JP3574067B2 - 2置換ジアミンモノアミド化合物の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高収率でかつ副生物が少ない2置換ジアミンモノアミド化合物を製造する方法及びそれを用いて重金属イオンやアルカリ金属イオン、ハロゲンイオン、硫酸イオン等の腐食性イオンのほとんどなく有機不純物も少ない高純度の4級環状アミジン有機酸塩を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2置換ジアミンモノアミド化合物の合成法として、2置換ジアミンとカルボン酸またはカルボン酸エステルによるアミド化反応で得る方法、特許第2964244号公報に記載のようにジアミンモノアミドまたは1置換ジアミンモノアミドをアルキルハライドやジアルキル硫酸などを反応させ、2置換ジアミンモノアミドのハロゲン塩または硫酸塩とした後、アルカリ処理して蒸留によって得る方法が知られている。 しかしながら、2置換ジアミンのアミド化反応の場合、ジアミドが多量に副生するため、通常モノアミドを70%以上の収率で得るのは難しい。また、アルキルハライドやジアルキル硫酸を用いる方法は、3置換ジアミンモノアミドが副生し収率よく高純度のものが得にくく、また、アルカリ処理時に多量のハロゲン塩または硫酸塩が廃棄物として副生し工業的に好ましくない。
一方、重金属イオンやアルカリ金属イオン、ハロゲンイオン、硫酸イオン等の腐食性イオンのほとんどない4級環状アミジン有機酸塩を得る方法としては特許第2919419号公報に記載のように3級環状アミジンを炭酸ジエステルと反応させて対応する4級環状アミジン炭酸塩とし、これを有機酸と混合して脱炭酸によって4級環状アミジン有機酸塩得る方法が知られている。この方法で高純度の4級環状アミジン有機酸塩を得る場合、4級環状アミジン炭酸塩が熱に不安定であるため未反応物の3級環状アミジンや高沸点の副生物を蒸留で除去するのが困難で、適当な溶媒選定による再結晶やイオン交換樹脂の使用での精製となり経済性に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の製造方法に比べて高収率でかつ廃棄物となる副生物が少ない2置換ジアミンモノアミド化合物を製造する方法を提供するものである。また本発明の2置換ジアミンモノアミド化合物を用いて重金属イオンやアルカリ金属イオン、ハロゲンイオン、硫酸イオン等の腐食性イオンのほとんどなくかつ有機不純物も少ない高純度の4級環状アミジン有機酸塩を製造する方法を提供しようとするものである。
【0004】
すなわち本発明は、2置換ジアミンモノアミドの製造方法において、下記一般式(1)で示される4級環状アミジン化合物のカチオン(a)と下記一般式(2)で示される炭酸アルキルアニオン(b)からなる塩(A)と水を該塩(A)と水のモル比が1:2〜10で反応させ蒸留することを特徴とする下記一般式(3)または(4)で示される2置換ジアミンモノアミド化合物(B)の製造法および得られた2置換ジアミンモノアミド化合物(B)に有機酸(C)を反応させることを特徴とする下記一般式(5)で示される4級環状アミジン有機酸塩(D)の製造法である。
【0005】
【化6】
【0006】
[式中、R1は水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。R2とR3はそれぞれ水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Qは炭素数1〜5の炭化水素基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基で置換されてもよい、炭素数2〜10のアルキレン、アリーレンもしくはアルケニレン基を表す。R1、R2、R3およびQの一部または全てが相互に結合して環を形成してもよい。]
【0007】
【化7】
【0008】
[式中、Aは、炭素数1〜6の炭化水素基または水素原子を表す。]
【0009】
【化8】
【0010】
【化9】
【0011】
[式中、R1は水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。R2とR3はそれぞれ水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Qは炭素数1〜5の炭化水素基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基で置換されてもよい、炭素数2〜10のアルキレン、アリーレンもしくはアルケニレン基を表す。R1、R2、R3およびQの一部または全てが相互に結合して環を形成してもよい。]
【0012】
【化10】
【0013】
[式中、R1は水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。R2とR3はそれぞれ水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Qは炭素数1〜5の炭化水素基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基で置換されてもよい、炭素数2〜10のアルキレン、アリーレンもしくはアルケニレン基を表す。R1、R2、R3およびQの一部または全てが相互に結合して環を形成してもよい。X−は有機酸アニオンを表す。]
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の原料となる該塩(A)を構成する4級環状アミジン化合物のカチオン(a)として具体的には次のものが挙げられる。
【0015】
[1]イミダゾリニウム類カチオン
