JP3576697B2 - 薄膜型サーマルプリントヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、薄膜型サーマルプリントヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱方式または熱転写方式によって印字を行うためのサーマルプリントヘッドは、個別に発熱駆動可能な多数の発熱体が絶縁基板上に列状に配置されて構成されている。そして、発熱体の形成方法により、このサーマルプリントヘッドは、厚膜型と薄膜型とに分類することができる。厚膜型のサーマルプリントヘッドにおいては、発熱体は、厚膜印刷法によって形成される。一方、薄膜型のサーマルプリントヘッドにおいては、発熱体は、CVD法またはスパッタリングによって形成される。
【0003】
厚膜型のサーマルプリントヘッドは、比較的簡便に、かつ低いコストで製造することができる。その反面、各発熱体が厚膜状であるために印字ドットがぼけたり、また、印字密度を所定以上に上げることができないという欠点を有する。薄膜型サーマルプリントヘッドは、各発熱体が500〜1500Åの薄膜状であるために、印字ドットにぼやけが少なく、また熱応答性に優れているために高速印字により適しており、厚膜型の場合よりも印字密度を上げることができる等の利点を有する。
【0004】
薄膜型サーマルプリントヘッドの薄膜抵抗体の材料として、ポリシリコンが好適であることが知られている。ポリシリコンは、抵抗温度係数が正であるために、耐電力性に優れ、プリントヘッドの各発熱体内の温度分布が小さい。すなわち各発熱体内の温度が他材料に比べて比較的一定であるので、薄膜型サーマルプリントヘッドの薄膜抵抗体の材料として好適である。
【0005】
従来より、ポリシリコン薄膜抵抗体は、減圧CVDおよび熱CVDによって成膜され、その後、導電性物質をプラズマドープ法およびイオン注入法により上記成膜内にドープし、熱処理により上記導電性物質を上記成膜内に拡散することにより形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、CVD法による成膜工程は、シランやホスフィン等の危険なガスを用いるので安全対策を施すのに多くのコストがかかる上に、薄膜の成膜条件、薄膜にドープされる導電性物質の条件、薄膜の熱処理条件等の厳密な管理が必要であり、各発熱体間の抵抗値のバラツキの少ない薄膜型抵抗体を製造するのが困難であった。
【0007】
また、サーマルプリントヘッドを製造する場合に成膜工程に改良を加えても、各発熱体間の抵抗値のバラツキを±10%以内に抑制することは困難であり、このような各発熱体間の抵抗値のバラツキは、カラー印刷を高品位で行うためには大きすぎる。
【0008】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ポリシリコンからなる薄膜型抵抗体を有するサーマルプリントヘッドを、よりコスト安く製造するとともに、各発熱体間の抵抗値のバラツキが所定範囲内である薄膜抵抗体を提供することをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法は、絶縁基板上にシリコン薄膜抵抗体を形成させる工程と、上記シリコン薄膜抵抗体上に導電層を形成させる工程と、上記シリコン薄膜抵抗体を所定面積露出させることにより発熱体を形成させる工程とを少なくとも含むサーマルヘッド製造方法であって、上記シリコン薄膜抵抗体形成工程は、シリコンと導電性を有する他の原子または分子とのスパッタリングにより行われ、上記発熱体にエキシマレーザを照射することによりシリコン薄膜抵抗体をポリシリコン薄膜抵抗体にする工程を含むことを特徴としている。
【0011】
本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法は、ポリシリコン成膜工程が、シリコンターゲットと導電性物質との同時スパッタリングと、エキシマレーザ照射によるシリコンのポリ化とを含んで構成されており、従来のようにポリシリコン成膜工程を減圧CVD法または熱CVD法によって行う必要はない。すなわち、高価なCVD装置を用いる必要はなく、また、危険なシラン、フォスフィン等のガスを用いる必要がないので安価かつ安全にポリシリコン薄膜抵抗体を製造できる。さらに、本願発明においては、薄膜内への導電性物質のドープは、シリコンターゲットとの同時スパッタリングによって行われるので、改めてプラズマドープ法およびイオン注入法により導電性物質を薄膜内にドープする必要がなく、その上薄膜内に導電性物質を均一にドープできる。
【0012】
好ましくは、本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法は、上記シリコン薄膜形成後に絶縁基板およびシリコン薄膜抵抗体にアニール処理を施す工程を含んでいる。
