JP4549145B2 - 受信機 - Google Patents
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Description
図9には、直接検波方式を採用した受信機の直接検波回路の構成例を示してある。
空中線(アンテナ)171から入力された受信信号は、所要の帯域及び減衰量の帯域ろ波器(BPF:Band Pass Filter)172に入力されてフィルタリングされ、希望の周波数帯域の信号が抽出される。BPF172からの出力は、受信機で必要な所定の増幅度を有する増幅器173に入力される。増幅器173からの出力の一方は、受信周波数と同一の周波数を有する搬送波を出力する局部発振器174からの出力の一方と乗算器176で乗算されて、同相成分の出力となる。また、増幅器173からの出力の他方は、局部発振器174からの出力の他方が90度(°)移相器175で90度移相されたものと乗算器177で乗算されて、直交成分の出力となる。
同相出力及び直交出力は、各々、低域ろ波器(LPF:Low Pass Filter)178、179によりその2倍波が除去され、A/D(Analog to Digital)変換器180、181によりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、これにより、デジタル信号の同相出力及び直交出力となって、ベースバンド復調部182によるデジタル信号処理により復調処理されて、復調信号として出力される。
同図のグラフには周波数スペクトラムの一例を示してあり、横軸は周波数を示しており、縦軸は電力(振幅)を示している。
具体的には、周波数軸上において、受信周波数と同一の周波数の搬送波を局部発振器から出力し、局部発振器からの出力を乗算することにより受信希望信号が周波数変換(本例では、ダウンコンバージョン)されて、ベースバンドフィルタ(LPF178、189)によりベースバンド帯域の受信希望信号の同相信号と直交信号が抽出される様子を示してある。
しかしながら、このような直接検波方式(ゼロIF方式)では、局部発振器からの搬送波出力周波数と受信希望周波数とが同一であるため、局部発振器からの出力が再び乗算処理の別の入力として入力されて局部発振器からの出力と再度乗算されることによりベースバンド信号の直流(DC)成分にオフセットが生じるDCオフセットという現象を生じたり、或いは、乗算されたベースバンド信号の中心が周波数ゼロ(0)の近傍であるため、1/f雑音を生じたりするといった根本的な問題があり、広帯域で安定に受信を行うことが困難であった。
なお、図11に示される受信機は、例えば、それぞれのA/D変換器180、181とベースバンド復調部182との間に周波数変換処理部191が備えられている点や、局部発振器174が希望受信周波数にDCオフセットや1/f雑音を生じない程度のオフセット(周波数差)を設けた周波数の搬送波を出力する点を除いては、図9に示される受信機の構成と同様であり、同様な構成部には同じ符号を用いている。
同相出力及び直交出力は、各々、LPF178、179によりその2倍波が除去され、A/D変換器180、181によりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、これにより、デジタル信号の同相出力及び直交出力となって、周波数変換処理部191で前述のオフセット周波数だけ周波数変換され、ベースバンド復調部182によるデジタル信号処理により復調処理されて、復調信号として出力される。ここで、周波数変換処理部191によるデジタル信号処理(周波数変換処理)により、局部発振器174で設けられたオフセットが取り除かれる。
同図のグラフには周波数スペクトラムの一例を示してあり、横軸は周波数を示しており、縦軸は電力(振幅)を示している。
具体的には、周波数軸上において、希望波(図中の黒部分)を含む受信信号に局部発振器から出力される(受信周波数+オフセット)の周波数の搬送波を乗算することにより受信希望信号が周波数変換(本例では、ダウンコンバージョン)されて、ベースバンド帯域の同相信号と直交信号へ変換される様子を示してある。この場合、希望波は、オフセットされている周波数帯へ変換され、ベースバンドフィルタ(LPF178、179)によりベースバンド帯域の同相成分及び直交成分の信号が出力され、A/D変換後にチャネル選択フィルタの機能を実現する周波数変換処理部191による処理により希望波部分(図中で、左側の黒部分)が抽出されて、中心周波数ゼロ(0)の直交信号へ変換される。ここで、本例では、複数の搬送波を示してあり、任意の搬送波がチャネル選択フィルタの機能により選択的に抽出される。
同図のグラフには周波数スペクトラムの一例を示してあり、横軸は周波数を示しており、縦軸は電力(振幅)を示している。
具体的には、周波数軸上において、局部発振器からの出力により受信希望信号が周波数変換(本例では、ダウンコンバージョン)されて、ベースバンド帯域の同相信号と直交信号へ変換される様子を示してある。
低IF(low IF)の場合のイメージ周波数信号が希望周波数信号と局部発振周波数を中心にして周波数軸上で対称の位置にある。
本例では、希望周波数信号の中心周波数をfc(又は、fd)としてあり、イメージ周波数信号の中心周波数をfu(又は、fd)としてあり、局部発振周波数をfc’(又は、fL)としてあり、また、Δf(又は、fi)=fc−fc’としてある。また、2πfc=ωc、2πfd=ωd、2πfu=ωu、2πfc’=ωc’、2πfi=ωiである。
本例の受信機は、例えば、それぞれのLPF178、179とそれぞれのA/D変換器180、181との間に共通なイメージ除去処理部201が備えられている点を除いては、図11に示される受信機の構成と同様であり、同じ符号を用いている。
本例の受信機では、A/D変換器180、181の前段にイメージ除去処理部201を挿入した構成により、イメージ信号を除去することができる。例えば、希望受信周波数とオフセット周波数を設けた局部発振周波数とを乗算して低IFへダウンコンバートした後にイメージ除去処理を行い、その後、A/D変換後にデジタル信号処理によりオフセット周波数を周波数変換して同相出力と直交出力を得る。
同相出力及び直交出力は、各々、LPF178、179によりその2倍波が除去される。続いて、イメージ除去処理部201により、所望波と局部発振器174からの出力周波数との関係によるイメージ周波数の信号成分がアナログ信号処理により除去され、当該イメージ除去後の信号が各々のA/D変換器180、181へ出力される。イメージ除去後の信号は、各々のA/D変換器180、181によりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、これにより、デジタル信号の同相出力及び直交出力となって、周波数変換処理部191によるデジタル信号処理によりオフセット周波数だけ周波数変換され、ベースバンド復調部182によるデジタル信号処理により復調処理されて、復調信号として出力される。
そこで、イメージ除去をデジタル信号処理により行うことで、イメージ除去比を向上させる技術が検討等されており、特願2002−83191号「直接検波回路」などが提案されている。
例えば、デジタル信号処理でイメージ除去を行う方法として、複素周波数変換を行う方法がある。
本例では、図14に示されるようなアナログ処理によるイメージ除去処理部201の代わりに、A/D変換器219、220の後段にデジタル処理によるイメージ除去処理部231を設けてある。
