JP3576410B2 - 受信装置と送受信装置及び方法 - Google Patents
受信装置と送受信装置及び方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタル移動体通信等に用いられる受信装置と送受信装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、受信装置と送受信装置及び方法としては、特開平9−326775号公報に記載されているものがある。
【0003】
図18は、従来の受信装置の構成を示すブロック図である。この図18に示す受信装置は、アンテナ1801と、検波器1802と、DCオフセット算出器1803,1804、減算器1805,1806と、A/D変換器1807,1808と、復号器1809とを備えて構成されている。
【0004】
検波器1802は、アンテナ1801で受信された信号を直交検波し、これによって得られるI及びQch信号(I及びQチャネル信号)を、DCオフセット算出器1803,1804及び、減算器1805,1806へ出力する。
【0005】
DCオフセット算出器1803,1804は、I及びQch信号からDCオフセット量を算出し、このDCオフセット量を減算器1805,1806へ出力する。
【0006】
減算器1805,1806は、I及びQch信号からDCオフセット量を減算し、これによってDCオフセット成分が除去されたI及びQch信号を、A/D変換器1807,1808へ出力する。
【0007】
A/D変換器1807,1808は、DCオフセット成分の除去されたI及びQch信号をディジタル信号に変換し、このディジタル化されたI及びQchデータを、復号器1809へ出力する。復号器1809は、そのI及びQchデータを復号することにより復号データを得る。
【0008】
なお、上記受信装置のようにDCオフセットをアナログ回路によって除去する例は、文献(林他“TDMA(Time Division Multiple Access)対応ダイレクトコンバージョン受信機用DCオフセット除去方式”、1997年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、B−5−167)等にも記載されている。
【0009】
次に、図19を参照して従来の送受信装置を説明する。但し、この図19に示す送受信装置において図18の受信装置の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0010】
図19に示す送受信装置1800は、受信部1801及び送信部1802と、受信部1801及び送信部1802が共用する送受信用のアンテナ1803及び送受信の切り替えを行う共用器1804を備えて構成されている。
【0011】
受信部1801は、受信用のRF(Radio Frequency)部1805と、可変利得アンプ1806と、振幅算出器1807と、AGC(Automatic Gain Control)処理器1808と、データ保持器1809と、図18に示した受信装置の検波器1802〜復号器1809とを備えて構成されている。
【0012】
送信部1802は、マッピング器1810と、D/A変換器1811,1812と、変調器1813とを備えて構成されている。
【0013】
このような構成において、アンテナ1803及び共用器1804を介してRF部1805で受信されたIF信号から、アナログ回路で構成された振幅算出器1807で振幅を算出し、AGC処理器1807において、その算出された振幅を一定に保つための可変利得アンプ1806の可変利得制御値を算出し、この算出された可変利得制御値をデータ保持器1809で、ある受信区間保持することによって可変利得アンプ1806の制御を行う。
【0014】
これによって、検波器1802を介してA/D変換器1807,1808に入力される信号レベルが常に一定の値となるよう制御が行われる。
【0015】
一方、送信部1802では、送信すべき送信データが、マッピング器1810において、送信するためのI、Q符号化信号(I及びQchデータ)にマッピングされ、D/A変換器1811,1812によってアナログ信号に変換される。
【0016】
この変換されたI及びQch信号が、変調器1813によって直交変調されることにより送信無線信号を得る。送信無線信号は、共用器1804を介してアンテナ1803から電波送信される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置においては、AGC処理を行う回路、及び直交検波後のI及びQch信号のDCオフセット算出、およびDCオフセット除去を行う回路が、アナログ回路で構成されているため、回路規模が大きくなり、また、構成部品のバラツキ、電圧変化、温度変化等による特性のバラツキが発生し、このバラツキを補正するための補正回路や、特性のバラツキを考慮した設計が必要となるという問題がある。
【0018】
また、検波器の構成部品のバラツキ、温度変化等による特性のバラツキによって、受信I及びQch信号に利得のアンバランスが生じるという問題がある。
【0019】
また、部品のバラツキ、特性のバラツキを極力軽減させるため、特性変化の少ない高価な部品を使用したり、特性のバラツキを軽減させるための補正回路を追加したりする必要があり、その分、コスト高となるという問題がある。
【0020】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、補正回路及び特性変化の少ない高価な部品を使用することなく、低コストで部品及び特性のバラツキと検波後のI及びQch信号の利得アンバランスとを無くすことができ、回路規模を小さくすることができる受信装置と送受信装置及び方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、検波手段で受信信号を直交検波後にA/D変換手段でディジタル信号に変換し、平均値算出手段で求めたディジタル信号の平均値から基準値を減算手段で減算してDCオフセット値を求め、この値を前回受信タイミングで求められたDCオフセット補正値に加算手段で加算して今回受信タイミングの補正値を求め、この補正値を遅延手段で遅延した値を、減算手段で現受信タイミングのディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去した後、復号手段で復号する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の態様は、受信信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号の一定時間の平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回受信タイミングで求められたディジタル信号のDCオフセット補正値に加算して今回受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値を現受信タイミングのディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去し、このDCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号する機能、を具備する構成を採る。
【0023】
この構成によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0024】
本発明の第2の態様は、受信信号を直交検波する検波手段と、前記直交検波信号を第1ディジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記第1ディジタル信号から、DCオフセット成分を除去するための第1DCオフセット補正値を減算して第2ディジタル信号を求める第1減算手段と、前記第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求める第2減算手段と、前記DCオフセット値を前記第1DCオフセット補正値に加算して第2DCオフセット補正値を求める加算手段と、前記第2DCオフセット補正値を遅延して前記第1DCオフセット補正値を求める遅延手段と、前記第2ディジタル信号を復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0026】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、遅延手段が、第2DCオフセット補正値を1乃至は複数受信スロット分遅延して第1DCオフセット補正値を求める構成を採る。
【0027】
この構成によれば、複数の受信スロットに渡って算出されたDCオフセット補正値を使用することができる。
【0028】
本発明の第4の態様は、第2の態様又は第3の態様において、平均値算出手段が、第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出する機能に代え、前記第2ディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出する機能を具備する構成を採る。
【0029】
この構成によれば、DCオフセット成分の除去を行う演算量の削減が可能となる。
【0030】
本発明の第5の態様は、受信信号を直交検波する検波手段と、前記直交検波信号をディジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記ディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求める第1減算手段と、前記ディジタル信号から前記DCオフセット値を減算してDCオフセット成分を除去する第2減算手段と、前記DCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
【0031】
この構成によれば、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、さらに演算量削減、及び回路規模の縮小を実現することができる。
【0032】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、第1減算手段から出力されるDCオフセット値を、1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持しながら第2減算手段へ出力するデータ保持手段を具備する構成を採る。
【0033】
この構成によれば、1受信スロットで算出したDCオフセット値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0034】
本発明の第7の態様は、受信信号を直交検波する検波手段と、前記直交検波信号であるI及びQch信号をディジタルのI及びQchデータに変換するA/D変換手段と、前記I及びQchデータの振幅値を算出する振幅情報算出手段と、前記I及びQchデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記I及びQchデータの逆数に同一の基準値を乗算して振幅補正値を得る第1乗算手段と、前記I及びQchデータの振幅補正値と前記I及びQchデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正する第2乗算手段と、前記同一振幅とされたI及びQchデータを復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
【0035】
この構成によれば、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0036】
本発明の第8の態様は、受信信号を直交検波する検波手段と、前記直交検波信号であるI及びQch信号をディジタルのI及びQchデータに変換するA/D変換手段と、前記I及びQchデータの振幅値を算出する振幅情報算出手段と、前記Ichデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記Ichデータの逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を得る第1乗算手段と、前記振幅補正値と前記Ichデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正する第2乗算手段と、前記同一振幅とされたI及びQchデータを復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
【0037】
この構成によれば、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、第4の態様に比べ、I、Q信号の利得比較によって、アンバランス補正が行うため、基準値との比較を行う必要がなく、より演算量削減、回路規模削減ができる。
【0038】
本発明の第9の態様は、第7の態様又は第8の態様において、第1乗算手段から出力されるI及びQchデータの振幅補正値を、1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持しながら第2乗算手段へ出力するデータ保持手段を具備する構成を採る。
【0039】
この構成によれば、1受信スロットで算出した振幅補正値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0040】
本発明の第10の態様は、第2の態様において、DCオフセット成分の除去された第2ディジタル信号である第1I及びQchデータの振幅値を算出する振幅情報算出手段と、前記第1Ichデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を得る第3乗算手段と、前記振幅補正値と前記第1Ichデータとを乗算して前記第1Ichデータの振幅を前記第1Qchデータの振幅と同一に補正する第4乗算手段とを具備し、復号手段が、前記同一振幅とされた第1I及びQchデータを復号する構成を採る。
【0041】
この構成によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0042】
本発明の第11の態様は、第5の態様において、DCオフセット成分が除去されたディジタル信号であるI及びQchデータの最大値から最小値を減算して前記I及びQchデータの振幅値を算出する振幅算出手段と、前記Ichデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を得る第1乗算手段と、前記振幅補正値と前記DCオフセット成分の除去されたIchデータとを乗算して、そのIchデータの振幅を前記DCオフセット成分の除去されたQchデータの振幅と同一に補正する第2乗算手段とを具備し、復号手段が前記同一振幅とされたI及びQchデータを復号する構成を採る。
【0043】
この構成によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0044】
本発明の第12の態様は、第7の態様又は第8の態様において、直交検波前の受信信号を増幅する増幅手段と、振幅情報算出手段で算出されたI及びQchデータの振幅値の平均値を算出して受信信号のレベルに対応する受信振幅値を求める平均化処理手段と、前記受信振幅値の逆数を算出する第2逆数算出手段と、前記逆数と受信信号のレベルを収束させるための収束基準値とを乗算して前記増幅手段の利得補正値を求める第3乗算手段と、所定時間遅延された前記増幅手段の利得を増幅受信信号のレベルが一定となるように制御するための利得制御値と前記利得補正値とを乗算して現在の利得制御値を求め前記増幅手段へ出力する第4乗算手段と、を具備する構成を採る。
【0045】
この構成によれば、ディジタル処理によって、利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、増幅手段で増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができ、アナログ回路で実現する構成と比較して、部品バラツキ、特性バラツキを考慮する必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0046】
本発明の第13の態様は、第8の態様又は第11の態様において、直交検波前の受信信号を増幅する増幅手段と、振幅情報算出手段で算出されたI又はQchデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記逆数と収束基準値とを乗算して利得補正値を求める第3乗算手段と、所定時間遅延された利得制御値と前記利得補正値とを乗算して現在の利得制御値を求め前記増幅手段へ出力する第4乗算手段と、を具備する構成を採る。
【0047】
この構成によれば、ディジタル処理によって、利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、増幅手段で増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができ、第12の態様よりもさらに回路規模を削減することができる。
【0048】
本発明の第14の態様は、第7,8,12の態様いずれかにおいて、振幅情報算出手段を、I及びQchデータの最大値及び最小値を求め、前記最大値から最小値を減算して前記I及びQchデータの振幅値を算出する機能とする構成を採る。
【0049】
この構成によれば、I及びQchデータの振幅値を求める演算量の削減が可能となる。
【0050】
本発明の第15の態様は、第12の態様乃至第14の態様いずれかにおいて、第4乗算手段から出力される利得制御値を、1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持しながら増幅手段へ出力する第2データ保持手段を具備する構成を採る。
【0051】
この構成によれば、1受信スロットで算出した利得制御値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0052】
本発明の第16の態様は、送受信装置に、第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の受信装置、を具備する構成を採る。
【0053】
この構成によれば、送受信装置が第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0054】
本発明の第17の態様は、第16の態様において、送信データを送信するための符号化データにマッピングするマッピング手段と、前記マッピングした符号化データをアナログ信号に変換するD/A変換手段と、前記アナログ信号を変調して変調信号に変換する変調手段とを備える送信装置、を具備する構成を採る。
【0055】
この構成によれば、マッピング後のデータをアナログ信号に変換して変調する送信装置を備えた送受信装置が、第1の態様乃至第16の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0056】
本発明の第18の態様は、基地局装置に、第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の受信装置、を具備する構成を採る。
【0057】
この構成によれば、基地局装置が第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0058】
本発明の第19の態様は、移動局装置に、第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の受信装置、を具備する構成を採る。
【0059】
この構成によれば、移動局装置が第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0060】
本発明の第20の態様は、第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の受信装置を、移動体通信システムの基地局装置又は移動局装置に具備する構成を採る。
【0061】
この構成によれば、移動体通信システムが第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0062】
本発明の第21の態様は、基地局装置が、第16の態様記載の送受信装置、を具備する構成を採る。
【0063】
この構成によれば、基地局装置が第16の態様記載の作用効果を得ることができる。
【0064】
本発明の第22の態様は、移動局装置が、第16の態様記載の送受信装置、を具備する構成を採る。
【0065】
この構成によれば、移動局装置が第16の態様記載の作用効果を得ることができる。
【0066】
本発明の第23の態様は、第16の態様記載の受信装置を、移動体通信システムの基地局装置又は移動局装置に具備する構成を採る。
【0067】
この構成によれば、移動体通信システムが第16の態様記載の作用効果を得ることができる。
【0068】
本発明の第24の態様は、受信信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号の一定時間の平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回受信タイミングで求められたディジタル信号のDCオフセット補正値に加算して今回受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値を現受信タイミングのディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去し、このDCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号するようにした。
【0069】
この方法によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0070】
