JP2001139348A - 電子光学部品用ガラス - Google Patents

電子光学部品用ガラス

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JP2001139348A JP2000291387A JP2000291387A JP2001139348A JP 2001139348 A JP2001139348 A JP 2001139348A JP 2000291387 A JP2000291387 A JP 2000291387A JP 2000291387 A JP2000291387 A JP 2000291387A JP 2001139348 A JP2001139348 A JP 2001139348A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子光学部品用ガラスの加工洗浄工程で起こ
る放射線特性の低下や加工欠点をなくすこと。 【解決手段】 所定形状に切り出されたガラス基板をエ
ッチング処理した後、前記ガラス基板の板面をラッピン
グおよびポリッシング加工することによって、触針式の
表面粗さ計を用いて測定長30μmの範囲で、前記ガラ
ス基板の端面または面取り部の表面粗さを0.5μm以
下とし、ガラス表面残留物をなくし、またガラスを欠け
にくくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体撮像素子、フォ
トセンサ、リニアセンサ等の電子装置に用いられるカバ
ーガラスに好適な電子光学部品用ガラスとその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】固体撮像素子、フォトセンサ、リニアセ
ンサ等は、受光素子である半導体チップをパッケージ内
に納め、パッケージの受光面側にカバーガラス(パッケ
ージシールガラス)を封着した構造をもっている。これ
らの半導体センサ、たとえばテレビカメラ等に応用され
る固体撮像素子は、機器の小型・軽量化の進展とともに
受光面積を縮小され、一方で高解像度化の要請に応えて
画素数を増大させてきた。このため、一画素あたりの信
号レベルは相対的に低下し、極めて微小なノイズが画質
向上の大きな妨げになってきている。固体撮像素子の高
解像度化を達成するためには、一画素あたりの感度を上
げるとともにできるだけノイズを減らす必要がある。
【0003】そして、これら半導体センサの部品として
使用される上記カバーガラスについてもノイズ発生源と
ならないように高い品質が求められている。たとえば、
内部欠陥のない光学的に均質な材料特性、高い透過率特
性、傷や付着物のない清浄な表面状態などである。これ
らの要求はカバーガラスのみならずその前面に近接配置
され固体撮像素子などの視感度補正に使用されるフィル
タ等にも同様のことが言える。さらに最近では、上記カ
バーガラスから放出されるα線などの放射線が固体撮像
素子に誤動作を引き起こしノイズとなることが分かって
おり、放射線放出量を低減したガラスが開発されてい
る。この種のガラスとしては、たとえば、特開平5-2790
74号公報、特開平7-109145号公報、特開平7-242437号公
報に記載されたものがある。これらのガラスは、組成上
の観点から放射性同位元素を含みにくい成分を選択的に
使用し、ガラスからの放射線放出に起因する固体撮像素
子のノイズ発生を低減したものである。
【0004】一方、ガラスは切断面がシャープであるた
め、普通端面を処理して使用される。小型の電子光学部
品用ガラスは、ガラス塊からスライスまたはスクライビ
ングされて所定の大きさに形成されるため、切断後の端
面は鋭角なエッジをもっている。しかし、そのままでは
取扱上危険であり、端面部の傷からクラックを生じた
り、欠けたガラス破片により表面に新たな傷を付けたり
して製品を不良化してしまう問題がある。このため従来
は、端面部(四角いガラス基板の場合、四隅および八稜
部)を機械的に面取りしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにこの種の
ガラスは、母材ガラスからの切り出し、面取り、光学研
磨を経て、精密洗浄を行ってダストのつかないクリーン
な状態で包装、出荷されなければならない。ところが、
ガラスの研磨工程そのものは一般的な光学ガラスと同様
の方法で行われているため、以下のような問題があるこ
とがわかってきた。
【0006】つまり、ラッピング工程での研磨材とし
て、アルミナ、ジルコニア化合物が用いられ、ポリッシ
ング工程での研磨材としては、酸化ジルコニウムや酸化
セリウムが用いられている。ジルコニウムやセリウムは
遷移金属あるいは希土類金属に属し、α線放出性が高く
しかもそれを精製分離することは極めて困難である。こ
