光検出信号の積分値を利用するので、光パルスの波形はどんな形のものであっても、積分時間が規定できるものであれば十分である。例えば方形波や連続光でもよいことは明らかである。また、3種以上の波長の光や3種以上の検出距離で計測すれば、さらに計測精度を向上させること、あるいはバックグラウンド吸収のある試料の計測などが可能になる。なお、図4では1つの光入射位置に2種の波長の光を入射して異なる2つの位置で光検出したが、これとは逆に異なる2つの位置に2種の波長の光を入射して1つの光検出位置で検出する方法でも、上記と同様のことが成立する。また、このような光入射位置と光検出位置の組み合わせは、種々のものがある。
【0067】
また以上では、計測対象が半空間を占める散乱吸収体である場合について説明したが、実際には、有限の大きさの散乱吸収体を計測することが多い。この場合、図4の散乱吸収体の表面側で前記の境界条件が満足され、かつ散乱吸収体内部を拡散伝搬する大部分の光に対して光拡散の条件が成立すればよい。この条件は、検出距離ρとρに比較して散乱吸収体が十分大きいと見做せれば成立する。例えば、図4に示した波線部分は、検出位置に到達する大部分の光が通過する領域を示す。このようなことは、例えば、前述したSevickらが報告した散乱吸収体内部のバナナ状の光の束、あるいは本願の発明者らのモンテカルロシミュレーションの結果からも明らかである。
【0068】
また、検出距離ρおよびρに比較して散乱吸収体の厚さ(z方向)が十分に大きいと見做せないときは、散乱吸収体の背面側(光入射面と対抗する反対側の表面)に、境界条件を満足させるような第2の負極性と正極性の点光源を導入すればよい。このとき、原理的には、この第2の負極性と正極性の点光源の影響を補正するために、さらに第3の負極性と正極性の点光源、さらにそれを補正するために第4の負極性と正極性の点光源などが必要となる。しかし、これらで導入する点光源の出力光(信号)への影響は、その順序に従って急激に減少するので、有限の数の点光源で近似することができる。この場合、前出の(1.5)式乃至(1.10)式は、追加した負極性と正極性の点光源の影響に関する項を追加したものとなる。しかし、この式は、項の数が増えるだけで、未知数の数や各式の独立性などは不変であるから、前記と同様のことが成立する。
【0069】
さらに、本願の発明の計測方法と装置は、スラブ状の試料に適用することもでき、その様子を図6と図7に示す。ただし、図6では2箇所から光を入射して、それぞれ別の位置から光を検出している。また、図7では、1つの点に光を入射し、異なる場所で、異なる検出距離で光検出している。なお、スラブ状の試料の場合には、光拡散方程式(1.3)から導かれる結果、つまり前述の(1.7)式に相当する式は、検出距離をdとしたとき、例えば、
Figure 0003577335
となる。ところが、この(1.15)式は(1.7)式の式の形が変わっただけ、つまり未知数や既知数の数が同じでパラメータも同一であるから、前記の場合と同様に変形、展開することができ、(1.10)式に対応する4個の方程式が得られる。
【0070】
したがって、上記と同様にして、3個の計測値と上記4個の式の中の任意の3連の式を用いて、3つの未知数μeff1,μeff2およびzを求めることができる。なお、通常はzを求める必要がない。また、以上のような演算は、(1.15)式から導かれるそれぞれ独立した式であればどんな形の式でもよい。
【0071】
さらに、zが既知数として取り扱える場合には、(1.15)式から導かれるそれぞれ独立な2つの式からなる連立方程式をとくことによってμeff1,μeff2を求めることができる。また、これからμa1/μa2の値を導出して、ヘモグロビンの酸素飽和度など、吸収成分に関する内部情報を求めることができる。以上のような連立方程式を解く計算は、コンピュータを利用して高速に実行される。
【0072】
