JP3572922B2 - 線条体の高速連続巻取装置および高速連続巻取方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ等の線条体の高速連続巻取装置、および、線条体の高速連続巻取方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続的に送られてくる光ファイバ等の線条体を巻取ボビンに巻き取る場合に、巻取ボビンが満巻き(所定の巻量)となった場合に、新しい巻取ボビンに交換して巻き取る必要がある。送られてくる線条体が、連続して製造されてくるような場合には、巻取ボビンの交換にあたって、線条体の送りを止めて巻取ボビンを交換することはできないから、線条体が連続して送られている状態で巻取ボビンを交換する必要がある。
【0003】
特開平4−246068号公報に記載された高速連続巻取装置は、線条体が連続して送られている状態で巻取ボビンを交換することができるものである。図8ないし図13により特開平4−246068号公報に記載された高速連続巻取装置を説明する。
【0004】
各図において、(A)図は平面図、(B)図は手前の枠を省略して図示した側面図である。図中、1は光ファイバ等の線条体、2a,2bは巻取ボビン、3はガイドローラー、4a,4bは線寄せガイド、5a,5bは爪車、6は上側引取ローラー、7は下側引取ローラー、8a,8bは吸引ノズルである。爪車5a,5bには、線条体の捕捉部が設けられている。
【0005】
巻取ボビン2aと2bとの間に引取ローラー6と7を配置し、その両側に開閉する線寄せガイド4a,4b、さらにその下部に吸引ノズル8a,8bが配置されている。線寄せガイド4a,4bは、各々1対の棒状のローラーよりなり、開閉できるように構成されている。通常は開いた状態である。
【0006】
この高速連続巻取装置の場合、下側引取ローラー7は、固定位置で駆動され、駆動ローラーである。また、上側引取ローラー6は、空転ローラーとして構成され、従動ローラーであり、前後および上下に移動可能に配置されている。通常は、上側引取ローラー6は、上昇後退位置で待機しているが、前進した位置から下降することにより下側引取ローラー7に接し、下側引取ローラー7と同じ速度で回転する。このとき、上側引取ローラー6と下側引取ローラー7との間に線条体1を挟むと、線条体1を引き取ることができる。
【0007】
吸引ノズル8a,8bは、上側および下側引取ローラー6,7から繰り出される線条体1を吸い込むことができる。吸引ノズル8a,8bは、各々上下に移動できるように適当な支持手段に取り付けられているが、通常は下降位置で待機している。この高速連続巻取装置の切り替え動作について説明する。
【0008】
図8は、通常の巻取状態を示している。この図では、線条体1は、巻取ボビン2bに巻き取られている。巻取ボビン2aは、回転を停止している。上側引取ローラー6は、上昇後退位置で待機し、下側引取ローラー7も回転していない。吸引ノズル8a,8bは、下降位置にある。
【0009】
巻取ボビン2bが所定の巻取量になると、巻取ボビン2aへの切り替えが行なわれる。切り替えの予備段階では、図9に示すように、空の巻取ボビン2aと、下側引取ローラー7が空転を開始する。この場合の各々の周速は、線条体1の線速に一致させる。次に、ガイドローラー3が、巻取ボビン2a側の切り替わり位置に移動する。巻取ボビン2a側の線寄せガイド4aは閉じ、上側引取ローラー6が下側引取ローラー7の上まで前進する。
【0010】
次に、図10に示すように、吸引開始段階となる。この段階では、巻取ボビン2aが前進し、爪車5aが線条体1に接する直前の位置となる。次に、巻取ボビン2b側の吸引ノズル8bが吸引を開始すると同時に、上昇する。次に、上側引取ローラー6が下降し、下側引取ローラー7に近接すると同時に、線条体1を引き取るようになる。
【0011】
図11は、切り替え段階である。巻取ボビン2bの回転が急停止すると、引取ローラー6,7より繰り出される線条体1は、吸引ノズル8bに吸い込まれる。一方、巻取ボビン2a側では、爪車5aの捕捉部が押し出され、線条体1をキャッチし、切断する。このとき、線条体1の終端は、引取ローラー6,7を経て、吸引ノズル8bへ吸い込まれる。
【0012】
巻取ボビン2aへの線条体1の巻取が開始されると、図12に示すように、巻取ボビン2aは元の位置に後退し、ガイドローラー3は、巻取ボビン2aへ巻き取るときの通常位置へ移動する。一方、上側引取ローラー6、線寄せガイド4a、吸引ノズル8bは、各々元の待機状態に戻る。これで、巻取ボビン2bから巻取ボビン2aへの切り替えが完了する。
