JP3573571B2 - 熱可塑性樹脂組成物、成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物、それを用いた熱可塑性樹脂成形体およびその製造方法に関する。特に、本発明は特定のイミド化共重合体、特定のビニル共重合体および特定の架橋ゴム成分からなる熱可塑性樹脂組成物で、ABS系樹脂に優れた耐熱性と艶消し外観性を付与することのできる熱可塑性樹脂組成物である。さらに、この熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂とを同時に成形機に供給し成形する(以下、直接成形と称する。)方法により得られた優れた艶消し性、耐熱性を有する熱可塑性樹脂成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ゴム状重合体にスチレンとアクリロニトリル等との混合物をグラフト共重合させた、いわゆるABS系樹脂は、その優れた耐衝撃性、成形性および良好な表面光沢を有することから、種々の用途に使用されている。一方、用途によっては落ち着き感、高級感のある表面光沢の低い艶消し外観を有する材料も望まれており、特に自動車内装部品の場合は、反射光による視界妨害を回避するといった安全上の理由からも艶消し外観が要求されている。
【0003】
さらに、自動車内装部品等の用途においては、耐熱性の改善が要求され、いろいろな改善方法が提案されている。その改善方法の一つとして、例えば芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体およびN−芳香族置換マレイミドからなる共重合体と共役ジェン系ゴムの存在下で芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル単量体を共重合させて得られるグラフト共重合体とからなる樹脂組成物が提案されている(米国特許3,642,949号)。
【0004】
この耐熱性が高く、かつ表面光沢の低い艶消し外観性を供えた樹脂組成物に対する要求に対して、耐熱性樹脂組成物からなる成形品の表面に艶消し塗料を塗布する方法が用いられているが、塗装工程にコストがかかることや、塗料用溶剤による環境汚染の問題がある。
【0005】
これらの要求に対して、グラフト共重合体、マレイミド系共重合体およびエポキシ基含有オレフィン系重合体からなる艶消し性を有する耐熱性樹脂組成物も提案されている(特公平6−11838号公報)。
しかし、この方法ではエポキシ基含有オレフィン系重合体の添加量が増加するに従い流動性が低下する性質があり、十分な艶消し表面が得られる添加量を添加すると成形加工性が悪く、フローマーク等の外観不良が生じ、また添加量が少なくては十分な艶消し表面が得られないといった問題がある。
【0006】
また、従来所望の特性を有した成形体は、単軸押出機、二軸押出機あるいはバンバリーミキサー等の混練機を用いて所望の特性を有した樹脂ペレットを得て、この樹脂ペレットを成形して得られていた。従来のこの方法では、樹脂ペレットを得るのに混練操作を経るので特にABS系樹脂が劣化し衝撃強度の低下を招いていた。また混練操作に多大なコストが発生し、経済的に不利であった。更に所望の特性のレベルに応じてそれぞれ異なった樹脂ペレットが必要という品種管理の煩雑さがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ABS系樹脂に優れた耐熱性と艶消し性を付与することができる熱可塑性樹脂組成物を提供し、さらに上記の成形体を得る際に生じている課題も解決し、本発明の熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂とを直接成形して得られた耐熱性、艶消し性に優れた熱可塑性樹脂成形体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、下記の熱可塑性樹脂組成物を見い出し、この熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂とを直接成形することによってその目的を達成できることを知見した。本発明の方法に依れば、艶消し性、耐熱性を有する熱可塑性樹脂成形体が前記で述べたような事前の混練操作を経ずに簡便に得られ、また、混練操作を経ないため、熱履歴が少なく、衝撃強度に優れた成形体を得ることも出来る。
【0009】
すなわち本発明は、(A)成分:ゴム状重合体0〜40重量%、芳香族ビニル単量体残基30〜70重量%、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体残基20〜60重量%、不飽和ジカルボン酸無水物残基0〜15重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体残基0〜40重量%とからなるイミド化共重合体50〜80重量%、
(B)成分:芳香族ビニル単量体残基60〜90重量%、シアン化ビニル単量体残基10〜40重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体残基0〜40重量%とからなるビニル共重合体6〜35重量%、並びに
(C)成分:シアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴム、またはシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムと架橋可能なゴム状重合体との混合物を架橋させて得られる架橋ゴム6〜35重量%と
からなる熱可塑性樹脂組成物である。
なお、残基とは共重合体中に存在する単量体の単位をいう。例えば、芳香族ビニル単量体残基とは、共重合体中で芳香族ビニル単量体が重合してなる単位をいう。以下、他の化合物の残基も同じことを表す。