同相出力及び直交出力は、各々、LPF217、218により受信信号周波数と局部発振周波数とが加算された周波数成分の信号が除去され、A/D変換器219、220によりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、これにより、デジタル信号の同相出力及び直交出力となって、デジタル信号処理部221に入力される。
デジタル信号処理部221では、同相出力及び直交出力がイメージ除去処理部231に入力されてデジタル信号処理によりイメージ信号成分が除去され、周波数変換処理部232に入力される。周波数変換処理部232によるデジタル信号処理では、中心周波数がオフセット周波数を有する信号を中心周波数がゼロ(0)であるベースバンド帯域へ変換することが行われ、復調処理部(ベースバンド復調処理部)233によるデジタル信号処理により復調処理されて、復調信号が出力される。
なお、本例の受信機では、図15に示される受信機と同様な構成部211〜220については同一の符号を用いて示してある。
また、本例の受信機では、デジタル信号処理部241の内部に、複素周波数変換処理部251と、LPF252、253と、復調処理部254が備えられている。
また、複素周波数変換処理部251の内部には、イメージを除去するために予め設定されたSINテーブル261及びCOSテーブル262と、同相成分入力(I相入力)にSINテーブル261の値を乗算する乗算器263と、同相成分入力(I相入力)にCOSテーブル262の値を乗算する乗算器264と、直交成分入力(Q相入力)にSINテーブル261の値を乗算する乗算器265と、直交成分入力(Q相入力)にCOSテーブル262の値を乗算する乗算器266と、乗算器263からの出力と乗算器266からの出力とを減算(或いは、逆相で加算)する加算器267と、乗算器265からの出力と乗算器264からの出力とを加算(或いは、逆相で減算)する加算器268から構成されている。
すると、乗算器(本例では、ミキサ)215及び乗算器(本例では、ミキサ)216からの出力は複素数表示で次式のようになる。
[exp{j(ωd・t)}+exp{−j(ωd・t)}+exp{j(ωu・t)}+exp{−j(ωu・t)}][exp{−j(ωL・t)}]=exp{j(ωd−ωL)t}+exp{−j(ωd+ωL)t}+exp{j(ωu−ωL)t}+exp{−j(ωu+ωL)t}=exp{j(ωi・t)}+exp{−j(ωd+ωL)・t}+exp{−j(ωi・t)}+exp{−j(ωu+ωL)・t}
exp{j(ωi・t)}+exp{−j(ωi・t)}
LPF217及びLPF218の後段のA/D変換器219及びA/D変換器220によりアナログ信号からデジタル信号へ変換されて、(イメージ除去処理部を構成する)複素周波数変換処理部251に各々入力される。
複素周波数変換処理部251により、[exp{j(ωi・t)}+exp{−j(ωi・t)}][exp{−j(ωi・t)}]=ベースバンド信号+[exp{−j(2ωi・t)}]となり、複素周波数変換処理部251の後段のLPF252及びLPF253により所望のベースバンド信号が得られる。
y(t)=x(t)[cos(ωc’・t)−jg・sin(ωc’・t+Δφ)]=cos(ωc・t+θ)[cos(ωc’・t)−jg・sin(ωc’・t+Δφ)]=(1/2)[exp{j(ωc’−ωc)t−θ}](1/2)[1−g・exp{j・Δφ}]+(1/2)[exp{j(ωc−ωc’)t+θ}](1/2)[1+g・exp{−j・Δφ}]
なお、fcは所望波信号周波数であり、fuはイメージ波信号周波数であり、fc−fc’=fc’−fu=Δfとする。
図15及び図16におけるイメージ周波数信号成分を空中線からの入力信号x(t)=cos(ωu・t+θ)とし、ωu・t=2πfutとすると、同様に、第1項がイメージ信号として生じる信号成分となり、第2項が所望波として生じる信号成分となる。
これより、イメージ除去比(電力)R2=[1+g2−2g・cos(Δφ)]/[1+g2+2g・cos(Δφ)]となる。イメージ除去比を60dB程度確保するためには、一例として、ミキサの偏差gを0.01dBとして、90度移相器の位相誤差を0.05度程度とする必要がある。
なお、本例の受信機では、図15に示される受信機と同様な構成部211〜220については同一の符号を用いて示してある。
また、本例の受信機では、デジタル信号処理部271に位相補正処理部281と振幅補正処理部282とイメージ除去処理部283と復調処理部284が備えられており、イメージ除去処理部283は複素周波数変換処理部291とLPF292、293から構成されている。
これに対して、オペアンプ等を用いた直流結合によるインピーダンス変換処理が考えられる。しかしながら、この場合、DCオフセットが生じるため、これが原因で位相(偏差)補正処理及び振幅(偏差)補正処理の補正量が十分でないことから、イメージ抑圧量が制限されるという問題点が生じる。
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、受信信号に含まれるイメージ信号を除去するに際して、受信信号に生じる直流(DC)オフセットを除去することにより、イメージ信号の除去の効果を高めることができる受信機を提供することを目的とする。
すなわち、低域周波数変換手段が、受信周波数に対してオフセットを有する周波数の信号と受信信号とを乗算して、当該受信信号を低域へ周波数変換する。アナログデジタル変換手段が、前記低域周波数変換手段により周波数変換された受信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換する。直流オフセット成分除去手段が、前記アナログデジタル変換手段によりデジタル信号に変換された受信信号から直流オフセット成分を除去する。信号補正手段が、前記直流オフセット成分除去手段により直流オフセット成分が除去された受信信号に対して、位相と振幅との一方又は両方を補正する。イメージ信号除去手段が、前記信号補正手段により補正された受信信号からイメージ信号(の成分)を除去する。復調手段が、前記イメージ信号除去手段によりイメージ信号が除去された受信信号を復調する。
従って、受信信号に含まれるイメージ信号を除去するに際して、受信信号に生じる直流(DC)オフセットを除去することにより、イメージ信号の除去の効果を高めることができる。
また、受信周波数や、オフセットの周波数としては、それぞれ、種々な周波数が用いられてもよい。
また、信号補正手段では、例えば、受信信号の位相と振幅との一方のみを補正する態様が用いられてもよく、或いは、両方を補正する態様が用いられてもよい。また、位相と振幅との両方を補正する場合には、例えば、位相を補正した後に振幅を補正する態様が用いられてもよく、或いは、振幅を補正した後に位相を補正する態様が用いられてもよい。
また、除去対象となるイメージ信号は、例えば、送信機などの送信側から送信されて受信機により受信される信号(受信信号)に含まれる。
すなわち、受信信号は、同相成分(I相の成分)と直交成分(Q相の成分)から構成されている。
前記信号補正手段は、受信信号の位相を補正する信号位相補正手段と、受信信号の振幅を補正する信号振幅補正手段を用いて構成されている。
前記信号位相補正手段は、入力信号(本例では、受信信号)の同相成分と直交成分を用いて位相偏差を検出して、当該検出した位相偏差を補正した信号の同相成分と直交成分を出力する。
