JP3592863B2 - 固形状活性炭及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層コンデンサやリチウムイオン電池をはじめとする小型大容量のコンデンサや、バックアップ電源、車両用電源、補助電源等の各種電池に用いられる電極材料、あるいはガス吸着材や濾材等に用いられる多孔質の活性炭焼結体として一般に広く適用される固形状活性炭及びその製造方法に関するものある。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型大容量のコンデンサや、各種電池の電極材料として炭素材料が取り上げられ、種々検討されている。
【0003】
とりわけ活性炭等の炭素質を主体とする分極性電極間に電解質を含有させ、両者の界面で形成される電気二重層を利用した、従来のコンデンサに比較して単位体積当たり数千倍にも及ぶ静電容量を有する電気二重層コンデンサは、コンデンサと電池の両方の機能を有することから、バックアップ電源に適用される等、急速にその需要が伸びている。
【0004】
当初、前記電極材料としては、一般に広く適用される多孔質の固形状活性炭が用いられており、かかる固形状活性炭としては、例えば、活性炭やカーボンブラック等の炭素質と、四フッ化エチレン樹脂又は含フッ素重合体等の有機樹脂を混練してロール成形法や圧縮成形法、押し出し成形法等、あるいはこれらを組み合わせた公知の成形手段でシート状に成形したり、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等を被覆した活性炭及び導電性カーボンとバインダー等を混練した後、シート状に成形したりするもの等が用いられていた。
【0005】
しかしながら、コンデンサや電池の電極材料としては、とりわけ高い静電容量と低い内部抵抗という性能を満足し、かつ昨今の電子部品の小型化の要求を満足するために、所定容量に対する体積の極小化、及び電解液の含浸性を考慮した多孔体構造で亀裂や破損等を起こし難く、一般の用途としてもより耐久性と機械的特性に優れたものであること等が要求されるようになっていた。
【0006】
そこで、前記諸要求を満足するために、活性炭微粒子、又はカーボン微粒子とカーボン繊維、又は活性炭粉末とメソフェーズ系カーボンを混合して加圧焼結したり、あるいは活性炭粉末と粉末状フェノール樹脂の混合物を射出成形して熱処理したり、あるいは活性炭繊維とパルプ繊維、又は炭素繊維、繊維状活性炭及び微粉末活性炭等にパルプ、分散剤、芳香族ポリイミド樹脂繊維等を加えて抄造したり、あるいは活性炭粉末とセルロース繊維、フェノール樹脂等を主成分とするプリプレグシートを作製し、該プリプレグシートを圧着、硬化、焼成したり、又は活性炭粉末とフェノール樹脂を有機溶剤に溶解させた混合物を基板状に成膜し、熱硬化後、非酸化性雰囲気中で熱処理を行ったり、あるいは硬化型球状フェノール樹脂を炭化して得た球状炭化物と熱反応型球状フェノール樹脂とを混合し、金型に充填して加圧下で加熱硬化させ、不活性雰囲気で熱処理した後、賦活処理する等、各種手段が提案されている(特開平6−69075号公報、特開平5−129157号公報、特開平3−201516号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記固体状活性炭は、電極単位重量当たりの静電容量(F/g)を増すために、耐久性や機械的強度を損なわない範囲で比表面積を大きくした多孔質の活性炭と各種有機樹脂から成る混合物を成形し、該成形体を非酸化性雰囲気中で炭化して一体化することにより製造されており、前記活性炭の充填量は全細孔容積との関係から一定範囲に制約されることになる。
【0008】
一方、前記固体状活性炭の強度を向上させるためには、前記有機樹脂が多量に必要となり、成形性の良い樹脂は濡れ性が良いために前記多孔質の活性炭の細孔を埋めてしまう可能性が高く、前述のような範囲に制約される活性炭の充填量とも相まって、比表面積が更に減少してしまう。
【0009】
従って、例えばこのような固形状活性炭を電極に用いて電気二重層コンデンサを形成した場合、静電容量が実用範囲外となってしまい、しかも内部抵抗が極めて大きいものになるという課題があった。
【0010】
他方、成形性の良くない樹脂は粘度が高く、濡れ性が悪いために前記活性炭の細孔を埋めることは無いものの、成形体の強度が低く、炭化熱処理して一体化した後の機械的強度も低いため、製造工程で電極が破損して歩留りが低下したり、使用中に電極が破損して電気二重層コンデンサとしての機能を成さなくなる等、耐久性に劣るという課題が残る。
【0011】
しかも、前記従来の各製造方法では、前記諸要求を満足する固形状活性炭の大量生産が困難であり、かつ製造コストが高いという課題もあった。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、前記課題を解消せんとして成されたもので、その目的は、活性炭の充填量の比率が高くとも、機械的強度の大きい実用的な静電容量を有する活性炭基板を得ることができ、とりわけ電気二重層コンデンサや各種電池の電極材料等として好適な固形状活性炭とその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記課題に対して鋭意研究の結果、各種活性炭材料と炭化一体化させる炭化成樹脂を検討し、PVA又はPVAより誘導される樹脂を熱処理して炭化一体化させるとともに、得られた固形状活性炭に前記PVA又はPVAより誘導される樹脂を含有させておくことにより、成形性が良好で機械的強度に極めて優れ、静電容量も実用範囲の活性炭基板が得られることを見いだした。
