JP3576067B2 - 磁気記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録再生装置等に用いられる磁気記録ヘッドの製造方法に関し、より詳細には、隣接トラックへの書き込みを抑制しつつ高密度化が可能な微細な磁気記録ヘッドの先端部を完全に自己整合的に形成することができる磁気記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録媒体に記録される情報の高密度化が進み、HDD(hard disc drive)では5〜7Gbit/inchという高記録密度のシステムが実用化されており、さらなる高密度化が要求されている。そのための方策の一つとしては、磁気記録ヘッドにおいて記録トラック幅が1μm以下となるような「狭トラック」を形成することが大きなポイントとなる。
【0003】
記録再生一体型薄膜磁気ヘッドにおいても狭トラック化を達成するために様々な構造の提案がなされている。
【0004】
例えば、特開平10−214407号公報には図24に示すような構造の記録再生一体型薄膜磁気ヘッドが記載されている。
【0005】
図24は、記録再生一体型薄膜磁気ヘッドの構成を媒体対向面(medium facing surface)から見た断面図である。基板(図示せず)上に、軟磁性(soft magnetic)材料からなる下側磁気シールド1が形成され、下側磁気シールド1上には非磁性絶縁材料からなる下側再生磁気ギャップ2を介して磁気抵抗効果膜(magnetoresistance effect film:MR膜)3が形成されている。MR膜3の両端には、一対のリード4が接続形成されている。これらによって、MR素子部5が構成されている。MR素子部5上には、非磁性(non−magnetic)絶縁性材料からなる上側再生ギャップ6が形成されている。さらにその上には下側磁気シールド層1と同様な材料からなる上側磁気シールド層7が形成されている。これらによって再生ヘッドとして機能するシールド型MRヘッド8が構成されている。
【0006】
シールド型MRヘッド8からなる再生ヘッドの上には、誘導(inductive)型薄膜磁気ヘッド9からなる記録ヘッドが形成されている。これらによって録再一体型磁気ヘッド10が構成されている。
【0007】
誘導型薄膜磁気ヘッド9の下部磁極は、シールド型MRヘッド8の上側磁気シールド層7を構成する軟磁性層からなる。すなわち、上側磁気シールド層7は、記録ヘッドの下部磁極を兼ねている。上側磁気シールド層を兼ねる下部磁極(以下、下部磁極とする)7上には、非磁性材料からなる記録磁気ギャップ12が形成されている。下部磁極7は、磁極(magnetic pole)先端部(ギャップ対向部)11としての凸部を有している。この凸部状の下部先端部11は、記録磁気ギャップ12と接する上面の幅が記録トラック幅Twに相当する幅とされている。記録磁気ギャップ12は、凸状の下部磁極先端部11を有する下部磁極7の形状に沿って形成されている。記録磁気ギャップ12を含む凸状の下部磁極先端部(凸部)11をトラック幅方向から挟むように、非磁性材料層13が形成されている。非磁性材料層13は、凸部11に対して位置整合された凹部14を有している。凹部14内には、上部磁極15の上部磁極先端部16を構成する磁性材料が埋め込み形成されている。上部磁極先端部16は、記録磁気ギャップ12に向けて凸状とされている。凹部14内に埋め込み形成された磁極先端部16を含む上部磁極15の後方側(図24の紙面に向かって奥の方向)には、非磁性材料13上に絶縁層内に埋め込まれたコイル(図示せず)が形成されている。上述した各構成要素によって録再一体型磁気ヘッド10が構成されている。
【0008】
このような構成の磁気ヘッドにおいては、記録磁気ギャップ12を介して対向している、下部磁極の先端部11と上部磁極の先端部16の幅が同一となる。このため、上部磁極の幅と下部磁極の幅とが異なる磁気ヘッドにおいて狭トラック化を達成する場合に問題となる、記録トラックのサイドからの漏洩磁界による記録ビット線のエッジでの曲がりや再生ライティングの問題が生じない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図24に表したように磁気ヘッドにおいては、下部磁極先端部11に対して上部磁極先端部16を正確に対向配置して形成する必要がある。両者の位置がずれると、漏洩磁界による隣接トラックへのサイドライティングなどの問題が生ずる。
【0010】
しかしながら、従来は、下部磁極先端部11に対して上部磁極先端部16を正確にアライメントして形成する方法が存在せず、フォトリソグラフィ工程におけるマスク合わせ精度に応じた「ずれ」が生ずるという問題があった。
【0011】
さらに、従来技術に関しては、以下に列挙する問題もあった。
【0012】
すなわち、図24に例示したような記録再生一体型磁気ヘッドにおいては、下部磁極7の上部をあらかじめ凸部形状に加工しこの凸部上に凹部を形成した非磁性材料層13を形成し、その凹部に磁性材料を埋め込みこれを上部磁極15としている。
【0013】
ここで、上部磁極15を凹部内に埋め込み形成する方法としては、メッキや、コリメーションスパッタ等の方法が考えられるが、プロセスコストが安く、実績がある方法としては、メッキ法が飛び抜けている。しかしながら、メッキ法によって上部磁極15を隙間無く埋め込み形成するためには、凹部内にメッキ電極膜として使用する導電性の層を予め設けることが必要となる。
【0014】
このために、記録磁気ギャップ12を導電性材料により形成し、1つの凹部に下部磁極先端部11、記録磁気ギャップ12及び上部磁極先端部16をメッキ法で埋め込み形成する方法も考えられる。しかしながら、記録磁気ギャップ12として導電性膜を用いると過電流損失が生じ、磁気ヘッドの磁気特性が低下するという問題が生ずる。
【0015】
また、一方、図24のように上部磁極先端部16の幅が上部磁極15の上部(補助磁極部15B)の幅より狭くなっている場合、狭トラック化した時に発生させることができる磁界強度を強めることができるが、補助磁極部15Bの磁気ギャップ面側の角部Eから漏洩する磁界強度が大きくなりやすく、記録媒体への信号書き込み時に隣接トラックヘの書き込み、あるいは隣接トラック上の情報を消去するといった問題点があった。
【0016】
一方、図24に示す上部磁極15を形成する際、先に主に上部磁極先端部16となる層を形成し、その後主に補助磁極部15Bとなる残部層の形成を行うことが、USP5283942等に記載されている。先に形成した層と残部層とが接続された界面(例えば、図24に波線Aとして例示したような位置に形成される)は、上部磁極先端部16の内部か、または、上部磁極先端部16と補助磁極部15Bの境界にあたる部分にくることとなる。
【0017】
しかしながら、先に形成した層と残部層との接続界面には、先に形成した層の表面において酸化などにより形成される劣化層や、残部層を形成するために必要とされる下地層となどの非磁性物質の層がわずかな厚みながら存在することが多い。したがって、磁束がより多く集中する位置である上部磁極先端部16と補助磁極部15Bとの境界面に、先に形成した層と残部層とを接続した界面が存在すると、この部分が擬似的な磁気ギャップとなり、磁束のもれによって記録特性の劣化を引き起こすといった問題が生ずる。
【0018】
本発明は、かかる課題の認識のもとになされたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、下部磁極と上部磁極とを自己整合的に形成しつつ、狭トラック化に対応して上部磁極先端部の幅を狭くした場合、上部磁極の上部(補助磁極部)の磁気ギャップ面側の角部分から漏洩する磁界強度を低減し、記録媒体への信号書き込み時に隣接トラックヘの書き込み、あるいは隣接トラック上の情報を消去するといった問題点を解決することのできる磁気記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0019】
また、本発明の第2の目的は、磁極の形成を2度以上に分けて実施した場合、各層の接続境界にできる擬似的な磁気キャップからの漏れ磁界を低減することができ、記録特性に優れた磁気記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、凸部を有する下部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と対向する凸部を有する上部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と前記上部磁極の前記凸部との間に設けられた磁気ギャップと、を有する磁気記録ヘッドを製造する方法であって、前記下部磁極の前記凸部の上に前記磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成工程と、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する非磁性材料層を前記下部磁極の上に形成する非磁性材料層形成工程と、開口を有するマスク層であって、前記開口において前記非磁性材料層の前記凸部の上面が露出した、マスク層を前記非磁性材料層の上に形成するマスク層形成工程と、前記マスク層の前記開口を介して前記非磁性材料層を等方的にエッチングすることにより前記非磁性材料層に湾曲状の凹部を形成する湾曲凹部形成工程と、前記マスク層の前記開口を介して前記非磁性材料層を異方的にエッチングすることにより前記湾曲状の前記凹部のボトムに略テーパ状の凹部を形成するテーパ凹部形成工程と、前記略テーパ状の凹部と前記湾曲状の凹部に磁性材料を充填することにより前記上部磁極を形成する上部磁極形成工程と、を備えたことを特徴とする磁気記録ヘッドの製造方法が提供される。
【0021】
ここで、前記マスク層形成工程は、前記マスク層を構成する材料を前記非磁性材料層の上に厚く堆積した後にその表面を平坦化する工程を含むものとすることができる。
【0022】
また、本発明の第2の磁気記録ヘッドの製造方法として、前記非磁性材料層形成工程は、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する第1の非磁性材料層を前記下部磁極の上に形成する工程と、前記第1の非磁性材料層の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する中間層を前記第1の非磁性材料層の上に形成する工程と、前記中間層の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する第2の非磁性材料層を前記中間層の上に形成する工程と、を含み、前記湾曲凹部形成工程は、前記マスク層の前記開口を介して前記第2の非磁性材料層を前記中間層に達するまで等方的にエッチングすることにより湾曲状の凹部を形成する工程を含み、前記テーパ凹部形成工程は、前記マスク層の前記開口を介して前記中間層と前記第1の非磁性材料層とを異方的にエッチングすることにより前記湾曲状の前記凹部のボトムに略テーパ状の凹部を形成する工程を含むものとすることもできる。
【0023】
この場合に、前記中間層は、前記湾曲凹部形成工程における前記エッチングに対するエッチング速度が前記第2の非磁性材料層のエッチング速度よりも低く、前記湾曲凹部形成工程における前記エッチングの際にエッチングストッパとして作用するものとしても良い。
【0024】
または、前記中間層は、前記第1の非磁性材料層及び前記第2の非磁性材料層と異なる組成を有する材料からなり、前記湾曲凹部形成工程における前記エッチングの際にエッチングの終点を検出するエッチングモニタとして作用するものとしても良い。
