JP2000136501A - 透水性セラミックブロックおよびその製造方法 - Google Patents

透水性セラミックブロックおよびその製造方法

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JP2000136501A JP10310741A JP31074198A JP2000136501A JP 2000136501 A JP2000136501 A JP 2000136501A JP 10310741 A JP10310741 A JP 10310741A JP 31074198 A JP31074198 A JP 31074198A JP 2000136501 A JP2000136501 A JP 2000136501A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】たとえば、車道、歩道、などの道路構造物や、
公園その他の広場、駐車場、各種建造物(ビルなど)の
外構の舗装に好適な透水性セラミックブロックを提供す
る。 【解決手段】下水汚泥溶融スラグまたはゴミ溶融スラグ
のうち少なくとも1種を主体とした骨材を焼結バインダ
で一体化した透水性セラミックブロックであり、X線回
折により得られる回折ピークの、CaOとSiO2、ある
いはCaOとAl2O3とSiO2を含む複酸化物の結晶構造
に起因する回折ピークから計算された結晶性成分の含有
量が50〜100重量%の範囲にあることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、車道、
歩道、などの道路構造物や、公園その他の広場、駐車
場、各種建造物(ビルなど)の外構の舗装に適した透水
性セラミックブロックおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、雨水を地中に還元することによっ
て下水道や都市河川に流入する雨水を低減し、下水処理
場の負担を軽減したり、河川の氾濫を防止したりするこ
とが重要な課題となっている。また、雨水を地中に還元
することによって地下水の枯渇を防ぎ、地盤沈下を防止
したり、都市部における植裁を促進したりすることも重
要なことである。さらに、降雨時の跳ね返りが少なく、
水たまりのできにくい、歩行感に優れた歩道も要求され
ている。透水性ブロックは、このような要求を満たすの
に好適な材料として注目されている。
【0003】さて、そのような透水性ブロックとして
は、たとえば、骨材をセメントで結合させ、ある程度の
空隙を有するブロック、いわゆる透水性インターロッキ
ングブロックがあり、各社より商品化されている。しか
しながらセメントの結合力には限界があり、透水性を高
める代わりに強度が低くなったり、逆に強度の低下を防
ぐため、セメントバインダ量を増やしたり、骨材粒度を
小さくしたりしているが、透水性が充分でない、あるい
は透水性の経時劣化が激しいなどの問題がある。また、
ブロック表面におけるCa の炭酸化による白華現象(は
な垂れ現象)や、汚れの付着しやすさ、洗浄回復のしに
くさなど各種の問題が指摘されている。
【0004】また原料として陶磁器質骨材を用いた透水
性セラミックブロックがあるが、これらは原料枯渇問題
が指摘されており、また発生量が景気動向に左右された
り、コストが高いなどの問題がある。
【0005】また、別の問題として、下水汚泥や都市ゴ
ミは、溶融スラグ化して埋め立て処分以外の有効な用途
が検討されているが、今のところ路盤材やコンクリート
骨材などの用途が大半であり、下水処理場やゴミ処理場
を持つ自治体などでは、下水汚泥溶融スラグやゴミ溶融
スラグの有効な利用方法を見つけられないでいる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来の透水性インターロッキングブロックの上述した問題
点を解決し、透水性や強度に優れているばかりか、保水
性に優れ、特に歩道、公園その他の広場を舗装するのに
好適な透水性セラミックブロックおよびその製造方法を
提供するにある。
【0007】また、透水性セラミックブロックの原料を
安価で安定的に供給することにある。
【0008】さらに、処分に困っている下水汚泥溶融ス
ラグやゴミ溶融スラグを主骨材とすることで有効利用を
図ることも目的のひとつである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、下水汚泥溶融スラグまたはゴミ溶融ス
ラグのうちの少なくとも1種を主体とした骨材を焼結バ
インダで一体化した透水性セラミックブロックであっ
て、X線回折により明確な回折ピークが得られ、CaO
とSiO2あるいはCaOとAl2O3とSiO2を含む複酸化
物の結晶構造を有していることを特徴とする透水性セラ
ミックブロックを提供する。
【0010】ここで、下水汚泥溶融スラグとしては、下
水を汚水と汚泥に分離した後、汚泥を濃縮、脱水したケ
ーキをさらに溶融し、回収後、冷却して得たものが一般
的で、冷却方法により水砕スラグ、空冷スラグ、徐冷ス
ラグなどがある。
【0011】ゴミ溶融スラグとしては、都市ゴミを焼
却、溶融し、回収後、冷却して得たものが一般的で、冷
却方法により水砕スラグ、空冷スラグ、徐冷スラグなど
がある。
【0012】骨材として使用するには、天然原料に比
べ、安価であり、大量に消費する土木建築材料用の用途
としては最適である。
【0013】水砕スラグは、融液を水で急激に冷却し粒
子も細かな砂状になる。その粒度分布は、透水性ブロッ
クの骨材とするに好ましい粒度分布である。そのため、
下水汚泥溶融スラグやゴミ溶融スラグとして水砕スラグ
を用いることが好ましい。これらの骨材が主体であれ
ば、他の種類の骨材や焼結バインダーを加えることは構
