JP3576943B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等の基板に塗布・現像処理を施して半導体等を製造する基板処理装置に関し、詳しくは、レジスト塗布処理ユニットと現像処理ユニットに供給する空気の温度や湿度を制御可能な基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおいては、被処理基板である半導体ウエハにフォトレジスト液を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いて回路パターン等を縮小してフォトレジスト膜を露光し、これを現像処理する一連の処理工程がある。この処理工程は、半導体デバイスの高集積化には極めて重要なプロセスである。
【0003】
このような処理工程においては、洗浄処理された半導体ウエハに対して、まずアドヒージョン処理ユニットにて疎水化処理を施し、冷却処理ユニットにて冷却した後、レジスト塗布処理ユニットにてフォトレジスト膜を塗布形成する。このフォトレジスト膜が形成された半導体ウエハに対し、ホットプレートユニットにてプリベーク処理を施した後、冷却処理ユニットにて冷却し、露光装置にて所定のパターンを露光する。引き続き、露光後の半導体ウエハに対してポストエクスポージャーベーク処理を施した後、冷却処理ユニットにて冷却し、現像処理ユニットにて現像液を塗布して露光パターンを現像する。そして、最後に、ホットプレートユニットにてポストベーク処理を施す。
【0004】
このような一連の処理工程のうち、露光処理を除く工程は、これらの処理ユニットを一体的に集約したレジスト塗布・現像処理システムによって行われている。
【0005】
ところで、上述したレジスト塗布処理ユニットでは、レジスト液を塗布した後に形成されるレジスト膜の膜厚精度等に及ぼす温度や湿度の影響が大きいため、この塗布処理ユニットのカップ内の空気の温度および湿度を高精度に管理する必要がある。
【0006】
また、現像処理ユニットでは、線幅の精度は現像液の温度に大きく影響を受けるため、現像処理ユニットのカップ内の空気の温度を高精度に管理する必要がある。
【0007】
このようなことから、従来、レジスト塗布処理ユニットおよび現像処理ユニットのカップ内には、温度および湿度を所定の値に厳密に管理した空気を供給して、これらの温度および湿度の管理を一体的に行っている。
【0008】
この際に用いられる温度・湿度制御装置は、図14に示すように構成されている。すなわち、レジスト塗布・現像処理システム外の外気(例えば、温度23℃、相対湿度45%)が冷却器101に取り入れられて、露点温度以下(例えば、7℃、95〜100%)に冷却され、次いで、加温器102により、所定温度(例えば、23℃)に温められ、その後、加湿器103により加湿されて所定温度・湿度(例えば、23℃、40〜50%)に調整される。その後、このように調整された空気がそれぞれレジスト塗布処理ユニット(COT)104および現像処理ユニット(DEV)105に供給される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、外気が一旦冷却器101により冷却された後、加温器102で温められ、加湿器103により加湿されて、温度および湿度が調整されるのは、レジスト塗布処理ユニット(COT)104に供給する空気の温度および湿度を調整する必要があるからである。
【0010】
すなわち、冷却器101により外気を一旦露点温度以下に冷却することにより、空気の相対湿度はほぼ100%になるが、結露させることにより空気中に含まれる水分を除去(除湿)して、空気の単位体積中に含まれる水分の絶対量を低減し、その後、加温器102により空気を所定の温度に温めて、加湿器103により所定の湿度に加湿する。
【0011】
したがって、取り入れた空気を全部一旦冷却した後に加熱しなければならず、冷却や加温のための装置の大型化を招くとともに、消費電力等のランニングコストの高騰をも招いている。
【0012】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、処理ユニットに供給する空気の温度や湿度を調整するための装置の小型化および消費電力等のランニングコストの低減を図ることができる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
【発明が解決するための手段】
上述した従来の温度・湿度制御装置は、取り入れた外気の湿度を調整するために全量を一旦冷却器により冷却しているが、現像処理ユニットは必ずしも湿度コントロールが必要ではない。このことを前提に本発明者らが検討を重ねた結果、温度および湿度をコントロールすることが必要な第1の処理ユニット、例えばレジスト塗布処理ユニットに供給する空気と、温度のみをコントロールすることが必要な第2の処理ユニット、例えば現像処理ユニットに供給する空気を最初から分離し、第1の処理ユニットに供給する空気のみ冷却装置で冷却し、かつ冷却器を経た後の空気は第2の処理ユニットに供給される外気により加温すれば、装置の小型化および消費電力等のランニングコストの低減を図ることができることを見出した。
【0014】
すなわち、本発明は、基板を処理する第1および第2の処理ユニットと、
外部から受け入れた外気を所定温度に冷却する冷却部と、
前記冷却部で冷却された空気を通流させる低温側流路および外気を通流させる高温側流路を有し、冷却された空気と外気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
前記熱交換器の低温側流路を通流し、高温側流路を通流する外気により温められた空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記第1の処理ユニットに供給する加温・加湿部と、
前記熱交換器の高温側流路を通流し、低温側流路を通流する空気により冷やされた外気を加温して所定の温度の空気を前記第2の処理ユニットに供給する加温部と
を具備することを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0015】
このような構成によれば、供給する空気の湿度および温度を調整する必要がある第1の処理ユニットには、冷却器により一旦冷却され、熱交換器により温められ、その後、加温・加湿器により温度と湿度が調整された空気が供給される。一方、空気の温度の調整のみが必要で湿度の調整は不要である第2の処理ユニットには、冷却部により一旦冷却されることなく、熱交換器により若干温度が低下された後、加温部により温度が調整された空気が供給される。したがって、冷却部により冷却されるのは、第1の処理ユニットに供給される空気のみであり、第2の処理ユニットに供給される空気は冷却されないため、冷却すべき空気の量を従来よりも少なくすることができる。例えば第1の処理ユニットおよび第2の処理ユニットが同数の場合には冷却すべき空気の量を従来の半分にすることができる。したがって、冷却するための機構の小型化および消費電力等の低減を図ることができる。
【0016】
本発明は、また、基板にレジスト液を塗布する塗布処理ユニットと、
塗布されたレジスト膜を露光した後の基板に現像処理を施す現像処理ユニットと、
外部から受け入れた外気を所定温度に冷却する冷却部と、