【0025】
または、本発明の第3の磁気記録ヘッドの製造方法として、前記非磁性材料層形成工程は、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する第1の非磁性材料層を前記下部磁極の上に形成する工程と、前記第1の非磁性材料層の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する第2の非磁性材料層を前記第1の非磁性材料層の上に形成する工程と、を含み、前記湾曲凹部形成工程は、前記マスク層の前記開口を介して前記第2の非磁性材料層を等方的にエッチングすることにより前記湾曲状の凹部を形成する工程を含み、前記テーパ凹部形成工程は、前記マスク層の前記開口を介して前記第1の非磁性材料層を異方的にエッチングすることにより前記湾曲状の前記凹部のボトムに略テーパ状の凹部を形成する工程を含むものとしても良い。
【0026】
ここで、前記湾曲凹部形成工程における前記エッチングに対する前記第2の非磁性材料層のエッチング速度は、前記第1の非磁性材料層のエッチング速度よりも大きいものとしても良い。
【0027】
また、前記テーパ凹部形成工程における前記エッチングに対する前記第1の非磁性材料層のエッチング速度は、前記第2の非磁性材料層のエッチング速度よりも大きいものとしても良い。
【0028】
一方、本発明の第4の磁気記録ヘッドの製造方法は、凸部を有する下部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と対向する凸部を有する上部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と前記上部磁極の前記凸部との間に設けられた磁気ギャップと、を有する磁気記録ヘッドを製造する方法であって、前記下部磁極の前記凸部の上に前記磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成工程と、前記下部磁極の上に第1の非磁性材料層が積層された積層体であって、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した凹部を表面に有する積層体を形成する第2の工程と、前記積層体の前記凹部を前記第1の非磁性材料層とは異なる充填材料で充填する第3の工程と、前記第1の非磁性材料層の上に、第2の非磁性材料層を形成する第4の工程と、前記第2の非磁性材料層の上に、前記下部磁極の前記凸部と位置整合した開口を有するマスク層を形成する第5の工程と、前記マスク層の前記開口を介して前記充填材料が露出するまで前記第2の非磁性材料層を等方的にエッチングすることにより湾曲状の凹部を形成する湾曲凹部形成工程と、前記積層体の前記凹部から充填材料を除去する第7の工程と、前記積層体の前記凹部と前記第2の非磁性材料層の前記湾曲状の凹部に磁性材料を充填することにより前記上部磁極を形成する上部磁極形成工程と、を備えたことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の第5の磁気記録ヘッドの製造方法は、凸部を有する下部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と対向する凸部を有する上部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と前記上部磁極の前記凸部との間に設けられた磁気ギャップと、を有する磁気記録ヘッドを製造する方法であって、前記下部磁極の前記凸部の上に前記磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成工程と、前記下部磁極の上に第1の非磁性材料層が積層された積層体であって、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した凹部を表面に有する積層体を形成する第2の工程と、前記積層体の前記凹部に根本が埋め込まれ前記第1の非磁性材料層から上方に延伸した軸部と、前記第1の非磁性材料層から離れて設けられたオーバーハング部とを有するアンブレラ状のマスクを形成する第3の工程と、非磁性材料を堆積することにより、前記マスクの前記オーバーハング部の下に形成された湾曲状の凹部を有する第2の非磁性材料層を前記第1の非磁性材料層の上に形成する第4の工程と、前記マスクを除去する第5の工程と、前記積層体の前記凹部と前記湾曲状の凹部に磁性材料を充填することにより前記上部磁極を形成する上部磁極形成工程と、を備えたことを特徴とする。
【0030】
また、本発明の第6の磁気記録ヘッドの製造方法は、凸部を有する下部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と対向する凸部を有する上部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と前記上部磁極の前記凸部との間に設けられた磁気ギャップと、を有する磁気記録ヘッドを製造する方法であって、前記下部磁極の前記凸部の上に前記磁気ギャップを形成する第1の工程と、前記下部磁極の上に第1の非磁性材料層が積層された積層体であって、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した凹部を表面に有する積層体を形成する第2の工程と、前記積層体の上に充填材料を設ける第3の工程と、前記充填材料を自己収縮させることにより、前記積層体の前記凹部に埋め込まれた根本部と、根本部の上で周囲にオーバーハングした液滴部とを有する充填体を形成する第4の工程と、非磁性材料を堆積することにより、前記充填体の前記液滴部の下に形成された湾曲状の凹部を有する第2の非磁性材料層を前記第1の非磁性材料層の上に形成する第5の工程と、前記充填体を除去する第6の工程と、前記積層体の前記凹部と前記湾曲状の凹部に磁性材料を充填することにより前記上部磁極を形成する第7の工程と、を備えたことを特徴とする。
【0031】
以上列挙したいずれの製造方法においても、前記磁気ギャップ形成工程は、前記磁気ギャップの上に導電性のシード層を形成する工程を含み、前記上部磁極形成工程は、前記シード層を電極としたメッキ法により前記磁性材料を充填する工程を含むものとすることができる。
【0032】
また、前記上部磁極層形成工程は、前記磁性材料を充填する前に前記上部磁極の形状を規定するためのフレームを前記湾曲状の凹部に設ける工程、または、前記磁性材料を充填した後にその周囲をエッチングしてトリミングする工程、のいずれかを含むものとすることもできる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0034】
まず、本発明に係る磁気記録ヘッドの構造について、図1ならびに図2を用いて説明する。
【0035】
図1は、本発明の製造方法により得られる記録再生一体型磁気ヘッドの構成を媒体対向面から見た断面図である。
【0036】
また、図2は、図1に示す記録再生一体型磁気ヘッドの媒体対向面に対して直角方向の縦断面図である。ここで、本願明細書でいう「記録再生一体型磁気ヘッド」とは、例えば磁気抵抗効果素子部を有する再生ヘッドと、誘導型磁気ヘッドからなる記録ヘッドとを上下に一体的に配置形成した磁気ヘッドである。
【0037】
図1、図2において、1は図示を省略したAl・TiC基板などの上に形成された下側磁気シールド層である。下側磁気シールド層1は、例えばNiFe合金やFeAlSi合金などの結晶質軟磁性材料、CoZrNb合金などのアモルファス軟磁性材料からなる。
【0038】
下側磁気シールド層1上には、AlO(例えばAl)などの非磁性絶縁材料からなる下側再生磁気ギャップ2を介して、磁気抵抗効果膜(MR膜)3が形成されている。
【0039】
MR膜3としては、例えば電流の方向と磁性層の磁化モーメントのなす角度に依存して電気抵抗が変化するNi80Fe20等からなる異方性磁気抵抗効果(anisotropic magnetoresistance effect)膜、磁性膜と非磁性膜との積層構造を有し、各磁性層の磁化モーメントのなす角度に依存して電気抵抗が変化するいわゆるスピンバルブ効果を示すCo90Fe10/Cu/Co90Fe10積層膜などからなるスピンバルブ膜、あるいは巨大磁気抵抗効果(giant magnetoresisntce effect)を示す人工格子膜(artificial lattice film)を挙げることができる。
【0040】
MR膜3の両端には、Cu,Au,Ta/Au/Taなどからなるリード4が形成されている。これらによってMR素子部が構成されている。MR素子部には必要に応じてMR膜3にバイアス磁界を印加する硬磁性(hard magnetic)バイアス膜や反強磁性バイアス膜などを設けても良い。
【0041】
MR素子部の上には、AlO等の非磁性絶縁材料からなる上側再生磁気ギャップ6が形成されている。さらにその上には下側磁気シールド層1と同様な軟磁性材料からなる上側磁気シールド層7が形成されている。これらによって再生ヘッドとして機能するシールド型MRヘッド8が構成されている。
【0042】
シールド型MRヘッド8からなる再生ヘッド上には、誘導型薄膜磁気ヘッド9からなる記録ヘッドが形成されている。これらによって記録再生一体型磁気ヘッド10が構成されている。
【0043】
誘導型薄膜磁気ヘッド9の下部磁極はシールド型MRヘッド8の上側磁気シールド層7を構成する軟磁性層からなる。すなわち、上部磁気シールド層7は記録ヘッドの下部磁極を兼ねている。
【0044】
上側磁気シールド層を兼ねる下部磁極(以下、下部磁極と略記する)7上には、AlO,Si,SiNなどの非磁性材料からなる記録磁気ギャップ12が形成されている。
【0045】
下部磁極7は、磁極先端部(ギャップ対向部)11として凸部を有している。この凸状の下部磁極先端部11は記録磁気ギャップ12と接する上面の幅が記録トラック幅Twに相当する幅とされている。下部磁極先端部11は媒体対向面の幅が記録磁気ギャップ12に向かって収束している。すなわち、下部磁極先端部11は、記録磁気ギャップ12に向けて凸状とされており、この凸部は記録磁気ギャップ12に向かって収束するようなテーパを有している。
【0046】
記録磁気ギャップ12は、凸状の下部磁極先端部11を有する下部磁極7の形状に沿って形成されている。なお、記録磁気ギャップ12は、下部磁極先端部11上のみに形成することも可能である。記録磁気ギャップ12上には、この記録磁気ギャップ12を含む凸状の下部磁極先端部(凸部)11をトラック幅方向から挟むようにSiOなどの記録磁気ギャップとは異なる非磁性絶縁材料からなる非磁性材料層13が形成されている。
【0047】
非磁性材料層13は、凸部11に対して位置整合されたテーパ状の凹部13Tとその両側の湾曲状の凹部13Rとを有している。テーパ状凹部13Tの形状は、媒体対向面の幅が記録磁気ギャップ12に向かって収束している。凸状の下部磁極先端部11に対して位置整合された凹部13T内には、上部磁極15の磁極先端部(ギャップ対向部)15Tを構成する磁性材料が埋め込み形成されている。上部磁極15の構成材料としては、下側磁気シールド層1と同程度の磁気特性を有する磁性材料が用いられる。
【0048】
上部磁極15の先端のテーパ状凸部15Tの両側の裾部分は、基板Sの主面に対して平行ではなく、緩やかなスロープで徐々に基板から遠ざかるような湾曲面を有する。この湾曲面は、同図において下に凸の湾曲面である。そして、この湾曲面からなる凸部15Rの先端にテーパ状の凸部15Tが形成された2段凸部が形成されている。