わない。
【0014】水砕スラグは通常は、融液からの急冷によ
って得られるため、結晶化度の極めて低いガラス質であ
る。このままでは低強度、脆性材質のため、ブロックと
しての構造的な強度の確保が困難である。しかし、本特
許では、焼結バインダーと一体化させるプロセスにより
水砕スラグを結晶化させるため、所定の強度の確保がで
きている。すなわち、そのブロックにおいて、X線回折
により得られる回折ピークの、CaOとSiO2あるいは
CaOとAl23とSiO2を含む複酸化物の結晶構造に起
因する回折ピークから計算された結晶性成分の含有量が
50〜100重量%の範囲内にあることを特徴とする。
【0015】ここで、結晶性成分の含有量は、Cu−K
α線を用いたX線回折によって得られる回折角(2θ)
が20〜55°の範囲に存在する回折ピークのうち、C
aOとSiO2、あるいはCaOとAl2O3とSiO2を含む
複酸化物の結晶構造に起因する回折ピークから、以下の
ように求められる。
【0016】CaOとSiO2、あるいはCaOとAl2O3
とSiO2を含む複酸化物の結晶成分の定量化は、いわゆ
る内部標準法によって行う。
【0017】まず、定量化したい結晶の純粋な粉末試料
と、標準試料として純粋なアルミナ粉末[合成コランダ
ム(α−Al2O3)]を準備する。この純粋な結晶粉
末と純アルミナ粉末を1:1の重量比に混合し、X線回
折を行い、両者の主回折ピークの強度比を調べ、標準デ
ータとする。
【0018】次いで、焼成後の下水汚泥溶融スラグある
いはゴミ溶融スラグの粉砕物と純アルミナ粉末を1:1
の重量比に混合し、X線回折を行い、上記と同じ両者の
ピークの強度を調べ、標準データと比較する。こうして
焼成後の下水汚泥溶融スラグあるいはゴミ溶融スラグ中
における知りたい結晶性成分の重量%が求められる。
【0019】CaOとSiO2、あるいはCaOとAl
2O3とSiO2を含む複酸化物をしてはアノルサイト
(CaO・2SiO2・Al2O3)、またはβ−ウォ
ラストナイト(CaO・SiO2)、あるいはゲーレナ
イト(2CaO・SiO2・Al2O3)などがあり、
各々の結晶について、上記の測定を行い、それらの結晶
成分の重量比の合計を結晶成分の含有量とする。
【0020】CaOとSiO2、あるいはCaOとAl2O3
とSiO2を含む複酸化物の結晶成分の含有量が50〜1
00%の範囲内にあると、骨材を構成する粒子の結晶の
強度が高く、ブロックの所定の強度が確保できる。該結
晶成分の含有量がこの範囲より小さいと実質的にガラス
質の粒子が多く強度を保つことが困難になる。また、C
aOとSiO2、あるいはCaOとAl2O3とSiO2を含む
複酸化物をアノルサイト、β−ウォラストナイト、ゲー
レナイトの3種に特定して、その結晶性成分の合計含有
量が50〜100重量%の範囲内であると、さらに望ま
しい。
【0021】本発明の透水性セラミックブロックは、前
記断面において観察される骨材、あるいは焼結バインダ
と一体化した骨材が、実質的に4.75〜0.5mmの
粒子とその周囲に存在する0.5mm以下の粒子により
構成されている。骨材部分が、このような0.5mm以
上の粗粒骨材同士を0.5mm以下の微粒子がその隙間
を埋める構造をなすことによって、粒子同士の結合力が
高まり、ブロックの強度が向上する。
【0022】また、粗粒骨材間に微粒子が位置すること
によって、焼成の際、粗粒骨材の膨張を吸収し、ブロッ
ク全体の堆積包丁を緩和するため、焼成による形状変形
や表層にクラックが発生する現象を抑制する効果があ
る。
【0023】さらに、粗粒の周囲に存在する0.5mm
以下の微粒子が陶磁器質を主体とした粒子であると、上
述した効果が更に高まるため好ましい。
【0024】ここで、骨材に用いる陶磁器質の粒子は、
陶器質粒子、磁器質粒子のいずれでもよく、また、両方
が混在していても構わない。具体的には、陶器質粒子と
しては瓦屑や陶管屑等を用いることができる。また、磁
器質粒子には磁器タイル屑や電力用碍子屑等を用いるこ
とができ、これらを1種以上混合して使用してもよい。
【0025】ブロックの空隙率が10〜40%の範囲に
あることは、強度と透水機能と保水機能を同時に満足さ
せるための条件である。保水量は、空隙の量だけでな
く、空隙の大きさにも影響され、空隙が大きすぎると、
水は透過しやすく保水量は小さくなる。空隙が小さすぎ
ると大気圧下での空隙内への吸水量が少なく、やはり保
水量は小さくなる。この場合、空隙量に対する保水量は
高くなる可能性はあるが、透水性を損なってしまう。
【0026】保水機能を満足している場合、アスファル
ト舗装やコンクリート舗装などとは異なり、路面温度の
著しい上昇を防ぐ効果がある。これは、雨上がりや散水
時に、ブロック内に貯えられた水が徐々に蒸発する作用
を持つからである。また、透水機能と保水機能の両方を
満足することで、雨上がりや散水時に限らず、地盤から
の水分蒸発を促し、やはり、路面温度上昇防止に効果が
期待できる。
【0027】空隙率は、ブロックから表層を切削、除去
し、さらに約5×5×5cm角の試験片を切り出し、1
05℃で24時間乾燥した後に室温まで冷却し、重量w
(g)と体積V(cm3 )からかさ密度ρ1 =w/Vを
求め、これと、同様に処理した、試験片についてアルキ
メデス法で求めた見掛け密度ρ2 から、次式によって求
める。
【0028】 空隙率(%)=(1−ρ1 /ρ2 )×100 ブロックを任意の位置で切断し研磨した断面であって、
ブロック周囲のおよそ10mm厚の皮相部分を除いた内
側の断面において、任意の20mmの長さの直線を引い
て測定したときに、該直線上で確認される、骨材の粒子
径が最大9.5mmを実質的に越えることはなく、か
つ、骨材あるいは焼結バインダと一体化した骨材の実質
