JP3576607B2 - プリンタの排紙口保護装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プリンタに用いられる排紙口保護装置に関し、更に詳しくは、プリント済み用紙の排出時のみ排紙口が開口する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ,複写機,ファクシミリ等(以下プリンタという)は、用紙に画像(文字を含む)を記録して排出する。このプリンタでは、図4に示すように、プリント部3によりプリントされた用紙4は、排紙ローラ5によって排紙口6を通って排紙トレイ7に排出されている。排紙ローラ5は、用紙4をスムーズに連続して排出するために、排紙口6より大きく露呈されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、排紙ローラが外部に露呈されていると、排紙ローラにゴミが付着しやすく、また誤ってこの排紙ローラに手が触れてしまうことがある。これを解決するために、排紙ローラを排出口の奥に配置することも考えられるが、用紙の先端が多少でも反っていたり折れ曲がっていると、用紙が排出口に引っ掛かってスムーズに排出されなくなることがある。また、排紙口からプリンタの内部に埃やゴミが入り込み、装置の故障の原因となることもある。
【0004】
更に、排紙トレイを備えていないポータブルタイプのプリンタでは、設置場所の状態により用紙の搬送に悪影響を及ぼすという問題がある。例えば、図5に示すように、プリンタ9が絨毯10の上に設置されている場合には、プリント部11を通過して排紙ローラ12により排紙口13から排出された用紙14は、用紙14の先端14aが絨毯9に引っ掛かってしまい、屈曲してスムーズに排出されなくなる。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、排紙口を保護するとともに、設置場所の条件が良好でない場合にも、スムーズに用紙を排出できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1記載のプリンタの排紙口保護装置は、排紙ローラにより搬送された用紙を排紙口に向けてガイドする上下一対の排紙ガイドと、排紙口を覆って保護する閉じ位置と、排紙ローラにより搬送された用紙に押されて排紙口を上部側から開放し、用紙の排出を可能にする開き位置との間で開閉自在とされた蓋部材とを設け、蓋部材は開き位置に移動した際に、用紙が排紙口から上方に向けて排出されるようにガイドするようにしたものである。
【0007】
また、請求項2記載のプリンタの排紙口保護装置は、蓋部材を付勢手段により閉じ位置に付勢し、この付勢手段の付勢力を、蓋部材が排紙ローラにより搬送された用紙に押されて開き位置に移動する程度としたものである。
【0008】
また、請求項3記載のプリンタの排紙口保護装置は、蓋部材を弾性を有するプラスチックシートにより形成し、この蓋部材が排紙ローラにより搬送された用紙に押されて変形し、排紙口を開放するようにしたものである。
【0009】
【作用】
不使用時には、蓋部材が閉じ位置にあり排紙口を覆って保護しているので、排紙ローラに手が触れたり、排紙口から埃やゴミが入ることはない。排紙ローラにより搬送された用紙は、先端が多少反っていたり折れ曲がっていても、排紙ガイドに導かれて確実に排紙口に向かう。排紙口に到達した用紙は蓋部材に当接するとともに、この蓋部材を押す。蓋部材は、付勢手段の付勢に抗して、あるいは蓋部材自身が変形して閉じ位置から開き位置に移動し、用紙の排出を可能とする。排紙口を通過した用紙は、蓋部材によりガイドされて排紙口よりも上方に向けて排出されるので、装置の設置場所に係わらずスムーズに排出される。
【0010】
【実施例】
感熱記録タイプのビデオプリンタを示す図1において、ビデオプリンタ20の内部には、用紙21にビデオ画像をプリントするプリント部22と、このプリント部22を通過した用紙21をニップして図中左方に向けて搬送する排紙ローラ23とが組み込まれている。この用紙21には、イエロー,マゼンタ,シアンのそれぞれ異なる色に発色する感熱発色層が層設されており、プリント部22には、用紙21を加熱して各感熱発色層を発色させる発熱素子や、画像データを発熱素子を駆動させるための駆動データに変換する電気回路等が備えられている。
【0011】
用紙21の搬送方向には、用紙21を外部に排出するための排紙口24と、用紙21を排紙口24に導く排紙ガイド25,26と、排紙ガイド26に回動自在に取り付けられ、排紙口24を覆う閉じ位置と、開放する開き位置の間で開閉自在とされた蓋部材27とが設けられている。
【0012】
排紙ガイド25,26は、排紙口24に対して外側から取り付けられており、先端25a,26aが排紙ローラ23の近傍に配置されて、用紙21を受け入れるようになっている。排紙ガイド25,26の幅方向の長さは、用紙21の幅方向の長さよりも若干長くされている。例えば、20mm程度である。そのため、用紙21が幅方向で多少ずれて搬送されてきた場合でも、確実に用紙21を排紙口24に向けて導くことができる。
【0013】
蓋部材27は、排紙ガイド26に軸29を介して回動自在に取り付けられている。また、軸29は付勢手段である捩じりバネ30が挿通されており、この捩じりバネの一端30aは、ビデオプリンタ20の外装板20aに当接し、他端30bは蓋部材27に当接している。これにより、蓋部材27は、常に図中実線で示す閉じ位置に付勢されている。この捩じりバネ30の付勢力は、蓋部材27が排紙ローラ23に搬送された用紙21の先端21aに押された時に、図中二点鎖線で示す開き位置にスムーズに移動する程度となっている。また、蓋部材27は、捩じりバネ30の付勢により極端に開きはしないので、用紙21を排紙口24よりも上方に向けて搬送するためのガイドとなる。したがって、ビデオプリンタ20が絨毯の上に置かれている場合でも、用紙21をスムーズに排出することができる。
【0014】
