JP3574736B2 - 固形状活性炭及びその製造方法及びこれを用いた電気二重層コンデンサ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的な活性炭として広く利用できる固形状活性炭及びその製造方法に関し、さらにこれを用いた電気二重層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層コンデンサは、図1に示すように二つの固形状活性炭からなる電極1、1間に電解質2を配置し、両者の界面に生じる電気二重層を利用したコンデンサであり、上記電極1として固形状活性炭が用いられている。またこの他にも電池の電極部材や各種用途に固形状活性炭が用いられているがこれらの固形状活性炭の製造方法は以下の通りである。
【0003】
▲1▼活性炭、カーボンブラック、微粉状炭素または導電性カーボンとPTFE、四フッ化エチレン樹脂、又は含フッ素重合体樹脂との混練物をロール成形、圧縮、押し出し、圧延、延伸あるいはこれらを組み合わせた手段でシート状に成形して固形状活性炭を得ている。(特開昭62−200715号、63−17311号、63−107011号、特開平5−121269号、5−283287号公報参照)。
【0004】
▲2▼アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂を被覆した活性炭及び導電性カーボンと、バインダーとして四フッ化エチレン樹脂及び溶剤を混合して3本ロールで混練した後、シート状に成形して固形状活性炭を得ている。(特開平2−82507号公報参照)。
【0005】
▲3▼活性炭微粒子のみ、あるいはカーボン微粒子とカーボン繊維又は活性炭粉末とメソカーボンを混合して加圧焼結して固体カーボンを得ている。(特開平3−132009号、3−201516号公報参照)。
【0006】
▲4▼活性炭粉末と粉末状フェノール樹脂の混合物を射出成形して熱処理することにより固形状活性炭−カーボン複合体を得ている。(特開平6−45189号公報参照)。
【0007】
▲5▼活性炭繊維とパルプ繊維、又は炭素繊維、繊維状活性炭及び微粉末活性炭のうち2種にパルプ、分散剤、芳香族ポリイミド樹脂又はポリプロンを加えて抄紙している。(特開昭64−9611号、特開平6−61093号、5−129157号公報参照)。
【0008】
▲6▼活性炭粉末とセルロース繊維とフェノール樹脂とを主成分とするプリプレグシートを作製し、圧着、硬化、焼成している。(特開平5−121271号公報参照)。
【0009】
▲7▼活性炭粉末と粒状または粉末状フェノール樹脂を有機溶剤に溶解させた混合物を基板状に製膜し、熱硬化後、非酸化性雰囲気中で熱処理を行うことにより固形状活性炭を得ている。(特開平4−288361号公報参照)。
【0010】
▲8▼硬化型球状フェノール樹脂を炭化して得た球状炭化物と熱反応型球状フェノール樹脂とを混合し、金型に充填し、加圧下で加熱硬化させ、不活性雰囲気で熱処理したのち、賦活する方法がある。((特開平6−69075号、6−69076号、6−69077号公報参照)。
以上のように従来の固形状活性炭としては、4フッ化エチレン等の樹脂と混練して成形したもの(▲1▼▲2▼)、粉体を加圧焼結したもの(▲3▼)、樹脂と混練して射出成形した後熱処理したもの(▲4▼)、抄紙等を使用したプリプレグ法、圧着、熱硬化によるもの(▲5▼▲6▼)、基板への成膜後熱処理するもの(▲7▼)、熱間プレスするもの(▲8▼)があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記固形状活性炭の製造方法に於いて、活性炭粉末及び活性炭繊維をフェノール樹脂、4フッ化エチレン樹脂、その他熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂等と有機溶剤又は水で混練し、押出し成型、ドクターブレード成型、カレンダーロール成型等で成型しているが、比表面積の大きい活性炭は溶剤と樹脂のみでは均一な混練が困難であった。
【0012】
また、その結果得られた固形状活性炭を電気二重層コンデンサに用いた場合、その静電容量を大きくできないという課題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のバインダー成分の炭化物とを主体とする固形状活性炭中に、2.0重量%以下のアルカリ金属を含有させたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のバインダーと、Na塩を含むアニオン界面活性剤及び/又はアルカリ金属の水酸化物や炭酸化合物とを混合、成形し得られた成形体を非酸化性雰囲気下で熱処理する工程からなる固形状活性炭の製造方法を特徴とする。
【0015】
即ち、本発明は、分散剤としてNa塩を含むアニオン界面活性剤を添加することにより、活性炭、樹脂、溶剤の混練を容易にし、かつアルカリ金属の水酸化物や炭酸化合物を添加し、最終的な固形状活性炭に含有されるアルカリ金属量を2.0重量%以下とすることによって、20F/g〜55F/gの静電容量を得るようにしたものである。
