JP3575483B2 - インクジェットヘッドの駆動方法、駆動用半導体装置 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動方法、駆動用半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3575483B2
JP3575483B2 JP2003385212A JP2003385212A JP3575483B2 JP 3575483 B2 JP3575483 B2 JP 3575483B2 JP 2003385212 A JP2003385212 A JP 2003385212A JP 2003385212 A JP2003385212 A JP 2003385212A JP 3575483 B2 JP3575483 B2 JP 3575483B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
vibrator
pulse voltage
individual
common
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003385212A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004042670A (ja
Inventor
正寛 藤井
博幸 丸山
聡 柳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2003385212A priority Critical patent/JP3575483B2/ja
Publication of JP2004042670A publication Critical patent/JP2004042670A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3575483B2 publication Critical patent/JP3575483B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、インクジェットヘッドの駆動方法、シリコン振動子の静電駆動方法、シリコン振動子の静電駆動用半導体装置等に関する。
従来、キャパシタのような容量性手段である振動板に電気的エネルギを印加し、機械的エネルギに変換してインク室の圧力を高め、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドとしては、(1)ピエゾ(PZT)等の圧電振動子である容量性手段を振動板とし、振動板を圧力板に接合し圧力板をたわませるもの(例えば特許文献1:特開平6−340075号公報)や、(2)インク室を兼用するシリコン基板とガラス基板との間の容量性手段に静電エネルギを印加し、シリコン基板の薄膜部を振動板としてたわませるもの(例えば特許文献2;特開平7−40535号公報、特許文献3;特開平7−81088号公報)がある。
特開平6−340075号公報 特開平7−40535号公報 特開平7−81088号公報 特開平7−137249号公報
ここで、(1)の圧電振動子を駆動する回路は、特許文献1(特開平6−340075号公報)の図5に示すようなものであり、(2)のシリコン振動子を静電力で駆動する回路は、特許文献3(特開平7−81088号公報)の図22に示すような回路である。(1)の圧電振動子は、それ自身の容量が、約10nF(10-8ファラッド)あり、インク室に連通するノズルからインクを吐出させないとき圧電振動子をオープンしても、浮遊容量の影響を受けることがない。しかしながら、(2)のシリコン振動子を静電力で駆動する場合、シリコン振動子とガラス基板上のITO(Indium−Tin−Oxide,スズ添加−酸化インジウム;透明導電膜)との間の容量が、シリコンとガラスとの間は空気であり(ε=1)、低電圧(40V)で振動させるためギャップが0.23μm、面積0.65mm2より約25pFであるため、浮遊容量の影響を受けてしまうという課題がある。
以下、(2)のシリコン振動子の駆動回路について図15を用いて説明する。
まず、図15の駆動回路で、共通トランジスタTr0のオン抵抗及び各振動子までの共有する共通インピーダンスをR0、個別トランジスタTr1、Tr2、Tr3、、、のオン抵抗をR1、R2、R3、、、とする。個別トランジスタTr1のオン抵抗は、解像度を高くするためにノズル数を多くすると、集積化のため抵抗値が高くなってしまう(約3kΩ)。また、共通電極側は、シリコン基板にボロン(ホウ素)をドープしており、抵抗値が低い(数十Ω)が、個別電極側は、ガラス基板にITOにより高密度に配線されているため、ITOの配線抵抗Riがノズル毎に約3kΩある。ここで、共通電極を兼用するシリコン基板と個別電極が載っているガラス基板のギャップが約0.23μmと小さく、また、各インク室で等間隔のギャップを保持しなければならないことと、ガラス基板とシリコン基板とを陽極接合するために高温を印加するため、ガラス基板に載せる個別電極は、ITOにする必要がある。ITOの配線抵抗は、おのずと高く(数kΩ)なってしまう。
各ノズルがオンされたときの等価回路を図16に示す。図16で、同時駆動(印字)ノズル数をn、各振動子の容量をCa(単純化モデルとするため、Ca、R1、Riを各ノズル共通値とする)、電源電圧をVhとすると、オン時に各振動子に印加される電圧Va(t)は、
Va(t)=Vh・(1−exp(−t/((n・R0+Ri+R1)・Ca))
・・・・(式1)
となる。このときの時定数T=(n・R0+Ri+R1)・Caとなり、R0=1kΩ、Ri=3kΩ、R1=3kΩ、Ca=25pFとすると、n=1のときT(1)=0.18μs、n=50のときT(50)=1.4μsとなる。
