JPH09246023A - 薄膜抵抗体の抵抗値調整方法、薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱体抵抗値の調整方法、および、薄膜型サーマルプリントヘッド - Google Patents

薄膜抵抗体の抵抗値調整方法、薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱体抵抗値の調整方法、および、薄膜型サーマルプリントヘッド

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JPH09246023A
JPH09246023A JP8057404A JP5740496A JPH09246023A JP H09246023 A JPH09246023 A JP H09246023A JP 8057404 A JP8057404 A JP 8057404A JP 5740496 A JP5740496 A JP 5740496A JP H09246023 A JPH09246023 A JP H09246023A
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thin film
heating element
print head
thermal print
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Yasuhisa Fujii
泰久 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】CVDまたはスパッタリングによって形成され
る薄膜抵抗体の抵抗値を、上記薄膜抵抗体の形成後に容
易に調整することができる新たな技術を提供する。 【解決手段】絶縁体上に、CVDまたはスパッタリング
によって形成された薄膜抵抗体にエキシマレーザを超低
エネルギ密度で照射する。抵抗体の抵抗値を監視しつ
つ、エキシマレーザの照射エネルギ密度および/または
パルス照射回数を選択することにより、上記薄膜抵抗体
の所望の抵抗値を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、薄膜抵抗体の抵
抗値調整方法、薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱体
抵抗値の調整方法、および薄膜型サーマルプリントヘッ
ドに関するものであり、より具体的には、薄膜状に形成
された抵抗体の抵抗値を所望のように調整するための技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱方式または熱転写方式によって印字
を行うためのサーマルプリントヘッドは、個別に発熱駆
動可能な多数の発熱体が絶縁基板上に列状に配置されて
構成されている。そして、発熱体の形成方式により、こ
のサーマルプリントヘッドは、厚膜型と薄膜型とに分類
することができる。厚膜型のサーマルプリントヘッドに
おいては、発熱体は、厚膜印刷法によって形成される。
一方、薄膜型のサーマルプリントヘッドにおいては、発
熱体は、CVDまたはスパッタリングによって形成され
る。
【0003】厚膜型のサーマルプリントヘッドは、比較
的簡便に、かつコスト安く製造することができるという
利点を有する反面、各発熱体が厚膜状であるために印字
ドットがぼけたり、また、印字密度を所定以上に上げる
ことができないという欠点を有する。薄膜型サーマルプ
リントヘッドは、各発熱体が500〜1500Åの薄膜
状であるため、印字ドットにぼけが少なく、また熱応答
性に優れるために高速印字により適しており、厚膜型の
場合よりも印字密度を上げることができる等の利点を有
するが、CVDやスパッタリングによる成膜工程やフォ
トリソ工程を繰り返すために製造コストが高いという欠
点がある。
【0004】たとえば、A4サイズの記録紙に200d
piの印字密度で印字を行うべくサーマルプリントヘッ
ドを構成する場合、1728個の発熱体が1列に配列さ
れる。そして、これらの発熱体の各々の抵抗値は、一定
であることが印字品質を高める上で望ましいが、基板上
に発熱体が形成された時点では、各発熱体の抵抗値には
どうしてもバラツキが生じる。発熱体のパターンサイズ
と厚みにバラツキが生じるからである。