冷却部で冷却された空気を通流させる低温側流路および外気を通流させる高温側流路を有し、冷却された空気と外気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
この熱交換器の低温側流路を通流し、高温側流路を通流する外気により温められた空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記塗布処理ユニットに供給する加温・加湿部と、
前記熱交換器の高温側流路を通流し、低温側流路を通流する空気により冷やされた外気を加温して所定の温度の空気を前記現像処理ユニットに供給する加温部と
を具備することを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0017】
このような構成によれば、供給する空気の温度および湿度を調整する必要がある塗布処理ユニットには、冷却部により一旦冷却され、熱交換器により温められ、その後、加温・加湿部により温度と湿度が調整された空気が供給される。一方、空気の温度の調整のみが必要で湿度の調整は不要である現像処理ユニットには、冷却部により一旦冷却されることなく、熱交換器により若干温度が低下された後、加温部により温度が調整された空気が供給される。
【0018】
したがって、冷却部により冷却されるのは、レジスト液を塗布する塗布処理ユニットに供給される空気のみであり、現像処理ユニットに供給される空気は冷却されないため、冷却すべき空気の量を従来よりも少なくすることができる。例えば塗布処理ユニットおよび現像処理ユニットが同数の場合には冷却すべき空気の量を従来の半分にすることができる。
【0019】
また、レジスト液を塗布する塗布処理ユニットに供給される空気は、熱交換器において、現像処理ユニットに供給される空気の熱を奪うことにより予備加熱されているため、後に加温する際の加温容量を少なくすることができる。
【0020】
さらに、熱交換器から現像処理ユニット側に流出される空気は、レジスト液を塗布する塗布処理ユニットに供給される空気により若干温度が低下された程度であるので、現像処理ユニットに供給する際に僅かに加温する程度でよい。
【0021】
以上から、冷却や加温のための機構の小容量化および小型化を図ることができ、消費電力等のランニングコストを低減することができる。例えば、レジスト液を塗布する塗布処理ユニットおよび現像処理ユニットの台数がほぼ同じ場合には、冷却および加温のための熱的な容量は、従来に比べて、ほぼ半分にすることができ、消費電力等のランニングコストをほぼ半分にすることができる。
【0022】
本発明は、さらに、基板を処理する第1および第2の処理ユニットと、
前記第1の処理ユニットから排気された空気を所定温度に冷却する冷却部と、前記冷却された空気を通流させる低温側流路および前記第2の処理ユニットからの排気を通流させる高温側流路を有し、前記冷却された空気と前記第2の処理ユニットからの排気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
前記熱交換器の低温側流路を通流し、高温側流路を通流する前記第2の処理ユニットからの排気により温められた前記冷却された空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記第1の処理ユニットに供給する加温・加湿部と、
前記熱交換器の高温側流路を通流し、低温側流路を通流する前記冷却された空気により冷やされた前記第2の処理ユニットからの排気を加熱して所定の温度の空気を前記第2の処理ユニットに供給する加温部と
を具備することを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0023】
このような構成によれば、第1の処理ユニットから排気された空気は冷却部により一旦冷却され、熱交換器により温められた後、加温・加湿部により温度と湿度が調整されて再度第1の処理ユニットに供給される。一方、第2の処理ユニットから排気された空気は熱交換器により若干温度が低下された後、加温部により温度が調整されて再度第2の処理ユニットに供給される。このように、それぞれの処理ユニットから排気された空気の温度や湿度を調整するため、空気の温度や湿度を調整する機構の構成を簡単な構造とすることができ、これに伴い消費電力等を低減することができる。
【0024】
一方、第1の処理ユニットおよび第2の処理ユニットがともに温度および湿度をコントロールする場合であっても、第1の処理ユニットに供給する空気と第2の処理ユニットに供給する空気とを分離し、第1の処理ユニットに供給する空気を冷却器で冷却した後に、第2の処理ユニットに供給する外気と熱交換することにより、ランニングコストを低減できることも見い出した。
【0025】
すなわち、本発明の他の観点においては、基板を処理する第1および第2の処理ユニットと、
外部から受け入れた外気を所定温度に冷却する第1の冷却部と、
前記第1の冷却部で冷却された空気を通流させる低温側流路および外気を通流させる高温側流路を有し、前記第1の冷却部で冷却された空気と外気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
前記熱交換器の低温側流路を通流し、高温側流路を通流する外気により温められた空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記第1の処理ユニットに供給する第1の加温・加湿部と、
前記熱交換器の高温側流路を通流し、低温側流路を通流する空気により冷やされた外気を所定温度に冷却する第2の冷却部と、
前記第2の冷却部で冷却された空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記第2の処理ユニットに供給する第2の加温・加湿部と
を具備することを特徴とする基板処理装置を提供する。
【0026】
このような構成によれば、熱交換器で第1の冷却部で冷却した後の空気と外気との間で熱交換することにより、第1の冷却部で冷却された空気は熱交換器で温められた後に第1の加温・加湿部で加温・加湿されるので、第1の加温・加湿部における加温容量を減らすことができ、また、第2の冷却部は熱交換器で冷やされた外気を冷却するので、第2の冷却部の冷却容量を減らすことができる。したがって、第1の加温・加湿部および第2の冷却器を小容量・小型化することができ、これにより消費電力等のランニングコストを低減することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施に用いるレジスト塗布・現像処理システムを示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。
【0028】
このレジスト塗布・現像処理システム1は、搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11と隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間でウエハWを受け渡すためのインターフェイス部12とを具備している。
【0029】
上記カセットステーション10は、被処理体としての半導体ウエハW(以下、単にウエハWと記す)を複数枚例えば25枚単位でウエハカセットCRに搭載された状態で他のシステムからこのシステムへ搬入またはこのシステムから他のシステムへ搬出したり、ウエハカセットCRと処理ステーション11との間でウエハWの搬送を行うためのものである。