【0014】
即ち、本発明の固形状活性炭は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、PVA又はPVAより誘導される樹脂の熱処理による炭化物と、前記活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して5.8〜64重量部のPVA又はPVAより誘導される樹脂とから成ることを特徴とするものであり、前記PVAより誘導される樹脂としてはPVBが好適であり、また、更に前記炭化物がメソフェーズ系カーボンを含有するものがより望ましいものである。
【0015】
また、前記固形状活性炭は電気二重層コンデンサの分極性電極に最適なものである。
【0016】
一方、かかる固形状活性炭の製造方法は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して、ポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂を20〜200重量部の割合で混合し、該混合物から泥漿又は造粒体を調製した後、所定の形状に成形して成形体を作製し、該成形体を大気中、150〜300℃の温度でエージング処理を行った後、非酸化性雰囲気中で炭化熱処理し、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、ポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂の熱処理による炭化物と、前記活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して5.8〜64重量部のポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂とから成る固形状活性炭を作製することを特徴とするものである。
【0017】
また、前記PVA又はPVAより誘導される樹脂とともに、メソフェーズを活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して、5〜100重量部の割合で混合し、エージング処理の後、炭化熱処理してPVA又はPVAより誘導される樹脂の炭化物とメソフェーズ系カーボンを、前記活性炭粉末及び/又は活性炭繊維とともに焼成一体化することがより望ましい。
【0018】
更に、本発明の固形状活性炭の製造方法においては、前記PVAより誘導される樹脂はPVBであることがより望ましいものである。
【0019】
【作用】
本発明の固形状活性炭及びその製造方法では、固形状活性炭が活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、PVA又はPVAより誘導される樹脂の熱処理による炭化物と、所定範囲量のPVA又はPVAより誘導される樹脂とから成ること、及びその製造方法は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維に混合したPVA又はPVAより誘導される樹脂を炭化熱処理に先立ち、大気中、150〜300℃の温度でエージング処理を行い、固形状活性炭中に所定範囲の炭化未反応のPVA又はPVAより誘導される樹脂を残存させることから、前記エージング処理でPVA又はPVAより誘導される樹脂が架橋して高強度化し、少量で固形状活性炭の強度を高く保持することができるとともに、活性炭自体の細孔を塞ぎ難く、その表面積を低減しない等、形状活性炭の特性を最大限に引き出せ、更にメソフェーズ系カーボンがこれに加わると、PVA又はPVAより誘導される樹脂の内部架橋が一層進行し、強度がより高くなる。
【0020】
一方、前記固形状活性炭を電気二重層コンデンサの分極性電極とした場合、前記PVA又はPVAより誘導される樹脂や、メソフェーズが炭化して最終的に50重量%以上の活性炭粒子と、これらを結合する50重量%以下の炭化物との複合材で構成されることから、活性炭の比率が大きくなり静電容量を高く維持でき、かつ電極の内部電気抵抗が低くなる。
【0021】
更に、本発明におけるPVA又はPVAより誘導される樹脂は成形用のバインダーとして併用することができ、活性炭の比率を50重量%以上と高くしても成形時の保形性を高くし、良好に各種成形方法に適用できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の固形状活性炭及びその製造方法について詳述する。
【0023】
本発明の固形状活性炭は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、PVA又はPVAより誘導される樹脂の炭化物と、PVA又はPVAより誘導される樹脂とから成るものである。
【0024】
また本発明の固形状活性炭の製造方法は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、PVA又はPVAより誘導される樹脂あるいはPVA又はPVAより誘導される樹脂とメソフェーズとの混合物から成る成形用材料を周知の成形法で成形した後、大気中でエージング処理並びに非酸化性雰囲気下で熱処理する工程から成るものである。
【0025】
本発明の固形状活性炭において、前記PVA又はPVAより誘導される樹脂は予め低い温度でエージング処理すれば架橋して、続く炭化熱処理を施しても残存して高い強度を保持するものであればいずれでも良く、例えば、PVAの他に、PVBやポリビニルホルマール(PVFM)等のポリビニルアセタール、酢酸ビニル等が挙げられるが、とりわけ乾式成形時における造粒体の圧潰され易さ、及び成形体の柔軟性からはPVBが最も望ましい。