【0013】
シリコン薄膜形成後にアニール処理を施すことにより、シリコンのアモルファス構造の安定化、および、さらなる不純物の均一化が実現する。すなわち、各発熱体間の抵抗値のバラツキが小さくなる。
【0014】
好ましくはさらに、本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法は、上記アニール処理工程後に上記シリコン薄膜抵抗体表面の酸処理を行う工程を含んでいる。
【0015】
このような処理は、シリコンターゲットの固有シート抵抗値が大きい場合に、その抵抗値を下げる必要がある場合やシリコン薄膜抵抗上に酸化膜が形成されてしまった場合等に有効である。
【0016】
さらに好ましくは、上記いずれかのサーマルプリントヘッドの製造方法は、上記発熱体にエキシマレーザを照射することによりポリシリコン薄膜抵抗体の抵抗値を調整する工程を含んでいる。
【0017】
本工程を加えることにより、たとえ各発熱体間の抵抗値に所定範囲以上のバラツキがあったとしても、耐酸化膜および保護膜形成前に各発熱体間の抵抗値のバラツキを所定範囲内に調整でき、各発熱体間の抵抗値のバラツキの小さい精度のよいプリントヘッドを提供することができる。
【0018】
本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法においては、好ましくは上記絶縁基板として、その基板上に部分グレーズが形成されている基板を用いる。絶縁基板上に部分グレーズを形成することにより、記録紙に対する圧力集中を高めるとともに、発熱部に蓄熱性をもたせることがきる。なお、上記絶縁基板上に部分グレーズに限らず全面グレーズを形成させてもよい。
【0019】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1および図2は、アルミナセラミック等の絶縁基板3上に部分グレーズ4が形成された状態の要部断面拡大図および平面図である。
【0022】
上記部分グレーズ4は、記録紙に対する圧力集中を高めるとともに、発熱部に蓄熱性をもたせるために、たとえばガラスペーストを用いた印刷・焼成によって形成され、焼成時のガラス成分の流動化に起因して、滑らかな弓形断面を呈している。
【0023】
図3に示すように、絶縁基板3ないし上記部分グレーズ4の表面には、薄膜状の抵抗体層5が形成され、この抵抗体層5の上層には導電層6が形成される。
【0024】
上記抵抗体層5は、アモルファスシリコンターゲット上に導電性を有するホウ素等のボロンやリンを乗せたターゲットのスパッタリングにより成膜される。より具体的には、固有抵抗が10Ωcm以下のシリコンターゲット上に導電性を有する上記導電性物質を乗せ、装置内のアルゴンガス圧が約1.5×10−3Torrのもとで(高周波電極)スパッタリングを行い、アモルファスシリコン内に上記不純物をドープすることによりアモルファスシリコンを所定の厚み、たとえば5000Åの厚みの抵抗体層5に形成する。この場合、6インチφのシリコンターゲット上に4cm2 のボロン片を乗せた状態で上記のスパッタリングを行う。
【0025】
好ましくは、上記抵抗体層5の形成後に、約10−3Torrの減圧下で約300℃で約2時間のアニール処理を施す。これにより、上記抵抗体層5の構造が安定化され、アモルファスシリコン内にドープされた上記不純物が均一化される。
【0026】
また、必要に応じて、たとえば固有抵抗値が上記抵抗値よりも高いアモルファスシリコンターゲットを用いる場合、あるいは上記抵抗体層5上に酸化膜が形成されているような場合には、フッ酸等により抵抗体層5の表面の酸処理を行うことによりオーミック抵抗を低下させる。
【0027】
一方、上記導電層6は、アルミニウム等の導電性の高い金属等を標準スパッタリング条件(装置内のアルゴンガス圧が約10−3Torrオーダー)下でのスパッタリングにより上記抵抗体層5に積層することにより、その厚みが約6000Åに形成される。
【0028】
次いで、図4に示すように、導電層6の部分グレーズ4に対応する位置を薬品等によるパターニングを行い、部分グレーズ4の頂部付近の抵抗体層5を表面に所定面積露出させ、発熱体7を形成させる。図5に示すように、上記のようにして形成された発熱体7をおのおの独立して駆動させるために、上記抵抗体層5および上記導電層6に対して部分グレーズ4の幅方向に延びるスリット8を形成し、回路パターンを形成する。このとき部分グレーズ4の幅方向に分断された導電層6をそれぞれ6aおよび6bとする。なお、上記した発熱体7およびスリット8の形成順序は上述した順序に限らず、逆にしてもよい。
【0029】