【0030】
このカセットステーション10においては、図1に示すように、載置台20上に図中X方向に沿って複数(図では4個)の位置決め突起20aが形成されており、この位置決め突起20aの位置にウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション11側に向けて一列に載置可能となっている。ウエハカセットCRにおいてはウエハWが垂直方向(Z方向)に配列されている。また、カセットステーション10は、載置台20と処理ステーション11との間に位置するウエハ搬送機構21を有している。このウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用アーム21aを有しており、このウエハ搬送用アーム21aによりいずれかのウエハカセットCRに対して選択的にアクセス可能となっている。また、ウエハ搬送用アーム21aは、θ方向に回転可能に構成されており、後述する処理ステーション11側の第3の処理部G3に属するアライメントユニット(ALIM)およびエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
【0031】
上記処理ステーション11は、ウエハWへ対して塗布・現像を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されており、これらによりウエハWが一枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図1に示すように、中心部に搬送路22aを有し、この中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、ウエハ搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置されている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理部に分かれており、各処理部は複数の処理ユニットが鉛直方向に沿って多段に配置されている。
【0032】
主ウエハ搬送機構22は、図3に示すように、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46を上下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体49はモータ(図示せず)の回転駆動力によって回転可能となっており、それにともなってウエハ搬送装置46も一体的に回転可能となっている。
【0033】
ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これらの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
【0034】
また、図1に示すように、この実施の形態においては、4個の処理部G1,G2,G3,G4がウエハ搬送路22aの周囲に実際に配置されており、処理部G5は必要に応じて配置可能となっている。
【0035】
これらのうち、第1および第2の処理部G1,G2はシステム正面(図1において手前)側に並列に配置され、第3の処理部G3はカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理部G4はインターフェイス部12に隣接して配置されている。また、第5の処理部G5は背面部に配置可能となっている。
【0036】
この場合、図2に示すように、第1の処理部G1では、カップCP内でウエハWをスピンチャック(図示せず)に載置して所定の処理を行う2台のスピナ型処理ユニットが上下2段に配置されており、この実施形態においては、ウエハWにレジストを塗布するレジスト塗布処理ユニット(COT)およびレジストのパターンを現像する現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理部G2も同様に、2台のスピナ型処理ユニットとしてレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
【0037】
このようにレジスト塗布処理ユニット(COT)等を下段側に配置する理由は、レジスト液の廃液が機構的にもメンテナンスの上でも現像液の廃液よりも本質的に複雑であり、このようにレジスト塗布処理ユニット(COT)等を下段に配置することによりその複雑さが緩和されるからである。しかし、必要に応じてレジスト塗布処理ユニット(COT)等を上段に配置することも可能である。
【0038】
第3の処理部G3においては、図3に示すように、ウエハWを載置台SPに載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち冷却処理を行うクーリングユニット(COL)、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、露光処理前や露光処理後、さらには現像処理後にウエハWに対して加熱処理を行う4つの加熱処理ユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。なお、アライメントユニット(ALIM)の代わりにクーリングユニット(COL)を設け、クーリングユニット(COL)にアライメント機能を持たせてもよい。
【0039】
第4の処理部G4も、オーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、クーリングユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、および4つの加熱処理ユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0040】
上述したように、主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処理部G5を設けることができるが、第5の処理部G5を設ける場合には、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっている。したがって、第5の処理部G5を設けた場合でも、これを案内レール25に沿ってスライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。この場合に、このような直線状の移動に限らず、回動させるようにしても同様にスペースの確保を図ることができる。なお、この第5の処理部G5としては、基本的に第3および第4の処理部G3,G4と同様、オーブン型の処理ユニットが多段に積層された構造を有しているものを用いることができる。
【0041】
上記インターフェイス部12は、奥行方向(X方向)については、処理ステーション11と同じ長さを有している。図1、図2に示すように、このインターフェイス部12の正面部には、可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部には周辺露光装置23が配設され、中央部には、ウエハ搬送機構24が配設されている。このウエハ搬送機構24は、ウエハ搬送用アーム24aを有しており、このウエハ搬送用アーム24aは、X方向、Z方向に移動して両カセットCR,BRおよび周辺露光装置23にアクセス可能となっている。また、このウエハ搬送用アーム24aは、θ方向に回転可能であり、処理ステーション11の第4の処理部G4に属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置側のウエハ受け渡し台(図示せず)にもアクセス可能となっている。
