JP2001130905A - 固形状活性炭質構造体およびその製造方法並びに電気二重層コンデンサ用分極性電極 - Google Patents

固形状活性炭質構造体およびその製造方法並びに電気二重層コンデンサ用分極性電極

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JP2001130905A
JP2001130905A JP30965099A JP30965099A JP2001130905A JP 2001130905 A JP2001130905 A JP 2001130905A JP 30965099 A JP30965099 A JP 30965099A JP 30965099 A JP30965099 A JP 30965099A JP 2001130905 A JP2001130905 A JP 2001130905A
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Naotomo Sotoshiro
直朋 外城
Shinya Matsuno
真也 松野
Yuichi Hori
雄一 堀
Makoto Higashibetsupu
誠 東別府
Kazuo Ikuta
和雄 生田
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Original Assignee
Kyocera Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保形性に優れた固形状活性炭質構造体およびこ
れを用いた静電容量が高い電気二重層コンデンサ用分極
性電極を提供する。 【解決手段】活性炭と、該活性炭以外の炭素成分との合
計である総炭素量(C)を85重量%以上となる比率で
含有するとともに、窒素成分(N)を前記総炭素量
(C)に対する重量比率(N/C)が0.01〜0.3
の割合で含有することを特徴とする固形状活性炭質構造
体を用いて、電気二重層コンデンサ用分極性電極2を作
製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭の含有比率
を高め、機械的強度に優れた固形状活性炭質構造体およ
びその製造方法、並びに機械的強度に優れ、高容量で、
かつ自己放電の小さい電気二重層コンデンサ用分極性電
極に関する。
【0002】
【従来技術】近年、活性炭は、その特性に着目した各種
応用分野への適用が検討されており、脱臭剤やフィルタ
等の吸着剤や電池の電極材料として取り上げられ、種々
検討されている。
【0003】中でも、前記活性炭を含有する分極性電極
を備えた電気二重層コンデンサは、従来のコンデンサに
比較して大容量の静電容量を充電でき、かつ急速充放電
が可能であり、コンデンサと電池の両方の機能を有する
ことから、小型のメモリーバックアップ電源や自動車の
駆動源として搭載される大容量のモータ等の補助電源と
しての応用が期待されている。
【0004】かかる電気二重層コンデンサの構成は、例
えば、電解液を含浸した複数の分極性電極と該電極間に
介在するセパレータとの積層体の外周部に電解液を保持
するためのプラスチック等からなるガスケットを配置
し、これらの上下面に前記分極性電極と電気的に接続さ
れる集電体を配設したものである。
【0005】従来、上記電気二重層コンデンサの分極性
電極の製造方法は、例えば、活性炭と有機樹脂とを混合
または混練した後、プレス成形、押出し成形または圧延
成形等の所定の形状に成形したものや、有機バインダを
添加した活性炭の成形体を非酸化性雰囲気中で熱処理し
て前記有機バインダを炭化する方法が知られている。
【0006】また、本出願人は、特開平10−2793
03号公報等にて、活性炭粉末に有機バインダとしてポ
リビニルブチラール樹脂等のポリビニルアルコール系化
合物と溶剤とを混合してスラリー化し、テープ状に成形
した後、酸化性雰囲気にて300℃以下の温度で熱処理
を行う、いわゆるエージング処理によって、活性炭と有
機バインダとが架橋反応を起こして、活性炭間の結合を
強固なものとし、その後、還元性雰囲気中、1000℃
以下の温度にて炭化熱処理することによって、電気二重
層コンデンサの静電容量を高めることができるととも
に、前記架橋反応によって活性炭間の結合が強固なもの
であるために、炭化熱処理後においても構造体の機械的
強度を高めることができることを提案した。
【0007】他方、特開昭62−48716号公報等で
は、3官能性ポリエチレングリコール(3PEG)とジ