的個数が平均4〜20個存在し、さらには、骨材あるい
は焼結バインダと一体化した骨材の存在していない部分
を空隙とした時、該空隙の個数が、平均4〜18個存在
していることが好ましい。
【0029】さらに、20mmの直線上に存在する、骨
材あるいは焼結バインダと一体化した骨材および空隙の
それぞれの個数が、平均4〜10個であるとより好まし
い。
【0030】本発明では、ブロック中の骨材あるいは焼
結バインダと一体化した骨材および空隙の大きさや個数
を次のようにして特定する。すなわち、ブロックを任意
の位置で切断し研磨した断面のうち、ブロック周囲のお
よそ10mm厚の皮相部分を除いた内側の断面におい
て、任意の直線を引き、骨材あるいは焼結バインダと一
体化した骨材の輪郭線によって寸断された線分それぞれ
の長さを測定し、その骨材の粒径とする。ブロック周囲
のおよそ10mm厚の皮相部分を除くのは、ブロックの
表面には、意匠性を高めたり他の機能を付与するために
別の材料で構成させることがあるからである。下水汚泥
溶融スラグやゴミ溶融スラグ骨材には粒内に気孔を有す
るものもあるが、この粒内の気孔の周囲は、骨材の輪郭
線とは考えない。直線上で断面と同一平面上で骨材の存
在していない部分を空隙と見なす。骨材や空隙の個数を
数える際は、直線に一部でも交わっている骨材や空隙は
1個と数える。直線端部で交わり、交点を両端に持たな
い骨材や空隙も1個と数える。ブロックの切断および研
磨は骨材粒子が脱落しないように慎重に行う必要があ
る。
【0031】より正確な測定値を得るために、約4×4
cm以上の面積の断面3ヶ所以上について、それぞれ2
0mmの直線を2本以上引き、それぞれにおける測定値
の平均をとることが好ましい。さらに、2〜20倍の倍
率のルーペ、顕微鏡、拡大投影機などを用いることが好
ましい。また、断面上にある骨材と、断面上ではなく空
隙の奥に覗く骨材とを区別するため、断面上の骨材のみ
を着色したり、焦点深度の浅い顕微鏡などにより、断面
上の骨材のみを浮き上がらせてもよい。
【0032】骨材あるいは骨材と焼結バインダが一体化
した粒子のどちらかの大きさで規定しているのは、焼結
バインダの種類や焼成条件などにより、骨材と焼結バイ
ンダの境界が不明確になっている場合もあるためであ
る。が、ここでは、骨材単味の大きさよりも骨材と空隙
の配置のバランスが重要と考えているので問題はない。
【0033】骨材あるいは焼結バインダと一体化した骨
材の大きさは、最大9.5mmを越えると、強度が損な
われるし、ブロック内部で確認されるそのような大きな
粒子がブロック表面にも存在してしまうと製品の欠陥と
なって表面平滑性や、意匠性が損なわれる。
【0034】20mmの直線上に存在する、骨材あるい
は焼結バインダと一体化した骨材の個数は、平均4〜2
0個であることが好ましく、4個より少ないと、骨材あ
るいは焼結バインダと一体化した骨材の寸法が大きすぎ
るか、連続する空隙が多くなり、強度の低下につなが
る。20個より多いと、骨材あるいは焼結バインダと一
体化した骨材の寸法が小さすぎ、微粒子が多いことで、
成形時の充填性を阻害した結果、焼成後の強度が不充分
になり、また、空隙の大きさも小さな部分が増え、透水
性が低下するようになる。
【0035】20mmの直線上に存在する、空隙の個数
は、平均4〜18個であることがさらに好ましく、上記
骨材の個数と同様の理由があるが、付け加えるならば、
透水機能を充分に発現させるためには、骨材同士が隣接
するよりも骨材同士は部分的な結合のみで大部分は空隙
と隣接している方が好ましい。すなわち、任意の直線上
において、骨材と空隙はほぼ交互に存在している形に近
いほど好ましい。このことは、骨材と空隙の個数がほぼ
同数に近くなることと等しい。
【0036】さらに、20mmの直線上に存在する、骨
材あるいは焼結バインダと一体化した骨材および空隙の
それぞれの個数が、平均4〜10個であるとより好まし
い。
【0037】強度と透水機能をさらにバランスよく発現
させようとすると、この範囲内にあることが必要であ
り、10個より多いと、強度と透水機能のどちらかは、
少し損なわれてしまう。
【0038】さらに、該セラミックブロックは、灼熱減
量が3%以下であることが好ましい。
【0039】灼熱減量は、3%より多いと、焼成不足に
よる未反応物が存在している証拠であり、強度が不十分
である。また、透水性を阻害したり、目詰まりの原因に
なったりする。灼熱減量は、強熱減量とも呼び、105
℃で24時間乾燥した後、室温まで冷却した製品の重量
に対し、1000℃30分間加熱し、冷却後の減量を百
分率で示したものである。
【0040】さらに、上記のような透水性セラミックブ
ロックを厚さが20〜80mmの基材とし、陶磁器質粒
子を主体とした骨材からなり、空隙率が25〜45%で
かつ、基材よりも高い空隙率を有する厚さ3〜10mm
のプレートを表層とした2層構造を成していることが好
ましく、その透水性セラミックブロックにおいて、表層
のモース硬度が6以上で、ASTM E303に準拠し
て求めた湿潤時における滑り抵抗値が40BPN以上で
あることが好ましい。
【0041】陶磁器質粒子を主体とした骨材としたの
は、表面が汚れにくく、しかも水洗などによる洗浄が容
易であるからである。また、摩耗しにくく、美観の維持
や、摩耗によって生じた骨材粉が表層表面に存在するよ
うになって湿潤時か否かに関わらず滑りやすくなるから
である。かかる傾向は、表層表面のモース硬度が6未満
である時に特に顕著になる。空隙率が25〜45%でか
つ、基材よりも高い空隙率を有する表層としたのは、そ
の場合、雨水などは積極的に流下させるが土砂などの目
詰まり成分の侵入は抑制できる。もちろん下水汚泥溶融
スラグを主体とした骨材で表層を構成してもかまわな
