JP3574257B2 - 医療用診療台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科、耳鼻科および眼科などで用いられる診療台において、患者が仰向けに横臥した姿勢で、患者の頭髪がヘッドレストの回転部に巻付いたり、術者のひざ、手や治療機器へ垂下がったりすることを防ぐことができる医療用診療台に関する。
【0002】
【従来の技術】
典型的な先行技術は、たとえば本件出願人によって提案された特開平7−275302号公報に開示されている。この先行技術では、歯科診療台において、患者の背部を支持するバックレストと患者の頭部を支持するヘッドレストとの間の隙間から、患者の頭髪が垂下がるのを防ぐために、ヘッドレストからバックレストにわたって、髪受けカバーを設けている。この髪受けカバーは、ヘッドレストの表面とバックレストの一部とを覆うカバー本体に、ヘッドレストの裏面側に掛止められる袋状の係止部または面状ファスナによってずれやめくれ上がりを防ぎ、患者の頭髪が接触することによって、治療機器や術者の手が汚損することを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような先行技術では、ヘッドレストを患者の頭部の位置に合わせるために移動させたとき、前記袋状の係止部からヘッドレストが離脱したり、面状ファスナが外れる場合が生じやすい。またヘッドレストを大きく角変位させたときには、髪受けカバーに皺が生じ、この皺によって患者の頭髪が挟まれてしまう場合が生じる。
【0004】
したがって本発明の目的は、ヘッドレストの移動に拘わらず、髪受けカバーのずれや外れを防止して、患者の頭髪を挟み込むことなしに確実に支持することができる医療用診療台を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、患者の背部を支持するバックレストに、患者の頭部を支持するヘッドレストが前記バックレストに対して傾動自在に設けられる医療用診療台において、
バックレストには、患者の両肩部を支持する各肩支持部からヘッドレストの両側方に斜め上方に延びる張出し部がそれぞれ形成され、
各張出し部はバックレストに一体に形成されることを特徴とする医療用診療台である。
本発明に従えば、バックレストの各肩支持部に張出し部が形成され、この張出し部はバックレストと一体に形成されるので、ヘッドレストとバックレストとの間に生じる隙間を小さくして各張出し部によって患者の頭髪を保持し、ヘッドレストを角変位させても頭髪を挟み込んだり、たとえばヘッドレストの回転部に巻付いたりすることなしに、その頭髪の垂下がりを防ぎ、診療機器や術者の手やひざに触れることが防がれる。
また患者の頭部の両側が各張出し部および/またはヘッドレストの両側部によって覆われ、患者の両側方への視界が制限されて、診療機器などが目につくことがなく、これによって患者の恐怖感を軽減することができる。
また各張出し部は、斜め上方に延びて形成されるので、患者の両肩がむやみにヘッドレスト側へ移動してしまうことを防ぎ、患者を診療に適した所定の位置に仰向けに横臥させることができ、診療時における患者の所定位置への誘導の手間が省かれる。また上記の各張出し部とヘッドレストの両側部によって、患者の頭部が配置される患者側空間と、診療機器が配置される術者側空間とが仕切られ、患者の頭部の両側方および下方に術者の作業空間を確保して、患者の目に留まらない状態で診療機器などの準備や操作を円滑に行うことができる。
また従来の髪受けカバーのように、ずれ、めくれ上がりおよびヘッドレストの移動によって髪を挟み込むといったことを防ぐことができる。さらに各張出し部がバックレストの肩支持部に連なって形成されるので、見た目がすっきりし、外観上の美観が向上される。
【0006】
請求項2記載の本発明は、ヘッドレストの両側部は、各張出し部の前記ヘッドレストが嵌まり込む凹所を挟んで斜め上方に立上がり、相互に隣接する各対向部に枢支されることを特徴とする。
本発明に従えば、各張出し部は、斜め上方に立上がって形成されるので、患者の両肩がむやみにヘッドレスト側へ移動してしまうことを防ぎ、患者を診療に適した所定の位置に仰向けに横臥させることができ、診療時における患者の所定位置への誘導の手間が省かれる。またヘッドレストの両側部が各張出し部の対向部に枢支されるので、患者の頭部の両側が各張出し部および/またはヘッドレストの両側部によって覆われ、患者の両側方への視界が制限されて、診療機器などが目につくことがなく、これによって患者の恐怖感を軽減することができる。また上記の各張出し部とヘッドレストの両側部によって、患者の頭部が配置される患者側空間と、診療機器が配置される術者側空間とが仕切られ、患者の頭部の両側方および下方に術者の作業空間を確保して、患者の目に留まらない状態で診療機器などの準備や操作を円滑に行うことができる。