さらに、図6に示すように、上記のようにして形成された発熱体7にKrFエキシマレーザを照射し、シリコン抵抗体のポリ化を行う。上記エキシマレーザの照射は、絶縁基板3を200〜300℃に加熱しながら、エネルギ密度100〜300mJ/cm2 で行われる。これにより、アモルファスシリコン成膜状態で数MΩであった発熱体7が、ポリ化されるとともに、所望のシート抵抗値を得ることができる。図10は、10Hzで10ショットのエキシマレーザを上記発熱体7に照射する場合において、エネルギ密度を変更した場合のシート抵抗値の変化の傾向を表している。上述のようにして5000Åの厚みに形成されたアモルファスシリコン薄膜に対して約240mJ/cm2 のエネルギ密度でエキシマレーザを照射した場合に飽和してポリ化が完了し、シート抵抗が22Ω/□となる。また、この図から、エネルギ密度を選択することにより、ポリ化の程度と、シート抵抗値を選択することができることが判る。すなわち、照射エネルギ密度を増加させることにより、シート抵抗値を下げることができる。
【0030】
周知のとおり、サーマルプリントヘッドによるカラー印刷を行う場合には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、あるいはこれに加えてB(ブラック)の領域を有する昇華型のインクリボンを用いて重ね印刷が行われる。このような印刷形態では高速印刷が必要であるが、高速印刷ほど高温が必要であり、高温使用するほどヘッドの劣化、すなわち発熱体7の劣化が激しい。しかしながら、このようにアモルファスシリコンのポリ化を行うことにより発熱体7の組織が熱に対して安定化し、発熱体7の耐電力性が増す。このことにより、カラー印刷等の高速印刷においてプリントヘッドが高温化される場合にも、従来に比べてプリントヘッドの劣化が低減し、プリントヘッドの寿命が長くなる。
【0031】
上記のようにポリ化形成された各発熱体7は、図5に示すように、矩形ドット状を有し、部分グレーズ4の長手方向に配列される。上記ように配列された各発熱体7は、各発熱体7毎にその抵抗値が測定され、最も抵抗値の高い発熱体7に合わせて許容されるバラツキの範囲にまで発熱体7のトリミングが行われる。
【0032】
上記トリミングは、超低エネルギ密度のKrFエキシマレーザをトリミングすべき各発熱体7の面積の全部あるいは一部を選択して照射することによりおこなわれ、増加させるべき抵抗値に応じてその照射時間、照射面積、エネルギ密度およびショット数が選択される。なお、エネルギ密度は、300〜1000mJ/cm2 が好適であり、照射面積の調整は、図7に示すようなマスク28に設けられたスリット面積を調整することにより行われる。図11は、ポリシリコンにエキシマレーザを照射した場合の抵抗値の変化の傾向を示している。この図から判るように、たとえば500mJ/cm2 のエネルギ密度の場合、10%程度の抵抗値変化率が得られる。1000mJ/cm2 のエネルギ密度の場合、25〜30%程度の抵抗値変化率が得られる。700mJ/cm2 のエキルギ密度の場合、ショット回数により、8〜20%の抵抗値変化率が得られる。したがって、エネルギ密度とショット回数を選択することにより、所望の抵抗値変化率が得られ、さらには、照射面積を選択することにより、さらにきめ細かな抵抗値調整が可能となる。
【0033】
なお、KrFエキシマレーザを用いたシリコン抵抗体のポリ化および各発熱体7の抵抗値の調整は同一工程で行われる。
【0034】
上記のような方法により、各発熱体7の抵抗値のバラツキを所望の範囲にまで抑制することが可能になる。カラー印刷を行う場合、各色の配合割合が僅かに変化しただけでも、色調が大きく変わるのであるが、サーマルプリントヘッドを構成する複数の発熱体の抵抗値が所定範囲に抑制できれば、同一条件で各発熱体を駆動しても、発生する印字エネルギが発熱体ごとに異なってしまうこともなくカラー印刷の品位が著しく向上する。
【0035】
次いで、図8に示すように、上記発熱体7が酸化しないように、たとえばSiO2 からなる耐酸化層9、さらに上記耐酸化層9に、たとえばTa2 O5 あるいはSi3 N4 からなる保護層10をスパッタリングにより積層する。また、回路パターンを形成するスリット8には金属、たとえば金等のメッキを施す。このようにして発熱体7が形成された基板は最終組み立て工程によりサーマルプリントヘッドとして組み立てられる。
【0036】
上記構成のサーマルプリントヘッドの動作を以下に示す。図5に示すように、各発熱体7の左方に位置する各導電層6aは、それぞれ各発熱体7に対する個別電極として機能し、各発熱体7の右方に位置する各導電層6bは、相互に接続しており、共通電極として機能する。駆動IC(図示せず)の出力パッドからの電流は、上記駆動ICの制御の下に各個別電極6aに送られ、発熱体7を介して共通電極6bに送られる。この時、各発熱体7に発生するジュール熱によって発熱体7は発熱する。インクリボンの場合、インクリボンに発熱している発熱体7を接触させ、インクリボンのインクを昇華させ、昇華されたインクを記録紙に転写することにより印字を行う。
【0037】