い。
【0042】ここで、表層に用いる陶磁器質の粒子は、
陶器質粒子、磁器質粒子のいずれでもよく、また、両方
が混在していても構わない。具体的には、陶器質粒子と
しては瓦屑や陶管屑等を用いることができる。また、磁
器質粒子には磁器タイル屑や電力用碍子屑等を用いるこ
とができ、これらを1種以上混合して使用してもよい。
【0043】さらに、それらの透水性セラミックブロッ
クの、側面形状が台形であると好ましい。台形とするこ
とで施工時における表層の欠けなどを防止でき、また、
ブロック間に適度な幅の目地を形成できるようになる。
もっとも、上底と下底との長さの差は、歩行感や、ハイ
ヒール歩行、車椅子による走行の容易性などを考慮して
3mm以下と小さくしてある。
【0044】または、それらの透水性セラミックブロッ
クの、側面に目地幅規制用の突起が設けられていること
が好ましい。その突起の厚みは1〜3mm程度、高さは
10〜80mm程度である。なお、突起は、ブロックを
敷き詰めたときに隣接するブロックの突起同士が当たら
ない位置に設けておく。
【0045】上述の透水性ブロックを一実施態様として
図に示すと、図1、図2に示すような形状になる。すな
わち、厚みが3〜10mmほどの表層1と、基層2との
層状構成を有している。全体厚みは、作用する荷重など
を考慮して40〜100mm程度にしてある。平面形状
は方形で、大きさは、施工の容易性などを考慮して一辺
の長さが90〜400mm程度の正方形か長方形にして
ある。
【0046】本発明において、ブロックの曲げ強さは、
JIS A1106に、圧縮強さは、JIS R220
6に、それぞれ準拠して求めた。
【0047】また、本発明では、下水汚泥溶融スラグお
よびゴミ溶融スラグから選ばれる1種以上を75重量%
以上含み、かつ0.5mm以下の粒子を7〜25重量%
含む骨材と焼結バインダを含む混合物を成形した後、8
00〜1200℃で焼成する方法であって、下水汚泥溶
融スラグまたはゴミ溶融スラグがガラス質を主体として
おり、焼成する工程において結晶化を進行させ、X線回
折により、CaOとSiO2、あるいはCaOとAl2O3と
SiO2を含む複酸化物の結晶構造を示す明確な回折ピー
クが得られ、CaOとSiO2、あるいはCaOとAl2O3
とSiO2を含む複酸化物の結晶構造に起因する回折ピー
クから計算された結晶性成分の含有量が50〜100重
量%の範囲内にあることを特徴とする透水性セラミック
ブロックの製造方法を提供する。
【0048】ここで、骨材に0.5mm以下の粒子を7
〜25重量%含むことにより、0.5mm以上の粗粒骨
材同士を焼結バインダにより結合させるに際し、0.5
mm以下の微粒子がその隙間を埋め、粒子同士の結合力
が高まり、ブロックとしての強度が向上する。
【0049】また、粗粒骨材間に微粒子が位置すること
によって、焼成の際、粗粒骨材の膨張を吸収し、ブロッ
ク全体の堆積包丁を緩和するため、焼成による形状変形
や表層にクラックが発生する現象を抑制する効果があ
る。
【0050】0.5mm以下の微粒子が7重量%以下の
場合は、上述した効果が不十分であり、高い強度のもの
が得られなかったり、ブロックの形状変形や、クラック
が発生することが多くなる。また、25重量%以上では
骨材粒子の間隙を埋める量が多くなり、透水性が損なわ
れるため、好ましくない。
【0051】該骨材に用いる0.5mm以下の粒子とし
ては、特に限定するものではないが、陶磁器質粒子を用
いるのが好ましい。ここで、骨材に用いる陶磁器質の粒
子は、陶器質粒子、磁器質粒子のいずれでもよく、ま
た、両方が混在していても構わない。具体的には、陶器
質粒子としては瓦屑や陶管屑等を用いることができる。
また、磁器質粒子には磁器タイル屑や電力用碍子屑等を
用いることができ、これらを1種以上混合して使用して
もよい。
【0052】主体となる骨材である下水汚泥溶融スラグ
およびゴミ溶融スラグは、4.75mm以下の粒子が8
0重量%以上であり、該焼結バインダが、長石、粘土、
天然石、陶磁器、ガラス、下水汚泥溶融スラグ、下水汚
泥焼却灰、ゴミ溶融スラグ、ゴミ焼却灰の粉末から選ば
れた少なくとも1種類であり、成形用糊剤として、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロー
ス、でんぷん、水ガラスおよびセメントから選ばれた少
なくとも1種類を用いることが好ましい。
【0053】該成形する工程において、振動プレスを用
いることが好ましい。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の透水性ブロックの
製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0055】まず、骨材に糊剤、焼結バインダーを添
加、混合して調製する。
【0056】骨材は、下水汚泥溶融スラグおよびゴミ溶
融スラグから選ばれる1種以上を75重量%以上含んで
おり、4.75mm以下の粒子が80重量%以上である
ものとする。
【0057】骨材に下水汚泥溶融スラグやゴミ溶融スラ
グ以外の原料が25%以上含まれると、下水汚泥溶融ス
ラグやゴミ溶融スラグが安価であるという特長が失わ
れ、また、下水汚泥や都市ゴミの処分や有効活用の効果
も小さくなる。4.75mm以下の粒子が80重量%未
満になると強度や製品表面平滑度を損なう。
【0058】骨材の粒度分布は、1.18〜0.5mm
の範囲が30重量%未満、0.5mm以下の範囲が10
重量%未満であるとより好ましく、上述した製品の特
性、すなわち強度や製品平滑性、透水性がさらに向上す
る。
【0059】なお、この発明において骨材粒度分布は、
JIS Z8801に規定されたふるいで骨材2kgを
ふるい分け、その重量比で表す。
