JP3620953B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、異なる中心周波数の超音波探触子および広帯域超音波探触子の受波フォーカスデータの軽減に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波診断装置は、複数の超音波振動子により超音波を被検体に送波し、被検体内からの反射波を前記超音波振動子により受波し、この受波した受波信号を増幅して各振動子からの受波信号を電気的にフォ−カスするため、焦点からの波面が各超音波振動子に到達する伝播時間差を補正する遅延処理(整相)をした後、加算し超音波ビ−ムを形成している。
【0003】
また、この受波フォ−カス点は、多段あるいはダイナミックに時間とともに変えている。
【0004】
アナログ処理を行う場合、前述の遅延時間はアナログ遅延線のタップ切り替えデータに変換される。
【0005】
一方、デジタル処理を行う場合には(整相方式により遅延時間の与え方は異なるが)、たとえば、受波信号をアナログデジタル変換した後、メモリに記憶し、読み出しアドレスの差によって遅延を実現する。また、サンプリング間隔以下の微小遅延は、補間により所定量の遅延τを行っていた。
【0006】
たとえば、電子走査型超音波診断装置では、1フレームを形成するために、100〜300程度のラスタが必要となる。このラスタは、超音波の送波方向に対して、ダイナミックな受波フォーカスを行って形成し、順次その方向をスキャンすることによって、1フレームの画像を形成していた。
【0007】
したがって、1ラスタのフォーカス段数がa、振動子数がa、ラスタ数がaの場合には、a×a×a個のフォーカスデータが必要であった。
【0008】
一方、従来の超音波診断装置では、一般に周波数が異なる複数の超音波探触子が対応可能であり、検者が診断部位により使い分けていた。この超音波探触子としては、たとえば、3.5MHz,5MHz,7.5MHz,10MHzなどのものがあった。
【0009】
したがって、従来の超音波診断装置では、各々の探触子毎に、計算で求めた受波フォーカスデータを、予めROM(Read Only Memory)等に保存しておき、使用する探触子により、ROMから受波フォーカスデータを選択して使用していた。
【0010】
また、最近では、広帯域の超音波探触子(以下、広帯域超音波探触子と記す)も使用されるに至っている。この広帯域超音波探触子は、たとえば、3.5MHz,5MHz,7.5MHzが、同じ超音波探触子で使い分けることが可能となっている、すなわち、同じ超音波探触子で複数の周波数での送受信が可能となっている。この広帯域超音波探触子では、中心周波数のみを検者の所望の周波数に設定する。また、広帯域でない探触子においても、ドプラ応用においては、送受信周波数を複数有し、状況により使い分けている。両者とも同じ探触子を用いるので、当然振動子ピッチは、変更ない。また、フォーカス点までの各振動子からの距離および距離差、そしてフォーカスデータとなる時間差は、中心周波数と無関係であるため、アナログ整相では、受波フォーカスデータの変更は不要であった。
【0011】
しかしながら、デジタル整相を行う場合では、時間遅延のみではなく、アナログ信号をデジタル信号に変換するADC(A/D変換器)のサンプリング時間よりも小さい微小時間の遅延を行うための種々の工夫(補間処理)がなされていた。したがって、微小時間の遅延に使用するデータすなわちAD変換後の受波データの遅延データは、受波フォーカス条件で再度計算し直す必要があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0013】
従来の超音波診断装置では、超音波探触子の受波フォーカスデータ計算において、複数個の超音波探触子間では、設計および使用条件に関連性がなかった。このため、従来の超音波診断装置は、当該超音波診断装置で使用する超音波探触子の全てに対して、それぞれの受波フォーカスデータを持っている必要があった。一方、個々の超音波探触子の受波フォーカスデータ量も多いので、全ての超音波探触子に対応する受波フォーカスデータを持つと膨大なデータ量になってしまうという問題があった。
【0014】
このために、大容量のROM等が必要となるので、超音波診断装置のコストが上昇してしまうという問題があった。
【0015】
さらには、フォーカスデータをあらかじめ持たない場合は、超音波探触子を取り替えた際には、当該超音波探触子の受波フォーカスデータを計算し直すか、また、フォーカスデータをあらかじめ持っている場合はROMからフォーカスデータを受波整相回路制御部へ転送する必要があり、医師等の診断効率が低下してしまうという問題があった。
【0016】
また、広帯域超音波探触子等の同じ探触子で複数の周波数に対応する場合においても、前述する複数個の超音波探触子を用いる場合と同様に受波フォーカスデータの量が膨大となってしまうという問題があると共に、微小遅延を行う補間処理に必要となるデータを計算するか、また、ROMからフォーカスデータを受波整相回路部へ転送する必要があり、多くの時間がかかってしまっていたので、さらに、医師等の診断効率が低下してしまうという問題があった。
【0017】
本発明の目的は、小型で低価格の超音波診断装置を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、診断効率の良い超音波診断装置を提供することにある。
【0019】
本発明のより具体的な目的は、2個以上の超音波探触子を使用する超音波診断装置において、受波フォーカスデータ量を低減することにより、データ記憶手段の記憶容量を低減した超音波診断装置を提供することにある。
【0020】
本発明のより具体的な他の目的は、2個以上の超音波探触子を使用する超音波診断装置において、フォーカスのための遅延時間の計算を簡略化することにより、診断効率を高めた超音波診断装置を提供することにある。
【0021】
本発明の別の目的は、広帯域超音波探触子等の同じ探触子で複数の周波数に対応する場合において、受波フォーカスデータ量を低減することにより必要記憶容量を低減した超音波診断装置を提供することにある。
【0022】
本発明のその他の目的は、広帯域超音波探触子等の同じ探触子で複数の周波数に対応する場合において、フォーカスのための遅延時間の計算、および、微小遅延に伴う補間処理の計算を簡略化することにより診断効率を高めた超音波診断装置を提供することにある。
【0023】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0025】
(1)超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、前記受波データに所定の遅延を行い、遅延後の受波データを加算して超音波像を構成する超音波診断装置であって、所定の超音波探触子の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備する。
【0026】
