JP3572277B2 - 屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックとその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の屋上や歩道に敷設されて、暑い夏期に歩道や建物を涼しくできる断熱透水敷設ブロックとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
暑い夏、太陽光線に直接に照射される屋上は、極めて高温に加熱される。屋上が高温になる建物は、エアコンで涼しく冷房する必要がある。建物が高温になるほど、強く冷房して涼しくする必要がある。このことは、冷房のランニングコストを高くするばかりでなく、さらに周囲温度を高くして暑くする弊害がある。建物が高温になるほど、エアコンから放出される熱量が増加するからである。エアコンは、室内を冷却するために吸収する熱エネルギーのみを放出するのではない。この熱エネルギーに加えて、消費電力に相当する熱エネルギーを加算して放出する。このため、エアコンで室内を冷房することは、周囲に冷房する熱エネルギーよりも大きな熱エネルギーを放出する。このため、多数のエアコンが使用される都市部にあっては、いわゆるヒートアイランド現象により、外気温度は著しく高くなってしまう。
【0003】
この弊害は、建物の断熱特性を向上して相当に改善できる。断熱された屋上は、熱の室内への伝導を少なくできるので、エアコンの消費電力を少なくして、ヒートアイランド現象を有効に防止できる。さらに、屋上を緑化できるなら、植物によって屋上が加熱されるのをより有効に阻止できる。このことから、大きな建物においては、法令によっても屋上の緑化が義務付けられる傾向にある。
【0004】
ビルの屋上を断熱しながら緑化できる工法は、たとえば特開昭57−22621号公報に記載される。この公報に記載される方法は、ビル屋上等のコンクリ−ト、パラペツト表面に、ウレタンや尿素樹脂の連続気泡性の発泡樹脂原液に植物の種子を混合して塗布し、大気下で発泡させて発泡層を形成し、散水、肥料の供給を行なって植物を育生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この方法は、発泡層で屋上を断熱しながら緑化できる。しかしながら、この方法は、施工に高度な専門技術を必要とするために、ユーザーが自分で簡単には施工できない。このため、施工コストが高くなる欠点がある。さらに、ウレタン等の発泡合成樹脂は、表面に薄い非発泡層ができる状態で発泡するので、この非発泡層が水の透過を阻止して、内部の種子を発芽させるのを難しくする。このことは、種子の発芽を阻害して綺麗に緑化させるのを難しくする。また、合成樹脂の発泡体に種子を埋設する状態で生育させるので、大きな植物を生育できない欠点もある。さらに、合成樹脂の発泡層は厚くするほど原料価格が高くなるので、価格から厚さが制限され、発泡層を充分に厚くして、優れた断熱特性を実現するのが難しい欠点もある。さらに、この構造の最大の問題は、屋上に施工した合成樹脂が太陽の紫外線の影響で劣化することである。劣化した合成樹脂発泡体は除去する必要があるが、この除去には極めて手間がかかる。また、除去した多量の合成樹脂発泡体を廃棄するのにさらに手間がかかる。合成樹脂は、紫外線に照射されると数年で劣化する。劣化した合成樹脂発泡体は風化する。風化した合成樹脂は、飛散して周囲に種々の悪い影響を与える。
【0006】
合成樹脂の欠点を解消する断熱材として、ガラスを発泡状態に焼結したガラス発泡体が開発されている。さらに、このガラス発泡体を屋上に敷設する工法も開発されている(特開2000−72480号)。この工法は、ラス粉末に炭化珪素、微粉カ−ボン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムのうち少なくとも1種類の発泡剤を1.5〜6.0%添加し、850〜970℃の焼成温度、10〜40分の焼成時間、3〜30mmの粉末厚みを夫々の範囲内で適宜変更することにより嵩比重0.1〜0.8gf/cm3、吸水率50%以上の塊状発泡ガラスを生産する。この塊状発泡ガラスは、屋上等に敷設して断熱することができる。
【0007】
塊状発泡ガラスは、無機焼結発泡体であるから太陽の紫外線で劣化しない。ただ、塊状発泡ガラスを敷設した屋上は、その上を快適には歩行できない。踏みつけると破壊されるからである。とくに断熱特性を向上させるために発泡倍率を高くするほど強度が低下する。破壊されないように発泡倍率を低くすると断熱特性が低下するばかりでなく、重くなって屋上等に厚く敷設できなくなる。したがって、塊状発泡ガラスは、屋上の断熱特性を向上するために発泡倍率を高くすると破壊されやすくなり、反対に発泡倍率を低くすると断熱特性が著しく悪くなる欠点がある。さらに、この塊状発泡ガラスは、上を歩くことができないので、歩道などに敷設して歩道を涼しくするためには使用できない。
【0008】
本発明は、このように欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、屋上や歩道を極めて涼しくしながら、その上を快適に歩くことができ、さらに太陽の紫外線で劣化することがなく、長期間にわたって屋上や歩道を涼しくできる屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックとその製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の大切な目的は、ユーザーが簡単かつ容易に、屋上や歩道に敷設して施工コストを安くできる屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックとその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックは、発泡断熱層21と表面層22とを備える。発泡断熱層21は、ガラス発泡体を所定の粒状にしてなるガラス発泡骨材23をバインダーで発泡骨材の間に無数の空隙ができる状態で結合している。表面層22は、発泡断熱層21の上面に、天然石からなる骨材26をバインダーで空隙ができるように結合している。断熱透水敷設ブロックは、発泡断熱層21と表面層22とを積層して全体の形状を直方体に成形している。