【0010】
また、(A)成分のイミド化共重合体50〜80重量%と、(B)成分のビニル共重合体30〜70重量%の存在下でシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴム、またはシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムと架橋可能なゴム状重合体との混合物30〜70重量%を架橋させて得られる(C)成分の架橋ゴムからなる架橋ゴム含有樹脂((B)+(C))20〜50重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物である。
【0011】
さらに、本発明は上記の熱可塑性樹脂組成物5〜50重量%とABS系樹脂50〜95重量%とを成形機に供給し成形して得られた熱可塑性樹脂成形体であり、またその熱可塑性樹脂成形体の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
すなわち本発明は、(A)成分:ゴム状重合体0〜40重量%、芳香族ビニル単量体残基30〜70重量%、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体残基20〜60重量%、不飽和ジカルボン酸無水物残基0〜15重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体残基0〜40重量%とからなるイミド化共重合体50〜80重量%、
(B)成分:芳香族ビニル単量体残基60〜90重量%、シアン化ビニル単量体残基10〜40重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体残基0〜40重量%とからなるビニル共重合体6〜35重量%、並びに
(C)成分:シアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴム、またはシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムと架橋可能なゴム状重合体を架橋させて得られる架橋ゴム6〜35重量%と
からなる熱可塑性樹脂組成物、およびこの熱可塑性樹脂組成物5〜50重量%とABS系樹脂50〜95重量%とを同時に成形機に供給し成形して熱可塑性樹脂成形体を得る方法である。
特に(A)成分のイミド化共重合体50〜80重量%と、(B)成分のビニル共重合体30〜70重量%の存在下でシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴム、またはシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムと架橋可能なゴム状重合体との混合物30〜70重量%を架橋させて得られる(C)成分の架橋ゴムからなる架橋ゴム含有樹脂((B)+(C))20〜50重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物、およびこの熱可塑性樹脂組成物5〜50重量%とABS系樹脂50〜95重量%とを同時に成形機に供給し成形して熱可塑性樹脂成形体を得る方法である。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いることができる(A)成分のイミド化共重合体およびその製法から説明する。
(A)成分の共重合体の製法としては、第一の製法として、必要ならゴム状重合体の存在下で芳香族ビニル単量体、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体、不飽和ジカルボン酸無水物およびこれらと共重合可能なビニル単量体を共重合させる方法、第二の製法として、必要ならゴム状重合体の存在下で芳香族ビニル単量体、不飽和ジカルボン酸無水物およびこれらと共重合可能なビニル単量体を共重合させた重合体にアンモニアおよび/または第一級アミンを反応させて酸無水物基の40〜100モル%をイミド基に変換させる方法が挙げられ、いずれの方法によってもイミド化共重合体を得ることができる。
【0014】
(A)成分に用いられるゴム状重合体は、ブタジェン単独またはこれと共重合可能なビニル単量体よりなる重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジェン共重合体ゴムあるいはアクリル酸エステル単独またはこれと共重合可能なビニル単量体よりなる重合体ゴムが挙げられる。
【0015】
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体およびその置換単量体が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0016】
不飽和ジカルボン酸イミド誘導体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドおよびN−イソプロピルマレイミド等のマレイミド誘導体、並びにN−メチルイタコン酸イミドやN−フェニルイタコン酸イミド等のイタコン酸イミド誘導体等が挙げられ、これらの中でN−フェニルマレイミドが特に好ましい。
【0017】
不飽和ジカルボン酸無水物としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸等の無水物が挙げられ、マレイン酸無水物が特に好ましい。
【0018】
また、これらと共重合可能なビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびα−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、メチルアクリル酸エステルやエチルアクリル酸エステル等のアクリル酸エステル単量体、メチルメタクリル酸エステルやエチルメタクリル酸エステル等のメタクリル酸エステル単量体、アクリル酸やメタクリル酸等のビニルカルボン酸単量体およびアクリル酸アミドやメタクリル酸アミド等の単量体が挙げられ、これらの中ではアクリロニトリル、メタクリル酸エステル、アクリル酸およびメタクリル酸等の単量体が好ましい。