(2)超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、該受波データに受信周波数と同じ周波数の参照信号を乗算し、該乗算後の受波データの内で差周波成分の受波データを遅延し、該遅延後の受波データに位相回転による位相補正を行った後、該位相補正後の受波データを加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、所定の超音波探触子の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備する。
【0027】
(3)超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号を受波信号の中心周波数の4倍のサンプリング周波数でサンプリングして受波データに変換した後、該受波データを格納し、所定の遅延時間の該受波データを90°位相で読み出し、複素信号の位相を制御し加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、所定の超音波探触子の受波フォーカスのためのデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備する。
【0028】
(4)超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、複数の受波信号を複数のアナログデジタル変換機によりそれぞれデジタル信号に変換し該受波データを格納し、読み出しタイミングによりデジタル信号を遅延処理し、微小遅延の補間を、フィルタ(たとえば、FIRフィルタ)の係数を設定することにより実現する超音波ビームを形成する方式の超音波診断装置であって、所定の超音波探触子の受波フォーカスのためのデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備する。
【0029】
(5)前述した(1)ないし(4)の内のいずれかに記載の超音波診断装置において、前記他の超音波探触子を使用する場合に、前記所定の超音波探触子の中心周波数に対する他の超音波探触子の中心周波数が1/h倍であるとき、前記計算手段は前記他の超音波探触子の配列ピッチをh倍、フォーカス距離をh倍、サンプリング周波数を1/h倍とする。
【0030】
(6)超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、該受波データに受信周波数と同じ周波数の参照信号を乗算し、該乗算後の受波データの内で差周波成分の受波データを遅延し、該遅延後の受波データに位相回転による位相補正を行った後、該位相補正後の受波データを加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、所定の超音波探触子の受波フォーカスのためのデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備し、前記他の超音波探触子を使用する場合に、前記所定の超音波探触子の中心周波数に対する他の超音波探触子の中心周波数が1/h倍であるとき、前記計算手段は前記他の超音波探触子の配列ピッチおよびフォーカス距離をh倍とし、サンプリング周波数はそのままとする。
【0031】
(7)前述した(6)に記載の超音波診断装置において、中心周波数の比が1/h倍としたとき、前記計算手段は時間遅延のフォーカスデータをh倍、位相回転データをそのままとする。
【0032】
(8)前述した(1)ないし(6)の内のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、前記複数の超音波探触子は、振動子配列ピッチ、フォーカス距離およびサンプリング周波数が各探触子の中心周波数の関数で与えられる。
【0033】
(9)超音波を送波および受波する複数の振動子からなり、複数の周波数で送受信できる超音波探触子を有し、前記超音波探触子の使用する周波数ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、前記受波データの内で所定の遅延時間の受波データを加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、所定の送受信周波数の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の送受信周波数と他の送受信周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の送受信周波数で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数の比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備する。
【0034】
(10)超音波を送波および受波する複数の振動子からなり、複数の周波数で送受信できる超音波探触子を有し、前記超音波探触子の使用する周波数ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、該受波データに受信周波数と同じ周波数の参照信号を乗算し、該乗算後の受波データの内で差周波成分の受波データを遅延し、該遅延後の受波データに位相回転による位相補正を行った後、該位相補正後の受波データを加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、所定の送受信周波数の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の送受信周波数と他の送受信周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の送受信周波数で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数の比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備する。
【0035】
(11)超音波を送波および受波する複数の振動子からなり、複数の周波数で送受信できる超音波探触子を有し、前記超音波探触子の使用する周波数ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号を受波信号の中心周波数の4倍のサンプリング周波数でサンプリングして受波データに変換した後、該受波データを格納し、所定の遅延時間の該受波データを90°位相で読み出し、複素信号の位相を制御し加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、所定の送受信周波数の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の送受信周波数と他の送受信周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の送受信周波数で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数の比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備する。
【0036】
(12)前述した(9)ないし(11)の内のいずれかに記載の超音波診断装置において、前記他の送受信周波数を使用する場合に、前記所定の送受信周波数に対し、送受信周波数が1/hであるとき、前記計算手段はサンプリング周波数を1/hとする。