以上に説明したようなスラブ状試料の計測で得られる散乱吸収体の内部情報は、光を散乱吸収体に入射した位置と光検出位置とを結ぶ直線に沿う前記情報の平均値である。したがって、内部情報が図6および図7に示した検出位置間の距離に比較して十分粗に分散している場合には、これらの値が上記の直線に沿った線積分値であると見做すことによって、簡単なイメージングを行うことができる。また、X線CTに見られるような画像再構成を行って、これらの内部情報に関する断層像を得ることもできる。また、後述するようなヘモグロビンやミオグロビンの酸素飽和度、吸収成分の分布などのイメージングや断層像の再構成などもできる。さらに、上記の計測を異なる時間に行えば、前記内部情報の時間変化を計測することが可能である。以上のような演算処理は、メモリ、ディスプレイなどを備えるコンピュータ装置によって高速に実行される。
【0073】
つぎに、本願の発明の有効性を示す1つの例として、本願の発明による方法と、従来の一定の光路長を仮定する吸光度法との計測誤差について述べておく。
【0074】
前述した図4に示したような半空間を占める散乱吸収体を考えた場合、検出される光信号は(1.5)式で表せる。このような信号に対して、平均光路長<L>、つまり重心を考えると、
【0075】
【数19】
Figure 0003577335
【0076】
となる。
【0077】
ここで、生体試料に対する標準的な値として、μ′=0.45(mm−1),z=1/μ′、または計測条件としてρ=50(mm)を考え、μが0.01から0.02に変化するときの平均光路長をそれぞれ、<L(μ=0.01)>と<L(μ=0.02)>とすれば、平均光路長を一定と仮定するときの平均光路長に対する誤差Δは、
【0078】
【数20】
Figure 0003577335
【0079】
となる。したがって、光路長が一定であると仮定して求めた吸光度は、14%程度の誤差を含むことがわかる。これに対して、本願の発明の方法では、上記平均光路長の変化を初めから考慮して、演算に用いる関係を導出しているので、上記の誤差を極めて小さくすることができる。以上のことは、スラブ状の散乱吸収体を計測する場合でも同様であり、誤差の程度の差は少しあるが、本願の発明の有効性が明らかである。
【0080】
(1.2)吸収情報の計測方法
ここでは、上記で求めた内部情報に基づいて吸収、あるいは吸収成分に関する情報を演算処理して求める方法について、例を用いて説明する。
【0081】
(i)ヘモグロビンの酸素飽和度の計測
哺乳類の脳における吸収成分の主なものは、水、チトクローム(cytochrom )、酸化および還元ヘモグロビンである。近赤外線領域での水とチトクロームの吸収は、酸化および還元ヘモグロビンに対して、ほぼ無視することができる程度に少ない。また、酸化および還元ヘモグロビンは、前出の図5に示すように吸収スペクトルが異なる。さらに、頭蓋骨は、近赤外線に対して散乱体と考えてよい。
【0082】
以上に対して、いま、波長λとλの2種の光を考える。すると、λとλに対する吸収係数μa1とμa2は、ランバート・ベール則によって、次のようになる。
【0083】
μa1=εHb,1〔Hb〕+εHbO,1 〔HbO〕 (2.1a)
μa2=εHb,2〔Hb〕+εHbO,2 〔HbO〕 (2.1b)
但し、
εHb,1:還元ヘモグロビンの波長λに対するモル吸収係数〔mm−1・M−1
εHbO,1:酸化ヘモグロビンの波長λに対するモル吸収係数〔mm−1・M−1
εHb,2:還元ヘモグロビンの波長λに対するモル吸収係数〔mm−1・M−1
εHbO,2:酸化ヘモグロビンの波長λに対するモル吸収係数〔mm−1・M−1
〔Hb〕:還元ヘモグロビンのモル濃度〔M〕
〔HbO〕:酸化ヘモグロビンのモル濃度〔M〕
である。
【0084】
ここで酸素飽和度Yは、
Y=〔HbO〕/(〔Hb〕+〔HbO〕) …(2.2)
であるから、次式を得る。
【0085】
μa1/μa2=〔εHb,1+Y(εHbO,1 −εHb,1)〕
÷〔εHb,2+Y(εHbO,2 −εHb,2)〕 …(2.3)
したがって、前述の計測によって求めたμa1/μa2と既知のパラメータεHb,1,εHbO,1 ,εHb,2およびεHbO,2 とを用いて、酸素飽和度Yを算出することができる。なお、酸化および還元ヘモグロビンに対して吸収が同一になる波長(〜800nm,isosbestic wavelength )を使用すれば上記の式はさらに簡単になる。
【0086】
(ii)バックグラウンド吸収がある場合
生体などでは、バックグラウンドの吸収が無視できない場合がある。この場合は、波長λ,λおよびλに対するバックグラウンド吸収を、それぞれa,aおよびaとすれば、ランバート・ベール則によって次式が成立する。