のため、これらの研磨材がガラス表面に少しでも残存付
着していた場合、上述したカバーガラスの要求特性上
(清浄な表面状態)好ましくない上、ガラス素材が上記
放射線対策を施されたものであっても、研磨材粒子から
の放射線によって固体撮像素子などのセンサにノイズが
発生し、せっかくの素材が意味をなさないほどの欠陥に
なってしまう。
【0007】したがって、研磨後に超音波洗浄機等によ
り精密洗浄を行ってガラス表面の清浄度を高度に保って
いる。しかし、ガラス基板の端面部分は、芯取機で外径
寸法を整え、チッピング防止のために面取りしただけの
状態であり、それゆえ端面部および面取部は表面粗さが
粗く、この微細な凹凸の中に研磨材粒子が入り込むこと
がある。また、端面部や面取部の微細凹凸の中に入り込
んだ研磨材粒子が、超音波洗浄によって表面に滲み出て
くることもわかった。洗浄の後、このような研磨材が汚
れとして確認できるものは検査工程で取り除くことが可
能であるが、ガラス基板のみの検査で、研磨材粒子から
の放射線によってセンサにノイズが発生するものすべて
を取り除くことは困難であり、その結果、組み立てたセ
ンサ段階での不良が増加することになりかねない。
【0008】また、芯取機ではダイヤモンドホイール等
の研削砥石によって機械的に研削を行っているため、端
面部および面取部には研削砥石では除去し切れない微細
なクラックが残存したり、研削抵抗により新たなクラッ
クが形成されたりして、後工程や搬送途中での接触・振
動等により欠け(チッピング)の発生、そこから生じた
二次的なチッピング粒子によるガラス基板表面への付着
や傷付きが発生することもある。こうしたチッピングは
10μm以上のものであることが多く、本発明の電子光
学部品用ガラスでは3μm以上の表面欠点は不良とされ
るため、それだけで使用不可能となる。
【0009】以上のような課題認識に基づき、本発明で
扱う半導体装置に用いられる電子光学部品用ガラスに
は、半導体パッケージに封止されるパッケージシールガ
ラスやその前面近傍に配設されて用いられる赤外線吸収
フィルタ等の小型フィルタを包含するものとする。
【0010】本発明は以上のような背景から、加工洗浄
工程で起こる放射線特性の低下や加工欠点をなくし、半
導体装置に用いられる電子光学部品用ガラスとして欠点
のないものを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、基板の端面部や面取部において研磨材が残
存しない条件を定めるとともにその加工工程を改善した
ものである。
【0012】すなわち本発明は、ガラス基板の周縁部を
面取りした電子光学部品用ガラスにおいて、触針式の表
面粗さ計を用いて測定長30μmの範囲で、前記ガラス
基板の端面および面取り部の表面粗さ(Ra)が0.5
μm以下であることを特徴とする電子光学部品用ガラス
である。このように構成することで、基板の端面部や面
取部の凹凸に研磨材が入り込んで残存することがなくな
る。なお、ここで触針式の表面粗さ計の測定操作範囲を
30μmとした理由は、基板の端面部や面取部には研削
加工による大小様々な凹凸が存在し、測定操作範囲を広
く取ると多くの凹凸を跨いでしまい表面粗さの精度がで
ないためである。しかも大きくなだらかな凹凸には研磨
材が入り込んで保持されるおそれがないため、測定操作
範囲を上記のように限定し、本発明の目的達成に実質的
に影響する表面粗さを明確にした。また前記測定操作範
囲内で表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であれば、研
磨材がガラスの凹凸に入り込むことはほとんどなくな
る。より好ましくは表面粗さ(Ra)0.4μm以下で
ある。逆に表面粗さが0.5μmより大きい場合にはそ
の凹凸内に研磨材や研磨屑が残存し、上記目的達成が困
難になる。
【0013】そして、このガラス基板の端面および面取
り部は、エッチング処理されたものであることが好まし
い。エッチングにより、機械的研磨の難しい端面および
面取り部の表面状態を容易に円滑化でき、上記表面粗さ
とすることができる。
【0014】また、前記ガラス基板は少なくともその端
面部をエッチング処理した後、前記ガラス基板の板面を
研磨処理することが好ましい。当然のことながら、研磨
材の残存をなくすことが目的であるから、研磨を行う前
に研磨材の入り込む余地をなくしておかなければならな
い。したがって、エッチング処理を行って端面部を平滑
化した後に研磨処理を行う。
【0015】エッチングの方法としては、ガラス基板と
エッチング液とを動態接触させることによって行うこと
が好ましい。つまり、ガラス基板をエッチング液に浸漬
するだけでなく、両者の接触面が変化するように撹拌あ
るいは流動化させておく。これによって、エッチングの
