JP3675297B2 - コンセント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商用電源と電源プラグとを接続できるコンセントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アースピン付きの電源プラグを接続できるコンセントとして、屋外において壁面等の造営面に設置されるものがあり、このようなコンセントとして、防水を施したものがある。このようなコンセントは、例えば屋外に設置される給湯器等への電源供給用に用いられる。
【0003】
一方、給湯器には、駆動用の電力の他に、動作制御用の弱電流信号を伝達するための電線も接続されるものであり、このような電線を造営面から引き出して給湯器に接続するためには、造営面に、造営面から電線を引き出すと共にこの引き出し部分を防水する等のために、上記コンセントとは別個の電線用のカバー等を設ける必要がある。またこのように給湯器に制御用の電線を接続する場合に限らず、例えば電源をコンセントを介さずに直接屋外設置型の機器に接続したり、あるいは通信用の電線を屋外設置型の機器に接続したりする場合等でも、同様に、コンセントとは別個のカバー等が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにコンセントとは別個の電線引き出し用のカバー等は、コンセントとは別途の設備であるため、コンセントとは別途に配設しなければならず、施工が煩雑なものであった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、屋外設置型の機器にプラグを介して電源等を接続することができるだけでなく、プラグを介せずに直接機器に接続される電線を引き出すことができるコンセントを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るコンセントは、造営面に設置される絶縁材料にて構成されたカバー体2と、カバー体2内に配設されるプラグ栓刃挿入口52を備えたコンセント本体10と、カバー体2内に形成され、電線を挿通するためのブッシング51を備えた入線挿通部11と、カバー体2の外面側に形成されたアースターミナルと、カバー体2と造営面との間に介装される柔軟性を有するパッキン8と、カバー体2を造営面に取り付けるための取付枠9とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0007】
また、カバー体2にコンセントカバー部20bと入線カバー部20aを、いずれか一方が上段側に配置されると共に他方が下段側に配置されるように形成し、コンセントカバー部20b内に複数の電源プラグが接続できるコンセント本体10を設けると共に入線カバー部20a内に複数の電線が挿通される入線挿通部11を形成して成ることを特徴とするものである。
【0008】
また請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、入線カバー部20aをカバー体2に対して着脱自在に形成して成ることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態により説明する。
【0010】
本実施形態のコンセント1は、屋外の壁材等の造営材の表面(造営面)に取り付けられるものである。以下、コンセント1を鉛直方向の造営面に対して配設した場合の、コンセント1に対して造営面とは反対側を前方、造営面側を後方として、コンセント1の構成を説明する。
【0011】
図1,2に示す参考例のコンセント1にあっては、外装は、絶縁性材料から構成されるカバー体2と、柔軟性を有するパッキン8とから構成されている。
【0012】
カバー体2の背面の全面は後方に向けて開口しており、この開口の周囲には、全周に亘って、背面側に突出するリブが突設されている。
【0013】
カバー体2の前面側には、前方に向けて突出するケース部20が形成されている。ケース部20の両側面は略三角形状に形成され、前面は、上面後方から前面下方に向けて、外方に突出しながらなだらかに湾曲する面一な曲面として形成されている。また、ケース部20の下面は略矩形状に形成され、カバー体2の内部と外部とを連通する接続開口21が下方に向けて開口している。この接続開口21の開口周縁の、前面側及び両側面側からは、下方に向けて突出するコ字状の雨避け用のフード22が設けられている。
【0014】
ここで、ケース部20内には、ケース部20内を左右に分割した一側部にコンセント本体10が設けられ、他側部には入線挿通部11が形成されるものであり、また上記の接続開口21の入線挿通部11側の側部はブッシング用開口部23として形成され、コンセント本体10側の側部はコンセント用開口部24として形成されている。