【0005】厚膜型のサーマルプリントヘッドの場合、
上記のような各発熱体の抵抗値のバラツキを修正するた
めに、パルストリミングと呼ばれる抵抗値調整が行われ
る。すなわち、測定プローブを基板の適部に接触させて
各発熱体の抵抗値を監視しつつ、この発熱体の測定抵抗
値が所定の範囲内に入るように、当該発熱体にパルス電
流を流す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、薄膜型
サーマルプリントヘッドにおいては、前述のように発熱
体の膜厚が500〜1500Åといったきわめて薄状で
あるため、上記のようなパルストリミングによる抵抗値
調整は不可能である。
【0007】ところで、近年、サーマルプリントヘッド
によってカラー印字を行わせる試みが盛んであり、この
場合、一定以上の印字品質を得るために、薄膜型のサー
マルプリントヘッドが採用される場合が多い。サーマル
プリントヘッドによるカラー印字においては、Y(イエ
ロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、あるいはこれ
に加えてB(ブラック)の領域を有する昇華型のインク
リボンを用いて重ね印刷が行われる。昇華型のインクリ
ボンは、付与される熱に応じて、記録紙に転写されるイ
ンクの量を変化させることができ、したがって、各色の
印刷を行うに際して発熱体に与える印字エネルギを多段
階に変化させることにより、多階調のカラー印刷を行う
ことができる。このような多階調の印刷を行う場合、サ
ーマルプリントヘッドの各発熱体の抵抗値のバラツキを
所定の範囲内に抑制することが、より強く求められる。
周知のとおり、カラー印刷を行う場合、各色の配合割合
がわずかに変化しただけでも、色調が大きく変わるから
である。かりにサーマルプリントヘッドを構成する複数
の発熱体の抵抗値に大きなバラツキが存在すると、同一
条件で各発熱体を駆動しても、発生する印字エネルギが
発熱体ごとに異なってしまい、その結果として、カラー
印刷の品位が著しく低下してしまう。
【0008】通常の製造過程によって薄膜型のサーマル
プリントヘッドを形成する場合、成膜工程に改良を加え
ても、各発熱体間の抵抗値のバラツキを±10%以内に
抑制することは困難であるといわれている。このような
発熱体間の抵抗値のバラツキは、上記のようなカラー印
刷を高品位で行うためには、大きすぎる。
【0009】本願発明は、上記のような事情のもとで考
え出されたものであって、CVDまたはスパッタリング
によって形成される薄膜抵抗体の抵抗値を、上記薄膜抵
抗体の形成後に容易に調整することができる新たな技術
を提供することをその課題としている。
【0010】
【発明の開示】本願発明の第1の側面によれば、薄膜抵
抗体の抵抗値調整方法が提供され、この方法は、絶縁体
上に、CVDまたはスパッタリングによって形成された
薄膜抵抗体の抵抗値調整方法であって、上記薄膜抵抗体
にエキシマレーザを照射することに特徴づけられる。
【0011】好ましい実施形態においては、上記エキシ
マレーザの照射は、超低エネルギ密度による照射であっ
て、そのエネルギ密度および/またはパルス照射回数を
選択することにより、上記薄膜抵抗体の所望の抵抗値を
得る。上記エキシマレーザのエネルギ密度は、TaSi
2 によって500〜1300Åの厚みで形成した薄膜
抵抗体の場合、好ましくは、60〜180mJ/cm2 、よ
り好ましくは80〜150mJ/cm2 である。
【0012】エキシマレーザは、紫外線を発振できるレ
ーザであり、YAGレーザやCO2レーザ等の他のレー
ザに比較して、高い光子エネルギをもつとともに、短い
パルス幅と高いピーク出力をもつという特性をもってい
る。本願の発明者は、このような特性をもつエキシマレ
ーザのエネルギ密度および/またはパルス照射回数を選
択することにより、たとえば、TaSiO2 からなる薄
膜抵抗体の抵抗値を所望のように下げることができるこ
とを見出した。上記光子エネルギにより、上記薄膜抵抗
体の絶縁成分であるSiO2 が部分的に分子間結合解離
を起こし、全体としての抵抗値が低下してゆくものと思
われる。ただし、上記エキシマレーザの照射エネルギ密
度は、上述のように、60〜180mJ/cm2 、より好ま
しくは80〜150mJ/cm2 というきわめて低い範囲を
選択するべきことが判っている。
【0013】このようなことから、本願発明の第1の側