進行をを均一化しかつ促進できる。具体的には、密閉容
器中に前記ガラス基板とエッチング液を収容し、この密
閉容器を回転または振動させることにより前記ガラス基
板の面取り加工とエッチング処理を同時に行うことが可
能である。本発明においては、エッチング処理した後に
ガラス基板の板面を研磨するので、板面がエッチングさ
れても何等差し支えない。従来、エッチングにより端面
処理または面取りを行う場合には板面に影響が及ばない
よう、塗布膜や貼着シート等の板面保護手段を講じるか
特開昭57-34049号公報記載のように基板を重ね合わせ端
面のみを露出させるなどの繁雑な工程を必要としたが、
本発明の方法によれば、このような工程は必要なく、小
型大量あるいは形状・寸法の異なる基板でも効率よく処
理することができる。
【0016】また、エッチング液としては、HFとH2
SO4の混酸水溶液が適当である。エッチングされたガ
ラス中のシリカ成分はHFにより珪弗化水素酸となる
が、ガラス中には他の成分、たとえばNaやK等も存在
するので、この成分がNa2SiF6やK2SiF6などの
水に対する溶解度の低い化合物を生じる。これらの化合
物がガラス表面に付着したままになると、HFとガラス
との接触を妨げ、エッチングが進行しなくなり、エッチ
ングレートの低下等の不都合を生じる。しかし、H2
4の存在下では、Na2SiF6はNa2SO4に、K2
iF6はK2SO4になるため、HFが再生されエッチン
グは停滞することなく進行する。これによりエッチング
速度が一定となって、時間とエッチング量が比例関係と
なるため、工程管理が正確かつ容易に行える利点があ
る。
【0017】なお、本発明はエッチング処理によって同
時に面取りを行えるほか、あらかじめ機械的に面取りを
行った基板に対してエッチングすることも可能である。
この場合のエッチングは、目的が面取りではなく表面粗
さを小さくすることにあるため、エッチング量としては
僅かでよく外径精度にも影響しない。エッチング量を多
く設定する場合には、上記エッチング液の使用によりエ
ッチング速度を一定にできるため、エッチング量を見込
んであらかじめ基板を大きめに加工しておくことで対応
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0019】<実施の形態1>本発明を実施するにあた
っては、素材ガラスとして放射線放出の少ないガラスを
使用しなければ発明の本来的目的を達成できないので、
一例として特開平5-279074号公報に記載された固体撮像
素子用カバーガラスを用いた。使用したガラスは、質量
%で、SiO2 72.2%,Al23 3.5%,B2
3 15.0%,Na2O 8.0%,K2O 0.3%,A
23 0.8%,Sb23 0.2%からなる組成をを
有する。高純度に精製された原料を用いて前記組成とな
るよう調合し、1480℃の電気炉で5時間白金ルツボ
を使用して溶融した。その後、炉内より取り出して型内
に鋳込みブロック状に成形し、室温まで徐冷した。得ら
れたガラスブロックを母材としてスライスし、芯取機で
所定の製品形状に面取り加工した。次に、このガラス基
板400枚をエッチング液に10時間浸漬した。エッチ
ング液は、HF:H2SO4のモル比が1:3となるよう
に混合した液の2質量%水溶液を使用した。このとき、
ガラス基板の板面保護等は行わず、基板同士が不規則に
重なり合わないようにバラバラな状態で浸漬する。エッ
チング終了後、1500番のラップ砂でラッピングを行
い、次いで酸化セリウムの研磨材でポリッシングを行っ
た後、クリーンルーム内の超音波洗浄機を用いて精密洗
浄を行い、乾燥して12×12×0.8mmのカバーガ
ラスを作成した。また、以上の工程からエッチングを省
略した以外は同様にして製作したカバーガラスを比較例
として同数作成した。いずれもカバーガラス1の形状
は、図1にその断面を模式的に示すように、稜部に形成
された面取り部2と端面3とを有する。
【0020】得られたカバーガラスについて、以下のよ
うにして評価を行った。まず、端面および面取り部の表
面粗さは、12.5μmの触針を用いた触針式表面粗さ
計で測定操作範囲を30μmとし、無作為に抽出した2
0個の試料につき5点測定した値の平均値を表1に示
す。なお、表中の表面粗さの単位はμmで表示した。
【0021】次にα線放出量は、全試料について、2π
ガスフロー式比例計数管を用いた超低レベルα線測定装
置を使用し、実装時半導体チップと対向するカバーガラ
スの研磨面から放出されるα線を測定できるように、カ
バーガラスを平面状に載置して測定した値の平均値を表
2に示した。
【0022】また、研磨傷、汚れなど3μm以上の表面
欠点の有無を検査した。検査は、全試料について、クリ
