JP3576406B2 - 作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法 - Google Patents

作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法 Download PDF

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    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の車体といったワークが流される生産ラインに、スポット溶接ガンといった作業ツールが装着される作業ロボットを仮想的にレイアウトする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車製造の分野で知られる「増し打ちライン」では、組み立てられた車体フレームの骨組みに対してスポット溶接が実施される。このスポット溶接によって車体フレームを構成する構成部材同士の接合強度が補強される。ラインに沿って配置されるスポット溶接ガンには、処理すべき車体フレーム上のスポット溶接打点が配分される。増し打ちラインを車体フレームが通過すると、各スポット溶接ガンが配分されたスポット溶接打点を処理し、その結果、車体フレームが仕上げられるのである。
【0003】
増し打ちラインを始めとする生産ラインでは、1生産ライン当たりの作業ステーション数を減少させることが求められる。作業ステーション数の減少に伴って生産ラインが短縮されれば、限られた敷地内にできる限り多くの生産ラインを構築することが可能となるからである。同時に、生産ラインでは、1生産ライン当たりの総ロボット数が削減されることが求められる。ロボットが増えれば、投資が増大するからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば増し打ちラインでは、1生産ラインに必要とされる作業ステーション数や、1作業ステーションに配置されるスポット溶接ガンすなわち溶接ロボットの台数は、車体フレーム上のスポット溶接打点をいかに各スポット溶接ガンに配分するかによって決定される。こうしたスポット溶接打点の配分には、生産ラインに配置される溶接ロボットや各溶接ロボットに装着されるスポット溶接ガンに関する様々な要因が影響する。しかしながら、これまでのところ、こうした影響を定量的に解析することはできなかった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、作業ロボットや作業ツールに関する様々な要因が生産ライン全体のライン編成に与える影響を解析することができる作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、ワーク上の全ての未処理打点の位置を示す打点データを取得する工程と、1作業ステーション当たりに許容される溶接ロボットの許容台数を特定する複数の許容台数値を示す変数データを取得する工程と、変数データで示される1許容台数値が指定されると、打点データに基づきワーク上の全ての未処理打点を呼び出す工程と、1作業ステーションが指定されるたびに、指定された許容台数値を上限に、その1作業ステーションで前記呼び出された未処理打点が割り振られる溶接ロボットの台数を計数する工程と、呼び出された全ての未処理打点がいずれかの溶接ロボットに割り振られるまで、前記1作業ステーションが指定されるたびに作業ステーション数を計数する工程と、全ての許容台数値が一通り指定されるまで、新たに変数データで示される1許容台数値を指定する工程とを備えることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法が提供される。
【0007】
一般に、生産ラインでは、1生産ラインに必要とされる総作業ステーション数や、1作業ステーションに配置されるスポット溶接ガンすなわち溶接ロボットの台数は、ワーク上に設定された未処理打点をいかに各スポット溶接ガンに配分するかによって決定される。例えば、1作業ステーション当たりに許容される溶接ロボットの許容台数が変更されると、各スポット溶接ガンに対する未処理打点の配分も変わってくる。したがって、許容台数を変更しながら総作業ステーション数や総溶接ロボット数を算出すれば、生産ライン全体のライン編成に対する許容台数の影響を知ることができるのである。
【0008】
本発明に係るレイアウトシミュレーション方法によれば、1許容台数値が指定されるたびに、各作業ステーションに配置される溶接ロボット数と総作業ステーション数とが算出される。その結果、変数データに含まれる許容台数値ごとに総作業ステーション数および総溶接ロボット数が得られる。許容台数値を変えることによって、総作業ステーション数や総溶接ロボット数に対する許容台数の影響が定量的に解析されるのである。その結果、所望の条件下で生産ラインに最適な許容台数値を明らかにすることが可能となる。
【0009】
作業ステーション数を計数するにあたって、作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法は、例えば、1作業ステーションが指定されると、その作業ステーション内で1溶接ロボットを指定する工程と、1溶接ロボットが指定されると、前記打点データに基づき、その1溶接ロボットに前記未処理打点を割り振る工程と、1溶接ロボットに対して未処理打点が割り振られるたびに溶接ロボットの台数を計数する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるまで新たに1溶接ロボットを指定する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるたびに作業ステーション数を計数する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるたびに、前記呼び出された全ての未処理打点が登録されるまで新たに1作業ステーションを指定する工程とを備えればよい。こうした処理工程によれば、第1作業ステーションの第1溶接ロボットから順番に効率よく未処理打点が各溶接ロボットに配分されることができる。
【0010】
また、本発明に係るレイアウトシミュレーション方法は、指定された1溶接ロボットに対して最初に割り振られる第1未処理打点を特定する工程と、特定された第1未処理打点に基づいて前記1溶接ロボットの配置を決定する工程とをさらに備えてもよい。かかる構成によれば、1許容台数値が指定されるたびに、作業ステーションごとの溶接ロボットの構成に加え、生産ライン全体や作業ステーションにおける各溶接ロボットの位置をシミュレーション結果として提供することが可能となる。
【0011】
未処理打点を割り振るにあたって、レイアウトシミュレーション方法は、前記打点データで示される未処理打点ごとに使用可能なスポット溶接ガンを特定するガンデータを取得する工程と、このガンデータを用いて、前記第1未処理打点に対して1スポット溶接ガンを指定する工程と、前記ガンデータを用いて、指定された1スポット溶接ガンで処理される未処理打点を抽出する工程とをさらに備えてもよい。一般に、生産ラインでは、未処理打点の特性に応じて処理に用いられるスポット溶接ガンの種類が異なる。1スポット溶接ガンには必ずそのスポット溶接ガンで処理可能な未処理打点が割り振られなければならない。ガンデータに基づき未処理打点ごとに使用可能なスポット溶接ガンの種類が特定されれば、指定されたスポット溶接ガンで確実に処理される未処理打点を簡単に抽出することができるのである。こうして抽出された未処理打点を指定されたスポット溶接ガンに割り振れば、生産ラインの実情に則した信頼性の高いシミュレーション結果を提供することができる。
【0012】
さらに、未処理打点を割り振るにあたって、レイアウトシミュレーション方法は、各溶接ロボットに装着されるスポット溶接ガンの作動範囲を示す作動範囲データを取得する工程と、前記打点データに基づき、前記第1未処理打点を含む作動範囲を前記ワーク上で画定する工程と、画定された作動範囲に含まれる未処理打点を特定する工程とをさらに備えてもよい。一般に、生産ラインでは、溶接ロボットの動きに基づいてスポット溶接ガンの作動範囲が限定されてしまう。この作動範囲外に存在する未処理打点をスポット溶接ガンが処理することができない。したがって、1スポット溶接ガンには必ず作動範囲内の未処理打点が割り振られなければならない。ワーク上でスポット溶接ガンの作動範囲が特定されれば、作動範囲に含まれる未処理打点を簡単に抽出することが可能となる。こうして抽出された未処理打点を1スポット溶接ガンに割り振れば、生産ラインの実情に則した信頼性の高いシミュレーション結果を提供することができる。
【0013】
例えば、ワーク上では、前記第1未処理打点を中心に描かれる球面によって前記作動範囲が規定されてもよい。こうして第1未処理打点に基づいて一義的に作動範囲が画定されれば、シミュレーションの計算処理を簡略化することができる。この場合には、作動範囲データは、球面の半径を示す1以上の作動範囲値を含むことができる。1生産ラインで配置される各スポット溶接ガンの作動範囲の大きさが変更されると、各スポット溶接ガンに対する未処理打点の配分も変わってくる。したがって、作動範囲の大きさを変更しながら総作業ステーション数や総溶接ロボット数を算出すれば、生産ライン全体のライン編成に対する作動範囲の大きさの影響を知ることができるのである。しかも、作動範囲値を変えるごとに前述の許容台数値を指定すれば、生産ライン全体のライン編成に対する許容台数と作動範囲の大きさとの相乗的な影響を解析することが可能となる。
【0014】
作動範囲を特定するにあたって、レイアウトシミュレーション方法は、決定された1溶接ロボットの配置に基づいて前記ワークに対する1溶接ロボットの位置関係を特定する工程と、1溶接ロボット固有の座標軸空間で特定される前記作動範囲を前記ワーク上に投影する工程とを備えることができる。こうして溶接ロボットごとに作動範囲が画定されれば、作動範囲を厳密に規定することができ、その結果、一層信頼性の高いシミュレーション結果を提供することができる。この場合には、作動範囲データは、作動範囲の大きさを示す1以上の空間座標値を含むことができる。溶接ロボットの種類ごとに特定される作動範囲の大きさを変更しながら総作業ステーション数や総溶接ロボット数を算出すれば、前述と同様に、生産ライン全体のライン編成に対する作動範囲の大きさの影響を知ることができるのである。しかも、空間座標値を変えるごとに前述の許容台数値を指定すれば、生産ライン全体のライン編成に対する許容台数と作動範囲の大きさとの相乗的な影響を解析することが可能となる。
【0015】