【0037】
(13)前述した(10)もしくは(12)に記載の超音波診断装置において、前記他の送受信周波数を使用する場合に、前記所定の送受信周波数に対し、送受信周波数が1/hであるとき、前記計算手段は時間遅延のフォーカスデータを1/h、位相回転データも1/hとしてフォーカスデータとする。
【0038】
(14)前述した(11)もしくは(12)に記載の超音波診断装置において、前記他の送受信周波数を使用する場合に、前記所定の送受信周波数に対し、送受信周波数が1/hであるとき、前記計算手段は時間遅延のフォーカスデータを1/h、としてフォーカスデータとする。
【0039】
(15)前述した(8)ないし(11)の内のいずれかに記載の超音波診断装置において、前記他の送受信周波数を使用する場合に、前記所定の送受信周波数に対し、送受信周波数が1/hであるとき、前記計算手段はサンプリング周波数を変更しない。
【0040】
(16)前述した(9)もしくは(15)に記載の超音波診断装置において、前記他の送受信周波数を使用する場合に、前記所定の送受信周波数に対し、送受信周波数が1/hであるとき、前記計算手段は位相回転データを1/hとしてフォーカスデータとする。
【0041】
前述した(1)〜(4)、(6)および(8)の手段によれば、第1の格納手段に格納される基準となる所定の超音波探触子以外の超音波探触子を使用する場合には、第1の格納手段に格納する所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと、第2の格納手段に格納する中心周波数の周波数比とから、計算手段が当該超音波探触子の受波フォーカスデータを計算し、このデータに基づいて、超音波診断装置が遅延時間を計算するので、超音波探触子の受波フォーカスデータを格納するための第1の格納手段の容量を小さくできるという効果がある。
【0042】
さらには、計算手段の計算によって、他の超音波探触子に取り替えた場合の遅延時間を計算できるので、フォーカスのための遅延時間の計算を簡略化することができるという効果もある。
【0043】
したがって、超音波診断装置を安価に製造できる。また、使用する部品の数を低減する、および、構成が簡単な計算手段を使用できるので、超音波診断装置を小型化できる。
【0044】
また、フォーカスのための遅延時間の計算を簡略化できるすなわち受波フォーカスデータが速やかに計算できることにより、探触子を切り換えたり、周波数を変えてから超音波像の表示にかかるまでの時間が短縮できるので、医師の診断効率を向上できる。
【0045】
特に、(6)の手段では、基準でない他の超音波探触子を使用する場合に、所定の超音波探触子の中心周波数に対する他の超音波探触子の中心周波数が1/h倍であるときには、他の超音波探触子の時間遅延に係わる受波フォーカスデータは、所定の超音波探触子の時間遅延に係わる他の超音波探触子の配列ピッチ、フォーカス距離およびサンプリング周波数の内で、超音波探触子の配列ピッチおよびフォーカス距離をh倍にし、サンプリング周波数をそのままとしているので、受波フォーカスデータが簡単な計算でできるという効果がある。
【0046】
したがって、受波フォーカスデータが速やかに計算できることにより、探触子を切り換えてから超音波像の表示にかかるまでの時間が短縮できるので、医師の診断効率を向上できる。
【0047】
なお、基準となる超音波探触子の受波フォーカスデータと中心周波数の比とから、他の超音波探触子の受波フォーカスデータを計算できる原理は、後述する。
【0048】
前述した(5)の手段によれば、たとえば、基準でない他の超音波探触子を使用する場合に、所定の超音波探触子の中心周波数に対する他の超音波探触子の中心周波数が1/h倍であるときには、他の超音波探触子の時間遅延に係わる受波フォーカスデータは、所定の超音波探触子の時間遅延に係わる他の超音波探触子の配列ピッチ、フォーカス距離およびサンプリング周波数の内で、超音波探触子の配列ピッチおよびフォーカス距離をh倍にし、サンプリング周波数を1/h倍としているので、受波フォーカスデータが簡単な計算でできるという効果がある。
【0049】
したがって、受波フォーカスデータが速やかに計算できることにより、探触子を切り換えてから超音波像の表示にかかるまでの時間が短縮できるので、医師の診断効率を向上できる。
【0050】
前述した(7)の手段によれば、たとえば、基準でない他の超音波探触子を使用する場合に、所定の超音波探触子の中心周波数に対する他の超音波探触子の中心周波数が1/h倍であるときには、他の超音波探触子の時間遅延に係わる受波フォーカスデータは、所定の超音波探触子の時間遅延に係わる受波フォーカスデータのh倍にし、位相回転データは変化させないので、受波フォーカスの生成用データがかけ算という簡単な計算でできる。
【0051】
したがって、受波フォーカスの生成用データが速やかに計算できることにより、探触子を切り換えてから超音波像の表示にかかるまでの時間が短縮できるので、医師の診断効率を向上できる。
【0052】
前述した(9)〜(16)の手段によれば、第1の格納手段に格納される基準となる中心周波数以外の周波数を使用する場合には、第1の格納手段に格納する所定の中心周波数の受波フォーカスデータと、第2の格納手段に格納する中心周波数の周波数比とから、計算手段が当該周波数の受波フォーカスデータを計算するので、例えば広帯域超音波探触子で、送受信中心周波数を変更させた場合や、ドプラにおいて、参照周波数を変更する場合の受波フォーカスデータを格納する格納手段の容量を小さくできるという効果がある。
【0053】
さらには、計算手段の計算によって、他の送受信周波数に取り替えた場合の遅延時間を計算できるので、フォーカスのための遅延時間の計算を簡略化することができるという効果もある。
【0054】
したがって、超音波診断装置を安価に製造できる。また、使用する部品の数を低減する、および、構成が簡単な計算手段を使用できるので、超音波診断装置を小型化できる。
【0055】
(原理)
図1に本発明の原理となる基準の超音波探触子A及び他の探触子Bの受波フォーカスの計算を説明するための図を示す。以下、図1に基づいて、本発明の原理を説明する。ただし、図1において、図1(a)は基準の超音波探触子Aの受波フォーカスの計算を説明するための図であり、図1(b)は他の探触子Bの受波フォーカスの計算を説明するための図である。
【0056】
図1(a)において、基準となる超音波探触子Aの振動子アレーA−200は、1〜a個の振動子から構成されており、その超音波探触子の中心周波数がf、サンプリング周波数がfs0、その振動子ピッチ(振動子配列ピッチ)がPとする。いま中心基準となる素子n+1からあるフォーカス点Qまでの距離がr、ビームの方向がθとすると、基本的に、振動子1からフォーカス点Qまでの距離Xは、下記の数1となる(ただし、d=P×nとする。λは、波長を示す。)。
【0057】
【数1】
Figure 0003620953
【0058】
ここで、媒体の音速をvelとすると、基準素子n+1と素子1との時間差τは、下記の数2となる。
【0059】
【数2】
Figure 0003620953
【0060】
この値τを遅延時間とした場合、フォーカス点Qからの反射信号は、基準となる振動子n+1よりも振動子1に早く到着するので、該時間差τの遅延が振動子1に加えられる。
