JP3574896B2 - コンセント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源プラグを接続できるコンセントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アースピン付きの電源プラグを接続できるコンセントとして、屋外において壁面等の造営面に設置されるものがあり、このようなコンセントとして、防水を施したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなコンセントから電力が供給される機器として、例えば屋外設置型の情報通信端末等のように、外部からの制御信号の入力や、外部との通信信号等の信号の交換を行う機器が提供されるようになるに従い、このような機器に制御信号や通信信号等を伝達するための制御用配線を接続する必要が生じてきた。このような制御用配線を配設する場合は、従来は、コンセントとは別途に、壁面等の造営面の裏側にから制御用配線を引き出すための防雨性のカバー等を配設する必要があったが、コンセントとは別途の設備であるため、コンセントとは別途に配設しなければならず、施工が煩雑なものであった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、屋外設置型の機器に対して、電源の接続だけでなく制御用配線の接続をも可能とすることができるコンセントを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るコンセントは、造営面に設置される防水機能を有する外装に、電源プラグが接続されるコンセント本体10と、制御用配線130が挿通される入線挿通部1とが併設され、コンセント本体10と入線挿通部1との間に絶縁板600を配設し、コンセント本体10に係止穴110を設けると共に、絶縁板600に、外装内に配設されたコンセント本体10の係止穴110に着脱自在に係止される係止爪606を形成して成ることを特徴とするものである。
【0006】
また請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、二個の電源プラグが同時に接続されるコンセント本体10と、入線挿通部1とが併設されて成ることを特徴とするものである。
【0008】
また請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、絶縁板600を造営面側に向けて突出するように形成すると共に、この絶縁板600に他の部分より薄肉に形成された凹溝605を並列に複数条形成して成ることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、絶縁板600が着脱自在に配設されて成ることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、絶縁板600の、入線挿通部1とコンセント本体10との間に配置されている領域に、入線挿通部1側からコンセント本体10側に向けて突出するように湾曲する湾曲部612を形成して成ることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、アースターミナルを具備して成ることを特徴とするものである。
【0014】
また請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかの構成に加えて、コンセントの外面にて制御用配線130を固定する配線固定具206を具備して成ることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態により説明する。
【0016】
本実施例のコンセントは、屋外の壁材A等の造営材の表面(造営面)に取り付けられるものである。以下、コンセントを鉛直方向の造営面に対して配設した場合の、コンセントに対して造営面とは反対側を前方、造営面側を後方として、図2〜9を示してコンセントの構成を説明する。
【0017】
コンセントの外装は、ケース2と、防水パッキン8とから構成されている。
【0018】
ケース2の背面の全面には、後方に向けて開口して、ケース2の内部と外部とを連通する開口が設けられている。この開口の周囲には、全周に亘って、背面側に突出するリブ2aが突設されている。
【0019】
ケース2の前面側には、前方に向けて突出する膨出部20が形成されている。膨出部20の両側面は略三角形状に形成され、前面は、上面後方から前面下方に向けて、外方に突出しながらなだらかに湾曲する面一な曲面として形成されている。また、膨出部20の下面は略矩形状に形成され、ケース2の内部と外部とを連通する接続開口201が下方に向けて開口している。この接続開口201の開口周縁の、前面側及び両側面側からは、下方に向けて突出するコ字状の雨避け用のフード21が設けられている。
【0020】