【0016】
ここで、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物は賦活作用があり、活性炭の比表面積を大きくすることが知られている。一般に、グラファイト中の炭酸ナトリウム、炭酸カリウムは、600〜800℃の不活性雰囲気中にて、
Na2 CO3 +2C→2Na+3CO
K2 CO3 +2C→2K+3CO
のガス化反応を生じる。そのため、アルカリ金属化合物を含有していると、炭化、賦活課程の後半(600℃以上)で炭素との間のガス化を促進し、大きな比表面積の形成に効果的である。
【0017】
そこで、本発明は、上記アルカリ化合物の賦活作用に着目し、分散剤として、RCOONaで表されるNa塩を含むアニオン界面活性剤、及び/又は炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ等のアルカリ金属の水酸化物や炭酸化合物を使用することにより、炭化処理後の固体活性炭の静電容量を大きくするようにしたものである。
【0018】
なお、固形状活性炭中のアルカリ金属含有量の範囲を2.0重量%以下としたのは、2.0重量%を超えると内部抵抗等の電気特性が劣化するためであり、好ましくは1重量%以下が良い。また、本発明の効果を奏するためには、アルカリ金属含有量は0.01重量%以上が好ましく、さらに0.05重量%以上が好適である。したがって、最適なアルカリ金属の含有量の範囲は0.01〜1.0重量%となる。
【0019】
このような範囲とすることによって、本発明の固形状活性炭を電気二重層コンデンサとして用いた場合に、必要な静電容量20F/g〜55F/gを得ることができる。
【0020】
なお、上記のアルカリ金属含有量は、最終的な固形状活性炭から、ICP発光分光分析によって求めることができる。さらに、本発明のアルカリ金属としては、Na又はKが最適である。
【0021】
また、本発明の固形状活性炭は、58.50〜89.95重量%の活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、10〜40重量%の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のバインダー成分と、上記Na塩を含むアニオン界面活性剤及び/又はアルカリ金属の水酸化物や炭酸化合物等を添加混合し、成形した後、非酸化性雰囲気下で熱処理する工程から得られる。このようにして得られた固形状活性炭は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、上記バインダー成分の炭化物とを主体とし、上述したように2.0重量%以下のアルカリ金属を含有するものである。
【0022】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
【0023】
実施例1
活性炭粉末(ヤシガラ系、BET値1700m2 /g)、熱硬化性フェノールホルムアルデヒド樹脂(鐘紡製ベルパールS890)、分散剤としてアニオン界面活性剤を熱処理後の固形状活性炭のCとNaの比率が表1、表2に示す割合になるように調合した。尚、これら100重量部に対し熱可塑性樹脂としてブチラール樹脂30重量部、可塑剤25重量部、さらに溶剤を添加、混合しスラリーを作成した。
【0024】
得られたスラリーをドクターブレード法で成形し、厚み1mmのシート状成形体を得た。得られたシート状成形体を400℃×2時間でフェノール樹脂の硬化と熱可塑性樹脂の脱バインダーを行った後、真空炉で800℃の熱処理を行いフェノール樹脂を炭化させてNaを含有する活性炭基板を作製した。
【0025】
得られた活性炭基板を図1に示す簡易二重層コンデンサの電極1として用いた時の静電容量と内部抵抗を測定した結果を表1、表2に示す。
【0026】
この結果、Na含有量が0のもの(No.71)では、分散性が悪く製造が困難であり、得られた固形状活性炭の静電容量は37F/gと低かった。また、Na含有量が2.0重量%を超えるものでは、内部抵抗が高くなり、また静電容量が小さくなった。
【0027】
これらに対し、Na含有量を0.01重量%〜2.0重量%の範囲とした本発明実施例では、分散性が良好で製造が容易であり、また活性炭純度68重量%〜89.99重量%の時、静電容量は20F/g〜55F/gと電気二重層コンデンサに求められる18F/g以上を維持できることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
実施例2
次に、実施例1のアニオン界面活性剤の代わりに炭酸カリウムを添加し、その他は実施例1と同様にして活性炭基板を作成した。
【0031】
得られた活性炭基板を図1に示す簡易二重層コンデンサの電極1として用いた時の静電容量と内部抵抗を測定した結果を表3、表4に示す。
【0032】
この結果、K含有量が0のもの(No.101)では、得られた固形状活性炭の静電容量は35F/gと低かった。また、K含有量が2.0重量%を超えるものでは、内部抵抗が高くなり、また静電容量が小さくなった。
【0033】