【0061】
次に、図1(b)に示す他の超音波探触子Bの中心周波数fが、図1(a)に示される基準となる探触子Aの中心周波数fの1/h倍(f=f/h)になったとする。この超音波探触子Bの設計および使用条件を、振動子ピッチP、フォーカス距離rおよびサンプリング周波数fsとすると、
P=h×P、r=h×r,fs=fs/h
となる。
【0062】
ここで、超音波探触子Bの振動子1の中心の振動子n+1との距離xは、図1(b)において下記の数3で与えられる。
【0063】
【数3】
Figure 0003620953
【0064】
ここで、距離差x−rを時間差τに直すと、下記の数4となる。
【0065】
【数4】
Figure 0003620953
【0066】
したがって、他の超音波振動子Bの時間差(遅延時間)τは、基本(基準)となる超音波探触子Aの遅延時間τのh倍となる。すなわち、基本(基準)となる超音波探触子Aの遅延時間をh倍することによって、超音波振動子Bの遅延時間を計算できる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面を参照して詳細に説明する。
【0068】
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0069】
(実施の形態1)
図2は本実施の形態1の超音波診断装置の信号処理部分の概略構成を示すブロック図であり、100はADC(A/D変換器、アナログデジタル変換器)、101は遅延手段、102は加算手段、103はサンプリング信号発生手段、104は遅延制御手段、112は信号処理部、113は表示部、114はフォーカスデータ発生部、114aは探触子データ格納部(第2の格納手段)、114bはフォーカスデータ格納部(第1の格納手段)、114cは演算部(計算手段)を示す。
【0070】
なお、本実施の形態においては、説明を簡単にするために、超音波探触子の振動子数は振動子1〜4の4個の場合、すなわち、4チャンネルの整相回路の場合とした。このとき、チャンネルとは、振動子1素子に接続された、受波遅延回路である。
【0071】
しかしながら、本発明は4チャンネルに限定されることはなく、他のチャンネル数でもよいことはいうまでもない。通常は50〜200程度ある。
【0072】
なお、ADC100、遅延手段101、加算手段102、サンプリング信号発生手段103、信号処理部112および表示部113は、周知の手段あるいは機構を用いることができる。
【0073】
また、本実施の形態1の超音波診断装置の説明においては、従来の超音波診断装置と構成あるいは動作が異なる遅延制御手段104とフォーカスデータ発生部114について、詳細に説明する。
【0074】
図2において、遅延制御手段104は、フォーカスデータ発生部114が計算した受波フォーカスデータに基づいて、SRAM等のメモリで構成される遅延手段101に格納される受波データの読み出しアドレスを制御する。
【0075】
フォーカスデータ発生部114は、図2に示すように、探触子データを格納する探触子データ格納部(第2の格納手段)114aと、基準とする超音波探触子(所定の超音波探触子)の受波フォーカスデータを格納するフォーカスデータ格納部(第1の格納手段)114bと、探触子データおよび受波フォーカスデータから検者が使用する超音波探触子の受波フォーカスデータを演算する演算部114cとから構成される。
【0076】
探触子データ格納部114aは、たとえば予め設定した超音波探触子の中心周波数と、当該超音波診断装置に接続可能な超音波探触子の中心周波数との周波数比を格納しており、入力される探触子コードに基づいて、該当する周波数比を演算部114cに出力する。
【0077】
なお、この探触子コードは、超音波探触子ごとに異なっており、たとえば、検者が図示しない操作卓から使用している超音波探触子を選択することによって、該当する探触子コードがフォーカスデータ発生部114に出力される。
【0078】
フォーカスデータ格納部114bは、前述の工場出荷時に予め設定した超音波探触子の受波フォーカスデータを格納しており、演算部114cの要求に応じて受波フォーカスデータを該演算部114cに出力する。
【0079】
演算部114cは、探触子データ格納部114aから入力される周波数比と、フォーカスデータ格納部114bから入力される予め設定された超音波探触子の受波フォーカスデータとから、遅延制御に必要となる読み出しアドレスのアドレス差等の受波フォーカスデータを演算し、その結果を遅延制御手段に出力する。
【0080】
次に、図2に基づいて、本実施の形態1の超音波診断装置の動作を説明する。なお、本動作説明においては、まず、超音波探触子Aを用いて計測をした後、超音波探触子Bを用いて計測を行う場合について説明する。
【0081】
ADC100は、サンプリング発生手段103により入力されたサンプリングクロックによって、サンプリング動作し、振動子で受波した超音波信号をデジタルの受波データの変換する。この受波データは、まず、遅延制御手段104により、遅延手段101(メモリ)に順番に書き込まれる。次に、所定の時刻の経過後に、遅延制御手段104の読み出し指示に基づいて、各チャンネル一斉に読み出しを開始する。遅延制御手段104は、フォーカスデータ発生部114により読み出しアドレスのアドレス差等の受波フォーカスに必要となるデータが与えられてから動作する。このときの読み出しアドレスは、本実施の形態1では、たとえば、2チャンネルを基準とする。
【0082】
したがって、本実施の形態1では、まず、第2チャンネルの受波データが読み出され、次に、第2チャンネルのデータの読み出しアドレスに前述のアドレス差が加算されたアドレス値のデータが読み出される。以上に示す読み出し動作を各チャンネルとも繰り返すことにより、受波フォーカスに必要となるすべてのデータが読み出される。
【0083】
次に、加算手段102が、このデータを加算(遅延整相)した後、信号処理部112に出力する。信号処理部112は、加算後のデータに検波、圧縮、エッジ強調および各種フィルタ処理を行った後、DSC(デジタルスキャンコンバータ)により、断層像、ドップラー像あるいはカラードップラー像を構成した後、その出力を表示部113に出力し、表示させる。
【0084】
以上に示す動作の内で、フォーカスデータ発生部114が出力するアドレス差が遅延時間となる。よって、遅延手段101から受波データを読み出すアドレスは、サンプリング周波数の逆数であるサンプリング時間Tで遅延時間を量子化する必要がある。
【0085】
基本探触子Aのサンプリング周期をT、遅延時間をτとした場合、与えるべきアドレス差Aは、下記の数5となる。
【0086】
【数5】
Figure 0003620953
【0087】
ただし、Roundは、四捨五入を示す。
【0088】
次に、超音波探触子Aと異なる中心周波数の超音波探触子Bを用いて、再び、診断を行う場合には、前述の原理に示すように、この超音波探触子Bの遅延時間のフォカスデータAは、以下に示す数6のように与えることができる。
【0089】
【数6】
Figure 0003620953
【0090】
いま、超音波探触子Bの中心周波数が超音波探触子Aの中心周波数の1/h倍、振動子ピッチおよびフォーカス距離がh倍、サンプリング周波数が1/h倍の時、数4より、τ=hτ、T=hTで数6に代入すると、下記の数7になる。