ーンルーム内で暗視野において130Wのライトガイド
付ハロゲンランプを用いて目視で行った。この結果を傷
不良と汚れ不良とに分けて表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】以上の結果、表面粗さは本発明に係るガラ
スとエッチングしていない比較例との比較から、本発明
に係るガラスの方がかなり小さくなっており、それを反
映してガラスからのα線放出量も大幅な低減が見られ
た。
【0026】また、表面欠点の有無を調べた外観検査の
結果でも、本発明に係るガラスは傷不良が1%,汚れ不
良は皆無となり、比較例に比べて歩留向上が図られてい
る。
【0027】表1および2の結果から、同一のガラス素
材における比較により、エッチングにより表面粗さを所
定値以下にしたガラスでは、研磨材などの残存がほとん
どなく、α線放出量も低減できることが明らかである。
【0028】したがって、ガラス基板の端面および面取
り部をエッチング処理し、この端面および面取り部の表
面粗さを測定長30μmの範囲で0.5μm以下とする
ことによって、放射線放出量に明確な差異があることを
検証できた。
【0029】<実施の形態2> 実施の形態1と同様、
質量%で、SiO2 72.2%,Al23 3.5%,
23 15.0%,Na2O 8.0%,K2O 0.3
%,As23 0.8%,Sb23 0.2%からなる組
成をを有するガラスを溶融し、母材となるガラスブロッ
クを作成した。この母材から所定の寸法(10.3×1
0.3×0.95mm)にスクライブしたガラス板を作
成する。本実施の形態では、芯取機による機械的面取り
は行わず、エッチング処理により面取り加工を行った。
日本ダイヤ社製ダイヤバレル研磨機を用い、前記ガラス
板300枚をゴムライニングした円筒形のポットに入
れ、それに加工を促進するためのコーンと呼ばれる円錐
形の充填材とエッチング液を加えてポットを密閉し、こ
のポットを15rpmの回転数で8時間回転させた。密
閉容器を使用することで異物の混入を防ぐとともに液漏
れを防止でき、回転を加えることでポットの内容物に撹
拌作用を与えエッチングを均一に促進できる。エッチン
グ液は、HF:H2SO4のモル比が1:4となるように
混合した液の15質量%水溶液を使用した。エッチング
終了後、1500番のラップ砂でラッピングを行い、次
いで酸化セリウムの研磨材でポリッシングを行った後、
クリーンルーム内の超音波洗浄機を用いて精密洗浄を行
い、乾燥して10×10×0.6mmのカバーガラスを
得た。
【0030】得られたカバーガラスの端面部形状は、機
械的面取りと異なり断面円弧状の曲面になっていた。こ
れらのカバーガラスについても実施の形態1と同様にし
て表面粗さを測定した。すなわち、12.5μmの触針
を用いた触針式表面粗さ計で測定操作範囲を30μmと
し、無作為に抽出した20個の試料につき各々端面部を
5点測定した値の平均値を求めた。この結果、20個の
試料のうち最小が0.076μm、最大が0.165μ
m、平均が0.116μm、標準偏差0.025であ
り、機械的面取りを行わずエッチングによる処理量が大
きいため、上記実施の形態1よりも平均粗さは小さくな
り、平滑化の効果はより高いものであった。
【0031】また、α線放出量についても2πガスフロ
ー式比例計数管を用いた超低レベルα線測定装置を使用
して全試料を測定し、上記実施の形態1と同程度の低い
レベルであることを確認した。
【0032】したがって、本方法によれば、機械的面取
りの手間が省けるとともに機械的面取り時の研削抵抗に
よる新たなクラックの形成や欠けの発生を回避すること
ができる利点がある。またこの方法によっても表面粗さ
を上記所定値以下にしたガラスでは、研磨材などの残存
がほとんどなく、α線放出量も低減できる。
【0033】なお、エッチング液の組成、濃度は基板と
なるガラス、エッチング量等の条件によって適宜変更し
て実施される。また上記実施の形態2ではポットを密閉
した状態で回転させることによりエッチングを行った
が、ポットに振動を与えることによって内容物を撹拌ま
たは流動させてもよいし、ポットは固定のままエッチン
グ液に循環流を与えて撹拌作用を起こさせてもよい。エ
ッチング液の液漏れや液撥ねを気にしなければ、非密閉
容器でエッチングを行うことも可能である。要するに、
ガラス基板が相互接触して損傷するようなことがないよ
うに注意してガラス基板とエッチング液とを動態接触さ
せることによって、エッチング速度を増大でき、面取り
を均一かつ効率的に進行させることができる。これは、
エッチング作用により面取りまで行う場合にはエッチン
グ量が多くなるため効果的である。
【0034】次に、これらカバーガラスの搬送過程にお
ける影響を調査した。上記実施の形態1および2で作製