前記信号振幅補正手段は、入力信号(本例では、受信信号)の同相成分と直交成分を用いて振幅偏差を検出して、当該検出した振幅偏差を補正した信号の同相成分と直交成分を出力する。
前記直流オフセット成分除去手段は、受信信号の同相成分と直交成分とのそれぞれに対して直流オフセット成分除去部を有している。
それぞれの成分(同相成分と直交成分)の前記直流オフセット成分除去部は、入力成分(同相成分或いは直交成分)を用いて直流オフセット成分を検出して、当該検出した直流オフセット成分を補正した成分(同相成分或いは直交成分)を出力する。
従って、同相成分と直交成分から構成される受信信号について、位相の補正や、振幅の補正や、直流オフセット成分の補正を行うことができる。
すなわち、前記信号位相補正手段は、第1の乗算手段と、第1の減算手段と、第2の乗算手段と、第1の低域通過フィルタ手段と、第1の積分手段と、第3の乗算手段から構成されている。
そして、前記第1の乗算手段は入力信号の同相成分と前記第3の乗算手段からの出力とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第1の減算手段は入力信号の直交成分から前記第1の乗算手段からの出力を減算して当該減算結果を出力し、前記第2の乗算手段は受信信号の同相成分と前記第1の減算手段からの出力とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第1の低域通過フィルタ手段は前記第2の乗算手段からの出力を低域通過特性でフィルタリングして出力し、前記第1の積分手段は前記第1の低域通過フィルタ手段からの出力を積分して当該積分結果を出力し、前記第3の乗算手段は前記第1の積分手段からの出力と所定値とを乗算して当該乗算結果を出力する。
これにより、前記信号位相補正手段は、前記入力信号の同相成分を同相成分として出力するとともに、前記第1の減算手段からの出力を直交成分として出力する。
ここで、前記所定値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、第1の低域通過フィルタ手段と第1の積分手段と第3の乗算手段から構成される制御ループに関する値が用いられる。
そして、前記第4の乗算手段は入力信号の直交成分と前記合成手段からの出力とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第1の自乗手段は入力信号の同相成分を自乗して当該自乗結果を出力し、前記第2の自乗手段は前記第4の乗算手段からの出力を自乗して当該自乗結果を出力し、前記第2の減算手段は前記第1の自乗手段からの出力と前記第2の自乗手段からの出力とで減算し、前記第2の低域通過フィルタ手段は前記第2の減算手段からの出力を低域通過特性でフィルタリングして出力し、前記第2の積分手段は前記第2の低域通過フィルタ手段からの出力を積分して当該積分結果を出力し、前記第5の乗算手段は前記第2の積分手段からの出力と所定値(ここで、第1の所定値と言う)とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記合成手段は前記第5の乗算手段からの出力と所定値(ここで、第2の所定値と言う)とを合成(加算或いは減算)して当該合成結果を出力する。
これにより、前記信号振幅補正手段は、前記入力信号の同相成分を同相成分として出力するとともに、前記第4の乗算手段からの出力を直交成分として出力する。
ここで、前記第1の所定値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、第2の低域通過フィルタ手段と第2の積分手段と第5の乗算手段から構成される制御ループに関する値が用いられる。
また、前記第2の所定値としては、種々な値が用いられてもよく、例えば、入力信号の振幅に関する値が用いられる。
そして、前記第3の減算手段は入力成分(同相成分或いは直交成分)から前記第8の乗算手段からの出力を減算して当該減算結果を出力し、前記第1の加算手段は前記第3の減算手段からの出力と前記第6の乗算手段からの出力とを加算して当該加算結果を出力し、前記第1の遅延手段は前記第1の加算手段からの出力を遅延させて出力し、前記第6の乗算手段は前記第1の遅延手段からの出力と第1の係数とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第7の乗算手段は前記第1の遅延手段からの出力と第2の係数とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第2の加算手段は前記第7の乗算手段からの出力と前記第2の遅延手段からの出力とを加算して当該加算結果を出力し、前記第2の遅延手段は前記第2の加算手段からの出力を遅延させて出力し、前記第8の乗算手段は前記第2の遅延手段からの出力と第3の係数とを乗算して当該乗算結果を出力する。
これにより、それぞれの成分の前記直流オフセット成分除去部は、前記第3の減算手段からの出力を出力成分(同相成分或いは直交成分)として出力する。
ここで、前記第1の係数や、前記第2の係数や、前記第3の係数としては、それぞれ、種々な値が用いられてもよい。
なお、加算手段や、減算手段や、合成手段としては、それぞれ、加算や、減算や、合成が実現されればよく、例えば、加算器により逆相で加算することにより実質的に減算を行う態様や、減算器により逆相で減算することにより実質的に加算を行う態様が用いられてもよい。
本実施例では、低IFの直接検波方式の受信機において、A/D変換器の後段のデジタル信号処理部で直流(DC)オフセットの除去処理を行う。従来のデジタル処理方式のイメージ除去方式では、A/D変換器の前設の増幅器によるアナログ処理に係るDCオフセットによりイメージ除去が不充分であったが、本実施例では、これを改善する。
なお、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現することができる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、また、機能の一部又は全部をソフトウエアにより実現することも可能である。更に、機能実現手段を複数の回路によって実現することもでき、複数の機能実現手段を単一の回路で実現することもできる。
図1には、本例の低IFの直接検波方式の受信機の直接検波回路の構成例を示してある。
本例の受信機は、BPF(帯域ろ波器)1と、低雑音増幅器2と、局部発振器3と、90度(°)移相器4と、例えばミキサから構成された同相(I)成分用の乗算器5と、例えばミキサから構成された直交(Q)成分用の乗算器6と、同相成分用のLPF7と、直交成分用のLPF8と、同相成分用のA/D変換器9と、直交成分用のA/D変換器10と、デジタル信号処理部11を備えている。
イメージ除去処理部24は、複素周波数変換処理部31と、同相成分用のLPF32と、直交成分用のLPF33を備えている。
なお、BPF(帯域ろ波器)1と低雑音増幅器2は広帯域帯域制限部を構成しており、乗算器5と乗算器6と局部発振器3と90度移相器4とLPF(低域ろ波器)7とLPF(低域ろ波器)8は周波数変換部を構成しており、A/D変換部9とA/D変換部10はアナログ−デジタル変換部を構成している。
BPF1は、空中線(アンテナ)により受信された信号を入力し、所要の帯域及び減衰量により、使用する周波数帯以外の信号成分を除去して、低雑音増幅器2へ出力する。
低雑音増幅器2は、BPF1から入力された信号に対して、受信機で必要な所要の増幅度により線形の増幅処理を行って、増幅した信号を同相成分用の乗算器5及び直交成分用の乗算器6へ出力する。