ここで、膨出部20内は、膨出部20内を左右に分割した一側部にコンセント本体10が、他側部に入線挿通部1が、それぞれ形成される。このとき接続開口201の左右に分割した両側部のうち、入線挿通部1に対応する個所には、枠プレート202が設けられている。この枠プレート202は、接続開口201の内外を仕切るように配設されており、接続開口201の内外を連通する連通口203が設けられている。一方、接続開口201の、コンセント本体10が形成される箇所は、枠プレート202のような接続開口201の内外を仕切るような部材は形成せず、矩形状に開口したコンセント用開口204として形成されている。また枠プレート202の後端部には、一対の係止孔217が左右に並んで穿設されている。
【0021】
また膨出部20の下方には、膨出部20の接続開口201の周縁の背面側から下方に向けて垂下部22が延設されている。この垂下部22と膨出部20の内部は連通するように形成されている。
【0022】
このケース2の垂下部22の、コンセント本体10側の前面には後述するリード板61に一体形成された螺合部62を露呈する穴27が形成されており、この垂下部22の内部には、図示はしないが、リード板61用の位置決め溝が形成されている。また垂下部22の前部の中央には、固定ねじ24を通す貫通孔29が穿設されている。また膨出部20の内底面の上端には、図示はしないが、ボスを形成し、前面からこのボス内を貫通して固定ねじ24を通す貫通孔23が穿設されている。また膨出部20の内底面のコンセント本体10側には、図示はしないがコンセント本体10を固定するためのねじ孔が穿設されたボスが形成されている。上記貫通孔29及び貫通孔23を通して固定ねじ24を螺合することでコンセントの壁材Aへの取り付けが行われる。
【0023】
また垂下部22の前面を構成する前面板220の、入線挿通部1側の前面には、枠プレート202の連通口203の下方に、前面側に開口する固定用凹所205が凹設されている。この固定用凹所205は後述するように入線挿通部1に挿通される配線の固定に用いる。また前面板220にはこの固定用凹所205の側方に、配線押さえ金具206を取り付けるための配置凹所207が形成されている。この配置凹所207の上下両側には、配線押さえ金具206の足部211が挿通されるスリット状の挿通孔208がそれぞれ形成されている。また配置凹所207の略中央部には、配線押さえ金具206を固定するための固定ねじ213等の固着具を通す貫通穴209が穿設されている。
【0024】
一方、配線押さえ用金具206は、前片210の上下両側から後方に向けて足部211が延設されており、前片210には、固定ねじ213等の固着具を通す貫通穴212が穿設されている。この前片210を配置凹所207の前面に配置すると共に足部211を挿通孔208に挿通し、固定ねじ213を前片210の貫通穴212及び配置凹所207の貫通穴209に挿通・螺合して固定することにより配線押さえ用金具206がケース2に対して固定される。ここで、前片210からは固定用凹所205側の側方に向けて爪片214が延設されており、この爪片214は、押さえ用金具206が配置凹所207に配置された状態で固定用凹所205の前方に配置されるものである。この爪片214によって、固定用凹所205に配置された制御用配線130が押さえつけられて固定されることとなる。
【0025】
防水パッキン8は、ゴム等の軟質な樹脂材にて形成されているものであり、ケース2と略同一の正面視寸法を有している。防水パッキン8の前面側の周縁には、全周に亘って、ケース2のリブ2aに合致する嵌合溝82が前方に開口するように凹設されている。またこの防水パッキン8には、前後方向に貫通する矩形状の開口80が設けられている。この開口80はケース2の膨出部20に対応する位置に形成されており、更に詳しくは後述するように膨出部20内に配設されるボディ3の電線挿入孔30や解除孔31及び入線挿通部1に対応する位置に形成されている。また、防水パッキン8の上部には、ケース2の貫通孔23と合致する貫通孔81が形成されており、防水パッキン8の下部にはケース2の貫通孔29と合致する貫通孔83が形成されている。
【0026】
コンセント本体10は、接地極用栓刃が設けられた電源プラグを接続することができるようになっており、図9に示すように、電源プラグの電源用栓刃を接続する二つの刃受ばね6a,6b、接地極用栓刃を接続する一つの刃受ばね6cと、これらの刃受ばね6a〜6cに、電源用配線の電源線やアース線を接続する速結端子構造の複数の接続端子部7と、この刃受ばね6a〜6cや接続端子部7が組込まれ、前面及び下面が開口するボディ3と、このボディ3の前面に被着され背面及び下面が開口するカバー4と、上記ボディ3にカバー4を被着した状態で開口する下面開口に被着される下カバー5とで構成されている。
【0027】
ボディ3の内部は、下方のばね収納部101と、上方の端子収納部102との上下の各収納部101,102に分離されており、ばね収納部101には刃受ばね6が収納され、端子収納部102には電源用配線131の電源線やアース線を夫々接続する接続端子部7の構成部品が収納される。ここで、端子収納部102は、左右方向に二個の収納室103,104に分離されており、一方の収納室103には電源線と刃受ばね6a,6bとを接続する接続端子部7の構成部品が収納され、他方の収納室104にはアース線と刃受ばね6cとを接続する接続端子部7の構成部品が収納される。