【0019】
(A)成分のイミド化共重合体は、ゴム状重合体0〜40重量%、芳香族ビニル単量体残基30〜70重量%、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体残基20〜60重量%、不飽和ジカルボン酸無水物残基0〜15重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体残基0〜40重量%とからなる。
ゴム状重合体が40重量%を越える範囲では、本発明の熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂との直接成形性が低下するので好ましくない。また、芳香族ビニル単量体残基が30重量%未満でも、ABS系樹脂との直接成形性が低下し、70重量%を越えると耐熱性が低下する。不飽和ジカルボン酸イミド誘導体残基が20重量%未満では耐熱性の向上が十分でなく、60重量%を越えると熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低下し、ABS系樹脂と直接成形した成形体の衝撃強度も低下して、好ましくない。さらにこれらと共重合可能なビニル単量体残基が40重量%を越えると(B)成分、(C)成分との相溶性が低下し、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低下する。
【0020】
重合方法としては、第一の製法の場合は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等いずれの公知の重合法も用いることが出来る。第二の製法の場合は、塊状−懸濁重合、溶液重合、塊状重合等を好適に採用出来る。
【0021】
次に、(B)成分のビニル共重合体について説明する。
(B)成分に用いられる芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体およびその置換単量体が挙げられ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0022】
シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。
【0023】
また、これらと共重合可能なビニル単量体としては、メチルアクリル酸エステルやエチルアクリル酸エステル等のアクリル酸エステル単量体、メチルメタクリル酸エステルやエチルメタクリル酸エステル等のメタクリル酸エステル単量体、アクリル酸やメタクリル酸等のビニルカルボン酸単量体およびアクリル酸アミドやメタクリル酸アミド等の単量体が挙げられる。
【0024】
このビニル共重合体は、芳香族ビニル単量体残基60〜90重量%、シアン化ビニル単量体残基10〜40重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体残基0〜40重量%とからなる。好ましくは芳香族ビニル単量体残基65〜80重量%、シアン化ビニル単量体残基20〜35重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体残基0〜20重量%とからなる。この範囲を逸脱すると、(A)成分と(C)成分との相溶性が劣る。
【0025】
重合方法は、公知のいずれの重合技術も採用可能であって、例えば懸濁重合、乳化重合、溶液重合等が採用できる。
【0026】
次に、(C)成分の架橋ゴムについて説明する。
本発明の(C)成分の架橋ゴムは、ゴム成分であるシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴム、またはシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムと架橋可能なゴム状重合体との混合物を架橋剤により架橋させたものである。
【0027】
ゴム成分としては、シアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴム、具体的にはアクリロニトリル−ブタジェン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体ゴム、アクリロニトリル−イソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジェン−イソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジェン−アクリル酸共重合体ゴム、およびこれらのゴム中の共役ジェン単量体単位を水素化したゴム等が挙げられる。これらの中でアクリロニトリル−ブタジェン共重合体ゴムおよびアクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体ゴムが特に好ましい。
【0028】
また、前記のシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムと架橋可能なゴム状重合体の例としては、ポリブタジェンゴム、スチレン−ブタジェン共重合体ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレンゴム等の共役ジェン系重合体ゴムなでが挙げられ、特にスチレン−ブタジェン共重合体ゴムを組み合わせて用いるのが好ましい。
【0029】