シリコン振動子に静電力を印加するとき、立ち上がり及び立ち下がりが約1〜2μs程の速いパルスを印加しないと、ノズルからインクが吐出しないという課題がある。そのため、パルス幅Pw=約14μs、立ち上がり約2μs、立ち下がり約1μsの駆動パルスを印加してシリコン振動子を駆動するとき、同時駆動ノズル数nが増えるに従って、図17の波形Va(n=50)のようにVaの波形がなまってしまい、立ち上がり時に、Vhより低い電圧が印加され、立ち下がり時にGNDにすぐ落ちない。よって、同時駆動ノズル数が増えると、立ち上がり・立ち下がり時間が遅くなり、インクが吐出できなくなるという課題がある。
さらに、多数のノズルからインクを吐出させる際、個々の振動板のシリコン基板側のインピーダンスや、ガラス基板側の配線インピーダンスが異なると、ノズル間で印加電圧が異なってしまい、ノズル間で吐出特性が異なってしまうという課題がある。
また、シリコン振動子とガラス基板との間のキャパシタに静電エネルギが印加されると、電荷が蓄積してしまい、静電エネルギを解除しても電荷が残留し、シリコン振動子がガラス基板側にたわんだままの状態ができてしまうという課題がある(特許文献2:特開平7−81088号公報参照)。そのため、反対側の電荷を印加するように静電エネルギを印加し、シリコン振動子の永久的なたわみを防止するとともに、浮遊容量を少なくする必要があるという課題がある。
また、集積化するため、CMOSICを用いるが、振動板に立ち上がり2μs程度の40V程度のパルス電圧を繰り返し印加し、また、正逆パルスを繰り返し印加するため、CMOSIC内部でパルス波形を作成しようとすると、パルス波形にヒゲ等が発生し乱れてしまい、ノイズが発生したり、吐出できなくなるという課題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、以下に示すことを目的とする。
(A)浮遊容量の影響によって、オフノズル(非吐出ノズル)が、オンノズル(吐出ノズル)の影響により、吐出してしまうこともあるので、浮遊容量の影響をなくし、オフノズルの吐出を防止する。そのために、シリコン振動子は、オフノズルのときは両端を短絡(ショート)しておく。
(B)さらに、浮遊容量の影響を防止しつつ、振動板に正逆両方のパルス電位を印加し、振動板への電荷の蓄積を防止し、シリコン振動板の永久的なガラス基板へのたわみを防止するとともに、簡単な駆動回路を実現する。
(C)また、吐出ノズル数が増大すると、振動板に印加される個々の電位が低下してしまうことを防止する。そのため、吐出ノズル数を検出し、吐出ノズル数に応じて、駆動パルスのタイミング等のパルス波形を変化させる。そのために、駆動パルスのタイミングをずらし、同時に駆動するノズル数を少なくする。また、印加電圧の大きさを変化させる。さらに、パルスの立ち上がり、立ち下がり、パルス幅を変化させ、吐出性能を変化させる。
(D)また、吐出ノズル数を検出するかわりに、吐出ノズル数が増大しても振動板に印加される個々の電位の低下を防止する。そのため、式1でnの数に効いてくる、R0(共通トランジスタTr1のオン抵抗+共通インピーダンス)の値を小さくする。そのため、共通トランジスタTr1を構成するCMOSIC内部のトランジスタサイズを大きくした。また、共通インピーダンスを小さくするとともに、各振動板間での共通インピーダンス側の配線抵抗を等しくし、そのため、シリコン基板上に、金属べた部を設けた。
(E)さらに、各ノズル間の吐出特性を揃えることを目的とする。そのため、シリコン基板上の配線抵抗を等しくした。また、絶縁基板側の抵抗値を等しくし、そのため、配線距離を各個別電極で等しくし、また、個別スイッチング手段のオン抵抗を等しくした。
(F)また、共通スイッチング手段と個別スイッチング手段とを集積化するため、CMOSICを用いた。
(G)さらに、CMOSIC内部でパルスを生成すると振動板に印加されるパルス波形がノイズにより乱れてしまい、吐出特性が低下することを防止する。そのため、CMOSIC内部でパルス波形を作成せず、外部からパルス波形を作成し、CMOSICに印加するようにした。
(H)また、容量性手段への充放電の方向を双方向とし、充電時間、放電時間を早めた。そのために、CMOSIC内部でのスイッチング手段をトランスミッションゲートとした。
本発明のインクジェットヘッドの駆動方法は、パルス電圧を複数の容量性手段に印加し、該容量性手段を静電的に変形し、ノズルからそれぞれインク滴を吐出し、記録を行うインクジェットヘッドの駆動方法において、
前記容量性手段は、それぞれ電圧を印加するための端子を二つ有し、
前記複数の容量性手段の内、静電的に変形させる容量性手段については、前記2端子間に第1のパルス電圧を印加し、
当該容量性手段に2回目のパルス電圧を印加して静電的に変形させるときは、前記2端子間に前記第1のパルス電圧と反対方向の電位差の第2のパルス電圧を印加し、
前記複数の容量性手段の内、変形させない容量性手段については、前記2端子間を同電位とすることを特徴とする。
また、本発明の静電駆動方法は、
パルス電圧を複数のシリコン振動子に印加し、該シリコン振動子を変形させるシリコン振動子の静電駆動方法において、
前記シリコン振動子は、それぞれ電圧を印加するための端子を二つ有し、
前記複数のシリコン振動子の内、変形させるシリコン振動子については、前記2端子間に第1のパルス電圧を印加し、
当該シリコン振動子に2回目のパルス電圧を印加して変形させるときは、前記2端子間に前記第1のパルス電圧と反対方向の電位差の第2のパルス電圧を印加し、
前記複数のシリコン振動子の内、変形させないシリコン振動子については、前記2端子間を同電位とすることを特徴とする。
また、本発明の静電駆動用半導体装置は、一端が共通端子に接続され他端がそれぞれ個別端子に接続されるシリコン振動子に印加する駆動パルス電圧を制御し、前記シリコン振動子が撓む第1の状態と撓まない第2の状態とを制御するシリコン振動子の静電駆動用半導体装置において、
前記シリコン振動子の共通端子の電位を駆動パルス電圧側またはGND電位側に切り換える共通スイッチング手段と、
前記シリコン振動子の個別端子の電位を駆動パルス電圧側またはGND電位側にそれぞれ切り換える複数の個別スイッチング手段と、
