JP3574316B2 - トンネル掘削機の掘進状況表示方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する利用分野】
本発明は、トンネル掘削機の所定掘進毎にトンネル計画線に対するトンネル掘削機の偏位量と偏角量を表示するトンネル掘削機の掘進状況表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
岩盤を掘削するTBM(トンネルボーリングマシン)や地盤を掘削するシールド機等のトンネル掘削機によってトンネルを掘削する場合、従来から、画面上にトンネル計画線とトンネル掘削機の軌跡とをグラフで表示し、トンネル掘削機の先端中心位置がトンネル計画線に対してどの位置にあるのか確認すると共にトンネル計画線に対するトンネル掘削機の偏位量を把握してその偏位量が減少する方向にトンネル掘削機の掘進方向を制御することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法ではトンネル掘削機の姿勢、即ちトンネル計画線に対する偏角量を確認することなく、トンネル掘削機の偏位量を表示画面から確認してその偏位量が大きくなった時にトンネル掘削機の方向制御を行って偏位量が小さくなる方向に掘進させる一方、偏位量が小さい場合には方向制御を行うことなくトンネル掘削機を掘進させているために、例えば、トンネル計画線に対するトンネル掘削機の偏位量が小さいがトンネル掘削機の姿勢のズレ、即ち偏角量が大きい場合、方向制御を行うことなくそのまゝ掘進させると、トンネル計画線から大きく偏位し、トンネル計画線に沿った精度のよい掘進が行えなくなるという問題点があった。
【0004】
特に、トンネル掘削機の前方地盤の岩質が硬質から軟質、或いは軟質から硬質等に変化していた場合には、トンネル掘削機が予想もつかない方向に大きく偏位する事態が発生し、このような事態の発生した原因が把握できないばかりでなくこれを予測することも困難である。
【0005】
また、トンネル掘削機の姿勢のズレの大小に対してそれを修正する際の制御は推進ジャッキや方向修正機構、トンネル掘削機の重心位置等の特性によって変化するが、従来の上記制御方法ではこれらの特性を考慮した方向制御が行えないために精度のよい運転制御を期待することができない。
【0006】
さらに、上記のようなトンネル掘削機の掘進位置表示方法では、方向制御用ジャッキを操作してトンネル掘削機の掘進方向をトンネル計画線に近づく方向に向けた状態で掘進させた場合、その方向制御用ジャッキの作動量までも表示されないので、該作動量によってトンネル掘削機を掘進させた際にトンネル掘削機の位置がどのように変化していくかを目視により確認することができない。
【0007】
そのため、例えば、トンネル計画線に対してトンネル掘削機の偏位量を修正する方向に方向制御用ジャッキの作動量を演算により設定して該方向制御用ジャッキを作動させても、切羽面に硬質岩盤部分と軟質岩盤部分とが共存していると、方向制御用ジャッキの作動量に対してトンネル掘削機が適正な方向に向いているにもかかわらず、トンネル掘削機の位置が軟弱な岩盤部方向に滑って偏位することになるが、このような状況を直ちに把握することができず、硬軟な岩盤に対応した支保の段取りが円滑に行えなくなる場合が生じるものである。
【0008】