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリニウムなど。
【0016】[2]イミダゾリウム類カチオン
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3−エチル−イミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−フェニルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−ベンジルイミダゾリウム、1−ベンジル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−イミダゾリウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチルイミダゾリウムなど。
【0017】[3]テトラヒドロピリミジニウム類カチオン
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムなど。
【0018】[4]ジヒドロピリミジニウム類カチオン
1,3−ジメチル−1,4−もしくは−1,6−ジヒドロピリミジニウム、[これらを1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウムと表記し、以下同様の表現を用いる。]1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7,9(10)−ウンデカジエニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5,7(8)−ノナジエニウム、4−シアノ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−シアノメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−シアノメチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−アセチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−アセチルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メチルカルボオキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メチルカルボオキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−メトキシ−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−メトキシメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ホルミル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ホルミルメチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、3−ヒドロキシエチル−1,2−ジメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、4−ヒドロキシメチル−1,2,3−トリメチル−1,4(6)−ジヒドロピリミジニウム、2−ヒドロキシエチル−1,3−ジメチル−1,4(6)−ヒドロピリミジニウムなど。
【0019】これらの一般式(1)の具体例のうち好ましいものは、イミダゾリニウム類カチオンであり、特に好ましいものは1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,3−ジエチル−2−メチルイミダゾリニウムである。
【0020】
一般式(2)で示される炭酸アルキルアニオン(b)のアルキル基としては炭素数が1〜5までのアルキル基及び水素原子が挙げられる。このうち好ましいものは炭酸アニオン、モノメチル炭酸アニオン、モノエチル炭酸アニオンなどであり、特に好ましいものはモノメチル炭酸アニオンである。
【0021】該塩(A)の製造方法としては、例えば、環状アミジンと炭酸ジエステルの反応による特許第2919419号公報や特開平8−67672号公報に記載の方法が挙げられる。
【0022】該塩(A)と水の反応による2置換ジアミンモノアミドの製造における該塩(A)と水のモル比は、収率の観点から、通常1:0.8〜1000、好ましくは1:1〜100、さらに好ましくは1:2〜10である。
【0023】
本反応は該塩(A)と水を直接混合し、加熱昇温して反応するか、該塩(A)を先に反応容器に入れ、昇温後、水を滴下し反応させるか、水を先に反応容器に入れ、昇温後、該塩(A)を滴下し反応させても良い。但し、後者の方法の方が反応系における水が該塩(A)に対し過剰であるため好ましい。
本反応は密閉系で反応するかまたは、開放系で反応させても良い。但し、後者の方法の方が反応で副生する炭酸ガスが系外に除去されるため好ましい。何れの方法においても反応は通常、不活性気体(窒素など)の雰囲気下で攪拌下に行われる。
【0024】
本反応は必要により、アルカリを加えることができる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア及び/またはトリエチルアミン等のアミン類が挙げられる。加えるアルカリの量としては、反応液に対して1重量%以下である。また、反応は有機溶剤の存在下で行うこともできる。有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルエンなどが挙げられる。有機溶剤の使用量は原料である該塩(A)、水に基づき、通常50重量%を越えない量、好ましくは、20〜5重量%である。