【0028】
上記ばね収納部101に収納される刃受ばね6a,6b,6cのうち、電源用栓刃用の刃受ばね6a,6bには、下カバー5の電源用の栓刃挿入孔52を通して挿入される電源プラグの栓刃を扶持する形で受ける2個の刃受部60a,60bが一体に形成されている。このそれぞれの刃受部60a,60bの先端形状は栓刃挿入孔52の形状に合わせた弧状に形成されており、栓刃を回転した際に栓刃の抜けを防止する係止用のダボが形成されている。つまり刃受ばね6a,6bは抜け止め刃受ばねを構成する。また、接地用栓刃用の刃受ばね6cは接地極用栓刃を扶持する形で受ける刃受部60cを備える。
【0029】
接続端子部7は、いわゆる速結端子構造となっており、ボディ3の端子収納部102内の収納室103,104にそれぞれ収納される一対の鎖錠ばね70と、解除釦71と、鎖錠ばね70を覆う形で収納室103,104内に収納される端子板72とからなり、収納室103,104の底面に穿設された電線挿入孔30から挿入される電源用配線131の電源線やアース線の芯線132を鎖錠ばね70と端子板72の間で弾性扶持して接続するようになっている。そして、この電源線を抜く場合には解除釦71を解除孔31から押すと、解除釦71が鎖錠ばね70を押圧することにより鎖錠ばね70を電源線の芯線132から引き離すように作用して電源線が抜けるようになっている。ここで、アース線を接続する接続端子部7と電源線を接続する接続端子部7とを明確に識別できるように、アース線を接続する接続端子部7の解除釦71の色を、電源線を接続する接続端子部7の解除釦71の色と異ならせることが好ましい。上記端子板72からはそれぞれ連結片73が延設され、端子板72は、この連結片73によりそれぞれ対応する刃受ばね6a〜6cと、かしめ結合等によって一体に連結されている。
【0030】
ボディ3の背面には、背面側から収納室103内に電源線の芯線132を挿入する電線挿入孔30と、背面側から収納室104内にアース線の芯線132を挿入する芯線挿入孔30とが、各収納室103,104に連通するように穿設して形成されている。また後述する解除釦71が露出する解除孔31も形成されている。
【0031】
このボディ3の一側部及び上部にはケース2にコンセント本体10を固定するための固定ねじ38を挿通する挿通孔32が穿設された取付片33が形成されている。
【0032】
また、下カバー5は、外周面に、下面よりやや上方において鍔片55が周設されており、この鍔片55の上面には、ボディ3にカバー4を被着した際の開口側の外周面を包み込む形で保持する保持リブ54が形成されている。この下カバー5の下面には上記ばね収納部101に収納される刃受ばね6a,6bに対応して電源プラグの電源用栓刃を挿入する栓刃挿入孔52が穿設されると共に、刃受ばね6cに対応して接地極用栓刃を挿入する接地極用栓刃挿入孔53(以下実施形態の説明においてピン挿入孔53と称する)が穿設されており、夫々の挿入孔52,53は円弧状に形成され、挿入した栓刃及び接地極用栓刃を所定角度回転することができるようになっている。
【0033】
また、本実施例のコンセントでは、コンセント本体10の栓刃挿入孔52及びピン挿入孔53を電源用栓刃や接地極用栓刃の不挿入時に閉塞する構造となっている。すなわち、栓刃挿入孔52を閉塞する扉34が設けられると共に、栓刃が挿入されていない時に扉34を栓刃挿入孔52を閉塞するように弾発する板ばね35が設けられている。
【0034】
板ばね35はボディ3及びカバー4のばね収納部101に突設された突起(ボディ3の場合には突起3a)に、板ばね35に設けられている嵌合孔301を挿通・嵌合させることにより取り付けられている。ここで板ばね35にはコ字状の切り抜きが形成されると共に、この切り抜き部分の内側の切り残し部分を切り起こして弾性片36が形成されており、この弾性片36によって扉34が弾発されている。
【0035】
扉34は上記板ばね35と刃受ばね6との間に介装され、先端に栓刃挿入孔52を閉塞する閉塞片37が形成されている。この閉塞片37の刃受ばね6側に臨む面は奥に行くほどに傾斜したテーパ面に形成されており、栓刃をスムーズに導入できるようにしてある。そして、電源プラグの栓刃の不挿入時には閉塞片37が栓刃挿入孔52を閉塞する。
【0036】
一方、ピン挿入孔53の不使用時の閉塞も略同様にして扉34及び板ばね35により行う。このアース用の刃受ばね6cの部分では、図示はしないが、板ばね35はボディ3のばね収納部101の側面に対向して形成されている一対のスライド溝内にスライド挿入して固定されている。
【0037】
また、リード板61は、図9に示すように、一端部をコ字状に屈曲成形して前方に突出させると共に、コ字状部の中央片にねじ孔69が穿設された螺合部62が形成されている。この螺合部62にはアースねじ64が螺合され、螺合部62とアースねじ64とでアースをとるアースターミナルが構成されて、ケース2の垂下部22に配置される。この螺合部62の前面の左右両側には弧状の抜止め片63を形成し、この螺合部62にアースねじ64を螺合してアース線を接続する場合に、このアース線がアースねじ64と螺合部62との間に容易に保持できるようにしてある。