【0060】本発明で用いる下水汚泥溶融スラグやゴミ
溶融スラグは、ガラス質を主体としている。結晶化して
いるスラグは、4.75mm以下の粒子が80重量%以
下になるケースが多く、粉砕する必要もでてくるし、粉
砕するにしてもガラス質に比べ粉砕しにくいため、所定
の粒度分布に調整するための粉砕、分級の工程に余分な
エネルギーを必要とするからである。また、ガラス質の
スラグは溶融状態から急冷して得ることが多く、粒子が
細かな砂状になっており、粒度調整が不要となるか調整
するとしてもごく簡単な粉砕分級か、他の粒度分布を持
つ骨材の25重量%以下の配合で済む。
【0061】さらに、ガラス質の骨材は、焼成により結
晶化を進行させる。ガラス質の骨材は、焼成時に焼結バ
インダーや他の骨材、添加剤などと極めて反応しやすく
強固な結合が進み、さらに焼成工程で発熱反応を伴って
結晶化することで、体積が膨張し、焼結バインダや他の
骨材の焼成中の収縮を相殺するように作用し、内部ひず
みを少なくしたり、透水性や寸法精度の優れた焼結体が
得られる効果があるからである。
【0062】下水汚泥溶融スラグやゴミ溶融スラグの骨
材がガラス質であるかどうかは、例えば、X線回折によ
り確認できる。スラグ粒子を細かく砕いた粉体サンプル
のX線回折パターンを調べ、明確な回折ピークが認めら
れない場合、ガラス質と判断できる。
【0063】また、焼成する工程において結晶化が進行
したかどうかも、焼成後のブロック断面のX線回折パタ
−ンあるいは焼成と同じ温度履歴を与えたスラグ粒子を
砕いた粉体サンプルのX線回折パターンを調べ、回折ピ
ークが得られれば結晶化が進行したと判断できる。本発
明では、CaOとSiO2あるいはCaOとAl2O3とSiO
2を含む複酸化物の結晶構造を示す明確な回折ピークが
認められることを特徴としている。これらの複酸化物は
化学的に安定な結晶質であり、舗装材として使用される
ブロックに使用されるに適している。
【0064】一方、焼結バインダとしては、骨材よりも
融点の低いあるいは粒度分布の小さい長石、粘土、天然
石、陶磁器、ガラス、下水汚泥溶融スラグ、下水汚泥焼
却灰やゴミ溶融スラグ、ゴミ焼却灰の粉末を用いること
ができる。焼成中に骨材やバインダーに発生する歪みを
小さくするために、バインダーの熱膨張率は、骨材のそ
れと同等かそれ以上であるのが好ましい。バインダは焼
成時に溶融して骨材同士を結合するが、バインダの最大
粒径は、骨材同士の結合が一様に行われるように、ま
た、焼成時の溶融に時間がかかってエネルギーコストが
上昇しないよう、0.5mm以下とするのが好ましい。
また、バインダの量は、ブロックの強度や透水性を考慮
しながら決めるが、通常、骨材100重量部に対して3
〜20重量部ほど添加する。
【0065】また、成形用糊剤としては、カルボキシメ
チルセルロース(CMC)、メチルセルロース、でんぷ
んなどの有機糊剤や、水ガラスやセメントなどの無機質
糊剤を用いることができる。通常、粉体形状のものは、
加水して水溶液やペーストの形で用いる。ただし、乾粉
で混合し、その混合物に後から加水する方法をとっても
良い。
【0066】糊剤の量は、後の成形時における保形性や
焼成時における成形体のハンドリング性などを考慮して
決めるが、通常、骨材100重量部に対して5〜20重
量部ほど添加する。
【0067】さて、骨材と糊剤、焼結バインダを混合す
る際、まず、骨材に、液状にした糊剤を、たとえばシャ
ワーにして少しずつ添加しながら混合すると良い。次に
骨材と糊剤の混合物に焼結バインダを少しずつ添加しな
がら混合すると良い。ここで、骨材と糊剤とをあらかじ
め混合しておき、その混合物に焼結バインダをさらに添
加、混合するのは、まず骨材表面に液状糊剤を均一に行
き渡らせるためであり、これら3者を同時に混合すると
糊剤と細かい焼結バインダとが凝集しやすく、凝集した
糊剤が成形時に型に付着したり、糊剤と焼結バインダが
凝集することで本来の結合の作用が低下してしまう。同
じ目的で、骨材に含まれる微粒、たとえば、0.5mm
以下の粒子は、予めふるい分けしておいて、焼結バイン
ダと同様に、0.5mm以上の骨材と糊剤を混合した後
に、添加することも好ましい。
【0068】粉体形状の糊剤をまず乾粉で混合し、その
混合物に後から加水することもできるが、この方法は、
糊剤を液状にすると、高粘性で分散性が悪く、凝集が生
じやすいような場合には非常に効果的である。
【0069】上述の基材のみでブロックとすることもで
きるが、基材の上に別仕様の表層を構成させることも好
ましい。その場合、成形する工程において、厚さが20
〜80mmの基材の上に、厚さ3〜10mmの表層を構
成させることが好ましい。
【0070】その表層材料もまた、基材と同様に調製す
る。
【0071】表層材料には、最大寸法5.0mm以下で
あり、0.5mm以下の範囲に10重量%未満である粒
度分布を持った磁器質を50%以上含む骨材や、また
は、最大寸法5.0mm以下であり、0.5mm以下の
範囲に10重量%未満である粒度分布を持った下水汚泥
溶融スラグやゴミ溶融スラグを50重量%以上含む骨材
を用いる。両者を混合して使用しても良い。
【0072】磁器としては、磁器質のタイルや電力用碍
子などの廃材を用いることができる。
【0073】骨材の最大寸法が5mm以上になると、湿
潤時における表層の滑り抵抗値が小さくなり、降雨時な
どの湿潤時に滑りやすくなる。滑り抵抗値は、ASTM
E303に準拠して求める。0.5mm以下の範囲の
粒子が10重量%以上だと、成形時の充填性が悪く、焼
成時に基層と表層とで収縮挙動が異なり、層間の歪みや
表層内のきれつの発生原因となる。また、空隙の寸法
も、小さな部分が増え、透水性が低下してしまう。
【0074】表層を着色するために、表層材料を調製す