未処理打点を割り振るにあたって、本発明に係るレイアウトシミュレーション方法は、指定された1溶接ロボットごとに、割り振られた1未処理打点に順番に打順を付与する工程と、打順が付与されるたびに、その打順で特定される1未処理打点まで1溶接ロボットに装着された1スポット溶接ガンが費やす処理時間を算出する工程と、算出された処理時間が作業時間データで示される1作業ステーション当たりの最大作業時間に達するか否かを判定する工程とをさらに備えることができる。一般に、生産ラインでは、1作業ステーションごとに作業時間が限定される。限定された作業時間すなわち最大作業時間内にスポット溶接ガンは処理を完了しなければならない。未処理打点が割り振られるたびに処理時間が最大作業時間と比較されれば、確実に最大作業時間内に処理される未処理打点のみが1スポット溶接ガンに割り振られることができる。
【0016】
この場合には、作業時間データは、前記最大作業時間を示す1以上の作業時間値を含むことができる。1生産ラインで配置される各スポット溶接ガンの最大作業時間が変更されると、各スポット溶接ガンに対する未処理打点の配分も変わってくる。したがって、最大作業時間を変更しながら総作業ステーション数や総溶接ロボット数を算出すれば、生産ライン全体のライン編成に対する最大作業時間すなわちタクト時間の影響を知ることができるのである。しかも、作業時間値を変えるごとに前述の許容台数値を指定すれば、生産ライン全体のライン編成に対する許容台数と最大作業時間との相乗的な影響を解析することが可能となる。
【0017】
前記処理時間は、前記溶接ロボットの作業速度を示すロボット作業速度データと、溶接ロボットに装着されるスポット溶接ガンの作業速度を示すガン作業速度データとに基づいて算出されればよい。この場合には、ロボット作業速度データは、溶接ロボットの作業速度を示す1以上のロボット作業速度値を含むことができ、ガン作業速度データは、スポット溶接ガンの作業速度を示す1以上のガン作業速度値を含むことができる。一般に、生産ラインでは、溶接ロボットやスポット溶接ガンの能力に応じて各スポット溶接ガンに対する未処理打点の配分も変わってくる。限られた時間内に処理される未処理打点数が変わってくるからである。したがって、ロボット作業速度やガン作業速度を変えながら総作業ステーション数や総溶接ロボット数を算出すれば、生産ライン全体のライン編成に対して溶接ロボットやスポット溶接ガンの能力が与える影響を知ることができるのである。しかも、ロボット作業速度値やガン作業速度値を変えるとごに前述の許容台数値を指定すれば、生産ライン全体のライン編成に対する許容台数と溶接ロボットやスポット溶接ガンの能力との相乗的な影響を解析することが可能となる。
【0018】
その他、ガン作業速度データは、スポット溶接ガンの溶接時間を示す1以上の溶接時間値や、スポット溶接ガンのガン開閉時間を示す1以上のガン開閉時間値を含むことができる。こうした溶接時間やガン開閉時間を変更しながら総作業ステーション数や総溶接ロボット数を算出すれば、生産ライン全体のライン編成に対する溶接時間やガン開閉時間の影響を知ることができる。しかも、溶接時間値やガン開閉時間値を変えるごとに前述の許容台数値を指定すれば、生産ライン全体のライン編成に対する許容台数と溶接時間やガン開閉時間との相乗的な影響を解析することが可能となる。
【0019】
その一方で、ロボット作業速度データは、1対の未処理打点間で費やされるスポット溶接ガンの2点間移動時間を示す移動時間データを含むことができる。一般に、1対の未処理打点間の距離が異なったり、未処理打点間でスポット溶接ガンのアプローチ方向が異なったりすれば、それらの未処理打点間でスポット溶接ガンが費やす移動時間も異なってくる。したがって、2点間移動時間を考慮して処理時間を算出すれば、生産ラインの実情に則した信頼性の高いシミュレーション結果を提供することができるのである。
【0020】
前記2点間移動時間は、例えば、1対の未処理打点間でスポット溶接ガンが直線的に移動することができる際に費やされる短ピッチ移動時間によって特定されればよい。また、前記2点間移動時間は、1対の未処理打点のうち一方の未処理打点を処理後に一旦ワークからスポット溶接ガンを後退させ、他方の未処理打点に向けてスポット溶接ガンを前進させる必要がある場合に費やされる姿勢変化時間によって特定されてもよい。これらの2点間移動時間は、1対の未処理打点間で生じるスポット溶接ガンの姿勢変化の有無に応じて使い分けられることが望ましい。短ピッチ移動時間と姿勢変化時間との間には大きな隔たりがあり、両者を区別して使用することができれば、シミュレーション結果の信頼性を高めることができるからである。
【0021】
この場合には、移動時間データは、前記溶接ロボットの作業能力に応じて1以上の短ピッチ移動時間値や、前記溶接ロボットの作業能力に応じて1以上の姿勢変化時間値を含むことができる。こうした短ピッチ移動時間や姿勢変化時間を変更しながら総作業ステーション数や総溶接ロボット数を算出すれば、生産ライン全体のライン編成に対する短ピッチ移動時間や姿勢変化時間の影響を知ることができる。しかも、短ピッチ移動時間値や姿勢変化時間値を変えるごとに前述の許容台数値を指定すれば、生産ライン全体のライン編成に対する許容台数と短ピッチ移動時間や姿勢変化時間との相乗的な影響を解析することが可能となる。
【0022】
その他、ロボット作業速度データは、最初に打順が付与された未処理打点に対してスポット溶接ガンを接近させる際に費やされる前進時間を示す前進時間データや、最後に打順が付与された未処理打点からスポット溶接ガンを離反させる際に費やされる後退時間を示す後退時間データを含むことができる。これらの場合には、溶接ロボットの作業能力に応じて1以上の前進時間値や後退時間値が含まれてもよい。こうした前進時間や後退時間を変更しながら総作業ステーション数や総溶接ロボット数を算出すれば、生産ライン全体のライン編成に対する前進時間や後退時間の影響を知ることができる。しかも、前進時間値や後退時間値を変えるごとに前述の許容台数値を指定すれば、生産ライン全体のライン編成に対する許容台数と前進時間や後退時間との相乗的な影響を解析することが可能となる。
【0023】
以上の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法は、前述した通り溶接ロボットが配置される生産ラインに適用されることができるだけでなく、広く一般の生産ラインに適用されることができる。すなわち、本発明に係る作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法は、ワーク上の全ての未処理作業点の位置を示す打点データを取得する工程と、1作業ステーション当たりに許容される作業ロボットの許容台数を特定する複数の許容台数値を示す変数データを取得する工程と、変数データで示される1許容台数値が指定されると、打点データに基づきワーク上の全ての未処理作業点を呼び出す工程と、1作業ステーションが指定されるたびに、指定された許容台数値を上限に、その1作業ステーションで前記呼び出された未処理作業点が割り振られる作業ロボットの台数を計数する工程と、呼び出された全ての未処理作業点がいずれかの作業ロボットに割り振られるまで、作業ステーションが指定されるたびに作業ステーション数を計数する工程と、全ての許容台数値が一通り指定されるまで、新たに変数データで示される1許容台数値を指定する工程とを備えることができる。
【0024】
ここで、作業ツールは、少なくとも2部材を互いに接合する接合ツールであればよく、そういった接合には、少なくとも、溶接、ボルト打ちおよびリベット打ちのいずれか1つが含まれることができる。ただし、これらの用途に限定されるわけではない。
【0025】
なお、以上の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法はコンピュータを利用したソフトウェア処理によって実施されることができる。しかも、本発明に係る作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法を実行するソフトウェアは、FD(フロッピーディスク)やCD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)といった可搬性の記録媒体に格納されて配布されることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0027】
図1は自動車の車体フレームを製造する生産ラインの一具体例を示す。この生産ライン10は、例えば、車体フレーム11を構成する構成部材同士を少数のスポット溶接打点で接合し、車体フレーム11の骨組みを組み立てる組み立てライン12と、スポット溶接打点を打ち増して、組み立てられた骨組みの接合強度を向上させるいわゆる「増し打ちライン」13とを備える。例えば、増し打ちライン13には、入り口から出口に向かって9つの作業ステーション13a〜13iが設定される。各作業ステーション13a〜13iには複数台の溶接ロボット14が配置される。こうした溶接ロボット14の配置は、後述するように、例えば本発明に係る作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法によって決定されることができる。決定された溶接ロボット14の配置に応じて1生産ライン当たりの作業ステーション数STが決定されることとなる。
【0028】
生産ライン10には、全ての作業ステーション13a〜13iを通過するライン搬送装置16が設けられる。このライン搬送装置16は、生産ライン10に沿って同期して間欠的に移動する複数の台車17を備える。各台車17は、所定の搬送時間Ttで、例えば各作業ステーション13a〜13iから次の作業ステーションに移動する。作業ステーション13a〜13iでは、台車17は、所定のタクト時間Tqその位置に停止する。この停止の間に、各溶接ロボット14に装着されたスポット溶接ガンが作業を実施する。台車17に搭載された車体フレーム11すなわちワークは、それらの移動および停止を繰り返しながら控え位置Psから最終位置Pfまで運ばれ完全な車体フレーム11に仕上げられていく。搬送時間Ttは、一般に、台車17を移動させるライン搬送装置16の搬送速度によって規定される。
【0029】
例えば図2に示されるように、各溶接ロボット14は、先端にスポット溶接ガン19が装着される例えば1本のアーム20を備える。スポット溶接ガン19の移動は、アーム基点21に対するアーム20の進退運動Ma、首振り運動Mbおよび回転運動Mcによって規定される。スポット溶接ガン19の移動範囲の最外縁によって、溶接ロボット14のリーチに基づく作動範囲Oaは規定される。ただし、溶接ロボット14のアーム20は1以上の関節を備えていてもよい。
【0030】
スポット溶接ガン19には、例えば図3に示されるように、様々な形態のものSCA、SCB…が存在する。車体フレーム11上のスポット溶接打点の位置や向き、スポット溶接される打点の接合強度を始めとする様々な要因によって各スポット溶接打点に使用されるスポット溶接ガン19の種類は異なる。各溶接ロボット14に装着されるスポット溶接ガン19の形態SCA、SCB…は、後述するように、例えば本発明に係る作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法によって決定されることができる。
【0031】