これらに対し、K含有量を0.01重量%〜2.0重量%の範囲とした本発明実施例では、活性炭純度68重量%〜89.99重量%の時、静電容量は20F/g〜53F/gと電気二重層コンデンサに求められる18F/g以上を維持できることがわかる。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、固形状活性炭に2.0重量%以下のアルカリ金属を含有含有させることによって、比表面積が大きく、内部抵抗が小さく、電気二重層コンデンサとして用いた場合の静電容量が大きい固形状活性炭を得ることができる。
【0037】
そのため、この固形状活性炭を用いて電気二重層コンデンサの電極を形成すれば、静電容量が高い高性能の電気二重層コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な電気二重層コンデンサを示す概略図である。
【符号の説明】
1:電極
2:電解質
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的な活性炭として広く利用できる固形状活性炭及びその製造方法に関し、さらにこれを用いた電気二重層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層コンデンサは、図1に示すように二つの固形状活性炭からなる電極1、1間に電解質2を配置し、両者の界面に生じる電気二重層を利用したコンデンサであり、上記電極1として固形状活性炭が用いられている。またこの他にも電池の電極部材や各種用途に固形状活性炭が用いられているがこれらの固形状活性炭の製造方法は以下の通りである。
【0003】
▲1▼活性炭、カーボンブラック、微粉状炭素または導電性カーボンとPTFE、四フッ化エチレン樹脂、又は含フッ素重合体樹脂との混練物をロール成形、圧縮、押し出し、圧延、延伸あるいはこれらを組み合わせた手段でシート状に成形して固形状活性炭を得ている。(特開昭62−200715号、63−17311号、63−107011号、特開平5−121269号、5−283287号公報参照)。
【0004】
▲2▼アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂を被覆した活性炭及び導電性カーボンと、バインダーとして四フッ化エチレン樹脂及び溶剤を混合して3本ロールで混練した後、シート状に成形して固形状活性炭を得ている。(特開平2−82507号公報参照)。
【0005】
▲3▼活性炭微粒子のみ、あるいはカーボン微粒子とカーボン繊維又は活性炭粉末とメソカーボンを混合して加圧焼結して固体カーボンを得ている。(特開平3−132009号、3−201516号公報参照)。
【0006】
▲4▼活性炭粉末と粉末状フェノール樹脂の混合物を射出成形して熱処理することにより固形状活性炭−カーボン複合体を得ている。(特開平6−45189号公報参照)。
【0007】
▲5▼活性炭繊維とパルプ繊維、又は炭素繊維、繊維状活性炭及び微粉末活性炭のうち2種にパルプ、分散剤、芳香族ポリイミド樹脂又はポリプロンを加えて抄紙している。(特開昭64−9611号、特開平6−61093号、5−129157号公報参照)。
【0008】
▲6▼活性炭粉末とセルロース繊維とフェノール樹脂とを主成分とするプリプレグシートを作製し、圧着、硬化、焼成している。(特開平5−121271号公報参照)。
【0009】
▲7▼活性炭粉末と粒状または粉末状フェノール樹脂を有機溶剤に溶解させた混合物を基板状に製膜し、熱硬化後、非酸化性雰囲気中で熱処理を行うことにより固形状活性炭を得ている。(特開平4−288361号公報参照)。
【0010】
▲8▼硬化型球状フェノール樹脂を炭化して得た球状炭化物と熱反応型球状フェノール樹脂とを混合し、金型に充填し、加圧下で加熱硬化させ、不活性雰囲気で熱処理したのち、賦活する方法がある。((特開平6−69075号、6−69076号、6−69077号公報参照)。
以上のように従来の固形状活性炭としては、4フッ化エチレン等の樹脂と混練して成形したもの(▲1▼▲2▼)、粉体を加圧焼結したもの(▲3▼)、樹脂と混練して射出成形した後熱処理したもの(▲4▼)、抄紙等を使用したプリプレグ法、圧着、熱硬化によるもの(▲5▼▲6▼)、基板への成膜後熱処理するもの(▲7▼)、熱間プレスするもの(▲8▼)があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記固形状活性炭の製造方法に於いて、活性炭粉末及び活性炭繊維をフェノール樹脂、4フッ化エチレン樹脂、その他熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂等と有機溶剤又は水で混練し、押出し成型、ドクターブレード成型、カレンダーロール成型等で成型しているが、比表面積の大きい活性炭は溶剤と樹脂のみでは均一な混練が困難であった。
【0012】