図9は、シリコン抵抗体のポリ化および発熱体7の抵抗値調整を行うための装置20の一例の概略構成図である。精密駆動可能なXYZステージ21上には、上記したように発熱体7が形成された段階の薄膜型サーマルプリントヘッドの中間品がワークWとして設置される。このワークW上に、縮小投影レンズ22からのエキシマレーザ光が照射される。レーザ光は、ガス供給装置23に接続されたレーザ発振器24によって発振される。レーザ発振器24によって発振されたエキシマレーザの発振パルス周波数、照射パルス等は、制御部によって制御可能である。レーザ発振器24によって発振されたレーザ光は、整光光学系25、可変アッテネータ26を介して進むとともに、反射ミラー27によって方向を変えられ、上記縮小投影レンズ22に導入される。そして、この例では、上記整光光学系25と反射ミラー27との間に、マスク28が介装されている。このマスク28は、上記発熱体7の表面にレーザを照射するべき選択された領域と対応した窓孔を有するものである。上記反射ミラー27の上方には、光源29からの照射光によって照明されたワークWを監視するための光学系30が配置されている。なお、図示は省略するが、ワークWとしての薄膜型サーマルプリントヘッド上の抵抗値調整をするべき発熱体7の抵抗値は、所定のプローブを個別電極および共通電極に接触させることにより監視される。なお、上記マスク28は、ワークWと縮小投影レンズ22との間の適当な位置に配置することもできる。
【0038】
XYZステージ21を駆動してワークWとしての上記薄膜型サーマルプリントヘッド1を発熱体7の配列方向にステップ送りしつつ、各発熱体7にエキシマレーザを照射する。発熱体7の抵抗値の調整の手法は、前述したようにレーザの照射面積および位置を変える方法がある。また、図9に示す構成では、ワークWをステップ送りして各発熱体7の抵抗値調整を行うが、ワークWを固定し、縮小投影レンズ22をステップ送りしてシリコン抵抗体のポリ化および各発熱体7の抵抗値調整を行うようにすることもできる。
【0039】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施形態に限定されるものではない。たとえば、エキシマレーザのガスとしては、上記のようにKrFのほか、ArFあるいはXeClを選択することができるのはもちろんである。また、薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱部の形態も、図に示したような部分グレーズを有する形式のほか、全面グレーズ上に発熱体を配列する形式のもの、あるいは、個別電極パターンとして、いわゆる折り返しパターンを有するものがあり、これらについても、同様にシリコン抵抗体のポリ化および適正な抵抗値調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁基板上に部分グレーズを施した状態の要部断面拡大図である。
【図2】絶縁基板上に部分グレーズを施した状態の平面図である。
【図3】部分グレーズを施した絶縁基盤上に抵抗体層および導電層を積層した状態の要部断面拡大図である。
【図4】導電層の一部のパターニング行い発熱体を形成し、回路形成のためのスリットを形成した状態の要部断面拡大図である。
【図5】導電層の一部のパターニング行い発熱体を形成し、回路形成のためのスリットを形成した状態の平面図である。
【図6】エキシマレーザ照射によるシリコン抵抗体のポリ化を表す図である。
【図7】エキシマレーザ照射による発熱体の抵抗値調整を表す図である。
【図8】発熱体形成後に耐酸化層および保護層を積層した状態の要部断面拡大図である。
【図9】シリコン抵抗体のポリ化および発熱体の抵抗値調整を行うための装置の一例を示す概略構成図である。
【図10】アモルファスシリコンをエキシマレーザ照射によってポリ化する場合の照射エキルギ密度によるシート抵抗値の変化傾向を表すグラフ。
【図11】ポリシリコンにエキシマレーザを照射して抵抗値調整を行う場合の照射エネルギ密度とショット回数による抵抗値変化率の傾向を表すグラフ。
【符号の説明】
3 絶縁基盤
4 部分グレーズ
5 抵抗体層
6 導電層
7 発熱体
【発明の属する技術分野】
本願発明は、薄膜型サーマルプリントヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱方式または熱転写方式によって印字を行うためのサーマルプリントヘッドは、個別に発熱駆動可能な多数の発熱体が絶縁基板上に列状に配置されて構成されている。そして、発熱体の形成方法により、このサーマルプリントヘッドは、厚膜型と薄膜型とに分類することができる。厚膜型のサーマルプリントヘッドにおいては、発熱体は、厚膜印刷法によって形成される。一方、薄膜型のサーマルプリントヘッドにおいては、発熱体は、CVD法またはスパッタリングによって形成される。
【0003】