【0011】
ガラス発泡骨材23は、廃棄ガラスを発泡焼成して破砕したものとすることができる。発泡断熱層21は、好ましくは、比重を0.2〜0.6とする。ガラス発泡骨材23は、連続気泡を有するガラス発泡体である。さらに、断熱透水敷設ブロックは、表面層22の骨材26を洗い出しして、骨材26の表面のバインダーを除去することができる。さらにまた、断熱透水敷設ブロックは、表面層22の骨材26を平面研磨して、骨材26を表出させることができる。
【0012】
本発明の断熱透水敷設ブロックの製造方法は、型枠24に、バインダーであるモルタル25と骨材26を混合して充填した後、モルタル25が硬化しないときに、ガラス発泡体を所定の粒度としてなるガラス発泡骨材23をバインダーであるモルタル25に混合して充填し、モルタル25で骨材26とガラス発泡骨材23とを空隙ができるように結合する。
【0013】
本発明の製造方法は、型枠24の内面にモルタル25の硬化を遅らせる遅延材を配設して、骨材表面のモルタル25が未硬化な状態で発泡断熱層21と表面層22からなる断熱透水敷設ブロックを脱型し、骨材表面のモルタル25を洗い出しして除去することができる。遅延材には、遅延シートを使用することができる。さらに、本発明の製造方法は、表面層22の骨材26を平面研磨して、骨材26を表出させることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックとその製造方法を例示するものであって、本発明は断熱透水敷設ブロックとその製造方法を下記のものに特定しない。
【0015】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0016】
図1に示す断熱透水敷設ブロックは、発泡断熱層21に表面層22を積層する多層構造で、全体の形状を直方体に成形している。発泡断熱層21は、間に空隙ができるようにガラス発泡骨材23をバインダーで結合している。ガラス発泡骨材23は、ガラス発泡体を所定の粒状に加工して製作される。ガラス発泡骨材23は、平均粒径を5〜30mm、好ましくは5〜15mmとする粒である。ガラス発泡骨材23は、連続気泡を有する状態に発泡している。このガラス発泡骨材23は、優れた吸水性と保水性がある。このため、水分を吸収し、これを気化させる気化熱で屋上や歩道を涼しくできる。また、断熱透水敷設ブロックで植物を生育させるとき、植物を快適な環境で生育させる。
【0017】
ガラス発泡骨材23は、廃棄ガラスを発泡焼成し、焼成したものを破砕して製作される。廃棄ガラスで製造されるガラス発泡骨材23は、原料コストを安くできる。また、廃棄ガラスを有効に再利用できる。とくに、ガラス発泡骨材23は、原料ガラスの色が特定されないので、種々の色に着色している廃棄ガラスを色で選別することなく使用できる。ただし、ガラス発泡骨材の原料には、必ずしも廃棄ガラスを使用する必要なく、バージン原料、あるいはバージン原料に廃棄ガラスを添加したものとすることもできる。
【0018】
このガラス発泡骨材23は、以下のようにして製作する。
図2は、ガラス発泡骨材23の製造装置を示している。この装置は、ガラス瓶やガラス板等の廃棄ガラスを予備加熱した後に急冷して破砕し、破砕した廃棄ガラスに発泡材等の添加物を添加した原料破砕物を発泡状態に焼成してガラス発泡体とする。
【0019】
この図の製造装置は、廃棄ガラスを蓄えるホッパー6と、ホッパー6から供給される廃棄ガラスを予備加熱すると共に、原料破砕物を発泡焼成する焼成炉1と、焼成炉1で予備加熱された廃棄ガラスを急冷する冷却機4と、冷却機4で急冷された廃棄ガラスを破砕する破砕機5と、破砕機5で破砕された廃棄ガラスに発泡材等の添加物を添加した原料破砕物を蓄える原料タンク7とを備える。
【0020】
ホッパー6は、ガラス瓶やガラス板等の廃棄ガラスを蓄えて、焼成炉1の予備加熱コンベア3に供給する。ホッパー6は下端にフィーダー8を備えている。フィーダー8は、ホッパー6の廃棄ガラスを予備加熱コンベア3に定量供給する。
【0021】
焼成炉1は、廃棄ガラスを下部で予備加熱し、原料破砕物を中央部ないし上部で発泡焼成する。焼成炉1はトンネル炉で、中央部ないし上部において原料破砕物を焼成温度まで加熱して移送する焼成コンベア2を上部に水平に配設し、廃棄ガラスを破砕するために予備加熱する予備加熱コンベア3を下部に配設している。焼成炉1は内部でガスを燃焼させて所定の温度に焼成、加熱するガス炉である。焼成炉1は、焼成コンベア2で供給される原料破砕物の焼成温度を、たとえば750〜1000℃、好ましくは800〜950℃、さらに好ましくは850〜900℃とする。予備加熱コンベア3で供給される廃棄ガラスを予備加熱する温度は、たとえば400〜800℃、好ましくは400〜750℃、さらに好ましくは400〜700℃とする。
【0022】
図に示す焼成炉1は、焼成コンベア2の排出側にガラス発泡体を急冷して破砕する急冷破砕機9を設けている。急冷破砕機9は、焼成コンベア2で発泡状態に焼結されたガラス発泡体に散水する散水ノズル10を有する。散水ノズル10は、ガラス発泡体を急冷して破砕する。この構造の焼成炉1は、ガラス発泡体を所定の大きさに破砕して排出できる。
【0023】
冷却機4は、焼成炉1で予備加熱された廃棄ガラスを急冷する。図の冷却機4は、予備加熱コンベア3に載って移送されてくる廃棄ガラスに散水して急冷する散水ノズル11を備える。散水ノズル11は、予備加熱コンベア3の上方に位置して下向きに配設される。散水ノズル11は、予備加熱コンベア3で焼成炉1から排出される廃棄ガラスに散水して急冷する。
【0024】