前記シリコン振動子を前記第1の状態とするとき前記共通端子と前記個別端子のうち一方の端子を駆動パルス電圧側に接続し他方をGND電位側に接続し、前記シリコン振動子を前記第2の状態とするとき前記共通端子と前記個別端子とを同電位に接続するよう、前記共通スイッチング手段と前記個別スイッチング手段とを制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
また、本発明の静電駆動制御方法は、
一端が共通端子に接続され他端がそれぞれ個別端子に接続されるシリコン振動子に印加する駆動パルス電圧を制御し、前記シリコン振動子が撓む第1の状態と撓まない第2の状態とを制御するシリコン振動子の静電駆動制御方法において、
前記シリコン振動子の共通端子の電位を駆動パルス電圧側またはGND電位側に切り換える共通スイッチング手段と、前記シリコン振動子の個別端子の電位を駆動パルス電圧側またはGND電位側にそれぞれ切り換える複数の個別スイッチング手段と、を備え、
前記シリコン振動子を前記第1の状態とするとき、前記共通端子と前記個別端子のうち一方の端子を駆動パルス電圧側に接続し他方をGND電位側に接続し、
前記シリコン振動子を前記第2の状態とするとき、前記共通端子と前記個別端子とを同電位に接続する
よう前記共通スイッチング手段と前記個別スイッチング手段とを制御することを特徴とする。
また、本発明のシリコン振動子の駆動方法は、
共通端子と個別端子との2つの端子を有するシリコン振動子を複数備え、
前記複数のシリコン振動子は、それぞれ前記共通端子が共通に接続されて共通に高電圧かGNDを切り替えて接続され、
前記複数のシリコン振動子は、それぞれ前記個別端子が個別に高電圧かGNDを切り替えて接続されるシリコン振動子の駆動方法において、
(a) 前記複数のシリコン振動子の内、撓ませるシリコン振動子については、当該シリコン振動子の前記2つの端子のうちのいずれか一端を高電圧に接続するとともに、他端をGNDに接続し、パルス電圧を印加して、当該シリコン振動子を撓ませ、
(b) 前記(a)工程で撓ませたシリコン振動子について、再び前記シリコン振動子を撓ませるときは、前記(a)工程で高電圧に接続した端子をGNDに接続するとともに、前記(a)工程でGNDに接続した端子を高電圧に接続し、パルス電圧を印加して、前記シリコン振動子を撓ませ、
(c) 前記複数のシリコン振動子の内、撓ませないシリコン振動子については、当該シリコン振動子の前記2つの端子の両端を高電圧かまたはGNDに接続して、両端を短絡しておくことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によると、以下の効果を奏する。
(A)浮遊容量の影響を防止することができ、オフノズルからあやまってインク滴が吐出されることがなくなった。
(B)浮遊容量の影響を防止しつつ、振動板への電荷の蓄積を防止する簡単な駆動回路を実現した。
(C)同時吐出ノズル数が増大しても、印字が可能になった。
(D)各ノズル間の吐出特性が揃い、印字品質が向上した。
(E)CMOSICを用い、小型なインクジェットヘッドを提供できる。
(F)CMOSICの外部から駆動パルスを印加するため、ノイズの影響を防止し、印字品質が向上できる。
(G)共通スイッチング手段のオン抵抗を小さくしたため、駆動パルスを印加した後、放電するためにキャパシタをショートするとき、時定数が低下し、速く放電する。
(H)トランスミッションゲートを採用したため、双方向に電流を流すことができ、印加パルス電圧およびタイミングにかかわらず充放電を早くすることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るインクジェットヘッド10を搭載したインクジェット記録装置310の概観斜視図である。インクジェットヘッド10は、キャリッジ302に搭載され、プラテン300に巻かれた記録紙105に対し、インク滴を吐出する。キャリッジ302は、プラテン軸に平行に移動可能に配置されている。
インクジェットヘッド10は、インク供給チューブ306を介してインクタンク301よりインク供給される。もちろん、インクジェットヘッド10は、それ自身が、インクタンクを有し、インクタンクと一緒に交換可能にキャリッジ302に搭載されてもよい。
インクキャップ304は、キャリッジ302のホームポジション近傍に設けられ、インクジェットヘッド10が長時間吐出しないときや、インク吐出不良が発生しインク吸引するとき、インクジェットヘッド10にキャップして、廃インク回収チューブ308を介して廃インク溜305に回収するために用いられる。廃インクを回収するとき、電動または手動のポンプ303を用いる。
図2は、インクジェットヘッド10の分解斜視図である。インクジェットヘッド10は、3枚の基板1、2、3を重ね合わせた積層構造をしている。
中間の基板2は、シリコン基板をエッチングしてエッジノズル4、共通インク室8、各ノズルに連通するインク室6、オリフィス7、インク室の底壁を兼用する振動板5を有している。共通インク室8の近傍には、共通電極17を有している。シリコン基板2は、ホウ素をドープされ、抵抗率が約0.1Ω・cmの導体となっている。
絶縁性基板としてのホウ系酸ガラス基板1、3が、シリコン基板2を挟むように陽極接合される。陽極接合の方法としては、ガラス基板1とシリコン基板2とを温度300〜500℃、電圧500〜1000V印加することで行い、ガラス基板3とシリコン基板2との間も同様に陽極接合する。上側ガラス基板1の上方よりインク供給チューブ306、接続パイプ16、供給口14を介して、共通インク室8にインクが供給される。
下側ガラス基板2には、振動板5に対向して個別電極31が端子部33、配線リード部32とともにITOにより配設されている。ITO31、32には、絶縁膜34が被覆されている。絶縁膜34は、ITO側ではなく、シリコン基板側に設けてもよい。インクジェットヘッドドライバ回路220から、共通電極17と個別電極31、31、にそれぞれ電気エネルギが印加される。