【0038】
なお、この螺合部62の上下両側部にはリード板61をケース2に固定するための固定ねじ65用の挿通孔66と切欠67とを形成してある。
【0039】
またこのリード板61の中央部は複数段に折曲し、上端の一側部にコンセント本体10側に突出するくさび状の爪片68が形成されている。本実施例ではこのリード板61を、コンセント本体10のアース用の接続端子部7に接続するようにしてある。ここで、ボディ3には、収納室104の底面にリード板61の爪片68が挿入される挿入孔30′が形成されており、爪片68は挿入孔30′に挿入されることにより、収納室104内に配置されているアース線接続用の接続端子部7と接続されて導通が確保される。
【0040】
また膨出部20の内部における枠プレート202の上面側にはブッシング501が配設されると共に、このブッシング501を固定するための押さえ板502が配置されている。
【0041】
ブッシング501はゴム等の軟質の樹脂材料にて形成されている。ブッシング501の板片511は、左右幅方向の寸法が上記の枠プレート202と略同一で、前後方向の長さ寸法が枠プレート202よりも大きくなるように形成された平板矩形状に形成されている。この板片511の前端部からは上方側から後方に向けて屈曲するように形成されたフック片505が設けられており、また板片511の後端部からは下方に向けて係止片506が延出されている。また板片511の下面からは、下方に向けて、枠プレート202の連通口203内に嵌合するリブ枠512が突設されている。このリブ枠512に囲まれた領域には、十字状のスリット504によって分離された四個のヒレ片503が、リブ片512の内周面から延設されている。また、板片511の後方の、上記の枠プレート202の係止孔217に合致する位置には、係止孔217よりも前方側への開口寸法が大きくなるように形成された挿通孔515が穿設されている。
【0042】
また押さえ板502の板片513は、左右幅方向の寸法が上記の枠プレート202と略同一で、前後方向の長さ寸法が枠プレート202よりも大きくなる平板矩形状に形成されている。この板片513の周縁後部からは、下方に向けて係止片508が延設されている。この係止片508の下端の略中心部からは、下方に向けて突起部509が延設されており、突起部509の先端には係止爪510が前方に向けて突設されている。また板片513の周縁側部からは、側面視三角形状の側片514が、上方に向けて延設されている。また板片513には、上記のリブ枠512の内側の領域と略同一寸法を有する開口507が形成されている。また板片513の後部には、上下方向に貫通する一対のコ字状のスリット516が、左右に並んで形成されており、この各スリット516で囲まれた内側には、前方から後方に向けて垂下するように形成された係止片517が設けられている。係止片517の先端には、ブッシング501の挿通孔515に合致する形状の係止部518が下方に向けて突設され、更に係止部518の下面後端からは、下方に向けて、枠プレート202の係止孔217に合致する形状の係止爪519が突設されている。
【0043】
以下、このコンセントの組立手順を簡単に説明する。
【0044】
コンセント本体10の組み込みにあたっては、ボディ3に下側の板ばね35、アース側の板ばね35、鎖錠ばね70、解除釦71及び端子板72が一体になった刃受ばね6を組み込み、次にカバー4に上側の板ばね35を取り付けて、ボディ3にカバー4を被着する。この状態で各扉34を板ばね35と刃受ばね6a〜6cとの間に介装し、その後、下カバー5を取り付ける。このようにして組み立てたコンセント本体10をケース2の背面から膨出部20内に挿入し、このときコンセント本体10の下カバー5を膨出部20のコンセント用開口204に嵌め込んでコンセント本体10を膨出部20内のコンセント用開口204側の所定位置に固定する。この状態で固定ねじ38をケース2のボスのねじ孔に螺合することで、コンセント本体10のケース2への取付が完了し、このとき同時にボディ3とケース2との間にカバー4及び下カバー5が扶持されて固定される。なお、下カバー5は鍔片55により膨出部20の開口からの抜けが防止される。
【0045】
この状態でリード板61の螺合部62を穴27から露呈させると共に、爪片68を挿入孔30′に挿入してリード板61を接続端子部7に接続し、リード板61を、挿通孔66及び切欠67において、ねじ65でケース2に固定する。そして、螺合部62にケース2の表面側からアースねじ64を螺着することによりアースターミナルが構成される。ここで、リード板61の固定は、打ち込み鋲によって行っても良く、この場合は特に自動組み立てに有利である。さらに、上述の場合にはリード板61の螺合部62の両側の挿通孔66と切欠67にてねじ固定を行うようにしていたが、リード板61の先端を挿入する挿入孔をケース2に形成し、ねじ固定を1箇所とすれば、さらに組立が容易となる。