【0007】
請求項3記載の本発明は、前記張出し部の下方には、インスツルメントが保持されることを特徴とする。
本発明に従えば、インスツルメントが張出し部の下方に保持されるので、張出し部によって仕切られ、張出し部の下方に確保された術者の作業空間内にインスツルメントが保持される。したがって術者はインスツルメントの準備や操作を患者の目に留まらない状態で円滑に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の歯科診療台1を示す平面図であり、図2は図1に示される歯科診療台1の側面図であり、図3は図1の左側から見た歯科診療台1の正面図である。医療用診療台である歯科診療台1は、基本的に、患者2を支持し、ほぼ水平に配置される診療シート3と、診療シート3を昇降する昇降手段4とを備える。診療シート3は、シート本体14と、このシート本体14の下方に配置されるベット本体13とから構成される。シート本体14は、患者2の腰部34を支持する座板部5と、患者の背部32を支持するバックレストであるバックレスト部6と、患者2の脚部34を支持するフートレスト7とが一体的に形成されてほぼ水平に配置されている。診療シート3のバックレスト部6には、患者の頭部35を支持するヘッドレスト8がバックレスト部6に対して傾動自在に設けられている。またバックレスト部6には、そのバックレスト部6の、患者2の両肩部31a,31bを支持する各肩支持部9a,9bからヘッドレスト8の両側方に斜め上方に延びる張出し部10a,10bがそれぞれ形成されている。各張出し部10a,10b間にはヘッドレスト8が嵌まり込む凹所11が形成されている。ヘッドレスト8は、各張出し部10a,10bの前記凹所11を挟んで相互に隣接する各対向部12a,12bに、水平な軸線まわりに枢支されている。
【0009】
前記昇降手段4は、診療室の床15に取付けられる基台17と、基台17に備えられる図示しない昇降駆動手段によって昇降される昇降体18とから成り、昇降体18に診療シート3のベット本体13が固定されている。基台17にはフートスイッチ19が設けられており、このスイッチ19を操作することによって昇降体18を昇降し、診療シート3を矢符A1,A2で示す上下方向に昇降させることができる。
【0010】
歯科診療台1には、診療シート3の側方から立上がる支柱20が設けられており、支柱20の先端部から延びるアーム21には照明用のデンタルライト22が2つ設けられている。またヘッドレスト8付近には、術者が着座する診療椅子23が、床16に移動自在に設けられている。ベット本体13には、各肩支持部9a,9b付近に術者用インスツルメント42および補助者用インスツルメント43が引出し可能に装着されている。術者用インスツルメント42は、3ウエイシリンジ、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピースなどを備え、補助者用インスツルメント43は、3ウエイシリンジおよびバキュームシリンジなどを備える。このような診療台を用いて、術者および補助者は、これらの診療機器である術者用インスツルメント42および補助者用インスツルメント43を用い、患者2を診療シート3上に仰向けに横臥させ、術者が診療椅子に着座して患者2を診療する。
【0011】
ヘッドレスト8は、半円弧状に湾曲する板状であり、この両側方がピン24a,24bによって前記対向部12a,12bに枢支されている。このヘッドレスト8は、係止手段26によってピン24a,24bを結ぶ水平軸線まわりに図2の矢符B1,B2で示す方向に角変位可能にベッド本体13に連結される。
【0012】
患者2の右側に位置する張出し部10aは、前記ピン24aが設けられる位置である点P1aと、患者2の首部30の右側部の鉛直下方に対応する位置である点P2aと、たとえば大人の患者2に対して体格の異なる子供の患者2aなど、体型の異なる患者2,2aが口Mを同じ位置に配置した状態で、各患者2,2aの各肩部31aの鉛直下方に対応する点を結び、側方に延長して診療シート3の右側面3aと交わる点P3aとを結ぶ、図1に斜線を付して示す略三角形状の領域Saを少なくとも含んで形成されている。患者2の左側に形成される張出し部10bは、前記張出し部10aと対称に形成されるので、添字aに代えて添字bを付し、説明は省略する。本形態では各張出し部10a,10bは互いに連なり、シート本体14に一体に形成される。