また、上記従来のトンネル掘削機の掘進状況表示方法では、方向制御用ジャッキを操作した場合、トンネル掘削機の位置及び姿勢がどのように変化していくかを画面の表示からは想定することができず、そのため、トンネル計画線に対する掘削機の方向制御の対応が遅れて作業能率が低下するという問題点がある。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、画面を目視することによってトンネル掘削機の位置及び姿勢と一定長掘進させる毎のこれらの位置及び姿勢の変化を確認して方向制御ジャッキの制御量が適正であるかどうかを簡単且つ正確に判断することができると共に該方向制御ジャッキの操作からトンネル掘削機の掘進位置を容易に想定することができ、その上、岩質の状態なども把握し得るトンネル掘削機の掘進状況表示方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のトンネル掘削機の掘進状況表示方法は、単一の画面における中央部の横軸にトンネル計画線が直線で表示されると共に該トンネル計画線を中央にして上下方向に一定間隔毎に直線でもって横線を記入し、各横線の左端にトンネル計画線上をOとして順次数値が大きくなる偏位量を示す数字を付していると共に左端を基準として一定間隔毎トンネル掘削機の一定長の掘進毎に縦線を記入してあり、この単一の画面に、トンネル掘削機を一定長掘進させる毎に、画面上の隣接する縦線上にトンネル掘削機の被測点の偏位量を順次点表示すると共に各表示点間を直線で表わす一方、トンネル掘削機を一定長、掘進させる毎におけるトンネル掘削機の偏角量を上記各偏位量の表示点を始点とする矢印線でもって順次表示していき、さらに、上記トンネル掘削機の各偏位量及び偏角量に基づいて決定されるトンネル掘削機の方向修正機構の作動量を上記直線で表示されたトンネル計画線に対する法線方向の離間距離として上記トンネル掘削機の所定掘進長毎に上記トンネル掘削機の偏位量の表示点に対応させて同じ縦線上に点表示すると共に各表示点間を順次直線で結ぶことを特徴とする。
【0011】
【作用及び効果】
トンネル掘削機は所定長のトンネル掘進をする毎にその被測点の位置を測定されてトンネル計画線を直線で表示している画面上に点表示すると共に先に測定した被測点の位置と次に測定した被測点の位置との表示点間を順次直線で結び、画面上に表わしていくと共にその時のトンネル計画線に対するトンネル掘削機の偏角量を矢印線でもって表示する。一方、トンネル掘削機は一定長、掘進する毎に上記トンネル計画線に対する偏位に基づいてその掘進方向を方向修正機構により修正し、この方向修正機構の作動量を上記トンネル掘削機の被測点の表示点に対応させて上記画面上に点表示すると共に、先に修正した作動量と次に修正した作動量との表示点間を順次直線で結んで画面上に表わしていく。
【0012】
従って、画面上にはトンネル計画線に対するトンネル掘削機の偏位量の軌跡と方向修正機構の作動量の軌跡とが線グラフで表示されると共に表示点間におけるそれぞれの偏位量と方向修正機構の作動量とに対応してトンネル掘削機の偏角量がトンネル計画線またはこのトンネル計画線に平行の直線に対する傾きとして矢印線でもって表示される。
【0013】
これらの偏位量と作動量の表示点と表示線及び矢印線によってトンネル計画線に対するトンネル掘削機の位置変化と方向制御機構の作動量及びトンネル掘削機の姿勢のズレの関係が一目で理解することができる。このように、トンネル掘削機がトンネル計画線に対しての偏位量を小さくする方向に制御された角度でもってトンネル掘削機が一定長、掘進した時の該トンネル掘削機の偏角量とトンネル計画線に対する偏位量の変化を矢印線と表示点間の直線によってそれぞれリアルタイムで知ることができるので、トンネル計画線に対するその直線とトンネル掘削機の偏角量及び必要に応じて上記方向制御機構の作動量を表示した直線とを比較することによって次の所定長の掘進時にはトンネル掘削機をどの方向に修正すればよいのかを適正に判断することができ、その判断のもとに方向制御実施量の変更を容易に実施することができて、トンネル計画線に沿ったトンネルの掘進を精度よく且つ能率よく行い得るものである。
【0014】