【0046】
一方、入線挿通部1を形成するにあたっては、ブッシング501と押さえ板502とを、枠プレート202の上面側に配置して取り付け、押さえ板502と枠プレート202との間にブッシング501を介在させる。
【0047】
このとき、ブッシング501の板片511は、押さえ板502の板片513の下面側に沿って配置され、ブッシング501のリブ枠512の配置位置と押さえ板502の開口507の配置位置とが合致されている。またブッシング501のフック片505は押さえ板502の板片513の前端縁に引っ掛けられて係止されると共に、ブッシング501の係止片506を押さえ板502の係止片508の前面側に沿って配置され、更に押さえ板502の係止片517の係止部518がブッシング501の板片511の挿通孔515内に挿通されている。このとき板片511の下面からは、係止爪519が下方に突出する。
【0048】
また、このブッシング501の板片511は、枠プレート202の上面側に沿って配置され、リブ枠512が、枠プレート202の連通口203に嵌入されて、その下端が枠プレート202の下面よりも下方に突出している。
【0049】
また、ブッシング501の挿通孔515は、枠プレート202の係止孔217に合致した位置に配置され、挿通孔515から突出する係止爪519が係止孔217内に配置されて係止されている。
【0050】
更に、ブッシング501の板片511の下面後部は、垂下部22の前面を構成する前面板220の上端面に当接し、係止片506の先端が、前面板220の背面から後方に向けて突出された上係止リブ221に当接して係止されている。また押さえ板502の係止爪510は、上係止リブ221と、上係止リブ221の下方において前面板220の背面から後方に向けて突出された下係止リブ222との間に配置されて引っ掛けられ、係止されている。
【0051】
このとき、膨出部20内におけるコンセント本体10の側方に空間が形成され、この空間にて入線挿通部1が構成される。
【0052】
このようにコンセント本体10と入線挿通部1とが形成されたケース2には、防水パッキン8が、ケース2のリブ2aに嵌合溝82を嵌合することにより取り付けられる。このとき、防水パッキン8の開口80は、膨出部20に対応する位置に配置され、この開口80を介して、コンセント本体10及び入線挿通部1が背面側に露出することとなる。
【0053】
この状態で、コンセントには、絶縁板600が取り付けられ、入線挿通部1とコンセント本体10との間の絶縁性が確保されている。
【0054】
絶縁板600はケース2と別体に形成されて、ケース2に取り付けられるように形成されている。また、絶縁板600は、樹脂成形品等の絶縁材料にて形成されており、内部仕切部601と、内部仕切部601から後方に向けて延出されている外部仕切部602とから構成されている。
【0055】
内部仕切部601は略矩形状に形成されており、膨出部20内における、コンセント本体10と入線挿通部1との間に配設される。この内部仕切部601は、膨出部20内のコンセント本体10と入線挿通部1との間において、防水パッキン8の開口80の上下各両端縁側にそれぞれ対向させて配置されている前後方向に長い平行並列な一対の支持レール610によって支持されている。各支持レール610は、対向する他方の支持レール610に向けて開口する前後方向の凹溝611が形成されており、この凹溝611の後端は、開口80に向けて開口している。そして、図6,7に示すように、内部仕切部601は、防水パッキン8の開口80を介して背面側から内部仕切部601の上端縁及び下端縁をそれぞれ支持レール610の凹溝611内に配置し、前方に向けてスライドさせることにより凹溝内に遊嵌されて支持される。ここで、内部仕切部601にはコ字状のスリット603が穿設されると共に、このスリット603に囲まれた、後方から前方に向かって延出された係止片604が形成されており、この係止片604の、コンセント本体10側の面の先端には、係止爪606が突設されている。一方、コンセント本体10の、入線挿通部1側の側面には、係止爪606と合致する係止穴110が凹設されており、絶縁板600は、支持レール610に遊嵌された状態において、図8に示すように係止爪606が係止穴110内に配置されて係止されることにより、抜け止めがなされる。
【0056】
一方、外部仕切部602は、コンセントから後方に向けて突出するように配設され、コンセントの背面側を、入線挿通部1側と、コンセント本体10側とに仕切っているものである。この外部仕切部602は、内部仕切部601の後端から後方に突出する上仕切部608と、上仕切部608から下方に延出された下仕切部607とから構成されている。この上仕切部608には、コンセント本体10側に向けて突出するようにアーチ状(円弧状)に湾曲する湾曲部612が形成されている。また、下仕切部607は、平面視略矩形状に形成されている。
【0057】