各溶接ロボット14は、タクト時間Tq内に全ての作業を完了しなければならない。各溶接ロボット14の作業に必要とされる作業時間は、例えば図4に示されるように、第1打点に対してスポット溶接ガン19を接近させる際に費やされる前進時間Tfや、最終打点からスポット溶接ガン19を離反させる際に費やされる後退時間Tbのほか、1対の打点間でスポット溶接ガン19を移動させる際に費やされる短ピッチ移動時間Tpおよび姿勢変化時間Tcといった2点間移動時間によって特定されることができる。例えば、同一平面上に配置される連続した1対の打点間で直線的にスポット溶接ガン19を移動させることができる場合には、短ピッチ移動時間Tpが2点間移動時間に適用される。1対の打点間でスポット溶接ガン19を移動させるにあたって、1対の打点間で直線的にスポット溶接ガン19を移動させることができず、一方の打点を処理後に一旦車体フレーム11からスポット溶接ガン19を後退させ、他方の打点に向けてスポット溶接ガン19を前進させる必要がある場合には、姿勢変化時間Tcによって2点間移動時間が特定される。これらの移動時間は、一般に、アーム20を駆動するサーボモータ(図示せず)の能力すなわちロボット作業速度によって規定される。同時に、作業時間には、スポット溶接ガン19に対する通電時間、ホールド時間およびI/F(インターフェース)時間の総計によって算出される溶接時間Twやガン開閉時間Tgといったパラメータが含まれることができる。これらの移動時間は、一般に、スポット溶接ガン19の能力すなわちガン作業速度によって規定される。
【0032】
いま、例えば図5に示される車体フレーム11を製造するために新たに増し打ちライン13を構築する場面を想定する。車体フレーム11上には、構成部材同士の接合強度を考慮して複数個のスポット溶接打点23が設定される。各スポット溶接打点23は、増し打ちライン13に配置されるいずれかのスポット溶接ガン19によって処理されなければならない。スポット溶接打点23の配分は、後述する作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法によって決定されることができる。スポット溶接打点23は、レイアウトシミュレーション方法の計算処理を簡略化するためにグループ化される。
【0033】
図6は、本発明に係る作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法を実現するCAD/CAM(コンピュータ支援設計製造)システム24を示す。このCAD/CAMシステム24は、例えばCD(コンパクトディスク)やFD(フロッピーディスク)といった可搬性の記録媒体25からシミュレーションソフトウェアを取り込み、取り込んだシミュレーションソフトウェアを実行するコンピュータ本体26を備える。シミュレーションソフトウェアの実行にあたって、コンピュータ本体26は、キーボードやマウスといった入力装置27や、例えばディスクアレイ装置28によって構築されるデータベースから必要な情報を受け取る。シミュレーションの結果は、ディスプレイ装置やプリンタ装置といった出力装置29を通じて作業者に提示される。
【0034】
このシミュレーションソフトウェアによれば、各溶接ロボット14に装着されるスポット溶接ガン19の作動範囲、各溶接ロボット14の作業速度、各スポット溶接ガン19の作業速度、1作業ステーション当たりの最大作業時間といった情報が特定されると、それらの情報に基づき第1作業ステーション13aから順番に規則的にスポット溶接打点23が配分され、1生産ライン10に必要とされる作業ステーション数STおよび溶接ロボット数RBすなわちスポット溶接ガンの台数といった情報が出力される。同時に、各溶接ロボット14すなわちスポット溶接ガン19に割り当てられるスポット溶接打点23の配分結果や打順といった情報が出力されることができる。
【0035】
スポット溶接打点23の配分の仕方は、溶接ロボットの種類ごとに特定されることができる作動範囲を示す作動範囲値を変化させたり、各作業速度を示すロボット作業速度値およびガン作業速度値を変化させたり、最大作業時間を示す最大作業時間値を変化させたりすることによって決定されることができる。こうして配分の仕方を変化させると、様々な配分条件に対して総作業ステーション数STや総溶接ロボット数RBが算出されることとなる。算出された結果は、例えば図7および図8に示されるように、グラフにまとめられることができる。
【0036】
こうしたグラフを作成すると、どのようにスポット溶接打点23を配分すれば総作業ステーション数STを減少させることができ、同時に、総溶接ロボット数RBを減少させることができるかを知ることができる。しかも、溶接ロボット14の作業速度、スポット溶接ガン19の作動範囲や作業速度、最大作業時間といった様々な要因がそうしたシミュレーション結果にいかに影響するかをも知ることができる。すなわち、そうした様々な要因が生産ライン10全体に与える影響を解析することができるのである。その結果、新たに増し打ちライン13を構築するにあたって、様々な要求を満足するように作業ステーション数STを設定したり、1作業ステーション当たりにスポット溶接ガン19を配置させたりすることが可能となる。
【0037】
シミュレーションで得られるスポット溶接打点23の配分結果や打順は、コンピュータ本体26に接続されるオフラインティーチシステム30に受け渡されることができる。このオフラインティーチシステム30によれば、各溶接ロボット14ごとに、受け取った配分結果と打順とに基づきスポット溶接ガン19の移動経路が決定されることができる。
【0038】
こうした移動経路の決定にあたっては、作業者の手で、溶接ロボット14に装着されたスポット溶接ガン19が実際に動かされる。作業者は、受け取った打順に従ってスポット溶接打点23を次々に連結するようにスポット溶接ガン19を移動させればよい。コントローラ31は、その移動に必要とされるアーム20の進退運動Ma、首振り運動Mbおよび回転運動Mcを特定し記憶する。
【0039】
こうした移動経路の覚え込ませすなわちオフラインティーチは、例えば生産ライン10に沿って実際に溶接ロボット14が配置された場合のように、溶接ロボット14と車体フレーム11との位置関係を確認しながら行われる。実際に生産ライン10が稼動すると、コントローラ31は、記憶したアーム20の進退運動Ma、首振り運動Mbおよび回転運動Mcに従って溶接ロボット14を作動させ、作業者が設定した移動経路に従ってスポット溶接ガン19を移動させる。
【0040】
こうしてオフラインティーチシステム30で移動経路が決定されると、決定された実際の移動経路に基づいて、個別具体的に、前述した前進時間Tfや後退時間Tb、短ピッチ移動時間Tp、姿勢変化時間Tcといったスポット溶接ガンの移動時間を正確に求めることができる。求められた移動時間は、後述するように、データベースにフィードバックされることができる。
【0041】
シミュレーション結果には、特定された打順に従ってスポット溶接打点23を次々に連結する仮想移動経路が含まれてもよい。こうした仮想移動経路を用いれば、作業者がコントローラ31にスポット溶接ガン19の動きを覚え込ませるに先立って、スポット溶接ガン19の動きを作業者の目に確認させることができる。作業者は、確認した移動経路を土台に、自らの経験則を加え、新たに最適な移動経路を設定することができる。その結果、オフラインティーチにおける作業者の負担は軽減される。
【0042】
次に、シミュレーションソフトウェアの実行に必要とされるデータベースの構造を詳述する。図6に示されるように、データベースは設備データ32、ワークデータ33およびオフラインティーチデータ34に大きく区分けされる。設備データ32には、増し打ちライン13に付帯する設備の三次元CADデータや、スポット溶接ガン19の形態ごとに固有の占有空間を示す占有空間データが含まれる。設備の三次元CADデータを用いれば、シミュレーションによって決定される増し打ちライン13に沿った溶接ロボット14の配置が特定されることができる。溶接ロボット14の配置は、例えば、溶接ロボット14が所属する作業ステーション13a〜13iの識別子と、各作業ステーション13a〜13iに仮想的に設定された三次元座標軸に基づく三次元座標値とによって特定されればよい。
【0043】
占有空間データは、作業時にスポット溶接ガン19が占有可能な最大占有空間を特定する。占有空間は、例えば図9に示すように、スポット溶接打点23を中心に描かれ、スポット溶接ガン19をすっぽりと囲む規定半径rの球面によって規定されればよい。こうした占有空間は、スポット溶接打点23の三次元座標と半径rの大きさとによって簡単に特定されることができる。その一方で、スポット溶接ガン19の形状を示す三次元形状データを用いてこうした占有空間を表現すれば、実際のスポット溶接ガン19の占有空間に則した精度の高い占有空間を特定することができる。
【0044】
その他、設備データ32には、前述した搬送時間Ttを示す搬送時間データや、タクト時間Tqをタクト時間データが含まれる。タクト時間データすなわち作業時間データによって1作業ステーション当たりの最大作業時間すなわち各溶接ロボット14の最大作業時間が特定される。作業時間データは、1日に処理される車体フレーム11の台数に応じて複数の最大作業時間値を含むことができる。例えば、1日の処理台数が倍増すればタクト時間Tqは半減するといった具合である。シミュレーションソフトウェアを実行するにあたっては、例えば入力装置27を用いて1最大作業時間値が指定されればよい。
【0045】
ワークデータ33には、ワークすなわち車体フレーム11上の全ての未処理打点の位置を示す打点データや、打点データで示される未処理打点ごとに、車体フレーム11の特性によって必然的に決定される打順を特定する打順データ、打点データで示される未処理打点ごとに使用可能なスポット溶接ガンを特定するガンデータが含まれる。
【0046】
打点データは、例えば図10および図11に示されるように、各スポット溶接打点23の位置を三次元座標(T,B,H)によって特定する。座標Tは、例えば基準点CCを基準に車体前後方向位置を規定する。座標Bは、基準点CCを基準に車体幅方向位置すなわち奥行き方向位置を規定する。座標Hは、基準点CCを基準に車体の高さ方向位置を規定する。こうした打点データは、例えばCAD/CAMシステム24に取り込まれる車体フレーム11の三次元設計データに基づいて算出されればよい。なお、図10および図11では、説明の便宜上、座標Bは無視されている。
【0047】
図5を併せて参照すると明らかなように、この打点データでは、大分類「A」〜「K」によって車体フレーム11の部位ごとに未処理打点群が大まかに分類される。各大分類「A」〜「K」は、同一のスポット溶接ガン19で連続的に処理可能な未処理打点群を示す中分類「A1」〜「K3」に細分化される。この細分化は、スポット溶接ガン19のアプローチ方向やガン開閉時の姿勢に基づいて行われればよい。小分類「A1−1」〜「K3−2」は、5打点を目安に未処理打点群をグループ化し、打点位置の明確化を図っている。打点データには、小分類「A1−1」〜「K3−2」ごとに、所属する未処理打点の打点数および中央位置の三次元座標値が示される。ただし、このように未処理打点がグループ化される必要は必ずしもなく、全ての未処理打点が個々に独立に取り扱われてもよい。