【0013】
各点P1a,P1b間はヘッドレスト8の両側部間の距離とほぼ等しく選ばれ、各点P2a,P2b間は患者2の首の幅にほぼ等しく選ばれている。このような各張出し部10a,10bによって形成される前記凹所11は、半円弧状に形成され、この凹所11にヘッドレスト8を嵌まり込ませた状態で取付けたときに、バックレスト部6とヘッドレスト8との間に大きな隙間が形成されない。このような張出し部10a,10bを形成することによって、診療シート3上に患者2が仰向けに横臥したときに、患者2の頭髪を患者2の背後および患者の側部に沿って案内し、頭髪が垂れ下がることを防ぐことができる。
【0014】
前記ピン24a,24bは、バックレスト部6の上面6aから高さH、たとえば高さH=70〜100mm程度上方に設けられている。ヘッドレスト8の患者2の頭部35が当接する当接部40は、前記各ピン24a,24bよりも下方に配置されている。これによって患者の頭部35を、患者に無理な姿勢を要求することなく支持することができる。また各ピン24a,24bが固定される各対向部12a,12bを有する各張出し部10a,10bは、バックレスト部6から斜め上方に立上がっており、各張出し部10a,10bおよびヘッドレスト8の両側部41a,41bによって、患者2の視界が遮断され、各種のインスツルメント42,43が見えず、患者に恐怖感を与えることがない。
【0015】
また各張出し部10a,10bおよびヘッドレスト8によって患者2の頭部35が配置される患者側空間44と、術者用インスツルメント42および補助者用インスツルメント43が配置される術者側空間45とが仕切られる。これによって、患者の頭髪が術者側空間45に垂れ下がり、術者用インスツルメント42および補助者用インスツルメント43や術者および補助者の手が汚損されたり、診療椅子23に着座する術者のひざに触れたりすることが防がれる。また前述のように患者2の視界が制限されるとともに術者の作業空間を確保することができ、患者2の目につかない状態で、術者用インスツルメント42などの準備や操作を円滑に行うことができる。
【0016】
図4は、前記係止手段26の具体的構成を示す断面図であり、図5は図4に示す状態からヘッドレスト8を倒し角変位させた状態を示す断面図である。係止手段26は、シート本体14のヘッドレスト8側の下面に固定され、略環状のケーシング52とこのケーシング52内に設けられ互いに対向する押圧ばね46と係止爪47とケーシング52に挿入される支持棒25とから構成される。支持棒25は、長手方向一端部がヘッドレスト8の一方側(図4の左方)の下面に設けられたブラケット48に支軸49によって角変位自在に連結されており、長手方向他端部付近には、その長手方向に間隔をあけて複数の係合溝50が形成されている。このような支持棒25の長手方向他端部が前記押圧ばね46と係止爪47との間に挟持されるようにケーシング52に挿入し、各係合溝50のいずれか一つに選択的に係止爪47を嵌まり込ませた状態で挟持して各支持棒が固定的に支持される。これによって、ヘッドレスト8を、前記各ピン24a,24bを結ぶ水平軸線まわりに角変位可能に固定することができる。
【0017】
図4に示す状態から図5に示すように、係止爪47が嵌まり込む係合溝50を代えることによって、ヘッドレスト8を角変位させて患者2の頭部35を矢符B2方向に倒すことができる。各係合溝50間の間隔Lは、ヘッドレスト8の角変位角度θと対応しており、係止爪47を嵌まり込ませる係合溝50を選択して、ヘッドレスト8の角変位角度を選択することができる。
【0018】
このようにして患者2の頭部を矢符B2方向に倒したとき、患者2の頭部35は患者の第4頸椎51を中心に移動して角変位されるので、患者2の頭部35先端の移動距離が短いわりに患者2の口Mを開けることができる。しかも患者2の両肩部31a,31bは、斜め上方に延びる各張出し部10a,10bに当接しているので、矢符Dで示すように患者2の頭部35側へ変位してしまうことが防がれる。したがって患者2の口Mの位置がヘッドレスト8の角変位によって大きく変位しないので、術者は円滑に診療することができる。
【0019】
体格の違いなどによって、頭部35を倒したときの角変位中心が第3頸椎となる場合がある。
【0020】
またシート本体14は耐薬品性および撥水性を有するポリエチレンまたは塩化ビニルからなるシートによって覆われ、これによって薬品によって変質することが防がれ、薬品や水が付着したときには払拭することによって容易に拭い取ることができる。またシート本体14に抗菌コーティングしてもよく、これによって雑菌の繁殖を防ぎ、メインテナンスが容易になり、歯科診療台として好適に実施することができる。
