JP3575601B2 - 電子光学部品用ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像素子、フォトセンサ、リニアセンサ等の電子装置に用いられるカバーガラスに好適な電子光学部品用ガラスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子、フォトセンサ、リニアセンサ等は、受光素子である半導体チップをパッケージ内に納め、パッケージの受光面側にカバーガラス(パッケージシールガラス)を封着した構造をもっている。これらの半導体センサ、たとえばテレビカメラ等に応用される固体撮像素子は、機器の小型・軽量化の進展とともに受光面積を縮小され、一方で高解像度化の要請に応えて画素数を増大させてきた。このため、一画素あたりの信号レベルは相対的に低下し、極めて微小なノイズが画質向上の大きな妨げになってきている。固体撮像素子の高解像度化を達成するためには、一画素あたりの感度を上げるとともにできるだけノイズを減らす必要がある。
【0003】
そして、これら半導体センサの部品として使用される上記カバーガラスについてもノイズ発生源とならないように高い品質が求められている。たとえば、内部欠陥のない光学的に均質な材料特性、高い透過率特性、傷や付着物のない清浄な表面状態などである。これらの要求はカバーガラスのみならずその前面に近接配置され固体撮像素子などの視感度補正に使用されるフィルタ等にも同様のことが言える。さらに最近では、上記カバーガラスから放出されるα線などの放射線が固体撮像素子に誤動作を引き起こしノイズとなることが分かっており、放射線放出量を低減したガラスが開発されている。この種のガラスとしては、たとえば、特開平5−279074号公報、特開平7−109145号公報、特開平7−242437号公報に記載されたものがある。これらのガラスは、組成上の観点から放射性同位元素を含みにくい成分を選択的に使用し、ガラスからの放射線放出に起因する固体撮像素子のノイズ発生を低減したものである。
【0004】
一方、ガラスは切断面がシャープであるため、普通端面を処理して使用される。小型の電子光学部品用ガラスは、ガラス塊からスライスまたはスクライビングされて所定の大きさに形成されるため、切断後の端面は鋭角なエッジをもっている。しかし、そのままでは取扱上危険であり、端面部の傷からクラックを生じたり、欠けたガラス破片により表面に新たな傷を付けたりして製品を不良化してしまう問題がある。このため従来は、端面部(四角いガラス基板の場合、四隅および八稜部)を機械的に面取りしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにこの種のガラスは、母材ガラスからの切り出し、面取り、光学研磨を経て、精密洗浄を行ってダストのつかないクリーンな状態で包装、出荷されなければならない。ところが、ガラスの研磨工程そのものは一般的な光学ガラスと同様の方法で行われているため、以下のような問題があることがわかってきた。
【0006】
つまり、ラッピング工程での研磨材として、アルミナ、ジルコニア化合物が用いられ、ポリッシング工程での研磨材としては、酸化ジルコニウムや酸化セリウムが用いられている。ジルコニウムやセリウムは遷移金属あるいは希土類金属に属し、α線放出性が高くしかもそれを精製分離することは極めて困難である。このため、これらの研磨材がガラス表面に少しでも残存付着していた場合、上述したカバーガラスの要求特性上(清浄な表面状態)好ましくない上、ガラス素材が上記放射線対策を施されたものであっても、研磨材粒子からの放射線によって固体撮像素子などのセンサにノイズが発生し、せっかくの素材が意味をなさないほどの欠陥になってしまう。
【0007】
したがって、研磨後に超音波洗浄機等により精密洗浄を行ってガラス表面の清浄度を高度に保っている。しかし、ガラス基板の端面部分は、芯取機で外径寸法を整え、チッピング防止のために面取りしただけの状態であり、それゆえ端面部および面取部は表面粗さが粗く、この微細な凹凸の中に研磨材粒子が入り込むことがある。また、端面部や面取部の微細凹凸の中に入り込んだ研磨材粒子が、超音波洗浄によって表面に滲み出てくることもわかった。洗浄の後、このような研磨材が汚れとして確認できるものは検査工程で取り除くことが可能であるが、ガラス基板のみの検査で、研磨材粒子からの放射線によってセンサにノイズが発生するものすべてを取り除くことは困難であり、その結果、組み立てたセンサ段階での不良が増加することになりかねない。