【0042】
このようなレジスト塗布・現像処理システム1においては、まず、カセットステーション10において、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用アーム21aが載置台20上の未処理のウエハWを収容しているウエハカセットCRにアクセスして、そのウエハカセットCRから一枚のウエハWを取り出し、第3の処理部G3のエクステンションユニット(EXT)に搬送する。
【0043】
ウエハWは、このエクステンションユニット(EXT)から、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送装置46により、処理ステーション11に搬入される。そして、第3の処理部G3のアライメントユニット(ALIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施される。この処理は加熱を伴うため、その後ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、クーリングユニット(COL)に搬送されて冷却される。
【0044】
アドヒージョン処理が終了し、クーリングユニット(COL)で冷却さたウエハWは、引き続き、ウエハ搬送装置46によりレジスト塗布処理ユニット(COT)に搬送され、そこで塗布膜が形成される。塗布処理終了後、ウエハWは処理部G3,G4のいずれかの加熱処理ユニット(HP)内でプリベーク処理され、その後いずれかのクーリングユニット(COL)にて冷却される。
【0045】
冷却されたウエハWは、第3の処理部G3のアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこでアライメントされた後、第4の処理部群G4のエクステンションユニット(EXT)を介してインターフェイス部12に搬送される。
【0046】
インターフェイス部12では、周辺露光装置23により周辺露光されて余分なレジストが除去された後、インターフェイス部12に隣接して設けられた露光装置(図示せず)により所定のパターンに従ってウエハWのレジスト膜に露光処理が施される。
【0047】
露光後のウエハWは、再びインターフェイス部12に戻され、ウエハ搬送機構24により、第4の処理部G4に属するエクステンションユニット(EXT)に搬送される。そして、ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、いずれかの加熱処理ユニット(HP)に搬送されてポストエクスポージャーベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により冷却される。
【0048】
その後、ウエハWは現像処理ユニット(DEV)に搬送され、そこで露光パターンの現像が行われる。現像終了後、ウエハWはいずれかの加熱処理ユニット(HP)に搬送されてポストベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により冷却される。このような一連の処理が終了した後、第3処理ユニット群G3のエクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に戻され、いずれかのウエハカセットCRに収容される。
【0049】
次に、本実施形態におけるレジスト塗布処理ユニット(COT)と現像処理ユニット(DEV)の温度・湿度制御について説明する。図4は、レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)と温度・湿度制御装置との配置関係を示す模式図である。
【0050】
温度・湿度制御装置50は、レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給する空気の温度や湿度を制御するためのものであり、レジスト塗布・現像処理システム1とは別個に配置されている。後述するように、レジスト塗布処理ユニット(COT)と現像処理ユニット(DEV)には、それぞれ別々の空気が供給されるため、この温度・湿度制御装置50からレジスト塗布処理ユニット(COT)に空気を供給するための供給管路51と、温度・湿度制御装置50から現像処理ユニット(DEV)に空気を供給するための供給管路52とがそれぞれ別々に設けられている。
【0051】
各レジスト塗布処理ユニット(COT)の上部には、ウエハWを内部に包持するカップ(CP)内に温調・湿調された空気を吹き出すための吹き出し口53が設けられており、各現像処理ユニット(DEV)の上部には、ウエハWを内部に包持するカップ(CP)内に温調された空気を吹き出すための吹き出し口54が設けられている。
【0052】
図5は、上記温度・湿度制御装置50の構成の一例を示す図である。温度・湿度制御装置50は、シェル・アンド・チューブ型の熱交換器62を有しており、この熱交換器62は筐体62aと、その中に設けられた複数ターンに屈曲したチューブ62bと、筐体62a内に空気を流入させる流入口62cと、筐体62aから空気を流出させる流出口62dとを有している。そして、流入口62cから筐体62aに流入した空気が流出口62dから流出する低温側流路が形成されるとともに、チューブ62bは高温側流路として機能する。
【0053】
熱交換器62の流入口62c側には冷却器61が設けられており、流出口62d側には加温器63、加湿器64、ブロワー65およびレジスト塗布処理ユニット(COT)71がこの順に設けられている。そして、ブロワー65により、冷却器61で冷却された空気が熱交換器62を経て、加温器63で所定温度に加温され、加湿器64で所定湿度に加湿されてレジスト塗布処理ユニット(COT)71に至る。
【0054】
また、熱交換器62のチューブ62bの一方側からは外気が取り入られるようになっており、他方側には加温器66、ブロワー67および現像処理ユニット(DEV)72がこの順に接続されている。そして、ブロワー67により、チューブ62bの一方側から熱交換器62に取り入れられた外気が加温器66で所定温度に加温されて現像処理ユニット(DEV)72に至る。なお、このようにして熱交換された空気は、処理ステーション11のユニット上部に設けられたフィルターユニット(図示せず)に送ることもできる。
【0055】
このように構成される温度・湿度制御装置50においては、冷却器61において外気(例えば、23℃、45%)が取り入れられ、露点温度以下(例えば、7℃、95〜100%)に冷却され、結露させることにより、空気中に含まれる水分を除去(除湿)して、空気の絶対湿度を低下させる。
【0056】
熱交換器62では、上記露点温度以下(例えば、7℃、95〜100%)の空気が流入口62cを介して筐体62a内に取り入れられる一方、外気(例えば、23℃、45%)がチューブ62bに取り入れられ、両者の間で熱交換が行われる。すなわち、高温側流路であるチューブ62bを通流している外気の温度が低下し、低温側流路を通流する空気の温度が上昇する。
【0057】
その結果、レジスト塗布処理ユニット(COT)71に供給される空気は、現像処理ユニット(DEV)72に供給される空気の熱を奪うことにより、例えば7℃から15℃に温められて予備加熱される一方、現像処理ユニット(DEV)72に供給される空気は、上記のように熱が奪われて、例えば23℃から20℃に温度が低下される。