【0048】
また、車体フレーム11では、任意の構成部材に覆われてしまう打点23が存在する。こういった打点23は、車体フレーム11にそうした構成部材が取り付けられる以前に処理されなければならない。打順データは、例えば図10および図11に示されるように、そういった打点23の処理順番を特定する。図10および図11では、順番付けが必要となる打点に「1」「2」「3」といった順番が表示され、順番に関係なく処理可能な打点には「−1」が表示されている。
【0049】
打点データには、さらに、各未処理打点に必要とされる溶接時間Twを示す溶接時間データ(図示せず)が付加される。この溶接時間データは、スポット溶接ガン19の能力に応じて複数の溶接時間値を含むことができる。例えば、能力が高まれば溶接時間Twは短縮されることとなる。シミュレーションソフトウェアを実行するにあたっては、例えば入力装置27から1溶接時間値が指定されればよい。なお、溶接時間データは、1小分類「A1−1」〜「K3−2」ごとに、その小分類に所属する未処理打点に共通に溶接時間Twを特定してもよい。
【0050】
ガンデータは、例えば図12に示されるように、各中分類「A1」〜「K3」ごとに使用可能なスポット溶接ガンの種類SCA、SCB…を特定する。車体フレーム11上のスポット溶接打点23の位置や向き、スポット溶接される打点23の接合強度を始めとする様々な要因によって各スポット溶接打点23の処理に使用されるべきスポット溶接ガン19の種類は異なる。ただし、図12から明らかなように、1つの中分類「A1」〜「K3」に対して複数のスポット溶接ガン19が特定されていてもよい。
【0051】
オフラインティーチデータ34には、1溶接ロボット14と1スポット溶接ガン19との組み合わせごとに、スポット溶接ガン19の作動範囲Oaを示す作動範囲データや、スポット溶接ガン19のガン開閉時間Tgを示すガン開閉時間データのほか、スポット溶接ガン19の移動時間を示す移動時間データが含まれる。ここで、ガン開閉時間データは、溶接ロボット14やスポット溶接ガン19の能力に応じて複数のガン開閉時間値を含むことができる。例えば、能力が高まればガン開閉時間Tgは短縮されることとなる。シミュレーションソフトウェアの実行にあたっては、例えば入力装置27から1ガン開閉時間値が指定されればよい。
【0052】
作動範囲データは、例えば、アーム基点21に原点が設定された各溶接ロボット14固有の三次元座標軸に基づく三次元座標値によって作動範囲Oaを特定する。作動範囲Oaは、例えばアーム基点21を中心に描かれ、アーム20のリーチを半径とした球面によって規定されればよい。こうした作動範囲Oaは、アーム基点21の三次元座標とアーム20のリーチの大きさとによって簡単に特定されることができる。その一方で、溶接ロボット14の各関節作動域を考慮した三次元のキネマティクス解でこうした作動範囲Oaを表現すれば、実際のスポット溶接ガン19の作動範囲に則した厳密な作動範囲Oaを特定することができる。
【0053】
この作動範囲データでは、作動範囲Oaの大きさごとに、溶接ロボット14の種類が分類されることができる。例えば、前述のように球面によって作動範囲Oaが規定される場合には、リーチの長さによって作動範囲Oaの大きさは決定される。作動範囲データは、リーチの長さに応じて複数の作動範囲値を含むことができる。三次元のキネマティクス解を用いて作動範囲Oaが規定される場合には、アームの長さだけでなく、例えば関節作動域の広がりや関節の個数などによって作動範囲Oaの大きさは影響されることとなる。シミュレーションソフトウェアを実行するにあたっては、例えば入力装置27を用いてこういった作動範囲Oaの大きさが指定されればよい。
【0054】
移動時間データには、前進時間Tfを示す前進時間データや、後退時間Tbを示す後退時間データ、短ピッチ移動時間Tpを示す短ピッチ移動時間データ、姿勢変化時間Tcを示す姿勢変化時間データが含まれる。前進時間データや後退時間データは、全ての未処理打点に共通に前進時間Tfや後退時間Tbを特定することができる。短ピッチ移動時間データや姿勢変化時間データは、1対の未処理打点のあらゆる組み合わせに対して共通に短ピッチ移動時間Tpや姿勢変化時間Tcを特定することができる。こうした移動時間データを用いれば、レイアウトシミュレーション方法の計算処理は軽減される。
【0055】
その一方で、前進時間データや後退時間データは、各未処理打点ごとに個別に前進時間Tfや後退時間Tbを特定することができ、短ピッチ移動時間データや姿勢変化時間データは、1対の未処理打点のあらゆる組み合わせに対して個別に2点間移動時間すなわち短ピッチ移動時間Tpや姿勢変化時間Tcを特定することができる。こうした移動時間データは、例えば各溶接ロボット14ごとに、各関節の加減速に基づいて個別に推定されればよい。その他、短ピッチ移動時間データはスポット溶接打点23間の距離に比例して設定されてもよく、姿勢変化時間データは2つのスポット溶接打点23に対する距離およびアプローチ方向の角度偏差に比例して設定されてもよい。しかも、これらの移動時間データは、前述したようにオフラインティーチシステム30で求められた前進時間Tfや後退時間Tb、短ピッチ移動時間Tp、姿勢変化時間Tcで置き換えられることができる。こうした移動時間データを用いれば、シミュレーション結果の信頼性を高めることができる。
【0056】
この移動時間データでは、アーム20を駆動するサーボモータの能力ごとに、溶接ロボット14の種類が分類されることができる。サーボモータの能力が上がれば、前進時間Tfや後退時間Tb、短ピッチ移動時間Tp、姿勢変化時間Tcが短縮される。移動時間データは、サーボモータの能力に応じて、複数の前進時間値、後退時間値、短ピッチ移動時間値、姿勢変化時間値を含むことができる。シミュレーションソフトウェアを実行するにあたっては、例えば入力装置27を用いてこういった移動時間データの数値が指定されればよい。
【0057】
図13には、本発明に係るレイアウトシミュレーション方法のフローチャートが示される。以下、このフローチャートを参照しつつ、いかに図7および図8に示されるシミュレーション結果が導き出されるかを詳述する。
【0058】
まず、ステップS1で、CAD/CAMシステム24のコンピュータ本体26は各種可変データの指定をオペレータに促す。可変データには、前述された溶接時間Twやガン開閉時間Tg、前進時間Tf、後退時間Tb、短ピッチ移動時間Tp、姿勢変化時間Tcのほか、タクト時間Tqや作動範囲Oaの大きさといったものが含まれる。指定を促されたオペレータは、入力装置27を用いて可変データの数値を指定すればよい。続いて、ステップS2で、コンピュータ本体26は、設備データ32やワークデータ33、オフラインティーチデータ34を取得する。
【0059】
ステップS3では、コンピュータ本体26は最大変数データVAmaxの入力をオペレータに促す。入力を促されたオペレータは、入力装置27を用いて、例えば最大変数データVAmax=8を入力する。ステップS4で、コンピュータ本体26は変数データの最小許容台数値VA=2を取得する。この最小許容台数値VA=2は予め設定されればよい。ただし、最小許容台数値はVA=1に設定されてもよい。この最小許容台数値VA=2の取得によって、結果的に、「2」から「8」まで1刻みで7つの許容台数値が取得されることとなる。許容台数値VA=2が指定されると、ステップS5で、ワークデータ33に含まれる打点データに基づき車体フレーム11上の全ての未処理打点が呼び出される。
【0060】
ステップS6では、第1作業ステーション13aから順番に1作業ステーションが指定され、許容台数値VA=2を上限に、呼び出された未処理打点がその1作業ステーションに属する溶接ロボット14すなわちスポット溶接ガン19に割り振られる。未処理打点が割り振られた溶接ロボット14の台数は計数される。呼び出された全ての未処理打点がいずれかの溶接ロボット14に割り振られると、1作業ステーションが指定されるたびに計数されてきた作業ステーション数STが出力される。こうしたシミュレーション結果の算出工程の詳細は後述される。
【0061】
シミュレーション結果が算出されると、ステップS7で、新たに変数データで示される1許容台数値が指定される。例えば許容台数値VA=2に対するシミュレーション結果が出力された後であれば、許容台数値VA=3が指定される。
【0062】
ステップS8では、指定された許容台数値VAが最大変数データVA=8に達したか否かが判断される。許容台数値VA=8に達した時点で、ステップS6で算出された全てのシミュレーション結果が出力される(ステップS9)。ステップS7で1刻みで許容台数値VAが増加されていくことから、許容台数値VA=8に達した時点では、全ての許容台数値VAが一通り指定されることとなる。その結果、許容台数値VA=2〜8についてシミュレーション結果が得られることとなる。
【0063】
図14を参照しつつシミュレーション結果の算出工程を詳述する。いま、許容台数値VA=3が入力された場合を考える。コンピュータ本体26は、ステップT1で、作業ステーション数STの初期値=1を記憶する。ステップT2では、記憶された作業ステーション数STの値に応じて1作業ステーションが指定される。この指定によって、まず、第1作業ステーションが指定される。
【0064】
第1作業ステーションが指定されると、ステップT3で、溶接ロボット数RBの初期値=1が記憶される。ステップT4では、記憶された溶接ロボット数RBに応じてその作業ステーション内で1溶接ロボットが指定される。この指定によって、第1作業ステーション内の第1溶接ロボットが指定される。この時点で、例えば図15に示されるように、打点配置結果データ41の溶接ロボット指定欄42には、第1作業ステーションの第1溶接ロボットを示す「11」が登録される。
【0065】
第1溶接ロボットが指定されると、ステップT5で、その第1溶接ロボットに未処理打点が割り振られる。割り振り工程の詳細は後述される。割り振られた未処理打点は、図16に示されるように、小分類「A1−1」〜「K3−2」単位で打点配置結果データ41の打順欄44に登録される。登録される数値によって打順が特定される。カッコ内の数値は各小分類に含まれる打点数を示す。割り振られた未処理打点は、図13のステップS5で呼び出された未処理打点から消去される。
【0066】
ステップT6では、割り振られた未処理打点に対して占有領域が設定される。1スポット溶接ガン19が1打点23を処理する間、その1スポット溶接ガン19の占有領域に存在する他の打点23を他のスポット溶接ガン19が処理することはできない。他のスポット溶接ガン19がその占有領域に侵入すると、スポット溶接ガン19同士が衝突してしまうからである。この占有領域の設定によれば、同一の作業ステーション内で同居する他のスポット溶接ガン19が踏み込めない干渉領域が画定されることとなる。
【0067】