【0091】
【数7】
A=Round(τ/T)=A
よって、遅延時間のフォーカスデータに変更は生じない。一方、サンプリング周波数が固定の場合には、アドレス差Aは、下記の数8となる。
【0092】
【数8】
A=Round(h・τ/T
これより、基準探触子Aの遅延時間のアドレス差A=Round(τ/T)のh倍となる。すなわち、前述する数6による演算を行うことなく、超音波探触子Bに取り替えた場合の読み出しアドレスを容易に計算できる。
【0093】
前述のように、サンプリング周波数(サンプリング周期の逆数)が固定の場合も、非固定の場合も、前述する数6による演算を行うことなく、超音波探触子Bに取り替えた場合の遅延読み出しアドレス差を容易に得ることができる。
【0094】
以上説明したように、本発明の実施の形態1の超音波診断装置によれば、従来では、超音波探触子A,Bに関しそれぞれメモリに蓄えておく、あるいは、複雑な計算をそれぞれの探触子で行って求める必要があったフォーカスデータを、基準となる超音波探触子Aのフォーカスデータのみ記憶しておき、超音波探触子Bについては、振動子ピッチ、フォーカス距離がh倍、サンプリング周波数が固定の場合は、この超音波探触子Aのデータに所定の係数h(超音波探触子Aの中心周波数に対する超音波探触子Bの中心周波数の比率)を演算して求めることができ、また振動子ピッチおよびフォーカス距離をh倍、サンプリング周波数を1/h倍にすることで同じデータを用いることができるので、探触子データ格納部114aには、中心周波数比hのみ記憶しておき、フォーカスデータ格納部114bに格納する超音波探触子Aの受波フォーカスデータを読み出し、次に、比を乗算するか、または同じデータを使用できる。
【0095】
したがって、フォーカスデータ格納部114bの容量を小さくできるという効果がある。
【0096】
さらには、数8に示す簡単な演算によって、超音波探触子Bに取り替えた場合の読み出しアドレス差(遅延時間)を計算できるので、フォーカスのための遅延時間の計算を簡略化することができるという効果もある。
【0097】
この場合の効果は、たとえば、電子セクタ走査探触子の場合、振動子数がそれぞれm個の超音波探触子を2個使用する超音波診断装置の場合では、従来では2×m個の受波フォーカスの生成用データが必要であったものが、本実施の形態1の超音波診断装置では、m+1個のデータ数に減少する。
【0098】
超音波探触子Aの受波フォーカスデータがround(四捨五入)、または、floor(切り捨て)で与えられた場合、中心周波数の比より演算で求めたのでは、遅延時間精度が、多少悪くなることが考えられる。したがって、その分のビームへの影響が許容範囲となるように、例えば、20MHzで十分な精度を得られるものは、40MHzのサンプリングクロックを基準としておく等のように、基準サンプリング周波数f0を設定しておくことにより、遅延時間精度を許容範囲内にできる。また、受波フォーカスデータをroundあるいはfloor等で量子化する前のデータで記憶しておき、設定時に、量子化をする構成とすることで、比をかけるのみで精度を保つことができることは言うまでもない。
【0099】
(実施の形態2)
図3は本実施の形態2の超音波診断装置の信号処理部分の概略構成を示すブロック図であり、第1の波形変換手段、106は累加手段、107は第2の波形変換手段、108はデジタル参照信号発生手段、109は位相補正信号発生手段を示す。なお、前述する各手段は周知の手段を用いるものである。
【0100】
次に、図3に基づいて、従来の超音波診断装置と構成あるいは動作が異なる制御手段104にかかわる部分の動作の詳細な説明と共に、本実施の形態2の超音波診断装置の動作を説明する。ただし、以下の説明ではサンプリング周波数は固定であるとする。
【0101】
本実施の形態においては、配列超音波振動子200は、a(ただし、aは1以上の自然数)個からなり、目的とする焦点からの波面到達時間差をもって受信される。また、受波信号は、ADC100によりデジタル化(受波データに変換)された後、第1の波形変換手段105に出力される。このときのサンプリングは、サンプリングクロックfs(fs≧2f:ナイキスト定理)で行われる。
【0102】
デジタル参照信号発生手段108は、cos(ωt)(ただし、ω=2πf),sin(ωt)を第1の波形変換手段(ミキシング)105に出力し、第1の波形変換手段105で受波データと参照波信号とを乗算し、複素信号で周波数移動を行う。
【0103】
その後、累加手段(あるいは、低域通過フィルタ、実部、虚部それぞれに有する)106により和周波を削除した後、差周波成分を遅延手段101(実部、虚部それぞれに有する)で遅延制御手段104により遅延する。次に、遅延後の差周波成分を第2の波形変換手段107(位相回転部)に入力することにより、位相回転により微小遅延を実施した実部信号R,虚部信号Iを出力する。ただし、第2の波形変換手段107には、位相補正信号発生手段109より位相データが入力される。
【0104】
第2の波形変換手段107で微小遅延された実部信号R,虚部信号Iは、加算手段102で加算された後、実施の形態1と同様に、図示しない信号処理部に出力された後に図示しない表示部で表示される。
【0105】
このとき、基準となる超音波探触子Aの1番目の超音波振動子において、基準振動子n+1からの時間差をτとすると、位相回転データの位相回転角Φは、ω×τ(ω=2πf)で与えられる。したがって、位相回転データは、cos(Φ)、sin(Φ)となる。
【0106】
次に、前述の実施の形態1と同様に、超音波探触子Aを超音波探触子Bに交換した場合を考えると、遅延手段101の受波フォーカスのデータは、実施の形態1と同様となる。一方、位相回転データでは、超音波探触子Bの位相回転角Φは、下記の数9となる。
【0107】
【数9】
Figure 0003620953
【0108】
この結果から、位相回転データは、サンプリング周波数によらず変化しない。すなわち、超音波探触子Aの位相回転データをそのまま用いることができる。
【0109】
したがって、本発明の超音波診断装置を用いることにより、従来、超音波探触子Bも、数1、数2、数5、Φ=ω×τによって計算していたものが、超音波探触子の中心周波数の比であるhを用いることにより、遅延時間については、サンプリング周波数が固定の場合は、数8のみで計算できる。
【0110】
すなわち、従来では超音波探触子A,Bそれぞれメモリに蓄えていた受波フォーカスデータが、本発明を用いることにより、基準となる超音波探触子Aのフォーカスデータのみ記憶しておき、超音波探触子Bについては、遅延手段101の受波フォーカスデータは、超音波探触子Aの遅延フォーカスデータにhを演算して求めることができる。また、位相回転データは、超音波探触子Aのデータをそのまま使用できるので、超音波探触子Bの受波フォーカスデータを格納する容量の分を減少させることができる。
【0111】
この場合の効果は、たとえば、振動子数がそれぞれm個の超音波探触子を2個使用する超音波診断装置の場合では、従来では2×m個の受波フォーカスデータが必要であったものが、本実施の形態2の超音波診断装置では、m+1個のデータ数に減少する。
【0112】