【0025】
本反応の反応温度は、反応率の観点から、通常50〜200℃、好ましくは50〜100℃である。本反応時間は通常1〜24時間、好ましくは1〜12時間である。
【0026】
副生する炭素ガスおよびアルコールを除去することにより、反応初期の反応速度を高めることができ全体の反応を短時間に行うことができるとともに、反応収率を高める効果がある。反応の終点はHPLC分析で確認することができる。反応後、副生するアルコールおよび溶媒を用いた場合には溶媒を除去したのち得られる固体または粘調液体が目的の2置換ジアミンモノアミド化合物である。さらに高純度な2置換ジアミンモノアミド化合物を得る場合は、蒸留または適当な溶媒による再結晶などで精製を行うことができるが、収率と経済性から蒸留による方法が好ましい。
【0027】
得られた2置換ジアミンモノアミド化合物(B)に有機酸(C)を反応させることにより4級環状アミジン有機酸塩(D)を得ることができる。
有機酸(C)としては、(1)カルボン酸たとえばモノカルボン酸{C1〜30の脂肪族モノカルボン酸[飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸など);不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸など)];C7〜34の脂環式モノカルボン酸[シクロヘキサンカルボン酸など];C7〜15の芳香族モノカルボン酸[安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸など];C2〜31の脂肪族オキシモノカルボン酸[グリコール酸、乳酸、酒石酸など];C7〜15の芳香族オキシカルボン酸[サリチル酸、マンデル酸など];アルキル(C1〜20)エーテルモノカルボン酸}およびポリカルボン酸(2〜4価のポリカルボン酸){C2〜31の脂肪族ポリカルボン酸[飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸など);不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、フラン−2,3−ジカルボン酸、フラン−3,4−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン−2,3−ジカルボン酸など)];C8〜16の芳香族ポリカルボン酸[フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸など];S含有ポリカルボン酸[チオジプロピオン酸など];C7〜34の脂環式ポリカルボン酸[シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸など];カルボキシル基含有ポリマー(Mw:200〜5000)[ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と他のビニルモノマーとのコポリマー、カルボキシル基含有ポリウレタン、]など}
【0028】(2)フェノール類、たとえば1価フェノール(フェノールおよびナフトールを含む)[フェノール;モノおよびジアルキル(C1〜20)フェノール類(クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、n−およびイソ−プロピルフェノール、n−およびイソ−アミルフェノール、イソノニルフェノール、イソドデシルフェノールなど);メトキシフェノール類(オイゲノール、グアヤコールなど);ナフトールおよびシクロヘキシルフェノールなど]および多価(2〜4価)フェノール[カテコール、レゾルシン、ピロガロールおよびフロログリシンなど](3)モノ−およびジ−アルキル(C1〜20)燐酸エステル[モノ−およびジ−メチル燐酸エステル、モノ−およびジ−イソプロピル燐酸エステル、モノ−およびジ−ブチル燐酸エステル、モノ−およびジ−2−エチルヘキシル燐酸エステル、モノ−およびジ−イソデシル燐酸エステルなど]
(4)スルホン酸{C1〜30の脂肪族スルホン酸[アルカンスルホン酸(エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸など);アルコキシアルカンスルホン酸;スルホカルボン酸(スルホコハク酸、スルホステアリン酸など)]、C6〜30の芳香族スルホン酸[パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸およびスルホサリチル酸など]、アルキル(C1〜20)エーテルスルホン酸、スルホン酸基含有ポリマー(Mw:300〜5000)[ポリスチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸と他のビニルモノマーとのコポリマーなど]など}などが挙げられる。
これらのうち好ましいものはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、2−エチルヘキサン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリル酸、安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、サリチル酸、フェノール、クレゾール、モノおよびジメチル燐酸エステル、パラトルエンスルホン酸である。特に好ましいものは、フタル酸、マレイン酸、安息香酸、2−エチルヘキサン酸である。
【0029】