【0049】
換言すると、媒体対向面上において、上部磁極15の先端のテーパ状凸部15Tの両側の部分は、凸部15Tから遠ざかるに従って磁気ギャップ12から徐々に離れるような湾曲状に形成されている。
【0050】
その結果として、上部磁極15は、図1に表されているように「ワイングラス」のような断面形状を有する。
【0051】
凹部13T内に埋め込み形成された上部磁極先端部15Tは、記録磁気ギャップ12に向けて凸状とされており、さらに凹部13Tの形状に応じて記録磁気ギャップ12に向かって収束するようなテーパを有している。すなわち、下部磁極先端部11と上部磁極先端部15Tとは、記録磁気ギャップ12を挟んで凸部同士を突き合わせ構造を有しており、かつ記録磁気ギャップ12に向けてそれぞれ収束している。さらに、凸部11と凹部13Tとは位置整合されているため、下部磁極先端部11と上部磁極先端部15Tとは、記録磁気ギャップ12を介してそれぞれの位置が重なるように、高精度に位置合せされた状態で形成されている。また、これら磁極先端部11,15Tの記録磁気ギャップ12と接する面の幅もほぼ同一とされている。
【0052】
さらに、上部磁極15の両側の裾部が湾曲状凸部15Rを有し、対向する下部磁極から徐々に離れるように形成されている。このような形状にすると、上部磁極15のうちでテーパ状凸部15T以外の部分から漏洩する磁界強度を顕著に低減することができ、記録媒体への信号書き込み時に隣接トラックヘの書き込み、あるいは隣接トラック上の情報を消去するといった問題点を解消することができる。
【0053】
なお、凹部13T内に埋め込み形成された磁極先端部15Tを含む上部磁極15の後方側には、図2に示すように非磁性材料層13上に、ポリイミドなどの絶縁層17内に埋め込まれたコイル18が形成されている。コイル18は例えばCu(銅)からなる。
【0054】
上述した各構成要素によって、録再一体型磁気ヘッド10が構成されている。
【0055】
以下、図1及び図2に表した磁気ヘッド10の製造方法として、本発明の第1の実施の形態乃至第7の実施の形態について説明する。
【0056】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態として、等方性エッチングと異方性エッチングとを組み合わせて図1に例示したような上部磁極15の2段凸部(湾曲凸部15Rとテーパ状凸部15T)を一括形成する方法について説明する。
【0057】
まず、基板Sの上に図1に例示したようなシールド型MRヘッド部8を作製する。このシールド型MRヘッド部8は、一般的なシールド型MRヘッドの製造工程に基づいて作製することができる。しかる後に、シールド型MRヘッドからなる再生ヘッド上に誘導型薄膜磁気ヘッドからなる記録ヘッドを作製する。この誘導型薄膜磁気ヘッドの製造工程を以下に図面を参照して説明する。
【0058】
図3及び図4は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、図3及び図4は、特に、上部磁極15を形成する工程を表すものであり、図中ではシールド型MRヘッド部8を一部省略した。
【0059】
まず、図3(a)に表したように、シールド型MRヘッド部において、凸型に形成した下部磁極先端部11を有する下部磁極(上側磁気シールド層)7上にスパッタ法等で記録磁気ギャップ12を形成する。尚、記録磁気ギャップ12は、下部磁極の凸部形成に先立ちギャップ材料層を下部磁極の表面に形成してもよい。この場合は、ギャップ12は凸部の頂き上にのみ、形成される。
【0060】
次に、図3(b)に表したように、例えばスパッタリング法やCVD法などにより下部磁極凸型11に位置整合させた凸状部13Pを有する非磁性材料層13を形成する。このとき非磁性材料層13の膜厚は、上部磁極に2段凸部を形成するために必要十分な膜厚とする。非磁性材料層13の材料としては、シリコン酸化物(SiO)、アルミ酸化物(Al)等の酸化物や、シリコン窒化物・アルミ窒化物等の窒素化物、あるいはそれらの複合化合物などを用いることができる。
【0061】
次に、図3(c)に表したように、非磁性材料層13の上に平坦化層Mを形成する。具体的には、例えばスピナー(spinner)等により低粘度のレジスト等を塗布することにより、その表面を平坦にすることができる。なお、以下のエッチング工程で前記平坦化層Mがなくなり、エッチングマスクとしての機能をしなくなる場合やマスク形状がエッチング中に変化する等が考えられる場合には、レジストを塗布する前に、図3(b)に表した非磁性材料層13上にこの非磁性材料層よりもエッチング耐性の優れる他の非磁性材料や磁性材料等の膜を形成しても良い。
【0062】
次に、図3(d)に表したように、平坦化層Mをエッチバックし、非磁性材料層13の凸状部13Pの表面を露出させ略同一平面とする。この際のエッチング方法としては、イオンミリング法やRIE、ICPスパッタエツチングなどのドライエツチング法などを用いることができる。このときの、露出させる凸状部13Pの幅(Wp)は、図4(a)と図4(b)に表した等方性エッチングと異方性エッチングの際の非磁性材料層と平坦化層Mのエッチング量によって決定することができる。
【0063】
また、このエッチバックに際して、非磁性材料層13のエッチング速度(E1)と平坦化層Mのエッチング速度(E2)により定義される選択比(E1/E2)は、0.7<(E1/E2)<1.3の範囲にあることが望ましく、0.9<(E1/E2)<1.1の範囲にあることがより望ましい。平坦化層Mと非磁性材料層13との選択比(E1/E2)が0.7>(E1/E2)、あるいは (E1/E2)>1.3の範囲にあると、いずれか一方のみが顕著にエッチングされてしまうからである。
【0064】
次に、図4(a)に表したように、平坦化層Mをマスクとして、露出している非磁性材料層13を等方的にエッチングし、湾曲した凹部13Rを形成する。等方的なエッチングとしては、例えばCDE(chemical dry etching)法やウエットエッチング法等を用いることができる。
【0065】
次に、図4(b)に表したように、平坦化層Mをマスクとして、湾曲した凹部13Rの底部を異方性エッチングにより掘ってテーパ状の凹部13Tを形成する。異方性エッチングとしては、例えばイオンミリングやRIE・ICP等の指向性のあるプラズマエッチング法などを用いることができる。この工程により、上部磁極を形成するために必要な湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tを併せ持つ2段凹部が形成される。この際、エッチングによって平坦層Mを凹部13Rの端部まで後退させる場合には、エッチングに続く平坦化層Mの除去工程は行わずともよい。これは全ての実施形態に共通である。
【0066】
次に、図4(c)に表したように、平坦化層Mを除去し、磁性材料を堆積することにより、2段凸部(テーパ状凸部15Tと湾曲凸部15R)を有する上部磁極15をシームレス(つなぎ目なし)且つセルフアライン的に形成することができる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態によれば、下部磁極の凸状先端部11の上にセルフアライン的に上部磁極15の2段凸部を形成することができる。その結果として、磁極先端部の「ずれ」による漏洩磁界を抑制し、隣接トラックへの望まれない書き込みやデータ消去などの問題を解消することができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、上部磁極15を一括して一体的に形成する。つまり、図24に例示したものと異なり、上部磁極15のうちの湾曲凸状部15Rとテーパ状凸状部15Tとその上の補助磁極部15Bとは、シームレス且つ一体に形成され、接続界面は存在しない。その結果として、上部磁極15の内部に擬似的な磁気ギャップが形成されることはなく、磁束の漏洩などの問題を解消することができる。
【0069】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態として、非磁性材料層13の中間にエッチングストッパあるいはエッチングモニタとして作用する中間層層を設けた構成について説明する。
【0070】
図5及び図6は、本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、これらの図面は、特に、上部磁極15を形成する工程を表すものであり、図中ではシールド型MRヘッド構造を一部省略した。
【0071】
まず、図5(a)に表したように、シールド型MRヘッドにおいて、凸型に形成した下部磁極先端部11を有する下部磁極(上側磁気シールド層)7上にスパッタ法等で記録磁気ギャップ12を形成する。
【0072】
次に、図5(b)に表したように、例えばスパッタリング法などにより下部磁極凸型11に位置整合させた凸状部13P1を有する第1の非磁性材料層13Aを形成する。非磁性材料層13の材料としては、シリコン酸化物(SiO)、アルミ酸化物(Al)等の酸化物や、シリコン窒化物・アルミ窒化物等の窒素化物、あるいはそれらの複合化合物などを用いることができる。また、第1の非磁性材料層13Aの膜厚は、この後形成する上部磁極15のテーパ状凸部15Tを形成するために必要な厚みとする。
【0073】
そして、非磁性材料層13Aの上に、中間層IMを形成する。この中間層IMは、後に詳述するように、非磁性材料層とは異なる材料により形成され、非磁性材料層を等方性エッチングする際にエッチングストッパあるいはエッチングストップモニタとして作用する。
【0074】
次に、図5(c)に表したように、下部磁極凸型11に位置整合させた凸状部13P2を有する第2の非磁性材料層13Bを形成する。このとき第2の非磁性材料層13Bの膜厚は、上部磁極の湾曲状凸部15Rを形成するために必要十分な膜厚とする。
【0075】
次に、図5(d)に表したように、非磁性材料層13の上に平坦化層Mを形成し、イオンミリング法やRIE法、ICP法などのエッチングによりエッチバックする。そして、非磁性材料層13Bの凸状部13P2の表面を所定の開口幅まで露出させ略同一平面とする。この工程は、図3(c)及び図3(d)に関して前述した通りである。
【0076】
次に、図6(a)に表したように、平坦化層Mをマスクとして、露出している非磁性材料層13Bを等方的にエッチングし、湾曲した凹部13Rを形成する。等方的なエッチングとしては、例えばCDE法、ICP法やウエットエッチング法等を用いることができる。
【0077】
このエッチングの際に、中間層IMがエッチングストッパあるいはエッチングストップモニタとして作用する。例えば、非磁性材料層13Bが酸化シリコン(SiO)系の材料により形成されるときは、中間層IMをアモルファスシリコン(a−Si)や窒化シリコン(SiNx)等より形成することが好ましい。
【0078】
アルファスシリコンや窒化シリコンにより中間層IMを形成した場合には、非磁性材料層13Bをプラズマエッチングで等方的にエッチングしてエッチングフロントが中間層IMに達するとシリコンプラズマの発光強度が大幅に増加し、さらにエッチングが進行して中間層IMのエッチングが完了するとそのプラズマ発光強度が急激に減少する。
【0079】
図7は、プラズマエッチングの最中にシリコンプラズマの発光強度を観察した例を表すグラフ図である。このように発光強度の時間変化をモニタすることにより、等方性エッチングプロセスの終点検出を容易且つ確実に行うことができる。
【0080】