イソシアネート系化合物との架橋反応物を含有する高分
子固体電解質が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−279303号公報等に開示された固形状活性炭
質構造体は、活性炭とブチラール樹脂との架橋反応によ
って構造体としての強度を高めることができるものの、
架橋反応の進行速度が遅く、また、反応が進行すると構
造体にクラックが発生して構造体としての強度が低下す
るという問題があった。
【0009】また、特開昭62−48716号公報で
は、3PEGとジイソシアネート系化合物との架橋反応
を利用した高分子からなる固体電解質フィルムが開示さ
れているものの、イソシアネート化合物がポリビニルア
ルコール系化合物と架橋反応して活性炭間の結合を強固
なものとすること、また、所定温度での炭化熱処理によ
っても強度を維持できることについては全く記載されて
いなかった。
【0010】本発明は、上記課題を解決せんとしてなさ
れたもので、その目的は、機械的強度の高い固形状活性
炭質構造体を短時間の工程で得ること、およびこれを用
いて静電容量が高い電気二重層コンデンサ用分極性電極
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を鋭意検討した結果、各種活性炭材料にバインダとして
混合するポリビニルアルコール系化合物にイソシアネー
ト系化合物を添加して、成形体を酸化性雰囲気中、所定
温度で熱処理した後、非酸化性雰囲気中、所定温度で炭
化熱処理をすることにより、比表面積が大きく、機械的
強度の大きい耐久性に優れた高い静電容量を有する各種
形状の固形状活性炭質構造体が得られること、また、イ
ソシアネート系化合物を添加することによって、前記活
性炭と有機バインダとの架橋反応を促進するための酸化
熱処理時間を大幅に短縮できることを見いだし、本発明
に至った。
【0012】即ち、本発明の固形状活性炭質構造体は、
活性炭と、該活性炭以外の炭素成分との合計からなる総
炭素量(C)を85重量%以上となる比率で含有すると
ともに、窒素成分(N)を前記総炭素量(C)に対する
比率(N/C)が0.01〜0.3の割合で含有するこ
とを特徴とするものである。
【0013】また、該固形状活性炭質構造体に窒素成分
の少なくとも一部がNHCO(イソシアネート基)を形
成することが望ましい。
【0014】一方、本発明の固形状活性炭質構造体の製
造方法は、活性炭100重量部に対して、ポリビニルア
ルコール系化合物、特にポリビニルブチラール(PV
B)20〜200重量部とポリビニルアルコール系化合
物100重量部に対して、イソシアネート系化合物1〜
10重量部とを混合し、成形した後、酸化性雰囲気中1
50〜300℃で熱処理し、非酸化性雰囲気中600〜
1000℃で炭化熱処理することを特徴とするものであ
る。
【0015】さらに、上述の本発明の固形状活性炭質構
造体を電気二重層コンデンサ用分極性電極として用いれ
ば、静電容量が高く、機械的強度の高い電極となる。
【0016】
【作用】活性炭にポリビニルアルコール系化合物を添加
して150〜300℃にて熱処理すると、活性炭中に存
在する表面官能基とポリビニルアルコール系化合物中の
官能基とが架橋反応を生じて活性炭とポリビニルアルコ
ール系化合物間および活性炭間の結合を強めることがで
き、有機物成分を炭化するための所定温度での熱処理に
よっても前記架橋反応によって生じた結合の一部が残存
して構造体としての強度を高めることができる。
【0017】本発明によれば、前記活性炭とポリビニル
アルコール系化合物との間、またはポリビニルアルコー
ル系化合物間にイソシアネート系化合物が図2に示すよ
うな反応によって結合することによって、前記図2の活
性炭とポリビニルアルコール系化合物との架橋反応を促
進し、架橋反応のための熱処理時間を短くすることがで
きるとともに、炭化熱処理後、構造体の機械的強度を高
めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の固形状活性炭質構造体
は、活性炭と、該活性炭以外の炭素成分とを含有し、前
記活性炭と、該活性炭以外の炭素成分との合計量である
総炭素量(C)が85重量%以上となる比率で含有する
とともに、窒素成分(N)を前記総炭素量(C)に対す
る重量比率(N/C)が0.01〜0.3、望ましくは
0.1〜0.2の割合で含有することを特徴とするもの
である。
【0019】すなわち、上記N/C比が0.01より小