【0013】
巻取ボビン2aが満巻となると、巻取ボビン2b側を空のボビンとして切り替えが行なわれるが、この場合は、ガイドローラー3が図13に示す位置に移動して、引取ローラー6,7で線条体1を引き取り、巻取ボビン2bが前進し、爪車2bの捕捉部が押し出され、線条体1をキャッチし、切断する。繰り出される線条体1は、吸引ノズル8aに吸い込まれる。
【0014】
このように、切替時に引取ローラーで引き取らせるようにして、満巻側のボビンは停止させ、切替完了までの線条体は、吸引ノズルに吸い込むようにした後に、空側のボビンへ切り替えることにより、切替後の線条体の終端も吸引ノズルに吸い込まれるので、切断された線条体の終端が、満巻側ボビンに巻かれた線条体に当たることがなく、巻き取った線条体に外傷を与えることはない。したがって、外傷によるダメージがその特性の悪化に大きく影響するおそれのある光ファイバ等の高速連続巻取装置に適用すると効果的である。
【0015】
しかしながら、この高速連続巻取装置は、線速が上がっていき1000m/分を越える程度になると引取ローラーが正常に動作せずしごきが発生してしまう。これは、駆動ローラーとして構成されている下側引き取りローラー7と従動ローラーとして構成されている上側引取ローラー6で線条体1を挟み込む際に、下側引取ローラー7は、その周速が線条体1の線速と略等しい速度に回転されているのに対して、上側引取ローラー6は、従動回転を始めても、直ちに所定の周速になることはできず、両ローラー間に周速の差が生じる。この周速差のために、高速では線条体1が激しくしごかれ、線条体1が光ファイバの時は断線してしまうことがある。
【0016】
さらに、巻取ボビン2bが停止する前に、線条体1の端末が引取ローラー6,7、吸引ノズル8bから抜けると、巻取ボビン2b上で線叩きをおこし、巻き取られた線条体をも傷つけることになる。
【0017】
また、従動ローラーとして構成された上側引取ローラー6が2個あることは、より線条体1をしごきやすくしているとともに、引取ローラー6,7からの出線方向を不安定にしている。出線方向が不安定であると、吸引ノズル8bによる吸引を失敗することがあり、弛んだ線がどこかに引っかかり断線して、端末が巻取ボビン2b上で線叩きをおこしてしまう。
【0018】
また、吸引ノズル8a,8bの吸引口をボビンの形状に合わせて広げてあることは、平均吸引風速を上げることができず、したがって、高速では端末を吸引できず、弛んだ線がどこかに引っかかり断線して、端末が巻取ボビン2b上で線叩きをおこしてしまう。
【0019】
これに対して、特開平7−69530号公報には、2つの巻取ボビンの中間に抑えローラー44,44’を配置し、アキュムレータ46,46’を用いている。この抑えローラー44,44’、および、アキュムレータ46,46’は、端末が巻取ボビン12に来ないような線叩き対策を目的とするものではなく、スプーラ10の回転が停止するまで、端末カバー24に沿わせることによる線叩き対策を採用している。
【0020】
この方式は、線叩きの衝撃を小さくする方式であって、端末が巻取ボビン付近にある以上、線叩きは免れない。特に、1000m/分もの高速での線叩き対策として不十分と考えられる。
【0021】
また、アキュームレータ46,46’は、吸引ノズルほどの長さの線条体を吸収できないばかりでなく、巻取ボビンが急停止するようなスピードに対応できないという問題もあり、吸引ノズルの代わりにはならない。抑えローラー44,44’のように、最初から閉じているピンチローラーの間に線条体を入れ込むのは特に高速の場合不安定で入れ込む瞬間に断線したり、一連の動作のタイミングがづれるために、これを、特開平4−246068号公報に記載されている高速連続巻取装置に適用したときには、入れ込む前に巻取ボビン2bにブレーキがかかり、全体が弛んで線条体がどこかにひっかかり断線するような失敗の確率が高くなる。この抑えローラー44,44’は、相対回転の目的が線条体を把持した後の線条体のパスライン形成のためであり、線叩きの防止には寄与するものではない。
【0022】
また、特開平9−142867号公報に記載された連続巻取装置では、2つの巻取ボビンの中間に引取ローラーを配置している。この上下の引取ローラーにともに駆動機構を設けてもよいことが開示されている。