急冷された廃棄ガラスは、破砕機5で破砕される。破砕機5は、廃棄ガラスを破砕できる全ての機械、たとえば、ボールミル等の破砕機が使用できる。破砕機5は、ボールミルに代わってジョウクラッシャーやロールクラッシャー等も使用できる。破砕機5は、加熱後に急冷されて無数のひび割れのある破砕されやすい廃棄ガラスを破砕する。破砕機5は、たとえば廃棄ガラスの平均粒径が0.5〜5mm、好ましく0.5〜3mm、さらに好ましくは1〜2mmとなるように破砕する。
【0025】
破砕機5で破砕された廃棄ガラスは、発泡剤を混合して原料破砕物とする。発泡材には、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、カーボン、炭酸マグネシウム、ドロマイト、炭酸ナトリウム、炭酸ソーダ等が使用する。さらに、原料破砕物は、発泡材に加えて、無機質材を粉粒体とした添加物を混合することもできる。添加物の添加量は、たとえば、0〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%とする。添加物には、ホウ砂、パーライト、バーミクライト、軽石、火山れき、膨張スラグ、膨張けつ岩等を使用する。
【0026】
原料破砕物に添加する発泡剤の添加量は、発泡焼成されるガラス発泡体の連続気泡と独立気泡の割合に影響を与える。発泡剤の添加量を少なくすると、独立気泡の割合が多くなって連続気泡の割合が少なくなる。反対に発泡剤の添加量を多くすると、独立気泡の割合が少なくなって連続気泡の割合が増加する。
【0027】
さらに、原料破砕物は、添加材として、焼成するときに低い温度で溶融する無機質焼結材を添加することもできる。無機質焼結材には、廃棄ガラスよりも融点の低いものを使用する。無機質焼結材は、焼成温度で溶融して廃棄ガラスを焼結するものであって、フラックスやフリットを含む。フラックスやフリットは、屈伏点を500〜700℃とするものを使用する。
【0028】
フリットには、例えば、鉛白116重量%、長石111重量%、珪砂28重量%、石灰石20重量%、亜鉛科12重量%、粘土21重量%の混合物を溶融して粉砕したもの、あるいは、珪砂60重量%、硝石22重量%、食塩7.2重量%、みょうばん3.6重量%、ソーダ灰3.6重量%、石膏3.6重量%の混合物を溶融して粉砕したもの等が使用できる。フリットは、混合材料でもって融点が調整できる。
【0029】
原料破砕物は原料タンク7に蓄えられて、焼成炉1の焼成コンベア2に供給される。原料タンク7は、原料破砕物を焼成コンベア2に供給するフィーダー12を下部に備えている。原料タンク7の原料破砕物は、フィーダー12で焼成コンベア2に供給される。原料破砕物は、連続運転される焼成コンベア2に定量供給され、焼成炉1を通過して発泡状態のガラス発泡体として焼結される。
【0030】
焼結されたガラス発泡体は、急冷破砕機9で急冷して破砕される。急冷破砕機9で破砕して製作されるガラス発泡骨材23は、種々の粒径のものを含んでいる。したがって、急冷破砕機9から排出されるガラス発泡骨材23は、フルイを使用して、5〜30mmのものを選別する。5mm未満のものと、30mmを越えるものを分離して除去する。30mmを越える大粒のガラス発泡骨材23は、破砕機5でさらに小さく破砕する。この破砕には、ジョウクラッシャーやロールクラッシャを使用する。ただ、破砕機には、ガラス発泡体を5〜30mmの平均粒径に破砕できる全てのものが使用できる。
【0031】
以上のようにして、選別された平均粒径を5〜30mmとするガラス発泡骨材23は、発泡断熱層21として理想的な物性を有する。さらに、好ましくは平均粒径を5〜15mmのものを選別して使用することもできる。ただし、発泡断熱層のガラス発泡骨材は、平均粒径が5〜30mmの範囲にないものを含むこともできる。ただし、平均粒径が5mm未満のものを多量に含有すると、ガラス発泡骨材の間の空隙が少なくなって、断熱特性と通気性と通水性が低下する。したがって、5mm以下のガラス発泡骨材の含有量は20重量%以下とする。また、平均粒径が30mmを越えるガラス発泡骨材を多量に含有する発泡断熱層は、空隙が大きくなって強度が低下するので、このガラス発泡骨材の含有量も全体の20重量%以下とする。
【0032】
表面層22は、天然石からなる玉砂利等の骨材26を、間に隙間ができるようにバインダーで結合して製作される。表面層22の骨材26は、バインダーで表面が被覆される。この表面層22は、骨材26の表面に付着しているバインダーを洗い出しして除去することができる。この表面層22は骨材表面が表出するので、美しい表面に仕上げることができる。また、表面層22は、骨材26の表面を平面研磨して、骨材26を表出させることもできる。この表面層22は、上面を平面状にできると共に、骨材26で美しく仕上げることができる。
【0033】
以上の構造の断熱透水敷設ブロックは、以下のようにして製作される。
(1) 図3に示すように、型枠24に、バインダーであるモルタル25と骨材26を混合して充填する。型枠24は、上方を開口して、内面形状を直方体としている。型枠24の内形は、断熱透水敷設ブロックの大きさを特定する。断熱透水敷設ブロックは、好ましくは1辺を20〜50cmとする四角形で、厚さを5〜15cmとする直方体である。
【0034】
モルタル25は、骨材26の間に隙間ができるようにして骨材26を結合する。この状態でモルタル25が骨材26を結合するように、水の添加量が調整される。すなわち、モルタル25は骨材26の表面を被覆して、隣接する骨材26との接点で骨材26を結合して、骨材26の間には空隙を設ける。骨材26には、平均粒径を5〜10mmとする玉砂利を使用する。
【0035】