また外部仕切部602の一面には、上下方向の凹溝605が複数条、前後方向に並んで、平行並列に凹設されており、この凹溝605が形成されている部分の厚みは、他の部分よりも肉薄となっている。
【0058】
ここで、絶縁板600を取り外す場合には、まず外部仕切部602に入線挿通部1側に向けて荷重をかけることにより付勢し、絶縁板600を、内部仕切部601の最前端を支点として湾曲させる。このとき絶縁板600の係止爪606がコンセント本体10の係止穴110内から脱離して、係止状態が解除される。この状態で絶縁板600を後方に向けて、支持レール610に沿って引き抜くことにより、絶縁板600が取り外される。
【0059】
また、絶縁板600の外部仕切部602は、肉薄となっている凹溝605において容易に折り割ることができ、このように外部仕切部602を、複数条の凹溝605のうちの適宜の凹溝605にて折り割ることにより、外部仕切部602の、後方への突出寸法を容易に調節することができ、例えば後述するように取付ボックス120内に外部仕切部602を配置する場合に、外部仕切部602が取付ボックス120内に収まるように外部仕切部602の後方への突出寸法を調節するなど、コンセントの設置状況に応じて絶縁板600の寸法を調節することができる。
【0060】
このコンセントは、取付枠9及び取付ボックス120を用いて、図1に示すように、壁材A等の造営材に取り付けられる。
【0061】
壁材Aには、取付用開口Bが穿設されているものであり、この取付用開口Bの背面側に、取付ボックス120が配設されている。取付ボックス120には、上面及び下面にそれぞれ、取付ボックス120の内外を連通する上挿通孔121及び下挿通孔122が形成されている。また、取付ボックス120の前面側には、挿通開口125が形成されておりこの挿通開口125の周縁部からは、前方に向けて突出するスペース片123が延設されている。このスペース片123の突出寸法は、壁材Aの厚みと略等しく形成され、このスペース片123の先端からは、内方に向けて当接片124が延出されている。
【0062】
ここで、取付ボックス120は、スペース片123を壁材Aの背面側から取付用開口B内に挿通させることにより形成されているものであり、このとき取付ボックス120は、取付用開口Bを介して、内部と壁材Aの外側とが連通した状態となり、また当接片124が、壁材Aの表面側の壁面と略面一に配置される。
【0063】
この壁材Aに取り付けられた取付ボックス120に、取付枠9が取り付けられる。取付枠9は矩形状に形成されると共に、矩形状の開口92が形成されているものであり、上部には取付孔90が形成されていると共に、ケース2の貫通孔23及び防水パッキン8の貫通孔81に合致する貫通孔91が形成されている。また取付枠9の下部には、取付孔90が形成されると共に、ケース2の貫通孔29及び防水パッキン8の貫通孔83に合致する貫通孔93が形成されている。取付枠9は、取付孔90と通して取付ボックス120にボックスねじ等の固着具を螺着することにより、取付ボックス120に取り付けられる。
【0064】
また、壁面Aの裏側に配設されている電源用配線131や制御用配線130を、取付ボックス120の上挿通口121や下挿通口122から取付ボックス120内に導入し、更に挿通開口125を通じて取付ボックス120外に導出することにより、取付用開口Bを通じて壁材Aの表面側に導出しておく。ここで、制御用配線130とは、例えば各種の信号を電気的あるいは光学的に伝達する伝達ラインであり、電源用配線131からの電力の供給を受けて作動する機器に接続され、この機器を制御するための制御信号や通信信号をこの機器に伝達したり、あるいはこの機器から外部に出力される制御信号や通信信号を他の機器等伝達したりするために配設されるものを挙げることができる。図示の例では、電源用配線131は上挿通孔121から、制御用配線130は下挿通孔122から、それぞれ取付ボックス120内に導入されている。
【0065】
この状態で、コンセントを取付枠9の前面側に配置し、制御用配線130を、入線挿通部1側において、取付枠9の開口92、防水パッキン8の開口80を介して、膨出部20内の入線挿通部1内に導入する。そして、制御用配線130を、更に膨出部20の接続開口201を通ってコンセント外に導出する。このとき制御用配線130は、押さえ板502の開口507、ブッシング501のリブ片512の内側、枠プレート202の連通口を介して入線挿通部1からコンセントの外側に導出されるものであり、このとき、ブッシング501のリブ片512の内側においては、制御用配線130は、ヒレ片503が湾曲変形することによって挿通され、この湾曲されたヒレ片503によって、制御用配線130が挟持されると共に、制御用配線130が導出される部分におけるコンセントの開口量が低減されて防水性が向上される。
【0066】
また、電源用配線131の電源線やアース線等の芯線132を、コンセント本体10側において、取付枠9の開口92、防水パッキン8の開口80を介して、膨出部20内のコンセント本体10側に導入し、電源線等の芯線132をコンセント本体10の電線挿入孔30に挿通して、接続する。
【0067】