【0023】
しかしながら、この連続巻取装置では、線叩きを考慮しておらず、しごきの考慮もない。高速におけるしごきに対しては、特開平4−246068号公報に記載された高速連続巻取装置と何ら変わらないものである。さらに、上下の引取ローラーとも駆動すると、定常的にスリップが発生し、光ファイバやローラーの駆動系にダメージを与えるという問題も生じる。この引取ローラーは、満巻側ボビンから空側ボビンへの張力の遮断のために設けられたものであり、線叩きへの配慮がそもそもなく、線叩きの防止には効果がないものである。
【0024】
このように、従来技術の高速連続巻取装置では、より高速になると、光ファイバのしごきによる断線が生じて満巻側ボビンで線叩きを起こしてしまうという問題は不可避である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、例えば、1000m/分の高速の連続巻取装置において、引取ローラーによる線条体のしごきを低減し、線条体の断線を防止すること、および、切断した端末による線叩きを防止することができる線条体の高速連続巻取装置および線条体の高速連続巻取方法を提供することを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、2個の巻取ボビンを配置した巻取ボビンの切替機構を有する線条体の高速連続巻取装置において、2個の巻取ボビンの中間に設けられて線条体の巻取速度に略等しい速度で予め回転駆動される1個の駆動ローラーと該駆動ローラーに近接可能に支持される1個の従動ローラーよりなる引取ローラーと、切断された線条体の端部を吸引するための吸引ノズルと、切替時に前記線条体を挟み込むよう前記両ローラーの少なくとも一方のローラーを移動させるローラー移動機構と、前記線条体を挟み込んだときに両ローラー間で線条体に生じるしごきを抑制するしごき抑制機構を有することを特徴とするものである。
【0027】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の線条体の高速連続巻取装置において、前記しごき抑制機構は、前記従動ローラーを軸受けを介して支持する支持軸が回転駆動する駆動機構であることを特徴とするものである。
【0028】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の線条体の高速連続巻取装置において、前記しごき抑制機構は、前記従動ローラーの軸受けを空気軸受けとする軸受け機構であることを特徴とするものである。
【0029】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の線条体の高速連続巻取装置において、前記吸引ノズルの吸い込み口が、吸引時に前記駆動ローラーと前記従動ローラーの近接する位置付近で線条体を出線する位置にあることを特徴とするものである。
【0030】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の線条体の高速連続巻取装置において、前記従動ローラーが、切替時に前記駆動ローラーに対し満巻きボビン側の近接した位置に移動することを特徴とするものである。
【0031】
請求項6に記載の発明は、巻取ボビンを切替える際に一時線状体を引取ローラーで把持する線条体の高速連続巻取方法において、引取ローラーは、1個の駆動ローラーと1個の従動ローラーにより構成され、線状体を引取ローラーで把持する前に、前記駆動ローラーを所定の回転速度で回転させる第1ステップと、前記従動ローラーの支持軸を前記駆動ローラーの回転方向と逆方向に回転させる第2ステップとを有し、前記線条体を前記引取ローラーで挟み込んだときに前記引取ローラーで線条体に生じるしごきを抑制することを特徴とする。
【0033】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の線条体の高速連続巻取方法において、前記従動ローラー1個を前記駆動ローラーに対し満巻きボビン側の近接した位置に移動させる第3ステップを有することを特徴とするものである。