【0058】
この熱交換器62の低温側流路で予備加熱された15℃の空気は、加温器63により所定温度に温められ、加湿器64により所定湿度に加湿され、例えば、23℃、40〜50%に調整される。このように温度および湿度が調整された空気が、図4に示すように、供給管路51および吹き出し口53を介してレジスト塗布処理ユニット(COT)71に供給される。
【0059】
一方、熱交換器62のチューブ62bを通流することにより温度が20℃に低下された空気は、加温器66により温められて、所定温度(例えば、23℃)に調整され、供給管路52および吹き出し口54を介して、現像処理ユニット(DEV)72に供給される。
【0060】
このように、本実施の形態によれば、空気の温度を調整しながら、湿度をも調整しなければならないレジスト塗布処理ユニット(COT)71には、冷却器61により一旦冷却され、熱交換器62により温められ、その後、加温器63・加湿器64により温度と湿度が調整された空気が供給される。一方、空気の温度の調整のみが必要で湿度の調整は不要である現像処理ユニット(DEV)72には、冷却器61により一旦冷却されることなく、熱交換器62により若干温度が低下された後、加温器66により温度が調整された空気が供給される。
【0061】
したがって、冷却器61により冷却されるのは、レジスト塗布処理ユニット(COT)71に供給される空気のみであり、現像処理ユニット(DEV)72に供給される空気は冷却されないため、冷却すべき空気の量を従来よりも少なくすることができ、冷却器61の小型化を図ることができるとともに、消費電力等を低減することができる。
【0062】
また、レジスト塗布処理ユニット(COT)71に供給される空気は、熱交換器62において、現像処理ユニット(DEV)72に供給される空気の熱を奪うことにより、温められて予備加熱されているため、加温器63により温める加温容量を少なくすることができ、加温器63の小型化を図り、消費電力等を低減することができる。
【0063】
さらに、現像処理ユニット(DEV)72側の加温器66は、熱交換器62により若干温度が低下されて予備冷却された外気を僅かに加温する程度でよいため、この加温器66も大きい能力が不要であり、小型化を図ることができ、消費電力等を低減することができる。
【0064】
以上から、冷却や加温、加湿のための機構を全体的に小容量化および小型化することができ、消費電力等のランニングコストを低減することができる。例えば、図4に示すように、レジスト塗布処理ユニット(COT)71と現像処理ユニット(DEV)72の台数が同じ場合には、冷却や加熱、加湿のための機構の容量を従来に比べて半分にすることができ、消費電力等のランニングコストを著しく低減することができる。
【0065】
以上は、温度・湿度制御装置50に、シェル・アンド・チューブ型の熱交換器62を用いた例を示したが、図6に示すような直交流型の熱交換器82を用いることもできる。この直交流型の熱交換器82は、一の方向にガスを通流させる第1のガス通流部83と、一の方向と直交する方向にガスを通流させる第2のガス通流部84とが積層されて構成されている。これらガス通流部83,84の内部にはフィン85が設けられており、有効に熱交換が行われるようになっている。第1のガス通流部83には、ガス導入部83aおよびガス排出部83bが形成され、第2のガス通流部84には、ガス導入部84aおよびガス排出部84bが形成されており、例えば、ガス導入部83aから冷却器61からの空気を導入し、ガス導入部84aから外気を導入することにより、これらの間で熱交換を生じさせることができ、図5と同様の配管構成を実現することができる。
【0066】
また、図7に示すようなヒートパイプ型の熱交換器92を用いることもできる。この熱交換器92は2つに分離された筐体93a,93bを有し、筐体93aには冷却器61からの空気を導入する導入口96が設けられ、筐体93bには外気を導入するための導入口97が設けられている。また、筐体93a内には、冷却器61からの空気および外気の導入方向と平行に複数のフィン95aが設けられており、筐体95b内には、外気の導入方向と平行に複数のフィン95bが設けられている。筐体93a内のフィン95aと、筐体93b内のフィン95bとは、それぞれに直交するように設けられた複数本のヒートパイプ94により接続されている。そして、筐体93aの導入口96と反対側の位置には排出口98が設けられ、筐体93bの導入口97と反対側の位置には排出口99が設けられている。
【0067】
このような熱交換器92では、ブロワー65により冷却器61で冷却された空気が導入口96から筐体93a内へ導入され、フィン95aに沿って排出口98に導かれる。一方、ブロワー67により導入口97から外気が筐体93b内に導入され、フィン95bに沿って排出口99に導かれる。この場合に、ヒートパイプ94の一方の端部は冷却器61で冷却された空気に接触しており、他方の端部は外気に接触しているから、この温度差を解消する方向に熱が移動し、熱交換が行われる。したがって、排出口98からは冷却器61で例えば7℃に冷却した後に熱交換により例えば15℃まで加温された空気が排出され、この空気が加温器63で加温された後、加湿器64で加湿され、例えば23℃、40〜50%の空気がレジスト塗布ユニット(COT)に導かれる。また、排出口99からは例えば23℃の外気が熱交換により例えば20℃まで冷却された空気が排出され、この空気が加温器66で加温され、23℃の空気が現像処理ユニット(DEV)に導かれる。
【0068】
温度・湿度制御装置には、さらに処理ユニット内の空気の温度および/または湿度を検出するセンサーを設け、その検出値に基づいて温度・湿度制御装置の動作を制御するようにしてもよい。図8は、この場合における温度・湿度制御装置の構成を示す図である。この温度・湿度制御装置150は、図5に示した例と同様の構成に加えて、レジスト塗布処理ユニット(COT)71内に配置された温度・湿度測定部140と、この温度・湿度測定部140に接続された第1の制御部141と、現像処理ユニット(DEV)72内に配置された温度測定部142と、この温度測定部142に接続された第2の制御部143とを有している。第1の制御部141は、予めレジスト塗布処理ユニット(COT)71で処理されるのに最適な温度および湿度が比較値として入力されており、温度・湿度測定部140にて測定された測定値と予め入力された比較値とを比較して補正データを算出し、この算出された補正データに基づいて加湿器64および加温器63を制御する。また、第2の制御部143は、予め現像処理ユニット(DEV)72で処理されるのに最適な温度が比較値として入力されており、温度測定部142にて測定された測定値と予め入力された比較値とを比較して補正データを算出し、この算出された補正データに基づいて加温器66を制御する。このようにすることで、より適正な条件下で塗布処理および現像処理を行うことが可能となる。
【0069】
さらに、図9に示すように、レジスト塗布処理ユニット(COT)の吹き出し口53の近傍に、供給された空気の温度を最終的に微調整する加温ユニット148を設けるようにしてもよい。このような構成として、加温器63での温調温度をレジスト塗布処理ユニット(COT)で処理されるのに最適な温度よりも若干低めにし、加温ユニット148で最終的に最適な温度に加温するように設定することで、加温器63を出てからレジスト塗布処理ユニット(COT)に至るまでの間に空気の温度が変動しても、最適な温度の空気をレジスト塗布処理ユニット(COT)に供給することができる。また、この場合には加温器63の加温する温度はより低くてよいことから、加温器63を小型化・小容量化することも可能である。