本発明の第25の態様は、受信信号を第1ディジタル信号に変換し、この第1ディジタル信号から、DCオフセット成分を除去するための第1DCオフセット補正値を減算して第2ディジタル信号を求め、この第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出し、前記平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前記第1DCオフセット補正値に加算して第2DCオフセット補正値を求め、この第2DCオフセット補正値を遅延して前記第1DCオフセット補正値を求め、この第1DCオフセット補正値によりDCオフセット成分が除去された第2ディジタル信号を復号するようにした。
【0071】
この方法によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0072】
本発明の第26の態様は、第25の態様において、第2DCオフセット補正値を1乃至は複数受信スロット分遅延して第1DCオフセット補正値を求めるようにした。
【0073】
この方法によれば、複数の受信スロットに渡って算出されたDCオフセット補正値を使用することができる。
【0074】
本発明の第27の態様は、第25の態様又は第26の態様において、第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出することに代え、前記第2ディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出するようにした。
【0075】
この方法によれば、DCオフセット成分の除去を行う演算量の削減が可能となる。
【0076】
本発明の第28の態様は、受信信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出し、この平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、前記ディジタル信号から前記DCオフセット値を減算してDCオフセット成分を除去し、このDCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号するようにした。
【0077】
この方法によれば、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、さらに演算量削減、及び回路規模の縮小を実現することができる。
【0078】
本発明の第29の態様は、第28の態様において、DCオフセット値を1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持し、この保持中のDCオフセット値をディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去するようにした。
【0079】
この方法によれば、1受信スロットで算出したDCオフセット値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0080】
本発明の第30の態様は、受信信号をディジタルのI及びQchデータに変換し、このI及びQchデータの振幅値を算出し、このI及びQchデータの振幅値の逆数を算出し、このI及びQchデータの逆数に同一の基準値を乗算して振幅補正値を求め、このI及びQchデータの振幅補正値と前記I及びQchデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正し、この同一振幅とされたI及びQchデータを復号するようにした。
【0081】
この方法によれば、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0082】
本発明の第31の態様は、受信信号をディジタルのI及びQchデータに変換し、このI及びQchデータの振幅値を算出し、このIchデータの振幅値の逆数を算出し、このIchデータの逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を求め、この振幅補正値と前記Ichデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正し、この同一振幅とされたI及びQchデータを復号するようにした。
【0083】
この方法によれば、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、第27の態様に比べ、I、Q信号の利得比較によって、アンバランス補正が行うため、基準値との比較を行う必要がなく、より演算量削減、回路規模削減ができる。
【0084】
本発明の第32の態様は、第30の態様又は第31の態様において、I及びQchデータの振幅補正値を1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持し、この保持中の振幅補正値で前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正するようにした。
【0085】
この方法によれば、1受信スロットで算出した振幅補正値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0086】
本発明の第33の態様は、第25の態様において、DCオフセット成分の除去された第2ディジタル信号である第1I及びQchデータの振幅値を算出し、この第1Ichデータの振幅値の逆数を算出し、この逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を求め、この振幅補正値と前記第1Ichデータとを乗算して前記第1Ichデータの振幅を前記第1Qchデータの振幅と同一に補正し、この同一振幅とされた第1I及びQchデータを復号するようにした。
【0087】
この方法によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0088】
本発明の第34の態様は、第28の態様において、DCオフセット成分が除去されたディジタル信号であるI及びQchデータの最大値から最小値を減算して前記I及びQchデータの振幅値を算出し、このIchデータの振幅値の逆数を算出し、この逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を求め、この振幅補正値と前記DCオフセット成分の除去されたIchデータとを乗算して、そのIchデータの振幅を前記DCオフセット成分の除去されたQchデータの振幅と同一に補正し、この同一振幅とされたI及びQchデータを復号するようにした。
【0089】
この方法によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0090】
本発明の第35の態様は、第30の態様又は第31の態様において、直交検波前の受信信号を増幅するようにし、I及びQchデータの振幅値の平均値を算出して受信信号のレベルに対応する受信振幅値を求め、この受信振幅値の逆数と受信信号のレベルを収束させるための収束基準値とを乗算して前記増幅時の利得補正値を求め、所定時間遅延された前記増幅時の利得を増幅受信信号のレベルが一定となるように制御するための利得制御値と前記利得補正値とを乗算して現在の利得制御値を求め、この求められた利得制御値で前記増幅時の利得を制御するようにした。
【0091】
この方法によれば、ディジタル処理によって、利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、増幅手段で増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができ、アナログ回路で実現する構成と比較して、部品バラツキ、特性バラツキを考慮する必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0092】
本発明の第36の態様は、第31の態様又は第34の態様において、直交検波前の受信信号を増幅するようにし、I又はQchデータの振幅値の逆数と収束基準値とを乗算して利得補正値を求め、所定時間遅延された利得制御値と前記利得補正値とを乗算して現在の利得制御値を求め、この求められた利得制御値で前記増幅時の利得を制御するようにした。
【0093】
この方法によれば、ディジタル処理によって、利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、増幅手段で増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができ、第12の態様よりもさらに回路規模を削減することができる。
【0094】
本発明の第37の態様は、第30,31,35の態様いずれかにおいて、I及びQchデータの振幅値を算出する場合に、前記I及びQchデータの最大値及び最小値を求め、前記最大値から最小値を減算して前記I及びQchデータの振幅値を算出するようにした。
【0095】
この方法によれば、I及びQchデータの振幅値を求める演算量の削減が可能となる。
【0096】
本発明の第38の態様は、第35の態様乃至第37の態様いずれかにおいて、利得制御値を、1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持し、この保持された利得制御値で増幅時の利得を制御するようにした。
【0097】
この方法によれば、1受信スロットで算出した利得制御値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0098】
本発明の第39の態様は、送受信方法に、第24の態様乃至第38の態様いずれかに記載の受信方法を用いるようにした。
【0099】
この方法によれば、送受信装置が請求項24乃至請求項38のいずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0100】
本発明の第40の態様は、第39の態様において、送信データを送信するための符号化データにマッピングし、このマッピングした符号化データをアナログ信号に変換し、このアナログ信号を変調して変調信号に変換するようにした。
【0101】
この方法によれば、マッピング後のデータをアナログ信号に変換して変調する送信装置を備えた送受信装置が、第39の態様に記載の作用効果を得ることができる。
【0102】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0103】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。
【0104】
この実施の形態1の特徴は、受信信号をディジタルのI及びQch信号(I及びQchデータ)に変換し、そのI及びQchデータの一定時間の平均値から、I及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回受信タイミングで求められたI及びQchデータのDCオフセット補正値に加算して今回受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値で現受信タイミングのI及びQchデータのDCオフセットを補正し、この補正されたI及びQchデータを復号するように構成した点にある。
【0105】
図1に示す送受信装置100は、受信部101及び送信部102と、受信部101及び送信部102が共用する送受信用のアンテナ103及び送受信の切り替えを行う共用器104を備えて構成されている。
【0106】
受信部101は、検波器105と、A/D変換器106,107と、減算器108,109と、平均値算出器111,112と、復号器110と、減算器113,114と、基準値格納器115,116と、加算器117,118と、遅延器119,120とを備えて構成されている。
【0107】
送信部102は、マッピング器121と、D/A変換器122,123と、変調器124とを備えて構成されている。
【0108】
受信部101の検波器105は、アンテナ103で受信された信号を直交検波し、これにより得られたI及びQch信号を、A/D変換器106,107へ出力するものである。A/D変換器106,107は、I及びQch信号をディジタル信号に変換し、この変換されたI及びQchデータを減算器108,109へ出力するものである。
【0109】
減算器108,109は、I及びQchデータより、遅延器119,120から出力されるDCオフセット補正値を減算し、この結果を復号器110及び平均値算出器111,112へ出力するものである。
【0110】
平均値算出器111,112は、I及びQchデータを一定時間加算して、その平均値を算出し、この平均値を減算器113,114へ出力するものである。
【0111】
減算器113,114は、平均値から、基準値格納器115,116に格納されたI及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算することによりDCオフセット値を求め、これを加算器117,118へ出力するものである。
【0112】
加算器117,118は、遅延器119,120から出力されるDCオフセット補正値に、DCオフセット値を加算することにより、遅延前のDCオフセット補正値を求め、遅延器119,120へ出力するものである。
【0113】
遅延器119,120は、そのDCオフセット補正値を所定時間遅延することにより、DCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を減算器108,109及び加算器117,118へ出力するものである。
【0114】
また、復号器110は、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータを復号して復号データを得るものである。
【0115】
送信部102のマッピング器121は、送信データを送信するためのI及びQch符号化データにマッピングし、これによって得られたI及びQchデータをD/A変換器122,123へ出力するものである。
【0116】
D/A変換器122,123は、I及びQchデータをアナログ信号に変換して変調器124へ出力するものである。変調器124は、アナログ化された信号を直交変調し、この変調信号を共用器104へ出力するものである。
【0117】
このような構成において、受信部101では、検波器105の部品バラツキ、温度特性や、受信I及びQch信号とA/D変換器106,107の基準電圧とのずれ等により、I及びQch信号にDCオフセット成分が重畳することになる。
【0118】
この重畳されたDCオフセット成分は、受信特性の劣化につながるため、除去する必要がある。重畳されたDCオフセットの量は、前述したように、平均値算出器111,112によってI及びQchデータの平均値が算出され、減算器113,114で基準値と減算されることにより、DCオフセット値として算出される。
【0119】
ここで、平均値算出器111,112での平均値Saveの算出方法は、ディジタル化されたI及びQchデータをSkとすると、次式(1)で算出される。
【0120】
【数1】
次に、上記のDCオフセット値は、加算器117,118で、現在設定されているDCオフセット補正値と加算される。これによって、次に設定されるDCオフセット補正値が求められる。
【0121】
このDCオフセット補正量は、次の受信スロットで用いられるように遅延器119,120で遅延され、これによって、次の受信スロットにおいてI及びQchデータからDCオフセット成分の除去が行われる。このDCオフセット除去が行われたI及びQchデータは、復号器110に入力され、ここで復号データに変換される。
【0122】
また、上記説明における受信タイミングは、図2に示すようにPHS(Personal Handyphone System)等のTDMA方式を想定している。
【0123】
この場合、図2に示すように、前の受信スロットAで算出したDCオフセット量(DCオフセット値)を次の受信スロットBで補正する。また、DCオフセット変動は、受信フレームに対して、十分長い時間で変動するため、毎スロットごとにDCオフセット量を算出するのではなく、複数のスロットにわたって算出したDCオフセット量を複数のスロット間に使用することも可能である。
【0124】
一方、送信部102では、送信すべき送信データが、マッピング器121において、送信するためのI、Q符号化信号(I及びQchデータ)にマッピングされ、D/A変換器122,123によってアナログ信号に変換される。
【0125】
その変換されたI及びQch信号が、変調器124によって直交変調されることにより送信無線信号を得る。送信無線信号は、共用器104を介してアンテナ103から電波送信される。
【0126】
このように、実施の形態1の送受信装置によれば、受信装置(受信部101)を、受信信号をディジタル信号、即ちI及びQchデータに変換し、そのI及びQchデータの一定時間の平均値から、I及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回受信タイミングで求められたI及びQchデータのDCオフセット補正値に加算して今回受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値で現受信タイミングのI及びQchデータのDCオフセットを補正し、この補正されたI及びQchデータを復号するように構成した。
【0127】
これによって、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0128】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図3に示す実施の形態2において図1の実施の形態1の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0129】
この実施の形態2の特徴は、実施の形態1と平均値の算出機能が異なる点にある。
【0130】
図3に示す実施の形態2の送受信装置300が、実施の形態1の送受信装置100と異なる点は、図1に示した受信部101における平均値算出器111,112の代わりに、図3に示すように受信部301に、最大値/最小値算出器302,303と、平均値算出器304,305とを備えて構成したことにある。
【0131】
このような構成において、最大値/最小値算出器302,303は、I及びQchデータの所定区間における最大値と最小値を算出し、これを平均値算出器304,305へ出力する。平均値算出器304,305は、最大値及び最小値からその平均値を算出し、これを減算器113,114へ出力する。以降の動作は実施の形態1で説明したと同様である。
【0132】
このように、実施の形態2の送受信装置によれば、実施の形態1では、I及びQchデータの平均値を算出するために、累積加算を行い更に除算を行う必要があるが、実施の形態2では、I及びQchデータの最大値及び最小値を求めた後、その中間値を求めることによって平均値を算出すればよいので、平均値を求める平均値算出器304,305をビットシフト構成で実現できるため、実施の形態1と同様の効果を得ることができると共に、実施の形態1に比べ演算量の削減が可能となる。
【0133】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図4に示す実施の形態3において図3の実施の形態2の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0134】
この実施の形態3の特徴は、A/D変換後のI及びQchデータにおけるDCオフセット値に相当する平均値から基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値をI及びQchデータから減算することによりDCオフセット成分を除去するように構成した点にある。
【0135】
図4に示す実施の形態3の送受信装置400が、実施の形態2の送受信装置300と異なる点は、図4に示すように受信部401において、A/D変換器106,107の出力側に、実施の形態2で説明した最大値/最小値算出器302,303、平均値算出器304,305、基準値格納器115,116及び減算器113,114を接続し、減算器113,114と、減算器108,109との間に、データ保持器402,403を接続して構成したことにある。
【0136】
このような構成において、最大値/最小値算出器302,303は、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータの所定区間における最大値と最小値を算出し、これを平均値算出器304,305へ出力する。
【0137】
平均値算出器304,305は、最大値及び最小値からその平均値を算出して減算器113,114へ出力する。
【0138】
減算器113,114は、平均値から、基準値格納器115,116に格納されたI及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算することによりDCオフセット値を求め、これをデータ保持器402,403へ出力するものである。
【0139】
データ保持器402,403は、そのDCオフセット値を保持して減算器108,109へ出力する。ここで、その保持時間は、1〜複数の受信スロットに対応する時間としてもよい。
【0140】
そして、減算器108,109で、I及びQchデータからDCオフセット値を減算することにより、DCオフセット成分を除去することができる。
【0141】
このように、実施の形態3の送受信装置によれば、受信装置(受信部401)を、A/D変換後のI及びQchデータにおけるDCオフセット値に相当する平均値を求め、この平均値から基準値を減算することによりDCオフセット値を求め、このDCオフセット値をI及びQchデータから減算することによりDCオフセット成分を除去するように構成した。
【0142】