中間層IMの膜厚は、a−Siで2nmから50nmがよく、より好ましくは5nmから20nmである。膜厚が2nm以下だと、そのプラズマ発光時間が短いために終点検出が難しく、また50nm以上だと発光時間は十分に得られるが、次の異方性エッチングを行う際にエッチング条件によっては中間層のみが選択的にエッチングされる可能性があり良好な湾曲凹部とテーパ凹部とが形成されない。
【0081】
なお、本実施形態によれば、このような中間層IMの発光スペクトルを随時モニターすることによってプラズマエッチングチャンバー内の汚染状況も併せて監視することができ、製造プロセス管理が容易となる。
【0082】
一方、中間層IMを非磁性材料層13Bよりも十分にエッチングされにくい材料により形成すれば、エッチングストッパとして用いることもできる。
【0083】
次に、図6(b)に表したように、平坦化層Mをマスクとして、湾曲した凹部13Rの底部に露出している中間層IMの先端部と第1の非磁性材料層13Aを異方性エッチングにより掘ってテーパ状の凹部13Tを形成する。異方性エッチングとしては、例えばイオンミリングやRIE・ICP等の指向性のあるプラズマエッチング法などを用いることができる。この工程により、上部磁極を形成するために必要な湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tを併せ持つ2段凹部がセルフアライン的に形成される。
【0084】
また、このエッチングの際に、非磁性材料層13Aとマスク層Mとのエッチング選択比(非磁性材料層のエッチング速度/マスク層のエッチング速度)は、1以上であれば良く、テーパエッチングが完了するまでマスク層Mが存在する必要は必ずしもない。
【0085】
この後、磁性材料を埋め込むことにより、図6(c)に表したように、湾曲凸部15Rとテーパ凸部15Tとからなる2段凸部をシームレス(つなぎ目なし)且つセルフアライン的に形成することができる。
【0086】
本実施形態においては、湾曲凹部13Rの形状や深さは非磁性材料層13Bの膜厚により決定され、テーパ状凹部13Tの形状や深さは非磁性材料層13Aの膜厚により決定される。つまり、中間層IMの下側の非磁性材料層13Aと上側の非磁性材料層13Bとの膜厚を制御するこによって、テーパ状凹部13Tと湾曲凹部13Rの形状やサイズをそれぞれ独立して精密に制御することができる。
【0087】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態として、非磁性材料層をエッチングのされかたが互いに異なる材料からなる2層構造とした構成について説明する。
【0088】
図8及び図9は、本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、これらの図面は、特に、上部磁極15を形成する工程を表すものであり、図中ではシールド型MRヘッド構造を一部省略した。
【0089】
まず、図8(a)に表したように、シールド型MRヘッドにおいて、凸型に形成した下部磁極先端部11を有する下部磁極(上側磁気シールド層)7上にスパッタ法等で記録磁気ギャップ12を形成する。そして、例えばスパッタリング法などにより下部磁極凸型11に位置整合させた凸状部13P1を有する第1の非磁性材料層13Aを形成する。非磁性材料層13Aの材料としては、後に詳述する等方性エッチング工程においてはエッチング速度が低く、異方性エッチング工程においては優先的にエッチングされてテーパ状凹部13Tを形成しやすいような材料を用いる。また、第1の非磁性材料層13Aの膜厚は、この後形成する上部磁極15のテーパ状凸部15Tを形成するために必要な厚みとする。
【0090】
次に、図8(b)に表したように、第1の非磁性材料層13Aの上に、下部磁極凸型11に位置整合させた凸状部13P2を有する第2の非磁性材料層13Bを形成する。ここで、非磁性材料層13Bの材料としては、後に詳述する等方性エッチング工程においてはエッチングされて湾曲凹部13Rを形成しやすく、異方性エッチング工程においてはエッチング速度が低いような材料を用いる。また、第2の非磁性材料層13Bの膜厚は、上部磁極の湾曲状凸部15Rを形成するために必要十分な膜厚とする。
【0091】
次に、図8(c)に表したように、第2の非磁性材料層13Bの上に平坦化層Mを形成し、エッチングによりエッチバックする。そして、非磁性材料層13Bの凸状部13P2の表面を所定の開口幅まで露出させ略同一平面とする。この際に用いるエッチング法としては、平坦化層Mと第2の非磁性材料層13Bに対するエッチング速度がほぼ等しくなるようなエッチング法を用いると、同一平面を形成しやすくなる。この工程は、図3C及び図3Dに関して前述した通りである。
【0092】
次に、図8(d)に表したように、平坦化層Mをマスクとして、露出している非磁性材料層13Bを等方的にエッチングし、湾曲した凹部13Rを形成する。等方的なエッチングとしては、例えばCDE法やウエットエッチング法等を用いることができる。
【0093】
第1の非磁性材料層13Aは、このエッチングの際にエッチング速度が低くなるような材料により形成すれば、あまりエッチングされずに湾曲凹部13Rの底部に残すことができる。
【0094】
次に、図9(a)に表したように、平坦化層Mと第2の非磁性材料層13Bをマスクとして、湾曲した凹部13Rの底部に露出している第1の非磁性材料層13Aを異方性エッチングにより掘って、テーパ状の凹部13Tを形成する。異方性エッチングとしては、例えばイオンミリングやRIE・ICP等の指向性のあるプラズマエッチング法などを用いることができる。第2の非磁性材料層13Bは、このエッチングの際にエッチング速度が低くなるような材料により形成すれば、あまりエッチングされずにマスクとして作用させることができ、湾曲凹部13Rの形状がくずれる心配もなくなる。
【0095】
以上説明したの工程により、図9(b)に表したように、上部磁極を形成するために必要な湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tを併せ持つ2段凹部がセルフアライン的に形成される。
【0096】
また、このエッチングの際に、非磁性材料層13Aとマスク層Mとのエッチング選択比(非磁性材料層のエッチング速度/マスク層のエッチング速度)は、1以上であれば良く、テーパエッチングが完了するまでマスク層Mが存在する必要は必ずしもない。
【0097】
この後、図9(c)に表したように、磁性材料を埋め込むことにより、湾曲凸部15Rとテーパ凸部15Tとからなる2段凸部をシームレス(つなぎ目なし)且つセルフアライン的に形成することができる。
【0098】
本実施形態においても、湾曲凹部13Rの形状や深さは第2の非磁性材料層13Bの膜厚により決定され、テーパ状凹部13Tの形状や深さは第1の非磁性材料層13Aの膜厚により決定される。つまり、第1の非磁性材料層13Aと第2の非磁性材料層13Bの膜厚をそれぞれ制御するこによって、テーパ状凹部13Tと湾曲凹部13Rの形状やサイズをそれぞれ独立して精密に制御することができる。
【0099】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態として、非磁性材料層を2層構造とし、第1層にテーパ状凹部を形成し樹脂などで埋め込んだ後に第2層を形成する構成について説明する。
【0100】
図10及び図11は、本発明の第4の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、これらの図面は、特に、上部磁極15を形成する工程を表すものであり、図中ではシールド型MRヘッド構造を一部省略した。
【0101】
まず、図10(a)に表したように、シールド型MRヘッドにおいて、凸型に形成した下部磁極先端部11を有する下部磁極(上側磁気シールド層)7上にスパッタ法等で記録磁気ギャップ12を形成する。そして、例えばスパッタリング法などにより下部磁極凸型11に位置整合させた凸状部を有する第1の非磁性材料層13Aを形成する。さらに、図3(b)〜(c)に関して前述した工程により図示しないマスク層を形成し、その表面に露出している非磁性材料層13Aの凸部を異方性エッチングによりエッチングして、テーパ状凹部13Tを形成する。
【0102】
次に、図10(b)に表したように、凹部13Tを埋め込む。具体的には、例えば、低粘度の樹脂などの材料を塗布してエッチバックすることにより、非磁性材料層13Aの表面を露出させ、埋込層BRと略同一平面を形成することができる。
【0103】
次に、図10(c)に表したように、スパッタ法などにより第2の非磁性材料層13Bを形成する。なお、本実施形態においては、第1の非磁性材料層13Aと第2の非磁性材料層13Bの材料は、異なるものとしても良く、同一のものであっても良い。
【0104】
次に、図11(a)に表したように、第2の非磁性材料層13Bの上に、リソグラフィ技術によりマスクM2を形成する。下部磁極先端部11を形成する際に、図示しないマーカーを同時に形成しておき、このマーカーをターゲットとしてフォトリソグラフィ・プロセスを実施することにより、先端部11に対してほぼ位置整合した開口Oを有するマスクM2を形成することができる。
【0105】
次に、図11(b)に表したように、等方性エッチングにより湾曲状凹部13Rを形成する。マスクM2の開口Oは、完全にセルフアライン的に形成されたものではないために、下部磁極先端部11に対して多少の位置の「ずれ」が生ずる場合もあるが、等方性エッチングを施すことにより、位置の「ずれ」は緩和される。
【0106】
最後に、図11(c)に表したように、マスクM2と埋込層BRを除去し、磁性材料で埋込むことにより、湾曲凸部15Rとテーパ凸部15Tとからなる2段凸部をシームレス(つなぎ目なし)且つセルフアライン的に形成することができる。
【0107】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態として、オーバーハングを有するアンブレラ状マスクを利用してセルフアライン的に2段凹部を形成する構成について説明する。
【0108】
図12は、本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、これらの図面は、特に、上部磁極15を形成する工程を表すものであり、図中ではシールド型MRヘッド構造を一部省略した。
【0109】
まず、図12(a)に表したように、シールド型MRヘッドにおいて、凸型に形成した下部磁極先端部11を有する下部磁極(上側磁気シールド層)7上にスパッタ法等で記録磁気ギャップ12を形成する。そして、例えばスパッタリング法などにより下部磁極凸型11に位置整合させた凸状部を有する第1の非磁性材料層13Aを形成する。さらに、図3(b)〜(c)に関して前述した工程により図示しないマスク層を形成し、その表面に露出している非磁性材料層13Aの凸部を異方性エッチングによりエッチングして、テーパ状凹部13Tを形成する。
【0110】
次に、図12(b)に表したように、上端でオーバーハングOHがサイドに張り出したアンブレラ状マスクM3を形成する。マスクM3の材料は、第2の非磁性材料層の堆積に対して耐えるものであれば良い。
【0111】
次に、図12(c)に表したように、第2の非磁性材料層13Bをスパッタ法などにより堆積する。この際に、マスクM3のオーバーハングOHの下には、「shadowing効果」により13Bの堆積物がまわり込み、トレンチ13Tに向かって緩やかに厚みが減少する分布が形成される。このようにして、湾曲状の凹部13Rが自己整合的に形成される。
【0112】