2置換ジアミンモノアミド化合物と有機酸の反応モル比は、反応率、4級環状アミジン有機酸塩の収率及び後処理の観点から、通常1:0.8〜3であり、好ましくは1:1〜3である。
【0030】
本反応は、2置換ジアミンモノアミド化合物と有機酸を直接混合し、加熱昇温して反応するか、2置換ジアミンモノアミド化合物を先に反応容器に入れ、昇温後、有機酸を滴下し反応させるか、有機酸を先に反応容器に入れ、昇温後、2置換ジアミンモノアミド化合物を滴下し反応させても良い。但し、後者の方法の方が反応系における有機酸が2置換ジアミンモノアミド化合物に対し過剰であるため好ましい。何れの方法においても本反応は通常、不活性気体(窒素など)の雰囲気下、攪拌下に行われる。
【0031】
本反応は溶媒の存在下で行うこともできる。溶媒としては水または通常の有機溶剤を用いることができる。水と有機溶剤および2種以上の有機溶剤を併用することもできる。使用できる有機溶剤としては、例えば
▲1▼アルコール類
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、3価アルコール(グリセリンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)など;
▲2▼エーテル類
モノエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなど)、ジエーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)など;
▲3▼アミド類
ホルムアミド類(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド類(N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオンアミドなど)、ピロリドン類(N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど;
【0032】
▲4▼オキサゾリジノン類
N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノンなど;
▲5▼ラクトン類
γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど;
▲6▼ニトリル類
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ベンゾニトリルなど;
▲7▼その他の有機溶剤
ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、芳香族系溶剤(トルエン、キシレンなど)など;
が挙げられ、好ましいものはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ベンゾニトリルである。溶媒の使用量は原料である2置換ジアミンモノアミド化合物、有機酸に基づき、通常90質量%を越えない量、好ましくは、80〜5質量%である。
【0033】
本反応の反応温度は、反応率の観点から、通常50〜250℃、好ましくは80〜200℃である。本反応時間は通常6〜24時間、好ましくは6〜12時間である。
【0034】
また、本反応において副生する水を系外に除去しながら反応を行うことができる。副生する水を除去することにより、反応初期の反応速度を高めることができ全体の反応を短時間に行うことができるとともに、反応収率を高める効果がある。副生する水を除去する方法としては、蒸留で留出させる方法、モレキュラ・シーブス等の脱水剤に吸収させる方法をとることができるが、収率と経済性から蒸留による方法が好ましい。反応後、副生する水および溶媒を用いた場合には溶媒を除去したのち得られる固体または粘調液体が目的の4級環状アミジン有機酸塩である。反応の終点および純度はHPLCで確認することができる。
【0035】
本発明の方法で得られる2置換ジアミンモノアミド化合物は医薬・農薬などの原料中間体、界面活性剤などとして、また、これを用いた4級環状アミジン有機酸塩は相関移動触媒、ウレタンやエポキシ樹脂の硬化触媒などの各種触媒、電解コンデンサ、エレクトロクロミック表示素子等の電解質、各種の添加物、薬品として幅広い分野で使用される有用な有機化合物である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0037】
実施例1
SUS製撹拌式オートクレーブに炭酸ジメチル270g、メタノール270g1,2,4−トリメチルイミダゾリン336gを仕込み、反応温度130℃で24時間反応した。反応後オートクレーブを冷却し、反応液を取り出してHPLC分析したところ1,2,4−トリメチルイミダゾリンの転化率は99%であった。未反応の炭酸ジメチルと副生したメタノールを留去したのち1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩580gを得た。