これによって、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、実施の形態2の受信装置よりもさらに演算量削減、及び回路規模の縮小を実現することができる。
【0143】
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図5に示す実施の形態4において図1の実施の形態1の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0144】
この実施の形態4の特徴は、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値を算出し、更に各振幅値の逆数を算出し、各逆数に同一の基準値を乗算して得た各振幅補正値をI及びQchデータと乗算することによりI及びQchデータの振幅補正を行うように構成した点にある。
【0145】
図5に示す実施の形態4の送受信装置500において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0146】
受信部501は、検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504,505と、乗算器506,507と、基準値格納器508と、データ保持器509,510と、乗算器511,512とを備えて構成されている。
【0147】
振幅情報算出器502,503は、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出し、この振幅値Ki及びKqを逆数算出器504,505へ出力するものである。
【0148】
逆数算出器504は、振幅値Kiの逆数1/Kiを算出し、この逆数1/Kiを乗算器506へ出力し、逆数算出器505は、振幅値Kqの逆数1/Kqを算出し、この逆数1/Kqを乗算器507へ出力するものである。
【0149】
乗算器506は、基準値格納器508に格納されたI及びQchデータの振幅を等しくするための基準値と、振幅値の逆数1/Kiとを乗算し、この乗算結果である第1振幅補正値をデータ保持器509へ出力し、乗算器507は、基準値と振幅値の逆数1/Kqとを乗算し、この乗算結果である第2振幅補正値をデータ保持器510へ出力するものである。
【0150】
データ保持器509,510は、第1及び第2振幅補正値を保持して乗算器511,512へ出力するものである。
【0151】
乗算器511,512は、I及びQchデータと第1及び第2振幅補正値とを乗算し、この乗算値を復号器110へ出力するものである。
【0152】
このような構成において、検波器105においては、その部品バラツキ、温度特性等により、受信I及びQch信号に利得のアンバランスが生じ、その結果、直交検波されたI及びQch信号の振幅がアンバランスとなり、後段のA/D変換器106,107でディジタル化されたI及びQchデータも振幅アンバランスとなる。この振幅アンバランスは、受信特性の劣化につながるため、除去する必要がある。
【0153】
A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータは、乗算器511,512と、振幅情報算出器502,503とに入力され、まず、振幅情報算出器502,503において、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqが算出される。
【0154】
この振幅値Ki及びKqの算出においては、例えば、アンテナ103で無変調の信号が受信された場合、受信信号の振幅と実効値の関係は、正比例であるため実効値を算出する事により振幅値Ki及びKqが得られる。IchデータSkを例にとると、実効値Srは、次式(2)で算出することができる。
【0155】
【数2】
このように算出された振幅値Ki=「10」、Kq=「11」とする。この振幅値Ki=「10」、Kq=「11」は、逆数算出器504,505でその逆数1/Ki=「1/10」及び1/Kq=「1/11」が算出される。
【0156】
次に、算出された逆数「1/10」及び「1/11」が、乗算器507,508によって、基準値の例えば「2」と乗算され、この結果得られる「2/10」及び「2/11」の第1及び第2振幅補正値を算出する。この第1及び第2振幅補正値「2/10」及び「2/11」は、データ保持器509,510に保持され、乗算器511,512へ出力される。
【0157】
乗算器511では、Ichデータ「10」と第1振幅補正値「2/10」とが乗算されることによって補正された振幅値「2」のIchデータが復号器110へ出力される。
【0158】
乗算器512では、Qchデータ「11」と第2振幅補正値「2/11」とが乗算されることによって補正された振幅値「2」のQchデータが復号器110へ出力される。
【0159】
つまり、同振幅値「2」とされたI及びQchデータが復号器110へ出力され、ここで、復号され、復号データが得られる。
【0160】
このように、実施の形態4の送受信装置によれば、受信装置(受信部501)を、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値を算出し、更に各振幅値の逆数を算出し、各逆数に同一の基準値を乗算して得た各振幅補正値をI及びQchデータと乗算することによりI及びQchデータの振幅補正を行うように構成した。
【0161】
これによって、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0162】
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図6に示す実施の形態5において図5の実施の形態4の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0163】
この実施の形態5の特徴は、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値を算出し、この内、Ichデータの振幅値の逆数を算出し、逆数にQchデータの振幅値を乗算して得た振幅補正値をIchデータと乗算することによりIchデータの振幅をQchデータと同一にする補正を行うように構成した点にある。
【0164】
図6に示す実施の形態5の送受信装置600の受信部601は、検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511とを備えて構成されている。
【0165】
振幅情報算出器502,503は、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出するものである。
【0166】
逆数算出器504は、振幅値Kiの逆数1/Kiを算出するものである。
【0167】
乗算器506は、Qchデータの振幅値KqとIchデータの逆数1/Kiとを乗算し、この乗算結果である振幅補正値をデータ保持器509へ出力するものである。
【0168】
データ保持器509は、振幅補正値を保持して乗算器511へ出力するものである。
【0169】
乗算器511は、Ichデータと振幅補正値とを乗算し、この乗算値を復号器110へ出力するものである。
【0170】
このような構成において、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータは、振幅情報算出器502,503に入力され、ここで、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqが算出される。
【0171】
このように算出された振幅値Ki=「11」、Kq=「12」とする。この内、Ichデータの振幅値Ki=「11」は、逆数算出器504でその逆数1/Ki=「1/11」が算出される。
【0172】
次に、算出された逆数「1/11」が、乗算器506によって、Qchデータの振幅値Kq=「12」と乗算され、この結果得られる「12/11」の振幅補正値が、データ保持器509に保持され、乗算器511へ出力される。
【0173】
乗算器511では、Ichデータ「11」と振幅補正値「12/11」とが乗算されることによってIchデータの振幅値が「12」に補正される。即ち、Qchデータの振幅値「12」と同一となる。
【0174】
この同振幅値「12」とされたI及びQchデータが復号器110へ出力され、ここで、復号され、復号データが得られる。
【0175】
このように、実施の形態5の送受信装置によれば、受信装置(受信部601)を、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値を算出し、この内、Ichデータの振幅値の逆数を算出し、逆数にQchデータの振幅値を乗算して得た振幅補正値をIchデータと乗算することによりIchデータの振幅をQchデータと同一にする補正を行うように構成した。
【0176】
これによって、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、実施の形態4の受信装置に比べ、I、Q信号の利得比較によって、アンバランス補正が行うため、基準値との比較を行う必要がなく、より演算量削減、回路規模削減ができる。
【0177】
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図7に示す実施の形態6において図6の実施の形態5の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0178】
この実施の形態6が実施の形態5と異なる点は、振幅情報算出器502,503に代え、最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705とを備えて構成した点にある。
【0179】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、これを最大値/最小値減算器704,705へ出力する。
【0180】
最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は実施の形態5で説明したと同様なので省略する。
【0181】
このように、実施の形態6の送受信装置によれば、受信装置(受信部601)を、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値をその最大値及び最小値から算出し、この内、Ichデータの振幅値の逆数を算出し、逆数にQchデータの振幅値を乗算して得た振幅補正値をIchデータと乗算することによりIchデータの振幅をQchデータと同一にする補正を行うように構成した。
【0182】
これによって、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、実施の形態5の振幅情報算出器よりも演算量、回路規模を削減することができる。
【0183】
(実施の形態7)
図8は、本発明の実施の形態7に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図8に示す実施の形態7において図1の実施の形態1及び図6の実施の形態5の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0184】
この実施の形態7の特徴は、受信部801に、実施の形態1で説明したI及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能と、実施の形態5で説明したI及びQchデータの振幅値を同一とする機能を合わせて構成した点にある。
【0185】
即ち、図8に示す受信部801は、検波器105と、A/D変換器106,107と、減算器108,109と、平均値算出器111,112と、復号器110と、減算器113,114と、基準値格納器115,116と、加算器117,118と、遅延器119,120とを備えると共に、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511とを備えて構成されている。
【0186】
このような構成において、平均値算出器111,112によって、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータの平均値が算出され、減算器113,114で基準値と減算されることにより、DCオフセット値として算出される。
【0187】
このDCオフセット値は、加算器117,118で、現在設定されているDCオフセット補正値と加算される。これによって、次に設定されるDCオフセット補正値が求められる。
【0188】
このDCオフセット補正量は、次の受信スロットで用いられるように遅延器119,120で遅延され、これによって、次の受信スロットにおいてI及びQchデータからDCオフセット成分の除去が行われる。
【0189】
このDCオフセット除去が行われたI及びQchデータは、振幅情報算出器502,503に入力され、ここで、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqが算出される。
【0190】
この算出された振幅値Ki=「11」、Kq=「12」とする。この内、Ichデータの振幅値Ki=「11」は、逆数算出器504でその逆数1/Ki=「1/11」が算出される。
【0191】
次に、算出された逆数「1/11」が、乗算器506によって、Qchデータの振幅値Kq=「12」と乗算され、この結果得られる「12/11」の振幅補正値が、データ保持器509に保持され、乗算器511へ出力される。
【0192】
乗算器511では、Ichデータ「11」と振幅補正値「12/11」とが乗算されることによってIchデータの振幅値が「12」に補正される。即ち、Qchデータの振幅値「12」と同一となる。
【0193】
この同振幅値「12」とされたI及びQchデータが復号器110へ出力され、ここで、復号され、復号データが得られる。
【0194】
このように、実施の形態7の送受信装置によれば、受信装置(受信部801)を、実施の形態1で説明したI及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能と、実施の形態5で説明したI及びQchデータの振幅値を同一とする機能を合わせて構成した。
【0195】
これによって、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0196】
また、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0197】
(実施の形態8)
図9は、本発明の実施の形態8に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図9に示す実施の形態8において図7の実施の形態6の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0198】
この実施の形態8が実施の形態6と異なる点は、実施の形態6のI及びQchデータの振幅値を同一とする機能に、平均値算出器304,305と、減算器113,114と、基準値格納器115,116と、減算器108,109とによるI及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能を加えて構成した点にある。
【0199】
このような構成において、最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、これを最大値/最小値減算器704,705及び平均値算出器304,305へ出力する。
【0200】
平均値算出器304,305は、最大値及び最小値からその平均値を算出して減算器113,114へ出力する。
【0201】
減算器113,114は、平均値から、基準値格納器115,116に格納されたI及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算することによりDCオフセット値を求め、これを減算器108,109へ出力する。
【0202】
減算器108,109は、I及びQchデータからDCオフセット値を減算することにより、DCオフセット成分を除去する。
【0203】
最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。
【0204】
このように算出された振幅値Ki及びKqの内、Ichデータの振幅値Kiは、逆数算出器504でその逆数1/Kiが算出される。
【0205】
次に、算出された逆数が、乗算器506によって、Qchデータの振幅値Kqと乗算され、この結果得られる振幅補正値が、データ保持器509に保持され、乗算器511へ出力される。
【0206】
乗算器511では、DCオフセット成分の除去されたIchデータと振幅補正値とが乗算されることによってIchデータの振幅値が、DCオフセット成分の除去されたQchデータの振幅値と同一となる。
【0207】
この同振幅値とされ、且つDCオフセット成分の除去されたI及びQchデータが復号器110へ出力され、ここで、復号され、復号データが得られる。
【0208】
このように、実施の形態8の送受信装置によれば、受信装置(受信部801)を、実施の形態6のI及びQchデータの振幅値を同一とする機能に、I及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能を加えて構成した。
【0209】
これによって、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができ、また、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0210】
また、DCオフセット算出、および振幅算出のための最大値最小値算出手段を、共有できるため、実施の形態7に記載の受信装置よりさらに演算量削減、回路規模削減が行える。
【0211】
(実施の形態9)
図10は、本発明の実施の形態9に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図11に示す実施の形態9において図5の実施の形態4の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0212】
この実施の形態9の特徴は、実施の形態4の構成に、検波前の受信信号を増幅する増幅手段を加え、この増幅手段から出力される増幅信号の振幅が一定に保持されるようにするための増幅手段の利得制御を、振幅情報算出器502,503から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを用いたディジタル処理によって行うことにより、検波後のI及びQch信号の振幅を一定に保持するように構成した点にある。
【0213】
図10に示す実施の形態9の送受信装置1000において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0214】
受信部1001は、RF部1002と、可変利得アンプ1003と、平均化処理器1004と、逆数算出器1005と、乗算器1006,1007と、基準値格納器1008と、遅延器1009と、データ保持器1010と、既に実施の形態5で説明済みの検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504,505と、乗算器506,507と、基準値格納器508と、データ保持器509,510と、乗算器511,512とを備えて構成されている。
【0215】
RF部1002は、アンテナ103及び共用器104を介して受信された信号をIF信号又はRF信号に変換して可変利得アンプ1003へ出力するものである。
【0216】
可変利得アンプ1003は、IF信号又はRF信号を増幅し、この増幅信号の振幅が一定となるように、その利得が制御されるものである。
【0217】
平均化処理器1004は、振幅情報算出器502,503により得られた振幅値Ki及びKqを平均化することにより、受信レベルに相当する受信振幅値mを算出して逆数算出器1005へ出力するものである。
【0218】
逆数算出器1005は、受信振幅値mの逆数1/mを算出し、この逆数1/mを乗算器1006へ出力するものである。
【0219】
乗算器1006は、基準値格納器1008に格納された受信レベルを収束させるための収束基準値と、逆数1/mとを乗算し、この乗算結果である可変利得アンプ1003の利得補正値を乗算器1007へ出力するものである。
【0220】
乗算器1007は、遅延器1009で遅延された可変利得アンプ1003の利得を制御するための利得制御値と、利得補正値とを乗算し、この乗算結果、新規に得られる可変利得アンプ1003の利得制御値をデータ保持器1010へ出力するものである。
【0221】
データ保持器1010は、利得制御値をある受信区間保持し、この保持された利得制御値によって可変利得アンプ1806の利得制御を行うものである。
【0222】
このような構成において、アンテナ103で受信された信号は、共用器104を介してRF部1002に入力され、ここで、IF信号又はRF信号に変換され、可変利得アンプ1003により増幅される。
【0223】
検波器105によって、その増幅信号が直交検波されることによってI及びQch信号が得られ、このI及びQch信号がA/D変換器106,107によってディジタル化される。即ち、I及びQchデータに変換される。
【0224】
ここで、検波器105又はA/D変換器106,107の部品バラツキ、温度特性により、I及びQchデータの利得アンバランスが生じる場合がある。利得アンバランスは、受信特性の劣化につながるため、除去する必要がある。
【0225】
また、受信信号の信号レベルが非常に高い場合は、検波器105又はA/D変換器106,107が飽和することにより特性の劣化が生じ、或いは受信信号の受信レベルが非常に低い場合は、A/D変換器106,107のダイナミックレンジに対して、信号レベルが低いため、量子化ノイズが増加し、特性の劣化が生じる場合があるため、受信信号のレベルをA/D変換器106,107のダイナミックレンジ内で変動するよう、利得制御(AGC)を行う必要がある。