図3は、インクジェットヘッド10の側断面図である。図3のA−Aから見た平面図が、図4である。シリコン基板2のインク室6の底壁を兼ねる振動板5は、ガラス基板3上に設けられた個別電極31との間に間隙(空気)を介し、キャパシタを形成している。振動板5は、厚さ2μmである。間隙9(図2参照)は、シリコン基板2を両面からエッチングしてもよいし、シリコン基板2を底面からエッチングせず、シリコン基板2とガラス基板3との間にギャップ調整機構を設け、間隙をもたしてもよい。この間隙は、0.225μmである。インク滴13が、ノズル4から吐出され、記録紙105に記録される。なお、ノズル4は、シリコン基板2に設けるのではなく、ガラス基板1に設け、振動板5の振動によるインク滴をガラス基板1から吐出させてもよい。
ドライバ回路220により、正の電圧パルスを吐出させたいノズルに連通するインク室に対向する個別電極に印加すると、個別電極の表面が正に、振動板5側の表面が負に帯電する。そのため、振動板は、静電気力によって吸引され、下方へたわむ。次に、個別電極へ印加している正電圧パルスをオフすると、振動板は元の位置に復帰し、インク室の内圧が急激に上昇し、ノズルからインク滴が吐出する。
図5は、本発明のインクジェット記録装置に用いられるインクジェットヘッドの駆動制御系を示すブロック図である。プリンタ制御回路201は、1チップマイクロコンピュータで構成され、アドレスバスおよびデータバスを含む内部バス202、203、204を介してRAM205、ROM206、CG(キャラクタジェネレータ)−ROM207が接続されている。ヘッド駆動制御回路210は、プリンタ制御回路201により制御され、ヘッドドライバ回路220に駆動選択信号SEL等を出力し、データバス211を介して印刷データDATAをヘッドドライバ回路220に出力する。ヘッドドライバ220に印加される駆動パルスVpは、ヘッド駆動制御回路210で形成される。
印刷データDATAはノズル数検出手段212に接続され、ノズル数検出手段212は、同時駆動ノズル数を検出し、検出信号を制御手段213に送出する。
制御手段213は、検出信号により、必要に応じて、ヘッド駆動制御回路210を制御し、ヘッドドライバ220に印加される駆動パルスVpのパルス形状や駆動タイミングの制御を行う。
ヘッドドライバ220は、CMOS−ICで構成され、インクジェットヘッド10上に一体的に設けてもよいし、FPC(フレキシブル基板)上に設け、インクジェットヘッド10とユニット化してもよい。
ヘッドドライバ220用CMOS−ICのブロック図を、図6に示す。このヘッドドライバ用CMOS−ICは、個別電極用(SEG)ドライバ61を64ビット有し、共通電極用(COM)ドライバ62を1ビット有している。64ドットのノズルを吐出させるときは、このCMOS−ICを1個使用すればよいし、128ドットのノズルを吐出させるときは、2個使用すればよい。
ヘッド駆動制御回路210から出力された電圧値31V、立ち上がり2μs、幅14μs、立ち下がり1μs、周波数16kHz(それぞれTyp値)の駆動電圧パルスVpがVp端子に入力される。Vp端子から入力された駆動電圧パルスVpは、SEGドライバ61及びCOMドライバ62に接続される。記録データDATAは、バス211によりシリアルデータとして64ビット入力され、シリアル−パラレル変換回路64によりシリアル−パラレル変換されたあと、反転回路63を介してSEGドライバ61に入力される。反転回路63では、各ノズルデータとSELとのXOR(イクスクルーシブオア;排他的論理和)をSEGドライが61に出力する。ヘッド駆動制御回路210から出力された選択信号SELは、端子SELに入力され、反転回路63とCOMドライバ62に接続される。
COMドライバとnビットのSEGドライバの要部回路図を図7に示し、等価回路図を図8に示し、さらに共通トランジスタ、個別トランジスタのオン抵抗を考慮した等価回路図を図9に示す。
図8において、COMドライバ62を3端子の共通スイッチS0、SEGドライバ61を3端子の個別スイッチS1、S2、、、Snで表しており、COM−SEG端子間に接続される振動板5−個別電極31間のキャパシタをC1、C2、、、Cnで表している。吐出させたいノズル番号をmとすると、キャパシタCmに対して共通スイッチS0側の電位と個別スイッチSm側の電位とを異ならせ、約31Vの電圧がキャパシタCmに印加されることを必要とする。
また、吐出させたくないノズル番号をkとすると、キャパシタCkには、共通スイッチS0側の電位と個別スイッチSk側の電位とを同電位とさせることが必要となる。同電位とすることにより、キャパシタCkを短絡したことになり、浮遊容量によるノイズの影響を防止でき、他の吐出ノズルへの駆動パルスによる吐出ミスが防止できる。
図10(a)(b)を用いてキャパシタに印加される電圧波形について説明する。駆動パルス電圧Vpは、周波数16kHzで、VhとGNDを繰り返しヘッドドライバ220に入力される。図10(b)で、S0〜S2の波形のHは駆動電圧Vp側、LはGND側にそれぞれスイッチを切り換えることを示している。共通スイッチS0は、ヘッド駆動制御回路210から出力される選択信号SELにより、駆動パルス電圧Vpの半分の周波数で繰り返し駆動電圧Vp側とGND側とを切り換えられる。
タイミングに応じて、個別スイッチS1〜Snの電位を切り換えるため、反転回路63とSEL信号及びDATA信号を用いる(図6参照)。
図10(a)に戻り、タイミング1において、ノズル1を非吐出とするため、共通スイッチS0及び個別スイッチS1をVp側とする。そのため、共通電極の電位VCOMとノズル1の個別電極電位VSEG1がVhで等しくなり、キャパシタ1は短絡状態となり、浮遊容量の影響を防止され、かつ、吐出しない。一方、ノズル2から吐出するため、個別スイッチS2をGND側とすると、ノズル2の共通電極側(振動板)に電位VCOM=Vhが印加され、ノズル2の個別電極側(個別電極)の電位VSEG2がGNDになり、キャパシタ2には、電位差Vhが印加されるため、吐出できる。