温度計、減圧蒸留のできる装置、攪拌機を備えたガラス製反応容器に、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩200g、イオン交換水50gを仕込み、副生する炭酸ガスとメタノールを除去しながら反応温度100℃で3時間反応させた。1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩のN−メチル−N−[2−(N’−メチルアミノ)プロピル]アセトアミドとN−メチル−N−[2−(N’−メチルアミノ)−1−メチルエチル]アセトアミドの混合物(以下、N−メチル−N−[2−(N’−メチルアミノ)プロピル]アセトアミド異性体混合物という)への加水分解率は98%であった。その後、反応物を130℃以下/5mmHg減圧下で蒸留し、N−メチル−N−[2−(N’−メチルアミノ)プロピル]アセトアミド異性体混合物126g(収率;理論値の87%)を得た。また純度は99%であった。得られたN−メチル−N−[2−(N’−メチルアミノ)プロピル]アセトアミド異性体混合物の純度はHPLC分析で得られたクロマトグラムのピーク面積値を用い、(N−メチル−N−[2−(N’−メチルアミノ)プロピル]アセトアミド異性体混合物のピーク面積値)÷(全ピーク面積値)×100により算出した。なおHPLC分析条件は移動相:10mMりん酸/100mM過塩素酸ナトリウム水溶液、カラム:ODSカラム、検出器:UV210nm(光源:Hg)。N−メチル−N−[2−(N’−メチルアミノ)プロピル]アセトアミド異性体混合物のイオン分析の結果、塩素イオン、硫酸イオン、鉄イオン、銅イオン、鉛イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがいずれも1ppm未満であった。
【0038】
実施例2
温度計、減圧蒸留のできる装置、攪拌機を備えたガラス製反応容器に、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩200g、イオン交換水100gを仕込み、副生する炭酸ガスとメタノールを除去しながら反応温度100℃で3時間反応させた。1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩のN−エチル−N−(N’−メチルアミノエチル)プロピオンアミドとN−メチル−N−(N’−エチルアミノエチル)プロピオンアミドの混合物(以下、N−エチル−N−(N’−メチルアミノエチル)プロピオンアミド異性体混合物)への加水分解率は98%であった。その後反応物を140℃以下/5mmHg減圧下で蒸留し、N−メチル−N−(N’−メチルアミノエチル)プロピオンアミド異性体混合物129g(収率;理論値の88%)を得た。また純度は99%、塩素イオン、硫酸イオン、鉄イオン、銅イオン、鉛イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがいずれも1ppm未満であった。分析方法は実施例1と同様に行った。
【0039】
実施例3
温度計、減圧蒸留のできる装置、攪拌機を備えたガラス製反応容器に、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム・モノメチル炭酸塩200g、イオン交換水100gを仕込み、副生する炭酸ガスとメタノールを除去しながら反応温度100℃で4時間反応させた。1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム・モノメチル炭酸塩のN−メチル−N−(N’−メチル−3−アミノプロピル)アセトアミドへの加水分解率は96%であった。その後反応物を140℃以下/5mmHg減圧下で精留し、N−メチル−N−(N’−メチル−3−アミノプロピル)アセトアミド121g(収率;理論値の85%)を得た。また純度は99%で、塩素イオン、硫酸イオン、鉄イオン、銅イオン、鉛イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがいずれも1ppm未満であった。分析方法は実施例1と同様に行った。
【0040】
実施例4
温度計、減圧脱水のできる装置、攪拌機を備えたガラス製反応容器に、実施例1で得られたN−メチル−N−[2−(N’−メチルアミノ)プロピル]アセトアミド異性体混合物72g、フタル酸83g(モル比=1:1)を仕込み、反応温度50℃で1時間反応させた。
その後、80℃/5mmHg以下の減圧下で3時間で副生する水を留去しながら反応し、フタル酸・1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム143g(収率;理論値の98%)を得た。また純度は99%であった。得られた4級環状アミジン有機酸塩の純度はHPLC分析で得られたクロマトグラムのピーク面積値を用い、(有機酸のピーク面積値+4級環状アミジンのピーク面積値)÷(全ピーク面積値)×100により算出した。なおHPLC分析条件は移動相:10mMりん酸/100mM過塩素酸ナトリウム水溶液、カラム:ODSカラム、検出器:UV210nm(光源:Hg)。イオン分析の結果、塩素イオン、硫酸イオン、鉄イオン、銅イオン、鉛イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがいずれも1ppm未満であった。
【0041】
比較例1
温度計、減圧蒸留のできる装置、攪拌機を備えたSUS製反応容器に、N,N‘−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン140gと酢酸エチル88gを仕込み、密閉下減圧にした後、反応温度140℃で12時間反応を行った。反応液のGC分析の結果、酢酸エチルの含量は1%未満であった。未反応のN,N‘−ジメチル−1,2−ジアミノプロパンと酢酸エチルおよび副生したエタノールを留去した後、130℃以下/5mmHg以下の減圧下で蒸留し、N−メチル−N−[2−(N’−メチルアミノ)プロピル]アセトアミド異性体混合物62g(収率;理論値の43%)を得た。また純度は97%、塩素イオン5ppm、ナトリウムイオンが1ppm未満であった。分析方法は実施例1と同様に行った
【0042】
比較例2