【0226】
利得アンバランスの補正は、上記実施の形態4で説明した通りである。
【0227】
一方、受信AGC制御は、まず、平均化処理器1004によって、振幅情報算出器502,503で算出されたI及びQchデータの振幅値Ki及びKqの平均値を算出することにより、受信レベルに相当する受信振幅値mを得る。
【0228】
次に、逆数算出器1005で、その受信振幅値mの逆数1/mを算出し、乗算器1006で、その逆数1/mと基準値格納器1008に格納された基準値との乗算を行うことにより利得補正値を得る。
【0229】
次に、乗算器1007で、利得補正値と遅延器1009で遅延された利得制御値とを乗算することによって、可変利得アンプ1003に対して、設定すべき利得制御値を得る。
【0230】
この利得制御値を、データ保持器1010に保持して可変利得アンプ1003に供給することで、可変利得アンプ1003以降の受信信号が、ある一定レベルの受信信号に保持される。
【0231】
ここで、上記説明における受信タイミングは、図11に示すように、PHS(Personal Handyphone System)等のTDMA(Time Division Multiple Access)方式を想定している。
【0232】
この場合、図11に示すように、前の受信スロットAで算出した振幅補正値及び利得制御値は、次の受信スロットBで補正する。また、振幅補正値は、受信フレームに対して、十分長い時間で変動するため、毎スロット毎に振幅補正値を算出するのではなく、複数のスロットにわたって算出した振幅補正値を複数のスロット間に使用することも可能である。
【0233】
また、利得アンバランスを補正するための振幅補正値の算出、又は受信AGC処理を行うための利得制御値の算出において、算出する逆数算出と乗算の一連の処理は、除算と置き換えることができる。更にこれらの算出は、算出した振幅値Ki及びKqを対数変換することにより、減算に置き換えることができる。
【0234】
このように、実施の形態9の送受信装置によれば、受信装置(受信部1001)を、実施の形態4の構成に、検波前の受信信号を増幅する可変利得アンプ1003を加え、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqの平均値を算出して受信レベルに相当する受信振幅値mを求め、この受信振幅値mの逆数1/mを算出し、この逆数1/mと受信レベルを収束させるための収束基準値とを乗算して可変利得アンプの利得補正値を求め、この利得補正値と、所定時間遅延された可変利得アンプの利得を制御するための前回の利得制御値とを乗算して今回の利得制御値を求め、この利得制御値で、検波前の信号を増幅する可変利得アンプの利得を制御するようにしたので、ディジタル処理によって、可変利得アンプで増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができる。
【0235】
また、ディジタル処理によって利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、アナログ回路で実現する構成と比較して、部品バラツキ、特性バラツキを考慮する必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0236】
また、アナログ回路で実現する構成と比較して、回路規模を削減させることができ、さらに安価に受信装置を実現することができる。
【0237】
また、振幅情報算出器502,503を利得アンバランス補正処理及び受信AGC処理の両方で共有して使用することができるため、さらなる回路規模の削減が実現でき、更に、逆数演算及び乗算演算を対数変換することにより、減算のみで実現することができるため、さらなる回路規模の削減が実現できる。
【0238】
(実施の形態10)
図12は、本発明の実施の形態10に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図12に示す実施の形態10において図6の実施の形態5及び図10の実施の形態9の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0239】
この実施の形態10の特徴は、実施の形態5の構成に、検波前の受信信号を増幅する増幅手段を加え、この増幅手段から出力される増幅信号の振幅が一定に保持されるようにするための増幅手段の利得制御を、振幅情報算出器502,503から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを用いたディジタル処理によって行うことにより、検波後のI及びQch信号の振幅を一定に保持するように構成した点にある。
【0240】
図12に示す実施の形態10の送受信装置1200において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0241】
受信部1201は、既に実施の形態9で説明済みのRF部1002と、可変利得アンプ1003と、平均化処理器1004と、逆数算出器1005と、乗算器1006,1007と、基準値格納器1008と、遅延器1009と、データ保持器1010と、既に実施の形態5で説明済みの検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511とを備えて構成されている。
【0242】
このような構成においては、実施の形態5で説明したIchデータの振幅をQchデータと同一にする補正制御と、実施の形態9で説明した受信AGC制御とが行われる。
【0243】
このように、実施の形態10の送受信装置によれば、受信装置(受信部1201)を、実施の形態5の構成に、検波前の受信信号を増幅する可変利得アンプ1003を加え、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqの平均値を算出して受信レベルに相当する受信振幅値mを求め、この受信振幅値mの逆数1/mを算出し、この逆数1/mと受信レベルを収束させるための収束基準値とを乗算して可変利得アンプの利得補正値を求め、この利得補正値と、所定時間遅延された可変利得アンプの利得を制御するための前回の利得制御値とを乗算して今回の利得制御値を求め、この利得制御値で、検波前の信号を増幅する可変利得アンプの利得を制御するようにしたので、ディジタル処理によって、可変利得アンプで増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができる。
【0244】
これによって、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、実施の形態9の受信装置に比べ、I、Q信号の利得比較によって、アンバランス補正が行うため、基準値との比較を行う必要がなく、より演算量削減、回路規模削減ができる。
【0245】
(実施の形態11)
図13は、本発明の実施の形態11に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図13に示す実施の形態11において図12の実施の形態10の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0246】
この実施の形態11が実施の形態10と異なる点は、振幅情報算出器503から出力されるQchデータの振幅値Kqの逆数1/Kqを逆数算出器505で求め、この逆数1/Kqを、乗算器1006で基準値格納器1008に格納された収束基準値と乗算するように構成したことにある。
【0247】
図13に示す実施の形態11の送受信装置1300において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0248】
受信部1301は、既に実施の形態9で説明済みのRF部1002と、可変利得アンプ1003と、乗算器1006,1007と、基準値格納器1008と、遅延器1009と、データ保持器1010と、既に実施の形態4又は5で説明済みの検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504,505と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511とを備えて構成されている。
【0249】
このような構成において、振幅値Kqを逆数算出器505で逆数演算することにより逆数1/Kqを求め、この逆数1/Kqと収束基準値とを乗算器1006で乗算することにより利得補正値を得る。
【0250】
ここで、Qch信号の振幅値Kqを受信レベル相当値としているのは、上記式(1)に基づいて算出した、ある一定期間のI及びQchデータの振幅値Ki及びKqが、ほぼ同一の値となることを前提としている。
【0251】
また、この例では、Qch信号の振幅値Kqを受信レベル相当値としたが、Ich信号の振幅値Kiを受信レベル相当値としてもよい。
【0252】
このように、実施の形態11の送受信装置によれば、Qch信号の振幅値Kqを受信レベル相当値として受信AGC制御に用いることにより、実施の形態10よりもさらに回路規模を削減することができる。その他の効果については、実施の形態10と同様の効果を得ることができる。
【0253】
(実施の形態12)
図14は、本発明の実施の形態12に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図14に示す実施の形態12において図10の実施の形態9の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0254】
この実施の形態12が実施の形態9と異なる点は、振幅情報算出器502,503に代え、実施の形態6で説明した最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705とを備えて構成したことにある。
【0255】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、これを最大値/最小値減算器704,705へ出力する。
【0256】
最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は実施の形態9で説明したと同様なので省略する。
【0257】
このように、実施の形態12の送受信装置によれば、受信装置(受信部1401)を、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqをその最大値及び最小値から算出するように構成したので、実施の形態9と同様の効果を得ることができ、また、実施の形態9の振幅情報算出器502,503よりも演算量、回路規模を削減することができる。
【0258】
(実施の形態13)
図15は、本発明の実施の形態13に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図15に示す実施の形態13において図12の実施の形態10の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0259】
この実施の形態13が実施の形態10と異なる点は、振幅情報算出器502,503に代え、実施の形態6で説明した最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705とを備えて構成したことにある。
【0260】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は実施の形態10で説明したと同様なので省略する。
【0261】
このように、実施の形態13の送受信装置によれば、受信装置(受信部1501)を、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqをその最大値及び最小値から算出するように構成したので、実施の形態10と同様の効果を得ることができ、また、実施の形態10の振幅情報算出器502,503よりも演算量、回路規模を削減することができる。
【0262】
(実施の形態14)
図16は、本発明の実施の形態14に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図16に示す実施の形態14において図13の実施の形態11の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0263】
この実施の形態14が実施の形態11と異なる点は、振幅情報算出器502,503に代え、実施の形態6で説明した最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705とを備えて構成したことにある。
【0264】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は実施の形態11で説明したと同様なので省略する。
【0265】
このように、実施の形態14の送受信装置によれば、受信装置(受信部1601)を、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqをその最大値及び最小値から算出するように構成したので、実施の形態11と同様の効果を得ることができ、また、実施の形態11の振幅情報算出器502,503よりも演算量、回路規模を削減することができる。
【0266】
(実施の形態15)
図17は、本発明の実施の形態15に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図17に示す実施の形態15において図9の実施の形態8及び図13の実施の形態11の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0267】
この実施の形態15の特徴は、実施の形態8の構成に、検波前の受信信号を増幅する増幅手段を加え、この増幅手段から出力される増幅信号の振幅が一定に保持されるようにするための増幅手段の利得制御を、振幅情報算出器502,503から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを用いたディジタル処理によって行うことにより、検波後のI及びQch信号の振幅を一定に保持するように構成した点にある。
【0268】
図17に示す実施の形態15の送受信装置1700において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0269】
受信部1701は、既に実施の形態11で説明済みのRF部1002と、可変利得アンプ1003と、逆数算出器505と、乗算器1006,1007と、基準値格納器1008と、遅延器1009と、データ保持器1010と、既に実施の形態8で説明済みの検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、逆数算出器504と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511と、最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705と、平均値算出器304,305と、減算器113,114と、基準値格納器115,116と、減算器108,109とを備えて構成されている。
【0270】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は、実施の形態8及び11で説明したと同様なので省略する。
【0271】
このように、実施の形態15の送受信装置によれば、受信装置(受信部1701)を、実施の形態8のI及びQchデータの振幅値を同一とすると共に、I及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能に、実施の形態11で説明したQch信号の振幅値Kqを受信レベル相当値として受信AGC制御に用いる機能を備えて構成したので、実施の形態8及び11の双方を合わせ持つ効果を得ることができる。
【0272】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、補正回路及び特性変化の少ない高価な部品を使用することなく、低コストで部品及び特性のバラツキと検波後のI及びQch信号の利得アンバランスとを無くすことができ、回路規模を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図2】上記実施の形態1における受信フレームのフォーマット図
【図3】本発明の実施の形態2に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態5に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態6に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態7に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態8に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態9に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図11】上記実施の形態9における受信フレームのフォーマット図
【図12】本発明の実施の形態10に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態11に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態12に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態13に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の実施の形態14に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態15に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図18】従来の受信装置の構成を示すブロック図
【図19】従来の送受信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
105 検波器
106,107 A/D変換器
108,109 減算器
110 復号器
111,112 平均値算出器
113,114 減算器
115,116 基準値格納器
117,118 加算器
119,120 遅延器
121 マッピング器
122,123 D/A変換器
124 変調器
302,303最大値/最小値算出器
304,305 平均値算出器
402,403 データ保持器
502,503 振幅情報算出器
504,505 逆数算出器
506,507 乗算器
508 基準値格納器
509,510 データ保持器
511,512 乗算器
702,703 最大値/最小値算出器
704,705 最大値/最小値減算器
1003 可変利得アンプ
1004 平均化処理器
1005 逆数算出器
1006,1007 乗算器
1008 基準値格納器
1009 遅延器
1010 データ保持器
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタル移動体通信等に用いられる受信装置と送受信装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、受信装置と送受信装置及び方法としては、特開平9−326775号公報に記載されているものがある。
【0003】
図18は、従来の受信装置の構成を示すブロック図である。この図18に示す受信装置は、アンテナ1801と、検波器1802と、DCオフセット算出器1803,1804、減算器1805,1806と、A/D変換器1807,1808と、復号器1809とを備えて構成されている。
【0004】
検波器1802は、アンテナ1801で受信された信号を直交検波し、これによって得られるI及びQch信号(I及びQチャネル信号)を、DCオフセット算出器1803,1804及び、減算器1805,1806へ出力する。
【0005】
DCオフセット算出器1803,1804は、I及びQch信号からDCオフセット量を算出し、このDCオフセット量を減算器1805,1806へ出力する。
【0006】
減算器1805,1806は、I及びQch信号からDCオフセット量を減算し、これによってDCオフセット成分が除去されたI及びQch信号を、A/D変換器1807,1808へ出力する。
【0007】
A/D変換器1807,1808は、DCオフセット成分の除去されたI及びQch信号をディジタル信号に変換し、このディジタル化されたI及びQchデータを、復号器1809へ出力する。復号器1809は、そのI及びQchデータを復号することにより復号データを得る。
【0008】
なお、上記受信装置のようにDCオフセットをアナログ回路によって除去する例は、文献(林他“TDMA(Time Division Multiple Access)対応ダイレクトコンバージョン受信機用DCオフセット除去方式”、1997年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、B−5−167)等にも記載されている。
【0009】
次に、図19を参照して従来の送受信装置を説明する。但し、この図19に示す送受信装置において図18の受信装置の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0010】
図19に示す送受信装置1800は、受信部1801及び送信部1802と、受信部1801及び送信部1802が共用する送受信用のアンテナ1803及び送受信の切り替えを行う共用器1804を備えて構成されている。