タイミング2において、ノズル1を非吐出とするため、共通スイッチS0及び個別スイッチS1をGND側とし、共通電極電位VCOMとノズル1の個別電極電位VSEG1がGNDで等しくなり、キャパシタ1は短絡状態となり、浮遊容量の影響を防止され、かつ、吐出しない。一方、ノズル2から吐出するため、個別スイッチS2をVp側とすると、ノズル2の共通電極側の電位がGND、個別電極側の電位VSEG2=Vhとなり、キャパシタ2には、電位差Vhが印加されるため、吐出できる。
図10(a)のタイミング3、4より、吐出するとき、キャパシタ1には、電位差Vhが印加されるが、VCOM−VSEG1は、タイミング3とタイミング4とで、電位が反転している。本発明においては、簡単な回路により、浮遊容量を防止しつつ、反転駆動回路を実現した。キャパシタ1〜nに反転電位を印加し電荷を中和するため、電荷の蓄積による振動板5のガラス基板1側への永久的なたわみを防止することができ、振動板5−個別電極31間の間隙を一定に保つことが可能になった。
図2を参照し、シリコン基板2には金属べた部17が設けられている。従って、金属べた部17から各インク室への共通基板側の抵抗値は、シリコン基板の比抵抗を場所に応じて変化しないようにホウ素をドープすればノズル毎の抵抗値を等しくすることができる。また、ガラス基板3に設けられた個別リード部32、32、、の距離及び幅を各ノズルで等しくすることにより、ITOの抵抗値を各ノズルで等しくすることができる。また、振動板5、5のエッチング特性及び個別電極31、31の面積を等しくすることにより、各インク室のキャパシタのキャパシタンスを等しくすることができる。
よって、図9において、共通スイッチS0を駆動パルスVp側にしたときの共通ドライバのオン抵抗+シリコン基板抵抗をRO、GND側にしたときの共通ドライバのオン抵抗+シリコン基板抵抗をROとする(CMOS−ICのため、Nチャネル側のオン抵抗とPチャネル側のオン抵抗をほぼ等しいものとみなせ、個別ドライバも同様である)。また、振動板5−個別電極31間のキャパシタンスをCaとし、各インク室(各ノズル)で等しくできる。さらに、個別電極31、32、33を構成するITOの抵抗をRiとし、各ノズルで等しくできる。また、個別スイッチS1を駆動パルスVp側にしたときの個別ドライバのオン抵抗をR1、GND側にしたときの個別ドライバのオン抵抗をR1とする。CMOSICで集積化して形成するため、各個別ドライバのオン抵抗R1をほぼ等しくすることができる。
よって、各インク室に印加されるパルス波形の時定数T(式1参照)が等しくなり、同一の波形でそれぞれ印加されるため、ノズル間でのインク吐出特性が同一になり、印字特性が向上する。
また、駆動パルスVpは、CMOSIC内部で作成せず、ヘッド駆動制御回路210等の外部で作成し、CMOSICに印加する。さらに、キャパシタを反転駆動するため、CMOSIC内部での共通スイッチS0、個別スイッチS1〜Snの切り換え周波数は、それぞれ駆動パルスVpの周波数の半分で済む。また、駆動パルスVpを外部で作成するため、CMOSIC内部での高電圧(約31V)の高速パルス(立ち上がり約2μs、立ち下がり約1μs)を作成する必要がない。従って、パルス波形にヒゲ等のノイズが発生することがなく、パルス波形が乱れず、キャパシタを正確に駆動することができる。
図7の共通ドライバ62は、図14のようにトランスミッションゲートにすると、より望ましい。さらに、個別ドライバ61も図14のようにトランスミッションゲートを採用することが望ましい。図14において、SELをHにしておくと、トランジスタ141、142がオンし、Vpの電位によらず、Vp−COM間で双方向の電流を流すことができる。SELがHの間、パルスVpを印加すると、COM端子にはVpの電位がそのまま出力され、吐出ノズルに対し、パルスVpの立ち上がりでキャパシタを充電し、パルスVpの立ち下がりでキャパシタを放電する。SELがLの間、トランジスタ141、142はオフし、トランジスタ143がオンし、COM端子にはGND電位が出力される。SELをH−L切り換えるパルス幅内に駆動パルスVpのパルス幅を入れているため、外部で形成された駆動パルスVpの電位に応じて吐出キャパシタの充放電ができ、CMOSIC内で早いタイミングの切り換えを行う必要がない。そのため、キャパシタの充放電時間を早くすることができるとともに、CMOSIC内部でのタイミング切り換えに伴うノイズやパルス波形の乱れが生じない。また、オン抵抗を低減するため、図14の3つのトランジスタのサイズを大きくしている。
次に、多ノズル同時に印字駆動することを考える。この場合、式1における時定数T=(n・R0+Ri+R1)・Caは、小のままでないと、印加電圧波形がなまって印加電圧が小さくなり、吐出できなくなる。従って、時定数Tを小さくし、立ち上がり及び立ち下がりを速くするためには、同時駆動ノズル数n、R0(共通ドライバのオン抵抗+シリコン基板抵抗)、Ri(ITO抵抗)、R1(個別ドライバ側のオン抵抗)、キャパシタンスCaのそれぞれを小さくする必要がある。しかしながら、静電エネルギWは、キャパシタンス*(電圧の2乗)に比例し、電圧波形として、矩形波を用いるため、パルス幅tにも比例する。
W∝C・V2・t・・・(式2)
従って、キャパシタンスCa、印加電圧Vaを小さくすると、インク滴が吐出しなくなってしまうため、キャパシタンスCaは、小さくできない。式1において、ノズル数nを大きくすると、n・Ca・R0の項が大きくなる。そのため、R0を小としておき、ノズル数nが大きくなっても、時定数Tがあまり大きくならないようにすることが必要となる。本出願人は、
n・Ca・R0≦(Ri+R1)・Ca・・・(式3)