最後に、図12(d)に表したように、マスクM2と埋込層BRを除去し、磁性材料で埋込むことにより、湾曲凸部15Rとテーパ凸部15Tとからなる2段凸部をシームレス(つなぎ目なし)且つセルフアライン的に形成することができる。
【0113】
なお、本実施形態において、アンブレラ状マスクM3の形成方法としては、例えば、図3(d)に表したように平坦化層Mを形成した後に、非磁性層13Aを異方性エッチングしてトレンチを形成し、平坦化層Mを除去する前に、マスクM3を構成する材料をトレンチの上にはみ出すように選択的に埋め込んみ、しかる後にトレンチの上にはみ出した部分を軟化させて表面張力により均等に張り出したオーバーハングOHとすることができる。
【0114】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態として、マッシュルーム状の埋込層を利用してセルフアライン的に2段凹部を形成する構成について説明する。
【0115】
図13は、本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、これらの図面は、特に、上部磁極15を形成する工程を表すものであり、図中ではシールド型MRヘッド構造を一部省略した。
【0116】
まず、図13(a)に表したように、下部磁極(上側磁気シールド層)7と記録磁気ギャップ12を形成し、第1の非磁性材料層13Aを堆積して、先端部11と位置整合したテーパ状凹部13Tを形成する。この工程の詳細については、図10(a)あるいは図12(a)に関して前述した通りであるので省略する。本実施形態においては、さらに、自己収縮性を有する材料BR2を塗布する。材BR2は、加熱すると軟化し且つ自己収縮性を示すものであることが望ましく、例えば樹脂などを用いることができる。
【0117】
次に、図13(b)に表したように、材料BR2を自己収縮させる。例えば、自己収縮性を有する樹脂材料を用いた場合には、軟化温度まで加熱すると、軟化し粘性が低下して表面張力によりトレンチの方向に収縮する。その結果として、図示したように、トレンチ13Tの上にはみ出した湾曲部Hを有する埋込層BR2を形成することができる。
【0118】
次に、図13(c)に表したように、第2の非磁性材料層13Bを形成する。この際に、埋込層BR2の湾曲部Hの下にも非磁性材料がまわり込むように形成することが望ましい。
【0119】
そして、図13(d)に表したように、埋込層BR2を除去すると、テーパ凹部13Tと湾曲状の凹部13Rが自己整合的に形成される。
【0120】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態として、第1〜第6の実施の形態のいずれかによりセルフアライン的に形成された2段凸部を有する上部磁極をトリミングする方法について説明する。
【0121】
図14は、本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、これらの図面は、特に、上部磁極15をトリミング加工する工程を表すものであり、図中ではシールド型MRヘッド構造を一部省略した。
【0122】
まず、図14(a)に表したように、第1〜第6のいずれかの実施の形態によりセルフアライン的に形成された湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tを有する記録磁極用の完全自己整合トレンチに、収束形状の上部磁極15を埋め込み形成する。
【0123】
このとき、上部磁極15を形成する方法としては、めっき法やスパッタ法などを用いることができる。このようにして形成された上部磁極15は、湾曲凹部13Rの外側の平坦部13Fの上にも形成される場合が多い。
【0124】
しかし、上部磁極15にこのような平坦部15Fが形成されると、この部分から磁束が発生し、隣接トラックにクロス書き込みが生ずる場合がある。そこで、この平坦部15Fを、図14(b)に表したように除去する。除去の方法としては、適宜マスキングを施して、IBE(ion beam etching)やウェットエッチング等の方法で一部除去することができる。
【0125】
このようにして平坦部15Fを除去することにより、図14(c)に表したように、周縁が湾曲凹部15Rで終端する収束形状の上部磁極15を形成することができる。つまり、上部磁極15のうちの下部磁極7に対する対向面に平坦部分がなくなり、隣接トラックに対するサイドライティングを防止することができる。
【0126】
次に、上部磁極15に平坦部を形成しないもうひとつの方法について説明する。
【0127】
図15は、上部磁極の形成方法を表す工程断面図である。
【0128】
まず、図15(a)に表したように、湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tとを有する完全自己整合トレンチにレジスト等を用いて、上部磁極形成用のフレームFを形成する。
【0129】
次に、図15(b)に表したように、上部磁極15を堆積する。堆積の方法としては、めっき法やスパッタ法等を用いることができる。堆積した後に、レジストフレームFを除去すると、図15(c)に表したように、平坦部を有しない上部磁極15が得られる。
【0130】
また、図16(a)は、図14Cに表した工程段階におけるA−A線断面図である。この後、図16(a)に表した切断線Cに沿って切断することにより、媒体に対向する面が形成される。しかし、図16(a)に表した状態で切断すると、媒体に対して上部磁極の上端15Eが近接するので、記録時にこの上端15Eから磁束によるundesirableな書き込みが心配される。
【0131】
そこで、この上端15Eを除去する為に図16(b)に示すごとく、上部磁極の上にレジスト等でマスクMを形成し、マスクMで覆われていない上端15Eの部分をIBEやイオンミリングやウェットエッチング等の方法を用いてエッチングする。このように上端15Eを除去してリセスを形成すれば、undesirableな書き込みも解消することができる。
【0132】
図17は、上部磁極にリセスを形成するもうひとつの方法を表す工程断面図である。
【0133】
まず、図17(a)に表したように、湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tとを有する完全自己整合トレンチのテーパ凹部13に磁性材料を埋め込み、上部磁極の先端15Aを一旦形成する。図17(b)はそのA−A線断面図である。
【0134】
しかる後に、図17(c)に表したように、レジストなどのマスクMを形成し、めっき法やスパッタ法等により磁性材料を埋め込んで上部磁極の根本部分15Bを形成する。その後マスクMを除去すれば、上部磁極15の上端が媒体からリセスした記録磁気ヘッドを形成することができる。
【0135】
以上、本発明の第1〜第7の実施の形態について説明した。
【0136】
次に、上述した各実施形態の具体例としての実施例について説明する。
【0137】
(実施例1)
まず、前述した第1実施形態の実施例について説明する。
【0138】
図18及び図19は、本実施例の記録磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、これらの図では再生ヘッド部分の図示を省略した。
【0139】
まず、図示しないAl付きAl・TiC基板等の上に、再生ヘッドであるシールド型MRヘッドを作成する。このシールド型MRヘッドは、一般的なシールド型ヘッドの製造工程に基づいて作製することができる。このシールド型MRヘッドからなる再生ヘッド上に、誘導型薄膜磁気ヘッドを作製する。
【0140】
まず、図18(a)に表したように、シールド型MRヘッドの上側磁気シールドを兼ねる下部磁極7の上面を、例えばエッチバックやポリッシング等により平坦化した後、下部磁極7の上に厚さ0.2μm程度のAlO膜等からなる磁気記録ギャップ12を形成した。
【0141】
次いで、上部磁極をめっきで形成する時の電極となるシード層SLを堆積する。シード層SLは、厚さ0.2μm程度のNi50Fe50[at%]膜とした。
【0142】
次いで、PEPでギャップ対向部となる下部磁極の凸部11を形成するためのレジストマスクM1を通常のリソグラフィーで厚さ2μm、幅1μm程度のサイズに形成した。
【0143】
次いで、下部磁極7をArイオンによるイオンミリングでエッチングし、残ったレジストマスクM1を酸素アッシング等で除去した。ミリングは、Arの加速電圧を500[V]の条件でその入射角度が0度で20分と70度で15分のエッチングを行った。このようにして形成した下部磁極の凸部11をSEM(scanning electron microscopy)で観察した結果、その高さは0.5μmで幅は0.9μmでテーパ角度が85度であった。(図18(b))
次いで、上述した下部磁極凸部11の上に、RFスパッタ装置で150Wのバイアスを印加しなが酸素とアルゴンの混合ガスを導入したSiの反応性スパッタにより、厚さが2.8μmのSiO非磁性層13を形成した。その時の成膜速度は約180Å/minであった。その後、同一のスパッタ装置を用いてAlターゲットをスパッタし、膜厚が0.3μmのマスクM2を形成した後、平坦化効果を有する樹脂層M3(本実施例では、東京応化製のOFPR)を1.3μm塗布し200℃のオーブンで約30分ベーク(硬化)し平坦化する(図18(c))。
【0144】
なお、この時のマスクM2の材料としては、酸窒化物等の他に金属等でも良い。また平坦化効果を有する樹脂層M3としては、例えば低分子量の樹脂、例えばノボラック系樹脂等が用いられる。低分子量の樹脂は例えば473K程度の加熱により流動化するため、塗布後に加熱処理を施すことによって、その表面を平坦化することができる。
【0145】
次いで、例えばフッ素系の反応性ガスを用いたRIEによりエッチングを行った。エッチングの方法としては、この他にも例えば、ICPや、Arガスを用いたIBE法、或いは例えばArガスとフッ素系ガスの混合ガスを用いたRIBE(reactive ion beam etching)法を用いることもできる。
【0146】
この時のエッチング条件は、樹脂層M3とマスクM2及び非磁性層13のエッチング速度がほぼ等しくなるように設定し、非磁性層13の露出幅が所定の幅になるまでエッチングする。本実施例においては、エッチング装置としてRIEを用い、その露出幅が約1.0μmになるまでエッチングを実施し、その露出幅をSEMで調べた結果0.9μmであった。この時のRIEによるエッチング条件は、フッ素系反応ガスとしてCHF3を用い、エッチングの真空度が0.6Paの条件で、この時のエッチング速度はAl2O3が250[A/min.]で平坦化樹脂が230[A/min]である(図18(d))。
【0147】
次いで、例えばフッ素系の反応性ガスやそれらの混合ガスを用いたCDEやICP等のドライエッチング法、あるいは酢酸/硝酸系のエッチング液を用いたウエットエッチング法等の等方性エッチングにより、上部磁極形成用の湾曲凹部13Rを形成する(図19(a))。
【0148】