絶縁板600は、このように電源用配線131の結線や制御用配線130の配設等の配線作業を行った後に、コンセントに取り付ける。このようにすると、コンセントの背面側において配線作業を行うための充分なスペースが確保される。
【0068】
そして、絶縁板600の外部仕切部602が取付枠9の開口92を通して取付ボックス120内に配置されるようにして、コンセントを壁材Aの表面に配置する。このとき、絶縁板600の、後方への突出寸法(外部仕切部602の前後方向の寸法)が、取付ボックス120内部の前後方向の寸法よりも大きい場合は、外部仕切部602を適宜の凹溝605にて折り割ることにより、絶縁板600の後方への突出寸法を小さくして、絶縁板600の外部仕切部602が取付ボックス120内に収まるようにすることができる。
【0069】
そして、ケース2の貫通孔23、防水パッキン8の貫通孔81及び取付枠9の貫通孔91を連通させて、この貫通孔23,81,91に防水パッキン8に挿通された固定ねじ24を螺着し、一方、ケース2の貫通孔29、防水パッキン8の貫通孔83及び取付枠9の貫通孔93を連通させて、この貫通孔29,83,93に防水パッキン8に挿通された固定ねじ24を螺着することにより、取付枠9に対してコンセントを固定し、コンセントを壁材Aに取り付けるものである。
【0070】
ここで、ケース2から導出された制御用配線130は、垂下部22の固定用凹所205の前方に配置すると共に、押さえ用金具206の爪片214をこの制御用配線130の前方に配置し、この状態で、固定ねじ213を締結することにより、爪片214にて制御用配線130を固定用凹所205に向けて押圧するものであり、このため、制御用配線130がケース2の垂下部22の固定用凹所205の前方において、コンセントに固定される。
【0071】
また、入線挿通部1に制御用配線130を配置するにあたっては、壁面Aの背面側において、制御用配線130がCD管やあるいはPF管のような合成樹脂可撓管等の配線付設用の管133の内部に配置した状態で配設されている場合は、この管133の先端を入線挿通部1の背面に向けて配置し、この管133から制御用配線130を引き出して入線挿通部1内に導入するものである。このとき、絶縁板600に湾曲部612が形成されていると、コンセントの背面側において、絶縁板600の入線挿通部1側に、管133が配置されるスペースが確保される。
【0072】
上記の例では、コンセント本体10として、一度に一つの電源プラグのみが接続されるように形成されたものが用いられているが、同時に複数個の電源プラグが接続されるコンセント本体10を設けるようにしても良いものである。図10は、二つの電源プラグが同時に接続されるコンセント本体10を設けたものであり、下カバー5には、コンセント本体10の二つの栓刃挿入孔52と一つのピン挿入孔53とからなる電源プラグ接続部が、左右に並んで二つ併設されている。このコンセント本体10の内部には、各栓刃挿入孔52及びピン挿入孔53に対応する位置に、既述の場合と同様に、電源プラグの電源用栓刃を接続する刃受ばね6a,6b、接地極用栓刃を接続する刃受ばね6c、これらの刃受ばね6a〜6cに電源線、アース線を接続する速結端子構造の接続端子部7が、設けられている。この場合、一つのコンセント本体10をコンセントに設けるだけで、二つの電源プラグが同時に接続されるコンセントが得られる。
【0074】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係るコンセントは、造営面に設置される防水機能を有する外装内に、電源プラグが接続されるコンセント本体と、制御用配線が挿通される入線挿通部とが併設されているため、電源プラグが接続されるコンセントに制御用配線をも配設することができ、制御用配線を配設するための別途の設備を配設する必要がなく、施工を簡便なものとすることができるものである。また、コンセント本体と入線挿通部との間に、絶縁板を配設したため、コンセント本体に電力を供給するために接続される電源用配線と、入線挿通部に配置される制御用配線との間の絶縁を維持することができるものである。さらに、コンセント本体に係止穴を設けると共に、絶縁板に、外装内に配設されたコンセント本体の係止穴に着脱自在に係止される係止爪を形成したため、絶縁板をコンセントに容易に着脱することができ、コンセントを配設する場所の状況に応じて絶縁板を取り付けたり、あるいは取り外したりすることが容易となるものである。
【0075】
また請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、二個の電源プラグが同時に接続されるコンセント本体と、入線挿通部とが併設されているため、一つのコンセント本体を設けるだけで二つの電源プラグを接続することができるものである。
【0077】
また請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成に加えて、絶縁板を造営面側に向けて突出するように形成すると共に、この絶縁板に他の部分より薄肉に形成された凹溝を並列に複数条形成したため、この凹溝にて絶縁板を折り割ることによって、絶縁板の寸法を容易に変更することができ、コンセントを配設する場所の状況に応じて絶縁板の寸法を容易に変更することができるものである。