骨材26とモルタル25で成形される表面層22は、厚さを約10mmとする。ただし、骨材26の平均粒径が小さい場合、10mm以下とすることもでき、また骨材26の平均粒径が大きい場合は10mmよりも厚くすることもできる。表面層22を厚くすると断熱透水敷設ブロックの表面強度が向上する。表面層22を薄くすると断熱透水敷設ブロックを軽くできる。表面層22の厚さは、要求される強度と重量から最適値とするが、好ましくは5〜20mmとする。ただ、表面層22は、少なくとも骨材26の平均粒径よりも厚くする。少なくとも1層に骨材26を並べて表面層22とするためである。
【0036】
(2) 骨材26に混合しているモルタル25が硬化しないときに、ガラス発泡骨材23をバインダーであるモルタル25と混合して型枠24に充填する。このモルタル25は、ガラス発泡骨材23の間に隙間ができるようにガラス発泡骨材23を結合する。さらに、ガラス発泡骨材23と骨材26に混合しているモルタル25が互いに結合されて、ガラス発泡骨材23と骨材26とを結合して、発泡断熱層21と表面層22とが一体的に結合される。ガラス発泡骨材23とモルタル25の混合体を充填した後、その上面を平面状にコテで均す。成形される断熱透水敷設ブロックの底面を平面状にするためである。
【0037】
(3) モルタル25が硬化し、あるいはガラス発泡骨材23と骨材26を型くずれしない程度に結合した状態で、型枠24内で成形された断熱透水敷設ブロックを型枠24から脱型する。
【0038】
さらに、モルタル25を硬化させて、断熱透水敷設ブロックを完成する。以上の方法で製作された断熱透水敷設ブロックは、骨材26の表面をモルタル25で被覆している。骨材表面のモルタル25を除去して、表面に骨材26を表出させる表面断熱透水敷設ブロックにできる。このことを実現するには、(1)の工程で、型枠24の内面にモルタル25の硬化を遅らせる遅延材を配設して、骨材26を結合するモルタル25の硬化を遅らせる。骨材表面のモルタル25が未硬化な状態で発泡断熱層21と表面層22からなるブロックを脱型し、骨材表面のモルタル25を洗い出しして除去する。遅延材には、遅延シートを使用する。
【0039】
さらに、断熱透水敷設ブロックは、モルタル25を硬化させた後、表面層22の骨材26を平面研磨して、骨材26を表出させて、表面を美しく仕上げることもできる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の断熱透水敷設ブロックは、屋上や歩道を極めて涼しくしながら、その上を快適に歩くことができる特長がある。それは、本発明の断熱透水敷設ブロックが、ガラス発泡体を所定の粒状にしてなるガラス発泡骨材をバインダーで無数の空隙ができる状態で結合している発泡断熱層の上面に、天然石からなる骨材をバインダーで空隙ができるように結合している表面層を積層して全体の形状を直方体に成形しているからである。この構造の断熱透水敷設ブロックは、ガラス発泡骨材を結合している発泡断熱層で優れた断熱特性を実現でき、さらに、天然石からなる骨材をバインダーで結合している表面層で表面を充分な強度にできる。したがって、本発明の断熱透水敷設ブロックは、ガラス発泡体の発泡倍率を高くして断熱特性を向上できると共に、断熱透水敷設ブロックの上を歩いても、割れたり欠けるのを有効に防止できる。さらに、この断熱透水敷設ブロックは、積層される発泡断熱層と表面層とを無数の空隙ができるようにバインダーで結合しているので、通気性と通水性に優れ、断熱透水敷設ブロックとして理想的な特性を実現できる。
【0041】
さらに、本発明の断熱透水敷設ブロックは、ガラス発泡骨材で発泡断熱層を、天然石からなる骨材で表面層を構成しているので、太陽の紫外線で劣化することがなく、長期間にわたって屋上や歩道を涼しくできる。さらに、本発明の断熱透水敷設ブロックは、ユーザーが簡単かつ容易に、屋上や歩道に敷設して施工コストを安くできる特長もある。
【0042】
さらに、本発明の断熱透水敷設ブロックの製造方法は、型枠にバインダーであるモルタルと骨材を混合して充填した後、ガラス発泡骨材を混合して充填し、モルタルで骨材とガラス発泡骨材とを空隙ができるように結合するので、極めて簡単に断熱特性と強度に優れた断熱透水敷設ブロックを製造できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断熱透水敷設ブロックの斜視図
【図2】ガラス発泡骨材の製造装置を示す概略断面図
【図3】本発明の実施例の断熱透水敷設ブロックの製造方法の一工程を示す断面図
【符号の説明】
1…焼成炉
2…焼成コンベア 表面層
3…予備加熱コンベア ガラス発泡骨材
4…冷却機
5…破砕機
6…ホッパー
7…原料タンク
8…フィーダー
9…急冷破砕機
10…散水ノズル
11…散水ノズル
12…フィーダー
21…発泡断熱層
22…表面層
23…ガラス発泡骨材
24…型枠
25…モルタル
26…骨材
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の屋上や歩道に敷設されて、暑い夏期に歩道や建物を涼しくできる断熱透水敷設ブロックとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
暑い夏、太陽光線に直接に照射される屋上は、極めて高温に加熱される。屋上が高温になる建物は、エアコンで涼しく冷房する必要がある。建物が高温になるほど、強く冷房して涼しくする必要がある。このことは、冷房のランニングコストを高くするばかりでなく、さらに周囲温度を高くして暑くする弊害がある。建物が高温になるほど、エアコンから放出される熱量が増加するからである。エアコンは、室内を冷却するために吸収する熱エネルギーのみを放出するのではない。この熱エネルギーに加えて、消費電力に相当する熱エネルギーを加算して放出する。このため、エアコンで室内を冷房することは、周囲に冷房する熱エネルギーよりも大きな熱エネルギーを放出する。このため、多数のエアコンが使用される都市部にあっては、いわゆるヒートアイランド現象により、外気温度は著しく高くなってしまう。
【0003】