例えば溶接ロボット「11」に対して未処理打点の小分類「H3」「B1−1」〜「B1−3」「A6−1」〜「A8」が割り振られると、図17に示されるように、それらの未処理打点の占有領域45が設定される。こうした占有領域45は、設備データ32に含まれる占有空間データに基づいて規定されるスポット溶接ガン19の占有空間を車体フレーム11に投影させることによって画定されればよい。球面によって占有空間が表現されていれば、未処理打点の三次元座標値と規定半径rとによって簡単に占有空間を車体フレーム11に投影させることができる。その一方で、スポット溶接ガン19の形状を示す三次元形状データで占有空間が表現されていれば、占有領域を一層厳密に画定することができ、シミュレーション結果の信頼性を高めることができる。
【0068】
第1溶接ロボットに対する未処理打点の割り振りが登録されると、ステップT7で溶接ロボット数RBが計数される。ステップT8では、計数された溶接ロボット数RBが許容台数データで示される許容台数値VAと比較される。溶接ロボット数RBが許容台数値VA=3を超えないので、ステップT4に戻って、溶接ロボット数RBの値に基づいて新たに第2溶接ロボットが指定される。この指定によって、図18に示すように、第1作業ステーション内の第2溶接ロボットを示す「12」が打点配置結果データ41の溶接ロボット指定欄42に登録される。第2溶接ロボットが指定されると、ステップT4〜T7の処理が実施される。
【0069】
ステップT4〜T7の処理は、ステップT7で計数される溶接ロボット数RBが許容台数値VA=3を超えるまで繰り返される。溶接ロボット数RBが許容台数値VA=3を超えた時点で、第1作業ステーション内の3つの溶接ロボット「11」「12」「13」に対して未処理打点の割り振りが完了される。
【0070】
ステップT7で計数された溶接ロボット数RBが許容台数値VAを超えると、ステップT9で作業ステーション数STが計数される。続いて、ステップT10で、1作業ステーションに対して設定されていた占有領域45が解除される。この解除によって、新たな作業ステーションに対して占有領域45が白紙化される。その後、ステップT11で、図13のステップS5で呼び出された未処理打点が未だに消去されずに残存するか否かが判断される。未処理打点が残存していれば、ステップT2に戻って、作業ステーション数STの値に基づいて新たに1作業ステーションが指定される。この指定によって、第2作業ステーションが指定されることとなる。
【0071】
第2作業ステーションが指定されると、ステップT3、T4で、第2作業ステーション内の第1溶接ロボットを示す「21」が打点配置結果データ41の溶接ロボット指定欄42に登録される。この第2作業ステーションに対してステップT4〜T8の処理が繰り返される結果、第2作業ステーション内の3つの溶接ロボット「21」「22」「23」に対して割り振られた未処理打点が打点配置結果データ41に登録される。
【0072】
第2作業ステーションに対して未処理打点の登録が完了すると、再びステップT2に戻って新たに1作業ステーションが指定される。この指定によって第3作業ステーションが指定されることとなる。その結果、この第3作業ステーションに対してステップT3〜T10の処理が実施される。
【0073】
こうしてステップT2〜T11の処理が繰り返され、車体フレーム11上の全ての未処理打点が打点配置結果データ41に登録される。その結果、割り振られるべき未処理打点が存在しないことがステップT11で検出され、ステップT12で打点配置結果データ41が出力される。
【0074】
なお、第2作業ステーション以降では、ステップT8で溶接ロボット数RBが許容台数値VAを超えるまでに、干渉などの影響によって、未処理打点が残存するにも拘らず未処理打点が全く割り振られない溶接ロボット14が存在することがある。このように残存した未処理打点は次作業ステーションの溶接ロボットに持ち越される。この場合には、溶接ロボット指定欄42に記入された溶接ロボットの指定は消去されればよい。
【0075】
次に、図14のステップT5における打点配分の検討工程を詳述する。この工程では、例えば図19に示されるように、ステップP1で、図13のステップS2で取得された打順データに基づいて、各未処理打点の打順が検索される。検索の結果、最も若い打順「1」に相当する未処理打点が抽出される。こうしてステップP2以降で、打順の若い未処理打点が優先的に1溶接ロボット14に割り振られていくことになる。
【0076】
ステップP2では、1作業ステーション内で既に設定された占有領域45が検出される。検出された占有領域45以外の領域から、ステップP1で特定された打順の未処理打点群が呼び出される。特定された打順の全ての未処理打点が占有領域45に含まれる場合には、打順に関係のない打順「−1」の未処理打点が呼び出されることとなる。
【0077】
ステップP3では、呼び出された未処理打点群の中から、図14のステップT4で指定された1溶接ロボット14に対して最初に割り振られるべき第1未処理打点が抽出される。抽出された第1未処理打点に対して溶接ロボット14が位置決めされる。位置決めにあたっては、作業ステーションに停止する車体フレーム11の三次元座標空間に対して溶接ロボット14固有の三次元座標空間が取り込まれればよい。この抽出工程の詳細は後述される。
【0078】
第1未処理打点が抽出されると、ステップP4で、図13のステップS2で取得されたガンデータに基づいて、その第1未処理打点に適したデフォルトの1スポット溶接ガン19が指定される。指定されたスポット溶接ガン19を示す識別子「MCF」は、図20に示すように、打点配置結果データ41の使用ガン欄43に登録される。
【0079】
ステップP5で、指定されたスポット溶接ガン「MCF」で処理される未処理打点が抽出され、抽出された未処理打点が1溶接ロボット14に割り振られる。この打点配分の決定工程の詳細は後述される。
【0080】
図21に示すフローチャートを参照し、図19のステップP3における第1未処理打点の抽出工程を詳述する。この工程では、図19のステップP2で呼び出された未処理打点の中から、例えば、車体フレーム11に設定された任意の基準点CCから最も離れた未処理打点が抽出される。全ての未処理打点に対して基準点CCからの距離DBが算出され、算出された距離DBの一番大きな未処理打点が選択されるのである。基準点CCには、例えば図4に示されるように、三次元座標軸TBHに対して車体フレーム11の中心座標(0,0,0)が選択されればよい。
【0081】
まず、ステップQ1でパラメータDA=0が設定される。ステップQ2では、基準点CCの三次元座標(0,0,0)に対する1未処理打点(T,B,H)の距離DBが算出される。ステップQ3で、算出された距離DBがパラメータDAを超えていれば、ステップQ4で、算出された距離DBの値がパラメータDAに置き換えられる。パラメータDAが置き換えられると、ステップQ5で、その未処理打点PPの三次元座標(T,B,H)が記憶される。続いてステップQ6で次の未処理打点を探しにいく。
【0082】
ステップQ3で、算出された距離DBがパラメータDAを超えなければ、パラメータDAを置き換えずに次の未処理打点を探しにいく(ステップQ6)。その結果、常に基準点CCから最も離れた未処理打点PPの三次元座標(T,B,H)が記憶され続ける。全ての未処理打点に対する基準点CCからの距離が算出されると、ステップQ7で、記憶された未処理打点が三次元座標(T,B,H)で特定されることとなる。打点配置結果データ41の打順欄44では、例えば図20に示されるように、特定された第1未処理打点に対して打順「1」が登録される。
【0083】
次に図22に示すフローチャートを参照し、図19のステップP5における打点配分の決定工程を詳述する。この決定工程では、まず、ステップU1で、以下の処理で用いられるパラメータT1、T2、TOが初期化される。
【0084】
ステップU2では、1溶接ロボット14に最初に割り振られた第1未処理打点に対して、図13のステップS1で指定された作動範囲データ36の作動範囲値で示される作動範囲Oaが画定される。この画定にあたっては、作動範囲データで示される作動範囲Oaが車体フレーム11に対して投影される。作動範囲Oaは、例えば図23に示されるように、第1未処理打点「H2」「K3−2」を中心に作動範囲データで示される半径の球面を車体フレーム11に投影させることによって規定されてもよい。その他、図19のステップP3で車体フレーム11の三次元座標空間に取り込まれた溶接ロボット14の位置を用いれば、溶接ロボットのアーム基点21を中心に描かれる球面や、溶接ロボット14の三次元キネマティクス解に基づいて作動範囲Oaは規定されることができる。
【0085】
作動範囲Oaが画定されると、ステップU3で、図19のステップP2で呼び出された未処理打点の中から、その作動範囲Oaに含まれる未処理打点が特定される。その後、ステップU4以下で、特定された未処理打点の中から、指定された1スポット溶接ガン19で処理される未処理打点が抽出される。
【0086】
詳述すると、ステップU4で、ガンデータを用いて、指定されたスポット溶接ガン19で次に処理される次未処理打点が決定される。この次未処理打点には、第1未処理打点に最近の未処理打点が選択されればよい。決定された次未処理打点にはステップU5で打順が付与される。次未処理打点の打順「2」は打点配置結果データ41の打順欄44に登録される。
【0087】
打順「2」が登録されると、第1未処理打点から第2未処理打点までスポット溶接ガン19が移動する際に費やされる移動時間T1が取得される。未処理打点の組み合わせが特定されれば、前述したとおり、オフラインティーチデータ34によって移動時間T1は特定されることができる。ただし、この場合には、1対の未処理打点のあらゆる組み合わせに対して2点間の移動時間T1を予め登録しておかなければならない。ここでは、溶接ロボットの姿勢変化の有無を判断し、その判断に基づいて短ピッチ移動時間Tpや姿勢変化時間Tcの規定値を用いて簡略的に移動時間T1を導き出すこととする。
【0088】
まず、ステップU6で、第1および第2未処理打点47、48に対してスポット溶接ガン19のアプローチ方向を規定するベクトル50、51を設定する。ベクトル50、51は、打点データに含まれる未処理打点の三次元座標値と、この三次元座標値で示される三次元座標点に対して設定されるベクトル値とによって特定されればよい。すなわち、ベクトル値を示すデータを予め打点データに付属させておけばよいのである。こうしたベクトルは、CAD/CAMシステム24に取り込まれる車体フレーム11の三次元設計データや、溶接ロボット14のコントローラ31に記憶されるデータ等に基づいて特定されればよい。
【0089】
2つのベクトル50、51が比較されると、スポット溶接ガン19の姿勢変化の有無が判断される。例えば図24に示されるように、第1未処理打点47と第2未処理打点48との間でスポット溶接ガン19のアプローチ方向を規定するベクトル50、51同士が平行であれば、図25に示されるように、溶接ロボット14の姿勢変化を起因することなく、2つの未処理打点47、48間でスポット溶接ガン19は直線的に移動することができる。これに対し、例えば図26に示されるようにベクトル50、51同士が平行でなければ、図27に示されるように、第1未処理打点47を処理後に一旦車体フレーム11からスポット溶接ガン19を後退させ、第2未処理打点48に向けてスポット溶接ガン19を前進させる必要がある。したがって、1対のベクトル50、51を比較すれば溶接ロボット14の姿勢変化の有無を判断することができるのである。