【0087】
μa1=εHb,1〔Hb〕+εHbO,1 〔HbO〕+a …(2.4a)
μa2=εHb,2〔Hb〕+εHbO,2 〔HbO〕+a …(2.4b)
μa3=εHb,3〔Hb〕+εHbO,3 〔HbO〕+a …(2.4c)
この式を整理すると、
Figure 0003577335
となる。したがって、a〜a〜aとなるように適宜に波長を選択すれば、前記と全く同様にして、3種類の波長の光に対する計測値と既知のパラメータの値を用いて(μa1/μa2)および(μa3/μa2)を求めて、(2.5)式に代入して、飽和度Yを求めることができる。なお、上記の条件a〜a〜aは、計測対象である生体などに対して波長をうまく選べば実現できる。但し、3種類の波長に対して散乱係数は等しいと見做せるものと仮定している。
【0088】
(2)散乱吸収体の内部情報計測装置
(2.1)第1の実施例に係る装置
図8は、本願の発明に係る散乱吸収体計測方法を実施する装置の具体的な構成例を示す。レーザーダイオードなどを使用した光源2は異なる波長λとλの光を発生する。計測に使用する光の波長は、計測対象に応じて適宜に選ぶ必要がある。一般に生体では、ヘモグロビンなどの吸収の関係から700nm以上の光がよく使用される。また、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンでは、前出の図5に示したように、波長によって吸収係数が異なるから、適宜に波長を選択することによってこれらを分離して計測することができる。この場合、3種以上の異なる波長の光を使用して計測精度をさらに向上することもできる。光源には、レーザーダイオード、発光ダイオード、HeNeレーザーなど種々のものが使用できる。また、前述したようにパルス光、方形波光、連続光など、どのような光を発生するものでもよい。
【0089】
光源2からの光は波長選択器4で波長選択され、光ガイド6を通して計測対象である散乱吸収体20の表面に入射する。この場合、後述するような集光レンズやピンホールを使用する方法もある。つまり、前述したように散乱吸収体では平均拡散長が2mm程度であるため、入射光は約2mm直進するまでに散乱し、光の方向性がなくなる。したがって、数cm以上の散乱吸収体では平均拡散長の影響を無視することができるから、スポット状に光を入射すれば良い。また、太いビーム状の光を散乱吸収体に入射してもよい。この場合には、複数のスポット状光源が並んでいると考えればよい。
【0090】
光ガイド6と計測対象20の間の空間は、図8の実施例では微小になっている。しかし実際には、これを大きくして、この空間に計測対象20とほぼ等しい屈折率と散乱係数をもつ液状体やゼリー状物体(以下、インターフェース材と呼ぶ)を満たしておいても良い。つまり、光はこのインターフェース材の中を拡散伝搬して計測対象に入射するから何ら問題は生じない。また、散乱吸収体の表面反射が問題になるときには、インターフェース材を適宜に選択することによって、表面反射などの影響を低減することができる。
【0091】
散乱吸収体の内部を拡散伝搬した光は、前記光入射位置から距離ρおよびρの位置に置いた光ガイド8および10で受光される。ここでも前記と同様の理由によって、インターフェース材を使用してもよい。
【0092】
第1の光検出器12および第2の光検出器14は、前記受光信号を電気信号に変換して増幅し、それぞれ検出信号aおよびbを出力する。この光検出器12および14は、光電子増倍管のほか、光電管、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、PINフォトダイオードなど、あらゆる種類の光検出器を使用することができる。光検出器の選択に際しては、所定波長の光が検出できる分光感度特性をもっていれば良い。また、光信号が微弱であるときは高利得の光検出器を使用する。光検出器の受光面以外の場所は、光を吸収あるいは遮光する構造にしておくことが望ましい。また、散乱吸収体の内部を拡散伝搬した光が複数の波長の光を含む場合には、光検出器12および14と散乱吸収体20との間の適宜の位置に波長選択フィルタ(図示せず)を入れる。
【0093】