また、その結果得られた固形状活性炭を電気二重層コンデンサに用いた場合、その静電容量を大きくできないという課題があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のバインダー成分の炭化物とを主体とする固形状活性炭中に、2.0重量%以下のアルカリ金属を含有させたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のバインダーと、Na塩を含むアニオン界面活性剤及び/又はアルカリ金属の水酸化物や炭酸化合物とを混合、成形し得られた成形体を非酸化性雰囲気下で熱処理する工程からなる固形状活性炭の製造方法を特徴とする。
【0015】
即ち、本発明は、分散剤としてNa塩を含むアニオン界面活性剤を添加することにより、活性炭、樹脂、溶剤の混練を容易にし、かつアルカリ金属の水酸化物や炭酸化合物を添加し、最終的な固形状活性炭に含有されるアルカリ金属量を2.0重量%以下とすることによって、20F/g〜55F/gの静電容量を得るようにしたものである。
【0016】
ここで、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物は賦活作用があり、活性炭の比表面積を大きくすることが知られている。一般に、グラファイト中の炭酸ナトリウム、炭酸カリウムは、600〜800℃の不活性雰囲気中にて、
Na2 CO3 +2C→2Na+3CO
K2 CO3 +2C→2K+3CO
のガス化反応を生じる。そのため、アルカリ金属化合物を含有していると、炭化、賦活課程の後半(600℃以上)で炭素との間のガス化を促進し、大きな比表面積の形成に効果的である。
【0017】
そこで、本発明は、上記アルカリ化合物の賦活作用に着目し、分散剤として、RCOONaで表されるNa塩を含むアニオン界面活性剤、及び/又は炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ等のアルカリ金属の水酸化物や炭酸化合物を使用することにより、炭化処理後の固体活性炭の静電容量を大きくするようにしたものである。
【0018】
なお、固形状活性炭中のアルカリ金属含有量の範囲を2.0重量%以下としたのは、2.0重量%を超えると内部抵抗等の電気特性が劣化するためであり、好ましくは1重量%以下が良い。また、本発明の効果を奏するためには、アルカリ金属含有量は0.01重量%以上が好ましく、さらに0.05重量%以上が好適である。したがって、最適なアルカリ金属の含有量の範囲は0.01〜1.0重量%となる。
【0019】
このような範囲とすることによって、本発明の固形状活性炭を電気二重層コンデンサとして用いた場合に、必要な静電容量20F/g〜55F/gを得ることができる。
【0020】
なお、上記のアルカリ金属含有量は、最終的な固形状活性炭から、ICP発光分光分析によって求めることができる。さらに、本発明のアルカリ金属としては、Na又はKが最適である。
【0021】
また、本発明の固形状活性炭は、58.50〜89.95重量%の活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、10〜40重量%の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のバインダー成分と、上記Na塩を含むアニオン界面活性剤及び/又はアルカリ金属の水酸化物や炭酸化合物等を添加混合し、成形した後、非酸化性雰囲気下で熱処理する工程から得られる。このようにして得られた固形状活性炭は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、上記バインダー成分の炭化物とを主体とし、上述したように2.0重量%以下のアルカリ金属を含有するものである。
【0022】
【実施例】
以下本発明の実施例を説明する。
【0023】
実施例1
活性炭粉末(ヤシガラ系、BET値1700m2 /g)、熱硬化性フェノールホルムアルデヒド樹脂(鐘紡製ベルパールS890)、分散剤としてアニオン界面活性剤を熱処理後の固形状活性炭のCとNaの比率が表1、表2に示す割合になるように調合した。尚、これら100重量部に対し熱可塑性樹脂としてブチラール樹脂30重量部、可塑剤25重量部、さらに溶剤を添加、混合しスラリーを作成した。
【0024】
得られたスラリーをドクターブレード法で成形し、厚み1mmのシート状成形体を得た。得られたシート状成形体を400℃×2時間でフェノール樹脂の硬化と熱可塑性樹脂の脱バインダーを行った後、真空炉で800℃の熱処理を行いフェノール樹脂を炭化させてNaを含有する活性炭基板を作製した。
【0025】
得られた活性炭基板を図1に示す簡易二重層コンデンサの電極1として用いた時の静電容量と内部抵抗を測定した結果を表1、表2に示す。
【0026】
この結果、Na含有量が0のもの(No.71)では、分散性が悪く製造が困難であり、得られた固形状活性炭の静電容量は37F/gと低かった。また、Na含有量が2.0重量%を超えるものでは、内部抵抗が高くなり、また静電容量が小さくなった。
【0027】
これらに対し、Na含有量を0.01重量%〜2.0重量%の範囲とした本発明実施例では、分散性が良好で製造が容易であり、また活性炭純度68重量%〜89.99重量%の時、静電容量は20F/g〜55F/gと電気二重層コンデンサに求められる18F/g以上を維持できることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