【0011】
受信部1801は、受信用のRF(Radio Frequency)部1805と、可変利得アンプ1806と、振幅算出器1807と、AGC(Automatic Gain Control)処理器1808と、データ保持器1809と、図18に示した受信装置の検波器1802〜復号器1809とを備えて構成されている。
【0012】
送信部1802は、マッピング器1810と、D/A変換器1811,1812と、変調器1813とを備えて構成されている。
【0013】
このような構成において、アンテナ1803及び共用器1804を介してRF部1805で受信されたIF信号から、アナログ回路で構成された振幅算出器1807で振幅を算出し、AGC処理器1807において、その算出された振幅を一定に保つための可変利得アンプ1806の可変利得制御値を算出し、この算出された可変利得制御値をデータ保持器1809で、ある受信区間保持することによって可変利得アンプ1806の制御を行う。
【0014】
これによって、検波器1802を介してA/D変換器1807,1808に入力される信号レベルが常に一定の値となるよう制御が行われる。
【0015】
一方、送信部1802では、送信すべき送信データが、マッピング器1810において、送信するためのI、Q符号化信号(I及びQchデータ)にマッピングされ、D/A変換器1811,1812によってアナログ信号に変換される。
【0016】
この変換されたI及びQch信号が、変調器1813によって直交変調されることにより送信無線信号を得る。送信無線信号は、共用器1804を介してアンテナ1803から電波送信される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置においては、AGC処理を行う回路、及び直交検波後のI及びQch信号のDCオフセット算出、およびDCオフセット除去を行う回路が、アナログ回路で構成されているため、回路規模が大きくなり、また、構成部品のバラツキ、電圧変化、温度変化等による特性のバラツキが発生し、このバラツキを補正するための補正回路や、特性のバラツキを考慮した設計が必要となるという問題がある。
【0018】
また、検波器の構成部品のバラツキ、温度変化等による特性のバラツキによって、受信I及びQch信号に利得のアンバランスが生じるという問題がある。
【0019】
また、部品のバラツキ、特性のバラツキを極力軽減させるため、特性変化の少ない高価な部品を使用したり、特性のバラツキを軽減させるための補正回路を追加したりする必要があり、その分、コスト高となるという問題がある。
【0020】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、補正回路及び特性変化の少ない高価な部品を使用することなく、低コストで部品及び特性のバラツキと検波後のI及びQch信号の利得アンバランスとを無くすことができ、回路規模を小さくすることができる受信装置と送受信装置及び方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、検波手段で受信信号を直交検波後にA/D変換手段でディジタル信号に変換し、平均値算出手段で求めたディジタル信号の平均値から基準値を減算手段で減算してDCオフセット値を求め、この値を前回受信タイミングで求められたDCオフセット補正値に加算手段で加算して今回受信タイミングの補正値を求め、この補正値を遅延手段で遅延した値を、減算手段で現受信タイミングのディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去した後、復号手段で復号する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の態様は、受信信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号の一定時間の平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回受信タイミングで求められたディジタル信号のDCオフセット補正値に加算して今回受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値を現受信タイミングのディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去し、このDCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号する機能、を具備する構成を採る。
【0023】
この構成によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0024】
本発明の第2の態様は、受信信号を直交検波する検波手段と、前記直交検波信号を第1ディジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記第1ディジタル信号から、DCオフセット成分を除去するための第1DCオフセット補正値を減算して第2ディジタル信号を求める第1減算手段と、前記第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求める第2減算手段と、前記DCオフセット値を前記第1DCオフセット補正値に加算して第2DCオフセット補正値を求める加算手段と、前記第2DCオフセット補正値を遅延して前記第1DCオフセット補正値を求める遅延手段と、前記第2ディジタル信号を復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0026】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、遅延手段が、第2DCオフセット補正値を1乃至は複数受信スロット分遅延して第1DCオフセット補正値を求める構成を採る。
【0027】
この構成によれば、複数の受信スロットに渡って算出されたDCオフセット補正値を使用することができる。
【0028】
本発明の第4の態様は、第2の態様又は第3の態様において、平均値算出手段が、第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出する機能に代え、前記第2ディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出する機能を具備する構成を採る。
【0029】
この構成によれば、DCオフセット成分の除去を行う演算量の削減が可能となる。
【0030】
本発明の第5の態様は、受信信号を直交検波する検波手段と、前記直交検波信号をディジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記ディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求める第1減算手段と、前記ディジタル信号から前記DCオフセット値を減算してDCオフセット成分を除去する第2減算手段と、前記DCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
【0031】
この構成によれば、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、さらに演算量削減、及び回路規模の縮小を実現することができる。
【0032】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、第1減算手段から出力されるDCオフセット値を、1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持しながら第2減算手段へ出力するデータ保持手段を具備する構成を採る。
【0033】
この構成によれば、1受信スロットで算出したDCオフセット値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0034】
本発明の第7の態様は、受信信号を直交検波する検波手段と、前記直交検波信号であるI及びQch信号をディジタルのI及びQchデータに変換するA/D変換手段と、前記I及びQchデータの振幅値を算出する振幅情報算出手段と、前記I及びQchデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記I及びQchデータの逆数に同一の基準値を乗算して振幅補正値を得る第1乗算手段と、前記I及びQchデータの振幅補正値と前記I及びQchデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正する第2乗算手段と、前記同一振幅とされたI及びQchデータを復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
【0035】
この構成によれば、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0036】
本発明の第8の態様は、受信信号を直交検波する検波手段と、前記直交検波信号であるI及びQch信号をディジタルのI及びQchデータに変換するA/D変換手段と、前記I及びQchデータの振幅値を算出する振幅情報算出手段と、前記Ichデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記Ichデータの逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を得る第1乗算手段と、前記振幅補正値と前記Ichデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正する第2乗算手段と、前記同一振幅とされたI及びQchデータを復号する復号手段と、を具備する構成を採る。
【0037】
この構成によれば、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、第4の態様に比べ、I、Q信号の利得比較によって、アンバランス補正が行うため、基準値との比較を行う必要がなく、より演算量削減、回路規模削減ができる。
【0038】
本発明の第9の態様は、第7の態様又は第8の態様において、第1乗算手段から出力されるI及びQchデータの振幅補正値を、1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持しながら第2乗算手段へ出力するデータ保持手段を具備する構成を採る。
【0039】
この構成によれば、1受信スロットで算出した振幅補正値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0040】
本発明の第10の態様は、第2の態様において、DCオフセット成分の除去された第2ディジタル信号である第1I及びQchデータの振幅値を算出する振幅情報算出手段と、前記第1Ichデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を得る第3乗算手段と、前記振幅補正値と前記第1Ichデータとを乗算して前記第1Ichデータの振幅を前記第1Qchデータの振幅と同一に補正する第4乗算手段とを具備し、復号手段が、前記同一振幅とされた第1I及びQchデータを復号する構成を採る。
【0041】
この構成によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0042】
本発明の第11の態様は、第5の態様において、DCオフセット成分が除去されたディジタル信号であるI及びQchデータの最大値から最小値を減算して前記I及びQchデータの振幅値を算出する振幅算出手段と、前記Ichデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を得る第1乗算手段と、前記振幅補正値と前記DCオフセット成分の除去されたIchデータとを乗算して、そのIchデータの振幅を前記DCオフセット成分の除去されたQchデータの振幅と同一に補正する第2乗算手段とを具備し、復号手段が前記同一振幅とされたI及びQchデータを復号する構成を採る。
【0043】
この構成によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0044】
本発明の第12の態様は、第7の態様又は第8の態様において、直交検波前の受信信号を増幅する増幅手段と、振幅情報算出手段で算出されたI及びQchデータの振幅値の平均値を算出して受信信号のレベルに対応する受信振幅値を求める平均化処理手段と、前記受信振幅値の逆数を算出する第2逆数算出手段と、前記逆数と受信信号のレベルを収束させるための収束基準値とを乗算して前記増幅手段の利得補正値を求める第3乗算手段と、所定時間遅延された前記増幅手段の利得を増幅受信信号のレベルが一定となるように制御するための利得制御値と前記利得補正値とを乗算して現在の利得制御値を求め前記増幅手段へ出力する第4乗算手段と、を具備する構成を採る。
【0045】
この構成によれば、ディジタル処理によって、利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、増幅手段で増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができ、アナログ回路で実現する構成と比較して、部品バラツキ、特性バラツキを考慮する必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0046】
本発明の第13の態様は、第8の態様又は第11の態様において、直交検波前の受信信号を増幅する増幅手段と、振幅情報算出手段で算出されたI又はQchデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記逆数と収束基準値とを乗算して利得補正値を求める第3乗算手段と、所定時間遅延された利得制御値と前記利得補正値とを乗算して現在の利得制御値を求め前記増幅手段へ出力する第4乗算手段と、を具備する構成を採る。
【0047】
この構成によれば、ディジタル処理によって、利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、増幅手段で増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができ、第12の態様よりもさらに回路規模を削減することができる。
【0048】
本発明の第14の態様は、第7,8,12の態様いずれかにおいて、振幅情報算出手段を、I及びQchデータの最大値及び最小値を求め、前記最大値から最小値を減算して前記I及びQchデータの振幅値を算出する機能とする構成を採る。
【0049】
この構成によれば、I及びQchデータの振幅値を求める演算量の削減が可能となる。
【0050】
本発明の第15の態様は、第12の態様乃至第14の態様いずれかにおいて、第4乗算手段から出力される利得制御値を、1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持しながら増幅手段へ出力する第2データ保持手段を具備する構成を採る。
【0051】
この構成によれば、1受信スロットで算出した利得制御値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0052】
本発明の第16の態様は、送受信装置に、第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の受信装置、を具備する構成を採る。
【0053】
この構成によれば、送受信装置が第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0054】
本発明の第17の態様は、第16の態様において、送信データを送信するための符号化データにマッピングするマッピング手段と、前記マッピングした符号化データをアナログ信号に変換するD/A変換手段と、前記アナログ信号を変調して変調信号に変換する変調手段とを備える送信装置、を具備する構成を採る。
【0055】
この構成によれば、マッピング後のデータをアナログ信号に変換して変調する送信装置を備えた送受信装置が、第1の態様乃至第16の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0056】
本発明の第18の態様は、基地局装置に、第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の受信装置、を具備する構成を採る。
【0057】
この構成によれば、基地局装置が第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0058】
本発明の第19の態様は、移動局装置に、第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の受信装置、を具備する構成を採る。
【0059】
この構成によれば、移動局装置が第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0060】
本発明の第20の態様は、第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の受信装置を、移動体通信システムの基地局装置又は移動局装置に具備する構成を採る。
【0061】
この構成によれば、移動体通信システムが第1の態様乃至第15の態様いずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0062】
本発明の第21の態様は、基地局装置が、第16の態様記載の送受信装置、を具備する構成を採る。
【0063】
この構成によれば、基地局装置が第16の態様記載の作用効果を得ることができる。
【0064】
本発明の第22の態様は、移動局装置が、第16の態様記載の送受信装置、を具備する構成を採る。
【0065】
この構成によれば、移動局装置が第16の態様記載の作用効果を得ることができる。
【0066】
本発明の第23の態様は、第16の態様記載の受信装置を、移動体通信システムの基地局装置又は移動局装置に具備する構成を採る。
【0067】
この構成によれば、移動体通信システムが第16の態様記載の作用効果を得ることができる。
【0068】
本発明の第24の態様は、受信信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号の一定時間の平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回受信タイミングで求められたディジタル信号のDCオフセット補正値に加算して今回受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値を現受信タイミングのディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去し、このDCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号するようにした。
【0069】
この方法によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0070】
本発明の第25の態様は、受信信号を第1ディジタル信号に変換し、この第1ディジタル信号から、DCオフセット成分を除去するための第1DCオフセット補正値を減算して第2ディジタル信号を求め、この第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出し、前記平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前記第1DCオフセット補正値に加算して第2DCオフセット補正値を求め、この第2DCオフセット補正値を遅延して前記第1DCオフセット補正値を求め、この第1DCオフセット補正値によりDCオフセット成分が除去された第2ディジタル信号を復号するようにした。
【0071】
この方法によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0072】
本発明の第26の態様は、第25の態様において、第2DCオフセット補正値を1乃至は複数受信スロット分遅延して第1DCオフセット補正値を求めるようにした。
【0073】
この方法によれば、複数の受信スロットに渡って算出されたDCオフセット補正値を使用することができる。
【0074】
本発明の第27の態様は、第25の態様又は第26の態様において、第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出することに代え、前記第2ディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出するようにした。
【0075】
この方法によれば、DCオフセット成分の除去を行う演算量の削減が可能となる。
【0076】
本発明の第28の態様は、受信信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出し、この平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、前記ディジタル信号から前記DCオフセット値を減算してDCオフセット成分を除去し、このDCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号するようにした。
【0077】
この方法によれば、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、さらに演算量削減、及び回路規模の縮小を実現することができる。
【0078】
本発明の第29の態様は、第28の態様において、DCオフセット値を1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持し、この保持中のDCオフセット値をディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去するようにした。