局部発振器3は、受信周波数に対してオフセット周波数を有する所定の周波数の搬送波信号を発振して、当該信号を同相成分用の乗算器5及び90度移相器4へ出力する。
90度移相器4は、局部発振器3から入力された信号の位相を90度変化させて、直交成分用の乗算器6へ出力する。
直交成分用の乗算器6は、低雑音増幅器2から入力された信号と90度移相器4から入力された信号とを乗算することで周波数変換する処理を行い、これにより得られた直交成分の信号を直交成分用のLPF8へ出力する。
同相成分用のLPF7は、入力された信号について、入力及び局部発振器3の出力の約2倍(入力信号周波数と局部発振器3の出力周波数との和)の周波数成分を減衰して、同相成分用のA/D変換器9へ出力する。
直交成分用のLPF8は、入力された信号について、入力及び局部発振器3の出力の約2倍(入力信号周波数と局部発振器3の出力周波数との和)の周波数成分を減衰して、直交成分用のA/D変換器10へ出力する。
同相成分用のA/D変換器9は、入力された信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換して、デジタル信号処理部11のDCオフセット除去処理部21へ出力する。
直交成分用のA/D変換器10は、入力された信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換して、デジタル信号処理部11のDCオフセット除去処理部21へ出力する。
位相補正処理部22は、入力された信号について、同相信号と直交信号との間の位相偏差を補正する処理を行い、補正処理後の信号を振幅補正処理部23へ出力する。
振幅補正処理部23は、入力された信号について、同相信号と直交信号との間の振幅偏差を補正する処理を行い、補正処理後の信号をイメージ除去処理部24の複素周波数変換処理部31へ出力する。
ここで、位相補正処理部22は、前段の乗算器5、6や90度移相器4などのアナログ素子でその特性に応じて発生した位相偏差を検出し、検出結果に応じて補正する。
また、振幅補正処理部23は、前段の乗算器5、6や90度移相器4などのアナログ素子でその特性に応じて発生した振幅偏差を検出し、検出結果に応じて補正する。
同相成分用のLPF32は、入力された信号に含まれる所望のベースバンド信号の成分を抽出して、復調処理部25へ出力する。
直交成分用のLPF33は、入力された信号に含まれる所望のベースバンド信号の成分を抽出して、復調処理部25へ出力する。
このようにして、イメージ除去処理部24では、イメージ信号を除去して、中心周波数がオフセット周波数を有する信号を中心周波数がゼロ(0)であるベースバンド帯域(基底帯域)へ変換する。
復調処理部25は、2つのLPF32、33から入力された信号に対して、復調処理を行い、これにより得られた復調信号を出力する。
すなわち、局部発振器3が、受信周波数に対してオフセットを有する周波数の搬送波を発振する。
第1の乗算器5が、局部発振器3からの出力を入力して、入力信号との乗算処理を行う。第1のLPF(低域ろ波器)7が、第1の乗算器5からの出力を入力して、アンチエリアシングフィルタの役割を果たす。第1のA/D変換器9が、第1のLPF7からの出力を入力して、アナログ信号からデジタル信号へ変換する。
第1の直流(DC)オフセット除去処理部21が、第1のA/D変換器9からの出力である同相信号のデジタル信号を入力して、直流オフセットを除去する。
第2の乗算器6が、90度移相器4からの出力を入力して、入力信号との乗算処理を行う。第2のLPF(低域ろ波器)8が、第2の乗算器6からの出力を入力して、アンチエリアシングフィルタの役割を果たす。第2のA/D変換器10が、第2のLPF8からの出力を入力して、アナログ信号からデジタル信号へ変換する。
第2の直流(DC)オフセット除去処理部21(本例では、第1の直流(DC)オフセット除去処理部21と共通)が、第2のA/D変換器10からの出力である直交信号のデジタル信号を入力して、直流オフセットを除去する。
振幅(偏差)補正処理部23が、位相補正処理部22からの同相出力及び直交出力を各々第1の入力及び第2の入力として、LPF(低域ろ波器)7、8やA/D変換器9、10や他のアナログ信号処理に起因する同相信号と直交信号との間の振幅偏差を補正する。
複素周波数変換処理部31が、振幅補正処理部23からの同相出力を第1の入力として、振幅補正処理部23からの直交出力を第2の入力として、これらの入力について、中心周波数を機器の周波数の許容偏差の範囲内で零へ変換する。
第3のLPF(低域ろ波器)32が、複素周波数変換処理部31からの同相出力を入力して低域ろ波処理を行う。
第4のLPF(低域ろ波器)33が、複素周波数変換処理部31からの直交出力を入力して低域ろ波処理を行う。
なお、変調方式や、復調方式としては、種々な方式が用いられてもよい。
例えば、従来の低IF方式の受信機では、デジタル信号処理によりイメージ除去を行う場合に、乗算器(例えば、ミキサ)や90度移相器や増幅器(例えば、オペアンプ)などのアナログ処理回路の構成方法等の問題により、DCオフセットが生じて、位相偏差や振幅偏差の補正量が不十分となり、イメージ抑圧量に大きな影響を与えて、イメージ除去比が不十分となるといった不具合があったが、本例では、これを改善することができる。
本例の受信機では、デジタル信号処理による位相偏差や振幅偏差の補正処理に加えて、DCオフセット除去処理により、デジタル信号処理による低IF方式の直接検波方式を効果的に実現することができる。
具体的には、例えば、従来のアナログ処理及びデジタル処理では得られなかった60dB程度のイメージ除去が可能となる。
本例のようなDCオフセットの除去と、TDMA(Time Division Multiple Access)方式や、入力レベル変動に関するAGC(Automatic Gain Control)などとを組み合わせて実施することも可能である。
また、本例の受信機では、例えば、図12に示されるように、4チャネル(ch)からなるバンドを一括に扱えるだけの帯域幅をデジタル処理系が有している。この場合、各チャネルに対してアナログの局部発振器を固定周波数に設定し、複素周波数変換処理部のローカル信号を可変にするようなことも可能である。
また、デジタル信号処理は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)や、DSP(Digital Signal Processor)などの論理回路を構成することが可能なハードウエア或いは数値演算を行うことが可能なソフトウエアを用いて実現することができる。
また、本例のような受信機は、例えば、ソフトウエア無線に適用することも可能である。
図2には、本例の低IFの直接検波方式の受信機の直接検波回路の構成例を示してある。
本例の受信機は、例えば、デジタル信号処理部41において振幅補正処理部23と位相補正処理部22との順序を入れ替えた点を除いては、図1に示される受信機の構成と同様である。なお、本例では、図1に示される受信機と同様な構成部については、同一の符号を用いて示してある。
本例の受信機では、DCオフセット除去処理部21によりDCオフセットが除去された信号に対して、振幅補正処理部23により振幅の補正が行われた後に、位相補正処理部22により位相の補正が行われて、イメージ除去処理部24での処理が行われる。