なお、ゴム成分として用いるシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムの割合は、ゴム成分中少なくとも20重量%以上であり、好ましくは30重量%以上である。シアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムの割合が20重量%未満では、艶消し性が改良されない。
【0030】
ゴム成分の架橋の方法は特に制限はないが、(B)成分のビニル共重合体とゴム成分とを溶融混合し、有機過酸化物の存在下で混合と同時に架橋を行ういわゆる動的架橋法により作成した(C)成分の架橋ゴムを、ビニル共重合体と架橋ゴムの混合物として用いるのが好適である。
【0031】
(C)成分の架橋ゴム成分は、前記のビニル共重合体30〜70重量%とゴム成分30〜70重量%とをバンバリーミキサー等を用いて溶融混合し、前記で述べたように有機過酸化物の存在下で混合と同時に架橋を行ういわゆる動的架橋法により作成することが出来る。ゴム成分の架橋時にビニル共重合体30〜70重量%を混合することにより、ビニル共重合体の非存在下よりも架橋時の溶融粘度が低下し、より均一に架橋されたゴム成分が含有された樹脂として得られるので(A)成分との相溶性が良好となる。この範囲を逸脱すると直接成形して得られる熱可塑性樹脂成形体の外観が不良となる。
【0032】
架橋剤として用いる有機過酸化物については特に制限が無く、公知のゴムの過酸化物架橋に用いるものであればよい。例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。
【0033】
(C)成分の架橋ゴム成分は、ゴム成分が十分架橋していることが必要であり、ゲル分(架橋ゴム成分をメチルエチルケトンに温度25℃で48時間浸漬したときの不溶解分を取り出し、溶媒を完全に乾燥させて不溶解分をゴム成分重量に対する100分率として求めた)が80重量%以上、好ましくは90重量%以上になるように架橋させることが望ましい。
【0034】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)成分のイミド化共重合体50〜80重量%、(B)成分のビニル共重合体6〜35重量%、および(C)成分の架橋ゴム成分6〜35重量%とからなる。
さらに、(A)成分のイミド化共重合体50〜80重量%と、(B)成分のビニル共重合体30〜70重量%の存在下でシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴム、またはシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムと架橋可能なゴム状重合体との混合物30〜70重量%を架橋させて得られる(C)成分の架橋ゴムからなる架橋ゴム含有樹脂((B)+(C))20〜50重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物が好ましく、特に、(A)成分のイミド化共重合体60〜75重量%とこの架橋ゴム含有樹脂25〜40重量%とからなる熱可塑性樹脂組成物が好ましい。
【0035】
(A)成分のイミド化共重合体が、50重量%未満では耐熱性が不十分で、本発明の熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂とを直接成形して所望の耐熱性の成形体を得るためには、経済的に不利となる。また、80重量%を越えると、熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂との直接成形した成形体の外観が不良となる。
【0036】
架橋ゴム含有樹脂が、20重量%未満では艶消し性が不十分で、ABS系樹脂と直接成形して所望の艶消し性の成形体を得るためには、経済的に不利となる。また、50重量%を越えると、本発明の熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂とを直接成形した成形体の外観が不良となる。
【0037】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造時の(A)成分、(B)成分、(C)成分の混合方法には、特に制限がなく、公知の手段を使用することが出来る。その手段としては、例えばバンバリーミキサー、混合ロールおよび一軸または二軸押出機等の押出機が挙げられる。
【0038】
次に、本発明の熱可塑性樹脂成形体は、上記の熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂とを直接成形して得ることができる。
本発明で用いるABS系樹脂の具体例としては、ABS(アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン)樹脂、α−メチルスチレン系耐熱ABS(アクリロニトリル−ブタジェン−α−メチルスチレン)樹脂、マレイミド系耐熱ABS(アクリロニトリル−ブタジェン−N−フェニルマレイミド)樹脂、AES(アクリロニトリル−EPDM−スチレン)樹脂、AAS(アクリロニトリル−アクリレート−スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート−ブタジェン−スチレン)樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
本発明の熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂との配合割合は、熱可塑性樹脂組成物5〜50重量%とABS系樹脂50〜95重量%で、好ましくは熱可塑性樹脂組成物7〜40重量%とABS系樹脂60〜93重量%である。
熱可塑性樹脂組成物が5重量%未満では、ABS系樹脂と直接成形して得られた成形体の艶消し性が十分ではなく、また、50重量%を越えると外観が不良となる。