るときそれに顔料を加えることができる。顔料として
は、酸化鉄系、酸化チタン系、酸化コバルト系などの粉
末を用いることができ、通常、骨材に添加、混合する。
顔料の量は、その発色の程度などにもよるが、骨材10
0重量部に対して0.2〜10重量部ほど添加する。
【0075】また、表層材料を調製する時に、寸法が骨
材と同等かそれより小さな斑点材料を加えて、表面意匠
を天然石風にしたり、多彩な模様を形成させ、意匠性を
向上させることができる。斑点材料としては、既に着色
された人工の無機粒子や、ウンモ、マンガン、鉄、鉄鋼
スラグ、下水汚泥溶融スラグ、ゴミ溶融スラグ、ざくろ
石など、焼成後に濃く発色する粒子が好ましく、その量
は、その形成模様の設計などにもよるが、骨材100重
量部に対して2〜10重量部ほど添加する。次いで、上
記材料を、型を用い、焼成後において所望する厚みにな
るよう、充填厚みを考慮しながら充填し成形する。。
【0076】基材のみでも製品にはなるが、表層との2
層の構成にする場合、まず、基層材料を型に入れ、振動
プレスを用いて一次成形した後、その上に、表層材料を
入れ、再び加圧して成形する。
【0077】次に上述した成形工程で得られた成形体を
焼成し、透水性ブロックを得る。成形体は、焼成に先立
って、乾燥するか、糊剤として水ガラスを用いている場
合には、炭酸ガスを作用させて水ガラスを一次硬化させ
るか、セメントを用いている場合には養生して水和反応
を促進させ硬化させ、ハンドリングを容易にしておく。
【0078】焼成には、トンネルキルンやローラハース
キルンなどを用いることができる。焼成条件は、骨材の
耐火度、焼結バインダの溶融挙動などを考慮して決める
が、通常、800〜1200℃の範囲とする。焼成時間
は、基層材料および表層材料の種類や成形体の大きさな
どにもよるので一概にはいえないが、2〜72時間程度
である。
【0079】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0080】実施例1 下水汚泥水砕スラグを主骨材とし、これに0.5mm以
下の磁器タイル屑粉砕物を外割で10重量部添加し、混
合骨材とした。粒径は、最大寸法4.75mmであり、
4.75〜1.18mmの範囲の粒子が63重量%、
1.18〜0.5mmの範囲の粒子が25重量%、0.
5mm以下の範囲の粒子が12重量%の粒度分布を持っ
ていた。また、この骨材をX線回折により調べた結果、
明確な回折パターンは得られなかった。(図3) これに、糊剤として水ガラス3号を骨材100重量部に
対して10重量部になるように添加混合し、得られた混
合物にバインダとして板ガラス廃材の粉末(最大寸法
0.3mm)を骨材100重量部に対して10重量部に
なるように添加、混合し基層材料を得た。
【0081】一方、磁器タイル廃材の破砕片(最大寸
法:1.7mm、0.5mm以下の範囲6重量%)を骨
材とし、これに酸化鉄系顔料を骨材100重量部に対し
て2重量部になるように添加、混合し、さらに、糊剤と
して水ガラス3号を骨材100重量部に対して8重量部
になるように添加、混合し、得られた混合物にバインダ
として板ガラス廃材の粉末(最大寸法0.3mm)を骨
材100重量部に対して8重量部となるように添加、混
合し表層材料を得た。
【0082】次に、上記基層材料を厚みが55mmにな
るように型に入れ、振動プレスを用いて1kgf/cm2
圧力で一次成形した後、その上に、上記表層材料を厚み
が15mmになるように入れ、再び1kgf/cm2 の圧力
で加圧して成形した。
【0083】次に、成形体に炭酸ガスを作用させて糊剤
である水ガラス3号を一次硬化させた後、トンネルキル
ンを用い、1100℃で4時間焼成し、大きさが100
×200mm,表層の厚みが12mm、基層の厚みが4
8mm、全体の厚みが60mmの、この発明のブロック
を得た。
【0084】このようにして得たブロックについて、特
性を評価したところ、以下の通りであった。
【0085】ブロックを任意の位置で切断し研磨した断
面のうち、ブロック周囲のおよそ10mm厚の皮相部分
を除いた内側の断面において、任意の直線を引き、焼結
バインダで包まれた骨材の輪郭線によって寸断された線
分の長さを、それぞれ測り、これを3本の直線について
行い、さらに断面3ヶ所について繰り返した。その時の
最大寸法は5.3mmであった。分級した最初の原料骨
材の最大粒径よりも大きいのは、細長い粒子では、分級
(ふるい)時には、粒子の幅(短径)が効くのに対し
て、断面上では直線が粒子の長径付近を横切る場合があ
るのと、骨材が焼結バインダで包まれているためであ
る。20mmの長さの直線上に存在する、焼結バインダ
で包まれた骨材および空隙のそれぞれの個数を求めた。
これも1つの断面について3本の直線について行い、こ
れを3ヶ所の断面について繰り返し、その9個の数値の
平均をとった。焼結バインダで包まれた骨材は、平均
7.3個存在し、空隙は、平均6.7個存在していた。
【0086】この断面について、X線回折で調べた結
果、ゲーレナイト(2CaO・Al2O3・SiO2)、アノルサ
イト(CaO・Al2O3・2SiO2)およびβ−ウォラストナ
イト(CaO・SiO2)の結晶の強い回折パターンが確認で
きた。(図4参照)このことから、焼成工程において結
晶化が進行したことがわかる。ブロックの粉砕物を用い
て、ゲーレナイト(2CaO・Al2O3・SiO2)、アノルサ
イト(CaO・Al2O3・2SiO2)およびβ−ウォラストナ
イト(CaO・SiO2)の結晶性成分の含有量を調べたとこ
ろ、75重量%であった。
【0087】灼熱減量は0.2%、空隙率が21%、透
水係数が2.2〜3.4×10-2cm/sec、表層のモース
硬度は6.5、湿潤時における滑り抵抗値が52BP