【0034】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の線条体の高速連続巻取方法において、線条体吸引時に吸引ノズルの吸引口を前記駆動ローラーと前記従動ローラーで線条体を把持する位置付近で線条体の出線位置に移動させることをことを特徴とするものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1ないし図6は、本発明の線条体の高速連続巻取装置の一実施例を動作とともに説明するための概略構成図である。各図において、(A)図は平面図、(B)図は手前の枠を省略して図示した側面図であるが、(A)図では爪車については、断面を図示した。
【0036】
図中、1は光ファイバ等の線条体、2a,2bは巻取ボビン、3はガイドローラー、4a,4bは線寄せガイド、5a,5bは爪車、6は上側引取ローラー、7は下側引取ローラー、8a,8bは吸引ノズル、9a,9bはカッターである。爪車5a,5bには、線条体の捕捉部が設けられている。
【0037】
巻取ボビン2a,2bとの間に引取ローラー6と7を配置し、その両側に線寄せガイド4a,4b、さらにその下方に上方に口を向けた吸引ノズル8a,8bが配置されている。線寄せガイド4a,4bは、棒状のローラーよりなり、別々に移動可能に図示しない基台に支持されている。
【0038】
この実施の形態の場合、下側引取ローラー7は、ローラー自体が駆動され駆動ローラーとして構成されており、前後方向に移動可能に設けられている。一方、上側引取ローラー6は、基本的に1個の空転ローラーであり、軸受けで支持されているから、駆動ローラーである下側引取ローラー7に接触すると、下側引取ローラー7の回転に従動して回転することができる。この実施の形態では、上側引取ローラー6を軸受けを介して支持する支持軸は、駆動可能であり、動力源に連結することによって回転させることができる。支持軸が回転駆動されると、軸受けの摩擦抵抗を介して、上側引取ローラー6は、支持軸の回転に連れ回り、回転させることができる。しかし、支持軸と上側引取ローラー6とは、粘性抵抗または摩擦抵抗を介してある程度の動力伝達で回転するとともに、回転抵抗を低減しているから、上側引取ローラー6の駆動トルクは小さく、線条体1に接すると、従動回転をする。さらに、上側引取ローラー6は、上下、左右、前後に移動可能な構造で、通常は、上昇後退位置で待機している。左右の位置は基本的にはどちらで待機していてもよい。切替時には、上側引取ローラー6は下側引取ローラー7とともに前進し、さらに、現在巻取中の巻取ボビン側の位置に移動した後、下降することで下側引取ローラー7に近接し、下側引取ローラー7と同じ速度で回転する。このとき上側引取ローラー6と下側引取ローラー7との間に線条体1を挟み、線条体1を引き取ることができる。
【0039】
吸引ノズル8a,8bは、上側引取ローラー6と下側引取ローラー7との間から繰り出される線条体1を吸い込むことができる。このとき上側引取ローラー6の位置は、下側引取ローラー7の真上ではなく、巻取中のボビンに近い方向にずらした位置に下降し接する位置をとる。下側引取ローラーの真上もしくは停止中のボビンに近い方向に接すると、繰り出される線条体1は吸引ノズル8a,8bから離れた位置に繰り出されて吸い込むことができないからである。吸引ノズル8a,8bは、各々上下に移動できるように適当な支持手段に取り付けられており、通常は下降位置で待機している。
【0040】
この実施の形態の高速連続巻取装置の切り替え動作について説明する。
【0041】
図1は通常の巻取状態を示している。巻取状態では、線条体1は、巻取ボビン2bに巻き取られている。巻取ボビン2aは回転を停止している。上側引取ローラー6は上昇後退位置で、かつ巻取ボビン2a側で待機している。下側引取ローラー7も後退位置にあり、回転していない。吸引ノズル8a,8bは下降位置にある。
【0042】
巻取ボビン2bが所定の巻取量になると、巻取ボビン2aへの切り替えが行なわれる。切り替えの予備段階では、図2に示すように、空の巻取ボビン2aと下側引取ローラー7および上側引取ローラー6の支持軸が回転を開始する。この場合の各々の周速は線条体1の線速に一致させる。この状態で、ガイドローラー3が巻取ボビン2a側の切り替わり位置に移動する。巻取ボビン2a側の線寄せガイド4aが前進。上側引取ローラー6が巻取ボビン2b側へ移動し、下側引取ローラー7とともに前進する。
【0043】
次に、図3に示すように、吸引開始段階となる。この段階では、巻取ボビン2aが前進し、爪車5aが線条体1に接する直前の位置となる。次に、巻取ボビン2b側の吸引ノズル8bが吸引を開始すると同時に、上昇する。
上側引取ローラー6が下降して下側引取ローラー7に接すると同時に、線条体1を引き取るようになる。