とすることにより、ノズル数nが大きくなって時定数Tが大きくなっても、吐出できるという知見を得た。ここで、ノズル数n=64、キャパシタンスCa=25pF、個別電極側ITO抵抗Ri=3kΩ、個別ドライバオン抵抗R1=3kΩとしたとき、R0(共通ドライバオン抵抗+シリコン基板抵抗)=93Ωとすれば、吐出できる。シリコン基板抵抗が、約50Ωあるため、CMOSIC内部の共通ドライバのオン抵抗を43Ω以下とすれば、吐出可能である。そのため、CMOSIC内部の共通ドライバのトランジスタサイズを個別ドライバのトランジスタサイズの64倍以上の面積とした。共通ドライバのオン抵抗を低減する観点からはトランジスタサイズは大きければ大きいほどよい。しかし、トランジスタサイズを大きくしすぎると、集積化の点、製造上(歩留まり)の点から不利であるため、本実施形態では、ICのチップサイズが約4.7*4.1(mm)となるようにしてある。
また、共通スイッチS0のオン抵抗R1を小さくしたため、キャパシタの充電時間を早めることができる。さらに、駆動パルスを印加した後、浮遊容量の影響を防止し、かつ、放電するためにキャパシタをショートするとき、時定数Tが小さいため、速く放電することができる。その結果、電荷の蓄積時間が短くなり、永久的なたわみが少なくなるとともに、残留電荷が少なくなるため、次の駆動パルス電圧の充電時間も短くなり、駆動周波数を高くできる。
ここで、R0を小さくしない場合を考える。図11に、本発明において用いた駆動パルス波形を示す。(1)はパルスの立ち上がり時間であり、容量性手段である吐出インク室への充電カーブ、(2)はパルス頂上での幅、(3)はパルスの立ち下がり時間であり、放電カーブ、(4)はパルス電圧値、(5)は各パルスの印加タイミング、をそれぞれ示す。(1)の充電カーブの傾きが寝るほど、電流量を下げ、ドライバのオン抵抗による電圧降下を防止することができる。また、(3)の放電カーブも(1)の充電カーブと同様の効果を奏する。(1)〜(5)のパルス波形を形成する部分をそれぞれ変化させることにより、吐出ノズル数に応じた制御が可能になる。
また、ノズル数nを検出し、吐出ノズル数nに応じて印加電圧Vhの大きさ(図11の(4))を変化させることにより、吐出特性を向上することができる。式2の印加静電エネルギが、吐出エネルギに比例するので、吐出エネルギは電圧の2乗で効いてくる。ところが、式1より、nが大きくなると、パルス波形の立ち上がりが遅くなり、印加電圧が小さくなってしまう。よって、ノズル数検出手段212(図5参照)により、印字データDATAの同時吐出ノズル数nを検出し、nが所定の値以上であれば、制御手段213に信号を送出し、制御手段213は、ヘッド駆動制御回路210の駆動パルス出力Vpの電圧値Vhを大きくするよう制御する。図12(a)において、吐出ノズル数1のとき、電圧値V1のパルスを印加し、一方、吐出ノズル数32のとき、電圧値V2(>V1)を印加し、吐出ノズル数nが大きくなるときの各インク室への印加電圧が小さくなる分を補償した。
また、印加パルス幅(図11の(2))を変化させることによって、ノズル数nの増大による吐出特性の劣化を防止することもできる。上述したように、式2における印加静電エネルギが吐出エネルギに比例し、吐出エネルギはパルス幅で効いてくる。よって、ノズル数nを検出し、吐出ノズル数nに応じて印加パルス幅Pwを変化させることにより、吐出特性を向上することができる。本発明では、ノズル数検出手段212により、印字データDATAの同時吐出ノズル数nを検出し、nが所定の値以上であれば、制御手段213に信号を送出し、制御手段213は、ヘッド駆動制御回路210の駆動パルス出力Vpのパルス幅Pwを大きくするよう制御する。図12(b)において、吐出ノズル数1のとき、パルス幅Pw1のパルスを印加し、一方、吐出ノズル数32のとき、パルス幅Pw2(>Pw1)のパルスを印加し、吐出ノズル数nが大きくなるときの各インク室への印加電圧が小さくなる分を、電圧値Vhをそのままでパルス幅を変化させることにより補償した。
もちろん、ノズル数検出手段212が検出するノズル数nに応じ、図12(a)における電圧値を逐一アナログ的に変化させ、または、図12(b)におけるパルス幅を逐一アナログ的に変化させる方が望ましい。
また、吐出ノズル数nが大きくなったとき、インク室(キャパシタ)に同時に印加されるパルスをずらし、見かけ上同時駆動パルス数を小さくすることにより、印加電圧の低下を防止する方法(図11の(5))を図13により説明する。ノズル数検出手段212(図5)により、同時吐出ノズル数が50個であり、ノズル番号1〜50を同時に吐出するものとする。そのとき、共通スイッチS0のオン時間を長くし、個別スイッチS1〜S25と、個別スイッチS26〜S50とを同時にオンするタイミングを共通スイッチS0のオン時間の間でずらす。タイミングをずらし制御するために、ノズル数検出手段212の検出出力を制御手段213に送出し、ヘッド駆動制御回路210は、制御手段213の信号を受け、SEL信号タイミングを制御し、ヘッドドライバ220に出力する。よって、駆動パルスのインク室への同時印加数が半分の25個となるため、時定数Tがあまり小さくならず、同時吐出が可能になる。タイミングのずらし方は、遅延回路を使用するなど、種種採用できる。
また、共通スイッチのオン抵抗R0を小さくするだけでなく、個別電極の配線抵抗Ri、個別スイッチのオン抵抗R1を小さくすることも、多数ノズル同時駆動のためにより有効である。さらに、R0を小さくし、かつ吐出ノズル数に応じてパルス電圧の大きさまたはパルス幅を変化させることもより有効である。
本発明のインクジェット記録装置の概観斜視図。 本発明のインクジェットヘッドの分解斜視図。 本発明のインクジェットヘッドの側断面図。 図3におけるA−A矢線図。 本発明のインクジェット記録装置のヘッド駆動回路ブロック図。 本発明のヘッド駆動回路用CMOSICの内部ブロック図。 本発明のドライバ部回路図。 本発明のドライバ部回路図。 本発明のドライバ部等価回路図。 本発明のヘッド駆動タイミング図で、(a)は図7の電圧タイミング図、(b)は図8のスイッチタイミング図。 本発明のヘッド駆動パルスタイミング図。 本発明のヘッド駆動パルスを表す図で、(a)はパルス電圧値の変化図、(b)はパルス幅の変化図。 本発明のヘッド駆動タイミング図。 本発明のドライバ部等価回路図。 従来のドライバ部回路図。 従来のドライバ部等価回路図。 従来のヘッド駆動パルス及び印加パルス図。