実施例2
次に、実施例1のアニオン界面活性剤の代わりに炭酸カリウムを添加し、その他は実施例1と同様にして活性炭基板を作成した。
【0031】
得られた活性炭基板を図1に示す簡易二重層コンデンサの電極1として用いた時の静電容量と内部抵抗を測定した結果を表3、表4に示す。
【0032】
この結果、K含有量が0のもの(No.101)では、得られた固形状活性炭の静電容量は35F/gと低かった。また、K含有量が2.0重量%を超えるものでは、内部抵抗が高くなり、また静電容量が小さくなった。
【0033】
これらに対し、K含有量を0.01重量%〜2.0重量%の範囲とした本発明実施例では、活性炭純度68重量%〜89.99重量%の時、静電容量は20F/g〜53F/gと電気二重層コンデンサに求められる18F/g以上を維持できることがわかる。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、固形状活性炭に2.0重量%以下のアルカリ金属を含有含有させることによって、比表面積が大きく、内部抵抗が小さく、電気二重層コンデンサとして用いた場合の静電容量が大きい固形状活性炭を得ることができる。
【0037】
そのため、この固形状活性炭を用いて電気二重層コンデンサの電極を形成すれば、静電容量が高い高性能の電気二重層コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な電気二重層コンデンサを示す概略図である。
【符号の説明】
1:電極
2:電解質
Claims (2)
- 活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のバインダー成分の炭化物とを主体とし、0.05重量%以上、2.0重量%以下のNaまたはKを含有する固形状活性炭の製造方法であって、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のバインダーと、Na塩を含むアニオン界面活性剤とを混合、成形し得られた成形体を非酸化性雰囲気下で熱処理する工程からなる固形状活性炭の製造方法。
- 58.50〜89.95重量%の活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、10〜40重量%の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等のバインダー成分とを添加混合することを特徴とする請求項1記載の固形状活性炭の製造方法。
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JP35864297A JP3574736B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 固形状活性炭及びその製造方法及びこれを用いた電気二重層コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP35864297A JP3574736B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 固形状活性炭及びその製造方法及びこれを用いた電気二重層コンデンサ |
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JPH11191519A JPH11191519A (ja) | 1999-07-13 |
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JP35864297A Expired - Fee Related JP3574736B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 固形状活性炭及びその製造方法及びこれを用いた電気二重層コンデンサ |
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JP5185585B2 (ja) * | 2007-01-29 | 2013-04-17 | 南あわじ市 | 土壌病害発病抑制資材及び土壌病害発病抑制資材を用いた植物の育苗・定植方法 |
JP7380986B2 (ja) * | 2019-03-29 | 2023-11-15 | 群馬県 | 竹炭及び竹炭の製造方法 |
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1997
- 1997-12-25 JP JP35864297A patent/JP3574736B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11191519A (ja) | 1999-07-13 |
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