【0079】
また請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、絶縁板が着脱自在に配設されているため、コンセント本体に電源用配線を結線して接続したり、入線挿通部に制御用配線を配設したりする等の配線作業が終了した後に絶縁板をコンセントに取り付けることができ、絶縁板が配線作業の邪魔になることを防ぐことができるものである。
【0081】
また請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、絶縁板の、入線挿通部とコンセント本体との間に配置されている領域に、入線挿通部側からコンセント本体側に向けて突出するように湾曲する湾曲部を形成したため、制御用配線をCD管やPF管のような合成樹脂可撓管等の配線付設用の管の内部に配置した状態で造営面の裏側からコンセントの入線挿通部に接続する際に、湾曲部の入線挿通部側にCD管やPF管等の管が配置されるスペースを確保することができるものである。
【0082】
また請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、アースターミナルを具備するため、接地工事を容易に行うことができるものである。
【0083】
また請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかの構成に加えて、コンセントの外面にて制御用配線を固定する配線固定具を具備するため、制御用配線を配設した後、制御用配線を任意の位置にて配線固定具にて固定して制御用配線に過剰な張力がかかることを防止することができると共に、コンセントに配設された制御用配線の配置位置が不用意に変化しないようにすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、コンセントの設置状態を示す側面の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は側面の断面図、(b)は(a)のイ部分の拡大図である。
【図3】同上の実施の形態を示す背面図である。
【図4】同上の実施の形態を示すものであり、(a)は正面図、(b)は底面図である。
【図5】同上の実施の形態を示すものであり、(a)は配線固定具を取り除いた状態の底面図、(b)は押さえ板の詳細を示す底面図である。
【図6】同上の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図7】同上の実施の形態の動作を示す分解斜視図である。
【図8】同上の実施の形態を示す一部の断面図である。
【図9】同上の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示すものであり、(a)は正面図、(b)は一部破断した底面図である。
【符号の説明】
1 入線挿通部
2 カバー
10 コンセント本体
110 係止穴
130 制御用配線
206 配線固定具
600 絶縁板
605 凹溝
606 係止爪
612 湾曲部
Claims (7)
- 造営面に設置される防水機能を有する外装内に、電源プラグが接続されるコンセント本体と、制御用配線が挿通される入線挿通部とが併設され、コンセント本体と入線挿通部との間に絶縁板を配設し、コンセント本体に係止穴を設けると共に、絶縁板に、外装内に配設されたコンセント本体の係止穴に着脱自在に係止される係止爪を形成して成ることを特徴とするコンセント。
- 二個の電源プラグが同時に接続されるコンセント本体と、入線挿通部とが併設されて成ることを特徴とする請求項1に記載のコンセント。
- 絶縁板を造営面側に向けて突出するように形成すると共に、この絶縁板に他の部分より薄肉に形成された凹溝を並列に複数条形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンセント。
- 絶縁板が着脱自在に配設されて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のコンセント。
- 絶縁板の、入線挿通部とコンセント本体との間に配置されている領域に、入線挿通部側からコンセント本体側に向けて突出するように湾曲する湾曲部を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のコンセント。
- アースターミナルを具備して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のコンセント。
- コンセントの外面にて制御用配線を固定する配線固定具を具備して成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のコンセント。
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