ここで、本例では、位相補正処理部22と振幅補正処理部23とは各々独立した処理を行うため、順序は任意であってもよい。また、例えば、位相補正処理部22と振幅補正処理部23との一方のみを有するような構成とすることも可能である。
本例の複素周波数変換処理部31は、イメージを除去するために予め設定されたSINテーブル51及びCOSテーブル52と、同相成分の入力(I相入力)にSINテーブル51の値を乗算する乗算器53と、同相成分の入力(I相入力)にCOSテーブル52の値を乗算する乗算器54と、直交成分の入力(Q相入力)にSINテーブル51の値を乗算する乗算器55と、直交成分の入力(Q相入力)にCOSテーブル52の値を乗算する乗算器56と、乗算器53からの出力と乗算器56からの出力とを減算(或いは、逆相で加算)する加算器57と、乗算器54からの出力と乗算器55からの出力とを加算する加算器58を備えている。
SINテーブル51は、所定のSINの信号を乗算器53及び乗算器55へ出力する。
COSテーブル52は、所定のCOSの信号を乗算器54及び乗算器56へ出力する。
乗算器54は、位相補正処理部22から入力された同相成分の信号とCOSテーブル52から入力された信号(値)とを乗算して、当該乗算結果の信号を加算器58へ出力する。
乗算器55は、位相補正処理部22から入力された直交成分の信号とSINテーブル51から入力された信号(値)とを乗算して、当該乗算結果の信号を加算器58へ出力する。
乗算器56は、位相補正処理部22から入力された直交成分の信号とCOSテーブル52から入力された信号(値)とを乗算して、当該乗算結果の信号を加算器57へ出力する。
加算器57は、乗算器53から入力された信号から、乗算器56から入力された信号を減算(逆相で加算)して、当該減算結果の信号を同相成分の信号として同相成分用のLPF32へ出力する。
加算器58は、乗算器55から入力された信号と、乗算器54から入力された信号とを加算して、当該加算結果の信号を直交成分の信号として直交成分用のLPF33へ出力する。
このようにして、周波数変換が行われて、イメージが除去される。
また、一般的に搬送波の乗算処理では、搬送周波数が高くなるにつれて、処理負荷が大きくなるため、好ましい態様例として、搬送波の乗算処理部分はFPGA(Field Programmable Gate Array)を使用して構成し、他の部分はDSP(Digital Signal Processor)などを使用して構成することができる。
また、DSPなどを用いて直接検波回路を実現する場合に、例えば、乗算器や加算器や減算器などをソフトウエアにより実現することも可能である。
すなわち、第1の直流(DC)オフセット除去処理部21からの出力である同相信号を振幅(偏差)補正処理部23の第1の入力とし、第2の直流(DC)オフセット除去処理部21からの出力である直交信号を振幅(偏差)補正処理部23の第2の入力とし、振幅補正処理部23からの同相信号の出力を位相(偏差)補正処理部22の第1の入力とし、振幅補正処理部23からの直交信号の出力を位相(偏差)補正処理部22の第2の入力とし、位相補正処理部22からの同相信号の出力を複素周波数変換処理部31の第1の入力とし、位相補正処理部22からの直交信号の出力を複素周波数変換処理部31の第2の入力とする。
図3には、本例の低IFの直接検波方式の受信機の直接検波回路の構成例を示してある。
本例の受信機は、例えば、デジタル信号処理部51において振幅補正処理部23と復調処理部25との間の構成が異なる点を除いては、図1に示される受信機の構成と同様である。なお、本例では、図1に示される受信機と同様な構成部については、同一の符号を用いて示してある。
具体的には、本例の受信機では、デジタル信号処理部51において、振幅補正処理部23と復調処理部25との間に、イメージ除去処理部61と、同相成分用のCOSテーブル62と、同相成分用の乗算器63と、直交成分用のSINテーブル64と、直交成分用の乗算器65と、同相成分用のLPF66と、直交成分用のLPF67を備えている。
また、イメージ除去処理部61は、同相成分用の遅延器71と、直交成分用のヒルベルトフィルタ72と、加算器73を備えている。
直交成分用のヒルベルトフィルタ72は、振幅補正処理部23から入力された直交成分用の信号をフィルタリングして加算器73へ出力する。
加算器73は、ヒルベルトフィルタ72によるフィルタリングにより90度移相された直交成分信号と、遅延器71により遅延された同相成分信号とを加算して、当該加算結果の信号を2つの乗算器63、65へ出力する。
同相成分用の乗算器63は、加算器73から入力された信号とCOSテーブル62から入力された信号とを乗算して、当該乗算結果の信号を同相成分用のLPF66へ出力する。
直交成分用の乗算器65は、加算器73から入力された信号とSINテーブル64から入力された信号とを乗算して、当該乗算結果の信号を直交成分用のLPF67へ出力する。
同相成分用のLPF66は、入力された同相成分の信号をフィルタリングして、復調処理部25へ出力する。
直交成分用のLPF67は、入力された直交成分の信号をフィルタリングして、復調処理部25へ出力する。
ヒルベルトフィルタ72は、ヒルベルト変換処理を行って入力信号を90度移相させる移相処理を行う有限長インパルス応答(FIR:Finite Impulse Response)フィルタである。
なお、入力デジタル信号を90度移相させる移相処理を行う構成であれば、ヒルベルトフィルタに限定せず、別の構成であっても構わない。ヒルベルトフィルタを用いたシミュレーション結果では、イメージ除去比が60dBと大きな効果が得られることが確認されているため、ヒルベルトフィルタを用いることが好適と考えられる。
H(j・ω)=e−jπ/2=−j(0≦ω≦π)
H(j・ω)=+j(π≦ω≦2π)
hk=0 (kは、偶数)
hk=2/(kπ) (kは、奇数)
−∞(マイナス無限大)<k<+∞(プラス無限大)
遅延器71は、ヒルベルトフィルタ72と同一の遅延時間を有する遅延処理を行う。
LPF66及びLPF67は、図1や図2や図16や図17に示される受信機の構成におけるLPFとは機能や性能が異なり、原理的には、不要であり、復調処理部25の機能に含めることも可能である。
なお、本例の受信機では、イメージ除去処理部61の機能によりイメージ信号除去手段が構成されている。
図4には、本例の低IFの直接検波方式の受信機の直接検波回路の構成例を示してある。
本例の受信機は、例えば、デジタル信号処理部81において振幅補正処理部23の後段の構成が異なる点を除いては、図1に示される受信機の構成と同様である。なお、本例では、図1に示される受信機と同様な構成部については、同一の符号を用いて示してある。
本例の受信機では、デジタル信号処理部81において、振幅補正処理部23の後段に、イメージ除去処理部91が備えられている。
イメージ除去処理部91は、複素係数フィルタ101と、複素周波数変換処理部102と、同相成分用のLPF103と、直交成分用のLPF104と、復調処理部105を備えている。
具体的には、係数部111は係数aを出力し、係数部112は係数bを出力する。
乗算器113は、振幅補正処理部23から入力された同相成分の信号と係数aとを乗算して、当該乗算結果の信号を加算器117へ出力する。
乗算器114は、振幅補正処理部23から入力された直交成分の信号と係数aとを乗算して、当該乗算結果の信号を加算器118へ出力する。
乗算器115は、振幅補正処理部23から入力された同相成分の信号と係数bとを乗算して、当該乗算結果の信号を加算器118へ出力する。