厚膜型のサーマルプリントヘッドは、比較的簡便に、かつ低いコストで製造することができる。その反面、各発熱体が厚膜状であるために印字ドットがぼけたり、また、印字密度を所定以上に上げることができないという欠点を有する。薄膜型サーマルプリントヘッドは、各発熱体が500〜1500Åの薄膜状であるために、印字ドットにぼやけが少なく、また熱応答性に優れているために高速印字により適しており、厚膜型の場合よりも印字密度を上げることができる等の利点を有する。
【0004】
薄膜型サーマルプリントヘッドの薄膜抵抗体の材料として、ポリシリコンが好適であることが知られている。ポリシリコンは、抵抗温度係数が正であるために、耐電力性に優れ、プリントヘッドの各発熱体内の温度分布が小さい。すなわち各発熱体内の温度が他材料に比べて比較的一定であるので、薄膜型サーマルプリントヘッドの薄膜抵抗体の材料として好適である。
【0005】
従来より、ポリシリコン薄膜抵抗体は、減圧CVDおよび熱CVDによって成膜され、その後、導電性物質をプラズマドープ法およびイオン注入法により上記成膜内にドープし、熱処理により上記導電性物質を上記成膜内に拡散することにより形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、CVD法による成膜工程は、シランやホスフィン等の危険なガスを用いるので安全対策を施すのに多くのコストがかかる上に、薄膜の成膜条件、薄膜にドープされる導電性物質の条件、薄膜の熱処理条件等の厳密な管理が必要であり、各発熱体間の抵抗値のバラツキの少ない薄膜型抵抗体を製造するのが困難であった。
【0007】
また、サーマルプリントヘッドを製造する場合に成膜工程に改良を加えても、各発熱体間の抵抗値のバラツキを±10%以内に抑制することは困難であり、このような各発熱体間の抵抗値のバラツキは、カラー印刷を高品位で行うためには大きすぎる。
【0008】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ポリシリコンからなる薄膜型抵抗体を有するサーマルプリントヘッドを、よりコスト安く製造するとともに、各発熱体間の抵抗値のバラツキが所定範囲内である薄膜抵抗体を提供することをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法は、絶縁基板上にシリコン薄膜抵抗体を形成させる工程と、上記シリコン薄膜抵抗体上に導電層を形成させる工程と、上記シリコン薄膜抵抗体を所定面積露出させることにより発熱体を形成させる工程とを少なくとも含むサーマルヘッド製造方法であって、上記シリコン薄膜抵抗体形成工程は、シリコンと導電性を有する他の原子または分子とのスパッタリングにより行われ、上記発熱体にエキシマレーザを照射することによりシリコン薄膜抵抗体をポリシリコン薄膜抵抗体にする工程を含むことを特徴としている。
【0011】
本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法は、ポリシリコン成膜工程が、シリコンターゲットと導電性物質との同時スパッタリングと、エキシマレーザ照射によるシリコンのポリ化とを含んで構成されており、従来のようにポリシリコン成膜工程を減圧CVD法または熱CVD法によって行う必要はない。すなわち、高価なCVD装置を用いる必要はなく、また、危険なシラン、フォスフィン等のガスを用いる必要がないので安価かつ安全にポリシリコン薄膜抵抗体を製造できる。さらに、本願発明においては、薄膜内への導電性物質のドープは、シリコンターゲットとの同時スパッタリングによって行われるので、改めてプラズマドープ法およびイオン注入法により導電性物質を薄膜内にドープする必要がなく、その上薄膜内に導電性物質を均一にドープできる。
【0012】
好ましくは、本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法は、上記シリコン薄膜形成後に絶縁基板およびシリコン薄膜抵抗体にアニール処理を施す工程を含んでいる。
【0013】
シリコン薄膜形成後にアニール処理を施すことにより、シリコンのアモルファス構造の安定化、および、さらなる不純物の均一化が実現する。すなわち、各発熱体間の抵抗値のバラツキが小さくなる。
【0014】
好ましくはさらに、本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法は、上記アニール処理工程後に上記シリコン薄膜抵抗体表面の酸処理を行う工程を含んでいる。
【0015】
このような処理は、シリコンターゲットの固有シート抵抗値が大きい場合に、その抵抗値を下げる必要がある場合やシリコン薄膜抵抗上に酸化膜が形成されてしまった場合等に有効である。
【0016】
さらに好ましくは、上記いずれかのサーマルプリントヘッドの製造方法は、上記発熱体にエキシマレーザを照射することによりポリシリコン薄膜抵抗体の抵抗値を調整する工程を含んでいる。