この弊害は、建物の断熱特性を向上して相当に改善できる。断熱された屋上は、熱の室内への伝導を少なくできるので、エアコンの消費電力を少なくして、ヒートアイランド現象を有効に防止できる。さらに、屋上を緑化できるなら、植物によって屋上が加熱されるのをより有効に阻止できる。このことから、大きな建物においては、法令によっても屋上の緑化が義務付けられる傾向にある。
【0004】
ビルの屋上を断熱しながら緑化できる工法は、たとえば特開昭57−22621号公報に記載される。この公報に記載される方法は、ビル屋上等のコンクリ−ト、パラペツト表面に、ウレタンや尿素樹脂の連続気泡性の発泡樹脂原液に植物の種子を混合して塗布し、大気下で発泡させて発泡層を形成し、散水、肥料の供給を行なって植物を育生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この方法は、発泡層で屋上を断熱しながら緑化できる。しかしながら、この方法は、施工に高度な専門技術を必要とするために、ユーザーが自分で簡単には施工できない。このため、施工コストが高くなる欠点がある。さらに、ウレタン等の発泡合成樹脂は、表面に薄い非発泡層ができる状態で発泡するので、この非発泡層が水の透過を阻止して、内部の種子を発芽させるのを難しくする。このことは、種子の発芽を阻害して綺麗に緑化させるのを難しくする。また、合成樹脂の発泡体に種子を埋設する状態で生育させるので、大きな植物を生育できない欠点もある。さらに、合成樹脂の発泡層は厚くするほど原料価格が高くなるので、価格から厚さが制限され、発泡層を充分に厚くして、優れた断熱特性を実現するのが難しい欠点もある。さらに、この構造の最大の問題は、屋上に施工した合成樹脂が太陽の紫外線の影響で劣化することである。劣化した合成樹脂発泡体は除去する必要があるが、この除去には極めて手間がかかる。また、除去した多量の合成樹脂発泡体を廃棄するのにさらに手間がかかる。合成樹脂は、紫外線に照射されると数年で劣化する。劣化した合成樹脂発泡体は風化する。風化した合成樹脂は、飛散して周囲に種々の悪い影響を与える。
【0006】
合成樹脂の欠点を解消する断熱材として、ガラスを発泡状態に焼結したガラス発泡体が開発されている。さらに、このガラス発泡体を屋上に敷設する工法も開発されている(特開2000−72480号)。この工法は、ラス粉末に炭化珪素、微粉カ−ボン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムのうち少なくとも1種類の発泡剤を1.5〜6.0%添加し、850〜970℃の焼成温度、10〜40分の焼成時間、3〜30mmの粉末厚みを夫々の範囲内で適宜変更することにより嵩比重0.1〜0.8gf/cm3、吸水率50%以上の塊状発泡ガラスを生産する。この塊状発泡ガラスは、屋上等に敷設して断熱することができる。
【0007】
塊状発泡ガラスは、無機焼結発泡体であるから太陽の紫外線で劣化しない。ただ、塊状発泡ガラスを敷設した屋上は、その上を快適には歩行できない。踏みつけると破壊されるからである。とくに断熱特性を向上させるために発泡倍率を高くするほど強度が低下する。破壊されないように発泡倍率を低くすると断熱特性が低下するばかりでなく、重くなって屋上等に厚く敷設できなくなる。したがって、塊状発泡ガラスは、屋上の断熱特性を向上するために発泡倍率を高くすると破壊されやすくなり、反対に発泡倍率を低くすると断熱特性が著しく悪くなる欠点がある。さらに、この塊状発泡ガラスは、上を歩くことができないので、歩道などに敷設して歩道を涼しくするためには使用できない。
【0008】
本発明は、このように欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、屋上や歩道を極めて涼しくしながら、その上を快適に歩くことができ、さらに太陽の紫外線で劣化することがなく、長期間にわたって屋上や歩道を涼しくできる屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックとその製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の大切な目的は、ユーザーが簡単かつ容易に、屋上や歩道に敷設して施工コストを安くできる屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックとその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックは、発泡断熱層21と表面層22とを備える。発泡断熱層21は、ガラス発泡体を所定の粒状にしてなるガラス発泡骨材23をバインダーで発泡骨材の間に無数の空隙ができる状態で結合している。表面層22は、発泡断熱層21の上面に、天然石からなる骨材26をバインダーで空隙ができるように結合している。断熱透水敷設ブロックは、発泡断熱層21と表面層22とを積層して全体の形状を直方体に成形している。
【0011】
ガラス発泡骨材23は、廃棄ガラスを発泡焼成して破砕したものとすることができる。発泡断熱層21は、好ましくは、比重を0.2〜0.6とする。ガラス発泡骨材23は、連続気泡を有するガラス発泡体である。さらに、断熱透水敷設ブロックは、表面層22の骨材26を洗い出しして、骨材26の表面のバインダーを除去することができる。さらにまた、断熱透水敷設ブロックは、表面層22の骨材26を平面研磨して、骨材26を表出させることができる。
【0012】
本発明の断熱透水敷設ブロックの製造方法は、型枠24に、バインダーであるモルタル25と骨材26を混合して充填した後、モルタル25が硬化しないときに、ガラス発泡体を所定の粒度としてなるガラス発泡骨材23をバインダーであるモルタル25に混合して充填し、モルタル25で骨材26とガラス発泡骨材23とを空隙ができるように結合する。
【0013】