乗算器116は、振幅補正処理部23から入力された直交成分の信号と係数bとを乗算して、当該乗算結果の信号を加算器117へ出力する。
加算器118は、乗算器114から入力された信号と、乗算器115から入力された信号とを加算し、当該加算結果の信号を複素周波数変換処理部102へ出力する。
なお、複素係数フィルタ101では、必要に応じて、遅延器が備えられる。
複素周波数変換処理部102は複素周波数変換を行い、2つのLPF103、104によりフィルタリングして、復調処理部105により復調処理を行う。
また、係数aや係数bとして予め設定される値は、イメージを除去するために行う複素係数フィルタ処理に対応するものであり、後続の複素周波数変換処理部102の動作によって、最終的にオフセットが取り除かれて、所望の希望波信号が抽出されて、復調処理部105に出力される。
本例の複素係数フィルタでは、同相成分の信号I0(nT)及び直交成分の信号Q0(nT)を入力して、同相成分の出力信号I1(nT)としては、同相成分の入力信号I0(nT)と、同相成分の入力信号I0(nT)を遅延させて係数x1を乗算した結果と、直交成分の入力信号Q0(nT)を遅延させて係数x3を乗算した結果とを加算した結果の信号を出力し、また、直交成分の出力信号Q1(nT)としては、直交成分の入力信号Q0(nT)と、直交成分の入力信号Q0(nT)を遅延させて係数x4を乗算した結果と、同相成分の入力信号I0(nT)を遅延させて係数x2を乗算した結果とを加算した結果の信号を出力する。
デジタル処理による複素係数フィルタは、図6に示されるように、実信号の周波数特性を有するフィルタの周波数応答を周波数軸方向にシフトすることにより得られ、本例では、(+ωc)或いは(−ωc)だけシフトすることにより得られる。
例えば、同相入力をxとして、直交入力をyとして、複素数の入力信号(x+jy)と複素係数フィルタの係数(a+jb)とを乗算(例えば、畳み込み演算)するものであり、この場合、出力信号は(x+jy)*(a+jb)=a*x−b*y+j(a*y+b*x)となる。ここで、*は畳み込み演算を表す。
なお、本例の受信機では、イメージ除去処理部91の機能によりイメージ信号除去手段が構成されており、復調処理部105の機能により復調手段が構成されている。
本例のDCオフセット除去処理部の構成は、例えば、図1〜図4に示されるような受信機に備えられるDCオフセット除去処理部21として用いることが可能である。
図7には、本例のDCオフセット除去処理部の構成例を示してある。
本例のDCオフセット除去処理部は、同相(I)成分用DCオフセット除去処理部121と、直交(Q)成分用DCオフセット除去処理部122から構成されている。
同相成分用DCオフセット除去処理部121は、減算器131と、平均処理部132を備えている。平均処理部132は、LPF133と、積分器134と、乗算器135を備えている。
直交成分用DCオフセット除去処理部122は、減算器141と、平均処理部142を備えている。平均処理部142は、LPF143と、積分器144と、乗算器145を備えている。
同相(I)入力及び直交(Q)入力は、各々、DCオフセットを検出した出力を用いて減算処理を行う減算器131、141に入力される。
減算器131、141からの出力は、LPF(低域フィルタ)133、143に入力された後に、積分器134、144に入力され、その後、制御ループの係数と積分器134、144からの出力とが乗算器135、145により乗算されて、DCオフセット量が検出される。
検出されたDCオフセット量が減算器131、141への入力から減算されて、当該減算結果の信号が出力される。
ここで、減算器131、141とLPF133、143と積分器134、144と乗算器135、145は制御ループを構成しており、収束した状態でDCオフセット量が除去される。
また、LPF133、143では、デジタル信号処理のサンプリング定理による折り返しによる雑音を除去する処理を行う。
本例の同相成分用DCオフセット除去処理部121では、LPF133は、加算器151と、遅延器152と、乗算器153と、乗算器154から構成されている。また、積分器134は、加算器161と、遅延器162から構成されている。
減算器131は、前段の回路(例えば、位相補正処理部22或いは振幅補正処理部23)から出力される同相成分の信号を入力するとともに、平均処理部132の乗算器135から出力される信号を入力し、前段の回路からの入力信号から、乗算器135からの入力信号を減算し、当該減算結果の信号をDCオフセット除去後の同相成分の信号として出力する。
LPF133では、減算器131からの出力と乗算器153からの出力とを加算器151により加算し、当該加算結果の信号を遅延器152により遅延する。また、遅延器152による遅延信号と所定の係数(係数1)とを乗算器153により乗算して、当該乗算結果の信号を加算器151へ出力する。また、遅延器152による遅延信号と所定の係数(係数2)とを乗算器154により乗算して、当該乗算結果の信号を積分器134へ出力する。
乗算器135は、積分器134の遅延器162から入力される信号と所定の係数(係数3)とを乗算して、当該乗算結果の信号をDCオフセット量に相当する信号として減算器131へ出力する。
ここで、LPF133による処理における係数1と係数2との関係としては、例えば、(係数1=1−係数2)とすることが望ましい。
また、乗算器135による処理としては、例えば、積分器134による処理の前段で行われてもよく、或いは、本例のように後段で行われてもよい。
すなわち、DCオフセット除去処理を制御ループにより行う構成において、減算器131からの出力信号をLPF133、143により低域ろ波処理し、当該LPF133、134からの出力を積分器134により積分処理し、当該積分処理の結果をループ定数を乗算する乗算器135により乗算処理し、当該乗算処理の結果を減算器131により入力信号から減算する。これにより、DCオフセットの除去を行う。
まず、デジタル信号処理部における位相補正処理部22について説明する。
位相補正処理部22は、前段の乗算器5、6や90度移相器4等のアナログ素子でその特性に応じて発生した位相偏差を検出し、検出結果に応じて補正する。
本例の位相補正処理部22は、原理的には、乗算器301と、加算器302と、乗算器303と、LPF311と、積分器312と、乗算器313とから構成されている。LPF311と積分器312と乗算器313から制御ループ304が構成されている。
乗算器303は、位相補正処理部22に入力されるデジタル信号の同相成分(I入力)と直交成分(Q入力)とを乗算することにより位相偏差を検出する。
LPF311及び積分器312及び乗算器313は、乗算器303によって検出された位相偏差を、制御ループ304により収束させる。
乗算器303及びLPF311及び積分器312及び乗算器313が、デジタル信号処理部の前段のアナログ素子の特性による位相偏差を検出及び制御する部分である。
加算器302は、乗算器301で乗算された結果を直交成分(Q入力)から減算して直交出力(Q出力)とする。
乗算器301及び加算器302が、デジタル信号処理部の前段のアナログ素子の特性による位相偏差を補正する部分である。
空中線からの入力信号x(t)=cos(ωC・t+θ)(ωC:希望信号の角周波数)とし、局部発振器3からの出力信号をcos(ωC’・t)とし、90度移相器4の位相角を(90度+Δφ)とすると、位相補正処理部22に入力される同相(I)入力及び直交(Q)入力は、次式のようになる。ここで、同相(I)入力と直交(Q)入力との間の振幅偏差は0dBとする。