【0017】
本工程を加えることにより、たとえ各発熱体間の抵抗値に所定範囲以上のバラツキがあったとしても、耐酸化膜および保護膜形成前に各発熱体間の抵抗値のバラツキを所定範囲内に調整でき、各発熱体間の抵抗値のバラツキの小さい精度のよいプリントヘッドを提供することができる。
【0018】
本願発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法においては、好ましくは上記絶縁基板として、その基板上に部分グレーズが形成されている基板を用いる。絶縁基板上に部分グレーズを形成することにより、記録紙に対する圧力集中を高めるとともに、発熱部に蓄熱性をもたせることがきる。なお、上記絶縁基板上に部分グレーズに限らず全面グレーズを形成させてもよい。
【0019】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1および図2は、アルミナセラミック等の絶縁基板3上に部分グレーズ4が形成された状態の要部断面拡大図および平面図である。
【0022】
上記部分グレーズ4は、記録紙に対する圧力集中を高めるとともに、発熱部に蓄熱性をもたせるために、たとえばガラスペーストを用いた印刷・焼成によって形成され、焼成時のガラス成分の流動化に起因して、滑らかな弓形断面を呈している。
【0023】
図3に示すように、絶縁基板3ないし上記部分グレーズ4の表面には、薄膜状の抵抗体層5が形成され、この抵抗体層5の上層には導電層6が形成される。
【0024】
上記抵抗体層5は、アモルファスシリコンターゲット上に導電性を有するホウ素等のボロンやリンを乗せたターゲットのスパッタリングにより成膜される。より具体的には、固有抵抗が10Ωcm以下のシリコンターゲット上に導電性を有する上記導電性物質を乗せ、装置内のアルゴンガス圧が約1.5×10−3Torrのもとで(高周波電極)スパッタリングを行い、アモルファスシリコン内に上記不純物をドープすることによりアモルファスシリコンを所定の厚み、たとえば5000Åの厚みの抵抗体層5に形成する。この場合、6インチφのシリコンターゲット上に4cm2 のボロン片を乗せた状態で上記のスパッタリングを行う。
【0025】
好ましくは、上記抵抗体層5の形成後に、約10−3Torrの減圧下で約300℃で約2時間のアニール処理を施す。これにより、上記抵抗体層5の構造が安定化され、アモルファスシリコン内にドープされた上記不純物が均一化される。
【0026】
また、必要に応じて、たとえば固有抵抗値が上記抵抗値よりも高いアモルファスシリコンターゲットを用いる場合、あるいは上記抵抗体層5上に酸化膜が形成されているような場合には、フッ酸等により抵抗体層5の表面の酸処理を行うことによりオーミック抵抗を低下させる。
【0027】
一方、上記導電層6は、アルミニウム等の導電性の高い金属等を標準スパッタリング条件(装置内のアルゴンガス圧が約10−3Torrオーダー)下でのスパッタリングにより上記抵抗体層5に積層することにより、その厚みが約6000Åに形成される。
【0028】
次いで、図4に示すように、導電層6の部分グレーズ4に対応する位置を薬品等によるパターニングを行い、部分グレーズ4の頂部付近の抵抗体層5を表面に所定面積露出させ、発熱体7を形成させる。図5に示すように、上記のようにして形成された発熱体7をおのおの独立して駆動させるために、上記抵抗体層5および上記導電層6に対して部分グレーズ4の幅方向に延びるスリット8を形成し、回路パターンを形成する。このとき部分グレーズ4の幅方向に分断された導電層6をそれぞれ6aおよび6bとする。なお、上記した発熱体7およびスリット8の形成順序は上述した順序に限らず、逆にしてもよい。
【0029】
さらに、図6に示すように、上記のようにして形成された発熱体7にKrFエキシマレーザを照射し、シリコン抵抗体のポリ化を行う。上記エキシマレーザの照射は、絶縁基板3を200〜300℃に加熱しながら、エネルギ密度100〜300mJ/cm2 で行われる。これにより、アモルファスシリコン成膜状態で数MΩであった発熱体7が、ポリ化されるとともに、所望のシート抵抗値を得ることができる。図10は、10Hzで10ショットのエキシマレーザを上記発熱体7に照射する場合において、エネルギ密度を変更した場合のシート抵抗値の変化の傾向を表している。上述のようにして5000Åの厚みに形成されたアモルファスシリコン薄膜に対して約240mJ/cm2 のエネルギ密度でエキシマレーザを照射した場合に飽和してポリ化が完了し、シート抵抗が22Ω/□となる。また、この図から、エネルギ密度を選択することにより、ポリ化の程度と、シート抵抗値を選択することができることが判る。すなわち、照射エネルギ密度を増加させることにより、シート抵抗値を下げることができる。
【0030】