【0090】
ステップU6で姿勢変化がないと判断されれば、ステップU7で短ピッチ移動時間Tpの規定値が取得される。その一方で、姿勢変化があると判断されれば、ステップU7で姿勢変化時間Tcの規定値が取得される。いずれの場合でも、取得された規定値は、2つの未処理打点47、48間で必要とされる短ピッチ移動時間データまたは姿勢変化時間データとしてオフラインティーチデータ34に登録される。こうしてシミュレーションを実行しながら該当する2未処理打点間の移動時間T1が特定されるのである。
【0091】
移動時間T1が取得されると、ステップU8で、第1未処理打点47から第2未処理打点48までの総移動時間T2が算出される。ここでは、前回までの総移動時間T2=0であるから、移動時間T1がそのまま総移動時間T2に置き換えられる。
【0092】
ステップU9では、算出された総移動時間T2に基づいて、第1未処理打点47から第2未処理打点48までの処理時間TOが算出される。この算出にあたっては、設備データ32からガン開閉時間データが取得され、ワークデータ33から溶接時間データが取得され、オフラインティーチデータ34から前進時間データや後退時間データが取得される。例えば溶接ロボット14の姿勢が変化しない場合、例えば図25に示すように、処理時間TOは、第1未処理打点47までの前進時間Tf、第1未処理打点47から第2未処理打点48までの短ピッチ移動時間Tp、第2未処理打点48からの後退時間Tb、第1および第2未処理打点47、48での溶接時間Twおよびガン開閉時間Tgなどによって特定される。溶接ロボット14の姿勢が変化する場合、例えば図27に示すように、処理時間TOには、図25の短ピッチ移動時間Tpに代えて、姿勢変化時間Tcが含まれることとなる。
【0093】
算出された処理時間TOは、ステップU10で、タクト時間データすなわち最大作業時間データで示される最大作業時間と比較される。処理時間TOが最大作業時間を超えていれば、ステップU11に進み、打点配分は完了する。第2未処理打点48の処理が最大作業時間内に終了しないと判断され、第2未処理打点48の割り振りは失敗に終わる。指定された溶接ロボット14には第1未処理打点のみが配分されることとなる。その一方で、処理時間TOが最大作業時間を超えていなければ、ステップU12で、第2未処理打点が前未処理打点として登録され、処理工程はステップU4に戻る。
【0094】
ステップU4では、再び次未処理打点が検出される。この次未処理打点には、既に割り振られた第2未処理打点48に最近の未処理打点が選択されればよい。検出されなければ、ステップU11に進み、打点配分は完了する。1溶接ロボット14に配分された未処理打点や打順は図14の後工程に引き渡される。こうして打順が特定されれば、打順に従って移動するスポット溶接ガン19の移動経路が設定されてもよい。例えば、2つのベクトル50、51を用いれば、第1未処理打点47に接近する際の移動経路や第2未処理打点48から離反する際の移動経路は特定されることができる。溶接ロボット14の姿勢変化がなければ、2つの打点同士47、48を直線的に連結することで移動経路は特定されることができ、姿勢変化があれば、2つのベクトル50、51の基点同士を連結することで移動経路は特定されることができる(図25および図27を参照のこと)。
【0095】
図28に示すように再び次未処理打点49が検出されると、ステップU5で次未処理打点49に打順「3」が付与される。付与された打順「3」は打点配置結果データ42の打順欄44に登録される。こうして打順「3」が登録されると、前述と同様に、第2および第3未処理打点48、49間でベクトル51、53が比較され(ステップU6)、比較結果に基づいて第2未処理打点48から第3未処理打点49までの移動時間T1が取得される。
【0096】
続いてステップU8では、取得された移動時間T1に基づいて総移動時間T2が算出される。ここでは、前回記憶された総移動時間T2に、今回算出された移動時間T1が加えられる。前回の総移動時間T2は、こうして移動時間T1が加えられた総移動時間T2によって置き換えられる。
【0097】
総移動時間T2が算出されると、ステップU9で、第1未処理打点47から第3未処理打点49までの処理時間TOが算出される。その結果、第1〜第3未処理打点47〜49で溶接ロボット14の姿勢が全く変化しない場合には、例えば図29に示すように、処理時間TOは、第1未処理打点47までの前進時間Tf、第1未処理打点47から第3未処理打点49までの2短ピッチ移動時間Tp、第3未処理打点49からの後退時間Tb、第1〜第3未処理打点47〜49での溶接時間Twおよびガン開閉時間Tgなどによって特定される。
【0098】
算出された処理時間TOは、ステップU10で再び最大作業時間と比較される。処理時間TOが最大作業時間を超えていれば、ステップU11に進み、打点配分は完了する。ここでは、第3未処理打点49の処理が最大作業時間内に終了しないと判断され、第3未処理打点49の割り振りは失敗に終わる。その結果、指定された1溶接ロボット14に、第1および第2未処理打点47、48が配分される。こうした配分結果と打順とは図14の後工程に引き渡される。
【0099】
処理時間TOが最大作業時間を超えていなければ、ステップU11で、第3未処理打点49が前未処理打点に置き換えられ、処理工程は再びステップU4に戻る。ステップU4以下の処理工程が再び実行される。こうして、ステップU10で処理時間TOが最大作業時間を超えるまで、あるいは、ステップU4で次未処理打点が検出されなくなるまで、ステップU4〜U12の処理工程が繰り返されていく。その結果、指定された1溶接ロボット14に対して未処理打点が配分されるのである。ステップU11では、指定された溶接ロボットごとに、未処理打点の配分と打順とが図14の後工程に引き渡されることとなる。
【0100】
【実施例】
前述した作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法を用いて、生産ライン10全体に対する作動範囲Oaの大きさの影響を解析してみた。図13のステップS1では、作動範囲データに含まれる作動範囲値が30cmから30cm刻みで180cmまで変更された。作動範囲値はアーム20のリーチ長さを示している。作動範囲値は、入力装置27から逐次指定されてもよく、コンピュータソフトウェアによって自動的に更新されてもよい。ただし、最大作業時間値すなわちタクト時間Tqは41秒に設定された。
【0101】
その結果、例えば図7(a)から明らかなように、許容台数値VAが「2」から「8」に増えるにつれて総作業ステーション数STが減少していくことがわかる。その一方で、総ロボット数RBはわずかながら増加していくことがわかる。したがって、1作業ステーション当たりに配置される溶接ロボット14の台数を増加させれば、溶接ロボット14の総台数をわずかに増加させるだけで、生産ライン10全体を著しく短縮することができることが明らかとなる。ただし、作動範囲Oa=60cm以上に拡大しても、作業ステーション数STの減少は望めなくなることがわかる。
【0102】
次に、生産ライン10全体に対する溶接ロボット14の能力すなわちロボット作業速度やスポット溶接ガン19の能力すなわちガン作業速度の影響を考察してみた。図13のステップS1では、例えば図30に示されるように、3つのレベルの能力(能力A、能力Bおよび能力C)ごとに、溶接時間値やガン開閉時間値といったガン作業速度値、短ピッチ移動時間値や姿勢変化時間値、前進後退時間値といったロボット作業速度値が設定された。ただし、これらの数値は、能力別に、全ての溶接ロボット14およびスポット溶接ガン19の組み合わせに対して共通に設定された。最大作業時間値すなわちタクト時間Tqは41秒に設定された。
【0103】
その結果、例えば図7に示されるように、能力別に3つのグラフが得られた。例えば図7(b)を観察してみると、能力Bの溶接ロボット14およびスポット溶接ガン19の組み合わせでは、作動範囲Oa=90cm以上に設定しても総作業ステーション数STの減少には寄与しないことがわかる。しかも、作動範囲Oa=120cm以上に設定すれば、許容台数値VA=4以上になっても総作業ステーション数STの減少には寄与しないことが明らかである。総ロボット台数RBは、許容台数値VAが上昇するに従って増加してしまうことから、許容台数値VA=4および作動範囲Oa=90cmに基づいてスポット溶接打点23を配分すれば、少ない総作業ステーション数STで、かつ、少ない総溶接ロボット数RBで増し打ちライン13を構築することができることがわかる。
【0104】
次に図7(c)を観察してみると、能力Cの溶接ロボット14およびスポット溶接ガン19の組合せでは、能力Bの場合と同様な傾向を示す一方で、許容台数値VA=3以上に設定しても総作業ステーション数STの削減には寄与することができないことがわかる。しかしながら、この能力Cの場合には、作動範囲Oa=120cmまでに著しく総ロボット数RBが減少していくことがわかる。したがって、この場合には、許容台数値VA=3および作動範囲Oa=120cmに基づいてスポット溶接打点23を配分してやれば、少ない総作業ステーション数STで、かつ、少ない総溶接ロボット数RBで増し打ちライン13を構築することができることがわかる。
【0105】
ここで、例えば図7(a)〜(c)に関して総溶接ロボット数RBを比較してみる。すると、作動範囲が広がるにつれて、能力Aから能力Cに移行すると総溶接ロボット数RBの削減効果が大きいことがわかる。作動範囲が狭い場合には、能力が高まっても総溶接ロボット数RBの削減に寄与しなくなっていく。したがって、作動範囲を十分に確保すれば、総溶接ロボット数RBを削減することができることがわかる。その一方で、能力Bでは、許容台数値VA=7程度を超えると、作動範囲の大きさに拘らず総溶接ロボット数RBの削減効果が小さくなる。能力Cでは、許容台数値VA=5程度を超えると、同様に作動範囲の大きさに拘らず総溶接ロボット数RBの削減効果が小さくなることがわかる。したがって、溶接ロボット14およびスポット溶接ガン19の能力が高まり、ロボット作業速度やガン作業速度が速まれば、1作業ステーション当たりの許容台数VAを低くしても総溶接ロボット数RBの増加を食い止めることができるのである。
【0106】
さらに、生産ライン10全体に対する最大作業時間すなわちタクト時間Tqの影響を考察してみた。図13のステップS1では、例えば図30に示されるように、1日に処理されるべき車体フレーム11の台数ごとに2つの最大作業時間値が指定された。ただし、溶接時間値やガン開閉時間値といったガン作業速度値、短ピッチ移動時間値や姿勢変化時間値、前進後退時間値といったロボット作業速度値は、前述の能力Bに基づいて指定された。
【0107】