さいと機械的強度が低くなり、逆にN/C比が0.3よ
り大きいと活性炭の比表面積が低下し、これに伴い各種
用途での性能が低下するとともに、電気二重層コンデン
サの静電容量が低下する恐れがある。なお、本発明によ
れば、上記窒素成分(N)量および総炭素量(C)は、
従来公知の炭素分析及び酸素、窒素分析によって求める
ことができる。
【0020】また、固形状活性炭質構造体の強度を高め
るためには、構造体中に下記化2
【0021】
【化2】
【0022】の官能基が存在することが望ましい。な
お、前記化1のイソシアネート基の存在は、FT−IR
にて、−NCOの結合(225mm-1付近のピーク)の
有無によって推定できる。
【0023】活性炭は、例えば、無定形炭素を主成分と
し、表面に多数の細孔を有する平均粒径3〜50μmの
一次粉末が多数凝集した平均粒径50〜400μmの概
略球形の二次粒子からなるものであり、二次粒子の形状
は粒子間の充填性および結合性を高める上で概略球形で
あることが望ましい。また、炭素以外の不純物成分とし
てシリカ、アルミナ、鉄等を微量含有してもよい。
【0024】また、活性炭以外の炭素成分は、該活性炭
粒子間を接着するためのバインダとして添加され、炭化
して活性炭粒子間に存在することにより活性炭粒子間の
焼結性および結合性を高める役割をなすが、構造体の比
表面積を高めるためには該炭素成分量は少ないことが望
ましく、各構造体中に占める割合が5〜50重量%、特
に10〜40重量%であることが望ましい。
【0025】なお、前述した各種用途での効率化、特に
電気二重層コンデンサの静電容量を向上させるために
は、固形状活性炭質構造体の厚みが2mm以下、特に1
mm以下であること、構造体の比表面積が700〜30
00m2/g、特に1500〜2500m2/gであるこ
とが望ましい。
【0026】また、上記固形状活性炭質構造体は、3点
曲げ強度が30kPa以上、特に40kPa以上の使用
及び取り扱いに支障ない強度を有するものとなる。
【0027】次に、上記活性炭質構造体を製造する方法
について説明する。まず、一次粒子の平均粒径が50μ
m以下の活性炭粉末を準備する。すなわち、活性炭粉末
の平均粒径が50μm以下であれば、該活性炭粉末の表
面に形成される細孔の数が多く、分極性電極内に形成さ
れる細孔の数および比表面積を維持できる結果、コンデ
ンサの静電容量が向上するとともに、粒子間の接触点を
維持して粒子間の結合力を向上できる。
【0028】活性炭原料としては、一般に活性炭を製造
するための炭素質材料であればよく、例えば、ヤシ殻、
木粉等の植物系原料、石炭、ピッチ、コールタール等の
化石系原料やフェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、レゾル
シノール樹脂等の合成樹脂系原料、カーボンファイバ、
カーボンブラックおよびそれらの炭化物等が挙げられ、
中でも活性炭の比表面積を高めるためには、ヤシ殻また
はその炭化物、さらにこれを賦活処理したものが望まし
い。
【0029】上記活性炭粉末に対して、有機バインダ2
0〜200重量部と、所望により溶剤、水、可塑剤等を
添加、混合してスラリーを作製する。有機バインダとし
てはポリビニルアルコール(PVA)およびその誘導体
であるポリビニルブチラール(PVB)のポリビニルア
ルコール系化合物が使用可能であり、中でも活性炭との
結合性の強さの点でポリビニルブチラール(PVB)が
最適である。
【0030】有機バインダの添加量を上記範囲としたの
は、添加量が20重量部よりも少ないと、構造体中の粒
子間の結合力が低下するためであり、逆に、添加量が2
00重量部を超えると、活性炭の割合が少なくなるため
に構造体の比表面積が減少し、コンデンサの静電容量が
低下するためである。
【0031】本発明によれば、上記混合物に、前記ポリ
ビニルアルコール系化合物100重量部に対してイソシ
アネート系化合物を1〜10重量部添加、混合すること
が重要であり、すなわち、イソシアネート系化合物の添
加量が1重量部より少ないと構造体の機械的強度が低下
するとともに、後述の架橋反応にかかる熱処理時間が長
くなる。逆に、イソシアネートの添加量が10重量部を
越えると、活性炭の含有割合が低下し、構造体の比表面
積が低下することから、各種用途での性能、特に電気二
重層コンデンサの静電容量が低下するとともに、架橋反
応が急激に進行して成形体中にクラックが生じる。
【0032】イソシアネート系化合物は、特にジイソシ
アネート化合物であることが反応促進効果の点で望まし