【0070】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態におけるレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)と温度・湿度制御装置との配置関係を示す模式図である。図10に示すように、本実施形態における第1の処理ユニット群G1では2台のレジスト塗布処理ユニット(COT)が上下2段に配置され、第2の処理ユニット群G2では2つの現像処理ユニット(DEV)が上下2段に配置されている。温度・湿度制御装置250は、レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給する空気の温度や湿度を制御するためのものであり、レジスト塗布・現像処理システム1とは別個に配置されている。後述するように、レジスト塗布処理ユニット(COT)と現像処理ユニット(DEV)には、それぞれ別々の空気が供給されるため、この温度・湿度制御装置250からレジスト塗布処理ユニット(COT)に空気を供給するための供給管路151と、温度・湿度制御装置250から現像処理ユニット(DEV)に空気を供給するための供給管路152とがそれぞれ別々に設けられている。さらに、レジスト塗布処理ユニット(COT)内から排気された空気を温度・湿度制御装置250へ供給するための供給管路251と、現像処理ユニット(DEV)内から排気された空気を温度・湿度制御装置250へ供給するための供給管路252とが設けられている。
【0071】
各レジスト塗布処理ユニット(COT)の上部には、ウエハWを内部に包持するカップ(CP)内に温調・湿調された空気を吹き出すための吹き出し口53が設けられており、各現像処理ユニット(DEV)の上部には、ウエハWを内部に包持するカップ(CP)内に温調された空気を吹き出すための吹き出し口54が設けられている。
【0072】
図11は、本実施形態におけるレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給される空気の温度・湿度制御装置の一例を示す模式図である。上述した実施形態では外気を取り込んで温度・湿度制御していたのに対して、本実施形態における温度・湿度制御装置ではそれぞれの処理ユニットから排気された空気を再利用するようにしている。
【0073】
温度・湿度制御装置250は、シェル・アンド・チューブ型の熱交換器62を有しており、この熱交換器62は筐体62aと、その中に設けられた複数ターンに屈曲したチューブ62bと、筐体62a内に空気を流入させる流入口62cと、筐体62aから空気を流出させる流出口62dとを有している。そして、流入口62cから筐体62aに流入した空気が流出口62dから流出する低温側流路が形成されるとともに、チューブ62bは高温側流路として機能する。
【0074】
熱交換器62の流入口62c側には冷却器61が設けられており、流出口62d側には加温器63、加湿器64、ブロワー65およびレジスト塗布処理ユニット(COT)71がこの順に設けられている。そして、冷却器61にはレジスト塗布処理ユニット(COT)71から排出された空気が、供給管路251を介して取り入られるようになっており、この冷却器61で冷却された空気は熱交換器62を経て、加温器63で所定温度に加温され、加湿器64で所定湿度に加湿され、ブロワー65によりレジスト塗布処理ユニット(COT)71に供給される。
【0075】
また、熱交換器62のチューブ62bの一方側には現像処理ユニット(DEV)72から排出された空気が供給管路252を介して取り入られるようになっており、他方側には加温器66、ブロワー67および現像処理ユニット(DEV)72がこの順に接続されている。また、供給管路252の途中には空気からアンモニアを除去するフィルタ253が設けられている。そして、ブロワー67により、チューブ62bの一方側から熱交換器62に取り入れられた現像処理ユニット(DEV)72から排出された空気が、加温器66で所定温度に加温されて現像処理ユニット(DEV)72に至る。なお、このようにして熱交換された空気は、処理ステーション11のユニット上部に設けられたフィルターユニット(図示せず)に送ることもできる。
【0076】
このように構成される温度・湿度制御装置250においては、冷却器61において、レジスト塗布処理ユニット(COT)71から排気された空気(例えば、23℃、45%)が供給管路251を介して取り入れられ、露点温度以下(例えば、7℃、95〜100%)に冷却され、結露させることにより、空気中に含まれる水分を除去(除湿)して、空気の絶対湿度を低下させる。
【0077】
熱交換器62では、上記露点温度以下(例えば、7℃、95〜100%)の空気が流入口62cを介して筐体62a内に取り入れられる一方、現像処理ユニット(DEV)72から排出された空気(例えば、23℃、45%)が供給管路252およびを介してチューブ62bに取り入れられ、両者の間で熱交換が行われる。すなわち、高温側流路であるチューブ62bを通流している空気の温度が低下し、低温側流路を通流する空気の温度が上昇する。
【0078】
その結果、レジスト塗布処理ユニット(COT)71に供給される空気は、現像処理ユニット(DEV)72に供給される空気の熱を奪うことにより、例えば7℃から15℃に温められて予備加熱される一方、現像処理ユニット(DEV)72に供給される空気は、上記のように熱が奪われて、例えば23℃から20℃に温度が低下される。
【0079】
この熱交換器62の低温側流路で予備加熱された15℃の空気は、加温器63により所定温度に温められ、加湿器64により所定湿度に加湿され、例えば、23℃、40〜50%に調整される。このように温度および湿度が調整された空気が、図4に示すように、供給管路151および吹き出し口53を介してレジスト塗布処理ユニット(COT)71に供給される。
【0080】
一方、熱交換器62のチューブ62bを通流することにより温度が20℃に低下された空気は、加温器66により温められて、所定温度(例えば、23℃)に調整され、供給管路152および吹き出し口54を介して、現像処理ユニット(DEV)72に供給される。
【0081】
以上のように、本実施形態においては、レジスト塗布処理ユニット(COT)71から排気された空気を温度・湿度制御装置250の冷却器61に導き、冷却器61、熱交換器62、加温器63および加湿器64により温度および湿度を調整した後、再度レジスト塗布処理ユニット(COT)71に供給する。また、現像処理ユニット(DEV)72から排気された空気を温度・湿度制御装置250の熱交換器62のチューブ62bに導き、熱交換器62および加温器66により温度を調整した後、再度現像処理装置(DEV)72に供給する。このように温度・湿度制御装置250に各処理ユニットから排気された空気を供給する場合、このような空気は温度・湿度の変動が外気よりも少ないため、温度・湿度制御装置250をより簡単な構造とすることができ、これに伴い消費電力等のランニングコストを著しく低減することができる。
【0082】