【0008】
また、芯取機ではダイヤモンドホイール等の研削砥石によって機械的に研削を行っているため、端面部および面取部には研削砥石では除去し切れない微細なクラックが残存したり、研削抵抗により新たなクラックが形成されたりして、後工程や搬送途中での接触・振動等により欠け(チッピング)の発生、そこから生じた二次的なチッピング粒子によるガラス基板表面への付着や傷付きが発生することもある。こうしたチッピングは10μm以上のものであることが多く、本発明の電子光学部品用ガラスでは3μm以上の表面欠点は不良とされるため、それだけで使用不可能となる。
【0009】
以上のような課題認識に基づき、本発明で扱う半導体装置に用いられる電子光学部品用ガラスには、半導体パッケージに封止されるパッケージシールガラスやその前面近傍に配設されて用いられる赤外線吸収フィルタ等の小型フィルタを包含するものとする。
【0010】
本発明は以上のような背景から、加工洗浄工程で起こる放射線特性の低下や加工欠点をなくし、半導体装置に用いられる電子光学部品用ガラスとして欠点のないものを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、基板の端面部や面取部において研磨材が残存しない条件を定めるとともにその加工工程を改善したものである。
【0012】
すなわち本発明は、低放射線放出性ガラスからなる固体撮像素子の赤外線カットフィルタまたはパッケージシールガラスであってガラス基板の周縁部を面取りした電子光学部品用ガラスの製造方法において、前記ガラス基板の端面および面取り部をエッチング処理することにより前記端面および面取り部の表面粗さ(Ra)を触針式の表面粗さ計を用いて測定長30μmの範囲で0.5μm以下とする工程と、エッチング処理した後に前記ガラス基板の板面を研磨処理する工程とを有し、これにより前記ガラス基板への研磨材の残存付着に起因する放射線放出量を低減することを特徴とする電子光学部品用ガラスの製造方法である。このように構成することで、基板の端面部や面取部の凹凸に研磨材が入り込んで残存することがなくなる。なお、ここで触針式の表面粗さ計の測定操作範囲を30μmとした理由は、基板の端面部や面取部には研削加工による大小様々な凹凸が存在し、測定操作範囲を広く取ると多くの凹凸を跨いでしまい表面粗さの精度がでないためである。しかも大きくなだらかな凹凸には研磨材が入り込んで保持されるおそれがないため、測定操作範囲を上記のように限定し、本発明の目的達成に実質的に影響する表面粗さを明確にした。また前記測定操作範囲内で表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であれば、研磨材がガラスの凹凸に入り込むことはほとんどなくなる。より好ましくは表面粗さ(Ra)0.4μm以下である。逆に表面粗さが0.5μmより大きい場合にはその凹凸内に研磨材や研磨屑が残存し、上記目的達成が困難になる。
【0013】
そして、このガラス基板の端面および面取り部は、エッチング処理されたものであることが好ましい。エッチングにより、機械的研磨の難しい端面および面取り部の表面状態を容易に円滑化でき、上記表面粗さとすることができる。
【0014】
また、前記ガラス基板は少なくともその端面部をエッチング処理した後、前記ガラス基板の板面を研磨処理することが好ましい。当然のことながら、研磨材の残存をなくすことが目的であるから、研磨を行う前に研磨材の入り込む余地をなくしておかなければならない。したがって、エッチング処理を行って端面部を平滑化した後に研磨処理を行う。
【0015】
エッチングの方法としては、ガラス基板とエッチング液とを動態接触させることによって行うことが好ましい。つまり、ガラス基板をエッチング液に浸漬するだけでなく、両者の接触面が変化するように撹拌あるいは流動化させておく。これによって、エッチングの進行をを均一化しかつ促進できる。具体的には、密閉容器中に前記ガラス基板とエッチング液を収容し、この密閉容器を回転または振動させることにより前記ガラス基板の面取り加工とエッチング処理を同時に行うことが可能である。本発明においては、エッチング処理した後にガラス基板の板面を研磨するので、板面がエッチングされても何等差し支えない。従来、エッチングにより端面処理または面取りを行う場合には板面に影響が及ばないよう、塗布膜や貼着シート等の板面保護手段を講じるか特開昭57−34049号公報記載のように基板を重ね合わせ端面のみを露出させるなどの繁雑な工程を必要としたが、本発明の方法によれば、このような工程は必要なく、小型大量あるいは形状・寸法の異なる基板でも効率よく処理することができる。