【0015】
コンセント本体10は、接地極用栓刃が設けられた電源プラグを接続することができるようになっており、電源プラグの電源用栓刃や接地極用栓刃を接続する刃受ばねと、この刃受ばねに電源用配線の電源線やアース線を接続する、速結端子構造等に形成された接続端子部とが、下面が開口するボディ3内に配設されている。このボディ3の下面開口には下カバー5が被着されている。
【0016】
この下カバー5の下面には刃受ばねに対応して電源プラグの電源用栓刃を挿入するプラグ栓刃挿入口52や接地極用栓刃を挿入する接地極用栓刃挿入口53が穿設されており、夫々の挿入口52,53は円弧状に形成され、挿入した電源用栓刃及び接地極用栓刃を所定角度に回転することができるようになっている。
【0017】
ボディ3の背面には、背面側からボディ3内に電源線やアース線の芯線を挿入する芯線挿入口30が、ボディ3内へ連通するように穿設して形成されている。また解除釦が露出する解除孔31も形成されている。
【0018】
このコンセント本体10はカバー体2の背面からケース部20内に挿入されてケース部20内の一側部に配設されている。このときコンセント本体10の下カバー5がケース部20のコンセント用開口部24に配置されて、このコンセント用開口部24にて挿入口52,53が外部に露出しており、コンセント本体10はこのような状態で、ケース体2に対して螺子どめ等により固定されている。
【0019】
一方、入線挿通部11は、ケース部20内におけるコンセント本体10の側方に形成された空間にて構成されており、この入線挿通部11によって、ケース部20の背面開口とブッシング用開口部23とが連通されている。またブッシング用開口部23には、コンセント1外部と入線挿通部11とを仕切るようにブッシング51が設けられている。ここでブッシング51はゴム等の軟質の樹脂材料にて形成されており、十字状のスリット54が設けられている。
【0020】
また、ケース部20内には、上記のコンセント本体10と入線挿通部11とを仕切るセパレータ6が配設されている。このセパレータ6はシート状又は板状に形成された絶縁材料にて構成されており、ケース部20内をコンセント本体10と入線挿通部11とに左右に仕切るように配設される。このセパレータ6によって、コンセント本体10における結線部分と、電線との電気的絶縁性を確保することができる。特に電線を機器間の通信や機器制御等のための信号伝達に用いる場合は、弱電流が伝達されることが多く、この場合は電線にノイズが発生することを防止して、正確な信号伝達を可能とすることができる。
【0021】
またカバー体2には、ケース部20の下方に、ケース部20の接続開口21の周縁の背面側から下方に向けて垂下部25が延設されている。この垂下部25とケース部20の内部は連通するように形成されている。
【0022】
このカバー体2には、図示はしないが垂下部25の内部からケース部20内部に亘って、金属製のリード板が配設される。ここで垂下部25の、コンセント本体10側の前面にはアースねじ7が螺合されるものであり、リード板は垂下部25側において、このアースねじ7が螺合することにより固定されると共に、アースねじ7との導通が確保されている。またこのリード板は、コンセント本体10のアース用の接続端子部に接続するようにしてあり、アースねじ7によってアースをとるためのアースターミナルが構成されている。
【0023】
また垂下部25の前部の中央には、固定ねじ27を通す貫通孔29が穿設されている。またケース部20の内底面の上端には、図示はしないが、ボスを形成し、前面からこのボス内を貫通して固定ねじ27を通す貫通孔28が穿設されている。
【0024】
垂下部25の、入線挿通部11側の前面には、配線押さえ用金具4が螺子止め等により取り付けられている。配線押さえ用金具4には、押さえ片41が側方に向けて延設されており、この押さえ片41の先端からは垂下部25側に向けて爪片42が突設されている。ここで押さえ片41は入線挿通部11のブッシング51の下方に配置されると共に、垂下部25の前面から前方に離間させて配置されてる。この押さえ片41と垂下部25の前面との間にブッシング51から外部に導出された電線を配置すると共に、配線押さえ用金具4を固定する螺子を締めるなどして、押さえ片41と垂下部25との隙間を狭窄して、押さえ片41と垂下部25とで電線を挟持固定すると共に、爪片42によって電線が押さえ片41から外れることが防止されているものである。このため、電線を配設した後、電線をカバー体2上に固定して電線に過剰な張力がかかることを防止することができると共に、コンセント1に配設された電線の配置位置が不用意に変化しないようにすることができる。
【0025】