【0021】
図6は本発明の実施の他の形態の歯科診療台1aを示す平面図であり、図7は図6に示される歯科診療台1aの側面図であり、図8は図7の左側から見た歯科診療台1aの正面図である。なお図1〜図5に示す形態と同様の構成を有する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する場合がある。本形態の歯科診療台1aは、診療室などの床16上に載置される昇降手段4と、この昇降手段4によって矢符A1,A2方向に昇降駆動される診療シート61とから成る。診療シート61は、患者2が着座する座板部62および脚部34を支持するフートレスト部63が一体的に形成され、ほぼ水平に配置される着座シート64と、この着座シート64に矢符E1,E2方向に傾動自在に設けられ、患者2の背部32を支持するバックレスト65とを有する。
【0022】
バックレスト65には、ヘッドレスト66が係止手段67によって所望の傾動位置に係止されるとともに、患者2の両肩部31a,31bを支持する各肩支持部68a,68bが形成され、この各肩支持部68a,68bには患者の両肩部31a,31bが部分的に嵌まり込み、緩やかに湾曲した凹部69a,69bが形成されている。さらにバックレスト65の各凹部69a,69bが形成される各肩支持部68a,68bに連なって張出し部70a,70bがそれぞれ形成されている。各張出し部70a,70bは、前述の図1〜図5の形態と同様に、少なくとも点P1a,P2a,P3a;P1b,P2b,P3bによって囲まれた領域Sa,Sbを含む範囲にヘッドレスト66側に延び、しかもヘッドレスト66の頭部35を支持する当接部71よりも下方またはほぼ同一高さの位置に形成されている。これによって患者2の両側方への視界が遮断されず、患者に圧迫感を与えることを防ぐことができるとともに、各張出し部70a,70bによって患者からは斜め下方への視界が遮断されるので、各種のインスツルメント42,43は視認されず、患者2に恐怖感を与えることが防がれる。このような各張出し部70a,70bを形成することによって、前述のように圧迫感や恐怖感を患者2に与えることなく患者の頭髪が術者側空間45に垂れ下がることを防止することができる。
【0023】
図9は、係止手段67の具体的構成を示す断面図であり、図10は図9に示す状態からヘッドレスト66を角変位させた状態を示す断面図である。前記係止手段67は、バックレスト65に固定される案内管72と、この案内管72に枢支され、捩りばね73によって先端部74aが図9における時計まわりにばね付勢される係止爪74と、この係止爪74の前記先端部74aが嵌まり込む複数の係合溝75が形成され、これらの各係合溝75が形成される軸線方向一端部付近が前記案内管72内に挿入されて支持される円弧状でかつ中空の支持アーム76と、支持アーム76の軸線方向他端部に角変位自在に設けられる操作レバー77と、操作レバー77の角変位によって前記支持アーム76内で傾動し、各係合溝75のいずれか1つに係合した係止爪74の先端部74aを支持アーム76からその半径方向外方に押圧して係止爪74の係合溝75への係合状態を解除する円弧状のロック解除部材78とを有する。
【0024】
前記支持アーム76の軸線方向他端部は、ヘッドレスト66の下面に固着されたブラケット79にたとえば溶接によって固定される。この支持アーム76は、案内管72内に挿入され、係止爪74の先端部74aが係合溝75に嵌まり込むことによって固定的に係止される。この状態からレバー72を矢符F方向に引くことによってロック解除部材78によって係止爪74を押圧し、係止爪74の先端部74aを係合溝75から退避させ、支持アーム76を案内管72に沿って変位させることができる。これに伴ってヘッドレスト66が、案内管72の曲率の中心まわりに角変位される。支持アーム76を変位させて、ヘッドレスト66が所望の位置に配置された状態で係止爪74の先端部74aを係合溝75に嵌まり込ませることによって、ヘッドレスト66を所望の位置に配置して支持することができる。
【0025】
このような係止手段67によって図1〜図5に示す形態と同様に、図9に示す状態から操作レバー77を操作して係止爪74の先端部74aが嵌まり込む係合溝75を代えることによって患者2の頭部35を矢符B2方向に倒すことができる。各係合溝75の間隔は、ヘッドレスト68の角変位角度に対応しており、係止爪74の先端部74aを嵌まり込ませる係合溝75を選択することによってヘッドレスト68の角変位位置を任意に選択することができる。