【0026】
また、前記PVBは特に限定するものではないが、重合度が1500を超えると乾式成形時の成形性が悪くなるため、重合度は1500以下が望ましい。
【0027】
また、前記PVA又はPVAより誘導される樹脂が、熱処理による炭化未反応で残留する等して固形状活性炭中に存在する量が活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して5.8重量部未満の場合には、乾式成形時の保形性が悪く、また、炭化後の固形状活性炭の強度が極端に低下してしまう。
【0028】
逆に、前記残存量が64重量部を越えると、乾式成形時の造粒体の圧潰性及び成形体の離型性が悪くなる。
【0029】
従って、PVA又はPVAより誘導される樹脂が固形状活性炭中に存在する量は、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して5.8〜64重量部に特定され、特に成形性や保形性等の製造工程中の取扱い易さ、及び固形状活性炭の強度が高く、その静電容量も大であるという点からは、15〜48重量部が望ましい。
【0030】
一方、本発明の固形状活性炭の製造方法において、PVA又はPVAより誘導される樹脂の配合量が活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して20重量部未満の場合には、得られた固形状活性炭の強度が極端に低下してしまい、200重量部を越えるとエージング処理中に成形体が大きく変形してしまうことから、20〜200重量部に限定される。
【0031】
また、ここにいうメソフェーズとは、以下に述べるものである。
一般に、有機化合物である炭素原料を加熱すると、含有する低分子化合物が100℃から蒸発し始め、400℃を超えると熱分解反応によりC−C結合が解裂し、分解低分子量化合物が生成して留出する。
【0032】
一方、炭化系内では、有機化合物の結合の解裂により生成したラジカルの再結合、重縮合、環化、脱水素、脱アルキル、芳香族化などの反応が進行して、極めて重質の芳香族炭化水素が生成し、該液相の粘度は、炭化系構成成分の芳香族化、分子量の増加と共に増大して最終的には液相炭化により固体炭素体となる。
【0033】
この過程で芳香族分子の規則的な集積が進めば、一種の液晶が形成され、このような状態の中間体をメソフェーズという。
【0034】
本発明では、前記メソフェーズの配合量が、固形状活性炭の諸特性の点からは活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して5〜100重量部であることが最も望ましいものである。
【0035】
一方、前記エージング処理温度が150℃未満の場合には、架橋反応が充分に進行せず、従って非酸化性雰囲気中で行う炭化熱処理でPVA又はPVAより誘導される樹脂が残留しないことから、得られた固形状活性炭の強度が低くなり、300℃を越えると前記樹脂がエージング処理中に全て分解されてしまう。
【0036】
また、炭化させるための熱処理温度は、前記樹脂の炭化を充分に進行させるとともに、活性炭粉末のネック部の焼結を進行させて充分な強度を保持させるためには600〜1200℃の温度が望ましく、特に700〜900℃の温度が最適である。
【0037】
また、本発明の固形状活性炭は、ドクターブレード法やカレンダーロール法等によりシート状に成形して活性炭基板としたり、各種プレス成形法でブロック状に成形したり、あるいは押出成形法により棒状や筒状としたり、それらを組み合わせたりしてさまざまな形状とすることができる。
【0038】
更に、本発明では、前記シート状成形体を複数積層した後、非酸化性雰囲気下で熱処理することも可能であり、複数のシート状成形体を積層し、熱圧着したり、あるいは密着液や接着剤等で接合することにより、互いの反り方向を相殺して熱処理時の反りの発生を低減することも可能となる。
【0039】
以上、本発明において、活性炭粉末は最終静電容量によってその比表面積を選択すれば良く、電気二重層コンデンサ用の分極性電極に用いる場合には比表面積が1500〜2500m/gであるものが好適であり、活性炭繊維を用いる場合には、繊維径が6〜18μmで比表面積が1000〜2500m/gであるものが好適である。
【0040】
【実施例】
本発明の固形状活性炭及びその製造方法を以下のようにして評価した。
【0041】
先ず、BET値が2000m/gのヤシガラ活性炭粉末100重量部に対して、PVB及びメソフェーズを表1に示す組成となるように調合して高速混合撹拌機にて撹拌し、得られた粉体を40メッシュの篩いで篩別して成形用原料を作製した。
【0042】
次に、得られた成形用原料をプレス成形、あるいはロール成形して平板状の成形体を得た。
【0043】
得られた成形体を大気中、表1に示す各温度と保持時間でエージング処理を行った後、次いで真空中、表1に示す各温度で炭化熱処理を行い、PVB及びメソフェーズを炭化させて活性炭とカーボンの複合体である縦70mm、横50mm、厚さ1mmの評価用の活性炭基板を作製した。
【0044】
尚、比較例としてアクリル系樹脂を用いて前記同様にして活性炭基板を作製した。
【0045】
【表1】
Figure 0003592863
【0046】
かくして得られた評価用の活性炭基板を用いて、フーリエ変換赤外吸光分析(FT−IR)を行い、活性炭基板中のPVBの有無を確認するとともに、熱分析装置により室温から1200℃の間で熱重量分析と示差熱分析(TG−DTA)を行い、活性炭基板中に残留したPVBの含有量を求めた。