【0040】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤を目的に合わせて配合しておくことが出来る。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂を成形機に供給する際に、これらの添加剤を同時に供給することも出来る。
【0041】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲、具体的には、0〜20%の範囲で、ABS系樹脂を配合しておくことも出来る。
【0042】
本発明の熱可塑性樹脂成形体を得るのに用いる成形機としては、射出成形機、シート成形機、ブロー成形機、射出−ブロー成形機等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
本発明の熱可塑性樹脂組成物とABS系樹脂とを成形機に供給する方法としては、タンブラーミキサーやVブレンダー等の公知の装置を用いてプリブレンドしたものを供給する方法や、成形機の供給口に、両材料を別々に定量的に供給する方法も採用することが出来る。特に供給する方法にこだわるものではない。また、目的に応じて着色剤あるいは着色剤マスターバッチを同時に供給することができる。
【0044】
成形機のシリンダー設定温度は、熱可塑性樹脂組成物の組成により、その最適値が決まる。具体的に、本発明の場合は240℃〜280℃が好ましい。
【0045】
また、射出成形の場合は、成形機シリンダーとノズルの間に、公知の静止型混合器、例えばスルーザータイプ、ケニックスタイプ、東レタイプ等を設置することにより、より高品質の艶消し外観性を有する成形体を得ることが出来る。
【0046】
さらに、射出成形機のスクリューは、最も汎用性の高いフルフライトスクリューを用いることが出来るが、より混練性の高いダルメージタイプ、ピンタイプ、マドックタイプのスクリューを用いることも出来る。
【0047】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例中の部、%は、ことわりのない限り重量基準で表す。
【0048】
実験例1 (A)成分のイミド化共重合体の製造例
撹拌機を供えたオートクレーブ中にスチレン60部、α−メチルスチレンダイマー0.05部、メチルエチルケトン100部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を85℃に昇温し、無水マレイン酸40部とベンゾイルパーオキサイド0.15部をメチルエチルケトン200部に溶解した溶液を8時間かけて連続的に添加した。添加後、更に温度を85℃に3時間保った。反応液の一部をサンプリングしてガスクロマトグラフィーにより未反応単量体の定量を行った結果、重合率はスチレン99%、無水マレイン酸99%であった。ここで得られた共重合体溶液にアニリン38部、トリエチルアミン0.6部を加え、温度140℃で7時間反応させた。反応液をベント付き二軸押出機に供給し、脱揮してマレイミド系共重合体を得た。C−13NMR分析より酸無水物基のイミド基への転化率は93%であった。このイミド化共重合体は不飽和ジカルボン酸イミド誘導体としてのN−フェニルマレイミド単位51%含む共重合体であり、これを共重合体A−1とした。ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)分析より、ポリスチレン換算の重量平均分子量は145,000であった。
【0049】
連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマー1.0部を用いた以外は実験例−1と同様の方法で、N−フェニルマレイミド単位51%、スチレン単位46%、無水マレイン酸単位3%からなる重量平均分子量81,000の共重合体を得、これをA−2とした。
なお、A−1とA−2のGPC測定には、昭和電工株式会社製「SHODEXGPC SYSTEM−21」を用い、標準分子量のポリスチレンを用いて作製した検量線を使用し、ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。
【0050】
実験例2 (B)成分のビニル共重合体の製造例
撹拌機を供えた反応缶中にスチレン75部、アクリロニトリル25部、第三リン酸カルシウム2.5部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、ベンゾイルパーオキサイド0.2部およびイオン交換水250部を仕込み、温度70℃に昇温し重合を開始させた。重合開始から7時間後に温度を75℃に昇温して3時間保ち重合を完結させた。重合率は97%に達した。得られた反応液を塩酸水にて中和し、脱水乾燥し、白色ビーズ状の共重合体を得た。
【0051】
実験例3 架橋ゴム含有樹脂〔(B)成分+(C)成分の混合物〕の製造例
実験例2で得た共重合体50部、アクリロニトリル−ブタジェン共重合体ゴム(アクリロニトリル単位30%)20部およびスチレン−ブタジェン共重合体ゴム(スチレン単位70%)30部を温度160℃のバンバリーミキサーを用いて十分溶融混合した後にゴム成分の架橋剤である有機過酸化物1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.5部を添加して7分間動的架橋を行わせた後シート出しを行い、このシートをペレット成形機によりペレット化して架橋ゴム成分を含有した樹脂を得た。このペレット化した架橋ゴム成分を含有した樹脂の一定量をメチルエチルケトンに温度25℃で48時間浸漬し、溶媒を完全に蒸発させ、ゲル分(不溶解分を混合物中のゴム成分重量に対する100分率として求めた)を測定したところ98%であった。これを架橋ゴム含有樹脂とした。
【0052】
実験例4 熱可塑性樹脂組成物の製造