N、曲げ強度は、52〜72kgf/cm2 であった。
【0088】実施例2 ゴミ焼却灰を溶融、水冷処理した粒状物を、骨材とし
た。粒径は、最大寸法4.75mm未満であり、4.7
5〜1.18mmの範囲の粒子が68重量%、1.18
〜0.5mmの範囲の粒子が22重量%、0.5mm以
下の範囲の粒子が10重量%の粒度分布を持っていた。
【0089】これに、実施例1とほぼ同様の製造条件を
用いて製造した。
【0090】まず、糊剤として水ガラス3号を骨材10
0重量部に対して10重量部になるように添加、混合
し、得られた混合物にバインダとして板ガラス廃材の粉
末(最大寸法0.3mm)を骨材100重量部に対して
10重量部になるように添加、混合し基層材料を得た。
【0091】一方、磁器タイル廃材の破砕片(最大寸
法:1.7mm、0.5mm以下の範囲6重量%)を骨
材とし、これに酸化鉄系顔料を骨材100重量部に対し
て2重量部になるように添加、混合し、さらに、糊剤と
して水ガラス3号を骨材100重量部に対して8重量部
になるように添加混合し、得られた混合物にバインダと
して板ガラス廃材の粉末(最大寸法0.3mm)を骨材
100重量部に対して8重量部になるように添加、混合
し表層材料を得た。
【0092】次に、上記基層材料を厚みが55mmにな
るように型に入れ、振動プレスを用いて1kgf/cm2
圧力で一次成形した後、その上に、上記表層材料を厚み
が15mmになるように入れ、再び1kgf/cm2 の圧力
で加圧して成形した。
【0093】次に、成形体に炭酸ガスを作用させて糊剤
である水ガラス3号を一次硬化させた後、トンネルキル
ンを用い、1100℃で4時間焼成し、大きさが100
×200mm,表層の厚みが12mm、基層の厚みが4
8mm、全体の厚みが60mmの、この発明のブロック
を得た。
【0094】このようにして得たブロックについて、特
性を評価したところ、以下の通りであった。
【0095】ブロックを任意の位置で切断し研磨した断
面のうち、ブロック周囲のおよそ10mm厚の皮相部分
を除いた内側の断面において、任意の直線を引き、焼結
バインダで包まれた骨材の輪郭線によって寸断された線
分の長さを、それぞれ測り、これを3本の直線について
行い、さらに断面3ヶ所について繰り返した。その時の
最大寸法は5.3mmであった。分級した最初の原料骨
材の最大粒径よりも大きいのは、細長い粒子では、分級
(ふるい)時には、粒子の幅(短径)が効くのに対し
て、断面上では直線が粒子の長径付近を横切る場合があ
るのと、骨材が焼結バインダで包まれているためであ
る。20mmの長さの直線上に存在する、焼結バインダ
で包まれた骨材および空隙のそれぞれの個数を求めた。
これも1つの断面について3本の直線について行い、こ
れを3ヶ所の断面について繰り返し、その9個の数値の
平均をとった。焼結バインダで包まれた骨材は、平均
7.0個存在し、空隙は、平均7.5個存在していた。
【0096】灼熱減量は0.2%、空隙率が25%、透
水係数が2.7〜4.2×10-2cm/sec、表層のモース
硬度は6.5、湿潤時における滑り抵抗値が55BP
N、曲げ強度は、47〜65kgf/cm2 であった。
【0097】
【発明の効果】本発明の透水性ブロックおよびその製造
方法は、透水性や強度に優れていると同時に、保水性が
高く、また、表面の摩耗が少なく、湿潤時の滑り抵抗も
良好で、汚れにくく、洗浄による回復が容易である。
【0098】また、処分に困っている下水汚泥溶融スラ
グやゴミ溶融スラグの有効活用にもなり、他の高価な原
料を用いることに比べ、原料費が安くなる分、製品を安
価に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施態様にかかる透水性ブロック
の概略平面図である。
【図2】この発明の一実施態様にかかる透水性ブロック
の概略側面図である。
【図3】下水汚泥水砕スラグ骨材のX線回折パターン図
である。
【図4】下水汚泥水砕スラグ骨材を用いた本発明品の断
面におけるX線回折パターン図である。
【符号の説明】
1:表層 2:基層 3:目地幅規制用の突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D051 AA02 AB03 AD07 AD08 AF01 AF05 AF07 AF09 AH02 AH03 DA01 4G019 GA04

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下水汚泥溶融スラグまたはゴミ溶融スラグ
    のうちの少なくとも1種を主体とした骨材を焼結バイン
    ダで一体化した透水性セラミックブロックであって、X
    線回折により得られる回折ピークの、CaOとSiO2
    るいはCaOとAl23とSiO2を含む複酸化物の結晶構
    造に起因する回折ピークから計算された結晶性成分の含
    有量が、50〜100重量%の範囲内にあることを特徴
    とする透水性セラミックブロック。
  2. 【請求項2】前記複酸化物が、アノルサイト、β−ウォ
    ラストナイト、およびゲーレナイトのうちの少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1に記載の透水性セ
    ラミックブロック。
  3. 【請求項3】前記ブロックの断面において確認される骨
    材あるいは焼結バインダと一体化した骨材が、実質的に
    4.75〜0.5mmの粒子と、その周囲に存在する
    0.5mm以下の粒子により構成されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の透水性セラミックブロ
    ック。