演算処理部16は、第1の光検出器12および第2の光検出器14からの検出信号aおよびbを信号処理して、それぞれ検出光量に比例した計測値cおよびdに変換する。具体的には、演算処理部16は、光源2の光発生に同期した信号eを利用して、検出信号aおよびbに対する時間域での積分演算を行う。ただし、パルス光などを利用する場合には、この同期信号eを省略することもできる。
【0094】
つぎに、各々の波長λとλに対する計測値cおよびdと、予め別の方法で測定あるいは設定された既知のパラメータρ,ρの値とを、前述した3連の関係に基づいて演算処理して散乱吸収体の内部情報、つまり波長λとλに対する有効減衰係数μeff1およびμeff2,さらには吸収係数の比、つまりμa1/μa2を算出する。これらの演算処理は、演算処理手段に組み込んだマイクロコンピュータなどで高速に実行する。また必要に応じて、上記で求めた内部情報つまりμa1とμa2の比を用いて、前述した(2.3)式の関係に基づいてヘモグロビンの酸素飽和度を算出する。さらに、バックグラウンド吸収などがある場合には、前述したように3種以上の波長の光を使用する。
【0095】
以上の場合、異なる波長の光を同時に含む光を使用する方法と、異なる波長の光を時分割で入射させて使用する方法とがある。具体的な波長選択手段としては、ミラーを用いた光ビーム切り換え器、フィルターを用いた波長切り換え器、光スイッチを用いた光切り換え器などを利用する方法(図9(a))がある。また、異なる波長の光を同軸状のビームにして、光入射点の直前に設けた波長選択フィルタで波長選択する方法(図9(b))、あるいはそのまま平行に散乱吸収体に入射して、前記光検出器の直前に設けた波長選択フィルタで波長選択する方法(図10(a))、さらには4個の光検出器を用いて2種の波長の光を2箇所で並列に検出する方法(図10(b))などがある。また、2つの位置から光を入射する方法もある。
【0096】
光を生体などの散乱吸収体に入射する手段としては、図8に示した光ガイドを使用する方法の他に、集光レンズ(図11(a))、光ファイバー(図11(b))、ピンホール(図11(c))を利用する方法、胃カメラのように体内から入射する方法(図11(d))などがある。また、散乱吸収体の内部を拡散伝搬した光を受光して検出する手段としては、図8に示した光ガイドを用いる方法以外に、直接検出する方法(図12(a))、光ファイバーを用いる方法(図12(b))、レンズを用いる方法(図12(c))などがある。
【0097】
また、光検出で得られる信号を低雑音で増幅する必要がある場合には、狭帯域アンプ(図13(a))、ロックインアンプ(図13(b))などを利用することができる。ロックインアンプを使用する場合には、参照信号として前記同期信号eを利用する。この方法は、方形波光やパルス光を用いてダイナミックレンジの高い計測を行うときに有効である。また、散乱吸収体20が生体試料などで、表面部に吸収層がある場合には、検出距離ρおよびρの位置で予め別の方法で測定した吸収の値を用いて、前記計測値c及びdを補正する。
【0098】
さらに、散乱吸収体に対する光の入射位置と光検出位置とを同期して走査(図示せず)させて、散乱吸収体の各部の内部情報を求めて、フレームメモリー(図示せず)に蓄積し、これをテレビ方式で読み出せば、内部情報の分布を示す画像が得られる。また、異なる時刻に計測すれば、内部情報の時間的変化を計測することができる。前記演算処理部16は、このようにして得た内部情報を記憶する機能をもち、図8の中の表示記録手段18はこれらを表示あるいは記録するものである。この際、これらの演算処理は、メモリ、ディスプレイなどを備えるコンピュータ装置によって高速に実行することができる。
【0099】
(2.2)第2の実施例に係る装置
図14は、本願の発明に係る散乱吸収体計測方法を実施する装置の具体的な第2の構成例を示す。この場合、散乱吸収体はスラブ状のものである。光源2はそれぞれ異なる波長λとλの光を発生する。光源2からの光は、波長選択器4で波長選択され、光ガイド6を通して計測対象である散乱吸収体20の表面に入射する。散乱吸収体20の内部を拡散伝搬した光は、前記光入射位置からそれぞれ異なる距離dおよびdの位置に置いた光ガイド8および10で受光される。この図は、距離がd>dとなるように、散乱吸収体の一部分に力を加えて凹ませた状態で計測している様子を示す。