イミド化共重合体A−1、A−2、架橋ゴム含有樹脂およびカーボンブラックを表1に示す割合で混合し、温度280℃にて同方向回転二軸押出機で押出した後、ペレット化し、熱可塑性樹脂組成物D−1、D−2、D−3、D−4、D−5を得た。
【0053】
【表1】
【0054】
ABS系樹脂としては、電気化学工業社製ABS樹脂「GR−1500」を用いた。このABS樹脂の熱変形温度は88℃、アイゾット衝撃強度は20kg・cm/cm、光沢度は95%であった。
【0055】
実施例1〜5
熱可塑性樹脂組成物D−1、D−2、D−3およびABS樹脂を、それぞれ定量フィーダーにて、表2に示す割合で射出成形機に供給し、試験片を成形した。成形は川口鉄工株式会社製射出成形機K−125に東レエンジニア株式会社製静止型混合器(ミキシングノズル)TMN−16−06を取り付けて行った。その他の成形条件は次の通りである。
シリンダー設定温度:260℃
射出圧力:最小充填圧力+5kg/cm2G
射出速度:40%
金型温度:60℃
スクリュー:フルフライトタイプ
このようにして得られた試験片を用いて、各種物性測定および外観評価を行い、表2にその結果を示した。
【0056】
【表2】
【0057】
比較例1〜5
熱可塑性樹脂組成物D−1、D−4、D−5およびABS樹脂を、表3に示す割合で用いた以外は、実施例と同様の方法で行った。その物性測定および外観評価を表3に併せて示した。
【0058】
比較例6
熱可塑性樹脂組成物D−1の20%およびABS樹脂「GR−1500」80%とを、40mmφ単軸押出機にて温度260℃で押出し、ペレットを得た。このペレットを用い、実施例1と同一の成形条件で試験片を作成した。その物性測定および外観評価を表3に併せて示した。
【0059】
【表3】
【0060】
物性測定および外観評価は次の方法で行った。
(1)艶消し性(光沢度):縦80mm、横50mm、肉厚2mmの大きさの角板をサイドゲート(1点)で前記射出成形条件にて成形し、スガ試験機社製光沢計「UGV−4D」を用いて入射角60度、反射角60度での反射率の測定を行った。
(2)耐熱性(熱変形温度):肉厚1/4インチの試験片を用い、荷重18.6kg/cm2で、ASTM D−648に準じて測定した。
(3)耐衝撃性(アイゾット衝撃強度):肉厚1/4インチのノッチ付き試験片を用い、ASTM D−256に準じて測定した。
(4)外観:縦127mm、横127mm、肉厚2mmの角板をサイドゲート(2点)で前記射出成形条件にて成形し、その成形品の外観を目視し、以下の基準で判定した。
○:表面に不良現象(フローマーク、シルバーストリーク)が発生していない。
×:表面に不良現象(フローマーク、シルバーストリーク)が発生している。
【0061】
表2の実施例に示す通り、本発明の熱可塑性樹脂組成物とABS樹脂とを直接成形することによって、耐熱性、艶消し性、耐衝撃性、高品質外観を有した成形体を得ることができる。一方、表3の比較例に示す通り、本発明の範囲を逸脱した熱可塑性樹脂組成物を用いると、これらの優れた品質の成形体を得ることは出来ない。
【0062】
【発明の効果】
以上、説明した通り、本発明の熱可塑性樹脂組成物はABS系樹脂と直接成形が可能で、その成形体は優れた耐熱性、艶消し性を有しており、自動車部品や電気部品等の広範囲な分野で極めて有用である。また、直接成形という経済的に優れたプロセスを採用することができるため、産業上の利用価値は極めて大きい。
Claims (4)
- (A)成分:ゴム状重合体0〜40重量%、芳香族ビニル単量体残基30〜70重量%、不飽和ジカルボン酸イミド誘導体残基20〜60重量%、不飽和ジカルボン酸無水物残基0〜15重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体残基0〜40重量%とからなるイミド化共重合体50〜80重量%、
(B)成分:芳香族ビニル単量体残基60〜90重量%、シアン化ビニル単量体残基10〜40重量%およびこれらと共重合可能なビニル単量体残基0〜40重量%とからなるビニル共重合体6〜35重量%、並びに
(C)成分:シアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴム、またはシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムと架橋可能なゴム状重合体との混合物を架橋させて得らる架橋ゴム6〜35重量%と
からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - (A)成分のイミド化共重合体50〜80重量%と、(B)成分のビニル共重合体30〜70重量%の存在下でシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴム、またはシアン化ビニル−ジェン系共重合体ゴムと架橋可能なゴム状重合体との混合物30〜70重量%を架橋させて得られる(C)成分の架橋ゴムからなる架橋ゴム含有樹脂((B)+(C))20〜50重量%とからなることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1または請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物5〜50重量%とABS系樹脂50〜95重量%とを成形機に供給し成形して得られた熱可塑性樹脂成形体。
- 請求項1または請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物5〜50重量%とABS系樹脂50〜95重量%を同時に成形機に供給し成形することを特徴とする熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
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