【0016】
また、エッチング液としては、HFとHSOの混酸水溶液が適当である。エッチングされたガラス中のシリカ成分はHFにより珪弗化水素酸となるが、ガラス中には他の成分、たとえばNaやK等も存在するので、この成分がNaSiFやKSiFなどの水に対する溶解度の低い化合物を生じる。これらの化合物がガラス表面に付着したままになると、HFとガラスとの接触を妨げ、エッチングが進行しなくなり、エッチングレートの低下等の不都合を生じる。しかし、HSOの存在下では、NaSiFはNaSOに、KSiFはKSOになるため、HFが再生されエッチングは停滞することなく進行する。これによりエッチング速度が一定となって、時間とエッチング量が比例関係となるため、工程管理が正確かつ容易に行える利点がある。
【0017】
なお、本発明はエッチング処理によって同時に面取りを行えるほか、あらかじめ機械的に面取りを行った基板に対してエッチングすることも可能である。この場合のエッチングは、目的が面取りではなく表面粗さを小さくすることにあるため、エッチング量としては僅かでよく外径精度にも影響しない。エッチング量を多く設定する場合には、上記エッチング液の使用によりエッチング速度を一定にできるため、エッチング量を見込んであらかじめ基板を大きめに加工しておくことで対応できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
<実施の形態1>
本発明を実施するにあたっては、素材ガラスとして放射線放出の少ないガラスを使用しなければ発明の本来的目的を達成できないので、一例として特開平5−279074号公報に記載された固体撮像素子用カバーガラスを用いた。使用したガラスは、質量%で、SiO 72.2%,Al 3.5%,B 15.0%,NaO 8.0%,KO 0.3%,As 0.8%,Sb 0.2%からなる組成をを有する。高純度に精製された原料を用いて前記組成となるよう調合し、1480℃の電気炉で5時間白金ルツボを使用して溶融した。その後、炉内より取り出して型内に鋳込みブロック状に成形し、室温まで徐冷した。得られたガラスブロックを母材としてスライスし、芯取機で所定の製品形状に面取り加工した。次に、このガラス基板400枚をエッチング液に10時間浸漬した。エッチング液は、HF:HSOのモル比が1:3となるように混合した液の2質量%水溶液を使用した。このとき、ガラス基板の板面保護等は行わず、基板同士が不規則に重なり合わないようにバラバラな状態で浸漬する。エッチング終了後、1500番のラップ砂でラッピングを行い、次いで酸化セリウムの研磨材でポリッシングを行った後、クリーンルーム内の超音波洗浄機を用いて精密洗浄を行い、乾燥して12×12×0.8mmのカバーガラスを作成した。また、以上の工程からエッチングを省略した以外は同様にして製作したカバーガラスを比較例として同数作成した。いずれもカバーガラス1の形状は、図1にその断面を模式的に示すように、稜部に形成された面取り部2と端面3とを有する。
【0020】
得られたカバーガラスについて、以下のようにして評価を行った。まず、端面および面取り部の表面粗さは、12.5μmの触針を用いた触針式表面粗さ計で測定操作範囲を30μmとし、無作為に抽出した20個の試料につき5点測定した値の平均値を表1に示す。なお、表中の表面粗さの単位はμmで表示した。
【0021】
次にα線放出量は、全試料について、2πガスフロー式比例計数管を用いた超低レベルα線測定装置を使用し、実装時半導体チップと対向するカバーガラスの研磨面から放出されるα線を測定できるように、カバーガラスを平面状に載置して測定した値の平均値を表2に示した。
【0022】
また、研磨傷、汚れなど3μm以上の表面欠点の有無を検査した。検査は、全試料について、クリーンルーム内で暗視野において130Wのライトガイド付ハロゲンランプを用いて目視で行った。この結果を傷不良と汚れ不良とに分けて表2に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0003575601
【0024】
【表2】
Figure 0003575601
【0025】
以上の結果、表面粗さは本発明に係るガラスとエッチングしていない比較例との比較から、本発明に係るガラスの方がかなり小さくなっており、それを反映してガラスからのα線放出量も大幅な低減が見られた。