【0079】
この方法によれば、1受信スロットで算出したDCオフセット値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0080】
本発明の第30の態様は、受信信号をディジタルのI及びQchデータに変換し、このI及びQchデータの振幅値を算出し、このI及びQchデータの振幅値の逆数を算出し、このI及びQchデータの逆数に同一の基準値を乗算して振幅補正値を求め、このI及びQchデータの振幅補正値と前記I及びQchデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正し、この同一振幅とされたI及びQchデータを復号するようにした。
【0081】
この方法によれば、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0082】
本発明の第31の態様は、受信信号をディジタルのI及びQchデータに変換し、このI及びQchデータの振幅値を算出し、このIchデータの振幅値の逆数を算出し、このIchデータの逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を求め、この振幅補正値と前記Ichデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正し、この同一振幅とされたI及びQchデータを復号するようにした。
【0083】
この方法によれば、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、第27の態様に比べ、I、Q信号の利得比較によって、アンバランス補正が行うため、基準値との比較を行う必要がなく、より演算量削減、回路規模削減ができる。
【0084】
本発明の第32の態様は、第30の態様又は第31の態様において、I及びQchデータの振幅補正値を1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持し、この保持中の振幅補正値で前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正するようにした。
【0085】
この方法によれば、1受信スロットで算出した振幅補正値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0086】
本発明の第33の態様は、第25の態様において、DCオフセット成分の除去された第2ディジタル信号である第1I及びQchデータの振幅値を算出し、この第1Ichデータの振幅値の逆数を算出し、この逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を求め、この振幅補正値と前記第1Ichデータとを乗算して前記第1Ichデータの振幅を前記第1Qchデータの振幅と同一に補正し、この同一振幅とされた第1I及びQchデータを復号するようにした。
【0087】
この方法によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0088】
本発明の第34の態様は、第28の態様において、DCオフセット成分が除去されたディジタル信号であるI及びQchデータの最大値から最小値を減算して前記I及びQchデータの振幅値を算出し、このIchデータの振幅値の逆数を算出し、この逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を求め、この振幅補正値と前記DCオフセット成分の除去されたIchデータとを乗算して、そのIchデータの振幅を前記DCオフセット成分の除去されたQchデータの振幅と同一に補正し、この同一振幅とされたI及びQchデータを復号するようにした。
【0089】
この方法によれば、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができると共に、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0090】
本発明の第35の態様は、第30の態様又は第31の態様において、直交検波前の受信信号を増幅するようにし、I及びQchデータの振幅値の平均値を算出して受信信号のレベルに対応する受信振幅値を求め、この受信振幅値の逆数と受信信号のレベルを収束させるための収束基準値とを乗算して前記増幅時の利得補正値を求め、所定時間遅延された前記増幅時の利得を増幅受信信号のレベルが一定となるように制御するための利得制御値と前記利得補正値とを乗算して現在の利得制御値を求め、この求められた利得制御値で前記増幅時の利得を制御するようにした。
【0091】
この方法によれば、ディジタル処理によって、利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、増幅手段で増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができ、アナログ回路で実現する構成と比較して、部品バラツキ、特性バラツキを考慮する必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0092】
本発明の第36の態様は、第31の態様又は第34の態様において、直交検波前の受信信号を増幅するようにし、I又はQchデータの振幅値の逆数と収束基準値とを乗算して利得補正値を求め、所定時間遅延された利得制御値と前記利得補正値とを乗算して現在の利得制御値を求め、この求められた利得制御値で前記増幅時の利得を制御するようにした。
【0093】
この方法によれば、ディジタル処理によって、利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、増幅手段で増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができ、第12の態様よりもさらに回路規模を削減することができる。
【0094】
本発明の第37の態様は、第30,31,35の態様いずれかにおいて、I及びQchデータの振幅値を算出する場合に、前記I及びQchデータの最大値及び最小値を求め、前記最大値から最小値を減算して前記I及びQchデータの振幅値を算出するようにした。
【0095】
この方法によれば、I及びQchデータの振幅値を求める演算量の削減が可能となる。
【0096】
本発明の第38の態様は、第35の態様乃至第37の態様いずれかにおいて、利得制御値を、1乃至は複数受信スロットに対応する時間保持し、この保持された利得制御値で増幅時の利得を制御するようにした。
【0097】
この方法によれば、1受信スロットで算出した利得制御値を、複数受信スロットで用いることができるので、その分、演算量を削減することができる。
【0098】
本発明の第39の態様は、送受信方法に、第24の態様乃至第38の態様いずれかに記載の受信方法を用いるようにした。
【0099】
この方法によれば、送受信装置が請求項24乃至請求項38のいずれかに記載の作用効果を得ることができる。
【0100】
本発明の第40の態様は、第39の態様において、送信データを送信するための符号化データにマッピングし、このマッピングした符号化データをアナログ信号に変換し、このアナログ信号を変調して変調信号に変換するようにした。
【0101】
この方法によれば、マッピング後のデータをアナログ信号に変換して変調する送信装置を備えた送受信装置が、第39の態様に記載の作用効果を得ることができる。
【0102】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0103】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。
【0104】
この実施の形態1の特徴は、受信信号をディジタルのI及びQch信号(I及びQchデータ)に変換し、そのI及びQchデータの一定時間の平均値から、I及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回受信タイミングで求められたI及びQchデータのDCオフセット補正値に加算して今回受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値で現受信タイミングのI及びQchデータのDCオフセットを補正し、この補正されたI及びQchデータを復号するように構成した点にある。
【0105】
図1に示す送受信装置100は、受信部101及び送信部102と、受信部101及び送信部102が共用する送受信用のアンテナ103及び送受信の切り替えを行う共用器104を備えて構成されている。
【0106】
受信部101は、検波器105と、A/D変換器106,107と、減算器108,109と、平均値算出器111,112と、復号器110と、減算器113,114と、基準値格納器115,116と、加算器117,118と、遅延器119,120とを備えて構成されている。
【0107】
送信部102は、マッピング器121と、D/A変換器122,123と、変調器124とを備えて構成されている。
【0108】
受信部101の検波器105は、アンテナ103で受信された信号を直交検波し、これにより得られたI及びQch信号を、A/D変換器106,107へ出力するものである。A/D変換器106,107は、I及びQch信号をディジタル信号に変換し、この変換されたI及びQchデータを減算器108,109へ出力するものである。
【0109】
減算器108,109は、I及びQchデータより、遅延器119,120から出力されるDCオフセット補正値を減算し、この結果を復号器110及び平均値算出器111,112へ出力するものである。
【0110】
平均値算出器111,112は、I及びQchデータを一定時間加算して、その平均値を算出し、この平均値を減算器113,114へ出力するものである。
【0111】
減算器113,114は、平均値から、基準値格納器115,116に格納されたI及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算することによりDCオフセット値を求め、これを加算器117,118へ出力するものである。
【0112】
加算器117,118は、遅延器119,120から出力されるDCオフセット補正値に、DCオフセット値を加算することにより、遅延前のDCオフセット補正値を求め、遅延器119,120へ出力するものである。
【0113】
遅延器119,120は、そのDCオフセット補正値を所定時間遅延することにより、DCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を減算器108,109及び加算器117,118へ出力するものである。
【0114】
また、復号器110は、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータを復号して復号データを得るものである。
【0115】
送信部102のマッピング器121は、送信データを送信するためのI及びQch符号化データにマッピングし、これによって得られたI及びQchデータをD/A変換器122,123へ出力するものである。
【0116】
D/A変換器122,123は、I及びQchデータをアナログ信号に変換して変調器124へ出力するものである。変調器124は、アナログ化された信号を直交変調し、この変調信号を共用器104へ出力するものである。
【0117】
このような構成において、受信部101では、検波器105の部品バラツキ、温度特性や、受信I及びQch信号とA/D変換器106,107の基準電圧とのずれ等により、I及びQch信号にDCオフセット成分が重畳することになる。
【0118】
この重畳されたDCオフセット成分は、受信特性の劣化につながるため、除去する必要がある。重畳されたDCオフセットの量は、前述したように、平均値算出器111,112によってI及びQchデータの平均値が算出され、減算器113,114で基準値と減算されることにより、DCオフセット値として算出される。
【0119】
ここで、平均値算出器111,112での平均値Saveの算出方法は、ディジタル化されたI及びQchデータをSkとすると、次式(1)で算出される。
【0120】
【数1】
次に、上記のDCオフセット値は、加算器117,118で、現在設定されているDCオフセット補正値と加算される。これによって、次に設定されるDCオフセット補正値が求められる。
【0121】
このDCオフセット補正量は、次の受信スロットで用いられるように遅延器119,120で遅延され、これによって、次の受信スロットにおいてI及びQchデータからDCオフセット成分の除去が行われる。このDCオフセット除去が行われたI及びQchデータは、復号器110に入力され、ここで復号データに変換される。
【0122】
また、上記説明における受信タイミングは、図2に示すようにPHS(Personal Handyphone System)等のTDMA方式を想定している。
【0123】
この場合、図2に示すように、前の受信スロットAで算出したDCオフセット量(DCオフセット値)を次の受信スロットBで補正する。また、DCオフセット変動は、受信フレームに対して、十分長い時間で変動するため、毎スロットごとにDCオフセット量を算出するのではなく、複数のスロットにわたって算出したDCオフセット量を複数のスロット間に使用することも可能である。
【0124】
一方、送信部102では、送信すべき送信データが、マッピング器121において、送信するためのI、Q符号化信号(I及びQchデータ)にマッピングされ、D/A変換器122,123によってアナログ信号に変換される。
【0125】
その変換されたI及びQch信号が、変調器124によって直交変調されることにより送信無線信号を得る。送信無線信号は、共用器104を介してアンテナ103から電波送信される。
【0126】
このように、実施の形態1の送受信装置によれば、受信装置(受信部101)を、受信信号をディジタル信号、即ちI及びQchデータに変換し、そのI及びQchデータの一定時間の平均値から、I及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回受信タイミングで求められたI及びQchデータのDCオフセット補正値に加算して今回受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値で現受信タイミングのI及びQchデータのDCオフセットを補正し、この補正されたI及びQchデータを復号するように構成した。
【0127】
これによって、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0128】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図3に示す実施の形態2において図1の実施の形態1の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0129】
この実施の形態2の特徴は、実施の形態1と平均値の算出機能が異なる点にある。
【0130】
図3に示す実施の形態2の送受信装置300が、実施の形態1の送受信装置100と異なる点は、図1に示した受信部101における平均値算出器111,112の代わりに、図3に示すように受信部301に、最大値/最小値算出器302,303と、平均値算出器304,305とを備えて構成したことにある。
【0131】
このような構成において、最大値/最小値算出器302,303は、I及びQchデータの所定区間における最大値と最小値を算出し、これを平均値算出器304,305へ出力する。平均値算出器304,305は、最大値及び最小値からその平均値を算出し、これを減算器113,114へ出力する。以降の動作は実施の形態1で説明したと同様である。
【0132】
このように、実施の形態2の送受信装置によれば、実施の形態1では、I及びQchデータの平均値を算出するために、累積加算を行い更に除算を行う必要があるが、実施の形態2では、I及びQchデータの最大値及び最小値を求めた後、その中間値を求めることによって平均値を算出すればよいので、平均値を求める平均値算出器304,305をビットシフト構成で実現できるため、実施の形態1と同様の効果を得ることができると共に、実施の形態1に比べ演算量の削減が可能となる。
【0133】
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図4に示す実施の形態3において図3の実施の形態2の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0134】
この実施の形態3の特徴は、A/D変換後のI及びQchデータにおけるDCオフセット値に相当する平均値から基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値をI及びQchデータから減算することによりDCオフセット成分を除去するように構成した点にある。
【0135】
図4に示す実施の形態3の送受信装置400が、実施の形態2の送受信装置300と異なる点は、図4に示すように受信部401において、A/D変換器106,107の出力側に、実施の形態2で説明した最大値/最小値算出器302,303、平均値算出器304,305、基準値格納器115,116及び減算器113,114を接続し、減算器113,114と、減算器108,109との間に、データ保持器402,403を接続して構成したことにある。
【0136】
このような構成において、最大値/最小値算出器302,303は、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータの所定区間における最大値と最小値を算出し、これを平均値算出器304,305へ出力する。
【0137】
平均値算出器304,305は、最大値及び最小値からその平均値を算出して減算器113,114へ出力する。
【0138】
減算器113,114は、平均値から、基準値格納器115,116に格納されたI及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算することによりDCオフセット値を求め、これをデータ保持器402,403へ出力するものである。
【0139】
データ保持器402,403は、そのDCオフセット値を保持して減算器108,109へ出力する。ここで、その保持時間は、1〜複数の受信スロットに対応する時間としてもよい。
【0140】
そして、減算器108,109で、I及びQchデータからDCオフセット値を減算することにより、DCオフセット成分を除去することができる。
【0141】
このように、実施の形態3の送受信装置によれば、受信装置(受信部401)を、A/D変換後のI及びQchデータにおけるDCオフセット値に相当する平均値を求め、この平均値から基準値を減算することによりDCオフセット値を求め、このDCオフセット値をI及びQchデータから減算することによりDCオフセット成分を除去するように構成した。
【0142】
これによって、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、実施の形態2の受信装置よりもさらに演算量削減、及び回路規模の縮小を実現することができる。
【0143】
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図5に示す実施の形態4において図1の実施の形態1の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0144】
この実施の形態4の特徴は、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値を算出し、更に各振幅値の逆数を算出し、各逆数に同一の基準値を乗算して得た各振幅補正値をI及びQchデータと乗算することによりI及びQchデータの振幅補正を行うように構成した点にある。
【0145】
図5に示す実施の形態4の送受信装置500において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0146】
受信部501は、検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504,505と、乗算器506,507と、基準値格納器508と、データ保持器509,510と、乗算器511,512とを備えて構成されている。
【0147】
振幅情報算出器502,503は、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出し、この振幅値Ki及びKqを逆数算出器504,505へ出力するものである。
【0148】
逆数算出器504は、振幅値Kiの逆数1/Kiを算出し、この逆数1/Kiを乗算器506へ出力し、逆数算出器505は、振幅値Kqの逆数1/Kqを算出し、この逆数1/Kqを乗算器507へ出力するものである。
【0149】
乗算器506は、基準値格納器508に格納されたI及びQchデータの振幅を等しくするための基準値と、振幅値の逆数1/Kiとを乗算し、この乗算結果である第1振幅補正値をデータ保持器509へ出力し、乗算器507は、基準値と振幅値の逆数1/Kqとを乗算し、この乗算結果である第2振幅補正値をデータ保持器510へ出力するものである。
【0150】
データ保持器509,510は、第1及び第2振幅補正値を保持して乗算器511,512へ出力するものである。
【0151】
乗算器511,512は、I及びQchデータと第1及び第2振幅補正値とを乗算し、この乗算値を復号器110へ出力するものである。
【0152】
