JP3576039B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、受信ビーム形成の精度を高めたものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に超音波診断装置の受信ビームの収束偏向は、複数個の受信チャンネルから得られたエコー信号を所望する収束距離と偏向角度とに応じて各受信チャンネルの受信信号に相対的な遅延時間を与えて実現されている。このうち連続波ドプラ血流計では、超音波の連続波を用いて送受信を行い、反射してくるエコー信号を周波数分析することで血流速度等の速度計測機能を提供するが、エコー信号は連続波であるため、受信ビームの収束偏向には、用いる超音波の1周期分の遅延時間しか必要としない。
【0003】
図3は、従来の超音波診断装置の構成を示した図である。この装置は、複数個の超音波送信素子11及び受信素子12が配置された超音波プローブ1と、送信する連続波超音波送信ビームを収束偏向するために、各送信素子11に位相の異なる複数の連続波超音波を送信する送信手段2と、各受信素子12で受信された超音波信号から収束偏向した受信ビームを形成するための遅延線30と、受信ビームの収束偏向角に応じて各受信チャンネル(受信素子12)を遅延線30のタップに接続するアナログスイッチ群6とを備えている。
【0004】
この装置では、アナログスイッチ群6が、受信ビームに所望の収束距離と偏向角度とを与えるように、受信チャンネルのそれぞれを遅延線30のタップt0〜t7の1つずつに接続する。各タップ間の遅延時間をTとすると、タップt0に接続された受信チャンネルのエコー信号は遅延時間0で出力され、タップt1に接続された受信チャンネルのエコー信号はT時間遅延して出力され、タップt2に接続された受信チャンネルのエコー信号は2T時間遅延して出力される。
【0005】
こうして、遅延線30の各タップに入力した各受信チャンネルのエコー信号はタップ位置に応じて遅延され、それらが合成されて出力されることにより、受信ビームに所望の収束距離と偏向角度とが与えられる。
【0006】
なお、受信ビームの収束偏向に関わる遅延時間の算出方法は、日本超音波医学会編集「超音波診断」18p〜19pに記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の超音波診断装置では、受信ビームの偏向収束精度が、使用する遅延線の遅延時間精度によって大きく影響を受ける。
【0008】
図2(b)は、遅延線の遅延時間誤差について説明する図である。同図において、横軸は各受信チャンネルのエコー信号が入力するタップ、縦軸は得られる遅延時間を示し、遅延線が有する遅延時間誤差の範囲をハッチングで示している。直列に接続された各遅延素子の遅延時間誤差は累積されるため、長い遅延時間のタップほど誤差が大きくなる。
【0009】
そのため、従来の超音波診断装置では、遅延時間誤差の増大を抑えるため、遅延精度が高い、高価な遅延線を必要としていた。
【0010】
また、この種の超音波診断装置では、遅延線の挿入損失によって感度が劣化するという問題点を有していた。
【0011】
本発明は、こうした従来の問題点を改善するものであり、安価な遅延線を用いても、受信ビームの収束偏向精度を高めることができ、かつ、遅延線の挿入損失を低減して、高感度を得ることができる超音波診断装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の超音波診断装置では、遅延線を、複数の受信チャンネルのうち、遅延時間が0secから連続波超音波信号の1/2周期未満までの受信チャンネルを接続する第1の遅延線と、連続波超音波信号の1/2周期から1周期未満までの受信チャンネルを接続する第2の遅延線とで構成し、第2の遅延線の出力を反転して第1の遅延線の出力と加算する反転加算手段を設けている。
【0013】
そのため、第1の遅延線による遅延時間誤差は第2の遅延線の遅延時間誤差に累積されないため、遅延線全体の遅延時間誤差を小さくすることができる。また、受信信号が遅延線を伝搬する距離も従来の1/2になるため、遅延線の挿入損失も1/2になる。従って、安価な遅延線を用いても、受信ビームの収束偏向精度を向上させることができ、また、遅延線の挿入損失を低減して超音波診断装置の感度を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、連続波超音波を送信する送信手段と、反射した超音波を受信する複数の受信チャンネルを構成する受信手段と、各受信チャンネルの受信信号から所望の収束距離及び偏向角の受信超音波信号を形成するために各受信チャンネルの受信信号を遅延する遅延線とを備える超音波診断装置において、この遅延線を、複数の受信チャンネルのうち、遅延時間が0secから連続波超音波信号の1/2周期未満までの受信チャンネルを接続する第1の遅延線と、連続波超音波信号の1/2周期から1周期未満までの受信チャンネルを接続する第2の遅延線とで構成し、第2の遅延線の出力を反転して第1の遅延線の出力と加算する反転加算手段を設けたものであり、第1の遅延線による遅延時間誤差が第2の遅延線の遅延時間誤差に累積されないため、遅延線全体の遅延時間誤差を小さくすることができる。また、受信信号が遅延線を伝搬する距離も従来の1/2になるため、遅延線の挿入損失も1/2になる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、第1の遅延線及び第2の遅延線が有する遅延時間のうち、連続波超音波信号の1/2周期の範囲の遅延時間を選択して、接続する各受信チャンネルの受信信号を遅延するようにしたものであり、遅延線に必要とされる遅延時間が従来の1/2となるため、誤差の影響も1/2となる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、反転加算手段を、巻数比1:1のトランスで構成したものであり、第1及び第2の遅延線のインピーダンス整合を取りつつ、第2の遅延線の出力を位相反転して第1の遅延線の出力に加算することができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