本発明の製造方法は、型枠24の内面にモルタル25の硬化を遅らせる遅延材を配設して、骨材表面のモルタル25が未硬化な状態で発泡断熱層21と表面層22からなる断熱透水敷設ブロックを脱型し、骨材表面のモルタル25を洗い出しして除去することができる。遅延材には、遅延シートを使用することができる。さらに、本発明の製造方法は、表面層22の骨材26を平面研磨して、骨材26を表出させることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックとその製造方法を例示するものであって、本発明は断熱透水敷設ブロックとその製造方法を下記のものに特定しない。
【0015】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0016】
図1に示す断熱透水敷設ブロックは、発泡断熱層21に表面層22を積層する多層構造で、全体の形状を直方体に成形している。発泡断熱層21は、間に空隙ができるようにガラス発泡骨材23をバインダーで結合している。ガラス発泡骨材23は、ガラス発泡体を所定の粒状に加工して製作される。ガラス発泡骨材23は、平均粒径を5〜30mm、好ましくは5〜15mmとする粒である。ガラス発泡骨材23は、連続気泡を有する状態に発泡している。このガラス発泡骨材23は、優れた吸水性と保水性がある。このため、水分を吸収し、これを気化させる気化熱で屋上や歩道を涼しくできる。また、断熱透水敷設ブロックで植物を生育させるとき、植物を快適な環境で生育させる。
【0017】
ガラス発泡骨材23は、廃棄ガラスを発泡焼成し、焼成したものを破砕して製作される。廃棄ガラスで製造されるガラス発泡骨材23は、原料コストを安くできる。また、廃棄ガラスを有効に再利用できる。とくに、ガラス発泡骨材23は、原料ガラスの色が特定されないので、種々の色に着色している廃棄ガラスを色で選別することなく使用できる。ただし、ガラス発泡骨材の原料には、必ずしも廃棄ガラスを使用する必要なく、バージン原料、あるいはバージン原料に廃棄ガラスを添加したものとすることもできる。
【0018】
このガラス発泡骨材23は、以下のようにして製作する。
図2は、ガラス発泡骨材23の製造装置を示している。この装置は、ガラス瓶やガラス板等の廃棄ガラスを予備加熱した後に急冷して破砕し、破砕した廃棄ガラスに発泡材等の添加物を添加した原料破砕物を発泡状態に焼成してガラス発泡体とする。
【0019】
この図の製造装置は、廃棄ガラスを蓄えるホッパー6と、ホッパー6から供給される廃棄ガラスを予備加熱すると共に、原料破砕物を発泡焼成する焼成炉1と、焼成炉1で予備加熱された廃棄ガラスを急冷する冷却機4と、冷却機4で急冷された廃棄ガラスを破砕する破砕機5と、破砕機5で破砕された廃棄ガラスに発泡材等の添加物を添加した原料破砕物を蓄える原料タンク7とを備える。
【0020】
ホッパー6は、ガラス瓶やガラス板等の廃棄ガラスを蓄えて、焼成炉1の予備加熱コンベア3に供給する。ホッパー6は下端にフィーダー8を備えている。フィーダー8は、ホッパー6の廃棄ガラスを予備加熱コンベア3に定量供給する。
【0021】
焼成炉1は、廃棄ガラスを下部で予備加熱し、原料破砕物を中央部ないし上部で発泡焼成する。焼成炉1はトンネル炉で、中央部ないし上部において原料破砕物を焼成温度まで加熱して移送する焼成コンベア2を上部に水平に配設し、廃棄ガラスを破砕するために予備加熱する予備加熱コンベア3を下部に配設している。焼成炉1は内部でガスを燃焼させて所定の温度に焼成、加熱するガス炉である。焼成炉1は、焼成コンベア2で供給される原料破砕物の焼成温度を、たとえば750〜1000℃、好ましくは800〜950℃、さらに好ましくは850〜900℃とする。予備加熱コンベア3で供給される廃棄ガラスを予備加熱する温度は、たとえば400〜800℃、好ましくは400〜750℃、さらに好ましくは400〜700℃とする。
【0022】
図に示す焼成炉1は、焼成コンベア2の排出側にガラス発泡体を急冷して破砕する急冷破砕機9を設けている。急冷破砕機9は、焼成コンベア2で発泡状態に焼結されたガラス発泡体に散水する散水ノズル10を有する。散水ノズル10は、ガラス発泡体を急冷して破砕する。この構造の焼成炉1は、ガラス発泡体を所定の大きさに破砕して排出できる。
【0023】
冷却機4は、焼成炉1で予備加熱された廃棄ガラスを急冷する。図の冷却機4は、予備加熱コンベア3に載って移送されてくる廃棄ガラスに散水して急冷する散水ノズル11を備える。散水ノズル11は、予備加熱コンベア3の上方に位置して下向きに配設される。散水ノズル11は、予備加熱コンベア3で焼成炉1から排出される廃棄ガラスに散水して急冷する。
【0024】
急冷された廃棄ガラスは、破砕機5で破砕される。破砕機5は、廃棄ガラスを破砕できる全ての機械、たとえば、ボールミル等の破砕機が使用できる。破砕機5は、ボールミルに代わってジョウクラッシャーやロールクラッシャー等も使用できる。破砕機5は、加熱後に急冷されて無数のひび割れのある破砕されやすい廃棄ガラスを破砕する。破砕機5は、たとえば廃棄ガラスの平均粒径が0.5〜5mm、好ましく0.5〜3mm、さらに好ましくは1〜2mmとなるように破砕する。
【0025】
破砕機5で破砕された廃棄ガラスは、発泡剤を混合して原料破砕物とする。発泡材には、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、カーボン、炭酸マグネシウム、ドロマイト、炭酸ナトリウム、炭酸ソーダ等が使用する。さらに、原料破砕物は、発泡材に加えて、無機質材を粉粒体とした添加物を混合することもできる。添加物の添加量は、たとえば、0〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%とする。添加物には、ホウ砂、パーライト、バーミクライト、軽石、火山れき、膨張スラグ、膨張けつ岩等を使用する。
【0026】
原料破砕物に添加する発泡剤の添加量は、発泡焼成されるガラス発泡体の連続気泡と独立気泡の割合に影響を与える。発泡剤の添加量を少なくすると、独立気泡の割合が多くなって連続気泡の割合が少なくなる。反対に発泡剤の添加量を多くすると、独立気泡の割合が少なくなって連続気泡の割合が増加する。