【0044】
図4は、切り替え段階である。上側引取ローラー6と下側引取ローラー7とで線条体1を引き取るようになると同時に、巻取ボビン2bの回転が急停止し、引取ローラー6,7より繰り出される線条体1は吸引ノズル8bに吸い込まれる。このとき吸引ノズルの吸引口は、引取ローラー6,7で線条体を把持する位置付近で線条体の出線位置に移動している。吸引口は、線条体のみに向かった形状とするのがよい。上側引取ローラー6と下側引取ローラー7が線条体1を繰り出しながら後退する。線条体1は爪車5aの補捉部でキャッチされ、カッター9aにより切断される。線条体1の終端は、上側および下側引取ローラー6,7を経て吸引ノズル8bへ吸い込まれる。
【0045】
巻取ボビン2aへ線条体1の巻き取りが開始されると、図5に示すように、巻取ボビン2aは元の位置に後退し、ガイドローラー3は、巻取ボビン2aへ巻き取るときの通常位置へ移動する。一方、上側引取ローラー6、線寄せガイド4a、吸引ノズル8bは、各々元の待機状態に戻る。これで、巻取ボビン2bから巻取ボビン2aへの切り替えが完了する。
【0046】
巻取ボビン2aが満巻となると、巻取ボビン2b側を空のボビンとして切り替えが行なわれるが、この場合は、ガイドローラー3が図6に示す位置に移動して、上側および下側引取ローラー6,7で線条体1を引き取り、巻取ボビン2bが前進し、爪車2bの捕捉部が押し出され、線条体1をキャッチし、切断する。繰り出される線条体1は、吸引ノズル8aに吸い込まれる。
【0047】
この実施の形態では、上側引取ローラー6と下側引取ローラー7とによって、線条体1を引き取るときに、上側引取ローラー6の周速も線条体1の線速と略等しい速度に回転されているので、高速においても、線条体1が激しくしごかれることはなく、線条体1が光ファイバの時でも、断線の危険性はない。
【0048】
なお、従動ローラーである上側引取ローラー6の支持軸を回転させる代わりに、軸受けを空気軸受(支持軸とローラーの間に気体を流すようにしたもの)などの低抵抗軸受としてもよい。低抵抗軸受を用いることにより、上側引取ローラー6をあらかじめ回転させておかなくても、上側引取ローラー6が従動回転に移行する時間を短くでき、しごきを抑えることができる。上側引取ローラー6は、慣性モーメントの小さいものがよい。このとき、予めローラーを回転させておくと、回転移行時間をさらに短くできる。
【0049】
なお、カッターを用いることなく、図8ないし図13で説明した従来例のようなカッティングを行うようにしてもよい。
【0050】
図8ないし図13で説明した従来例においては、上側引取ローラー6は2個を配置したが、従動ローラーが2個あると、しごきが発生しやすい。しがたって、上述したように、しごきを抑える対策をしたが、上側引取ローラー6は、1個の方がよい。図7により、従動ローラーが1個の場合の引取動作について説明する。図7中、図1ないし図6と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。1a,1b,1cは、いずれも線条体の位置を示している。1aは巻き始めの位置、1bは満巻の位置、1cは出線方向の位置である。
【0051】
図7(B)に示すように、下側引取ローラー7に対して、上側引取ローラー6が真上から接触すると、線条体は1cの方向をとり、吸引ノズル8bから離れた位置に繰り出されて吸い込むことができない。下側引取ローラー7の停止中の巻取ボビンに近い方向に接すると、さらに吸引ノズル8bから離れた方向になる。吸い込みに失敗すると、端末が線叩きを起こしてしまう。
【0052】
図7(A)に示すように、上側引取ローラー6が下側引取ローラー7に接触する位置が、満巻側の巻取ボビン2bに近い方向に接すると、吸引ノズル8bの吸い込み口付近に線条体を出線することができ、吸い込みに失敗することを防止できる。
【0053】
図6に示すように、満巻側の巻取ボビン2aから空の巻取ボビン2bに切り替える場合には、上側引取ローラー6は、下側引取ローラー7の真上より巻取ボビン2aに近い方向に接するようにする。したがって、上側引取ローラー6が1個の場合には、上側引取ローラー6が下側引取ローラー7に接する位置は、巻取ボビンの切替方向に対応して相対的に移動されるようにするのがよい。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1ないし8に記載の発明によれば、線条体の高速連続巻取装置において、巻取ローラーの切替時において、しごきを防止することができるので、特に、1000m/分といった高速においても、線条体を断線させることがなく、線条体の切断、断線時の線条体の端末による線叩きを防止できる。