本発明の実施形態の超音波診断装置は、図1に示すように、複数個の超音波送信素子11及び受信素子12が配置された超音波プローブ1と、送信する連続波超音波送信ビームを収束偏向するために、各送信素子11に複数の位相の異なる連続波超音波を送信する送信手段2と、超音波プローブ1の複数個の受信素子12のうち、与える遅延時間が0secから連続波超音波信号の1/2周期未満までの受信チャンネルの受信素子を接続する第1の遅延線3と、超音波プローブ1の複数個の受信素子12のうち、与える遅延時間が連続波超音波信号の1/2周期以上から1周期未満までの受信チャンネルの受信素子を接続する第2の遅延線4と、遅延線4の出力を反転して遅延線3の出力に加算する巻数比1:1のトランス5と、受信ビームの収束偏向角に応じて各受信チャンネルを遅延線3及び遅延線4のタップに接続するアナログスイッチ群6とを備えている。
【0019】
次に、この装置の動作について説明する。
【0020】
アナログスイッチ群6は、所望の収束距離と偏向角度とを受信ビームに与えるため、各受信チャンネルの受信素子12を遅延線3または遅延線4のタップのうちの1つに接続し、すべての受信チャンネルが遅延線3または遅延線4のいずれかのタップに接続される。
【0021】
受信チャンネルに与えるべき遅延時間と接続するタップとの関係は下記の表1のようになる。表1において、ある受信チャンネルに与える遅延時間tは時間Tで量子化されている。また、遅延線3及び遅延線4のタップの遅延時間をtnとし、各タップ間の遅延時間をTとする。ここで、超音波信号の周期をLとしたとき、L/2=4×Tであるとする。
【表1】
【0022】
遅延時間tが0×T〜3×Tの受信チャンネルは遅延線3のタップt0〜t3に接続し、遅延時間tが4×T〜7×Tの受信チャンネルは遅延線4のタップt0〜t3に接続する。
【0023】
ここで、トランス5は、遅延線4の出力を反転して遅延線3の出力に接続するため、遅延線4のタップに入力されたエコー信号は、すべて位相反転されて遅延線3の出力に現れる。エコー信号が連続波である性質上、位相反転する事によってエコー信号にはそれ自身の1/2周期の遅延を与えたことと等価となり、L/2=4×Tであるから、遅延線4のタップに入力された信号に対しては、さらに4×Tの遅延時間が加算される。
【0024】
図2(a)は、この装置で発生する遅延時間誤差を示している。同図において、横軸は入力するタップ、縦軸は得られる遅延時間である。遅延線が有する遅延時間誤差はハッチングされた範囲である。遅延時間0×T〜3×Tの範囲では、遅延線3のもつ誤差により長い遅延時間のタップほど誤差が大きくなるが、遅延時間4×Tでは位相反転により遅延時間を与えるため、3×Tまでの誤差は累積されない。
【0025】
従来の装置(図3)での遅延誤差を示す図2(b)と比較して明らかなように、本発明の超音波診断装置では、遅延線3、4の各々に必要とされる遅延時間は従来の1/2にできるため、遅延線の誤差の影響も1/2であり、さらに受信信号が遅延線を伝搬する距離も1/2であるため、遅延線の挿入損失も1/2になる。
【0026】
このように、本発明の超音波診断装置では、遅延線4の出力を反転して遅延線3の出力と加算して、収束偏向した受信ビームを形成している。なお、トランス5は、受動素子からなる遅延線3、4をインピーダンス整合しつつ位相反転して加算するために有効であるが、トランス5の代わりに、能動回路による反転増幅器でも、本発明の作用効果が得られる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の超音波診断装置では、遅延線に必要とされる遅延時間が従来の1/2となるため、誤差の影響も1/2となり、安価な遅延線で高い精度の受信ビームの収束偏向が実現できる。
【0028】
また、受信信号が遅延線を伝搬する距離も1/2であるため、遅延線の挿入損失も1/2になり、高感度な超音波診断装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における超音波診断装置の構成を示す図、
【図2】本発明の実施形態の超音波診断装置における遅延時間誤差(a)と、従来の超音波診断装置における遅延時間誤差(b)とを示す図、
【図3】従来の超音波診断装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 超音波プローブ
2 送信手段
3 第1の遅延線
4 第2の遅延線
5 トランス
6 アナログスイッチ群
11 送信素子
12 受信素子
30 遅延線
Claims (3)
- 連続波超音波を送信する送信手段と、反射した超音波を受信する複数の受信チャンネルを構成する受信手段と、各受信チャンネルの受信信号から所望の収束距離及び偏向角の受信超音波信号を形成するために各受信チャンネルの受信信号を遅延する遅延線とを備える超音波診断装置において、
前記遅延線が、前記複数の受信チャンネルのうち、遅延時間が0secから前記連続波超音波信号の1/2周期未満までの受信チャンネルを接続する第1の遅延線と、前記連続波超音波信号の1/2周期から1周期未満までの受信チャンネルを接続する第2の遅延線とから成り、
前記第2の遅延線の出力を反転して前記第1の遅延線の出力と加算する反転加算手段を具備することを特徴とする超音波診断装置。 - 前記第1の遅延線及び前記第2の遅延線が有する遅延時間のうち、前記連続波超音波信号の1/2周期の範囲の遅延時間を選択して、接続する各受信チャンネルの受信信号を遅延することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記反転加算手段が、巻数比1:1のトランスから成ることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
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