面による薄膜抵抗体の抵抗値調整方法によれば、従来、
膜形成後の抵抗値調整が不可能と考えられていた薄膜抵
抗体の抵抗値調整が、比較的簡単に行えることとなっ
た。
【0014】本願発明の第2の側面によれば、薄膜型サ
ーマルプリントヘッドの発熱体抵抗の調整方法が提供さ
れ、この方法は、絶縁基板上にCVDまたはスパッタリ
ングによって形成された薄膜抵抗体からなる複数の発熱
体が配置された薄膜型サーマルプリントヘッドにおける
上記発熱体の抵抗値調整方法であって、上記各発熱体の
抵抗値が所望の抵抗値となるように、エキシマレーザを
照射することに特徴づけられる。
【0015】好ましい実施形態においては、上記エキシ
マレーザの照射は、超低エネルギ密度による照射であっ
て、そのエネルギ密度および/またはパルス照射回数を
選択することにより、上記各発熱体の抵抗値が所望の抵
抗値となるようにする。
【0016】本願発明の第2の側面による方法は、第1
の側面による薄膜抵抗体の抵抗値調整方法を薄膜型サー
マルプリントヘッドの発熱体の抵抗値調整に適用したも
のである。このような方法によれば、従来、成膜後に抵
抗値調整が不可能であった薄膜型サーマルプリントヘッ
ドにおける各発熱体の抵抗値を所望の抵抗値に揃えるこ
とが可能となる。このようにして各発熱体の抵抗値のバ
ラツキを所定の範囲に揃えられた薄膜型サーマルプリン
トヘッドは、その印字品質がより高められるとともに、
昇華型のインクリボンを用いた多階調カラー印刷にも充
分適したものとすることが可能となる。
【0017】本願発明との第3の側面によれば、薄膜型
サーマルプリントヘッドが提供され、これは、絶縁基板
上にCVDまたはスパッタリングによって形成された薄
膜抵抗体からなる複数の発熱体が配置された薄膜型サー
マルプリントヘッドであって、上記各発熱体は、エキシ
マレーザの照射によってその抵抗値が調整されているこ
とに特徴づけられる。
【0018】上記したことから判るように、この薄膜型
サーマルプリントヘッドは、各発熱体の成膜時に存在し
た抵抗値のバラツキが、所定の範囲内に抑制されている
ので、その印字品質がより高められるとともに、昇華型
のインクリボンを用いた多階調カラー印刷にも充分適し
たものとなる。
【0019】本願発明のその他の特徴および利点は、図
面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかと
なろう。
【0020】
【発明の実施形態】以下、本願発明の好ましい実施形態
を、図面を参照して具体的に説明する。本願発明は、薄
膜形成された抵抗体の抵抗値を簡易に調整するための新
たな技術に関するものであるが、本願発明技術は、薄膜
型サーマルプリントヘッドにおける発熱体の抵抗値を調
整する場合に好適に適用することができる。
【0021】図1は、薄膜型サーマルプリントヘッド1
の発熱部2の代表的な断面構造を厚み方向に強調して示
している。図2は、上記発熱部の平面的な配置を示して
いる。アルミナセラミック等の絶縁基板3の上に、記録
紙に対する圧力集中を高めるとともに発熱部に蓄熱性を
与えるための部分グレーズ4が形成されている。この部
分グレーズ4は、ガラスペーストを用いた印刷・焼成に
よって形成され、焼成時におけるガラス成分の流動化に
起因して、滑らかな弓形断面を呈している。
【0022】絶縁基板3ないし上記部分グレーズ4の表
面には、薄膜状の抵抗体層5が形成される。この抵抗体
層5は、たとえばTaSiO2 を用いたCVD法または
スパッタリングにより、500〜1500Åの薄膜状に
形成される。この抵抗体層5の上層には、部分グレーズ
4の頂部において所定範囲にわたって上記抵抗体層5を
露出させるようにして導体層6a,6bが形成される。
この導体層6a,6bは、たとえばAlを用いたスパッ
タリングにより、0.5〜2.0μmの厚みに形成され
る。抵抗体層5のうち、上記部分グレーズ4の頂部付近
において、導体層6a,6bに覆われずに露出する部分
が、発熱体7として機能する。
【0023】上記抵抗体層5および導体層6a,6bに
は、図2に示すようにスリット8が入れられており、各
発熱体7が独立して駆動可能とされている。各発熱体7
に対して図1および図2の左方に延出していて上記スリ
ット8によって互いに独立に分断されている導体層6a
は、それぞれ個別電極として機能し、図示しない駆動I
