JP3576258B2 - スピーカシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はスピーカシステム、詳しくは重量のあるウーファの如きスピーカの支持固定にかかり、全体としての重量を軽量にして音質の良好なスピーカシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウーファの磁気回路の振動を防止しつつそれを支持固定する方法については種々の提案が行われている。
図3はその一例を示すもので、ウーファ16の磁気回路12の後部にパイプまたは棒状の補強材13を設けて裏板14に支持固定する構造が用いられている。また、図4に示すように、ウーファ16の磁気回路12を置台兼固定台15によって固定する構造もある。上記のこれらの構造によれば、支持部材そのものの重さも加わり、全体としてスピーカシステムの重量の増加を避けることはできず、また、強度も十分でないため、かえって特定の共振が強調されて十分な効果が出ていない欠点を伴っている。
また、重量の増加を防止するため、スピーカキャビネットをハニカム材を用いて構成したものとして、例えば実公昭60−17993号公報が提案されているが、この構造においては、スピーカキャビネットの軽量化を図ることができるが、ウーファの磁気回路の振動防止については何も解決されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の欠点を解決するために提案されたもので、その目的は、ウーファの如きスピーカを軽量なハニカム積層板等で強固に支持固定し、軽量で、また音質の良好なスピーカシステムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、前面バッフルとウーファ2との間にバスレスポート8用の隙間を形成し、かつこの隙間の少なくとも2ケ所以上に弾性体9を設けるとともに、前記ウーファ2の磁気回路とハニカム構造体からなるリヤバッフル5との間にハニカム積層板6を設け、かつリヤバッフル5側から前記ハニカム積層板6、磁気回路側へスピーカ固定ネジ7を螺設して、前記ウーファ2を固定した構成としている。
上記、バスレフポート8は、ウーファ2の前面外周部の背面から後方に向かって延び、かつ後端が外側に向かってL字状に折曲されたフランジ状のL字曲げ部2aと、これと離間対向して前面バッフルの開口部外周側に後方に向かって設けられたリング部材11とによって形成されている。
または、バスレフポート8は、前面バッフルの開口部の背面から後方に向かって延び、かつ後端がウーファ2側に向かってL字状に折曲されたフランジ状のL字曲げ部と、これと離間対向してウーファ2の前面外周部の背面側に後方に向かって設けられたリング部材とによって形成されている。
または、バスレフポート8は、前面バッフルの開口部の外周の縁の背面部分やウーファ2の前面外周部の一部をフランジ状に形成し、背面側に延びる直線部8aと外周側に延びる垂直部8bとのL字状の隙間からなっている。
【0005】
【作用】
本発明ではウーファ2の磁気回路とリヤバッフル5との間に、軽量であって強固なアルミ製のハニカム構造体を複数枚サンドイッチ状に積層してなるハニカム積層板6を用い、ウーファ2を固定するようにしている。
また、リヤバッフル5も軽量であって十分な強度を有するハニカム構造体としているため、重量の増加を少なくしている。
そして、リヤバッフル5の外側からハニカム積層板6を貫通し、磁気回路のヨーク4側へスピーカ固定ネジ7を螺設し、ウーファ2を強固に固定するようにしている。したがって、ウーファ2の取付作業が楽であり、かつウーファ2を強固に固定しているため、特定の共振が強調されることがない。
また、ウーファの全周と前面バッフルとの間にバスレフポート8として隙間を設け、この隙間の少なくとも2ケ所以上に設けた弾性体で両者を半固定することにより、バッフルの共振を低下させ、全体として良好な音質を得ることができる。
さらに振動板周辺にリング状のバスレフポート8を配置することで、振動板から放射される音波との合成がなめらかとなるため、従来の丸孔式ポートのように1ケ所の孔から出ている不自然な強調された低音感が改善されることも特徴である。
このバスレフポート8としては、後端にL字曲げ部を有するリング状の部材や、リング部材とによって形成し、ポートの有効長を長くして所望の特性を得るようにし、かつL字曲げ部によりスピーカ背面からの中高音域の音洩れを防止するようにしている。
あるいは、図2に示すように、構成を簡素化してコスト高を招くことがないようにしいている。
【0006】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明する。
図1は本発明のスピーカシステムの構成を示すもので、図において、1は箱形のスピーカキャビネット、2はウーファ、3は同ウーファの磁気回路を構成するマグネット、4はヨーク、5はリヤバッフルで、軽量で強固なアルミ製のハニカム構造体にて形成されている。6はアルミハニカム構造体をサンドイッチ状に積層してなるハニカム積層板で、ヨーク4とリアバッフル5との間に設け、例えば2本のスピーカ固定ネジ7によって締め付け固定するものである。
【0007】
このスピーカ固定ネジ7は、リヤバッフル5の外側からハニカム積層板6を貫通してウーファ2の磁気回路のヨーク4に形成したネジ穴に螺設されるものである。
【0008】
スピーカシステムの組立てにあたっては、キャビネット1の前面バッフルにツイータ10を取付ける。また、リヤバッフル5にハニカム積層板6を介してウーファ2を取付け、これをキャビネット1内に収納させるなどすれば良い。このように、本発明ではウーファ2の組込み性にも優れている。
【0009】
8は低音を増強する機能を有するバスレフポートで、ウーファ2の前部とキャビネット1の前面バッフルとの間にリング状に隙間を設けて形成され、この隙間の少なくとも2カ所以上に弾性体9を充填し、両者を半固定して補強し、かつ前面バッフルの共振を低下させるようにしている。