【0027】
さらに、原料破砕物は、添加材として、焼成するときに低い温度で溶融する無機質焼結材を添加することもできる。無機質焼結材には、廃棄ガラスよりも融点の低いものを使用する。無機質焼結材は、焼成温度で溶融して廃棄ガラスを焼結するものであって、フラックスやフリットを含む。フラックスやフリットは、屈伏点を500〜700℃とするものを使用する。
【0028】
フリットには、例えば、鉛白116重量%、長石111重量%、珪砂28重量%、石灰石20重量%、亜鉛科12重量%、粘土21重量%の混合物を溶融して粉砕したもの、あるいは、珪砂60重量%、硝石22重量%、食塩7.2重量%、みょうばん3.6重量%、ソーダ灰3.6重量%、石膏3.6重量%の混合物を溶融して粉砕したもの等が使用できる。フリットは、混合材料でもって融点が調整できる。
【0029】
原料破砕物は原料タンク7に蓄えられて、焼成炉1の焼成コンベア2に供給される。原料タンク7は、原料破砕物を焼成コンベア2に供給するフィーダー12を下部に備えている。原料タンク7の原料破砕物は、フィーダー12で焼成コンベア2に供給される。原料破砕物は、連続運転される焼成コンベア2に定量供給され、焼成炉1を通過して発泡状態のガラス発泡体として焼結される。
【0030】
焼結されたガラス発泡体は、急冷破砕機9で急冷して破砕される。急冷破砕機9で破砕して製作されるガラス発泡骨材23は、種々の粒径のものを含んでいる。したがって、急冷破砕機9から排出されるガラス発泡骨材23は、フルイを使用して、5〜30mmのものを選別する。5mm未満のものと、30mmを越えるものを分離して除去する。30mmを越える大粒のガラス発泡骨材23は、破砕機5でさらに小さく破砕する。この破砕には、ジョウクラッシャーやロールクラッシャを使用する。ただ、破砕機には、ガラス発泡体を5〜30mmの平均粒径に破砕できる全てのものが使用できる。
【0031】
以上のようにして、選別された平均粒径を5〜30mmとするガラス発泡骨材23は、発泡断熱層21として理想的な物性を有する。さらに、好ましくは平均粒径を5〜15mmのものを選別して使用することもできる。ただし、発泡断熱層のガラス発泡骨材は、平均粒径が5〜30mmの範囲にないものを含むこともできる。ただし、平均粒径が5mm未満のものを多量に含有すると、ガラス発泡骨材の間の空隙が少なくなって、断熱特性と通気性と通水性が低下する。したがって、5mm以下のガラス発泡骨材の含有量は20重量%以下とする。また、平均粒径が30mmを越えるガラス発泡骨材を多量に含有する発泡断熱層は、空隙が大きくなって強度が低下するので、このガラス発泡骨材の含有量も全体の20重量%以下とする。
【0032】
表面層22は、天然石からなる玉砂利等の骨材26を、間に隙間ができるようにバインダーで結合して製作される。表面層22の骨材26は、バインダーで表面が被覆される。この表面層22は、骨材26の表面に付着しているバインダーを洗い出しして除去することができる。この表面層22は骨材表面が表出するので、美しい表面に仕上げることができる。また、表面層22は、骨材26の表面を平面研磨して、骨材26を表出させることもできる。この表面層22は、上面を平面状にできると共に、骨材26で美しく仕上げることができる。
【0033】
以上の構造の断熱透水敷設ブロックは、以下のようにして製作される。
(1) 図3に示すように、型枠24に、バインダーであるモルタル25と骨材26を混合して充填する。型枠24は、上方を開口して、内面形状を直方体としている。型枠24の内形は、断熱透水敷設ブロックの大きさを特定する。断熱透水敷設ブロックは、好ましくは1辺を20〜50cmとする四角形で、厚さを5〜15cmとする直方体である。
【0034】
モルタル25は、骨材26の間に隙間ができるようにして骨材26を結合する。この状態でモルタル25が骨材26を結合するように、水の添加量が調整される。すなわち、モルタル25は骨材26の表面を被覆して、隣接する骨材26との接点で骨材26を結合して、骨材26の間には空隙を設ける。骨材26には、平均粒径を5〜10mmとする玉砂利を使用する。
【0035】
骨材26とモルタル25で成形される表面層22は、厚さを約10mmとする。ただし、骨材26の平均粒径が小さい場合、10mm以下とすることもでき、また骨材26の平均粒径が大きい場合は10mmよりも厚くすることもできる。表面層22を厚くすると断熱透水敷設ブロックの表面強度が向上する。表面層22を薄くすると断熱透水敷設ブロックを軽くできる。表面層22の厚さは、要求される強度と重量から最適値とするが、好ましくは5〜20mmとする。ただ、表面層22は、少なくとも骨材26の平均粒径よりも厚くする。少なくとも1層に骨材26を並べて表面層22とするためである。
【0036】
(2) 骨材26に混合しているモルタル25が硬化しないときに、ガラス発泡骨材23をバインダーであるモルタル25と混合して型枠24に充填する。このモルタル25は、ガラス発泡骨材23の間に隙間ができるようにガラス発泡骨材23を結合する。さらに、ガラス発泡骨材23と骨材26に混合しているモルタル25が互いに結合されて、ガラス発泡骨材23と骨材26とを結合して、発泡断熱層21と表面層22とが一体的に結合される。ガラス発泡骨材23とモルタル25の混合体を充填した後、その上面を平面状にコテで均す。成形される断熱透水敷設ブロックの底面を平面状にするためである。
【0037】
(3) モルタル25が硬化し、あるいはガラス発泡骨材23と骨材26を型くずれしない程度に結合した状態で、型枠24内で成形された断熱透水敷設ブロックを型枠24から脱型する。
【0038】
さらに、モルタル25を硬化させて、断熱透水敷設ブロックを完成する。以上の方法で製作された断熱透水敷設ブロックは、骨材26の表面をモルタル25で被覆している。骨材表面のモルタル25を除去して、表面に骨材26を表出させる表面断熱透水敷設ブロックにできる。このことを実現するには、(1)の工程で、型枠24の内面にモルタル25の硬化を遅らせる遅延材を配設して、骨材26を結合するモルタル25の硬化を遅らせる。骨材表面のモルタル25が未硬化な状態で発泡断熱層21と表面層22からなるブロックを脱型し、骨材表面のモルタル25を洗い出しして除去する。遅延材には、遅延シートを使用する。