したカバーガラスと、実施の形態1で比較例として作製
したカバーガラスから不良品を取り除いて、それぞれ1
00枚を図2に断面を示すような輸送用パッケージ1に
別々に収容する。輸送用パッケージ4は、カバーガラス
1同士が触れないように個別に仕切りが設けられてい
る。各輸送用パッケージ4にカバーガラス1を収容した
後、カバーガラス1の上辺が不要に動かないように塩化
ビニール製の蓋5を被せて真空パックした。次いでこの
輸送用パッケージ4に60分間振動を加えた後、開封し
てカバーガラス1の外観を検査した。検査の方法は、上
記実施の形態1と同じである。
【0035】この結果、エッチングを施していない比較
例のカバーガラスでは基板端部とパッケージ1または蓋
5との摩擦によって発生したと思われる微細なダスト、
あるいは面取り部から発生したと考えられる2〜20μ
m程度のガラス屑が、カバーガラスの平板面に付着して
いるものが13枚発見されたが、本発明に係る実施の形
態1および2で作製したカバーガラスでは、このような
不良の発生は皆無であった。本発明に係るカバーガラス
は、基板の端面および面取り部が平滑なためパッケージ
との間の摩擦によるダストが発生しにくく、輸送中の振
動によってもガラス屑等が発生しないことが確認され
た。
【0036】以上の実施の形態では、固体撮像素子用カ
バーガラスを例として説明したが、この他の受光素子用
カバーガラスとしても同様の効果が得られる。また燐酸
塩系ガラスまたは弗燐酸塩系ガラスからなる固体撮像素
子用視感度補正フィルタにおいても上記カバーガラスと
同様の製造工程を辿ることから、本発明を適用すること
によって、傷不良等の加工・輸送上の不良発生を格段に
低減することができた。また、研磨材の残存付着がなく
なり研磨材に由来するα線放射の極めて少ないガラスを
提供できるので、本発明をEP−ROM等の光消去型半
導体メモリの透光窓に使用すれば、放射線によるメモリ
エラーの発生を極めて少なくすることができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明のガラスは、少なく
とも端面部および面取り部をエッチング処理し、その表
面粗さを所定値以下とすることにより、研磨後のガラス
への研磨材付着を減少させることができ、研磨材に由来
する放射線放出の極めて少ないガラス製品を提供でき
る。また端面部の平滑化により、この種のガラスの代表
的欠点である傷不良の原因となっているポリッシング時
の側面からのチッピングや搬送中の包装材との接触によ
るチッピングを防止し、製品歩留を向上できる。
【0038】また、エッチング液によって面取りを同時
に行うことにより、工程が簡略化され、機械的面取りに
よる新たなクラックの形成や欠けの発生もなくせる利点
がある。さらに、ガラス基板とエッチング液とを動態接
触させることによって、エッチング速度を増大でき、面
取りを均一かつ効率的に進行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1で作成したカバーガラスの模式
的断面図である。
【図2】輸送用パッケージにカバーガラスを収納した状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カバーガラス 2 面取り部 3 端面 4 輸送用パッケージ 5 蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 31/02 H01L 31/02 B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低放射線放出性ガラスからなり、板面を
    研磨された半導体装置に用いられる電子光学部品用ガラ
    スであって、ガラス基板の周縁部を面取りしたガラスに
    おいて、前記ガラス基板の端面および面取り部がエッチ
    ング処理され、前記端面および面取り部の表面粗さ(R
    a)が触針式の表面粗さ計を用いて測定長30μmの範
    囲で0.5μm以下とされており、これにより前記ガラ
    ス基板への研磨材の残存付着に起因する放射線放出量を
    低減したことを特徴とする電子光学部品用ガラス。
  2. 【請求項2】 前記ガラス基板が少なくともその端面部
    をエッチング処理した後に前記ガラス基板の板面を研磨
    処理したものであることを特徴とする請求項1記載の電
    子光学部品用ガラス。
  3. 【請求項3】 前記電子光学部品用ガラスが固体撮像素
    子の赤外線カットフィルタまたはパッケージシールガラ
    スであることを特徴とする請求項1または2に記載の電
    子光学部品用ガラス。
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