周知のとおり、サーマルプリントヘッドによるカラー印刷を行う場合には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、あるいはこれに加えてB(ブラック)の領域を有する昇華型のインクリボンを用いて重ね印刷が行われる。このような印刷形態では高速印刷が必要であるが、高速印刷ほど高温が必要であり、高温使用するほどヘッドの劣化、すなわち発熱体7の劣化が激しい。しかしながら、このようにアモルファスシリコンのポリ化を行うことにより発熱体7の組織が熱に対して安定化し、発熱体7の耐電力性が増す。このことにより、カラー印刷等の高速印刷においてプリントヘッドが高温化される場合にも、従来に比べてプリントヘッドの劣化が低減し、プリントヘッドの寿命が長くなる。
【0031】
上記のようにポリ化形成された各発熱体7は、図5に示すように、矩形ドット状を有し、部分グレーズ4の長手方向に配列される。上記ように配列された各発熱体7は、各発熱体7毎にその抵抗値が測定され、最も抵抗値の高い発熱体7に合わせて許容されるバラツキの範囲にまで発熱体7のトリミングが行われる。
【0032】
上記トリミングは、超低エネルギ密度のKrFエキシマレーザをトリミングすべき各発熱体7の面積の全部あるいは一部を選択して照射することによりおこなわれ、増加させるべき抵抗値に応じてその照射時間、照射面積、エネルギ密度およびショット数が選択される。なお、エネルギ密度は、300〜1000mJ/cm2 が好適であり、照射面積の調整は、図7に示すようなマスク28に設けられたスリット面積を調整することにより行われる。図11は、ポリシリコンにエキシマレーザを照射した場合の抵抗値の変化の傾向を示している。この図から判るように、たとえば500mJ/cm2 のエネルギ密度の場合、10%程度の抵抗値変化率が得られる。1000mJ/cm2 のエネルギ密度の場合、25〜30%程度の抵抗値変化率が得られる。700mJ/cm2 のエキルギ密度の場合、ショット回数により、8〜20%の抵抗値変化率が得られる。したがって、エネルギ密度とショット回数を選択することにより、所望の抵抗値変化率が得られ、さらには、照射面積を選択することにより、さらにきめ細かな抵抗値調整が可能となる。
【0033】
なお、KrFエキシマレーザを用いたシリコン抵抗体のポリ化および各発熱体7の抵抗値の調整は同一工程で行われる。
【0034】
上記のような方法により、各発熱体7の抵抗値のバラツキを所望の範囲にまで抑制することが可能になる。カラー印刷を行う場合、各色の配合割合が僅かに変化しただけでも、色調が大きく変わるのであるが、サーマルプリントヘッドを構成する複数の発熱体の抵抗値が所定範囲に抑制できれば、同一条件で各発熱体を駆動しても、発生する印字エネルギが発熱体ごとに異なってしまうこともなくカラー印刷の品位が著しく向上する。
【0035】
次いで、図8に示すように、上記発熱体7が酸化しないように、たとえばSiO2 からなる耐酸化層9、さらに上記耐酸化層9に、たとえばTa2 O5 あるいはSi3 N4 からなる保護層10をスパッタリングにより積層する。また、回路パターンを形成するスリット8には金属、たとえば金等のメッキを施す。このようにして発熱体7が形成された基板は最終組み立て工程によりサーマルプリントヘッドとして組み立てられる。
【0036】
上記構成のサーマルプリントヘッドの動作を以下に示す。図5に示すように、各発熱体7の左方に位置する各導電層6aは、それぞれ各発熱体7に対する個別電極として機能し、各発熱体7の右方に位置する各導電層6bは、相互に接続しており、共通電極として機能する。駆動IC(図示せず)の出力パッドからの電流は、上記駆動ICの制御の下に各個別電極6aに送られ、発熱体7を介して共通電極6bに送られる。この時、各発熱体7に発生するジュール熱によって発熱体7は発熱する。インクリボンの場合、インクリボンに発熱している発熱体7を接触させ、インクリボンのインクを昇華させ、昇華されたインクを記録紙に転写することにより印字を行う。
【0037】
図9は、シリコン抵抗体のポリ化および発熱体7の抵抗値調整を行うための装置20の一例の概略構成図である。精密駆動可能なXYZステージ21上には、上記したように発熱体7が形成された段階の薄膜型サーマルプリントヘッドの中間品がワークWとして設置される。このワークW上に、縮小投影レンズ22からのエキシマレーザ光が照射される。レーザ光は、ガス供給装置23に接続されたレーザ発振器24によって発振される。レーザ発振器24によって発振されたエキシマレーザの発振パルス周波数、照射パルス等は、制御部によって制御可能である。レーザ発振器24によって発振されたレーザ光は、整光光学系25、可変アッテネータ26を介して進むとともに、反射ミラー27によって方向を変えられ、上記縮小投影レンズ22に導入される。そして、この例では、上記整光光学系25と反射ミラー27との間に、マスク28が介装されている。このマスク28は、上記発熱体7の表面にレーザを照射するべき選択された領域と対応した窓孔を有するものである。上記反射ミラー27の上方には、光源29からの照射光によって照明されたワークWを監視するための光学系30が配置されている。なお、図示は省略するが、ワークWとしての薄膜型サーマルプリントヘッド上の抵抗値調整をするべき発熱体7の抵抗値は、所定のプローブを個別電極および共通電極に接触させることにより監視される。なお、上記マスク28は、ワークWと縮小投影レンズ22との間の適当な位置に配置することもできる。