また、本実施の形態においても、前述の実施の形態1と同様に、超音波探触子Aの受波フォーカスの生成用データがround(四捨五入)、または、floor(切り捨て)で与えられた場合、中心周波数の比をかけて求めたのでは、遅延時間精度が、多少悪くなることが考えられる。したがって、その分のビームへの影響が許容範囲となるように、例えば、20MHzで十分な精度を得られるものは、40MHzのサンプリングクロックを基準としておく等のように、基準サンプリング周波数fを設定しておくことにより、遅延時間精度を許容範囲内にできる。また、受波フォーカスデータをroundあるいはfloor等で量子化する前のデータで記憶しておき、設定時に、量子化をする構成とすることで、比を演算するのみで精度を保つことができることは言うまでもない。
【0113】
なお90度サンプルの場合は、変更探触子の中心周波数が1/h倍のとき、サンプリング周波数を1/h倍にすれば、数7で説明したように遅延データに変更は生じない。
【0114】
(実施の形態3)
図4は本実施の形態3の超音波診断装置の信号処理部分の概略構成を示すブロック図であり、110はラッチ手段、111は補間部を示す。なお、前述する各手段は周知の手段を用いるものである。
【0115】
次に、図4に基づいて、従来の超音波診断装置と構成あるいは動作が異なる制御手段104にかかわる部分の動作の詳細な説明と共に、本実施の形態3の超音波診断装置の動作を説明する。
【0116】
本実施の形態においては、超音波振動子で受波した受波信号をADC100によりサンプリング周波数fsでデジタル化し、その信号(受波データ)を時間遅延手段101によりサンプリング周期Tの整数倍の範囲で時間遅延した後、サンプリング周期Tより小さい遅延を補間部111で行う。
【0117】
補間部111では、ラッチ110により、サンプリング間隔で遅延後の受波データを保持し、該受波データとサンプリング関数との畳み込み処理を行うことで補間する。このときのサンプリング関数は、下記の数10となる。
【0118】
【数10】
Figure 0003620953
【0119】
次に、図5に受波データとサンプリング関数との畳み込み処理を説明するための図を示し、以下、この図5に基づいて、本実施の形態における畳み込み処理をサンプリング周波数を1/hとした場合について説明する。
【0120】
図5は、横軸に時間、縦軸に振幅を示しており、サンプリングされた受波データを示している。特に、白抜きの丸は、サンプリング周期Tでサンプルされたデ−タ点を示し、黒丸はその間を3点で補間(補間点数N=4)できることを示している。たとえば、サンプリング周期Tに対し、遅延精度Δτとした場合の補間点数N(N:整数)は、下記の数11となる。
【0121】
【数11】
Figure 0003620953
【0122】
一方、求めたい信号をS(tn)とした場合には、数10において、Nとnより求めることができる。このとき、jが補間部111の段数に相当する。超音波ビ−ムの性能を決める時間精度は、受波信号の中心周波数に比例して決まる。
【0123】
したがって、たとえば、図5に示すように、中心周波数fの受波信号が実線、サンプリング周波数が4f、N=4、段数2としていたとすると、遅延精度Δτは1/16波長精度となる。
【0124】
次に、前述する実施の形態1,2同様に、超音波探触子Aを超音波探触子Bに変更した場合では、遅延手段101のフォーカスデータは前述の実施の形態1,2と同じとなる。
【0125】
一方、補間部111の各乗算器に付与する係数データa〜aは、以下のようになる。遅延時間が、数2,数4で与えられるため、超音波探触子Aで行う微小遅延は、下記の数12となる。
【0126】
【数12】
Δxτ=τ−zT
また、超音波探触子Bでは、下記の数13となる。
【0127】
【数13】
Δxτ=hτ−hzT=h(τ−zT)=hΔxτ
ただし、zは整数、zTはサンプリング単位の遅延、Δxτはサンプリング周期以下の微少遅延量を示す。
【0128】
ここで、遅延精度が、波長で定義され、同じ波長精度とする(サンプリング周波数が1/h倍、振動子ピッチがh倍、フォーカス距離がh倍、Nが固定)。この数13から明らかなように、微小遅延時間がh倍、遅延精度が波長精度で同じということは、時間精度に直すとh倍となり、相殺されて補間データに変更は生じない。もちろんメモリの遅延データも、遅延量がh倍で、サンプリング周期(サンプリング遅延精度)もh倍なので相殺されて、変更は生じない。
【0129】
このように、本実施の形態3においても、従来では超音波探触子A,Bそれぞれメモリに蓄えていた受波フォーカスデータが、本発明を用いることにより、基準となる超音波探触子Aのフォーカスデータのみ記憶しておき、超音波探触子Bについては、遅延手段101の遅延データおよび補間手段111の補間データ(畳み込み用のデータ)は、超音波探触子Aの遅延フォーカスデータおよび補間データ(畳み込み用のデータ)をそのまま使用できるので、超音波探触子Bの受波フォーカスデータを格納する容量の分を減少させることができる。
【0130】
この場合の効果は、たとえば、振動子数がそれぞれm個の超音波探触子を2個使用する超音波診断装置の場合では、従来では2×m個の受波フォーカスの生成用データが必要であったものが、本実施の形態3の超音波診断装置では、m+1個のデータ数に減少する。サンプル周波数が固定の場合は遅延データをh倍すればよいが、補間データはhτ−zTとなり、hの係数で単純に計算することはできない。
【0131】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4として、前述する図2に示す実施の形態1の超音波診断装置に、同じ探触子で周波数を変える場合について、広帯域探触子(広帯域超音波探触子)を例にし、動作を図2に基づいて、説明する。
【0132】
広帯域探触子を用いるということは、実施の形態1における探触子AまたはBにおいて、同じ探触子であるから振動子のピッチ(振動子配列ピッチ)は固定である。超音波探触子のフォーカス距離は中心周波数がfとfでフォーカス距離を変えずに、サンプリング周波数も変えないとする。この場合、超音波探触子の構造変化はなく、前述の数1、数2および数4〜7より明らかなように、遅延時間のフォーカスデータに変更はない。
【0133】
したがって、広帯域探触子を用いた場合は、図2に示す実施の形態1の超音波診断装置の入力が超音波探触子A,Bが広帯域探触子に変更になっただけであり、他の構成は図2に示す構成がそのまま適用できる。
【0134】
したがって、図2に示す本発明の実施の形態1の超音波診断装置に、広帯域探触子を適用し、中心周波数を変えた場合においても、サンプル周波数とフォーカス距離に変更がなければ、同じ遅延データを用いることができる。90度サンプルのようにフォーカス距離を変えずにサンプリング周波数を比で与えた場合には1/h倍することで対応できる。基準となる周波数の探触子の受波フォーカスデータのみ記憶しておき、他の周波数の部分については、この基準となる周波数のデータに所定の係数1/h(基準となる周波数に対する周波数の比率)をかけて求めることができるので、探触子データ格納部114aには、中心周波数比hのみ記憶しておき、フォーカスデータ格納部114bに格納する超音波探触子Aの受波フォーカスデータを読み出し、次に、比を演算することで求められる。または、同じデータを使用できる。