次に上記実施例の作用について説明する。不使用状態のビデオプリンタ20は、図1に示すように、蓋部材27が排紙口24を覆って保護する閉じ位置にあり、埃やゴミが排紙口24からビデオプリンタ20内に入り込むのを防止している。また、プリント操作が行なわれると、周知の給紙機構により用紙21がプリント部22に給送される。このプリント部22では、発熱素子が各感熱発色層に応じた熱エネルギーを用紙21に与え、用紙21にはフルカラー画像がプリントされる。
【0015】
フルカラー画像がプリントされた用紙21は、プリント部22を通過して先端21aが搬送ローラ23にニップされる。この搬送ローラ23は、用紙21を挟み込んだ状態でそれぞれ時計方向及び反時計方向に回転し、用紙21を排紙口24に向けて搬送する。搬送ローラ23から排紙口24までの間は、排紙ガイド25,26によって用紙21の先端21aが導かれるので、用紙21の先端21aが反っていたり、あるいは角が折れていても確実に排紙口24に向けて搬送される。
【0016】
排紙口24に到達した用紙21は先端21aが蓋部材27に突き当たり、そのまま搬送が続けられることにより蓋部材27を押すことになる。用紙21に押された蓋部材27は、捩じりバネ30の付勢に抗して図中二点鎖線で示す開き位置に移動される。そして、用紙21の先端21aは、図2(A)に示すように、蓋部材27を乗り越えてビデオプリンタ20の外部に突出され、蓋部材27先端でガイドされて排紙口24よりも上方に向かって排出が続けられる。これにより、ビデオプリンタ20が絨毯等の上に設置されている場合でも、先端21aが引っ掛かることはなくスムーズな排出が行なわれる。また、蓋部材27は、捩じりバネ30の付勢力により用紙21を常に上方に向けて付勢することになるので、用紙21の搬送時のバタツキが抑えられ排紙時の搬送精度も向上する。
【0017】
排紙ローラ23を通過した用紙21は、図2(B)に示すように、蓋部材27によって保持された状態となる。この1枚でプリントを終了する場合には、用紙21の先端21aを掴んで排紙口24から引き出せばよい。用紙21が引き出されると、蓋部材27は、捩じりバネ30の付勢により排紙口24を覆って保護する閉じ位置に移動する。
【0018】
また、連続してプリントを行なう場合には、用紙21を引き出さずにそのままにしておいてもよい。図2(C)に示すように、排紙ローラ23により搬送されてきた次の用紙28の先端28aによって、先にプリントされた用紙21の後端21bが押され、ビデオプリンタ20の外部に排出される。そして、用紙28は、用紙21と同じように蓋部材27に保持される。
【0019】
また、図3に示すように、蓋部材としては塩化ビニール等の弾性を有するプラスチックシートによって形成された蓋部材36を用いてもよい。この蓋部材36は、排出口24を覆った閉じ位置となるように、下端部36aが排紙ガイド26に取り付けられている。排紙ローラ23によって搬送された用紙21の先端21aに押されると、自身の弾性に抗して変形し、図中2点鎖線で示すように、排紙口24を開放する開き位置に移動する。この蓋部材36の取り付けは、接着剤による貼着やネジ止めで行なわれる。
【0020】
なお、上記各実施例では、蓋部材を排紙ガイドに取り付けるようにしたが、ビデオプリンタ本体の外装部に取り付けるようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の排紙口保護装置は、付勢手段あるいは自身の弾性により蓋部材が排紙口を覆っているので、排紙ローラを手で触ってしまったり、埃やゴミが排紙口から入り込むこともない。更に、用紙の排紙時には、蓋部材が用紙に押されて自動的に排紙口を開放する開き位置に移動されるので、蓋部材を開閉する煩わしさもない。また、排紙ローラから排紙口までの間に上下一対の排紙ガイドを設けたことにより、用紙の先端が多少反っていたり折れ曲がっていても確実に排紙口に搬送することができる。蓋部材は、上部側から開くことにより、用紙を排紙口よりも上方に向けて搬送するガイドにもなるので、設置場所に係わらず用紙をスムーズに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排紙口保護装置を適用したプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】排紙口保護装置の排紙動作を示す説明図である。
【図3】本発明の別の実施例を実施したプリンタの構成を示す概略図である。
【図4】従来のプリンタの排紙口付近の構成を示す概略図である。
【図5】更に別の従来の排紙口付近の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
21,28 用紙
23 排紙ローラ
24 排紙口
25,26 排紙ガイド
27,36 蓋部材
30 捩じりバネ
Claims (3)
- プリント済み用紙を搬送する排紙ローラと、プリンタの側面に設けられ、排紙ローラにより搬送された用紙を排出する排紙口とを備えたプリンタにおいて、
前記排紙ローラにより搬送された用紙を排紙口に向けてガイドする上下一対の排紙ガイドと、
排紙口を覆って保護する閉じ位置と、排紙ローラにより搬送された用紙に押されて排紙口を上部側から開放し、用紙の排出を可能にする開き位置との間で開閉自在とされた蓋部材とを設け、
この蓋部材は、開き位置に移動した際に、用紙が排紙口から上方に向けて排出されるようにガイドすることを特徴とするプリンタの排紙口保護装置。 - 前記蓋部材は、付勢手段により閉じ位置に付勢されており、この付勢手段の付勢力は、蓋部材が、排紙ローラにより搬送された用紙に押されて開き位置に移動する程度であることを特徴とする請求項1記載のプリンタの排紙口保護装置。
- 前記蓋部材は、弾性を有するプラスチックシートにより形成されており、排紙ローラにより搬送された用紙に押されて変形し、排紙口を開放することを特徴とする請求項1記載のプリンタの排紙口保護装置。
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