く、また、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネー
ト等がいずれも使用可能である。さらに、製造の容易性
の点で末端の官能基にジオキサンが結合したブロック化
イソシアネートであってもよい。
【0033】なお、上記混合物に対して、さらに、可塑
化させる効果を有する室温で液体であるフタル酸系、リ
ン酸系、脂肪酸系のエステル化合物等の有機溶剤を添加
することもできる。
【0034】その後、造粒を行い、平均粒径400μm
以下、特に350μm以下、タップ密度0.5×10-3
〜1.1×10-3kg/m3、特に0.7×10-3
0.9×10-3kg/m3、含水率0.05〜0.2%
の顆粒を作製する。そして、得られた顆粒を所望により
メッシュパスした後、プレス成形、ロール成形、冷間静
水圧成形等の公知の手法により成形する。
【0035】次に、得られた成形体を所望により所定形
状にカットした後、酸素濃度10k〜50kPa程度の
酸化性雰囲気中、150〜300℃、特に200〜25
0℃で1〜50時間熱処理することによって、活性炭と
ポリビニルアルコール系化合物とイソシアネート系化合
物との架橋反応を生ぜしめる。なお、前記イソシアネー
ト系化合物を所定量添加することにより、前記イソシア
ネート系化合物を添加しない場合に比較して、上記熱処
理時間を1/7以下に短縮することができる。
【0036】なお、上記酸化熱処理温度を上記範囲とし
たのは、150℃より低いとバインダとイソシアネート
との架橋反応が進行せず、300℃を越えるとポリビニ
ルアルコール系化合物およびイソシアネート系化合物が
架橋反応する前に分解してしまい、いずれも構造体の強
度が低下するためである。
【0037】その後、非酸化性雰囲気中、600〜10
00℃、望ましくは700〜900℃で炭化熱処理し、
有機バインダ成分を炭化させるとともに、活性炭間を焼
結一体化させる。
【0038】炭化熱処理温度を上記範囲としたのは、6
00℃よりも低いと粒子間の焼結が不十分で構造体の強
度が低下するとともに、有機物成分が多量に残存して活
性炭の含有比率が低く、また、活性炭表面の細孔を所望
の量、大きさに制御できないためであり、逆に1000
℃よりも高いと焼結が進行しすぎてしまい活性炭の比表
面積が低下する結果、コンデンサの静電容量が低下して
しまうためである。なお、上記炭化熱処理後、前記有機
バインダの一部が残存していてもよい。
【0039】また、炭化処理後、所望により、アルカリ
賦活、大気賦活、水蒸気賦活等を施すことにより、活性
炭の比表面積を高めることもできる。
【0040】次に、上記活性炭質構造体を分極性電極と
して用いた本発明の電気二重層コンデンサについて、そ
の一例である図1の概略断面図を基に説明する。図1に
よれば、電気二重層コンデンサ1は、電解液を含浸した
一対の固形状活性炭質電極(以下、電極と略す。)2中
に絶縁性の多孔質セパレータ(以下、セパレータと略
す。)3が形成されている。また、電極2の上下面には
集電体4が形成され、さらに、図1によれば、電極2お
よびセパレータ3の両端部は、封止部材5によって外部
から封止されている。
【0041】電極2は、前述の固形状活性炭構造体に電
解液を含浸した構成からなり、活性炭と、該活性炭以外
の炭素成分とを合計量である総炭素量(C)が85重量
%以上となる比率で含有するとともに、窒素成分(N)
を前記総炭素量(C)に対する重量比率(N/C)が
0.01〜0.3の割合で含有し、特に前記窒素成分
(N)の少なくとも一部が下記化3
【0042】
【化3】
【0043】を形成するものである。
【0044】上記電極2は活性炭間の結合力が強固であ
ることから、取り扱いに支障ない強度を有し、活性炭の
含有比率を高めることができ、電気二重層コンデンサと
して静電容量が高いものである。
【0045】なお、電極2とセパレータ3および集電体
4との密着性の点から、電極2の表面粗さRaは100
μm以下、望ましくは50μm以下、さらには20μm
以下であることが望ましい。また、活性炭を炭化処理し
たものであることから、有機バインダ等の有機物成分の
含有割合を低め、活性炭の含有割合を高めることによっ
て、内部抵抗を低めることができる。さらに、集電体4
間の距離を小さくしコンデンサの静電容量を高めるため
に、前記分極性電極の厚みが2mm以下、特に1mm以
下であることが望ましい。
【0046】電極2中に含浸される電解液としては、硫
酸や硝酸等の水溶液や、プロピレンカーボネイト、γ−
ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、エチ
レンカーボネイト、スルホラン、3−メチルスルホラン
等の有機溶剤と4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム
塩等の電解質を組み合わせた有機溶液が使用可能であ
る。
【0047】また、セパレータ3は、パルプやポリエチ
レン、ポリプロピレン等の有機フィルムまたはガラス繊
維不織布等およびセラミックス等により構成され、電極
2間を絶縁するために形成されるものであるが、電極2
内に含有される前記電解液中のイオンを透過させること
ができる多孔質体により形成される。
【0048】さらに、集電体4は、導電性を有する導電
性ブチルゴム、アルミ箔、アルミニウムのプラズマ溶射
等により形成され、電極2との間で電荷をやり取りする
ことができる。また、封止部材5は、合成ゴム等により
構成され、集電体4および封止部材5によって電極2に
含まれる電解液が外部に漏れることを防止する。さら
に、封止部材5に替えてアルミラミネート等により積層
体全体を封止してもよい。
【0049】なお、図1の電気二重層コンデンサ1で
は、電極2、2は2枚であったが、本発明はこれに限ら
れるものではなく、電極が3枚以上であってもよく、ま
た各電極間に介在するセパレータも2枚以上であっても
よい。
【0050】
【実施例】(実施例1)先ず、平均粒径20μm、比表
面積2000m2/gのヤシ殻活性炭粉末100重量部
に対して、所定量の可塑剤および水と、表1に示す種類
と割合の有機バインダ、イソシアネート系化合物を添加
し、ボールミルにて混合し、顆粒を作製した後、ロール
成形してシート状成形体を作製し、カットした後、大気
中、表1に示す条件にて熱処理した後、真空中、表1に
示す温度で2時間炭化熱処理を行い、70mm×50m
mの固形状活性炭構造体を作製した。
【0051】得られた固形状活性炭質構造体について、
JISR1601に準じて任意の点での3点曲げ強度を
測定した。また、(N/C)の比を、炭素分析は、カー
ボン分析装置で、窒素分析はLECOTC136型酸
素、窒素同時分析装置によって測定し、窒素(N)含有
量(重量%)/炭素(C)含有量(重量%)より算出し
た。また、上記構造体を粉砕したものに対して、FT−
IR測定を行い、(225mm-1)ピークの検出の有無
を確認し、前記化1の有機官能基について存在の有無を
判定した。結果は表1に示した。
【0052】さらに、上記と同様にして作製した固形状
活性炭質構造体2枚に対して、1mol/lのテトラエ
チルアンモニウムテトラフルオロボレートの炭酸プロピ
レン溶液を電解液として含浸させた後、ガラス製不織布
からなる多孔質セパレータを介して積層し、さらに絶縁
性のブチルゴム製封止部材で該積層体を固定一体化し
て、図1の電気二重層コンデンサを作製した。
【0053】得られた電気二重層コンデンサについて、
2.5Vの電圧で30分間充電した後、30A/m2
定電流放電法にてコンデンサの静電容量(MF/m3
を求めた。結果は表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】表1より明らかなとおり、ブチラール系化
合物の添加量が20重量部より少ない試料No.1で
は、成形用の顆粒のつぶれが悪く、成形できなかった。
また、ブチラール系化合物の添加量が200重量部を越
える試料No.6では、成形時に金型へ成形体が付着
し、成形できなかった。
【0056】また、ブロック化イソシアネートを添加し
ない試料No.7、および添加量が1重量部より少ない
試料No.8では、熱処理により、ブロック化イソシア
ネートが分解、揮散してしまい、N/C比が0.01よ
り小さくなるとともに、構造体の強度が30kPaより
低くなった。また、ブロック化イソシアネートの添加量
が10重量部より多い試料No.11では、反応が急激
に起きて熱処理によって成形体にクラックが生じた。さ
らに、熱処理温度が150℃より低い試料No.12で
は、架橋反応が充分進行せず、構造体の強度が低いもの
であった。また、熱処理温度が300℃より高い試料N
o.15では、バインダが一部分解し、炭化熱処理後の
強度が低いものであった。さらに、炭化熱処理温度が6
00℃より低い試料No.16では、有機物の残存量が
多く、活性炭の含有割合が低下して、電気二重層コンデ
ンサの静電容量が低下するとともに、強度が低かった。
また、炭化熱処理温度が1000℃より高い試料No.