【0026】
歯科診療台1aにおいて、患者2がバックレスト65の各凹部69a,69bに両肩部31a,31bを嵌まり込ませ、頭部35をヘッドレスト68に支持して診療ベッド61に仰向けに横臥したときに、患者2の第7頸椎53が案内管72の曲率の中心に配置され、これによってヘッドレスト66を変位させて患者2の頭部35を矢符B2方向に倒したとき、患者2の頭部35はその患者の第7頸椎53を中心に移動して角変位させるので、患者の首部30に負担がかからない。したがってこのように頭部35を倒しても、患者2に不安感を与えることはない。しかも患者2の両肩部31a,31bが凹部69a,69bに嵌まり込んで支持されており、患者2は、矢符Dで示されるように頭部35側へ変位してしまうことが防がれる。したがって患者2の口Mは、ヘッドレスト66を変位させて頭部35を倒しても大きく変位しないので、術者は円滑に手術をすることができる。
【0027】
図11は本発明の実施のさらに他の形態の歯科診療台1bを示す平面図であり、図12は図11に示される歯科診療台1bの側面図であり、図13は図12の左側から見た歯科診療台1bの正面図である。本形態の歯科診療台1bは、図6〜図10に示される歯科診療台1aと類似しており、対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0028】
注目すべきは前述の構成において、各張出し部70a,70bは、各凹部69a,69bが形成される各肩支持部68a,68bからヘッドレスト68の両側方に延出し、各肩支持部68a,68bからヘッドレスト68の両側部80a,80bに近接するにつれて滑らかに上方に立上がって形成される。このような各張出し部70a,70bによって患者2の頭髪を、患者2の側部および背部32に滑らかに案内して保持することができる。また、患者2の頭部35を右または左に傾動させても、図13に示す仮想線ma,mbよりも下方の視界が遮断されるので、患者2は各インスツルメント42,43の操作が目に留まらないので、術者は患者2に恐怖感や不安感を与えることはない。歯科診療台1bは、図6〜図10に示す歯科診療台1aと同様に患者2に恐怖感や不安感を抱かせることなく、円滑に診療を行うことができる。
【0029】
本発明は、上記の歯科診療台1,1a,1bに限られず、耳鼻咽喉科用診療台および眼科用診療台などに好適に実施して、同様の構成を得ることができる。
【0030】
また上記の構成では、ベット本体13に術者用インスツルメント42および補助者用インスツルメント43が設けられたけれども、本発明の実施の他の形態として、たとえば3ウェイシリンジから吐出するエアーや水の吐出量を調整するためのスイッチなど各種操作スイッチや、前記エアーや水の吐出量を表示する表示部などを備えるようにしてもよい。この場合、各インスツルメントは、バックレストまたはバックレスト部に設けられるトレーテーブルに着脱自在に掛止めるように構成してもよい。このような構成にしても、診療機器である前記各種操作スイッチ、各表示部および術者による操作が患者の目に留まることはなく、円滑に診療を行うことができる。
【0031】
また、術者が診療椅子23に着座した状態で、術者が術者用インスツルメント42の存在する方向を眺めたときの視線経路を含む範囲にわたって各張出し部10a,10b;70a,70bに透光性を有する材料から成る透明部分を部分的に形成して、患者の目には留まらない状態で術者が術者用インスツルメント42を容易に視認することができるようにして、円滑に診療が行えるように構成してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の本発明によれば、バックレストの各肩支持部に張出し部が形成され、この張出し部はバックレストと一体に形成されるので、ヘッドレストとバックレストとの間に生じる隙間を小さくして各張出し部によって患者の頭髪を保持し、ヘッドレストを角変位させても頭髪を挟み込んだり、たとえばヘッドレストの回転部に巻付いたりすることなしに、その頭髪の垂下がりを防ぎ、診療機器や術者の手やひざに触れることが防がれる。
また患者の頭部の両側が各張出し部および/またはヘッドレストの両側部によって覆われ、患者の両側方への視界が制限されて、診療機器などが目につくことがなく、これによって患者の恐怖感を軽減することができる。