【0055】
また、請求項4,6,8に記載の発明によれば、吸引ノズルによる吸引の失敗を防止でき、吸引に失敗した場合の端末による線叩きを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高速連続巻取装置の実施の形態の一例の概略図であり、一方の巻取ボビンへの巻取状態を示す。
【図2】図1の高速連続巻取装置の切り替えの予備段階の概略図である。
【図3】図1の高速連続巻取装置の切り替えの吸引段階の概略図である。
【図4】図1の高速連続巻取装置の切り替え段階の概略図である。
【図5】図1の高速連続巻取装置の切り替え後の概略図である。
【図6】図1の高速連続巻取装置の切り替え後、反対側へ切り替える状態の概略図である。
【図7】従動ローラーが1個の場合の引取動作の説明図である。
【図8】従来例の高速連続巻取装置の概略図であり、一方の巻取ボビンへの巻取状態を示す。
【図9】図8の高速連続巻取装置の切り替えの予備段階の概略図である。
【図10】図8の高速連続巻取装置の切り替えの吸引段階の概略図である。
【図11】図8の高速連続巻取装置の切り替え段階の概略図である。
【図12】図8の高速連続巻取装置の切り替え後の概略図である。
【図13】図8の高速連続巻取装置の切り替え後、反対側へ切り替える状態の概略図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ等の線条体、2a,2b…巻取ボビン、3…ガイドローラー、4a,4b…線寄せガイド、5a,5b…爪車、6…上側引取ローラー(従動ローラー)、7…下側引取ローラー(駆動ローラー)、8a,8b…吸引ノズル、9a,9b…カッター。
Claims (8)
- 2個の巻取ボビンを配置した巻取ボビンの切替機構を有する線条体の高速連続巻取装置において、2個の巻取ボビンの中間に設けられて線条体の巻取速度に略等しい速度で予め回転駆動される1個の駆動ローラーと該駆動ローラーに近接可能に支持される1個の従動ローラーよりなる引取ローラーと、切断された線条体の端部を吸引するための吸引ノズルと、切替時に前記線条体を挟み込むよう前記両ローラーの少なくとも一方のローラーを移動させるローラー移動機構と、前記線条体を挟み込んだときに両ローラー間で線条体に生じるしごきを抑制するしごき抑制機構を有することを特徴とする線条体の高速連続巻取装置。
- 前記しごき抑制機構は、前記従動ローラーを軸受けを介して支持する支持軸が回転駆動する駆動機構であることを特徴とする請求項1に記載の線条体の高速連続巻取装置。
- 前記しごき抑制機構は、前記従動ローラーの軸受けを空気軸受けとする軸受け機構であることを特徴とする請求項1に記載の線条体の高速連続巻取装置。
- 前記吸引ノズルの吸い込み口が、吸引時に前記駆動ローラーと前記従動ローラーの近接する位置付近で線条体を出線する位置にあることを特徴とする請求項1に記載の線条体の高速連続巻取装置。
- 前記従動ローラーが、切替時に前記駆動ローラーに対し満巻きボビン側の近接した位置に移動することを特徴とする請求項4に記載の線条体の高速連続巻取装置。
- 巻取ボビンを切替える際に一時線状体を引取ローラーで把持する線条体の高速連続巻取方法において、引取ローラーは、1個の駆動ローラーと1個の従動ローラーにより構成され、線状体を引取ローラーで把持する前に、前記駆動ローラーを所定の回転速度で回転させる第1ステップと、前記従動ローラーの支持軸を前記駆動ローラーの回転方向と逆方向に回転させる第2ステップとを有し、前記線条体を前記引取ローラーで挟み込んだときに前記引取ローラーで線条体に生じるしごきを抑制することを特徴とする線条体の高速連続巻取方法。
- 前記従動ローラー1個を前記駆動ローラーに対し満巻きボビン側の近接した位置に移動させる第3ステップを有することを特徴とする請求項6に記載の線条体の高速連続巻取方法。
- 線条体吸引時に吸引ノズルの吸引口を前記駆動ローラーと前記従動ローラーで線条体を把持する位置付近で線条体の出線位置に移動させることをことを特徴とする請求項6または7に記載の線条体の高速連続巻取方法。
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