19では、活性炭表面の細孔が焼結によって塞がれ、静
電容量の低いものであった。
【0057】さらに、有機バインダとしてポリビニルブ
チラールに代えてフェノール樹脂を添加した試料No.
21では、活性炭およびイソシアネートとの架橋反応が
生じず、構造体の強度が低下した。
【0058】これに対して、本発明の範囲内の試料であ
る試料No.2〜5、9、10、13、14、17、1
8、20では、いずれも静電容量20.0MF/m3
上、強度30kPa以上の優れた特性を有するものであ
った。
【0059】(実施例2)試料No.4および7に対し
て、酸化性雰囲気中で200℃の熱処理を7日間行った
結果、それぞれの強度450kPa、200kPa、静
電容量19.7MF/m3 19.4MF/m3となり、
本発明の試料である試料No.4と比較して試料No.
7は強度が低いものであった。
【0060】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の固形状活性
炭質構造体によれば、活性炭に対して、所定量のポリビ
ニルアルコール系化合物およびイソシアネート系化合物
を添加することにより、活性炭とブチラール系樹脂との
架橋反応を促進して、機械的強度を高めることができ、
少量の有機バインダの添加ですむことから高い静電容量
で、かつ高強度の固形状活性炭質構造体が得られる。ま
た、架橋反応にかかる熱処理時間を従来の1/7以下に
短縮することができ、生産性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気二重層コンデンサの概略断面図で
ある。
【図2】活性炭またはポリビニルアルコール系化合物
(ポリビニルブチラール(PVB))イソシアネート系
化合物との反応を示す模式図である。
【符号の説明】
1 電気二重層コンデンサ 2 固形状活性炭質電極 3 多孔質セパレータ 4 集電体 5 封止部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東別府 誠 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 生田 和雄 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G032 AA01 AA13 BA05 GA12 4G046 CA00 CA04 CB01 CB09 CC02 CC03 HA03 HA10 HB07 HC11 HC14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭と、該活性炭以外の炭素成分との合
    計からなる総炭素量(C)を85重量%以上となる比率
    で含有するとともに、窒素成分(N)を前記総炭素量
    (C)に対する比率(N/C)が0.01〜0.3の割
    合で含有することを特徴とする固形状活性炭質構造体。
  2. 【請求項2】前記窒素成分(N)の少なくとも一部が下
    記化1 【化1】 を形成することを特徴とする請求項1記載の固形状活性
    炭質構造体。
  3. 【請求項3】前記固形状活性炭質構造体中にポリビニル
    アルコール系化合物を含有することを特徴とする請求項
    1または2記載の固形状活性炭質構造体。
  4. 【請求項4】活性炭100重量部に対して、ポリビニル
    アルコール系化合物20〜200重量部と、該ポリビニ
    ルアルコール系化合物100重量部に対して、イソシア
    ネート系化合物1〜10重量部とを混合して成形し、酸
    化性雰囲気中150〜300℃で保持した後、非酸化性
    雰囲気中600〜1000℃で炭化熱処理することを特
    徴とする固形状活性炭質構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記ポリビニルアルコール系化合物がポリ
    ビニルブチラール(PVB)であることを特徴とする請
    求項4記載の固形状活性炭質構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3記載の固形状活性炭質構造
    体を具備する電気二重層コンデンサ用分極性電極。
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