【0026】
また、表面欠点の有無を調べた外観検査の結果でも、本発明に係るガラスは傷不良が1%,汚れ不良は皆無となり、比較例に比べて歩留向上が図られている。
【0027】
表1および2の結果から、同一のガラス素材における比較により、エッチングにより表面粗さを所定値以下にしたガラスでは、研磨材などの残存がほとんどなく、α線放出量も低減できることが明らかである。
【0028】
したがって、ガラス基板の端面および面取り部をエッチング処理し、この端面および面取り部の表面粗さを測定長30μmの範囲で0.5μm以下とすることによって、放射線放出量に明確な差異があることを検証できた。
【0029】
<実施の形態2> 実施の形態1と同様、質量%で、SiO 72.2%,Al 3.5%,B 15.0%,NaO 8.0%,KO 0.3%,As 0.8%,Sb 0.2%からなる組成をを有するガラスを溶融し、母材となるガラスブロックを作成した。この母材から所定の寸法(10.3×10.3×0.95mm)にスクライブしたガラス板を作成する。本実施の形態では、芯取機による機械的面取りは行わず、エッチング処理により面取り加工を行った。日本ダイヤ社製ダイヤバレル研磨機を用い、前記ガラス板300枚をゴムライニングした円筒形のポットに入れ、それに加工を促進するためのコーンと呼ばれる円錐形の充填材とエッチング液を加えてポットを密閉し、このポットを15rpmの回転数で8時間回転させた。密閉容器を使用することで異物の混入を防ぐとともに液漏れを防止でき、回転を加えることでポットの内容物に撹拌作用を与えエッチングを均一に促進できる。エッチング液は、HF:HSOのモル比が1:4となるように混合した液の15質量%水溶液を使用した。エッチング終了後、1500番のラップ砂でラッピングを行い、次いで酸化セリウムの研磨材でポリッシングを行った後、クリーンルーム内の超音波洗浄機を用いて精密洗浄を行い、乾燥して10×10×0.6mmのカバーガラスを得た。
【0030】
得られたカバーガラスの端面部形状は、機械的面取りと異なり断面円弧状の曲面になっていた。これらのカバーガラスについても実施の形態1と同様にして表面粗さを測定した。すなわち、12.5μmの触針を用いた触針式表面粗さ計で測定操作範囲を30μmとし、無作為に抽出した20個の試料につき各々端面部を5点測定した値の平均値を求めた。この結果、20個の試料のうち最小が0.076μm、最大が0.165μm、平均が0.116μm、標準偏差0.025であり、機械的面取りを行わずエッチングによる処理量が大きいため、上記実施の形態1よりも平均粗さは小さくなり、平滑化の効果はより高いものであった。
【0031】
また、α線放出量についても2πガスフロー式比例計数管を用いた超低レベルα線測定装置を使用して全試料を測定し、上記実施の形態1と同程度の低いレベルであることを確認した。
【0032】
したがって、本方法によれば、機械的面取りの手間が省けるとともに機械的面取り時の研削抵抗による新たなクラックの形成や欠けの発生を回避することができる利点がある。またこの方法によっても表面粗さを上記所定値以下にしたガラスでは、研磨材などの残存がほとんどなく、α線放出量も低減できる。
【0033】
なお、エッチング液の組成、濃度は基板となるガラス、エッチング量等の条件によって適宜変更して実施される。また上記実施の形態2ではポットを密閉した状態で回転させることによりエッチングを行ったが、ポットに振動を与えることによって内容物を撹拌または流動させてもよいし、ポットは固定のままエッチング液に循環流を与えて撹拌作用を起こさせてもよい。エッチング液の液漏れや液撥ねを気にしなければ、非密閉容器でエッチングを行うことも可能である。要するに、ガラス基板が相互接触して損傷するようなことがないように注意してガラス基板とエッチング液とを動態接触させることによって、エッチング速度を増大でき、面取りを均一かつ効率的に進行させることができる。これは、エッチング作用により面取りまで行う場合にはエッチング量が多くなるため効果的である。
【0034】