Cの出力パッドにそれぞれ電気的に導通させられる。各
発熱体7に対して図1および図2の右方に延出する導体
層6bは、相互に接続されていて、共通電極として機能
する。
【0024】図1において符号9は、たとえばSiO2
からなる耐酸化層を、符号10はたとえばTa2 5
るいはSi3 4 からなる保護層を、それぞれ示してお
り、いずれもCVDあるいはスパッタリングによって形
成される。なお、耐酸化層9の厚みは、たとえば0.5
〜1.5μm、保護層10の厚みは、たとえば3〜6μ
mに設定される。
【0025】上記の構成において、いずれかの個別電極
6aがオン駆動されると、上記導体層6a,6bに覆わ
れずに露出する抵抗体層5からなる発熱体7が、個別に
発熱駆動される。
【0026】上記のような発熱部2の構成を備える薄膜
型サーマルプリントヘッド1は、たとえば次のような工
程を経て製造される。
【0027】まず、図3に示すように、絶縁基板3上に
部分グレーズ4を形成した後、抵抗体層5、および導体
層6を順次CVDあるいはスパッタリングによって薄膜
形成する。抵抗体層5および導体層6の材質および好適
な厚みは、前述したとおりである。
【0028】次いで、図4に示すように、第1回のフォ
トリソ工程により、上記抵抗体層5および上記導体層6
に対し、部分グレーズ4の幅方向に延びるスリット8を
形成することにより、回路パターンを形成する。
【0029】次いで、図5に示すように、第2回のフォ
トリソ工程により、上記導体層6のみがエッチングさ
れ、その下層の抵抗体層5が露出させられる。こうして
露出させられた抵抗体層5が発熱体7として機能するこ
とは、前述したとおりである。
【0030】次いで、耐酸化層9および保護層10がC
VDあるいはスパッタリングによって形成される。これ
ら耐酸化層9および保護層10の材質および好適な厚み
は、前述したとおりである。
【0031】たとえば、200dpiの印字密度を達成
する場合、上記発熱体7は、図6に示すように、その長
手方向寸法Lが182μm、幅寸法Wが112μmの矩
形ドット状であって、その厚みはたとえば540Åとさ
れ、125μmピッチで部分グレーズ4の長手方向に配
列される。この発熱体7の材質としては、前述したよう
にTaSiO2 が好適であり、そのシート抵抗は358
Ω/□である。本願発明においては、このような発熱体
7の抵抗値の調整を、上記耐酸化層9および保護層10
を形成する前の段階において、次のようにして行う。
【0032】すなわち、各発熱体7の全面積またはその
一部を選択して、超低エネルギ密度のエキシマレーザを
照射することにより、各発熱体7の抵抗値を低下させ
る。より具体的には、共通電極6bと個別電極6a間に
図示しないプローブを接触させて、当該個別電極6aと
対応する発熱体7の抵抗値を監視しつつ、この発熱体7
にエキシマレーザを照射する。より好適には、エキシマ
レーザのエネルギ密度を一定の選択したエネルギ密度と
しつつ、当該発熱体の抵抗値が所望の抵抗値となるま
で、照射パルス数を累増させる。このような操作をすべ
ての発熱体7について行うことにより、複数の上記発熱
体7が配列されてなる薄膜型サーマルプリントヘッドに
おける上記発熱体7の抵抗値を一定の許容しうるバラツ
キの範囲内に収めることができる。
【0033】図7は、KrFエキシマレーザを図6に示
した発熱体7の全表面に照射するに当たり、照射エネル
ギ密度を86mJ/cm2 に、照射パルス周波数を50Hzに
設定し、照射パルス数を種々に変化させた場合の抵抗値
変化率の変化を示すグラフである。このグラフから判る
ように、照射パルス数が多くなるにしたがって、発熱体
7の抵抗値変化率(抵抗値低下率)が大きくなる。した
がって、照射パルス数を選択することにより、発熱抵抗
体7の抵抗値を所望のように調整することができる。な
お、図7のグラフから、照射パルス数が比較的少ない領
域では、抵抗値変化率の変化が急激であるが、ある程度
の照射パルス数を超えると、照射パルス数と抵抗値変化
率との関係は、線型となる。したがって、この線型な関
係を有する範囲を用いることにより、より正確な抵抗値
調整を行うことができる。なお、さらにきめ細かな調整
を行うには、図6に示したような平面形態をもつ発熱体
7の全表面にエキシマレーザの照射を行うのではなく、
その選択した部分的範囲にのみ上記のようにエキシマレ
ーザの照射を行えばよい。