このような構成において、検波器105においては、その部品バラツキ、温度特性等により、受信I及びQch信号に利得のアンバランスが生じ、その結果、直交検波されたI及びQch信号の振幅がアンバランスとなり、後段のA/D変換器106,107でディジタル化されたI及びQchデータも振幅アンバランスとなる。この振幅アンバランスは、受信特性の劣化につながるため、除去する必要がある。
【0153】
A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータは、乗算器511,512と、振幅情報算出器502,503とに入力され、まず、振幅情報算出器502,503において、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqが算出される。
【0154】
この振幅値Ki及びKqの算出においては、例えば、アンテナ103で無変調の信号が受信された場合、受信信号の振幅と実効値の関係は、正比例であるため実効値を算出する事により振幅値Ki及びKqが得られる。IchデータSkを例にとると、実効値Srは、次式(2)で算出することができる。
【0155】
【数2】
このように算出された振幅値Ki=「10」、Kq=「11」とする。この振幅値Ki=「10」、Kq=「11」は、逆数算出器504,505でその逆数1/Ki=「1/10」及び1/Kq=「1/11」が算出される。
【0156】
次に、算出された逆数「1/10」及び「1/11」が、乗算器507,508によって、基準値の例えば「2」と乗算され、この結果得られる「2/10」及び「2/11」の第1及び第2振幅補正値を算出する。この第1及び第2振幅補正値「2/10」及び「2/11」は、データ保持器509,510に保持され、乗算器511,512へ出力される。
【0157】
乗算器511では、Ichデータ「10」と第1振幅補正値「2/10」とが乗算されることによって補正された振幅値「2」のIchデータが復号器110へ出力される。
【0158】
乗算器512では、Qchデータ「11」と第2振幅補正値「2/11」とが乗算されることによって補正された振幅値「2」のQchデータが復号器110へ出力される。
【0159】
つまり、同振幅値「2」とされたI及びQchデータが復号器110へ出力され、ここで、復号され、復号データが得られる。
【0160】
このように、実施の形態4の送受信装置によれば、受信装置(受信部501)を、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値を算出し、更に各振幅値の逆数を算出し、各逆数に同一の基準値を乗算して得た各振幅補正値をI及びQchデータと乗算することによりI及びQchデータの振幅補正を行うように構成した。
【0161】
これによって、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0162】
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図6に示す実施の形態5において図5の実施の形態4の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0163】
この実施の形態5の特徴は、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値を算出し、この内、Ichデータの振幅値の逆数を算出し、逆数にQchデータの振幅値を乗算して得た振幅補正値をIchデータと乗算することによりIchデータの振幅をQchデータと同一にする補正を行うように構成した点にある。
【0164】
図6に示す実施の形態5の送受信装置600の受信部601は、検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511とを備えて構成されている。
【0165】
振幅情報算出器502,503は、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出するものである。
【0166】
逆数算出器504は、振幅値Kiの逆数1/Kiを算出するものである。
【0167】
乗算器506は、Qchデータの振幅値KqとIchデータの逆数1/Kiとを乗算し、この乗算結果である振幅補正値をデータ保持器509へ出力するものである。
【0168】
データ保持器509は、振幅補正値を保持して乗算器511へ出力するものである。
【0169】
乗算器511は、Ichデータと振幅補正値とを乗算し、この乗算値を復号器110へ出力するものである。
【0170】
このような構成において、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータは、振幅情報算出器502,503に入力され、ここで、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqが算出される。
【0171】
このように算出された振幅値Ki=「11」、Kq=「12」とする。この内、Ichデータの振幅値Ki=「11」は、逆数算出器504でその逆数1/Ki=「1/11」が算出される。
【0172】
次に、算出された逆数「1/11」が、乗算器506によって、Qchデータの振幅値Kq=「12」と乗算され、この結果得られる「12/11」の振幅補正値が、データ保持器509に保持され、乗算器511へ出力される。
【0173】
乗算器511では、Ichデータ「11」と振幅補正値「12/11」とが乗算されることによってIchデータの振幅値が「12」に補正される。即ち、Qchデータの振幅値「12」と同一となる。
【0174】
この同振幅値「12」とされたI及びQchデータが復号器110へ出力され、ここで、復号され、復号データが得られる。
【0175】
このように、実施の形態5の送受信装置によれば、受信装置(受信部601)を、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値を算出し、この内、Ichデータの振幅値の逆数を算出し、逆数にQchデータの振幅値を乗算して得た振幅補正値をIchデータと乗算することによりIchデータの振幅をQchデータと同一にする補正を行うように構成した。
【0176】
これによって、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、実施の形態4の受信装置に比べ、I、Q信号の利得比較によって、アンバランス補正が行うため、基準値との比較を行う必要がなく、より演算量削減、回路規模削減ができる。
【0177】
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図7に示す実施の形態6において図6の実施の形態5の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0178】
この実施の形態6が実施の形態5と異なる点は、振幅情報算出器502,503に代え、最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705とを備えて構成した点にある。
【0179】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、これを最大値/最小値減算器704,705へ出力する。
【0180】
最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は実施の形態5で説明したと同様なので省略する。
【0181】
このように、実施の形態6の送受信装置によれば、受信装置(受信部601)を、受信信号を直交検波してディジタル信号のI及びQchデータに変換し、この変換されたI及びQchデータの振幅値をその最大値及び最小値から算出し、この内、Ichデータの振幅値の逆数を算出し、逆数にQchデータの振幅値を乗算して得た振幅補正値をIchデータと乗算することによりIchデータの振幅をQchデータと同一にする補正を行うように構成した。
【0182】
これによって、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、実施の形態5の振幅情報算出器よりも演算量、回路規模を削減することができる。
【0183】
(実施の形態7)
図8は、本発明の実施の形態7に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図8に示す実施の形態7において図1の実施の形態1及び図6の実施の形態5の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0184】
この実施の形態7の特徴は、受信部801に、実施の形態1で説明したI及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能と、実施の形態5で説明したI及びQchデータの振幅値を同一とする機能を合わせて構成した点にある。
【0185】
即ち、図8に示す受信部801は、検波器105と、A/D変換器106,107と、減算器108,109と、平均値算出器111,112と、復号器110と、減算器113,114と、基準値格納器115,116と、加算器117,118と、遅延器119,120とを備えると共に、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511とを備えて構成されている。
【0186】
このような構成において、平均値算出器111,112によって、A/D変換器106,107から出力されるI及びQchデータの平均値が算出され、減算器113,114で基準値と減算されることにより、DCオフセット値として算出される。
【0187】
このDCオフセット値は、加算器117,118で、現在設定されているDCオフセット補正値と加算される。これによって、次に設定されるDCオフセット補正値が求められる。
【0188】
このDCオフセット補正量は、次の受信スロットで用いられるように遅延器119,120で遅延され、これによって、次の受信スロットにおいてI及びQchデータからDCオフセット成分の除去が行われる。
【0189】
このDCオフセット除去が行われたI及びQchデータは、振幅情報算出器502,503に入力され、ここで、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqが算出される。
【0190】
この算出された振幅値Ki=「11」、Kq=「12」とする。この内、Ichデータの振幅値Ki=「11」は、逆数算出器504でその逆数1/Ki=「1/11」が算出される。
【0191】
次に、算出された逆数「1/11」が、乗算器506によって、Qchデータの振幅値Kq=「12」と乗算され、この結果得られる「12/11」の振幅補正値が、データ保持器509に保持され、乗算器511へ出力される。
【0192】
乗算器511では、Ichデータ「11」と振幅補正値「12/11」とが乗算されることによってIchデータの振幅値が「12」に補正される。即ち、Qchデータの振幅値「12」と同一となる。
【0193】
この同振幅値「12」とされたI及びQchデータが復号器110へ出力され、ここで、復号され、復号データが得られる。
【0194】
このように、実施の形態7の送受信装置によれば、受信装置(受信部801)を、実施の形態1で説明したI及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能と、実施の形態5で説明したI及びQchデータの振幅値を同一とする機能を合わせて構成した。
【0195】
これによって、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0196】
また、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0197】
(実施の形態8)
図9は、本発明の実施の形態8に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図9に示す実施の形態8において図7の実施の形態6の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0198】
この実施の形態8が実施の形態6と異なる点は、実施の形態6のI及びQchデータの振幅値を同一とする機能に、平均値算出器304,305と、減算器113,114と、基準値格納器115,116と、減算器108,109とによるI及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能を加えて構成した点にある。
【0199】
このような構成において、最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、これを最大値/最小値減算器704,705及び平均値算出器304,305へ出力する。
【0200】
平均値算出器304,305は、最大値及び最小値からその平均値を算出して減算器113,114へ出力する。
【0201】
減算器113,114は、平均値から、基準値格納器115,116に格納されたI及びQchデータにDCオフセット成分が無い状態で求められた平均値である基準値を減算することによりDCオフセット値を求め、これを減算器108,109へ出力する。
【0202】
減算器108,109は、I及びQchデータからDCオフセット値を減算することにより、DCオフセット成分を除去する。
【0203】
最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。
【0204】
このように算出された振幅値Ki及びKqの内、Ichデータの振幅値Kiは、逆数算出器504でその逆数1/Kiが算出される。
【0205】
次に、算出された逆数が、乗算器506によって、Qchデータの振幅値Kqと乗算され、この結果得られる振幅補正値が、データ保持器509に保持され、乗算器511へ出力される。
【0206】
乗算器511では、DCオフセット成分の除去されたIchデータと振幅補正値とが乗算されることによってIchデータの振幅値が、DCオフセット成分の除去されたQchデータの振幅値と同一となる。
【0207】
この同振幅値とされ、且つDCオフセット成分の除去されたI及びQchデータが復号器110へ出力され、ここで、復号され、復号データが得られる。
【0208】
このように、実施の形態8の送受信装置によれば、受信装置(受信部801)を、実施の形態6のI及びQchデータの振幅値を同一とする機能に、I及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能を加えて構成した。
【0209】
これによって、ディジタル処理によってDCオフセット成分の除去が行えるため、従来のアナログ回路で除去する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができ、また、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0210】
また、DCオフセット算出、および振幅算出のための最大値最小値算出手段を、共有できるため、実施の形態7に記載の受信装置よりさらに演算量削減、回路規模削減が行える。
【0211】
(実施の形態9)
図10は、本発明の実施の形態9に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図11に示す実施の形態9において図5の実施の形態4の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0212】
この実施の形態9の特徴は、実施の形態4の構成に、検波前の受信信号を増幅する増幅手段を加え、この増幅手段から出力される増幅信号の振幅が一定に保持されるようにするための増幅手段の利得制御を、振幅情報算出器502,503から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを用いたディジタル処理によって行うことにより、検波後のI及びQch信号の振幅を一定に保持するように構成した点にある。
【0213】
図10に示す実施の形態9の送受信装置1000において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0214】
受信部1001は、RF部1002と、可変利得アンプ1003と、平均化処理器1004と、逆数算出器1005と、乗算器1006,1007と、基準値格納器1008と、遅延器1009と、データ保持器1010と、既に実施の形態5で説明済みの検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504,505と、乗算器506,507と、基準値格納器508と、データ保持器509,510と、乗算器511,512とを備えて構成されている。
【0215】
RF部1002は、アンテナ103及び共用器104を介して受信された信号をIF信号又はRF信号に変換して可変利得アンプ1003へ出力するものである。
【0216】
可変利得アンプ1003は、IF信号又はRF信号を増幅し、この増幅信号の振幅が一定となるように、その利得が制御されるものである。
【0217】
平均化処理器1004は、振幅情報算出器502,503により得られた振幅値Ki及びKqを平均化することにより、受信レベルに相当する受信振幅値mを算出して逆数算出器1005へ出力するものである。
【0218】
逆数算出器1005は、受信振幅値mの逆数1/mを算出し、この逆数1/mを乗算器1006へ出力するものである。
【0219】
乗算器1006は、基準値格納器1008に格納された受信レベルを収束させるための収束基準値と、逆数1/mとを乗算し、この乗算結果である可変利得アンプ1003の利得補正値を乗算器1007へ出力するものである。
【0220】
乗算器1007は、遅延器1009で遅延された可変利得アンプ1003の利得を制御するための利得制御値と、利得補正値とを乗算し、この乗算結果、新規に得られる可変利得アンプ1003の利得制御値をデータ保持器1010へ出力するものである。
【0221】
データ保持器1010は、利得制御値をある受信区間保持し、この保持された利得制御値によって可変利得アンプ1806の利得制御を行うものである。
【0222】
このような構成において、アンテナ103で受信された信号は、共用器104を介してRF部1002に入力され、ここで、IF信号又はRF信号に変換され、可変利得アンプ1003により増幅される。
【0223】
検波器105によって、その増幅信号が直交検波されることによってI及びQch信号が得られ、このI及びQch信号がA/D変換器106,107によってディジタル化される。即ち、I及びQchデータに変換される。
【0224】
ここで、検波器105又はA/D変換器106,107の部品バラツキ、温度特性により、I及びQchデータの利得アンバランスが生じる場合がある。利得アンバランスは、受信特性の劣化につながるため、除去する必要がある。
【0225】
また、受信信号の信号レベルが非常に高い場合は、検波器105又はA/D変換器106,107が飽和することにより特性の劣化が生じ、或いは受信信号の受信レベルが非常に低い場合は、A/D変換器106,107のダイナミックレンジに対して、信号レベルが低いため、量子化ノイズが増加し、特性の劣化が生じる場合があるため、受信信号のレベルをA/D変換器106,107のダイナミックレンジ内で変動するよう、利得制御(AGC)を行う必要がある。
【0226】
利得アンバランスの補正は、上記実施の形態4で説明した通りである。
【0227】
一方、受信AGC制御は、まず、平均化処理器1004によって、振幅情報算出器502,503で算出されたI及びQchデータの振幅値Ki及びKqの平均値を算出することにより、受信レベルに相当する受信振幅値mを得る。
【0228】
次に、逆数算出器1005で、その受信振幅値mの逆数1/mを算出し、乗算器1006で、その逆数1/mと基準値格納器1008に格納された基準値との乗算を行うことにより利得補正値を得る。
【0229】
次に、乗算器1007で、利得補正値と遅延器1009で遅延された利得制御値とを乗算することによって、可変利得アンプ1003に対して、設定すべき利得制御値を得る。
【0230】
この利得制御値を、データ保持器1010に保持して可変利得アンプ1003に供給することで、可変利得アンプ1003以降の受信信号が、ある一定レベルの受信信号に保持される。
【0231】
ここで、上記説明における受信タイミングは、図11に示すように、PHS(Personal Handyphone System)等のTDMA(Time Division Multiple Access)方式を想定している。
【0232】
この場合、図11に示すように、前の受信スロットAで算出した振幅補正値及び利得制御値は、次の受信スロットBで補正する。また、振幅補正値は、受信フレームに対して、十分長い時間で変動するため、毎スロット毎に振幅補正値を算出するのではなく、複数のスロットにわたって算出した振幅補正値を複数のスロット間に使用することも可能である。
【0233】
また、利得アンバランスを補正するための振幅補正値の算出、又は受信AGC処理を行うための利得制御値の算出において、算出する逆数算出と乗算の一連の処理は、除算と置き換えることができる。更にこれらの算出は、算出した振幅値Ki及びKqを対数変換することにより、減算に置き換えることができる。
【0234】
このように、実施の形態9の送受信装置によれば、受信装置(受信部1001)を、実施の形態4の構成に、検波前の受信信号を増幅する可変利得アンプ1003を加え、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqの平均値を算出して受信レベルに相当する受信振幅値mを求め、この受信振幅値mの逆数1/mを算出し、この逆数1/mと受信レベルを収束させるための収束基準値とを乗算して可変利得アンプの利得補正値を求め、この利得補正値と、所定時間遅延された可変利得アンプの利得を制御するための前回の利得制御値とを乗算して今回の利得制御値を求め、この利得制御値で、検波前の信号を増幅する可変利得アンプの利得を制御するようにしたので、ディジタル処理によって、可変利得アンプで増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができる。