符号の説明
2・・・・シリコン基板
3・・・・ガラス基板
5・・・・振動板
10・・・インクジェットヘッド
17・・・共通電極(金属べた部)
31・・・個別電極
32・・・個別リード部
61・・・SEGドライバ
62・・・COMドライバ
210・・ヘッド駆動制御回路
212・・ノズル数検出手段
213・・制御手段
220・・ヘッドドライバ用CMOSIC

Claims (5)

  1. パルス電圧を複数の容量性手段に印加し、該容量性手段を静電的に変形し、ノズルからそれぞれインク滴を吐出し、記録を行うインクジェットヘッドの駆動方法において、
    前記容量性手段は、それぞれ電圧を印加するための端子を二つ有し、
    前記複数の容量性手段の内、静電的に変形させる容量性手段については、前記2端子間に第1のパルス電圧を印加し、
    当該容量性手段に2回目のパルス電圧を印加して静電的に変形させるときは、前記2端子間に前記第1のパルス電圧と反対方向の電位差の第2のパルス電圧を印加し、
    前記複数の容量性手段の内、変形させない容量性手段については、前記2端子間を同電位とする
    ことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
  2. パルス電圧を複数のシリコン振動子に印加し、該シリコン振動子を変形せるシリコン振動子の静電駆動方法において、
    前記シリコン振動子は、それぞれ電圧を印加するための端子を二つ有し、
    前記複数のシリコン振動子の内、変形させるシリコン振動子については、前記2端子間に第1のパルス電圧を印加し、
    当該シリコン振動子に2回目のパルス電圧を印加して変形させるときは、前記2端子間に前記第1のパルス電圧と反対方向の電位差の第2のパルス電圧を印加し、
    前記複数のシリコン振動子の内、変形させないシリコン振動子については、前記2端子間を同電位とする
    ことを特徴とするシリコン振動子の静電駆動方法。
  3. 一端が共通端子に接続され他端がそれぞれ個別端子に接続されるシリコン振動子に印加する駆動パルス電圧を制御し、前記シリコン振動子が撓む第1の状態と撓まない第2の状態を制御するシリコン振動子の静電駆動用半導体装置において、
    前記シリコン振動子の共通端子の電位を駆動パルス電圧側またはGND電位側に切り換える共通スイッチング手段と、
    前記シリコン振動子の個別端子の電位を駆動パルス電圧側またはGND電位側にそれぞれ切り換える複数の個別スイッチング手段と、
    前記シリコン振動子を前記第1の状態とするとき前記共通端子と前記個別端子のうち一方の端子を駆動パルス電圧側に接続し他方をGND電位側に接続し、前記シリコン振動子を前記第2の状態とするとき前記共通端子と前記個別端子とを同電位に接続するよう、前記共通スイッチング手段と前記個別スイッチング手段とを制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とするシリコン振動子の静電駆動用半導体装置。
  4. 一端が共通端子に接続され他端がそれぞれ個別端子に接続されるシリコン振動子に印加する駆動パルス電圧を制御し、前記シリコン振動子が撓む第1の状態と撓まない第2の状態とを制御するシリコン振動子の静電駆動制御方法において、
    前記シリコン振動子の共通端子の電位を駆動パルス電圧側またはGND電位側に切り換える共通スイッチング手段と、前記シリコン振動子の個別端子の電位を駆動パルス電圧側またはGND電位側にそれぞれ切り換える複数の個別スイッチング手段と、を備え、
    前記シリコン振動子を前記第1の状態とするとき、前記共通端子と前記個別端子のうち一方の端子を駆動パルス電圧側に接続し他方をGND電位側に接続し、
    前記シリコン振動子を前記第2の状態とするとき、前記共通端子と前記個別端子とを同電位に接続する
    よう前記共通スイッチング手段と前記個別スイッチング手段とを制御することを特徴とするシリコン振動子の静電駆動制御方法。
  5. 共通端子と個別端子との2つの端子を有するシリコン振動子を複数備え、
    前記複数のシリコン振動子は、それぞれ前記共通端子が共通に接続されて共通に高電圧かGNDを切り替えて接続され、
    前記複数のシリコン振動子は、それぞれ前記個別端子が個別に高電圧かGNDを切り替えて接続されるシリコン振動子の駆動方法において、
    (a) 前記複数のシリコン振動子の内、撓ませるシリコン振動子については、当該シリコン振動子の前記2つの端子のうちのいずれか一端を高電圧に接続するとともに、他端をGNDに接続し、パルス電圧を印加して、当該シリコン振動子を撓ませ、
    (b) 前記(a)工程で撓ませたシリコン振動子について、再び前記シリコン振動子を撓ませるときは、前記(a)工程で高電圧に接続した端子をGNDに接続するとともに、前記(a)工程でGNDに接続した端子を高電圧に接続し、パルス電圧を印加して、前記シリコン振動子を撓ませ、
    (c) 前記複数のシリコン振動子の内、撓ませないシリコン振動子については、当該シリコン振動子の前記2つの端子の両端を高電圧かまたはGNDに接続して、両端を短絡しておくことを特徴とするシリコン振動子の駆動方法。