その結果、例えば図8に示されるように、最大作業時間値別に2つのグラフが得られた。2つのグラフを観察してみると、作動範囲Oa=120cm以上では、最大作業時間を延長することによって総作業ステーション数STや総ロボット数RBを減少させることができることがわかる。ただし、1日の処理台数が半減され、最大作業時間すなわちタクト時間Tqが倍増されても、総溶接ロボット数RBを半減させることはできないことが明らかとなる。
【0108】
このように本発明によれば、溶接ロボット14やスポット溶接ガン19に関する様々な要因が生産ライン10全体に与える影響を定量的に解析することができる。その結果、様々な条件の下で最適な溶接ロボットのレイアウトを提供することができる。これまで作業者の直感に頼って構築されてきた溶接ロボットのレイアウトとの違いを認識することが可能となる。
【0109】
なお、本発明は、前述したいわゆる増し打ちラインを構築する際に用いられるだけでなく、同様に作業ロボットが配列されるその他の生産ラインを構築する際に用いられることができる。
【0110】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、1作業ステーションに配置される作業ロボットの許容台数を変えることによって未処理作業点の配分の仕方を変更させることができ、未処理作業点の配分の仕方に応じた総作業ステーション数といった情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の車体フレームを製造する生産ラインの一具体例を示す概略平面図である。
【図2】溶接ロボットの一具体例を示す斜視図である。
【図3】各スポット溶接ガンの形状を示す図である。
【図4】各溶接ロボットの作業に必要とされる作業時間を算出する方法を示す模式図である。
【図5】車体フレーム上の打点群の一具体例を示す図である。
【図6】本発明に係る作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法を実現するCAD/CAM(コンピュータ支援設計製造)システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図7】シミュレーション結果に基づいて作成されたグラフを示す図である。
【図8】シミュレーション結果に基づいて作成されたグラフを示す図である。
【図9】占有領域の特定方法を示す図である。
【図10】打点データの構造を示す図である。
【図11】打点データの構造を示す図である。
【図12】ガンデータの構造を示す図である。
【図13】本発明に係る作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法の処理工程を概略的に示すフローチャートである。
【図14】シミュレーション結果の算出工程を示すフローチャートである。
【図15】溶接ロボット指定欄に対する「11」の登録を示す図である。
【図16】打順欄に対する打順の登録を示す図である。
【図17】車体フレーム上に設定された占有領域を示す図である。
【図18】溶接ロボット指定欄に対する「12」の登録を示す図である。
【図19】打点配分の検討工程を示すフローチャートである。
【図20】第1未処理打点に対する1スポット溶接ガン「MCF」の登録を示す図である。
【図21】第1未処理打点の抽出工程を示すフローチャートである。
【図22】打点配分の決定工程を示すフローチャートである。
【図23】車体フレーム上に設定された作動範囲を示す図である。
【図24】溶接ロボットの姿勢が変化しない場合に第1および第2未処理打点に対してアプローチ方向を規定するベクトルを示す図である。
【図25】溶接ロボットの姿勢が変化しない場合に第1および第2未処理打点に対して想定される処理時間を示す図である。
【図26】溶接ロボットの姿勢が変化する場合に第1および第2未処理打点に対してアプローチ方向を規定するベクトルを示す図である。
【図27】溶接ロボットの姿勢が変化する場合に第1および第2未処理打点に対して想定される処理時間を示す図である。
【図28】第2および第3未処理打点に対してアプローチ方向を規定するベクトルを示す図である。
【図29】第1〜第3未処理打点に対して想定される処理時間を示す図である。
【図30】図7および図8に示すグラフを導く可変データの3つの具体例を示す図である。
【符号の説明】
10 生産ライン、11 ワークとしての車体フレーム、13a〜13i 作業ステーション、14 溶接ロボット、19 スポット溶接ガン、23 スポット溶接打点、32 作業時間データを含む設備データ、33 打点データ、打順データおよびガンデータを含むワークデータ、34 作動範囲データ、ロボット作業速度データ、ガン作業速度データを含むオフラインティーチデータ、Oa 作動範囲、RB 総溶接ロボット数、ST 総作業ステーション数、Tb 後退時間、Tc 姿勢変化時間、Tf 前進時間、Tp 短ピッチ移動時間、TO 処理時間。

Claims (32)

  1. ワーク上の全ての未処理打点の位置を示す打点データを取得する工程と、1作業ステーション当たりに許容される溶接ロボットの許容台数を特定する複数の許容台数値を示す変数データを取得する工程と、変数データで示される1許容台数値が指定されると、打点データに基づきワーク上の全ての未処理打点を呼び出す工程と、1作業ステーションが指定されるたびに、指定された許容台数値を上限に、その1作業ステーションで前記呼び出された未処理打点が割り振られる溶接ロボットの台数を計数する工程と、呼び出された全ての未処理打点がいずれかの溶接ロボットに割り振られるまで、前記1作業ステーションが指定されるたびに作業ステーション数を計数する工程と、全ての許容台数値が一通り指定されるまで、新たに変数データで示される1許容台数値を指定する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  2. 請求項1に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、1作業ステーションが指定されると、その作業ステーション内で1溶接ロボットを指定する工程と、1溶接ロボットが指定されると、前記打点データに基づき、その1溶接ロボットに前記未処理打点を割り振る工程と、1溶接ロボットに対して未処理打点が割り振られるたびに溶接ロボットの台数を計数する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるまで新たに1溶接ロボットを指定する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるたびに作業ステーション数を計数する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるたびに、前記呼び出された全ての未処理打点が割り振られるまで新たに1作業ステーションを指定する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  3. 請求項2に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、指定された1溶接ロボットに対して最初に割り振られる第1未処理打点を特定する工程と、特定された第1未処理打点に基づいて前記1溶接ロボットの配置を決定する工程とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  4. 請求項3に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記打点データで示される未処理打点ごとに使用可能なスポット溶接ガンを特定するガンデータを取得する工程と、このガンデータを用いて、前記第1未処理打点に対して1スポット溶接ガンを指定する工程と、前記ガンデータを用いて、指定された1スポット溶接ガンで処理される未処理打点を抽出する工程とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  5. 請求項3または4に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、各溶接ロボットに装着されるスポット溶接ガンの作動範囲を示す作動範囲データを取得する工程と、前記打点データに基づき、前記第1未処理打点を含む作動範囲を前記ワーク上で画定する工程と、画定された作動範囲に含まれる未処理打点を特定する工程とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  6. 請求項5に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記ワーク上では、前記第1未処理打点を中心に描かれる球面によって前記作動範囲が規定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  7. 請求項6に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記作動範囲データは、前記球面の半径を示す1以上の作動範囲値を含み、各作動範囲値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  8. 請求項5に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、決定された1溶接ロボットの配置に基づいて前記ワークに対する1溶接ロボットの位置関係を特定する工程と、1溶接ロボット固有の座標軸空間で特定される前記作動範囲を前記ワーク上に投影する工程とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  9. 請求項8に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記作動範囲データは、前記作動範囲の大きさを示す1以上の空間座標値を含み、各空間座標値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  10. 請求項2に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、指定された1溶接ロボットごとに、割り振られた1未処理打点に順番に打順を付与する工程と、打順が付与されるたびに、その打順で特定される1未処理打点まで1溶接ロボットに装着された1スポット溶接ガンが費やす処理時間を算出する工程と、算出された処理時間が作業時間データで示される1作業ステーション当たりの最大作業時間に達するか否かを判定する工程とをさらにコンピュータに実行させることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  11. 請求項10に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記作業時間データは、前記最大作業時間を示す1以上の作業時間値を含み、各作業時間値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  12. 