また、図10には、それぞれの処理ユニットに個別に給排気する例について示したが、2台のレジスト塗布処理ユニット(COT)および2台の現像処理ユニット(DEV)のそれぞれの組み合わせを一括して給排気するようにしてもよい。この場合には、図12に示すように、上下のレジスト塗布処理ユニット(COT)を連通管154で連通し、供給管路151から供給される温調・湿調された空気を上側のレジスト塗布処理ユニット(COT)の上部に設けられた吹き出し口53から吹き出させ、下側のレジスト塗布処理ユニット(COT)の下部に接続された供給経路251から排気するようにする。現像処理ユニット(DEV)についても同様に、上下の現像処理ユニット(DEV)を連通管153で連通し、供給管路152から供給される温調された空気を上側の現像処理ユニット(DEV)の上部に設けられた吹き出し口54から吹き出させ、下側の現像処理ユニット(DEV)の下部に接続された供給経路252から排気するようにする。このように上下に同じ種類の処理ユニットを配置し、上下に配置された処理ユニットのそれぞれを一括して給排気するダウンフロー構造とすることにより、レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)から排気される空気をより効率よく回収することができる。
【0083】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
上述した実施形態においては、いずれもレジスト塗布処理ユニット(COT)には温度および湿度を制御した空気を供給し、現像処理ユニット(DEV)には温度のみを制御した空気を提供する場合について示したが、本実施形態においては現像処理ユニット(DEV)にも温度および湿度を制御した空気を供給する場合について述べる。
【0084】
図13は、本実施形態における温度・湿度制御装置の構成の一例を示す図である。この温度・湿度制御装置350は、図5に示した温度・湿度制御装置の例と同様の構成に加えて、チューブ62bと加温器66との間に設けられた冷却器301と、加温器66とブロワー67との間に設けられた加湿器302とを有している。このような構成により、チューブ62b内を通流した外気を冷却器301で露点温度以下に冷却し、結露させて絶対的な水分量を低減し、次いで加温器66で所定温度とし、加湿器302で所定湿度として、現像処理ユニット(DEV)72に温度および湿度を制御した空気を供給することができる。本実施形態においては、現像処理ユニット(DEV)72側の冷却器301には、冷却器61で冷却後の空気と熱交換することにより冷やされた外気が供給されるので、冷却器301の冷却容量を少なくすることができ、これにより冷却器301を小型化し、消費電力等を低減することができる。また、上述した実施形態と同様に、レジスト塗布処理ユニット(COT)71側の加温器63には、冷却器61で冷却された後、外気と熱交換することにより温められた空気が供給されるので、加温器63を小型化し、消費電力等を低減することもできる。すなわち、本実施形態によれば、低いランニングコストで、レジスト塗布処理ユニット(COT)71および現像処理ユニット(DEV)72に温度および湿度を制御した空気を供給することができる。
【0085】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。上記実施の形態では、半導体ウエハ用のレジスト塗布・現像処理システムについて説明したが、半導体ウエハ以外の他の被処理基板、例えばLCD基板用の塗布・現像処理システムにも本発明を適用することができる。また、熱交換器としては、シェル・アンド・チューブ型、直交流型、およびヒートパイプ型を図示したが、他のタイプのものであってもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、供給する空気の温度および湿度を調整する必要がある塗布処理ユニットには、冷却器により一旦冷却され、熱交換器により温められ、その後、加温・加湿器により温度と湿度が調整された空気が供給される一方、空気の温度の調整のみが必要で湿度の調整は不要である現像処理ユニットには、冷却器により一旦冷却されることなく、熱交換器により若干温度が低下された後、加温器により温度が調整された空気が供給される。
【0087】
したがって、冷却や加温のための機構の小容量化および小型化を図ることができ、消費電力等のランニングコストを低減することができる。例えば、塗布処理ユニットと現像処理ユニットの台数がほぼ同じ場合には、冷却および加温のための熱的な容量は、従来に比べて、ほぼ半分にすることができ、消費電力等のランニングコストをほぼ半分にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態が適用される半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理システムの全体構成を示す平面図。
【図2】本発明の実施形態が適用される半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理システムの全体構成を示す正面図。
【図3】本発明の実施形態が適用される半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理システムの全体構成を示す背面図。
【図4】本発明の一実施形態におけるレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)と、これらに供給される空気の温度・湿度制御装置との位置関係を示す模式図。
【図5】本発明の一実施形態におけるレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給される空気の温度・湿度制御装置の一例を示す構成図。
【図6】レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給される空気の温度・湿度制御装置に用いられる熱交換器の他の例を示す斜視図。
【図7】レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給される空気の温度・湿度制御装置に用いられる熱交換器のまた他の例を示す斜視図。
【図8】レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給される空気の温度・湿度制御装置の他の例を示す構成図。
【図9】レジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給される空気の温度・湿度制御装置のまた他の例を示す構成図。
【図10】本発明の他の実施形態におけるレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)と、これらに供給される空気の温度・湿度制御装置との位置関係の一例を示す模式図。
【図11】本発明の他の実施形態におけるレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給される空気の温度・湿度制御装置を示す構成図。
【図12】本発明の他の実施形態におけるレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)と、これらに供給される空気の温度・湿度制御装置との位置関係の他の例を示す模式図。