JP2003385212A 2003-11-14 2003-11-14 インクジェットヘッドの駆動方法、駆動用半導体装置 Expired - Lifetime JP3575483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003385212A JP3575483B2 (ja) 2003-11-14 2003-11-14 インクジェットヘッドの駆動方法、駆動用半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003385212A JP3575483B2 (ja) 2003-11-14 2003-11-14 インクジェットヘッドの駆動方法、駆動用半導体装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12065996A Division JP3528426B2 (ja) 1996-05-15 1996-05-15 インクジェットヘッドの駆動方法及びインクジェット記録装置及びインクジェットヘッド及びインクジェットヘッド駆動用半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004042670A JP2004042670A (ja) 2004-02-12
JP3575483B2 true JP3575483B2 (ja) 2004-10-13

Family

ID=31712989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003385212A Expired - Lifetime JP3575483B2 (ja) 2003-11-14 2003-11-14 インクジェットヘッドの駆動方法、駆動用半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3575483B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5233398B2 (ja) * 2007-12-05 2013-07-10 株式会社リコー 液滴吐出装置の記録ヘッド及び画像形成装置
JP6811552B2 (ja) * 2015-11-26 2021-01-13 東芝テック株式会社 インクジェットヘッド、及びインクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004042670A (ja) 2004-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9694577B2 (en) Inkjet head and inkjet printer
CN109641453B (zh) 喷墨记录装置以及喷墨记录方法
JP2022058820A (ja) インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ
JP3528426B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動方法及びインクジェット記録装置及びインクジェットヘッド及びインクジェットヘッド駆動用半導体装置
JP2009066948A (ja) 液体噴射装置
JP7012436B2 (ja) インクジェットヘッド
US7410232B2 (en) Ink-droplet ejecting apparatus
JP3575483B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動方法、駆動用半導体装置
JP2004314612A (ja) 圧電インクジェットヘッドの駆動方法
US20180272698A1 (en) Inkjet head, inkjet recording apparatus, and discharging method
JP4187150B2 (ja) 液滴吐出ヘッドおよび画像形成装置
US11059285B2 (en) Liquid discharge head and printer
US20060132548A1 (en) Recording head for inkjet recording device
JP4075262B2 (ja) インクジェットヘッド
JP7192547B2 (ja) 液滴吐出装置及び液滴吐出方法
JP4104277B2 (ja) インクジェット記録装置及び画像形成装置
JP2005096272A (ja) インクジェットヘッド記録装置の制御方法
JP4529275B2 (ja) 静電アクチュエータの製造方法、静電アクチュエータおよび静電駆動式インクジェットヘッド
WO1999012739A1 (fr) Tete de jet d'encre et dispositif d'enregistrement a jet d'encre comportant la tete d'encre
JP4541856B2 (ja) 圧電インクジェットヘッドの駆動方法
JP3546880B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP6680129B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2002240281A (ja) インクジェットヘッドの駆動方法及び駆動装置
JP4760630B2 (ja) 液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドの駆動方法、及び液滴吐出装置
JP3259785B2 (ja) 液体噴射記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040628

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100716

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110716

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110716

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120716

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120716

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term