【0034】図8は、KrFエキシマレーザを図6に示
した発熱体7の全表面に照射するに当たり、照射パルス
周波数を10Hzに、照射パルス数を10に、それぞれ設
定し、照射エネルギ密度を種々に変化させた場合の抵抗
値変化率の変化を示すグラフである。このグラフから判
るように、照射エネルギ密度を60mJ/cm2 付近から増
大させるにしたがって、発熱体7の抵抗値が次第に低下
する。なお、このグラフには明確に表れていないが、エ
ネルギ密度が150mJ/cm2 を超えると、1パルスによ
って生じる抵抗値変化が大きすぎ、発熱体の抵抗値調整
としては不適である。このグラフが示す傾向にしたがっ
てエキシマレーザの照射エネルギを選択することによ
り、発熱体の抵抗値を目的の抵抗値に調整することが可
能である。
【0035】図9は、TaSiO2 を654Åの厚みに
形成した抵抗体にエキシマレーザを照射するにあたり、
同一の対象物に対する照射パルス数を累増させてゆく過
程において、抵抗値変化率がどのように推移するかを、
種々のエネルギ密度について調べた結果を表すグラフで
ある。このグラフからも、エキルギ密度を抵抗体の材質
および厚みに対して最適に設定しておけば、照射パルス
数を累増させることにより、所望の抵抗値を得ることが
できることが判る。
【0036】図10は、上記のようなエキシマレーザに
よる薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱体抵抗値の調
整を行うための装置20の一例の概略構成図である。精
密駆動可能なXYZステージ21上には、上記したよう
に発熱体7が形成された段階の薄膜型サーマルプリント
ヘッドの中間品がワークWとして設置される。このワー
クW上に、縮小投影レンズ22からのエキシマレーザ光
が照射される。レーザ光は、ガス供給装置23に接続さ
れたレーザ発振器24によって発振される。レーザ発振
器24によって発振されるエキシマレーザの発振パルス
周波数、照射パルス数等は、制御部によって制御可能で
ある。レーザ発振器24によって発振されたレーザ光
は、整形光学系25、可変アッテネータ26を介して進
むとともに、反射ミラー27によって方向を変えられ、
上記縮小投影レンズ22に導入される。そして、この例
では、上記整形光学系25と反射ミラー27との間に、
マスク28が介装されている。このマスク28は、上記
発熱体7の平面視形態と対応した窓孔を有するものであ
り、上記発熱体7にのみエキシマレーザを照射するため
のものである。上記反射ミラー27の上方には、光源2
9からの照明光によって照明されたワークWを監視する
ための光学系30が配置されている。なお、図示は省略
するが、ワークWとしての薄膜型サーマルプリントヘッ
ド上の抵抗値調整をするべき発熱体7の抵抗値は、所定
の測定プローブを個別電極および共通電極に接触させる
ことにより、監視される。
【0037】XYZステージ21を駆動してワークWと
しての上記薄膜型サーマルプリントヘッド1を発熱体7
の配列方向にステップ送りしつつ、各発熱体7にエキシ
マレーザを照射し、この発熱体の抵抗値を所望の値に調
整する操作を順次行う。発熱体の抵抗値の調整の手法
は、前述したようにレーザの照射パルス数を累増させる
方法と、レーザの照射エネルギ密度を変化させる方法と
がある。また、図10に示す構成では、ワークWをステ
ップ送りして各発熱体7の抵抗値調整を行うが、ワーク
Wを固定し、縮小投影レンズ22をステップ送りして各
発熱体の抵抗値調整を行うようにすることもできる。
【0038】もちろん、この発明の範囲は上述した実施
形態に限定されるものではない。エキシマレーザのガス
としては、上記のようにKrFのほか、ArFあるいは
XeClを選択することができることはもちろんであ
る。また、薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱体の抵
抗値の調整を行う場合において、この薄膜型サーマルプ
リントヘッドの発熱部の形態も、図に示したような部分
グレーズを有する形式のほか、全面グレーズ上に発熱体
を配列する形式のもの、あるいは、個別電極パターンと
して、いわゆる折り返しパターンを有するものがあり、
これらについても、同様に適正な抵抗値調整を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明方法によって抵抗値調整を行う対象と