【0039】
さらに、断熱透水敷設ブロックは、モルタル25を硬化させた後、表面層22の骨材26を平面研磨して、骨材26を表出させて、表面を美しく仕上げることもできる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の断熱透水敷設ブロックは、屋上や歩道を極めて涼しくしながら、その上を快適に歩くことができる特長がある。それは、本発明の断熱透水敷設ブロックが、ガラス発泡体を所定の粒状にしてなるガラス発泡骨材をバインダーで無数の空隙ができる状態で結合している発泡断熱層の上面に、天然石からなる骨材をバインダーで空隙ができるように結合している表面層を積層して全体の形状を直方体に成形しているからである。この構造の断熱透水敷設ブロックは、ガラス発泡骨材を結合している発泡断熱層で優れた断熱特性を実現でき、さらに、天然石からなる骨材をバインダーで結合している表面層で表面を充分な強度にできる。したがって、本発明の断熱透水敷設ブロックは、ガラス発泡体の発泡倍率を高くして断熱特性を向上できると共に、断熱透水敷設ブロックの上を歩いても、割れたり欠けるのを有効に防止できる。さらに、この断熱透水敷設ブロックは、積層される発泡断熱層と表面層とを無数の空隙ができるようにバインダーで結合しているので、通気性と通水性に優れ、断熱透水敷設ブロックとして理想的な特性を実現できる。
【0041】
さらに、本発明の断熱透水敷設ブロックは、ガラス発泡骨材で発泡断熱層を、天然石からなる骨材で表面層を構成しているので、太陽の紫外線で劣化することがなく、長期間にわたって屋上や歩道を涼しくできる。さらに、本発明の断熱透水敷設ブロックは、ユーザーが簡単かつ容易に、屋上や歩道に敷設して施工コストを安くできる特長もある。
【0042】
さらに、本発明の断熱透水敷設ブロックの製造方法は、型枠にバインダーであるモルタルと骨材を混合して充填した後、ガラス発泡骨材を混合して充填し、モルタルで骨材とガラス発泡骨材とを空隙ができるように結合するので、極めて簡単に断熱特性と強度に優れた断熱透水敷設ブロックを製造できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断熱透水敷設ブロックの斜視図
【図2】ガラス発泡骨材の製造装置を示す概略断面図
【図3】本発明の実施例の断熱透水敷設ブロックの製造方法の一工程を示す断面図
【符号の説明】
1…焼成炉
2…焼成コンベア 表面層
3…予備加熱コンベア ガラス発泡骨材
4…冷却機
5…破砕機
6…ホッパー
7…原料タンク
8…フィーダー
9…急冷破砕機
10…散水ノズル
11…散水ノズル
12…フィーダー
21…発泡断熱層
22…表面層
23…ガラス発泡骨材
24…型枠
25…モルタル
26…骨材
Claims (9)
- 連続気泡を有するガラス発泡体を所定の粒状にしてなるガラス発泡骨材(23)をバインダーで発泡骨材の間に無数の空隙ができる状態で結合している発泡断熱層(21)と、この発泡断熱層(21)の上面に、天然石からなる骨材(26)をバインダーで空隙ができるように結合してなる表面層(22)とからなり、発泡断熱層(21)と表面層(22)とを積層して全体の形状を直方体に成形してなる屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロック。
- ガラス発泡骨材(23)が、廃棄ガラスを発泡焼成して破砕したものである請求項1に記載される屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロック。
- 発泡断熱層(21)の比重が0.2〜0.6である請求項1に記載される屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロック。
- 表面層(22)の骨材(26)を洗い出しして、骨材(26)の表面のバインダーを除去している請求項1に記載される屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロック。
- 表面層(22)の骨材(26)を平面研磨して、骨材(26)を表出させている請求項1に記載される屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロック。
- 型枠(24)に、バインダーであるモルタル(25)と骨材(26)を混合して充填した後、モルタル(25)が硬化しないときに、連続気泡を有するガラス発泡体を所定の粒度としてなるガラス発泡骨材(23)をバインダーであるモルタル(25)に混合して充填し、モルタル(25)で骨材(26)とガラス発泡骨材(23)とを空隙ができるように結合する屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックの製造方法。
- 型枠(24)の内面にモルタル(25)の硬化を遅らせる遅延材を配設し、骨材表面のモルタル(25)が未硬化な状態で発泡断熱層(21)と表面層(22)からなる断熱透水敷設ブロックを脱型し、骨材表面のモルタル(25)を洗い出しして除去する請求項6に記載される断熱敷設ブロックの製造方法。
- 遅延材に遅延シートを使用する請求項7に記載される屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックの製造方法。
- 表面層(22)の骨材(26)を平面研磨して、骨材(26)を表出させている請求項6に記載される屋根と歩道に敷設される断熱透水敷設ブロックの製造方法。
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