cos(ωC・t+θ)[cos(ωC’・t)−jsin(ωC’・t+Δφ)]=(1/2){cos(ωC’−ωC)・t+θ}−j(1/2)[sin{(ωC’−ωC)・t+θ−Δφ}]
I入力×Q入力=−(1/4){cos(ωC’−ωC)・t+θ}sin{(ωC’−ωC)・t+θ−Δφ}=−(1/8)sin(Δφ)
入力信号を(ωC’−ωC)・t+θ=αとおいて、cos(Δφ)を約1とする(cos(Δφ)≒1)と、次式のようになる。
入力信号=(1/2)(cosα)−j(1/2)[sin(Δφ)cos(α)+cos(Δφ)sin(α)]=(1/2)(cosα)−j(1/2)[sin(Δφ)cos(α)+sin(α)]
出力信号={I}−j{Isin(Δφ)−Isin(Δφ)+Q}={I}−j{Q}
これにより、位相補正処理が行われる。
なお、LPF311、積分器312及び乗算器313は制御ループ304を構成する要素であり、Gppはループ時定数に逆比例する定数であり、乗算器313は積分器312からの出力とGppとを乗算した結果を乗算器301へ出力する。
振幅補正処理部23は、デジタル信号処理部の前段の乗算器5、6や90度移相器4等のアナログ素子において、その特性に応じて発生した振幅偏差を検出し、検出結果に応じて補正する。
図19には、振幅補正処理部23の原理的な構成例を示してある。
本例の振幅補正処理部23は、原理的には、自乗器321と、乗算器322と、自乗器323と、減算器324と、LPF331と、積分器332と、乗算器333と、加算器326とから構成されている。LPF331と積分器332と乗算器333から制御ループ325が構成されている。
自乗器323は、振幅補正処理部23に入力されるデジタル信号の直交成分(Q入力)を自乗する。
減算器324は、自乗器321からの同相成分(I入力)の自乗値と、自乗器323からの直交成分(Q入力)の自乗値とを減算することにより振幅偏差を検出する。
LPF331及び積分器332及び乗算器333は、減算器324によって検出された振幅偏差を、制御ループ325により収束させる。
自乗器321、323及び減算器324及びLPF331及び積分器332及び乗算器333が、デジタル信号処理部の前段のアナログ素子の特性による振幅偏差を検出、制御する部分である。
乗算器322は、加算器326により求めた振幅偏差に基づく値を直交成分(Q入力)と乗算して直交出力(Q出力)とする。
加算器326及び乗算器322が、デジタル信号処理部の前段のアナログ素子の特性による振幅偏差を補正する部分である。
同相成分の乗算器(例えば、ミキサ)5の利得をA1とし、直交成分の乗算器(例えば、ミキサ)6の利得をA2とし、A1/A2=Δgとして、空中線からの入力信号x(t)=cos(ωC・t+θ)がLPF7及びLPF8を通過した出力は、次式のようになる。
y(t)=x(t)[cos(ωC’・t)―j(Δg)sin(ωC’・t+Δφ)]=cos(ωC・t+θ)[cos(ωC’・t)−j(Δg)sin(ωC’・t+Δφ)]=cos{(ωC’−ωC)・t+θ}−j[(Δg)sin{(ωC’−ωC)・t+Δφ−θ}]
I2=(1/2)(1+cos[2(ωC’−ωC)・t+θ])
Q2=(Δg)2(1/2)(1−cos[2(ωC’−ωC)・t+θ+Δφ])
ここで、Δg=1+ΔAと置き換えると、Δg2=1+2ΔA+ΔA2となり、約(1+2ΔA)となる(つまり、Δg2≒1+2ΔA)。
LPF331でcos{2(ωC’−ωC)・t+θ}の成分が十分に減衰されると、LPF331からの出力は、Q2−I2=(Δg)2(1/2)−1/2となり、約ΔAとなる(つまり、Q2−I2≒ΔA)。ここで、ΔA2は、1>ΔAであるため、無視する。
加算器326からの出力(1−ΔA)を乗算器322によりQ側の直交入力(1+ΔA)と乗算すると、(1−ΔA)(1+ΔA)は1に収束する。ここで、ΔA2は、1>ΔAであるため、無視する。
また、ここでは、I2及びQ2は1に正規化してある。
このようにして、誤差が補償される。
本例の構成では、制御ループ304を構成するLPF311の内部が、乗算器303からの出力と乗算器343からの出力とを加算する加算器341と、加算器341からの出力を遅延する遅延器342と、遅延器342からの出力に所定の係数(係数1)を乗算する乗算器343と、遅延器342からの出力に所定の係数(係数2)を乗算する乗算器344とから構成されている。
また、積分器312の内部が、LPF311からの出力と、遅延器352からの出力とを加算する加算器351と、加算器351からの出力を遅延させる遅延器352とから構成されている。
本例の構成では、制御ループ325を構成するLPF331の内部が、減算器324からの出力と乗算器363からの出力とを加算する加算器361と、加算器361からの出力を遅延する遅延器362と、遅延器362からの出力に所定の係数(係数1)を乗算する乗算器363と、遅延器362からの出力に所定の係数(係数2)を乗算する乗算器364とから構成されている。
また、積分器332の内部が、LPF331からの出力と、遅延器372からの出力とを加算する加算器371と、加算器371からの出力を遅延させる遅延器372とから構成されている。
初期位相偏差が10度であり、初期振幅偏差が1dBであり、補正処理を行わない場合におけるイメージ除去比は約20dBであったのに対して、補正処理を行った場合には、補正処理により、位相偏差が0.05度、振幅偏差が0.01dB以内に収束しており、約60dB以上のイメージ抑圧比が実現することができた。
また、本例の受信機では、振幅補正処理部23において、乗算器322の機能により第4の乗算手段が構成されており、自乗器321の機能により第1の自乗手段が構成されており、自乗器323の機能により第2の自乗手段が構成されており、減算器324の機能により第2の減算手段が構成されており、LPF331の機能により第2の低域通過フィルタ手段が構成されており、積分器332の機能により第2の積分手段が構成されており、乗算器333の機能により第5の乗算手段が構成されており、加算器326の機能により合成手段が構成されている。
すなわち、本技術例に係る受信機では、直交復調を行う受信装置等に用いられる直接検波回路を備え、イメージ信号除去比を向上させて、更にハードウエアの負荷や処理の負荷を軽減することを実現する。
本技術例に係る受信機は、乗算器(例えば、ミキサ)や90度移相器等のアナログ素子に起因して発生する位相誤差や振幅誤差を、デジタル信号処理により補正することにより、ハードウエアの負荷や処理の負荷を小さく抑えたまま、イメージ除去比を向上させることができるものである。
(1)本技術例に係る受信機では、直交した搬送波信号の局部発振器により基底帯域に変換して復調処理を行う構成において、受信周波数に対するオフセットを有する局部発振周波数で低域に周波数変換する第1の周波数変換部と、周波数変換された受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換部と、デジタル信号に変換された信号に対して位相偏差を補正する位相偏差補正処理部(位相補正処理部)と、位相偏差が補正されたデジタル信号に対してイメージ除去処理を施すイメージ除去部と、イメージ除去された広帯域信号から希望波の帯域信号を抽出する狭帯域帯域制限部と、希望波の帯域信号に対してオフセットを取り除く周波数変換処理を行う第2の周波数変換部とを有することを特徴とする。