この時エッチングの条件としては、樹脂層M3やマスク層M2のエッチング速度(E1)と非磁性材料層13のエッチング速度(E2)との選択比(E1/E2)ができるだけ大きいことが好ましい。ドライエッチングにおいて条件ならびに装置構成によってはその選択比が十分大きくならないことも考えられるが、その場合の選択比は最低でも3以上が良く、より好ましくは5以上である。このような選択比を用いることで樹脂層M3やマスク層M2の厚さを薄くすることが可能となる。本実施例においては、エッチング方法としてCDEを用い、湾曲凹部13Rの深さが約1.0μmになるまでエッチングを実施した。この時のエッチング条件は、反応性ガスとしてCFとOを流量比で210/90[SCCM]流した混合ガスを用い、圧力を70[Pa]、投入電力を700[W]の条件で約60分エッチングした。エッチングした試料をSEMで断面観察した結果、エッチング断面が等方エッチングされなおかつ深さ1.0μmであることを確認した。この時、マスク層M2を構成するAlの膜厚はほとんど変化しておらず、このことから非磁性材料層13を構成するSiOとマスク層M2を構成するAlとのエッチング速度の選択比はほぼ無限大であることが分かった。
【0149】
次いで、図19(b)に表したように、異方性エッチングによりテーパ凹部13Tを形成する。異方性エッチングの方法としては、例えばフッ素系の反応性ガスを用いたRIEやICP、あるいは例えばArガスを用いたIBE法、あるいは例えばArガスとフッ素系ガスの混合ガスを用いたRIBE法等を用いることができる。この時のエッチングは、テーパ凹部13Tの形成を目的とするものであり、エッチングの条件としてはマスクとの選択比が高くなおかつ指向性の高いエッチングであることが望まれる。但し、マスクとの選択比は湾曲凹部13Rの形成の際に要求される程高い必要はない。本実施例においては、RIE装置を用い、フッ素系ガスがCHF3を50[SCCM]、圧力が1[Pa]の条件でエッチングを約15分行った。この時のエッチング速度は、第2非磁性層のAlが230[A/min.]、第1非磁性層のSiOが700[A/min]、平坦化樹脂のOFPRが120[A/min]である。このような条件でエッチングされたテーパ凹部の形状は、深さが1.0[μm]、底の幅が0.9[μm]でそのテーパ角度が約80度であった。
【0150】
次に、図19(c)に表したように、樹脂層M3やマスク層M2をウエットエッチングや酸素アッシング等で除去する。本実施例においては、前工程であるテーパ凹部13Tの形成エッチングの時に除去されたので、この実施例でこの工程は行っていない。下部磁極凸部11の上に上磁極形成用のシード層SL等を形成していない場合には、この工程の後にめっき用のシード層SL等を形成しても良い。
【0151】
次に、図19(d)に表したように、上部磁極15の形状を規定するために、レジストのフレームFを湾曲凹部13R内に形成する。本実施例においては、レジストフレームFは湾曲凹部13Rの端から約0.2μmの位置に約4μmの高さで形成した。
【0152】
次に、図19(e)に表したように、下部磁極凸部11の上のシード層SLを電極として上部磁極15をめっき法によって形成した。このとき、記録効率の向上やサイドライティング防止の為に、下部磁極側(テーパ凹部13Tの内部)と湾曲凹部13の内部とでその磁性材料の組成を変えても良い。例えば、その組み合わせとして、テーパ凹部13T内にNi50Fe50[at%]の高い飽和磁束密度の磁性材料(Hi−Bs)を形成し、湾曲凹部13R内にNi80Fe [at%]のソフト磁性材料(S−Bs)を形成したり、テーパ凹部13T内にFe80Co20[at%]の高い飽和磁束密度の磁性材料(Hi−Bs)を形成し湾曲凹部13R内にNi80Fe20[at%]のソフト磁性材料(S−Bs)を形成したりすることが考えられる。この磁性材料の組み合わせは、記録ヘッドの仕様によって種々考えれるが、単層により形成しても良い。
【0153】
また、磁性材料の形成法はめっき法だけでなく、例えばスパッタ法やCVD法や蒸着法等の方法でも良い。本実施例において、上部磁極形成には通常の電気めっき法を用い、膜組成がNi45Fe50[at%]で、Bsが約1.5[T]
のNiFe合金を約3μm形成した。
【0154】
次に、図19(f)に表したように、レジストフレームFを除去して上部磁極15の形成工程を終了する。
【0155】
本実施例において、得られた上部磁極15はその幅が約2.5[μm]で高さが約3[μm]であった。以上説明した工程の途中やその前後には、磁界発生用のコイル形成やPEPの保護工程等をプロセス上必要に応じて加えても良い。
【0156】
このようにして得られた収束形状を有する上下磁極についてさらに磁気ヘッド作成プロセスをすすめて磁気記録ヘッドを作製し、実際に磁気記録を行ったところ、従来タイプのヘッドに比べ、サイドライティングの非常に少ない磁気記録ヘッドであることが確認された。
【0157】
(実施例2)
次に、前述した第2実施形態の実施例について説明する。
【0158】
図20は、本実施例の記録磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、これらの図では再生ヘッド部分の図示を省略した。
【0159】
まず、図20(a)に表したように、非磁性材料層13Aまで積層した。すなわち、前述した実施例1と同様の方法で、幅が0.5[μm]で高さが0.3[μm]の凸部11を有する下部磁極7と、厚さが0.15[μm]のAlからなる磁気ギャップ層12と、厚さが0.1[μm]のNi50Fe50[at%]からなるシード層SLを形成した後、凸部11に自己整合した非磁性材料層13Aとして厚さが1.0[μm]のSiO2を反応性スパッタで形成した。
【0160】
次に、図20(b)に表したように、非磁性材料層13Aの上に非磁性材料層層13Bと非磁性材料層13Cならびに樹脂層M3を塗布して、平坦化を行った。ここで、非磁性材料層13Bの材料としては、等方性エッチングプロセスの際に、そのエッチングストッパもしくはエッチングモニタ(例えば発光モニタ)としての機能を有する材料が好ましく、本実施例ではプラズマエッチングの際の発光強度が非常に大きなシリコン(Si)を厚さ20[nm]形成した。
【0161】
非磁性材料層13Bの材料として、シリコンの代わりにSiNやTiNやAlN等の窒化合物などを用いても、エッチングストッパあるいはエッチングモニタとして用いることができる。
【0162】
また、非磁性材料層13の材料としては、実施例の場合には、非磁性材料層13Aと同一材料を用い、その厚さを1.0[μm]を形成した。但し、これ以外にも、非磁性材料層13Cの材料としては、等方性エッチングが可能でなおかつ非磁性絶縁体であれば良い。
【0163】
次に、図20(c)に表したように、実施例5と同様の方法で平坦化エッチングを行い非磁性材料層13Cが約0.3[μm]の幅で表面に露出するまでエッチングを実施した。本発明者は、非磁性材料層13Cの形状を測長SEMで測定し、所定の開口幅であることを確認した。また、この時の樹脂層M3の残り厚さは、約0.4[μm]であった。
【0164】
次に、図20(d)に表したように、樹脂層M3をマスクにして、CDEにより等方性エッチングを実施例1と同様の条件で行い、約1[μm]のエッチングを行って湾曲凹部13Rを形成した。このとき、エッチングの進行を検出するためにCDEチャンバの側面に発光スペクトルモニターを設置し、シリコン(Si)の発光状態を随時モニタしながらエッチングを行った。その結果、エッチングフロントがシリコン層に達したと思われる時点でシリコンの発光スペクトルの強度が急激に強くなることが観察され、その強度が弱くなった時点でエッチングを終了した。
【0165】
等方性エッチングプロセスを終了した後、FIB−SEMでそのエッチングの形状を調べたところ、非磁性材料層13Aの表面が若干エッチングされたところでエッチングが終了していた。樹脂層M3の残り厚さは、約0.3[μm]であった。
【0166】
次に、図20(e)に表したように、残った樹脂層M3をマスクにして異方性エッチングをICPで行った。その時の条件は、反応性ガスとしてCHF3を用い、非磁性材料層13Aを約0.5[μm]ほど異方性エッチングして、テーパ凹部13Tを形成した。
【0167】
その後、樹脂層M3を通常の半導体製造工程と同様のレジスト除去プロセスで除去し、その断面形状をSEMにより観察した結果、エッチング面が非常にきれいな湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tを有するトレンチであることが確認できた。
【0168】
その後、実施例1と同様なヘッド特性を評価した結果、良好な記録特性が得られた。
【0169】
(実施例3)
次に、前述した第3実施形態の実施例について説明する。
【0170】
図21は、本実施例の記録磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。なお、これらの図では再生ヘッド部分の図示を省略した。
【0171】
まず、図21(a)に表したように、下部磁極7の凸部11に磁気ギャップ層12とシード層SLを形成した。具体的には、実施例5と同様の方法で、幅が0.5[μm]で高さが0.3[μm]の凸部11を有する下部磁極7を形成し、その上に厚さが0.15[μm]のAlからなる磁気ギャップ層12を形成し、さらにその上に厚さが0.1[μm]のNi50Fe50[at%]からなるシード層SLを形成した。
【0172】
次に、図21(b)に表したように、凸部11に自己整合した非磁性材料層13Aとして厚さが1.5[μm]のAlをRFスパッタで形成した後、平坦化樹脂層M3を約1.0[μm]の厚みに塗布し、ベークして平坦化を行った。そして、RIEで非磁性材料層13が0.3[μm]の幅で表面に露出するまでエッチングを行った。
【0173】
次に、図21(c)に表したように、樹脂層M3をマスクにしてICPでテーパ凹部13Tをエッチングにより形成した。その結果、凹部13Tのテーパ角度θが70度でその底の幅が0.5μmのトレンチが形成された。
【0174】
次に、図21(d)に表したように、テーパ凹部13Tを樹脂で埋め込んだ。具体的には、粘度の小さい平坦化樹脂BRを厚さ約1.3μmを塗布して凹部13Tを埋め込んだ後、テーパ凹部13Tの開口が表面に露出するまでIBE法によりエッチングを行った。この時にエッチング方法は、特にIBE法に限定されず、樹脂BRをエッチングできるものであれば良い。
【0175】
次に、図21(e)に表したように、、非磁性材料層13BとしてAl2O3を0.6[μm]の厚みにスパッタ法で形成する。
【0176】
次に、図21(f)に表したように、非磁性材料層13Bの上にパターン形成用のレジストを約1.0[μm]塗布し、凸部11についての位置合わせマークを基準に用いてこのレジストを露光・現像した後、140℃のベークを施すことで先のレジストパターンのテーパ角度が約60度でその開口幅が0.4[μm]のテーパレジストパターンからなるマスクM2を形成した。
【0177】
次に、図21(g)に表したように、マスクM2の上からIBEを用いてエッチングを行い非磁性材料層13Bに緩やかなテーパ状の開口13Hを形成する。本実施例においてIBEの条件は、ビームの入射角度が30度、ビームの加速電圧が500[V]で約50分間実施することで、非磁性材料層13Bのテーパ角度が45度でその開口幅が1.7[μm]のなだらかな開口13Rが形成されていた。この形成されるテーパ角度は、非磁性体とレジストの選択比によって制御される。
【0178】
最後に、図21(h)に表したように、残ったレジストマスクM2を除去することにより、底の幅が0.5[μm]でテーパ角度が70度のテーパ凹部13Tと、その上に形成されたテーパ角度が45度の緩やかな斜面を有する凹部13Rとからなる2段凹部の上部磁極形成用のトレンチが形成された。
【0179】
(実施例4)
次に、前述した第3実施形態の別の実施例について図10及び図11を参照しつつ説明する。
【0180】