【0135】
したがって、フォーカスデータ格納部114bに格納するデータの容量を小さくできるので、フォーカスデータ格納部114bの記憶容量を小さくできるという効果がある。
【0136】
この場合の効果は、たとえば、振動子数がそれぞれm個の超音波探触子を2個使用する超音波診断装置の場合では、従来では2×m個の受波フォーカスの生成用データが必要であったものが、本実施の形態4の超音波診断装置では、m個のデータ数に減少する。
【0137】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5として、前述する図3に示す実施の形態2の超音波診断装置に、広帯域探触子を用いた場合の動作を図3に基づいて、説明する。
【0138】
広帯域探触子で中心周波数を変えるということは、実施の形態1における探触子AまたはBにおいて、振動子のピッチは固定であり、超音波探触子のフォーカス距離およびサンプリング周波数をともに変更しない場合、超音波探触子の構造変化はなく、前述の数1〜6より明らかなように、遅延時間のフォーカスデータに変更はない。また、数2および数5より遅延時間は同じである。また、位相は、数8よりΦ/hとなる。サンプリング周波数を変更すると数8のTにhTを代入し、遅延時間は1/hになる。また、位相データは、Φ/hとなる。
【0139】
したがって、広帯域探触子で中心周波数(送受信周波数)のみ変わる場合は、周波数比hで割る手段を設けることで、前述する実施の形態2の超音波診断装置と同様に、実施の形態5の超音波診断装置においても、受波フォーカスデータとして、すべてのΦデータをもつ必要はなくなる。
【0140】
したがって、図3に示す本発明の実施の形態2の超音波診断装置に、広帯域探触子を適用した場合においても、従来では、広帯域探触子の中心周波数毎にそれぞれメモリに蓄えておく必要があったフォーカスデータを、基準となる周波数の探触子の受波フォーカスデータのみ記憶しておき、他の周波数の部分については、この基準となる周波数のデータに所定の係数h(基準となる周波数に対する周波数の比率)により演算して求めることができるので、探触子データ格納部114aには、中心周波数比hのみ記憶しておき、フォーカスデータ格納部114bに格納する超音波探触子Aの受波フォーカスデータを読み出し、次に、比を乗算することで求められる。または、同じデータをそのまま使える。
【0141】
したがって、フォーカスデータ格納部114bに格納するデータの容量を小さくできるので、フォーカスデータ格納部114bの記憶容量を小さくできるという効果がある。
【0142】
この場合の効果は、たとえば、振動子数がそれぞれm個の超音波探触子を3個使用する超音波診断装置の場合では、従来では3×m個の受波フォーカスの生成用データが必要であったものが、本実施の形態5の超音波診断装置では、m+2個のデータ数に減少する。
【0143】
なお、以上の説明においては、超音波探触子の口径すなわち振動子数×振動子のピッチについては特に規定していないが、たとえば、複数個の超音波探触子の内で、最も口径の大きい超音波探触子の中心周波数を基準として、他の超音波探触子の中心周波数の比率を格納しておくことにより、本発明が適用できる。ただし、この場合には、基準とした超音波探触子よりも口径の小さい超音波探触子の振動子のない部分は使用しない。
【0144】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0145】
たとえば、前述した方式にかかわらず、中心周波数で探触子設定条件、使用条件を規格化(波長でも同じ)することができ、フォーカスデータを軽減することができる。上記実施例では、基準となる探触子のフォーカスデータが記憶されていたが、フォーカスデータを演算するに必要なデータ(ピッチ、距離、周波数等)のみ記憶または、与えて、演算により基準となるフォーカスデータを計算するようなシステムにおいても周波数を変えた場合に、その比により、さらに簡単な演算でそのフォーカスデータを求めることができる。
【0146】
また、本実施の形態においては、セクタ走査の場合について説明したが、これに限定されることはなく、リニアおよびコンベックス走査等の他の走査でもよいことはいうまでもない。
【0147】
また、本実施の形態においては、受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、中心周波数を格納する第2の格納手段とは、別々の格納手段であっても、または、同一の格納手段で格納場所を変えているものであってもよいことはいうまでもない。たとえば、メモリを2個持つか、あるいは、1個のメモリでアドレスで区別するかであって、本発明では、第1の格納手段と第2の格納手段とは、その両者を区別するためのものではない。
【0148】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0149】
(1)2以上の超音波探触子を使用する超音波診断装置を小型で低価格にできる。
【0150】
(2)2以上の超音波探触子を使用する超音波診断装置において、診断効率を向上することができる。
【0151】
(3)2個以上の超音波探触子を使用する超音波診断装置において、受波フォーカスデータ量を低減することができる。
【0152】
(4)2個以上の超音波探触子を使用する超音波診断装置において、データ記憶手段の記憶容量を低減することができる。
【0153】
(5)2個以上の超音波探触子を使用する超音波診断装置において、フォーカスのための遅延時間の計算を簡略化することができる。
【0154】
(6)広帯域超音波探触子等の同じ探触子で複数の周波数に対応する場合において、受波フォーカスデータ量を低減することができる。
【0155】
(7)広帯域超音波探触子等の同じ探触子で複数の周波数に対応する場合において、必要記憶容量を低減することができる。
【0156】
(8)広帯域超音波探触子等の同じ探触子で複数の周波数に対応する場合において、フォーカスのための遅延時間の計算、および、微小遅延に伴う補間処理の計算を簡略化することができる。
【0157】
(9)広帯域超音波探触子等の同じ探触子で複数の周波数に対応する場合において、診断効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理となる基準の超音波探触子Aの受波フォーカスの計算を説明するための図である。
【図2】本実施の形態1の超音波診断装置の信号処理部分の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態2の超音波診断装置の信号処理部分の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態3の超音波診断装置の信号処理部分の概略構成を示すブロック図である。
【図5】受波データとサンプリング関数との畳み込み処理を説明するための図である。
【符号の説明】
100…ADC(A/D変換器、アナログデジタル変換器)、101…遅延手段、102…加算手段、103…サンプリング信号発生手段、104…遅延制御手段、112…信号処理部、113…表示部、114…フォーカスデータ発生部、114a…探触子データ格納部、114b…フォーカスデータ格納部、114c…演算部、第1の波形変換手段、106…累加手段、107…第2の波形変換手段、108…デジタル参照信号発生手段、109…位相補正信号発生手段、110…ラッチ手段、111…補間部。