【0100】
光ガイド6,8および10と計測対象20の間の空間は、図14の実施例では微小になっている。しかし、第1の実施例と同様に、この空間に計測対象20とほぼ等しい屈折率と散乱係数をもつインターフェース材を満たしておいても良い。
【0101】
第1の光検出器12および第2の光検出14は、前記受光信号を電気信号に変換して増幅し、それぞれ検出信号aおよびbを出力する。演算処理部16は、それぞれ第1の光検出器12および第2の光検出器14からの検出信号aおよびbを信号処理して、それぞれの検出光量に比例した計測値cおよびdに変換する。この信号処理は、例えば、検出信号aおよびbに対する時間積分であり、それぞれの検出光量に比例した計測値cおよびdが得られる。この場合、光源2あるいは波長選択器4の動作と同期した同期信号eを利用する。ただし、光源2が方形波光やパルス光を発生する場合には、この同期信号eを省略することもできる。
【0102】
つぎに、各々の波長λとλに対する計測値cおよびdと、予め別の方法で測定あるいは設定された既知のパラメータρ,ρの値とを、前述した3連の関係に基づいて演算処理して散乱吸収体の内部情報、つまり波長λとλに対する吸収係数の比、つまりμa1/μa2を算出する。これらの演算処理は、演算処理手段に組み込んだマイクロコンピュータなどで高速に実行する。また必要に応じて、上記で求めた内部情報を用いて、ヘモグロビンの酸素飽和度などを算出する。さらに、バックグラウンド吸収などがある場合には、前述したように3種以上の波長の光を使用する。
【0103】
以上の場合、第1の実施例で説明したのと同様に、異なる波長の光を同時に含む光を使用する方法と、異なる波長の光を時分割で発光させて使用する方法とがある。具体的な波長選択手段としては、前述したミラーを用いる光ビーム切り換え器、フィルターを用いる波長切り換え器、光スイッチを用いる光切り換え器などを利用する方法がある。また、異なる波長の光を同軸状のビームにして、光入射点の直前に設けた波長選択フィルタで波長選択する方法、あるいはそのまま平行に散乱吸収体に入射して、前記光検出器の直前に設けた波長選択フィルタで波長選択する方法、さらには4個の光検出器を用いてそれぞれの検出位置で2種の波長の光を並列に検出する方法などがあることは第1の実施例と同じである。
【0104】
また、散乱吸収体に入射する手段としては、第1の実施例と同様の方法がそのまま利用できる。検出信号を低雑音で増幅する必要がある場合には、狭帯域アンプやロックインアンプなどを使用する。さらに、散乱吸収体に対する光の入射点と光検出点の位置を走査(図示せず)させて、散乱吸収体の各部の内部情報を求めて、フレームメモリー(図示せず)に蓄積し、これをテレビ方式で読み出せば、内部情報の分布を示す画像が得られる。異なる時刻に計測すれば、内部情報の時間的変化を計測することができる。前記演算処理部16は、このようにして得た内部情報を記憶する機能をもち、図14の中の表示記録手段18はこれらを表示あるいは記録するものである。これらの演算処理は、メモリ、ディスプレイなどを備えるコンピュータ装置によって高速に実行する。
【0105】
また、断層像を計測するような場合には、散乱吸収体の断面に沿うように走査する。この場合、X線CTに見られるような散乱吸収体、あるいは光源−検出器のペアの回転走査を行い、並進走査と併用することもできる。これらの場合、散乱吸収体20を取り囲むように、例えば外側がドーナッツ状で内側が散乱吸収体の外形になる袋に入れた前記インターフェース材を使用すると、前記回転走査が容易になる。この場合、さらに多数の光検出位置で光検出する方法もある。
【0106】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明による散乱吸収体計測方法および装置によれば、簡単な装置構成で散乱吸収体の内部情報を高精度に計測することができ、2つの波長に対する吸収係数の比、さらには特定成分の濃度比などの内部情報、およびこれらの空間分布や時間的変化、さらにはこれらの断層面内の分布を計測することができる。本発明を利用した計測装置では、光信号の時間積分値を使用するために光の利用率が高くなり、信号対雑音比が大きくなり、計測精度が高くなる。したがって、脳内酸素量や運動中の人の脚の筋肉の中の酸素量などのリアルタイム計測が可能になる。また、人体頭部や胴体部、立ち木などの植物体などに対して、非侵襲で内部情報を計測し、さらにこれらのイメージングや断層像の再構成計測などが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】散乱吸収体内部の光の振る舞いを示す説明図である。