このような構成により、ハードウエアの負荷や処理の負荷を小さく抑えたまま、アナログ素子に起因する位相偏差を補正してイメージ除去比を向上させることができる。
このような構成により、ハードウエアの負荷や処理の負荷を小さく抑えたまま、アナログ素子に起因する振幅偏差を補正してイメージ除去比を向上させることができる。
このような構成により、ハードウエアの負荷や処理の負荷を小さく抑えたまま、アナログ素子に起因する振幅偏差及び位相偏差を補正してイメージ除去比を向上させることができる。
これにより、簡単な構成及び簡単な処理によって、ハードウエアの負荷や処理の負荷を小さく抑えたまま、アナログ素子に起因する位相偏差を補正してイメージ除去比を向上させることができる。
これにより、簡単な構成及び簡単な処理によって、ハードウエアの負荷や処理の負荷を小さく抑えたまま、アナログ素子に起因する振幅偏差を補正してイメージ除去比を向上させることができる。
本技術例に係る受信機における低IF方式の直接検波回路では、デジタル信号処理部11内でイメージ除去処理を行う前に、位相補正処理部22において、乗算器5、6や90度移相器4等のアナログ処理用素子に起因する位相偏差(誤差)を検出して補正するため、ハードウエア構成及び処理の負荷を増大することなく位相偏差(誤差)を取り除くことができ、後段のイメージ除去処理におけるイメージ除去比を向上させることができる。
本技術例に係る受信機における低IF方式の直接検波回路では、デジタル信号処理部11内でイメージ除去処理を行う前に、振幅補正処理部23において、乗算器5、6や90度移相器4等のアナログ処理用素子に起因する振幅偏差(誤差)を検出して補正するため、ハードウエア構成及び処理の負荷を増大することなく振幅偏差(誤差)を取り除くことができ、後段のイメージ除去処理におけるイメージ除去比を向上させることができる。
具体的には、従来のアナログ処理及びデジタル処理では得られなかった60dB程度のイメージ除去が可能となる。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係る受信機などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
Claims (1)
- 同相成分と直交成分から構成される受信信号を復調する受信機において、
受信周波数に対してオフセットを有する周波数の信号と受信信号とを乗算して、当該受信信号を低域へ周波数変換する低域周波数変換手段と、
前記低域周波数変換手段により周波数変換された受信信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換するアナログデジタル変換手段と、
前記アナログデジタル変換手段によりデジタル信号に変換された受信信号から直流オフセット成分を除去する直流オフセット成分除去手段と、
前記直流オフセット成分除去手段により直流オフセット成分が除去された受信信号に対して位相と振幅との一方又は両方を補正する信号補正手段と、
前記信号補正手段により補正された受信信号からイメージ信号を除去するイメージ信号除去手段と、
前記イメージ信号除去手段によりイメージ信号が除去された受信信号を復調する復調手段と、
を備え、
前記直流オフセット成分除去手段は、受信信号の同相成分と直交成分とのそれぞれに対して直流オフセット成分を除去する直流オフセット成分除去部を有し、
前記信号補正手段は、当該信号補正手段への入力信号の位相を補正する信号位相補正手段と、当該信号補正手段への入力信号の振幅を補正する信号振幅補正手段を用いて構成されており、
前記信号位相補正手段は、第1の乗算手段と、第1の減算手段と、第2の乗算手段と、第1の低域通過フィルタ手段と、第1の積分手段と、第3の乗算手段から構成されており、前記第1の乗算手段は入力信号の同相成分と前記第3の乗算手段からの出力とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第1の減算手段は入力信号の直交成分から前記第1の乗算手段からの出力を減算して当該減算結果を出力し、前記第2の乗算手段は受信信号の同相成分と前記第1の減算手段からの出力とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第1の低域通過フィルタ手段は前記第2の乗算手段からの出力を低域通過特性でフィルタリングして出力し、前記第1の積分手段は前記第1の低域通過フィルタ手段からの出力を積分して当該積分結果を出力し、前記第3の乗算手段は前記第1の積分手段からの出力と所定値とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記入力信号の同相成分を同相成分として出力するとともに前記第1の減算手段からの出力を直交成分として出力し、
前記信号振幅補正手段は、第4の乗算手段と、第1の自乗手段と、第2の自乗手段と、第2の減算手段と、第2の低域通過フィルタ手段と、第2の積分手段と、第5の乗算手段と、合成手段から構成されており、前記第4の乗算手段は入力信号の直交成分と前記合成手段からの出力とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第1の自乗手段は入力信号の同相成分を自乗して当該自乗結果を出力し、前記第2の自乗手段は前記第4の乗算手段からの出力を自乗して当該自乗結果を出力し、前記第2の減算手段は前記第1の自乗手段からの出力と前記第2の自乗手段からの出力とで減算し、前記第2の低域通過フィルタ手段は前記第2の減算手段からの出力を低域通過特性でフィルタリングして出力し、前記第2の積分手段は前記第2の低域通過フィルタ手段からの出力を積分して当該積分結果を出力し、前記第5の乗算手段は前記第2の積分手段からの出力と所定値とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記合成手段は前記第5の乗算手段からの出力と所定値とを合成して当該合成結果を出力し、前記入力信号の同相成分を同相成分として出力するとともに前記第4の乗算手段からの出力を直交成分として出力し、
それぞれの成分の前記直流オフセット成分除去部は、第3の減算手段と、第1の加算手段と、第1の遅延手段と、第6の乗算手段と、第7の乗算手段と、第2の加算手段と、第2の遅延手段と、第8の乗算手段から構成されており、前記第3の減算手段は入力成分から前記第8の乗算手段からの出力を減算して当該減算結果を出力し、前記第1の加算手段は前記第3の減算手段からの出力と前記第6の乗算手段からの出力とを加算して当該加算結果を出力し、前記第1の遅延手段は前記第1の加算手段からの出力を遅延させて出力し、前記第6の乗算手段は前記第1の遅延手段からの出力と第1の係数とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第7の乗算手段は前記第1の遅延手段からの出力と第2の係数とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第2の加算手段は前記第7の乗算手段からの出力と前記第2の遅延手段からの出力とを加算して当該加算結果を出力し、前記第2の遅延手段は前記第2の加算手段からの出力を遅延させて出力し、前記第8の乗算手段は前記第2の遅延手段からの出力と第3の係数とを乗算して当該乗算結果を出力し、前記第3の減算手段からの出力を出力成分として出力する、
ことを特徴とする受信機。
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