【0010】
なお、この例においてバスレフポート8は、図1に示すように、前面外周部の背面から後方に向かって延び、かつ後端が外側に向かってL字状に折曲されたフランジ状のL字曲げ部2aと、これと離間対向して前面バッフルの開口部の外周部に設けたリング部材11とによって形成されている。また、これとは逆に、外側のリング部材11を長くし、かつ後端を内側に直角に屈曲してL字曲げ部を形成し、ウーファ2の前面外周部の背面側から後方に向かって延びる部材の形状をリング状の単純形状としても良い。このように構成し、L字曲げ部2aを長くとることで、バスレフポート8の有効長を長く出来るので、バスレフポート8の共振周波数のコントロール巾が広くなり、優れた低音性能を得ることができる。また、スピーカ背面からの中高音域の音洩れを軽減できる。
【0011】
また、弾性体9はL字曲げ部2aとリング部材11の後端の隙間部分に少なくとも2以上設けられている。設ける位置は上下1ケ所もしくは左右1ケ所または適間隔で3ケ所以上等である。この弾性体9の材質としては、ポリノルボルネン(商品名ノーソレックス)を用いると、ゴム強度30〜70ポイントでtanδが大きいため、少量でも振動吸収効果が高く、ゴム復元力も高いので、長期にわたって安定した特性が得られ好ましい。勿論、他の代替品であってもよい。
【0012】
図2はバスレフポート8の他の例である。この例では、前面バッフルの開口部の外周の縁の背面部分やウーファ2の前面外周部の一部をフランジ状に形成し、背面側に延びる直線部8aと外周側に延びる垂直部8bとによりL字状の隙間からなるバスレフポート8を形成し、垂直部8bの少なくとも2ケ所以上に弾性体9を設けている。この場合、リング部材11が不要となり、その分のコスト高を防止できる。
【0013】
叙上のように本発明においては、ウーファ2を固定するために、いわゆるハニカム構造体の板を重ね合わせてなるハニカム積層板6を介し、これをスピーカ固定ネジ7によってリヤバッフル5側から固定してあるため、従来の支持固定方法に比べて支持固定部分の重量を軽減し、かつ十分な強度を得ることができる。
【0014】
表1にハニカム構造体と他の材料との強度比較を示す。
Figure 0003576258
なお、上記ハニカム構造体の板は
ハニカム材 : A5052P,30Pセルサイズ6.35mm
スキン材 : A5052P 0.8mm
の組合せで構成し、この単位巾当りの曲げ剛性は2.66×10Kgcm/cmで一定である。
【0015】
以上のように、本発明においては、重量を大巾に増加させることなく、強固な支持固定ができ、図3および図4に示した構成のものと比較して非常に有利である。本発明のスピーカシステムはハイファイ用、PA用等に広く利用することが可能である。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、ウーファ2を軽量であって十分な強度を有するハニカム積層板6を介し、同じくハニカム構造体からなるリヤバッフル5にスピーカ固定ネジ7を用いて堅固に固定したため、重量増大を招くことなく、かつ特定の共振が極めて少ない、という効果がある。
また、これと相俟って前面バッフルとウーファ2の前部との間にリング状のバスレフポート8を形成し、そこに弾性体9を介在させてあるため、前面バッフルの共振を低下させてあるので、音質の劣化を防止し得、かつバスレフポート8はL字曲げ部を有するほぼリング状の部材からなり、このL字曲げ部によりバスレフポートの有効長を長くでき、所望の低音性能を得ることができる。加えて、L字曲げ部によってスピーカ背面よりの中高音域の音洩れを防止できる効果がある。
また、バスレフポートは、バッフルの開口部の外周の縁の背面部分やウーファ2の前面外周部の一部を直接フランジ状に形成し、背面側に延びる直線部8aと外周側に延びる垂直部8bとのL字状の隙間にて形成すると、リング部材が不要となり、その分コスト高を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカシステムの断面図である。
【図2】バスレフポートの他の実施例を示す。
【図3】従来例を示す
【図4】従来例を示す。
【符号の説明】
1 スピーカキャビネット
2 ウーファ
3 マグネット
4 ヨーク
5 リヤバッフル
6 ハニカム積層板
7 スピーカ用固定ネジ
8 バスレフポート
9 弾性体
10 ツイータ
11 リング部材

Claims (4)

  1. 前面バッフルとウーファ2との間にバスレフポート8用の隙間を形成し、かつこの隙間の少なくとも2ケ所以上に弾性体9を設けるとともに、前記ウーファ2の磁気回路とハニカム構造体からなるリヤバッフル5との間にハニカム積層板6を設け、かつリヤバッフル5側から前記ハニカム積層板6、磁気回路側へスピーカ固定ネジ7を螺設して、前記ウーファ2を固定したことを特徴とするスピーカシステム。
  2. バスレフポート8は、ウーファ2の前面外周部の背面から後方に向かって延び、かつ後端が外側に向かってL字状に折曲されたフランジ状のL字曲げ部2aと、これと離間対向して前面バッフルの開口部外周側に後方に向かって設けられたリング部材11とによって形成された請求項1記載のスピーカシステム。
  3. バスレフポート8は、前面バッフルの開口部の背面から後方に向かって延び、かつ後端がウーファ2側に向かってL字状に折曲されたフランジ状のL字曲げ部と、これと離間対向してウーファ2の前面外周部の背面側に後方に向かって設けられたリング部材とによって形成された請求項1記載のスピーカシステム。
  4. バスレフポート8は、前面バッフルの開口部の外周の縁の背面部分やウーファ2の前面外周部の一部をフランジ状に形成し、背面側に延びる直線部8aと外周側に延びる垂直部8bとのL字状の隙間からなる請求項1記載のスピーカシステム。
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