【0047】
また、JIS−R−1601規格に準じて3点曲げ強度を測定した。
【0048】
次に、前記評価用活性炭基板を電極とし、33%硫酸水溶液中で充放電して電極単位重量当たりの静電容量(F/g)を求めた。
【0049】
【表2】
Figure 0003592863
【0050】
尚、前記電極の1kHzにおける実抵抗を測定したところ、本発明ではいずれも5Ω以下であるのに対して、比較例の試料番号33やPVBの残留が認められなかった試料番号31、32では、いずれも測定不可であった。
【0051】
以上の結果、比較例の試料番号33では曲げ強度も静電容量も測定不可となり、また、本発明の請求範囲外の試料番号1、9、15、32では曲げ強度が90g/mm以下と低く、成形体に層状欠陥を生じる他、基板強度が弱くて取扱いが困難であり、同じく試料番号8ではエージング処理で変形してしまい、試料番号21では静電容量が21.3F/gと低く、いずれも実用的でない。
【0052】
それに対して、本発明ではいずれも曲げ強度も300g/mm以上であり、静電容量も44.8F/g以上と実用範囲内にあり、固形状活性炭として満足すべきものであった。
【0053】
また、活性炭粉末にPVBを添加するとともに、更にメソフェーズカーボンを少量添加すると基板強度は更に向上することが分かり、求める静電容量、基板強度にあわせて、メソフェーズカーボンの量を調整することで種々の特性の基板が得られることが明らかとなった。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の固形状活性炭及びその製造方法によれば、活性炭の充填量の比率が高い、機械的強度及び静電容量の大きな活性炭基板を得ることができ、所定容積に対する体積の小型化が実現できるとともに、成形や熱処理の製造工程が容易に安定して実施でき、とりわけ多孔質で耐久性と機械的強度に優れた電気二重層コンデンサや各種電池の電極材料等として好適に用いることができる固形状活性炭を量産することができる。
【0055】
また、本発明の固形状活性炭を分極性電極として使用した場合には、電極として電解液に接する表面積が増大し、電荷の通過する電路も増加するため、実用的な静電容量を有する簡単な構造で効率の良い、耐久性に優れた小型の電気二重層コンデンサを得ることができる。

Claims (7)

  1. 活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、ポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂の熱処理による炭化物と、前記活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して5.8〜64重量部のポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂とから成ることを特徴とする固形状活性炭。
  2. 前記ポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂がポリビニルブチラール(PVB)であることを特徴とする請求項1記載の固形状活性炭。
  3. 前記炭化物がメソフェーズ系カーボンを含有して成ることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の固形状活性炭。
  4. 前記固形状活性炭を電気二重層コンデンサの分極性電極としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の固形状活性炭。
  5. 活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して、ポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂を20〜200重量部の割合で混合し、該混合物から泥漿又は造粒体を調製した後、所定の形状に成形して成形体を作製し、該成形体を大気中、150〜300℃の温度でエージング処理を行った後、非酸化性雰囲気中で炭化熱処理し、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維と、ポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂の熱処理による炭化物と、前記活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して5.8〜64重量部のポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂とから成る固形状活性炭を作製することを特徴とする固形状活性炭の製造方法。
  6. 前記炭化物が、活性炭粉末及び/又は活性炭繊維100重量部に対して5〜100重量部の割合で混合したメソフェーズの熱処理によるメソフェーズ系カーボンを含有して成ることを特徴とする請求項5記載の固形状活性炭の製造方法。
  7. 前記ポリビニルアルコール(PVA)より誘導される樹脂がポリビニルブチラール(PVB)であることを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれかに記載の固形状活性炭の製造方法。
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