また、上記のように所定の作動量でもって方向制御を行ったのち、トンネル掘削機を一定長掘進させた際のトンネル計画線に対するトンネル掘削機の偏位量と偏角量(偏角の大小)から方向制御機構の次の作動量を適正に判断したにもかかわらず、該方向制御機構の作動量でもって方向制御した状態でトンネル掘削機を掘進した時に、トンネル計画線に対するトンネル掘削機の偏位量及び偏角量が方向制御機構の作動量を示す直線に対して予想し得る線とは異なった直線、矢印線でそれぞれ表示された場合、切羽面に強弱な岩盤等が存在することによりトンネル掘削機が大きく偏位したり姿勢(向き)が変化したものである等の早期判断を行うことができ、その判断に基づく支保の段取りが正確且つ能率良く行えるものであり、さらに、切羽岩盤に対応したトンネル掘削機の掘進速度の制御が迅速に行えると共に場合によってはトンネル掘削機の掘進を停止させる等の処置を行って過度の偏位を未然に防止することができる。
【0015】
さらに、掘削地盤が硬質岩盤から軟質岩盤、又は軟質岩盤から硬質岩盤、或いは密な地盤から破砕帯の地盤に変化している場合などにおいては、トンネル掘削機を一定長掘進させた時に、偏位量は殆ど変化していないが偏角、即ち、トンネル掘削機の姿勢が大きく変化することになり、従って、このような場合も画面から一目で確認することができてその時点からの前方地盤の岩質の性状が変化していることを予知することができ、それに対処した条件でもってトンネル掘削機を制御しながら掘進することができるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、トンネル掘削機1は、図においては岩盤にトンネルを掘削するTBMであって、外周四方にトンネル壁面にジャッキによって着脱自在に圧着するフロントグリッパ2を備えた本体1aと、この本体1aの前面側に回転自在に装着されたカッターヘッド3と、本体11と一体で且つ本体1aから後方に延設しているビーム体4と、このビーム体4の長さ方向の中間部に配設された方向修正機構5と、本体1aの推進ジャッキ6と、ビーム体4の後端を支持するリヤサポート12及び、掘削ズリ排出用コンベア13とから構成されている。
【0017】
上記方向修正機構5は図3に示すように、ビーム体4の長さ方向の中間部を長さ方向に摺動可能に受止した断面U字状のビーム受5aと、このビーム受5aの下面側にトンネルTの径方向に向けて水平状に配設した左右ジャッキ5b、5bと、これらのジャッキ5b、5bのロッド端に取付けたグリッパシュー5cと、上記ビーム受5aと左右ジャッキ5b、5bとを連結しているビーム体上下動用ジャッキ5d、5dとからなる。また、上記推進ジャッキ6、6は本体1aの背面両側部と上記グリッパシュー5c、5c間に夫々連結している。
【0018】
一方、トンネル掘削機1の偏位、偏角(姿勢)の測量装置は、トンネルT内におけるトンネル計画線X上の適所に設置されたレーザ発振器7と、トンネル掘削機1の本体1aの適所に前後に一定間隔を存して設置された第1、第2の受光器8a、8bとからなり、レーザ発振器7からのレーザ光線Dはトンネル計画線Xに合致させてこれらの受光器8a、8bに照射するように構成している。第1、第2受光器8a、8bには、トンネル掘削機1の中心がトンネル計画線X上に位置する際にはレーザ光線Dをそれぞれの中心に照射させ、トンネル掘削機1が鉛直方向、水平方向に偏位した際に中心から上下左右方向に偏位した部分に照射させるターゲット(図示せず)をそれぞれ備えているもので、これらの第1、第2受光器8a、8bはトンネル掘削機1のオペレータ部に配設した掘進状況表示画面9を備えているコンピュータからなる演算器11に電気的に接続してあり、さらに、この演算器11を制御盤10に接続して該制御盤10から上記方向修正機構5に指令を発してトンネル掘削機1の掘進方向を制御させるように構成している。
【0019】