次に、これらカバーガラスの搬送過程における影響を調査した。上記実施の形態1および2で作製したカバーガラスと、実施の形態1で比較例として作製したカバーガラスから不良品を取り除いて、それぞれ100枚を図2に断面を示すような輸送用パッケージ1に別々に収容する。輸送用パッケージ4は、カバーガラス1同士が触れないように個別に仕切りが設けられている。各輸送用パッケージ4にカバーガラス1を収容した後、カバーガラス1の上辺が不要に動かないように塩化ビニール製の蓋5を被せて真空パックした。次いでこの輸送用パッケージ4に60分間振動を加えた後、開封してカバーガラス1の外観を検査した。検査の方法は、上記実施の形態1と同じである。
【0035】
この結果、エッチングを施していない比較例のカバーガラスでは基板端部とパッケージ1または蓋5との摩擦によって発生したと思われる微細なダスト、あるいは面取り部から発生したと考えられる2〜20μm程度のガラス屑が、カバーガラスの平板面に付着しているものが13枚発見されたが、本発明に係る実施の形態1および2で作製したカバーガラスでは、このような不良の発生は皆無であった。本発明に係るカバーガラスは、基板の端面および面取り部が平滑なためパッケージとの間の摩擦によるダストが発生しにくく、輸送中の振動によってもガラス屑等が発生しないことが確認された。
【0036】
以上の実施の形態では、固体撮像素子用カバーガラスを例として説明したが、この他の受光素子用カバーガラスとしても同様の効果が得られる。また燐酸塩系ガラスまたは弗燐酸塩系ガラスからなる固体撮像素子用視感度補正フィルタにおいても上記カバーガラスと同様の製造工程を辿ることから、本発明を適用することによって、傷不良等の加工・輸送上の不良発生を格段に低減することができた。また、研磨材の残存付着がなくなり研磨材に由来するα線放射の極めて少ないガラスを提供できるので、本発明をEP−ROM等の光消去型半導体メモリの透光窓に使用すれば、放射線によるメモリエラーの発生を極めて少なくすることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、少なくとも端面部および面取り部をエッチング処理し、その表面粗さを所定値以下とすることにより、研磨後のガラスへの研磨材付着を減少させることができ、研磨材に由来する放射線放出の極めて少ないガラス製品を提供できる。また端面部の平滑化により、この種のガラスの代表的欠点である傷不良の原因となっているポリッシング時の側面からのチッピングや搬送中の包装材との接触によるチッピングを防止し、製品歩留を向上できる。
【0038】
また、エッチング液によって面取りを同時に行うことにより、工程が簡略化され、機械的面取りによる新たなクラックの形成や欠けの発生もなくせる利点がある。さらに、ガラス基板とエッチング液とを動態接触させることによって、エッチング速度を増大でき、面取りを均一かつ効率的に進行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1で作成したカバーガラスの模式的断面図である。
【図2】輸送用パッケージにカバーガラスを収納した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カバーガラス
2 面取り部
3 端面
4 輸送用パッケージ
5 蓋

Claims (2)

  1. 低放射線放出性ガラスからなる固体撮像素子の赤外線カットフィルタまたはパッケージシールガラスであってガラス基板の周縁部を面取りした電子光学部品用ガラスの製造方法において、前記ガラス基板の端面および面取り部をエッチング処理することにより前記端面および面取り部の表面粗さ(Ra)を触針式の表面粗さ計を用いて測定長30μmの範囲で0.5μm以下とする工程と、エッチング処理した後に前記ガラス基板の板面を研磨処理する工程とを有し、これにより前記ガラス基板への研磨材の残存付着に起因する放射線放出量を低減することを特徴とする電子光学部品用ガラスの製造方法。
  2. 低放射線放出性ガラスからなる固体撮像素子の赤外線カットフィルタまたはパッケージシールガラスであってガラス基板の周縁部を面取りした電子光学部品用ガラスの製造方法において、ガラス基板の周縁部を面取加工する工程と、面取りされたガラス基板の端面および面取り部をエッチング処理することにより前記端面および面取り部の表面粗さ(Ra)を触針式の表面粗さ計を用いて測定長30μmの範囲で0.5μm以下とする工程と、エッチング処理した後に前記ガラス基板の板面を研磨処理する工程とを有し、これにより前記ガラス基板への研磨材の残存付着に起因する放射線放出量を低減することを特徴とする電子光学部品用ガラスの製造方法。
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