パッキン8は、ゴム等の軟質な樹脂材にて形成されているものであり、カバー体2と略同一の正面視寸法を有している。パッキン8の前面側の周縁には、全周に亘って、カバー体2のリブに合致する嵌合溝82が前方に開口するように凹設されている。またこのパッキン8には、前後方向に貫通する矩形状の開口80が設けられている。また、パッキン8の上部には、カバー体2の貫通孔28と合致する貫通孔81が形成されており、パッキン8の下部にはカバー体2の貫通孔29と合致する貫通孔83が形成されている。このパッキン8は、コンセント本体10と入線挿通部11とが形成されたカバー体2に、カバー体2のリブに嵌合溝82を嵌合することにより取り付けられる。このとき、パッキン8の開口80を介して、コンセント本体10及び入線挿通部11が背面側に露出することとなる。
【0026】
また取付枠9は矩形状に形成されると共に、略矩形状の開口92が形成されているものであり、上部には取付孔90が形成されていると共に、カバー体2の貫通孔28及びパッキン8の貫通孔81に合致する貫通孔91が形成されている。また取付枠9の下部には、取付孔90が形成されると共に、カバー体2の貫通孔29及びパッキン8の貫通孔83に合致する貫通孔93が形成されている。
【0027】
取付枠9は開口が設けられた壁面等の造営面に、取付孔90を通してねじ等の固着具94を螺着することにより取り付けられるものであり、このとき取付枠9は、造営面の開口に取り付けられた取付ボックスに取り付けるようにしても良い。
【0028】
そして、造営面の裏側に配設されている電源用配線や制御用等の電線を、造営面の開口及び取付枠9の開口92を通して造営面の表面側に導出しておく。ここで、制御用等の電線とは、例えば各種の信号を電気的に伝達する伝達ラインであり、電源用配線からの電力の供給を受けて作動する機器に接続され、この機器を制御するための制御信号や通信信号をこの機器に伝達したり、あるいはこの機器から外部に出力される制御信号や通信信号を他の機器等伝達したりするために配設されるものを挙げることができる。
【0029】
この状態で、コンセント1を取付枠9の前面側に配置し、電線を、入線挿通部11側において、パッキン8の開口80を介して、ケース部20内の入線挿通部11内に導入し、更にブッシング51を介して入線挿通部11からコンセント1の外側に導出されるものであり、このとき電線はスリット54内にブッシング51が湾曲変形することによって挿通され、この湾曲されたブッシング51によって電線が挟持されると共に、電線が導出される部分におけるコンセント1の開口量が低減されて防水性が向上される。
【0030】
また、電源用配線の電源線やアース線等の芯線を、コンセント本体10側において、パッキン8の開口80を介して、ケース部20内のコンセント本体10側に導入し、電源線等の芯線をコンセント本体10の芯線挿入口30に挿通して、接続する。
【0031】
そして、カバー体2の貫通孔28、パッキン8の貫通孔81及び取付枠9の貫通孔91を連通させて、この貫通孔28,81,91に固定ねじ27を螺着し、一方、カバー体2の貫通孔29、パッキン8の貫通孔83及び取付枠9の貫通孔93を連通させて、この貫通孔29,83,93に固定ねじ27を螺着することにより、取付枠9に対してコンセント1を固定し、コンセント1を造営面に取り付けるものである。
【0032】
ここで、カバー体2から導出された電線は既述のように押さえ用金具4によって垂下部25の前面に固定される。
【0033】
上記の例では、コンセント本体10として、一度に一つの電源プラグのみが接続されるように形成されたものが用いられているが、同時に複数個の電源プラグが接続されるコンセント本体10を設けるようにしても良いものである。図7,8に示す参考例は、二つの電源プラグが同時に接続されるコンセント本体10を設けたものであり、下カバー5には、コンセント本体10の二つのプラグ栓刃挿入口52と一つの接地極用栓刃挿入口53とからなる電源プラグ接続部と、二つのプラグ栓刃挿入口52からなる電源プラグ接続部との二つの電源プラグ接続部が左右に並んで併設されている。このコンセント本体10の内部には、各プラグ栓刃挿入口52及び接地極用栓刃挿入口53に対応する位置に、既述の場合と同様に、電源プラグの電源用栓刃や接地極用栓刃を接続する刃受ばね、これらの刃受ばねに電源線、アース線を接続する速結端子構造の接続端子部が、設けられている。この場合、一つのコンセント本体10をコンセント1に設けるだけで、二つの電源プラグが同時に接続されるコンセント1が得られる。
【0034】