上記測量装置によるトンネル掘削機1の偏位量及び偏角量の測定は、トンネル掘削機1の後方に設置されているレーザ発振器7からトンネル計画線X上に照射するレーザ光線Dを受光器8a、8bに受光させることによってターゲット上の座標値を検出し、その座標値を演算器11に入力してトンネル掘削機1の現在位置の座標を算出し、該座標値とトンネル計画線X上における座標値とからトンネル計画線Xに対するトンネル掘削機1の偏位量を演算させると共にトンネル計画線Xに対するトンネル掘削機1の姿勢、即ち、偏角量を演算させることによって行われ、その偏位量を上記表示画面9に点表示させると共に偏角量を上記表示画面9に矢印線Aによって表示し、上記演算に基づいて制御盤10によりトンネル掘削機1の方向修正を行うものである。なお、これらの偏位量と偏角量の表示を目視して手動により方向修正を行うこともできる。
【0020】
一方、方向修正機構5の作動は次のようにして行われる。即ち、図3において該方向修正機構5の両側グリッパシュー5c、5cを掘削地盤に圧着させた状態で方向修正機構5に装着している上下方向修正用ジャッキ5dを伸縮させると、ビーム受5aが上下方向に移動して該ビーム受5a上に中間部が載置されているビーム体4が左右のフロントグリッパ2を支点として上下に移動し、本体1aに配設しているカッターヘッド3が上下方向に移動する。
【0021】
また、方向修正機構5の水平状に配設したグリッパシュー5cを両側のトンネル掘削壁面に圧着させている左右ジャッキ5b、5bの一方を伸長させ、他方をその伸長量に同調して収縮させると、ビーム体4が上下のフロントグリッパ2を支点として左右に振れ、カッターヘッド3が左右方向に傾動する。従って、カッターヘッド3を上記制御盤10からの指令または手動に応じた向きに方向修正機構5の作動範囲内で作動させ、カッターヘッド3を回転させると共に地盤に圧着したグリッパシュー5c、5cを支点として推進ジャッキ6、6を作動させることによりトンネル掘削機1が所定の方向に向いた状態で一定長、掘進するものである。
【0022】
なお、トンネル計画線Xに対するトンネル掘削機1の偏位量は周知のように、上記第1、第2の受光器8a、8bのいずれか一方のターゲットに対する照射点から求められ、偏角θはこれらの前後ターゲット間の距離をLとし、中心からの照射点の距離をそれぞれY1、Y2とすると、tan θ=(Y2−Y1) ÷Lによって求められる。
【0023】
図4は、単一の画面9にトンネル計画線Xに対するトンネル掘削機1の偏位量と偏角量及び方向修正機構5の作動量を表示するように構成している。即ち、この表示画面9にはその中央部の横軸にトンネル計画線Xが直線で表示されると共に該トンネル計画線Xを中央にして上下方向に一定間隔毎に直線でもって横線21を記入し、各横線21の左端にトンネル計画線上をOとして順次数値が大きくなる偏位量を示す数字を付していると共に左端を基準として一定間隔毎トンネル掘削機1の一定長の掘進毎)に縦線22を記入してあり、この画面9上にトンネル掘削機1の偏位量と偏角量及び方向修正機構5の作動量を表示するように構成している。
【0024】
なお、図4においては、この画面9の上半部にトンネル掘削機1の偏位量と偏角量を、下半部に方向修正機構5の作動量をそれぞれ表示するように構成しているが、それぞれの表示部分はトンネル計画線Xを中央にしてその上下、何れの部分であってもよく、また、偏位量や偏角量は上述したようにトンネル計画線Xに平行な第1の直線を基準として表示してもよいものであり、同様に方向修正機構5の作動量はこの第1の直線以外の第2の直線を基準としてその直線に対する離間距離で表示するように構成しておいてもよい。
【0025】
上記表示画面9に対する点表示は、左端側の縦線からトンネル掘削機1が一定長、掘進される毎に表示され、左右端間の寸法はトンネル掘削機1が一スパン分のトンネルを掘削する長さ、例えば、1200mmに設定されている。次に、トンネル掘削機1が一スパン分の長さ(トンネルの掘削面にセグメント覆工が施工される場合にはセグメント一リング分のトンネル方向の長さ)のトンネルを掘削するまでにおいて、方向修正機構5の作動量の変化とトンネル計画線Xに対するトンネル掘削機1の偏位量及び偏角量の変化を表示画面9に表示する方法を説明する。