温度計、減圧蒸留のできる装置、攪拌機を備えたSUS製反応容器に、水100g、N−メチル−N−(2−アミノプロピル)アセトアミド100gを仕込み、100℃まで昇温後、塩化メチル50gを徐々に滴下し同温度で24時間反応させた。次に反応物120gに、水酸化ナトリウム40gを加え、室温で1時間反応させた。その後130℃以下/5mmHg以下の減圧下で蒸留し、N−メチル−N−(N’−メチル−2−アミノプロピル)アセトアミドを51g(収率;理論値の47%)を得た。純度は83%でN−メチル−N−(N’,N‘−ジメチル−2−アミノプロピル)アセトアミドの分離が困難であった。イオン分析の結果、塩素イオン5ppm、ナトリウムイオンが1ppm未満であった。分析方法は実施例1と同様に行った。
【0043】
比較例3
温度計、減圧脱水のできる装置、攪拌機を備えたガラス製反応容器に、実施例1で用いた1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム・モノメチル炭酸塩101gをメタノール100gに溶解しフタル酸83gを除々に添加したところ、炭酸ガスが激しく発生した。80℃/20mmHgで脱気、メタノールを除去して、フタル酸・1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム144g(収率;理論値の99%)を得た。また純度は96%で、塩素イオン、硫酸イオン、鉄イオン、銅イオン、鉛イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンがいずれも1ppm未満であった。分析方法は実施例4と同様に行った。
【0044】
実施例1〜3、比較例1〜2から、本発明の製造法は反応時間が短く、高収率であり、重金属イオンやハロゲンイオンの混入がない高純度の2置換ジアミンモノアミド化合物が得られることを示している。また実施例4と比較例3から本製造法で得られる2置換ジアミンモノアミド化合物を用いることにより、重金属イオンやハロゲンイオンの混入がなく有機不純物も少ない高純度の4級環状アミジン有機酸塩が得られることも示している。
【0045】
【発明の効果】
本発明の方法は下記の効果を奏する。
(1)本発明の製造法で得られる2置換ジアミンモノアミド化合物は重金属イオン、アルカリ金属イオン、ハロゲンイオン等の腐食性イオンがほとんどない。
(2)本発明で得られる2置換ジアミンモノアミド化合物を用いることによって得られた4級環状アミジン有機酸塩を溶質とする電解液は比電導度が高く、耐久性に優れる。また電解コンデンサに使用すると、はんだ耐熱性が良好で、低損失かつ高温でも電気特性が安定した長寿命、高信頼のチップ型電解コンデンサを得ることができる。さらに、エレクトロクロミック表示素子に使用すると電解液と接触するエレクトロクロミック表示素子各部を腐食することなく、また、高い比電導度を有し、エレクトロクロミック表示素子の寿命を長くすることが可能となる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)で示される4級環状アミジン化合物のカチオン(a)と下記一般式(2)で示される炭酸アルキルアニオン(b)からなる塩(A)と水を該塩(A)と水のモル比が1:2〜10で反応させ蒸留することを特徴とする下記一般式(3)または(4)で示される2置換ジアミンモノアミド化合物(B)の製造法。
    [式中、R1は水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。R2とR3はそれぞれ水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Qは炭素数1〜5の炭化水素基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基で置換されてもよい、炭素数2〜10のアルキレン、アリーレンもしくはアルケニレン基を表す。R1、R2、R3およびQの一部または全てが相互に結合して環を形成してもよい。]
    [式中、Aは、炭素数1〜6の炭化水素基または水素原子を表す。]
    [式中、R1は水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。R2とR3はそれぞれ水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Qは炭素数1〜5の炭化水素基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基で置換されてもよい、炭素数2〜10のアルキレン、アリーレンもしくはアルケニレン基を表す。R1、R2、R3およびQの一部または全てが相互に結合して環を形成してもよい。]
  2. 請求項1記載の製造法で得られた2置換ジアミンモノアミド化合物(B)に有機酸(C)を反応させることを特徴とする下記一般式(5)で示される4級環状アミジン有機酸塩(D)の製造法。
    [式中、R1は水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子を表す。R2とR3はそれぞれ水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基を有してもよい、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。Qは炭素数1〜5の炭化水素基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基もしくはアルデヒド基で置換されてもよい、炭素数2〜10のアルキレン、アリーレンもしくはアルケニレン基を表す。R1、R2、R3およびQの一部または全てが相互に結合して環を形成してもよい。X−は有機酸アニオンを表す。]
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