  4. 【請求項4】前記0.5mm以下の粒子が陶磁器質を主
    体とすることを特徴とする請求項1または2に記載の透
    水性セラミックブロック。
  5. 【請求項5】前記空隙率が10〜40%であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透水性セラミ
    ックブロック。
  6. 【請求項6】前記断面において、任意の20mmの長さ
    の直線を引いて測定したときに、該直線上で確認され
    る、骨材の粒子径が最大9.5mmを実質的に越えるこ
    とはなく、かつ、骨材あるいは焼結バインダと一体化し
    た骨材の実質的個数が平均4〜20個存在することを特
    徴とする請求項3〜5のいずれかにに記載の透水性セラ
    ミックブロック。
  7. 【請求項7】前記断面において、20mmの直線上で骨
    材あるいは焼結バインダと一体化した骨材の存在してい
    ない部分を空隙としたとき、該空隙の実質的個数が、平
    均4〜18個存在していることを特徴とする請求項3〜
    6のいずれかに記載の透水性セラミックブロック。
  8. 【請求項8】前記断面において、20mmの直線上に存
    在する、骨材あるいは焼結バインダと一体化した骨材お
    よび空隙のそれぞれの個数が、平均4〜10個である請
    求項3〜7のいずれかに記載の透水性セラミックブロッ
    ク。
  9. 【請求項9】前記下水汚泥溶融スラグまたはゴミ溶融ス
    ラグが、水砕スラグである請求項1〜8のいずれかに記
    載の透水性セラミックブロック。
  10. 【請求項10】前記セラミックブロックが、灼熱減量が
    3%以下である請求項1〜9のいずれかに記載の透水性
    セラミックブロック。
  11. 【請求項11】前記セラミックブロックが、陶磁器質粒
    子を主体とした骨材からなる表層を有する2層構造体で
    ある請求項1〜10のいずれかに記載の透水性セラミッ
    クブロック。
  12. 【請求項12】前記表層は、厚さが3〜10mmのプレ
    ートである請求項11記載の透水性セラミックブロッ
    ク。
  13. 【請求項13】前記表層は、空隙率が25〜45%で、
    かつ、基材よりも高い空隙率を有する請求項12記載の
    透水性セラミックブロック。
  14. 【請求項14】前記表層は、モース硬度が6以上である
    請求項11記載の透水性セラミックブロック。
  15. 【請求項15】前記表層は、ASTM E303に準拠
    して求めた湿潤時における滑り抵抗値が40BPN以上
    である請求項11記載の透水性セラミックブロック。
  16. 【請求項16】前記セラミックブロックが、側面形状が
    台形である請求項1〜15のいずれかに記載の透水性セ
    ラミックブロック。
  17. 【請求項17】前記セラミックブロックは、側面に目地
    幅規制用の突起が設けられている請求項1〜16のいず
    れかに記載の透水性セラミックブロック。
  18. 【請求項18】下水汚泥溶融スラグおよびゴミ溶融スラ
    グから選ばれる1種以上を75重量%以上含み、かつ
    0.5mm以下の粒子を7〜25重量%含む骨材と、焼
    結バインダを含む混合物を成形した後、該成形体を80
    0〜1200℃の範囲の温度で焼成する方法であって、
    前記下水汚泥溶融スラグまたはゴミ溶融スラグがガラス
    質を主体としており、焼成する工程において結晶化を進
    行させ、X線回折により、CaOとSiO2、あるいはCa
    OとAl2O3とSiO2を含む複酸化物の結晶構造を示す
    明確な回折ピークが得られ、CaOとSiO2、あるいは
    CaOとAl23とSiO2を含む複酸化物の結晶構造に起
    因する回折ピークから計算された結晶性成分の含有量が
    50〜100重量%の範囲内にあることを特徴とする透
    水性セラミックブロックの製造方法。
  19. 【請求項19】前記回折ピークが、アノルサイト、β−
    ウォラストナイト、ゲーレナイトのうち少なくとも1種
    と同定される回折ピークからなることを特徴とする請求
    項18に記載の透水性セラミックブロックの製造方法。
  20. 【請求項20】前記骨材の0.5mm以下の粒子が陶磁
    器質粒子である請求項18または19記載の透水性セラ
    ミックブロックの製造方法。
  21. 【請求項21】前記主体となる骨材である下水汚泥溶融
    スラグおよびゴミ溶融スラグが、4.75mm以下の粒
    子を80重量%以上含むことを特徴とする請求項18〜
    20のいずれかに記載の透水性セラミックブロックの製
    造方法。
  22. 【請求項22】前記焼結バインダが、長石、粘土、天然
    石、陶磁器、ガラス、下水汚泥溶融スラグ、下水汚泥焼
    却灰、ゴミ溶融スラグ、ゴミ焼却灰の粉末から選ばれた
    少なくとも1種類である請求項18〜21のいずれかに
    記載の透水性セラミックブロックの製造方法。
  23. 【請求項23】前記成形用糊剤として、カルボキシメチ
    ルセルロース(CMC)、メチルセルロース、でんぷ
    ん、水ガラスおよびセメントから選ばれた少なくとも1
    種類である請求項18〜22のいずれかに記載の透水性
    セラミックブロックの製造方法。
  24. 【請求項24】前記成形する工程において、振動プレス
    を用いる請求項18〜23のいずれかに記載の透水性セ
    ラミックブロックの製造方法。
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