【0038】
XYZステージ21を駆動してワークWとしての上記薄膜型サーマルプリントヘッド1を発熱体7の配列方向にステップ送りしつつ、各発熱体7にエキシマレーザを照射する。発熱体7の抵抗値の調整の手法は、前述したようにレーザの照射面積および位置を変える方法がある。また、図9に示す構成では、ワークWをステップ送りして各発熱体7の抵抗値調整を行うが、ワークWを固定し、縮小投影レンズ22をステップ送りしてシリコン抵抗体のポリ化および各発熱体7の抵抗値調整を行うようにすることもできる。
【0039】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施形態に限定されるものではない。たとえば、エキシマレーザのガスとしては、上記のようにKrFのほか、ArFあるいはXeClを選択することができるのはもちろんである。また、薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱部の形態も、図に示したような部分グレーズを有する形式のほか、全面グレーズ上に発熱体を配列する形式のもの、あるいは、個別電極パターンとして、いわゆる折り返しパターンを有するものがあり、これらについても、同様にシリコン抵抗体のポリ化および適正な抵抗値調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁基板上に部分グレーズを施した状態の要部断面拡大図である。
【図2】絶縁基板上に部分グレーズを施した状態の平面図である。
【図3】部分グレーズを施した絶縁基盤上に抵抗体層および導電層を積層した状態の要部断面拡大図である。
【図4】導電層の一部のパターニング行い発熱体を形成し、回路形成のためのスリットを形成した状態の要部断面拡大図である。
【図5】導電層の一部のパターニング行い発熱体を形成し、回路形成のためのスリットを形成した状態の平面図である。
【図6】エキシマレーザ照射によるシリコン抵抗体のポリ化を表す図である。
【図7】エキシマレーザ照射による発熱体の抵抗値調整を表す図である。
【図8】発熱体形成後に耐酸化層および保護層を積層した状態の要部断面拡大図である。
【図9】シリコン抵抗体のポリ化および発熱体の抵抗値調整を行うための装置の一例を示す概略構成図である。
【図10】アモルファスシリコンをエキシマレーザ照射によってポリ化する場合の照射エキルギ密度によるシート抵抗値の変化傾向を表すグラフ。
【図11】ポリシリコンにエキシマレーザを照射して抵抗値調整を行う場合の照射エネルギ密度とショット回数による抵抗値変化率の傾向を表すグラフ。
【符号の説明】
3 絶縁基盤
4 部分グレーズ
5 抵抗体層
6 導電層
7 発熱体
Claims (5)
- 絶縁基板上にシリコン薄膜抵抗体を形成させる工程と、上記シリコン薄膜抵抗体上に導電層を形成させる工程と、上記シリコン薄膜抵抗体を所定面積露出させることにより発熱体を形成させる工程とを少なくとも含むサーマルプリントヘッドの製造方法であって、
上記シリコン薄膜抵抗体形成工程は、シリコンと導電性を有する他の原子または分子との同時スパッタリングにより行われ、
上記発熱体にエキシマレーザを照射することによりシリコン薄膜抵抗体をポリシリコン薄膜抵抗体にする工程を含むことを特徴とする、サーマルプリントヘッドの製造方法。 - 上記シリコン薄膜形成後に絶縁基板およびシリコン薄膜抵抗体にアニール処理を施す工程を含む、請求項1に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
- 上記アニール処理工程後に上記シリコン薄膜抵抗体表面の酸処理を行う工程を含む、請求項2に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
- 上記発熱体にエキシマレーザを照射することによりポリシリコン薄膜抵抗体の抵抗値調整工程を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
- 上記絶縁基板として、その基板上に部分グレーズが形成されている基板を用いる、請求項1ないし4のいずれかに記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
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