請求項10または11に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記処理時間は、前記溶接ロボットの作業速度を示すロボット作業速度データと、溶接ロボットに装着されるスポット溶接ガンの作業速度を示すガン作業速度データとに基づいて算出されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  13. 請求項12に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記ガン作業速度データは、前記スポット溶接ガンの作業速度を示す1以上のガン作業速度値を含み、各ガン作業速度値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  14. 請求項12に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記ガン作業速度データは、前記スポット溶接ガンの溶接時間を示す1以上の溶接時間値を含み、各溶接時間値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  15. 請求項12に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記ガン作業速度データは、前記スポット溶接ガンのガン開閉時間を示す1以上のガン開閉時間値を含み、各ガン開閉時間値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  16. 請求項12〜15のいずれかに記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記ロボット作業速度データは、前記溶接ロボットの作業速度を示す1以上のロボット作業速度値を含み、各ロボット作業速度値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  17. 請求項12〜15のいずれかに記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記ロボット作業速度データは、1対の未処理打点間で費やされるスポット溶接ガンの2点間移動時間を示す移動時間データを含むことを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  18. 請求項17に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記2点間移動時間は、1対の未処理打点間でスポット溶接ガンが直線的に移動することができる際に費やされる短ピッチ移動時間によって特定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  19. 請求項18に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記移動時間データは、前記溶接ロボットの作業能力に応じて1以上の短ピッチ移動時間値を含み、各短ピッチ移動時間値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  20. 請求項17に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記2点間移動時間は、1対の未処理打点のうち一方の未処理打点を処理後に一旦ワークからスポット溶接ガンを後退させ、他方の未処理打点に向けてスポット溶接ガンを前進させる必要がある場合に費やされる姿勢変化時間によって特定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  21. 請求項20に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記移動時間データは、前記溶接ロボットの作業能力に応じて1以上の姿勢変化時間値を含み、各姿勢変化時間値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  22. 請求項12〜21のいずれかに記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記ロボット作業速度データは、最初に打順が付与された未処理打点に対してスポット溶接ガンを接近させる際に費やされる前進時間を示す前進時間データを含むことを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  23. 請求項22に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記前進時間データは、前記溶接ロボットの作業能力に応じて1以上の前進時間値を含み、各前進時間値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  24. 請求項12〜23のいずれかに記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記ロボット作業速度データは、最後に打順が付与された未処理打点からスポット溶接ガンを離反させる際に費やされる後退時間を示す後退時間データを含むことを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  25. 請求項24に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記後退時間データは、前記溶接ロボットの作業能力に応じて1以上の後退時間値を含み、各後退時間値ごとに前記許容台数値が指定されることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  26. ワーク上の全ての未処理作業点の位置を示す打点データを取得する工程と、1作業ステーション当たりに許容される作業ロボットの許容台数を特定する複数の許容台数値を示す変数データを取得する工程と、変数データで示される1許容台数値が指定されると、打点データに基づきワーク上の全ての未処理作業点を呼び出す工程と、1作業ステーションが指定されるたびに、指定された許容台数値を上限に、その1作業ステーションで前記呼び出された未処理作業点が割り振られる作業ロボットの台数を計数する工程と、呼び出された全ての未処理作業点がいずれかの作業ロボットに割り振られるまで、作業ステーションが指定されるたびに作業ステーション数を計数する工程と、全ての許容台数値が一通り指定されるまで、新たに変数データで示される1許容台数値を指定する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  27. 請求項26に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、1作業ステーションが指定されると、その作業ステーション内で1作業ロボットを指定する工程と、1作業ロボットが指定されると、前記作業点データに基づき、その1作業ロボットに前記未処理作業点を割り振る工程と、1作業ロボットに対して未処理作業点が割り振られるたびに作業ロボットの台数を計数する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるまで新たに1作業ロボットを指定する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるたびに作業ステーション数を計数する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるたびに、前記呼び出された全ての未処理作業点が割り振られるまで新たに1作業ステーションを指定する工程とをコンピュータに実行させることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  28. 請求項26または27に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記作業ツールは、少なくとも2部材を互いに接合する接合ツールであることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  29. 請求項28に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記接合には、少なくとも、溶接、ボルト打ちおよびリベット打ちのいずれか1つが含まれることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  30. 請求項29に記載の作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法において、前記溶接にはスポット溶接が含まれることを特徴とする作業ロボットのレイアウトシミュレーション方法。
  31. ワーク上の全ての未処理打点の位置を示す打点データを取得する工程と、1作業ステーション当たりに許容される溶接ロボットの許容台数を特定する複数の許容台数値を示す変数データを取得する工程と、変数データで示される1許容台数値が指定されると、打点データに基づきワーク上の全ての未処理打点を呼び出す工程と、1作業ステーションが指定されるたびに、指定された許容台数値を上限に、その1作業ステーションで前記呼び出された未処理打点が割り振られる溶接ロボットの台数を計数する工程と、呼び出された全ての未処理打点がいずれかの溶接ロボットに割り振られるまで、前記1作業ステーションが指定されるたびに作業ステーション数を計数する工程と、全ての許容台数値が一通り指定されるまで、新たに変数データで示される1許容台数値を指定する工程とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  32. 請求項31に記載の記録媒体において、1作業ステーションが指定されると、その作業ステーション内で1溶接ロボットを指定する工程と、1溶接ロボットが指定されると、前記打点データに基づき、その1溶接ロボットに前記未処理打点を割り振る工程と、1溶接ロボットに対して未処理打点が割り振られるたびに溶接ロボットの台数を計数する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるまで新たに1溶接ロボットを指定する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるたびに作業ステーション数を計数する工程と、計数された台数が前記指定された許容台数値を超えるたびに、前記呼び出された全ての未処理打点が割り振られるまで新たに1作業ステーションを指定する工程とをさらにコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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