【図2】散乱吸収体内部における光検出量を求めるための説明図である。
【図3】検出光量I[ρ]と検出距離ρとの関係を示すグラフである。
【図4】本願の発明の原理の説明図である。
【図5】各種生体物質の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図6】スラブ状試料の計測を示す説明図である。
【図7】スラブ状試料の計測を示す説明図である。
【図8】第1実施例の装置の構成図である。
【図9】波長の異なる光の切り換えまたは混合を行うための構成図である。
【図10】波長の異なる光の検出を行うための構成図である。
【図11】散乱吸収体への光入射方法を示す説明図である。
【図12】受光方法を示す説明図である。
【図13】検出信号の低雑音増幅方法を示す説明図である。
【図14】第2実施例の装置の構成図である。
【符号の説明】
2…光源、4…波長選択器、6,8,10…光ガイド、12,14…光検出器、16…演算処理部、18…表示記録部、20…散乱吸収体。

Claims (4)

  1. 散乱吸収体に対して散乱係数が等しいと見做せる2つの所定波長の光を入射し、
    2つの光入射位置−光検出位置間の距離に対応する検出位置で、散乱吸収体の内部を拡散伝搬した前記所定波長の光を検出して3種類以上の検出信号を取得し、
    前記散乱吸収体の表面における前記所定波長の光の入射位置に対して、前記散乱吸収体での境界条件を満たす所定位置に導入された負極性の仮想点光源を用いて、前記所定波長の光がそれぞれ拡散伝搬して前記検出位置に到達するときの前記散乱吸収体内の拡散伝搬経路における散乱特性および吸収特性と、前記検出信号との方程式を求め、前記3種類以上の検出信号に対する3種類以上の前記方程式の連立関係を利用して、前記検出信号を演算処理して散乱吸収体の内部情報を導出する、
    ことを特徴とする、医療行為を除く散乱吸収体計測方法。
  2. 前記所定波長の光は、前記散乱吸収体内部の特定吸収成分に対して吸収係数が異なる2つの波長の光であり、
    前記演算処理は、前記散乱係数を同一と見做して得られる前記散乱吸収体の第1次内部情報の導出処理と、前記第1次内部情報を利用した前記散乱吸収体の前記特定成分に関する情報である第2次内部情報の導出処理とである、
    ことを特徴とする請求項1記載の散乱吸収体計測方法。
  3. 散乱吸収体に対して散乱係数が等しいと見做せる2つの所定波長の光を発生する光発生手段と、
    前記所定波長の光を散乱吸収体に入射させる光入射手段と、
    2つの光入射位置−光検出位置間の距離に対応する検出位置で、散乱吸収体の内部を拡散伝搬した前記所定波長の光を検出して3種類以上の検出信号を取得する光検出手段と、
    前記散乱吸収体の表面における前記所定波長の光の入射位置に対して、前記散乱吸収体での境界条件を満たす所定位置に導入された負極性の仮想点光源を用いて、前記所定波長の光がそれぞれ拡散伝搬して前記検出位置に到達するときの前記散乱吸収体内の拡散伝搬経路における散乱特性および吸収特性と、前記検出信号との方程式を求め、前記3種類以上の検出信号に対する3種類以上の前記方程式の連立関係を利用して、前記検出信号を演算処理して散乱吸収体の内部情報を導出する演算処理手段と、
    を備えることを特徴とする散乱吸収体計測装置。
  4. 前記所定波長の光は、前記散乱吸収体内部の特定吸収成分に対して吸収係数が異なる2つの波長の光であり、
    前記演算処理手段は、前記散乱係数を同一と見做して得られる前記散乱吸収体の第1次内部情報の導出処理と、前記第1次内部情報を利用した前記散乱吸収体の前記特定成分に関する情報である第2次内部情報の導出処理と、を実行する、
    ことを特徴とする請求項3記載の散乱吸収体計測装置。
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