また各張出し部は、斜め上方に延びて形成されるので、患者の両肩がむやみにヘッドレスト側へ移動してしまうことを防ぎ、患者を診療に適した所定の位置に仰向けに横臥させることができ、診療時における患者の所定位置への誘導の手間が省かれる。また上記の各張出し部とヘッドレストの両側部によって、患者の頭部が配置される患者側空間と、診療機器が配置される術者側空間とが仕切られ、患者の頭部の両側方および下方に術者の作業空間を確保して、患者の目に留まらない状態で診療機器などの準備や操作を円滑に行うことができる。
【0035】
また従来の髪受けカバーのように、ずれ、めくれ上がりおよびヘッドレストの移動によって髪を挟み込むといったことを防ぐことができる。さらに各張出し部がバックレストの肩支持部に連なって形成されるので、見た目がすっきりし、外観上の美観が向上される。
【0036】
請求項2記載の本発明によれば、各張出し部は、斜め上方に立上がって形成されるので、患者の両肩がむやみにヘッドレスト側へ移動してしまうことを防ぎ、患者を診療に適した所定の位置に仰向けに横臥させることができ、診療時における患者の所定位置への誘導の手間が省かれる。またヘッドレストの両側部が各張出し部の対向部に枢支されるので、患者の頭部の両側が各張出し部および/またはヘッドレストの両側部によって覆われ、患者の両側方への視界が制限されて、診療機器などが目につくことがなく、これによって患者の恐怖感を軽減することができる。また上記の各張出し部とヘッドレストの両側部によって、患者の頭部が配置される患者側空間と、診療機器が配置される術者側空間とが仕切られ、患者の頭部の両側方および下方に術者の作業空間を確保して、患者の目に留まらない状態で診療機器などの準備や操作を円滑に行うことができる。
【0037】
請求項3記載の本発明によれば、インスツルメントが張出し部の下方に保持されるので、張出し部によって仕切られ、張出し部の下方に確保された術者の作業空間内にインスツルメントが保持される。したがって術者はインスツルメントの準備や操作を患者の目に留まらない状態で円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の歯科診療台1を示す平面図である。
【図2】歯科診療台1を示す側面図である。
【図3】歯科診療台1を示す正面図である。
【図4】係止手段26の具体的構成を示す断面図である。
【図5】図4に示す状態からヘッドレスト8を角変位させた状態を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の他の形態の歯科診療台1aの平面図である。
【図7】歯科診療台1aの側面図である。
【図8】歯科診療台aの正面図である。
【図9】係止手段67の具体的構成を示す断面図である。
【図10】図9に示す状態からヘッドレスト66を角変位させた状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態の歯科診療台1bを示す平面図である。
【図12】歯科診療台1bの側面図である。
【図13】歯科診療台1bの正面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 歯科診療台
2 患者
3,61 診療シート
4 昇降手段
5 座板部
6 バックレスト部
7 フートレスト部
8,66 ヘッドレスト
9a,9b,68a,68b 肩支持部
10a,10b;70a,70b;91a,91b 張出し部
11 凹所
12a,12b 対向部
26,67 係止手段
31a,31b 肩部
35 頭部
41a,41b ヘッドレストの両側部
42 術者用インスツルメント
43 補助者用インスツルメント
44 患者側空間
45 術者側空間
64 着座シート
65 バックレスト
69a,69b 凹部
Claims (3)
- 患者の背部を支持するバックレストに、患者の頭部を支持するヘッドレストが前記バックレストに対して傾動自在に設けられる医療用診療台において、
バックレストには、患者の両肩部を支持する各肩支持部からヘッドレストの両側方に斜め上方に延びる張出し部がそれぞれ形成され、
各張出し部はバックレストに一体に形成されることを特徴とする医療用診療台。 - ヘッドレストの両側部は、各張出し部の前記ヘッドレストが嵌まり込む凹所を挟んで斜め上方に立上がり、相互に隣接する各対向部に枢支されることを特徴とする請求項1記載の医療用診療台。
- 前記張出し部の下方には、インスツルメントが保持されることを特徴とする請求項1または2記載の医療用診療台。
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