図3,4に示すコンセント1は、カバー体2のケース部20が、上段に形成された入線カバー部20aと下段に形成されたコンセントカバー部20bとから構成されている。カバー体2に対して一体に形成された入線カバー部20aとコンセントカバー部20bとは、いずれも前方に向けて突出するように形成されており、両側面は略三角形状に形成され、前面は、上面後方から前面下方に向けて、外方に突出しながらなだらかに湾曲する面一な曲面として形成されている。このコンセントカバー部20bの上部は、入線カバー部20aの下部の後方部と、内部で連通されている。また、入線カバー部20aの前方部の下面と、コンセントカバー部20bの下面は略矩形状に形成され、カバー体2の内部と外部とを連通する開口が下方に向けて開口している。ここでこの入線カバー部20aの下面開口はブッシング用開口部23のみにて構成され、コンセントカバー部20bの下面開口はコンセント用開口部24のみにて構成されている。コンセントカバー部20bのコンセント用開口部24の開口周縁の、前面側及び両側面側からは、下方に向けて突出するコ字状の雨避け用のフード22が設けられている。
【0035】
コンセントカバー部20bの内部にはコンセント本体10が設けられる。ここで二つの電源プラグが同時に接続されるコンセント本体10を設けたものであり、下カバー5には、コンセント本体10の二つのプラグ栓刃挿入口52と一つの接地極用栓刃挿入口53とからなる電源プラグ接続部と、二つのプラグ栓刃挿入口52からなる電源プラグ接続部との二つの電源プラグ接続部が左右に並んで併設されている。このコンセント本体10の内部には、各プラグ栓刃挿入口52及び接地極用栓刃挿入口53に対応する位置に、既述の場合と同様に、電源プラグの電源用栓刃や接地極用栓刃を接続する刃受ばね、これらの刃受ばねに電源線、アース線を接続する速結端子構造の接続端子部が、設けられている。
【0036】
このコンセント本体10はカバー体2の背面からコンセントカバー部20b内に挿入されてコンセントカバー部20b内に配設されている。このときコンセント本体10の下カバー5がコンセントカバー部20bのコンセント用開口部24に配置されて、このコンセント用開口部24にて挿入口52,53が外部に露出しており、コンセント本体10はこのような状態で、ケース体2に対して螺子どめ等により固定されている。このように、ケース部20の下段に形成されたコンセントカバー部20bには、入線挿通部11は形成されずにコンセント本体10のみが配設され、コンセントカバー部20bの下面開口であるコンセント用開口部24には、ブッシング51は配置されない。この場合、一つのコンセント本体10をコンセント1に設けるだけで、二つの電源プラグが同時に接続されるコンセント1が得られる。
【0037】
一方、入線挿通部11は、入線カバー部20a内に形成された空間にて構成されており、この入線挿通部11によって、入線カバー部20aの背面開口とブッシング用開口部23とが連通されている。またブッシング用開口部23には、コンセント1外部と入線挿通部11とを仕切るようにブッシング51が設けられている。ここでブッシング51はゴム等の軟質の樹脂材料にて形成されており、図示の例では十字状のスリット54が二つ設けられているが、スリット54は三個以上設けても良い。このようにケース部20の上段に形成された入線カバー部20aにはコンセント本体10は設けられず、入線挿通部11のみが形成されるものであり、入線カバー部20aの下面開口であるブッシング用開口部には、挿入口52,53は露出されない。この場合、複数のスリット54が形成された二以上の電線を挿通できる入線挿通部11が設けられたコンセント1が得られる。
【0038】
また、ケース部20内には、コンセントカバー部20bと入線カバー部20aとの連通部分に、ケース部20内をコンセント本体10と入線挿通部11とに上下に仕切る絶縁性のセパレータ6が配設されている。
【0039】
他の構成は図1,2に示すものと同様であり、カバー体2の垂下部25には配線押さえ用金具4とアースターミナルとが形成されている。ここで、配線押さえ用金具4は、図1,2の場合とは異なり、入線挿通部11に挿通される電線を固定するものではなく、コンセント本体10の一側部に形成された二つのプラグ栓刃挿入口52からなる電源プラグ接続部に接続された電源プラグのコードを固定するために設けられている。
【0040】
このように構成されたコンセント1では、一つのコンセント1のみを用いて複数の機器に対して電源を接続すると共に制御用等の戦線を配設することができて、施工の手間を更に削減することができるものであり、しかも入線挿通部11とコンセント本体10とを上下二段に形成することでコンセントをコンパクトに形成することができるものである。
【0041】
図5,6に示すコンセント1は、図3,4に示す構成において、入線カバー部20aを、カバー体2に対して着脱自在に形成したものである。すなわち、カバー体2は、コンセントカバー部20bの下方に垂下部25を一体に設け、更にコンセントカバー部20bの上方に延出部26を一体に設けて形成されており、更に延出部26に対して入線カバー部20aが着脱自在に設けられている。