図10(a)〜(c)に表した工程は、前述した実施例3と同様な流れで行ったが、その時に用いた非磁性材料層13AとしてAl、非磁性材料層13BとしてSiO2をそれぞれ用いた。
【0181】
この様にして作成された試料について、凸部11をマークとしてパターニングすることにより図示しないレジストパターンを形成し、この上にマスクとなるNi−Feを0.1[μm]形成する。しかる後にレジストを除去するリフトオフ工程を用いて、図11(a)に表したように、開口Oの幅が0.2[μm]のマスクM2を形成した。
【0182】
次に、図11(b)に表したように、等方性エッチングを行った。この時のエッチング方法として、本実施例では、フッ酸系の溶液によるウェットエッチングと、実施例1で実施したCDEによる等方性エッチングの2つの方法を採用した。
【0183】
いずれのエッチング法においても、埋め込み樹脂BRがエッチングストッパとして作用し、エッチング形状13Rが湾曲を有する凹部となることが確認された。但し、ウェットエッチングの方が凹部13Rの横方向の広がりがCDEに比べ0.2[μm]程度広かった。
【0184】
次に、図11(c)に表したように、酸系ウェットエッチングもしくはドライエッチングによりマスクM2であるNi−Fe膜を除去し、埋め込み樹脂BRを有機溶剤等を用いて除去して、湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tとを有する2段トレンチが得られた。
【0185】
(実施例5)
次に、前述した第5実施形態の実施例について図12を参照しつつ説明する。
【0186】
まず、図12(a)に表したように、下部磁極7の凸部11に自己整合したトレンチを前述したいずれかの実施例と同様の方法で形成する。
【0187】
次に、図12(b)に表したアンブレラ状マスクM3の根元に相当するレジストAを塗布した後、アンブレラ状マスクM3の傘に相当するレジストBを順に塗布する。本実施例において、レジストAの塗布厚は0.8[μm]、レジストBの塗布厚は0.8[μm]とした。
【0188】
次に、アンブレラ状マスクM3の傘に相当するレジストBを露光プロセスによりパターニングし、次にこのレジストBをマスクにしてレジストAを現像する。
この時、レジストAを現像する溶液によりレジストBがあまり溶解しないように、レジストA及びBとそれぞれ各現像液の材料を組み合わせることが好ましい。この様にして、2回の現像を行うことで、図11Bに表したように、傘の幅が2.5[μm]で、根元の幅が0.5[μm]のアンブレラ状マスクM3が形成された。
【0189】
次に、図12(c)に表したように、非磁性材料層13を形成した。本実施例においては、非磁性材料層13として厚さが0.6[μm]のAlを、真空度が1[mToor]の圧力下でスパッタ法により堆積した。このような方法により形成された湾曲凹部13Rは、そのスロープの傾斜角度が20度〜40度を有する形状となっていることが確認された。そして、最後にこのアンブレラ状マスクM3を酸素アッシングや有機溶剤等により除去することで、エッチング面が非常にきれいな湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tを有するトレンチが形成されたことが確認できた。
【0190】
(実施例6)
次に、前述した第7実施形態の実施例について図14を参照しつつ説明する。
【0191】
まず、図14(a)に表したように、湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tとを有するトレンチを前述したいずれかの実施例の方法で作成し、さらに、収束形状を有する上部磁極15をフレームメッキ法やスパッタ法やCDV法等の方法で形成する。本実施例においては、フレームメッキによりNi50Fe50[at%]を3.5[μm]厚さ形成した。しかし、一般的にフレームを湾曲凹部の内部に精度形成することが非常に困難であり、コストアップの原因ともなる。本実施例に於いても、フレームは湾曲凹部13Rから約0.5[μm]ほど外側にずれた位置に形成したので上部磁極15の一部に平坦部15Fが形成されている。
【0192】
次に、図14(b)に表したように、この平坦部15Fをエッチング法で除去する。本実施例においては、IBE法を用い、その入射角度が10度とし約40分エッチングを行いこの平らな部分を含めた全体をエッチングにより後退させた。エッチング量は、Ni50Fe50[at%]の厚さにして0.5[μm]である。他のエッチング方法としては、WETエッチングやスパッタエッチング等を用いることが可能である。
【0193】
この様にして、図14(c)に表したように、上部磁極15が湾曲凹部13Rの内部に形成された磁極が得られた。
【0194】
(実施例7)
次に、前述した第7実施形態の別の実施例について図15〜図17を参照しつつ説明する。
【0195】
前述したいずれかの実施例の方法により作製した湾曲凹部13Rとテーパ凹部13Tとを有する自己整合トレンチに、上部磁極15を規定するためのレジストフレームFを図15(a)に表したように形成する。
【0196】
次に、図15(b)に表したように、上部磁極15をメッキ法で下部磁極側のテーパ凹部13T内にNi50Fe50[at%]を形成し、続いて湾曲凹部13R内にNi80Fe20[at%]を厚さ約3.5[μm]形成した。
【0197】
次に、図15(c)に表したように、フレームレジストFを除去して上部磁極15を形成した。
【0198】
図16(a)は、そのA−A線縦断面図であるが、このまま磁気ヘッドにすると媒体走行面に上部磁極の上端部15E(別名、上部磁極ヨーク)が近接することになり、磁気記録の際にこの部分から媒体への書き込みが発生する可能性がある。そこでこれらの問題を解決する為に、本実施例では以下の2通りの方法によりこの問題を解決した。
【0199】
まず第1の方法は、図16(b)に表したように、図14Cで形成した上部磁極15のコイル側にレジストのフレームMを約3[μm]の厚みに形成し、媒体走行面に相当する部分をイオンミリングにより深さ1.0[μm]エッチングにより除去した。この時、媒体走行面からの距離は、本実施例において約0.5μmとした。(別名、この追い込み量をリセス量と呼ぶ)
第2の方法について、図17を用いて説明する。まず図17(a)に表したように、テーパ凹部13Tの中に上部磁極15Aを埋め込み形成する。その断面は図17(b)に表した如くである。
【0200】
次に、図17(c)に表したように、リセスさせたい位置に上部磁極15Bを形成するためのレジストフレームMを形成した後、メッキ法等により上部磁極15Bを形成した。しかる後に、レジストフレームMを除去し、切断線Cに沿って切断することにより、媒体対向面が形成される。
【0201】
以上、実施の形態及び具体例としての実施例を参照しつつ本発明の磁気ヘッドの製造方法について詳細に説明した。
【0202】
本発明により製造される磁気ヘッドは、図1及び図2に関して前述したような特徴を有し、例えば、記録再生一体型の磁気ヘッドアセンブリに組み込まれ、磁気記録再生装置に搭載して好適な特性を得ることができる。すなわち、隣接する記録トラックからのクロストークを防ぎ、分解能が極めて高い記録再生を実現できる。
【0203】
図22は、このような磁気記録装置の概略構成を例示する要部斜視図である。すなわち、本発明の磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。同図において、長手記録用または垂直記録用磁気ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気ディスク200は、磁気ディスク200に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ153は、例えば、前述したいずれかの実施の形態にかかる製造方法により製造された磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
【0204】
磁気ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)は磁気ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。
【0205】
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0206】
アクチュエータアーム155は、固定軸157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0207】
図23は、アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ160は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム151を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続されている。
【0208】
サスペンション154の先端には、前述したいずれかの実施形態あるいは実施例により製造された磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。記録用ヘッドを組み合わせても良い。サスペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図中165は磁気ヘッドアッセンブリ160の電極パッドである。
【0209】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、下部磁極と上部磁極の先端を完全に自己整合させて形成することが可能となる。その結果として、磁気ヘッド先端部の「ずれ」に起因する隣接トラックへのサイドライティングなどの問題を解消し、記録密度を大幅に改善することが可能となる。
【0210】
さらに、本発明によれば、上部磁極の裾部を湾曲状に形成することにより、端部からの磁束の漏洩に起因する隣接トラックへのサイドライティングなどの問題も解消することができる。
【0211】
また、本発明によれば、上部磁極の上端を媒体からリセスして形成することが可能となり、端部からの磁束の漏洩によるクロスライティングなどの問題も解消することができる。
【0212】
本発明によれば、高密度化が可能な磁気ヘッドを確実且つ容易に製造することができるようになり、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られる記録再生一体型磁気ヘッドの構成を媒体対向面から見た断面図である。
【図2】図1に示す記録再生一体型磁気ヘッドの媒体対向面に対して直角方向の縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図7】プラズマエッチングの最中にシリコンプラズマの発光強度を観察した例を表すグラフ図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図14】本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図15】上部磁極の形成方法を表す工程断面図である。
【図16】上部磁極の形成方法を表す工程断面図である。
【図17】上部磁極にリセスを形成するもうひとつの方法を表す工程断面図である。