【図13】本発明の別の実施形態におけるレジスト塗布処理ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)に供給される空気の温度・湿度制御装置を示す構成図。
【図14】従来のレジスト塗布処理ユニット(COT)と現像処理ユニット(DEV)に供給される空気の温度・湿度制御装置の構成を示す図。
【符号の説明】
50;温度・湿度制御装置
51,52;供給管路
53,54;吹き出し口
61;冷却器
62;熱交換器
63;加温器
64;加湿器
66;加温器
COT;レジスト塗布処理ユニット
DEV;現像処理ユニット
W;半導体ウエハ(基板)
Claims (15)
- 基板を処理する第1および第2の処理ユニットと、
外部から受け入れた外気を所定温度に冷却する冷却部と、
前記冷却部で冷却された空気を通流させる低温側流路および外気を通流させる高温側流路を有し、冷却された空気と外気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
前記熱交換器の低温側流路を通流し、高温側流路を通流する外気により温められた空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記第1の処理ユニットに供給する加温・加湿部と、
前記熱交換器の高温側流路を通流し、低温側流路を通流する空気により冷やされた外気を加温して所定の温度の空気を前記第2の処理ユニットに供給する加温部と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 前記第1の処理ユニットは、レジスト塗布処理ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記第2の処理ユニットは、現像処理ユニットであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板処理装置。
- 前記熱交換器は、直交流型、ヒートパイプ型、シェル・アンド・チューブ型のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記熱交換器の低温側流路を通流し、前記加温・加湿部により加温・加湿された空気を前記第1の処理ユニットに供給する供給管路と、前記熱交換器の高温側流路を通流し、前記加温部により加温された空気を前記第2の処理ユニットに供給する供給管路とが、それぞれ、別個に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 基板にレジスト液を塗布する塗布処理ユニットと、
塗布されたレジスト膜を露光した後の基板に現像処理を施す現像処理ユニットと、
外部から受け入れた外気を所定温度に冷却する冷却部と、
冷却部で冷却された空気を通流させる低温側流路および外気を通流させる高温側流路を有し、冷却された空気と外気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
この熱交換器の低温側流路を通流し、高温側流路を通流する外気により温められた空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記塗布処理ユニットに供給する加温・加湿部と、
前記熱交換器の高温側流路を通流し、低温側流路を通流する空気により冷やされた外気を加温して所定の温度の空気を前記現像処理ユニットに供給する加温部と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 前記熱交換器は、直交流型、ヒートパイプ型、シェル・アンド・チューブ型のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
- 前記熱交換器の低温側流路を通流し、前記加温・加湿部により加温・加湿された空気を前記塗布処理ユニットに供給する供給管路と、前記熱交換器の高温側流路を通流し、前記加温部により加温された空気を前記現像処理ユニットに供給する供給管路とが、それぞれ、別個に配置されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の基板処理装置。
- 基板を処理する第1および第2の処理ユニットと、
前記第1の処理ユニットから排気された空気を所定温度に冷却する冷却部と、前記冷却された空気を通流させる低温側流路および前記第2の処理ユニットからの排気を通流させる高温側流路を有し、前記冷却された空気と前記第2の処理ユニットからの排気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
前記熱交換器の低温側流路を通流し、高温側流路を通流する前記第2の処理ユニットからの排気により温められた前記冷却された空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記第1の処理ユニットに供給する加温・加湿部と、
前記熱交換器の高温側流路を通流し、低温側流路を通流する前記冷却された空気により冷やされた前記第2の処理ユニットからの排気を加熱して所定の温度の空気を前記第2の処理ユニットに供給する加温部と
を具備することを特徴とする基板処理装置。 - 前記第1の処理ユニットは、レジスト塗布処理ユニットであることを特徴とする請求項9に記載の基板処理装置。
- 前記第2の処理ユニットは、現像処理ユニットであることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の基板処理装置。
- 前記第2の処理ユニットからの排気に含まれるアンモニア成分を除去するフィルタをさらに具備することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記熱交換器は、直交流型、ヒートパイプ型、シェル・アンド・チューブ型のいずれかであることを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記熱交換器の低温側流路を通流し、前記加温・加湿部により加温・加湿された空気を前記第1の処理ユニットに供給する供給管路と、前記熱交換器の高温側流路を通流し、前記加温部により加温された空気を前記第2の処理ユニットに供給する供給管路とが、それぞれ、別個に配置されていることを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 基板を処理する第1および第2の処理ユニットと、
外部から受け入れた外気を所定温度に冷却する第1の冷却部と、
前記第1の冷却部で冷却された空気を通流させる低温側流路および外気を通流させる高温側流路を有し、前記第1の冷却部で冷却された空気と外気との間で熱交換を行わせる熱交換器と、
前記熱交換器の低温側流路を通流し、高温側流路を通流する外気により温められた空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記第1の処理ユニットに供給する第1の加温・加湿部と、
前記熱交換器の高温側流路を通流し、低温側流路を通流する空気により冷やされた外気を所定温度に冷却する第2の冷却部と、
前記第2の冷却部で冷却された空気を加温・加湿して所定の温度および湿度の空気を前記第2の処理ユニットに供給する第2の加温・加湿部と
を具備することを特徴とする基板処理装置。
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