【0235】
また、ディジタル処理によって利得アンバランスの補正、及び受信AGC処理が行えるため、アナログ回路で実現する構成と比較して、部品バラツキ、特性バラツキを考慮する必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。
【0236】
また、アナログ回路で実現する構成と比較して、回路規模を削減させることができ、さらに安価に受信装置を実現することができる。
【0237】
また、振幅情報算出器502,503を利得アンバランス補正処理及び受信AGC処理の両方で共有して使用することができるため、さらなる回路規模の削減が実現でき、更に、逆数演算及び乗算演算を対数変換することにより、減算のみで実現することができるため、さらなる回路規模の削減が実現できる。
【0238】
(実施の形態10)
図12は、本発明の実施の形態10に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図12に示す実施の形態10において図6の実施の形態5及び図10の実施の形態9の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0239】
この実施の形態10の特徴は、実施の形態5の構成に、検波前の受信信号を増幅する増幅手段を加え、この増幅手段から出力される増幅信号の振幅が一定に保持されるようにするための増幅手段の利得制御を、振幅情報算出器502,503から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを用いたディジタル処理によって行うことにより、検波後のI及びQch信号の振幅を一定に保持するように構成した点にある。
【0240】
図12に示す実施の形態10の送受信装置1200において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0241】
受信部1201は、既に実施の形態9で説明済みのRF部1002と、可変利得アンプ1003と、平均化処理器1004と、逆数算出器1005と、乗算器1006,1007と、基準値格納器1008と、遅延器1009と、データ保持器1010と、既に実施の形態5で説明済みの検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511とを備えて構成されている。
【0242】
このような構成においては、実施の形態5で説明したIchデータの振幅をQchデータと同一にする補正制御と、実施の形態9で説明した受信AGC制御とが行われる。
【0243】
このように、実施の形態10の送受信装置によれば、受信装置(受信部1201)を、実施の形態5の構成に、検波前の受信信号を増幅する可変利得アンプ1003を加え、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqの平均値を算出して受信レベルに相当する受信振幅値mを求め、この受信振幅値mの逆数1/mを算出し、この逆数1/mと受信レベルを収束させるための収束基準値とを乗算して可変利得アンプの利得補正値を求め、この利得補正値と、所定時間遅延された可変利得アンプの利得を制御するための前回の利得制御値とを乗算して今回の利得制御値を求め、この利得制御値で、検波前の信号を増幅する可変利得アンプの利得を制御するようにしたので、ディジタル処理によって、可変利得アンプで増幅された受信信号のレベルを一定に保持することができる。
【0244】
これによって、ディジタル処理によって受信利得の補正が行えるため、従来のアナログ回路でそれを補正する方法と比較して、部品バラツキ、特性バラツキによる補正の必要がなく、無調整でしかも安価に受信装置を実現することができる。また、実施の形態9の受信装置に比べ、I、Q信号の利得比較によって、アンバランス補正が行うため、基準値との比較を行う必要がなく、より演算量削減、回路規模削減ができる。
【0245】
(実施の形態11)
図13は、本発明の実施の形態11に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図13に示す実施の形態11において図12の実施の形態10の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0246】
この実施の形態11が実施の形態10と異なる点は、振幅情報算出器503から出力されるQchデータの振幅値Kqの逆数1/Kqを逆数算出器505で求め、この逆数1/Kqを、乗算器1006で基準値格納器1008に格納された収束基準値と乗算するように構成したことにある。
【0247】
図13に示す実施の形態11の送受信装置1300において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0248】
受信部1301は、既に実施の形態9で説明済みのRF部1002と、可変利得アンプ1003と、乗算器1006,1007と、基準値格納器1008と、遅延器1009と、データ保持器1010と、既に実施の形態4又は5で説明済みの検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、振幅情報算出器502,503と、逆数算出器504,505と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511とを備えて構成されている。
【0249】
このような構成において、振幅値Kqを逆数算出器505で逆数演算することにより逆数1/Kqを求め、この逆数1/Kqと収束基準値とを乗算器1006で乗算することにより利得補正値を得る。
【0250】
ここで、Qch信号の振幅値Kqを受信レベル相当値としているのは、上記式(1)に基づいて算出した、ある一定期間のI及びQchデータの振幅値Ki及びKqが、ほぼ同一の値となることを前提としている。
【0251】
また、この例では、Qch信号の振幅値Kqを受信レベル相当値としたが、Ich信号の振幅値Kiを受信レベル相当値としてもよい。
【0252】
このように、実施の形態11の送受信装置によれば、Qch信号の振幅値Kqを受信レベル相当値として受信AGC制御に用いることにより、実施の形態10よりもさらに回路規模を削減することができる。その他の効果については、実施の形態10と同様の効果を得ることができる。
【0253】
(実施の形態12)
図14は、本発明の実施の形態12に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図14に示す実施の形態12において図10の実施の形態9の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0254】
この実施の形態12が実施の形態9と異なる点は、振幅情報算出器502,503に代え、実施の形態6で説明した最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705とを備えて構成したことにある。
【0255】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、これを最大値/最小値減算器704,705へ出力する。
【0256】
最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は実施の形態9で説明したと同様なので省略する。
【0257】
このように、実施の形態12の送受信装置によれば、受信装置(受信部1401)を、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqをその最大値及び最小値から算出するように構成したので、実施の形態9と同様の効果を得ることができ、また、実施の形態9の振幅情報算出器502,503よりも演算量、回路規模を削減することができる。
【0258】
(実施の形態13)
図15は、本発明の実施の形態13に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図15に示す実施の形態13において図12の実施の形態10の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0259】
この実施の形態13が実施の形態10と異なる点は、振幅情報算出器502,503に代え、実施の形態6で説明した最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705とを備えて構成したことにある。
【0260】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は実施の形態10で説明したと同様なので省略する。
【0261】
このように、実施の形態13の送受信装置によれば、受信装置(受信部1501)を、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqをその最大値及び最小値から算出するように構成したので、実施の形態10と同様の効果を得ることができ、また、実施の形態10の振幅情報算出器502,503よりも演算量、回路規模を削減することができる。
【0262】
(実施の形態14)
図16は、本発明の実施の形態14に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図16に示す実施の形態14において図13の実施の形態11の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0263】
この実施の形態14が実施の形態11と異なる点は、振幅情報算出器502,503に代え、実施の形態6で説明した最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705とを備えて構成したことにある。
【0264】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は実施の形態11で説明したと同様なので省略する。
【0265】
このように、実施の形態14の送受信装置によれば、受信装置(受信部1601)を、I及びQchデータの振幅値Ki及びKqをその最大値及び最小値から算出するように構成したので、実施の形態11と同様の効果を得ることができ、また、実施の形態11の振幅情報算出器502,503よりも演算量、回路規模を削減することができる。
【0266】
(実施の形態15)
図17は、本発明の実施の形態15に係る送受信装置の構成を示すブロック図である。但し、この図17に示す実施の形態15において図9の実施の形態8及び図13の実施の形態11の各部に対応する部分には同一符号を付す。
【0267】
この実施の形態15の特徴は、実施の形態8の構成に、検波前の受信信号を増幅する増幅手段を加え、この増幅手段から出力される増幅信号の振幅が一定に保持されるようにするための増幅手段の利得制御を、振幅情報算出器502,503から出力されるI及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを用いたディジタル処理によって行うことにより、検波後のI及びQch信号の振幅を一定に保持するように構成した点にある。
【0268】
図17に示す実施の形態15の送受信装置1700において、送信部102は実施の形態1と同構成なので、ここではその説明を省略する。
【0269】
受信部1701は、既に実施の形態11で説明済みのRF部1002と、可変利得アンプ1003と、逆数算出器505と、乗算器1006,1007と、基準値格納器1008と、遅延器1009と、データ保持器1010と、既に実施の形態8で説明済みの検波器105と、A/D変換器106,107と、復号器110と、逆数算出器504と、乗算器506と、データ保持器509と、乗算器511と、最大値/最小値算出器702,703と、最大値/最小値減算器704,705と、平均値算出器304,305と、減算器113,114と、基準値格納器115,116と、減算器108,109とを備えて構成されている。
【0270】
最大値/最小値算出器702,703は、A/D変換器106,107から出力されたI及びQchデータの各々の所定区間における最大値と最小値を算出し、最大値/最小値減算器704,705は、その最大値から最小値を減算することによって、I及びQchデータの各振幅値Ki及びKqを算出する。以降の動作は、実施の形態8及び11で説明したと同様なので省略する。
【0271】
このように、実施の形態15の送受信装置によれば、受信装置(受信部1701)を、実施の形態8のI及びQchデータの振幅値を同一とすると共に、I及びQchデータのDCオフセット成分を削除する機能に、実施の形態11で説明したQch信号の振幅値Kqを受信レベル相当値として受信AGC制御に用いる機能を備えて構成したので、実施の形態8及び11の双方を合わせ持つ効果を得ることができる。
【0272】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、補正回路及び特性変化の少ない高価な部品を使用することなく、低コストで部品及び特性のバラツキと検波後のI及びQch信号の利得アンバランスとを無くすことができ、回路規模を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図2】上記実施の形態1における受信フレームのフォーマット図
【図3】本発明の実施の形態2に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態3に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態4に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態5に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態6に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態7に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態8に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態9に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図11】上記実施の形態9における受信フレームのフォーマット図
【図12】本発明の実施の形態10に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態11に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態12に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態13に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の実施の形態14に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態15に係る送受信装置の構成を示すブロック図
【図18】従来の受信装置の構成を示すブロック図
【図19】従来の送受信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
105 検波器
106,107 A/D変換器
108,109 減算器
110 復号器
111,112 平均値算出器
113,114 減算器
115,116 基準値格納器
117,118 加算器
119,120 遅延器
121 マッピング器
122,123 D/A変換器
124 変調器
302,303最大値/最小値算出器
304,305 平均値算出器
402,403 データ保持器
502,503 振幅情報算出器
504,505 逆数算出器
506,507 乗算器
508 基準値格納器
509,510 データ保持器
511,512 乗算器
702,703 最大値/最小値算出器
704,705 最大値/最小値減算器
1003 可変利得アンプ
1004 平均化処理器
1005 逆数算出器
1006,1007 乗算器
1008 基準値格納器
1009 遅延器
1010 データ保持器
Claims (10)
- 受信信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号の一定時間の平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回の受信タイミングで求められたディジタル信号のDCオフセット補正値に加算して今回の受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値を現受信タイミングのディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去し、このDCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号する機能、を具備することを特徴とする受信装置。
- 受信信号を直交検波する検波手段と、前記直交検波信号を第1ディジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記第1ディジタル信号から、DCオフセット成分を除去するための第1DCオフセット補正値を減算して第2ディジタル信号を求める第1減算手段と、前記第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出する平均値算出手段と、前記平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求める第2減算手段と、前記DCオフセット値を前記第1DCオフセット補正値に加算して第2DCオフセット補正値を求める加算手段と、前記第2DCオフセット補正値を遅延して前記第1DCオフセット補正値を求める遅延手段と、前記第2ディジタル信号を復号する復号手段と、を具備することを特徴とする受信装置。
- 遅延手段が、第2DCオフセット補正値を1乃至は複数受信スロット分遅延して第1DCオフセット補正値を求めることを特徴とする請求項2記載の受信装置。
- 平均値算出手段が、第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出する機能に代え、前記第2ディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出する機能を具備することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の受信装置。
- DCオフセット成分の除去された第2ディジタル信号のIch及びQchデータの振幅値を算出する振幅情報算出手段と、前記Ichデータの振幅値の逆数を算出する逆数算出手段と、前記逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を得る第3乗算手段と、前記振幅補正値と前記Ichデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正する第4乗算手段とを具備し、復号手段が、前記同一振幅とされたIch及びQchデータを復号することを特徴とする請求項2記載の受信装置。
- 受信信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号の一定時間の平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前回の受信タイミングで求められたディジタル信号のDCオフセット補正値に加算して今回の受信タイミングのDCオフセット補正値を求め、このDCオフセット補正値を所定時間遅延した値を現受信タイミングのディジタル信号から減算してDCオフセット成分を除去し、このDCオフセット成分が除去されたディジタル信号を復号することを特徴とする受信方法。
- 受信信号を第1ディジタル信号に変換し、この第1ディジタル信号から、DCオフセット成分を除去するための第1DCオフセット補正値を減算して第2ディジタル信号を求め、この第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出し、前記平均値から、平均値の基準値を減算してDCオフセット値を求め、このDCオフセット値を前記第1DCオフセット補正値に加算して第2DCオフセット補正値を求め、この第2DCオフセット補正値を遅延して前記第1DCオフセット補正値を求め、この第1DCオフセット補正値によりDCオフセット成分が除去された第2ディジタル信号を復号することを特徴とする受信方法。
- 第2DCオフセット補正値を1乃至は複数受信スロット分遅延して第1DCオフセット補正値を求めることを特徴とする請求項7記載の受信方法。
- 第2ディジタル信号を一定時間加算した結果から平均値を算出することに代え、前記第2ディジタル信号の最大値及び最小値から平均値を算出することを特徴とする請求項7又は請求項8記載の受信方法。
- DCオフセット成分の除去された第2ディジタル信号のIch及びQchデータの振幅値を算出し、このIchデータの振幅値の逆数を算出し、この逆数と前記Qchデータの振幅値とを乗算して振幅補正値を求め、この振幅補正値と前記Ichデータとを乗算して前記Ichデータの振幅を前記Qchデータの振幅と同一に補正し、この同一振幅とされたIch及びQchデータを復号することを特徴とする請求項7記載の受信方法。
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