【図18】本発明の第1実施例の記録磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図19】本発明の第1実施例の記録磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図20】本発明の第2本実施例の記録磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図21】本発明の第3本実施例の記録磁気ヘッドの製造工程の要部を表す工程断面図である。
【図22】本発明により製造される磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置の概略構成を例示する要部斜視図である。す
【図23】アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。
【図24】記録再生一体型薄膜磁気ヘッドの構成を媒体対向面(medium facing surface)から見た断面図である。
【符号の説明】
1 下側磁気シールド層
2 下側再生磁気ギヤツプ
3 磁気抵抗効果膜(MR膜)
4 リード
6 上側再生磁気ギヤツプ
7 上側磁気シールド層(下部磁極)
8 シールド型MRヘッド
9 誘導型薄膜磁気ヘッド
10 記録再生一体型磁気ヘツド
11 下部磁極先端部(凸部)
12 記録磁気ギャップ
13 非磁性材料層
13T テーパ凹部
13R 湾曲凹部
15 上部磁極
15T テーパ凸部
15R 湾曲凸部
16 上部磁極先端部
17 絶縁層
18 コイル
SL シード層(メッキ電極膜)
M 平坦化層

Claims (13)

  1. 凸部を有する下部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と対向する凸部を有する上部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と前記上部磁極の前記凸部との間に設けられた磁気ギャップと、を有する磁気記録ヘッドを製造する方法であって、
    前記下部磁極の前記凸部の上に前記磁気ギャップを形成する磁気ギャップ形成工程と、
    前記下部磁極の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する非磁性材料層を前記下部磁極の上に形成する非磁性材料層形成工程と、
    開口を有するマスク層であって、前記開口下に前記非磁性材料層の前記凸部の上面が存在する、マスク層を前記非磁性材料層の上に形成するマスク層形成工程と、
    前記マスク層の前記開口を通して前記非磁性材料層を等方的にエッチングすることにより第1の凹部を形成する第1凹部形成工程と、
    前記第1凹部形成工程の後に、前記マスク層の前記開口を介して前記非磁性材料層を異方的にエッチングすることにより第2の凹部を形成する第2凹部形成工程と、
    前記第1の凹部と前記第2の凹部に磁性材料を充填して、前記凸部を有する前記上部磁極を形成する上部磁極形成工程と、
    を備えたことを特徴とする磁気記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記マスク層形成工程は、前記マスク層を構成する材料を前記非磁性材料層の上に堆積した後にその表面を平坦化する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記非磁性材料層形成工程は、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する第1の非磁性材料層を前記下部磁極の上に形成する工程と、前記第1の非磁性材料層の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する中間層を前記第1の非磁性材料層の上に形成する工程と、前記中間層の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する第2の非磁性材料層を前記中間層の上に形成する工程と、を含み、
    前記第1凹部形成工程は、前記マスク層の前記開口を通して前記第2の非磁性材料層を前記中間層に達するまで等方的にエッチングする工程を含み、
    前記第2凹部形成工程は、前記マスク層の前記開口を通して前記中間層と前記第1の非磁性材料層とを異方的にエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記中間層に、前記第1凹部形成工程における前記エッチングに対するエッチング速度が前記第2の非磁性材料層のエッチング速度よりも低い材料を用いること、を特徴とする請求項3記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記中間層は、前記第1の非磁性材料層及び前記第2の非磁性材料層と異なる組成を有する材料からなり、前記第1凹部形成工程における前記エッチングの際にエッチングの終点を検出するエッチングモニタとして用いることを特徴とする請求項3記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記非磁性材料層形成工程は、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する第1の非磁性材料層を前記下部磁極の上に形成する工程と、前記第1の非磁性材料層の前記凸部に位置整合した凸部を表面に有する第2の非磁性材料層を前記第1の非磁性材料層の上に形成する工程と、を含み、
    前記第1凹部形成工程は、前記マスク層の前記開口を通して前記第2の非磁性材料層を等方的にエッチングする工程を含み、
    前記第2凹部形成工程は、前記マスク層の前記開口を通して前記第1の非磁性材料層を異方的にエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  7. 前記第1凹部形成工程における前記エッチングに対する前記第2の非磁性材料層のエッチング速度を、前記第1の非磁性材料層のエッチング速度よりも大とすることを特徴とする請求項6記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  8. 前記第2凹部形成工程における前記エッチングに対する前記第1の非磁性材料層のエッチング速度を、前記第2の非磁性材料層のエッチング速度よりも大とすることを特徴とする請求項6記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  9. 凸部を有する下部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と対向する凸部を有する上部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と前記上部磁極の前記凸部との間に設けられた磁気ギャップと、を有する磁気記録ヘッドを製造する方法であって、
    前記下部磁極の前記凸部の上に前記磁気ギャップを形成する第1の工程と、
    前記下部磁極の上に第1の非磁性材料層を形成し、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した第1凹部を前記第1の非磁性材料層の表面に有する積層体を形成する第2の工程と、
    前記積層体の前記第1凹部を前記第1の非磁性材料層とは異なる充填材料で充填する第3の工程と、
    前記第1の非磁性材料層の上に、第2の非磁性材料層を形成する第4の工程と、
    前記第2の非磁性材料層の上に、前記下部磁極の前記凸部と位置整合した開口を有するマスク層を形成する第5の工程と、
    前記マスク層の前記開口を通して前記充填材料が露出するまで前記第2の非磁性材料層を等方的にエッチングすることにより第2の凹部を形成する第2凹部形成工程と、
    前記積層体の前記第2凹部から充填材料を除去する第7の工程と、
    前記積層体の前記第1凹部と前記第2の非磁性材料層の前記第2の凹部に磁性材料を充填することにより前記凸部を有する前記上部磁極を形成する上部磁極形成工程と、
    を備えたことを特徴とする磁気記録ヘッドの製造方法。
  10. 凸部を有する下部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と対向する凸部を有する上部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と前記上部磁極の前記凸部との間に設けられた磁気ギャップと、を有する磁気記録ヘッドを製造する方法であって、
    前記下部磁極の前記凸部の上に前記磁気ギャップを形成する第1の工程と、
    前記下部磁極の上に第1の非磁性材料層を形成し、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した第1の凹部を前記第1の非磁性材料層の表面に形成する第2の工程と、
    前記第1の凹部に根本が埋め込まれ前記第1の非磁性材料層から上方に延伸した軸部と、前記第1の非磁性材料層から離れて設けられたオーバーハング部とを有する傘状のマスクを形成する第3の工程と、
    非磁性材料を堆積することにより、前記マスクの前記オーバーハング部の下に形成された第2の凹部を有する第2の非磁性材料層を前記第1の非磁性材料層の上に形成する第4の工程と、
    前記マスクを除去する第5の工程と、
    前記第1の凹部と前記第2の凹部に磁性材料を充填することにより前記凸部を有する前記上部磁極を形成する上部磁極形成工程と、
    を備えたことを特徴とする磁気記録ヘッドの製造方法。
  11. 凸部を有する下部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と対向する凸部を有する上部磁極と、前記下部磁極の前記凸部と前記上部磁極の前記凸部との間に設けられた磁気ギャップと、を有する磁気記録ヘッドを製造する方法であって、
    前記下部磁極の前記凸部の上に前記磁気ギャップを形成する第1の工程と、
    前記下部磁極の上に第1の非磁性材料層を形成し、前記下部磁極の前記凸部に位置整合した第1凹部を前記第1の非磁性材料層の表面に形成する第2の工程と、
    前記第1凹部に充填材料を設ける第3の工程と、
    前記充填材料を自己収縮させることにより、前記第1凹部に埋め込まれた根本部と、根本部の上で周囲にオーバーハングした液滴部とを有する充填体を形成する第4の工程と、
    非磁性材料を堆積することにより、前記充填体の前記液滴部の下に形成された第2の凹部を有する第2の非磁性材料層を前記第1の非磁性材料層の上に形成する第5の工程と、
    前記充填体を除去する第6の工程と、
    前記第1凹部と前記第2の凹部に磁性材料を充填することにより前記凸部を有する前記上部磁極を形成する上部磁極形成工程と、
    を備えたことを特徴とする磁気記録ヘッドの製造方法。
  12. 前記磁気ギャップ形成工程は、前記磁気ギャップの上に導電性のシード層を形成する工程を含み、
    前記上部磁極形成工程は、前記シード層を電極としたメッキ法により前記磁性材料を充填する工程を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
  13. 前記上部磁極層形成工程は、前記磁性材料を充填する前に前記上部磁極の形状を規定するためのフレームを前記第1の凹部に設ける工程、または、前記磁性材料を充填した後にその周囲をエッチングしてトリミングする工程、のいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の磁気記録ヘッドの製造方法。
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