【0026】
まず、トンネル掘削機1が一スパン分のトンネルの掘削開始時においては、該表示画面9の左端の縦線上にトンネル掘削機1の水平方向の偏位量と方向修正機構5の作動量とがそれぞれ表示点a1、b1で示されている。なお、上記表示画面9はトンネル掘削機1の左右方向(水平方向)の偏位量と偏角量及び方向修正機構5の作動量の変化を表示しているものとして以下に説明するが、上下方向の偏位量と偏角量及び方向修正機構5の作動量の変化も図示していないが同一画面又は別な画面に表示されるものであり、その表示方法も同じである。
【0027】
この状態からトンネル掘削機1を推進ジャッキ6により一定長、掘進させ、その時のトンネル掘削機1の偏角をその始点が偏位量の上記表示点a1とし且つ先端が次の縦線に達するように矢印線A2でもって表示させると共にトンネル掘削機1の偏位量と方向修正機構5の左右ジャッキの作動量を次の縦線上に点表示a2、b2し、この点表示a2、b2と上記一定長掘進する前のトンネル掘削機1の偏位量と方向修正機構5の作動量の表示点a1、b1とをそれぞれ直線で結んだ線c1、d1を表示する。
【0028】
次に、トンネル掘削機1の上記偏位を修正する方向に方向修正機構5のジャッキ5b、5bの作動量を演算により設定して画面9上の次の縦線22上に点表示b3すると共にこの表示点b3と先の表示点b2とを結ぶ直線d2を表示し、さらに、該方向修正機構5の作動量でもって方向制御した状態でトンネル掘削機1を一定長、掘進した時のトンネル掘削機1に対するトンネル掘削機1の偏位量を同一縦線22上に点表示a3して該表示点a3と先の表示点a2とを結んだ直線c2を表示する。さらに、その時のトンネル計画線Xに対するトンネル掘削機1の偏角をその始点が偏位量の上記表示点a1とし且つ先端が次の縦線に達するように矢印線A2でもって表示させる。
【0029】
以下、同様にしてトンネル掘削機1が一スパン掘進する間において、トンネル掘削機1を一定長、掘進させる毎に画面9上の順次隣接する縦線22上にトンネル掘削機1の被測点の偏位量を点表示すると共に各表示点間を直線で表わす一方、トンネル計画線Xに対するトンネル掘削機1の上記各偏位量に基づいて修正した方向修正機構5の作動量を上記トンネル掘削機1の偏位量の表示点に対応させて同じ縦線22上に点表示すると共に隣接する表示点間を順次直線で表わすことによって画面9上にトンネル計画線に対するトンネル掘削機の偏位量の軌跡と方向修正機構の作動量の軌跡とを線グラフで表示していき、さらに、トンネル掘削機1を一定長、掘進させる毎における偏角量を上記各偏位量の表示点を始点とする矢印線でもって順次表示するものである。
【0030】
上記表示方法において、方向修正機構5の作動量をトンネル掘削機1の偏位量がトンネル計画線Xに近づける方向に設定しているにもかかわらず、トンネル掘削機1を一定長掘削させた時のトンネル掘削機1の位置がトンネル計画線Xから離れる方向に偏位したりトンネル掘削機1の偏角、即ち姿勢が逆に大きくなる方向にズレたりする場合がある。
【0031】
これは、切羽面に硬質岩盤部分と軟質岩盤部分とが共存していると、方向制御用ジャッキの制御量に対してトンネル掘削機が適正な方向に向いているにもかかわらず、トンネル掘削機の位置が軟弱な岩盤部方向に滑りが生じることにより偏位したり、或いは、トンネル掘削壁面に軟質岩盤部分が存在した場合において、方向修正機構5の左右ジャッキ5b、5bを該軟質岩盤に押し付けた時に軟質岩盤が圧縮される方向に変形して左右ジャッキ5b、5bの作動量がトンネル掘削機1の偏位量に対応させているにもかかわらず軟質岩盤にその作動量の一部が吸収され、トンネル掘削機1の方向が所定の方向に向けられなかった結果などにおいて生じる。