Claims (8)

  1. 超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、前記受波データに所定の遅延を行い、遅延後の受波データを加算して超音波像を構成する超音波診断装置であって、
    所定の超音波探触子の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、該受波データに受信周波数と同じ周波数の参照信号を乗算し、該乗算後の受波データの内で差周波成分の受波データを遅延し、該遅延後の受波データに位相回転による位相補正を行った後、該位相補正後の受波データを加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、
    所定の超音波探触子の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  3. 超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号を受波信号の中心周波数の4倍のサンプリング周波数でサンプリングして受波データに変換した後、該受波データを格納し、所定の遅延時間の該受波データを90°位相で読み出し、複素信号の位相を制御し加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、
    所定の超音波探触子の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  4. 超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、複数の受波信号を複数のアナログデジタル変換機によりそれぞれデジタル信号に変換し該受波データを格納し、読み出しタイミングによりデジタル信号を遅延処理し、微小遅延の補間を、フィルタの係数を設定することにより実現する超音波ビームを形成する方式の超音波診断装置であって、
    所定の超音波探触子の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  5. 超音波を送波および受波する複数の振動子からなる超音波探触子を2以上有し、前記超音波探触子ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、該受波データに受信周波数と同じ周波数の参照信号を乗算し、該乗算後の受波データの内で差周波成分の受波データを遅延し、該遅延後の受波データに位相回転に よる位相補正を行った後、該位相補正後の受波データを加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、
    所定の超音波探触子の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の超音波探触子と他の超音波探触子との中心周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の超音波探触子で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数との比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備し、前記他の超音波探触子を使用する場合に、前記所定の超音波探触子の中心周波数に対する他の超音波探触子の中心周波数が1/h倍であるとき、前記計算手段は前記他の超音波探触子の配列ピッチおよびフォーカス距離をh倍とし、サンプリング周波数はそのままとすることを特徴とする超音波診断装置。
  6. 超音波を送波および受波する複数の振動子からなり、複数の周波数で送受信できる超音波探触子を有し、前記超音波探触子の使用する周波数ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、前記受波データの内で所定の遅延時間の受波データを加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、所定の送受信周波数の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の送受信周波数と他の送受信周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の送受信周波数で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数の比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  7. 超音波を送波および受波する複数の振動子からなり、複数の周波数で送受信できる超音波探触子を有し、前記超音波探触子の使用する周波数ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号をデジタル信号の受波データに変換した後、該受波データに受信周波数と同じ周波数の参照信号を乗算し、該乗算後の受波データの内で差周波成分の受波データを遅延し、該遅延後の受波データに位相回転による位相補正を行った後、該位相補正 後の受波データを加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、
    所定の送受信周波数の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の送受信周波数と他の送受信周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の送受信周波数で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数の比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
  8. 超音波を送波および受波する複数の振動子からなり、複数の周波数で送受信できる超音波探触子を有し、前記超音波探触子の使用する周波数ごとの受波フォーカスデータに基づいて、前記振動子が受波した超音波信号を受波信号の中心周波数の4倍のサンプリング周波数でサンプリングして受波データに変換した後、該受波データを格納し、所定の遅延時間の該受波データを90°位相で読み出し、複素信号の位相を制御し加算して超音波像を構成する整相方式の超音波診断装置であって、
    所定の送受信周波数の受波フォーカスデータを格納する第1の格納手段と、前記所定の送受信周波数と他の送受信周波数の比を格納する第2の格納手段と、前記他の送受信周波数で受波した超音波信号から超音波像を構成する場合には、前記第1の格納手段に格納された前記所定の超音波探触子の受波フォーカスデータと前記第2の格納手段に格納する中心周波数の比に基づいて、前記受波フォーカスデータを計算する計算手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
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