【0042】
コンセントカバー部20bは前方に向けて突出するように形成されており、両側面は略三角形状に形成され、前面は、上面後方から前面下方に向けて、外方に突出しながらなだらかに湾曲する面一な曲面として形成されている。またこのコンセントカバー部20bは背面及び下面のみが開口しており、下面開口はコンセント用開口部24のみにて構成されている。
【0043】
また垂下部25は、コンセントカバー部20bの下方に、コンセントカバー部20bのコンセント用開口部24の周縁の背面側から下方に向けて延設されている。この垂下部25とコンセントカバー部20bの内部は連通するように形成されている。
【0044】
また延出部26は板状に形成されており、コンセントカバー部20bの上面の背面側から上方に向けて延設されている。カバー体2の上部に設ける貫通孔28は、この延出部26の上部に設けられている。また延出部26には略矩形状の開口部26aが形成されている。また延出部26には一側面、上面及び他側面に亘る係合溝26bが形成されている。
【0045】
入線カバー部20aは前方に向けて突出するように形成されており、両側面は略三角形状に形成され、前面は、上面後方から前面下方に向けて、外方に突出しながらなだらかに湾曲する面一な曲面として形成されている。またこの入線カバー部20aは背面及び下面のみが開口しており、下面開口はブッシング用開口部23のみにて構成されている。また背面開口には、図示はしないが、内面から内方に向けて突出する、上記係合溝26bに合致する係合リブが形成されている。
【0046】
コンセントカバー部20bの内部には、背面開口から、図3,4に示すものと同様のコンセント本体10が挿入されてコンセントカバー部20b内に配設されている。
【0047】
一方、入線カバー部20aは、係合溝26bとケース体2の係合リブとを位置合わせして、入線カバー部20aを延出部26の上方から下方にスライドすることにより、係合溝26bと係合リブとを係合させて、カバー体2に対して取り付けられる。入線カバー部20aがカバー体2に取り付けられた状態において、入線カバー部20aの内部に形成された空間にて構成されており、この入線挿通部11によって、背面側の開口部26aとブッシング用開口部23とが連通されている。またブッシング用開口部23には、図3,4に示す場合と同様のブッシング51が、コンセント1外部と入線挿通部11とを仕切るように設けられている。
【0048】
ここで、入線挿通部11とコンセント本体10とは、コンセントカバー部20bの上面部分によって仕切られているため、絶縁性のセパレータ6を別途に設けることなく入線挿通部11とコンセント本体10との電気的な絶縁が確保されている。
【0049】
他の構成は図3,4に示すものと同様であり、カバー体2の垂下部25には配線押さえ用金具4とアースターミナルとが形成されている。
【0050】
上記のように構成されるコンセント1では、入線カバー部20aをカバー体2から脱離した状態で電線を開口部26aの背面側から前面側に導出し、更に入線カバー部20aの背面開口から入線カバー部20a内部に導入すると共にブッシング51のスリット54と通して入線カバー部20aから導出し、この状態で入線カバー部20aをカバー体2に取着することにより、電線を入線挿通部11からコンセント外に導出することができる。従って、ブッシング51に電線を挿通させる作業を入線カバー部20aをカバー体2から脱離した状態で、広いスペースにて行うことができて、電線の配設作業を容易に行うことができるものである。またコンセント1を造営面に取り付けた状態であっても、入線カバー部20aを脱離し、造営面の裏側から開口部26aを介して電線を引き出し、更に前述の場合と同様に電線を入線挿通部11に配設することができるものであり、コンセント1を造営面に取り付けた状態であっても電線の配設作業を容易に行うことができるものである。
【0051】
以上のように構成されるコンセント1は、例えば図9の参考例に示すように、外部設置型の給湯器100に電源を接続すると共に制御用の電線を接続するために用いることができる。図示の例では給湯器100の電源コード102を、造営面に設置されたコンセント1のコンセント本体10に接続し、アース線103をアースターミナルに接続し、更にコンセント1の入線挿通部11から引き出された制御用の電線101を給湯器100に接続しているものである。このようにして、一つのコンセント1のみを用いて、外部設置型の機器に対する電源の接続をコンセント本体10を介して行うと共に、制御用等のための電線の配設を入線挿通部11を介して行うことができるものであり、電線を接続するためのカバー等を別途に設ける必要がなく、施工に手間がかからないものである。