しての薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱部の構造を
厚み方向に強調して示す拡大断面図である。
【図2】図1に示される薄膜型サーマルプリントヘッド
の発熱部の拡大平面図である。
【図3】図1に示される薄膜型サーマルプリントヘッド
の製造過程を示し、絶縁基板上に部分グレーズ、抵抗体
層および導体層を形成した段階を示す。
【図4】図1に示される薄膜型サーマルプリントヘッド
の製造過程を示し、上記抵抗体層および導体層にスリッ
トをいれた段階を示す。
【図5】図1に示される薄膜型サーマルプリントヘッド
の製造過程を示し、上記導体層の一部をエッチングによ
って除去し、抵抗体層を一部露出させて発熱体を形成し
た段階を示す。
【図6】発熱体の平面形態の詳細を示す模式的平面図で
ある。
【図7】本願発明方法の作用を説明するためのグラフで
ある。
【図8】本願発明方法の作用を説明するためのグラフで
ある。
【図9】本願発明方法の作用を説明するためのグラフで
ある。
【図10】本願発明方法を実施するための装置の一例の
概略構成図である。
【符号の説明】
1 薄膜型サーマルプリントヘッド 2 発熱部 3 絶縁基板 4 部分グレーズ 5 抵抗体層 6 導体層 6a 個別電極 6b 共通電極 7 発熱体 8 スリット 9 耐酸化層 10 保護層 20 レキシマレーザ照射装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体上に、CVDまたはスパッタリン
    グによって形成された薄膜抵抗体の抵抗値調整方法であ
    って、 上記薄膜抵抗体にエキシマレーザを照射することを特徴
    とする、薄膜抵抗体の抵抗値調整方法。
  2. 【請求項2】 上記エキシマレーザの照射は、超低エネ
    ルギ密度による照射であって、そのエネルギ密度および
    /またはパルス照射回数を選択することにより、上記薄
    膜抵抗体の所望の抵抗値を得ることを特徴とする、請求
    項1に記載の薄膜抵抗体の抵抗値調整方法。
  3. 【請求項3】 絶縁基板上にCVDまたはスパッタリン
    グによって形成された薄膜抵抗体からなる複数の発熱体
    が配置された薄膜型サーマルプリントヘッドにおける上
    記発熱体の抵抗値調整方法であって、 上記各発熱体の抵抗値が所望の抵抗値となるように、エ
    キシマレーザを照射することを特徴とする、薄膜型サー
    マルプリントヘッドの発熱体抵抗値の調整方法。
  4. 【請求項4】 上記エキシマレーザの照射は、超低エネ
    ルギ密度による照射であって、そのエネルギ密度および
    /またはパルス照射回数を選択することにより、上記各
    発熱体の抵抗値が所望の抵抗値となるようにすることを
    特徴とする、薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱体抵
    抗値の調整方法。
  5. 【請求項5】 絶縁基板上にCVDまたはスパッタリン
    グによって形成された薄膜抵抗体からなる複数の発熱体
    が配置された薄膜型サーマルプリントヘッドであって、
    上記各発熱体は、エキシマレーザの照射によってその抵
    抗値が調整されていることを特徴とする、薄膜型サーマ
    ルプリントヘッド。
JP8057404A 1996-03-14 1996-03-14 薄膜抵抗体の抵抗値調整方法、薄膜型サーマルプリントヘッドの発熱体抵抗値の調整方法、および、薄膜型サーマルプリントヘッド Pending JPH09246023A (ja)

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JP (1) JPH09246023A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10295946B4 (de) * 2001-02-01 2013-09-26 Electro Scientific Industries, Inc. Verfahren zum Lasertrimmen eines Schichtwiderstandes

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