【0032】
また、トンネル掘削機1を一定長掘進させた時に、偏位量は殆ど変化していないが、偏角量(トンネル掘削機1の姿勢)が大きく変化する場合も生じる。例えば、掘進中に掘削地盤が硬質岩盤から軟質岩盤又は軟質岩盤から硬質岩盤、或いは密な地盤から破砕帯の地盤に変化した場合には、変化するまでにその岩質に応じた圧力でもってそれぞれ作動していた方向修正機構5の左右ジャッキ5b、5bが岩質の変化によってそれまでと異なった伸長比でもって作動して一定長掘進した後のトンネル掘削機1の偏角が大きく変化することになる。このように偏位量は殆ど変化しないが偏位量が変化した場合に、その時点からの前方地盤の岩質の性状が変化していることを予知することができ、それに対処した条件でもってトンネル掘削機1を制御しながら掘進することができるものである。
【0033】
さらに、いずれの場合においても岩質が変化している位置を正確に確認し得るので、トンネル掘削機1の後方において支保を施工する場合に、トンネル掘削機1の掘進によって後端から露出する該岩盤部分に硬質岩盤に対する支保よりも岩盤の崩落等を防止し得る一層強固な支保を正確に施工し得るものである。
【0034】
このように、トンネル掘削機1を一定長、掘進させる毎における偏位量と偏角量及び方向修正機構の作動量がリアルタイムで認識することができ、その上、偏位量が小さいにもかかわらずトンネル掘削機1の偏角が大きくなった掘進状況等を把握することができて前方の岩質の変化やその推定が可能となり、また、推進ジャッキや方向修正ジャッキ、さらにはトンネル掘削機1の重心位置などのトンネル掘削機1の特性も把握することができて、精度のよい運転制御が可能となるものである。
【0035】
また、以上の実施例においてはトンネル掘削機1としてTBMを示したが、前後胴間を複数本の方向修正ジャッキにより連結しているシールド掘削機においても上記掘進制御状況表示方法を採用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】トンネル掘削状態を示す全体の簡略側面図、
【図2】その簡略平面図、
【図3】方向修正機構部分の縦断正面図、
【図4】トンネル掘削機の掘削状況を表示した表示画面における線図。
【符号の説明】
1 トンネル掘削機
5 方向修正機構
7 レーザ発振器
8a、8b 受光器
9 表示画面
10 制御盤
X トンネル計画線
a トンネル掘削機の偏位量の表示点
b 方向修正機構の作動量の表示点
A 矢印線
Claims (1)
- 単一の画面における中央部の横軸にトンネル計画線が直線で表示されると共に該トンネル計画線を中央にして上下方向に一定間隔毎に直線でもって横線を記入し、各横線の左端にトンネル計画線上をOとして順次数値が大きくなる偏位量を示す数字を付していると共に左端を基準として一定間隔毎トンネル掘削機の一定長の掘進毎に縦線を記入してあり、この単一の画面に、トンネル掘削機を一定長掘進させる毎に、画面上の隣接する縦線上にトンネル掘削機の被測点の偏位量を順次点表示すると共に各表示点間を直線で表わす一方、トンネル掘削機を一定長、掘進させる毎におけるトンネル掘削機の偏角量を上記各偏位量の表示点を始点とする矢印線でもって順次表示していき、さらに、上記トンネル掘削機の各偏位量及び偏角量に基づいて決定されるトンネル掘削機の方向修正機構の作動量を上記直線で表示されたトンネル計画線に対する法線方向の離間距離として上記トンネル掘削機の所定掘進長毎に上記トンネル掘削機の偏位量の表示点に対応させて同じ縦線上に点表示すると共に各表示点間を順次直線で結ぶことを特徴とするトンネル掘削機の掘進状況表示方法。
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