【0052】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係るコンセントは、造営面に設置される絶縁材料にて構成されたカバー体と、カバー体内に配設されるプラグ栓刃挿入口を備えたコンセント本体と、カバー体内に形成され、電線を挿通するためのブッシングを備えた入線挿通部と、カバー体の外面側に形成されたアースターミナルと、カバー体と造営面との間に介装される柔軟性を有するパッキンと、カバー体を造営面に取り付けるための取付枠とを具備するため、コンセントを造営面に設置して、この一つのコンセントのみを用いて、コンセント本体を介して電動機器に電源を供給すると共に入線挿通部を介して電源が供給される機器の制御や機器間の通信等を行うための電線をも配設することができ、電線を配設するための別途の設備を配設する必要がなく、施工を簡便なものとすることができるものであり、またアースターミナルを用いて接地工事を容易に行うことができるものである。
【0053】
また、カバー体にコンセントカバー部と入線カバー部を、いずれか一方が上段側に配置されると共に他方が下段側に配置されるように形成し、コンセントカバー部内に複数の電源プラグが接続できるコンセント本体を設けると共に入線カバー部内に複数の電線が挿通される入線挿通部を形成したため、一つのコンセントを用いて複数の機器に対して電源の接続と電源が供給される機器の制御や機器間の通信等を行うための電線の配設とを行うことができるものであり、複数の機器への電源の接続及び電線の配設にあたっても一つのコンセントのみを設置すれば良く、施工の手間を更に削減することができるものであり、しかもコンセント本体と入線挿通部とを上下二段に形成することでコンセントをコンパクトに形成することができるものである。
【0054】
また請求項2に記載の発明は、請求項1の構成に加えて、入線カバー部をカバー体に対して着脱自在に形成したため、入線カバー部を脱離した状態で電線をブッシングに挿通する作業を行うことができ、電線の配設作業を広いスペースにて容易に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例の一例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
【図2】 同上の分解斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
【図4】 同上の分解斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態の更に他例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
【図6】 同上の分解斜視図である。
【図7】 本発明の参考例の他例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。
【図8】 同上の分解斜視図である。
【図9】 本発明の参考例の使用状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 コンセント
2 カバー体
8 パッキン
9 取付枠
10 コンセント本体
11 入線挿通部
20a 入線カバー部
20b コンセントカバー部
51 ブッシング
Claims (2)
- 造営面に設置される絶縁材料にて構成されたカバー体と、カバー体内に配設されるプラグ栓刃挿入口を備えたコンセント本体と、カバー体内に形成され、電線を挿通するためのブッシングを備えた入線挿通部と、カバー体の外面側に形成されたアースターミナルと、カバー体と造営面との間に介装される柔軟性を有するパッキンと、カバー体を造営面に取り付けるための取付枠とを具備し、前記カバー体にコンセントカバー部と入線カバー部を、いずれか一方が上段側に配置されると共に他方が下段側に配置されるように形成し、前記コンセントカバー部内に複数の電源プラグが接続できる前記コンセント本体を設けると共に前記入線カバー部内に複数の電線が挿通される前記入線挿通部を形成して成ることを特徴とするコンセント。
- 入線カバー部をカバー体に対して着脱自在に形成して成ることを特徴とする請求項1に記載のコンセント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000124574A JP3675297B2 (ja) | 2000-04-25 | 2000-04-25 | コンセント |
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